JP2003192722A - アミノ基含有重合体とその製造方法、ならびに用途 - Google Patents

アミノ基含有重合体とその製造方法、ならびに用途

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Shigeru Yamaguchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来からの水溶性重合体に比べてより一層優
れた、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、顔料分散剤、スケ
ール防止剤などの用途、特に、洗剤用ビルダーと洗剤組
成物における性能を発現できる、新規なアミノ基含有重
合体を提供する。 【解決手段】 本発明のアミノ基含有重合体は、特定の
不飽和カルボン酸系単量体、および、特定の不飽和アル
コール系単量体を必須に含む単量体成分を共重合して得
られる共重合体の有するカルボキシル基の少なくとも一
部にアルキレンイミンを開環付加させることによりアミ
ノ基が導入されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアミノ基含
有重合体に関する。さらに詳しくは、新規なアミノ基含
有重合体とその製造方法、ならびに用途に関する。
【0002】
【従来の技術】水溶性の重合体は、洗剤用ビルダー、顔
料分散剤、スケール防止剤などの用途に好ましく用いら
れ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−ヒドロキ
シアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、
クロトン酸、シトラコン酸などの不飽和カルボン酸系
(共)重合体が従来からよく知られている。そして、洗
剤用ビルダー、顔料分散剤、スケール防止剤などの用途
に対する性能をさらに向上させるべく、上記(共)重合
体の改良研究が近年盛んに行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でに報告されている各種の水溶性重合体は、いずれも洗
剤用ビルダー、顔料分散剤、スケール防止剤などの用途
における性能は未だ十分なものとは言えず、さらなる性
能向上が望まれている。例えば、特公平4−68323
号公報に開示されている、特定の不飽和アルコール系単
量体と特定の不飽和カルボン酸系単量体との2元系共重
合体は、従来の水溶性重合体の中では比較的優れた性能
を有するものではあるが、その性能は決して満足できる
レベルのものではなかった。
【0004】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、洗剤用ビルダー、顔料分散剤、スケール防止剤な
どの用途における性能がより一層優れた、新規な共重合
体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するべく鋭意検討を行った。その結果、不飽和カルボ
ン酸系単量体および特定の不飽和アルコール系単量体と
を含む単量体成分を共重合して得られる共重合体へのア
ミノ基の導入を考え、共重合体の有するカルボキシル基
の少なくとも一部にアルキレンイミンを開環付加させる
ことによりアミノ基が導入されてなる構造を有する新規
な重合体を完成した。そして、この新規なアミノ基含有
重合体が、従来からの水溶性重合体に比べてより一層優
れた、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、顔料分散剤、スケ
ール防止剤などの用途、特に、洗剤用ビルダーと洗剤組
成物における性能を発現できることを見いだした。本発
明はこのようにして完成された。
【0006】すなわち、本発明にかかるアミノ基含有重
合体は、一般式(1a)で表される不飽和カルボン酸系
単量体および/または一般式(1b)で表される不飽和
酸無水物系単量体、および、一般式(2)で表される不
飽和アルコール系単量体を必須に含む単量体成分を共重
合して得られる共重合体の有するカルボキシル基の少な
くとも一部にアルキレンイミンを開環付加させることに
よりアミノ基が導入されてなる。
【0007】
【化9】
【0008】
【化10】
【0009】
【化11】
【0010】本発明にかかる別のアミノ基含有重合体
は、炭素−炭素結合を構成単位とするポリマー鎖部分
と、このポリマー鎖中の炭素原子に結合した一般式
(3)で表される構成部分および一般式(4)で表され
る構成部分とを含んでなる。
【0011】
【化12】
【0012】
【化13】
【0013】本発明にかかるアミノ基含有重合体の製造
方法は、一般式(1a)で表される不飽和カルボン酸系
単量体および/または一般式(1b)で表される不飽和
酸無水物系単量体、および、一般式(2)で表される不
飽和アルコール系単量体を必須に含む単量体成分を共重
合させる工程と、前記工程で得られる共重合体の有する
カルボキシル基の少なくとも一部にアルキレンイミンを
開環付加させる工程とを含んでなる。
【0014】
【化14】
【0015】
【化15】
【0016】
【化16】
【0017】本発明にかかる洗剤用ビルダーは、本発明
のアミノ基含有重合体を必須成分として含む。本発明に
かかる洗剤組成物は、本発明のアミノ基含有重合体を必
須成分として含む。
【0018】
【発明の実施の形態】(共重合体(A))まず、本発明
にかかるアミノ基含有重合体を製造するために用いるこ
とができる、一般式(1a)で表される不飽和カルボン
酸系単量体および/または一般式(1b)で表される不
飽和酸無水物系単量体、および、一般式(2)で表され
る不飽和アルコール系単量体を必須に含む単量体成分を
共重合して得られる共重合体(以下、便宜上、共重合体
(A)と称することがある)について説明する。本発明
で用いることができる一般式(1a)で表される不飽和
カルボン酸系単量体としては、前記一般式(1a)で表
すことができる単量体であれば特に限定されないが、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などを挙げ
ることができる。また、これらの酸は、1価または2価
の金属や、アンモニアや有機アミンにより一部が中和さ
れた部分中和物であってもよい。これらは1種類のみ用
いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0019】本発明で用いることができる一般式(1
b)で表される不飽和酸無水物系単量体としては、前記
一般式(1b)で表すことができる単量体であれば特に
限定されないが、例えば、無水マレイン酸、シトラコン
酸無水物などを挙げることができる。これらは1種類の
み用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。本発
明で用いることができる一般式(2)で表される不飽和
アルコール系単量体としては、前記一般式(2)で表す
ことができる単量体であれば特に限定されないが、例え
ば、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル
−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−
2−オール等の不飽和アルコール1モルに対して、炭素
数2〜18のアルキレンオキサイドを1〜300モル、
好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは5〜60
モル付加した化合物を挙げることができる。炭素数2〜
18のアルキレンオキサイドとしては、スチレンオキサ
イド、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を
挙げることができるが、エチレンオキサイドおよび/ま
たはプロピレンオキサイドを用いるのが好ましい。エチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイドを併用する場
合、その結合順序に制限はない。
【0020】エチレンオキサイドおよび/またはプロピ
レンオキサイドの付加モル数が0モルの場合、本発明の
効果が十分に発揮できず、また、300モルを越えた場
合、本発明の効果の向上は見られず、単に多量の添加量
が必要となるだけとなり、好ましくない。本発明にかか
るアミノ基含有重合体を製造するために必要な、上記共
重合体(A)は、一般式(1a)で表される不飽和カル
ボン酸系単量体および/または一般式(1b)で表され
る不飽和酸無水物系単量体、および、一般式(2)で表
される不飽和アルコール系単量体を必須に含む単量体成
分を共重合して得られるものであるが、当該単量体成分
中には単量体(1a)および/または(1b)、(2)
以外に、必要に応じて、これら単量体と共重合可能な他
の単量体を含んでいてもよい。
【0021】上記他の単量体としては、特に限定されな
いが、例えば、スチレン;スチレンスルホン酸;酢酸ビ
ニル;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルア
ミド;メチル(メタ)アクリレート;エチル(メタ)ア
クリレート;ブチル(メタ)アクリレート;2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート;ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート;アリルアルコール;3−メチル−3−ブ
テン−1−オール;3−メチル−2−ブテン−1−オー
ル;2−メチル−3−ブテン−2−オール;3−(メ
タ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン;3
−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエ
チレンエーテルプロパン;3−(メタ)アクリロキシ−
1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパ
ン;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシ
プロパンホスフェートおよびその1価金属塩、2価金属
塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、または、炭素数1
〜4のアルキル基のモノもしくはジエステル;3−(メ
タ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンサル
フェートおよびその1価金属塩、2価金属塩、アンモニ
ウム塩、有機アミン塩、または、炭素数1〜4のアルキ
ル基のエステル;3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒド
ロキシプロパンスルホン酸およびその1価金属塩、2価
金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、または、炭素
数1〜4のアルキル基のエステル;3−(メタ)アクリ
ロキシ−2−(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン
スルホン酸およびその1価金属塩、2価金属塩、アンモ
ニウム塩、有機アミン塩、または、炭素数1〜4のアル
キル基のエステル;3−(メタ)アクリロキシ−2−
(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパンスルホン酸
およびその1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、
有機アミン塩、または、炭素数1〜4のアルキル基のエ
ステル;3−アリロキシプロパン−1,2−ジオール;
3−アリロキシプロパン−1,2−ジオールホスフェー
ト;3−アリロキシプロパン−1,2−ジオールスルホ
ネート;3−アリロキシプロパン−1,2−ジオールサ
ルフェート;3−アリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキ
シエチレンエーテルプロパン;3−アリロキシ−1,2
−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパンホスフェ
ート;3−アリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチ
レンエーテルプロパンスルホネート;3−アリロキシ−
1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパ
ン;3−アリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシプロピ
レンエーテルプロパンホスフェート;3−アリロキシ−
1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパン
スルホネート;6−アリロキシヘキサン−1,2,3,
4,5−ペンタオール;6−アリロキシヘキサン−1,
2,3,4,5−ペンタオールホスフェート;6−アリ
ロキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペンタオールス
ルホネート;6−アリロキシヘキサン−1,2,3,
4,5−ペンタ(ポリ)オキシエチレンエーテルヘキサ
ン;6−アリロキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペ
ンタ(ポリ)オキシプロピレンエーテルヘキサン;3−
アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸および
その1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、もしく
は、有機アミン塩、または、これらの化合物のリン酸エ
ステルもしくは硫酸エステルおよびそれらの1価金属
塩、2価金属塩、アンモニウム塩、または、有機アミン
塩;3−アリロキシ−2−(ポリ)オキシエチレンプロ
パンスルホン酸およびその1価金属塩、2価金属塩、ア
ンモニウム塩、もしくは、有機アミン塩、または、これ
らの化合物のリン酸エステルもしくは硫酸エステルおよ
びそれらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、
または、有機アミン塩;3−アリロキシ−2−(ポリ)
オキシプロピレンプロパンスルホン酸およびその1価金
属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、もしくは、有機ア
ミン塩、または、これらの化合物のリン酸エステルもし
くは硫酸エステルおよびそれらの1価金属塩、2価金属
塩、アンモニウム塩、または、有機アミン塩;などを挙
げることができる。
【0022】一般式(1a)で表される不飽和カルボン
酸系単量体および/または一般式(1b)で表される不
飽和酸無水物系単量体、および、一般式(2)で表され
る不飽和アルコール系単量体を必須に含む単量体成分を
共重合する方法としては、特に限定されず、例えば、従
来公知の方法によることができる。具体的には、例え
ば、水、有機溶剤、あるいは、水可溶性有機溶剤と水と
の混合溶剤等の溶剤中での重合を挙げることができる。
これら重合に用いることができる触媒系としては、特に
限定されないが、例えば、過硫酸塩や過酸化水素などが
挙げられ、促進剤(亜硫酸水素塩やアスコルビン酸等)
を併用することもできる。その他、アゾ系開始剤や有機
過酸化物等も用いることができ、アミン化合物等の促進
剤も併用できる。反応を有利に進める点で、過酸化水素
とアスコルビン酸を併用した触媒系が好ましい。さら
に、過酸化水素と、鉄イオン、バナジウム原子含有イオ
ン、銅イオンからなる群から選択される1種以上の金属
イオンとの併用系触媒がより好ましい。
【0023】一般式(1a)で表される不飽和カルボン
酸系単量体および/または一般式(1b)で表される不
飽和酸無水物系単量体、および、一般式(2)で表され
る不飽和アルコール系単量体を必須に含む単量体成分を
共重合する場合の、当該単量体成分中の各単量体((1
a)および/または(1b)、(2)、および、必要に
応じて、前述のその他単量体)の割合は、かかる共重合
体の用途により様々な割合をとりうるので、特に限定さ
れないが、例えば、不飽和カルボン酸系単量体(1a)
および/または不飽和酸無水物系単量体(1b)の合計
の割合が、好ましくは5重量%以上、より好ましくは1
5重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上であ
る。不飽和アルコール系単量体(2)の割合も、特に限
定されないが、好ましくは5重量%以上、より好ましく
は20重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上で
ある。また、液体洗剤などに対する相溶性が必要な場合
には、50重量%以上が好ましい。
【0024】共重合体(A)の重量平均分子量は、特に
限定されるものではないが、好ましくは500〜100
0000、より好ましくは500〜500000、さら
に好ましくは500〜100000であるのがよい。 (アミノ基含有重合体)次に、本発明にかかるアミノ基
含有重合体について説明する。本発明にかかるアミノ基
含有重合体を得るためのアミノ基導入は、共重合体
(A)のカルボキシル基の少なくとも一部にアルキレン
イミンを開環付加させることにより行なうことができ
る。なお、アミノ基導入は、共重合体(A)に対して行
なってもよいが、共重合体(A)を得る際の原料単量体
のうちアニオン性基(カルボキシル基や酸無水物基な
ど)を有する不飽和カルボン酸系単量体(1a)および
/または不飽和酸無水物系単量体(1b)に対してあら
かじめ行い、アミノアルキル化されたカルボキシル基を
有する単量体を用いてその後重合するようにしてもよ
い。
【0025】本発明で用いることができるアルキレンイ
ミンは、特に限定されないが、本発明の効果が十分に発
現される点で、炭素数が2〜8のアルキレンイミン、す
なわち、エチレンイミン、プロピレンイミン、ブテンイ
ミン、ペンテンイミン、ヘキセンイミン、ヘプテンイミ
ン、オクテンイミンが好ましく、特に好ましくはエチレ
ンイミンである。アルキレンイミンを開環付加させる方
法としては、特に制限はないが、例えば、40〜150
℃、好ましくは50〜100℃の温度条件下で、変換し
ようとする重合体もしくは単量体とアルキレンイミンと
を混合攪拌することにより容易に開環付加させることが
できる。なお、この開環付加反応は、無溶媒で行っても
良いし、例えば前記重合体(A)を得る際の重合反応で
用いられる溶媒を使用することもできる。
【0026】アルキレンイミンを開環付加させる際に
は、アニオン性基1モルに対して0.01〜10モルの
アルキレンイミンを使用することが好ましい。より好ま
しくは、アニオン性基1モルに対して0.1〜5モルの
アルキレンイミンを使用するのがよく、さらに好ましく
は、0.1〜2モルのアルキレンイミンを使用するのが
よい。アルキレンイミンが0.01モル未満であると、
アミノ基導入量が少なくなり、本発明の効果を充分に発
揮できなくなり、一方、10モルを越えると、得られる
アミノ基含有重合体の貯蔵安定性が低下する傾向があ
る。以上のようにして得られる本発明にかかるアミノ基
含有重合体は、炭素−炭素結合を構成単位とするポリマ
ー鎖部分と、このポリマー鎖中の炭素原子に結合した一
般式(3)で表される構成部分および一般式(4)で表
される構成部分とを含んでなる。
【0027】上記炭素−炭素結合を構成単位とするポリ
マー鎖部分とは、炭素−炭素の単結合(−C−C−)が
連続することによって構成されたポリマー鎖をいう。そ
して、ポリマー鎖中の炭素原子において隣接する炭素原
子との結合に関与していない結合の少なくとも一つは一
般式(3)で表される構成部分に結合し、少なくとも一
つは一般式(4)で表される構成部分に結合している。
一般式(4)で表される構成部分のR5の炭素数は、特
に限定されないが、本発明の効果が十分に発現される点
で、炭素数2〜8であることが好ましく、特に好ましく
は2である。
【0028】本発明にかかるアミノ基含有重合体は、好
ましくは、炭素−炭素結合を構成単位とするポリマー鎖
部分中の炭素原子に結合したカルボキシル基(またはそ
の塩)を有する。本発明にかかるアミノ基含有重合体に
おけるアニオン性基(カルボキシル基や酸無水物基、あ
るいはその塩など)とカチオン性基(アミノ基が導入さ
れた基)との比率は、カチオン性基/アニオン性基=
0.01〜500(モル比)とすることが好ましく、
0.05〜100(モル比)とすることがより好まし
く、0.1〜10(モル比)とすることがさらに好まし
く、0.2〜2(モル比)とすることが特に好ましい。
アニオン性基とカチオン性基との比率がこの範囲を外れ
ると、洗剤組成物としての性能が充分に発現できないこ
ととなるので好ましくない。
【0029】本発明にかかるアミノ基含有重合体は、固
形分あたりのアミン価が0.01〜15mmol/gで
あることが好ましく、0.05〜10mmol/gであ
ることがより好ましく、0.10〜8mmol/gであ
ることがさらに好ましい。アミン価が上記範囲を外れる
と、洗浄効果が低下する恐れがある。また、本発明にか
かるアミノ基含有重合体は、固形分あたりの酸価が0.
1〜10mmol/gであることが好ましく、1〜8m
mol/gであることがより好ましく、2〜7mmol
/gであることがさらに好ましい。酸価が上記範囲を外
れると、洗浄効果が低下する恐れがある。
【0030】本発明にかかるアミノ基含有重合体の重量
平均分子量は、特に限定されるものではないが、好まし
くは500〜1000000、より好ましくは500〜
500000、さらに好ましくは500〜100000
であるのがよい。この範囲を外れると、本発明の効果が
十分に発揮できないおそれがある。本発明にかかるアミ
ノ基含有重合体は、そのままでも後述の各種用途に用い
ることができるが、アミノ基含有重合体にカルボキシル
基が残存している場合には、必要により、さらに塩基性
物質でカルボキシル基の少なくとも一部を中和して用い
ることができる。すなわち、本発明にかかるアミノ基含
有重合体は、カルボキシル基の少なくとも一部が塩基性
物質で中和されているものであってもよい。このような
塩基性物質としては、1価金属および2価金属の水酸化
物、塩化物、炭酸塩および重炭酸塩;アンモニア;有機
アミン等をあげることができ、これらの塩基性物質は一
種類または二種類以上を使用することができる。特に、
洗剤用ビルダーや洗剤組成物など、用途によってはアミ
ノ基含有重合体にカルボキシル基が残存しているほうが
好ましい場合があり、このような場合には上記のように
塩基性物質でカルボキシル基の少なくとも一部を中和し
て用いることができる。
【0031】また、アミノ基含有重合体にカルボキシル
基が残存している場合には、カルボキシル基の少なくと
も一部とアルキレンイミンの開環付加により導入された
アミノ基の少なくとも一部とが分子内で内部塩を形成し
ていてもよい。すなわち、本発明にかかるアミノ基含有
重合体は、カルボキシル基の少なくとも一部がアルキレ
ンイミンの開環付加により導入されたアミノ基の少なく
とも一部と内部塩を形成しているものであってもよい。
本発明にかかるアミノ基含有重合体は、必要により、さ
らに酸性物質でアミノ基の少なくとも一部を中和して用
いることもできる。すなわち、本発明にかかるアミノ基
含有重合体は、アミノ基の少なくとも一部が酸性物質で
中和されているものであってもよい。このような酸性物
質としては、塩酸、臭化水素酸、りん酸、硫酸等の無機
酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、乳酸、(メ
タ)アクリル酸、蓚酸、コハク酸、マレイン酸、ポリ
(メタ)アクリル酸またはその部分塩等の有機酸を挙げ
ることができ、これらの酸性物質は一種類または二種類
以上を使用することができる。このようにアミノ基を中
和することで、貯蔵安定性を向上させることができる。
【0032】(洗剤用ビルダー)本発明にかかる洗剤用
ビルダーは、本発明にかかるアミノ基含有重合体を必須
成分として含むことを特徴とする。具体的には、本発明
にかかる洗剤用ビルダーは、本発明にかかるアミノ基含
有重合体のみからなっていてもよいし、他の洗剤用ビル
ダーと混合して用いてもよい。また、本発明にかかる洗
剤用ビルダーに用いるアミノ基含有重合体は、前述のよ
うに、必要に応じ、さらに塩基性物質や酸性物質で中和
したものであってもよい。
【0033】上記他の洗剤用ビルダーとしては、特に限
定されないが、例えば、トリポリリン酸ナトリウム、ピ
ロリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポウ硝、炭酸
ナトリウム、ニトリロトリ酢酸ナトリウム、エチレンジ
アミンテトラ酢酸ナトリウムやカリウム、ゼオライト、
多糖類のカルボキシル誘導体、(メタ)アクリル酸
(共)重合体塩、フマール酸(共)重合体塩などの水溶
性重合体等が挙げられる。本発明にかかる洗剤用ビルダ
ーは、液体洗剤用であっても粉末洗剤用であってもよい
が、洗剤用ビルダーが液体洗剤組成物に用いられると、
後述の界面活性剤との相溶性に優れ、高濃縮の液体洗剤
組成物となるため好ましい。
【0034】(洗剤組成物)本発明にかかる洗剤組成物
は、本発明にかかるアミノ基含有重合体を必須成分とし
て含むことを特徴とする。好ましくは、本発明にかかる
アミノ基含有重合体を必須成分として含む洗剤用ビルダ
ーを必須成分として含む。本発明にかかる洗剤組成物に
用いるアミノ基含有重合体は、前述のように、必要に応
じ、さらに塩基性物質や酸性物質で中和したものであっ
てもよい。本発明にかかる洗剤組成物中には、前記アミ
ノ基含有重合体以外に、洗剤用界面活性剤を通常含有す
る。
【0035】界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、ノ
ニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、および、
両性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種であり、こ
れらの界面活性剤は1種または2種以上を使用すること
ができる。アニオン系界面活性剤の具体例としては、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニ
ルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、
α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸または
エステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和または不飽和
脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン
酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界
面活性剤、アルキルまたはアルケニルリン酸エステルま
たはその塩等を挙げることができる。
【0036】ノニオン系界面活性剤の具体例としては、
ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高
級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキ
サイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコ
キシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミ
ンオキサイド等を挙げることができる。カチオン系界面
活性剤の具体例としては、第4アンモニウム塩等を挙げ
ることができる。両性界面活性剤の具体例としては、カ
ルボキシル型またはスルホベタイン型両性界面活性剤等
を挙げることができる。
【0037】本発明にかかる洗剤組成物に含まれる本発
明の洗剤用ビルダーとしてのアミノ基含有重合体の配合
割合は、洗剤組成物中、好ましくは0.1〜60重量%
であり、より好ましくは3〜30重量%である。洗剤用
ビルダーとしてのアミノ基含有重合体の配合割合が0.
1重量%未満であると、十分な洗剤性能を発揮できなく
なる。他方、60重量%を超えると、経済性が低下す
る。本発明にかかる洗剤組成物に含まれる界面活性剤の
配合割合は、洗剤組成物中、好ましくは10〜60重量
%であり、より好ましくは15〜50重量%である。界
面活性剤の配合割合が10重量%未満であると、十分な
洗剤性能を発揮できなくなる。他方、60重量%を超え
ると、経済性が低下する。
【0038】本発明にかかる洗剤組成物には、洗剤に慣
用されている種々の添加剤を加えることが出来る。例え
ば、汚染物質の再沈着を防止するためのカルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、ベンゾトリアゾールやエチレ
ン−チオ尿素等のよごれ抑制剤、pH調節のためのアル
カリ性物質、香料、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定
剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、酵素、染料、溶媒等
である。本発明にかかる洗剤組成物は、液体洗剤用であ
っても粉末洗剤用であってもよいが、洗剤用ビルダーが
液体洗剤組成物に用いられると、後述の界面活性剤との
相溶性に優れ、高濃縮の液体洗剤組成物となるため好ま
しい。
【0039】本発明のアミノ基含有重合体は、アミノ基
の反応性やカチオン性を活用できるとともに、各種用途
に有用な硬化性、フィルムや繊維への吸着性等の種々の
性能を発揮することができる。具体的には、フィルムや
繊維に対する帯電防止効果やすべり性改良、親水性付
与、界面活性性付与等の効果が得られる。特に、ポリエ
ステル繊維等の親水性化にも適用可能である。したがっ
て、本発明のアミノ基含有重合体は、例えば、エポキシ
硬化剤、電池用固体電解質、酵素固定化剤、保水剤、汚
泥凝集剤、凝集剤、重金属捕集剤、飛煤捕集剤、キレー
ト剤、イオン交換樹脂、掘削土処理剤、粘度調節剤、建
設工事および石油井掘削用のドリリングマッド添加剤、
粘着剤、シーラント、塗料、接着剤、アンカーコート
剤、プライマー、表面処理剤、インク(グラビアイン
ク、オフセットインク等)、インクジェット用インク、
セラミックバインダー、防蝕剤、吸着剤、臭い捕集剤、
紙力増強剤、歩留向上剤、濾水性向上剤、顔料塗工用バ
インダー、抄紙用分散剤、脱墨剤、整髪剤、化粧品基剤
・添加剤、洗剤添加剤、粉末洗剤用ビルダー、液体洗剤
用ビルダー、界面活性剤、乳化剤、気泡調整剤、乳化破
壊剤、スケール防止剤、無機物分散剤、顔料分散剤、セ
メント分散剤(AE剤、セメント減水剤等)、浮遊選鉱
剤、油添加剤(粘度指数向上剤、清浄剤等)、繊維処理
剤、染色改良剤、帯電防止剤、繊維柔軟化剤、架橋剤等
の幅広い用途に好適に用いられる。
【0040】
【実施例】以下、実施例によりさらに詳細に本発明を説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、得られた重合体の物性は以下の方法で測定した。 <重量平均分子量> 1)重合体(1)〜(4)の重量平均分子量は、下記条
件のGPC分析で測定した。 装置:日立社製L−7000シリーズ 検出器:RI カラム:SHODEX社製「SB−G、SB−804、
SB−803、SB−802.5」 カラム温度:40℃ 検量線:ジーエルサイエンス社製「POLYETHYL
ENE OXIDE STANDARD」 溶離液:0.5M酢酸+0.5M酢酸Na 流速:0.8ml/min GPCソフト:日本分光社製「BORWIN」 2)比較重合体(1)の重量平均分子量は、下記条件の
GPC分析で測定した。 装置:日立社製L−7000シリーズ 検出器:RI カラム:SHODEX社製「Asahipak GF−
1G、GF−710HQ、GF−310HQ」 カラム温度:40℃ 検量線:アメリカンポリマースタンダード社製「ポリア
クリル酸スタンダード」 溶離液:0.1M酢酸Na/アセトニトリル=75/2
5(重量比) 流速:0.5ml/min GPCソフト:日本分光社製「BORWIN」 <残存酸価>50mlのサンプル管に得られた試料ポリ
マー0.1gを秤量し、イオン交換水で20gになるよ
うに秤量し希釈した。さらに、該希釈液を0.5g採取
し、イオン交換水約100mlで希釈し、0.1N水酸
化ナトリウム水溶液でpH11に調整した。調整後、過
剰量のN/200メチルグリコールキトサン溶液5ml
を加え、充分攪拌した。さらに、トルイジンブルー指示
薬を6滴加えて良く攪拌しながら、N/400ポリビニ
ル硫酸カリウム(PVSK)溶液にてコロイド逆滴定を
行った。なお、青色から紫色に変わる点を終点とする。
他方、空試験としてイオン交換水100mlについても
同様の操作を行った。そして、これらの結果から、下記
の計算式により酸価を求めた。
【0041】酸価(mmol/g)=(f×N×(a−
b))/(試料量(g)×固形分(%)/100) f:PVSKのファクター N:PVSK規定度(N/400) a:空試験PVSK滴定量(ml) b:測定試料PVSK滴定量(ml)(固形分:反応時
の仕込みから算出) <アミン価>50mlのサンプル管に得られた試料ポリ
マー0.5gを秤量し、イオン交換水で30gになるよ
うに秤量し希釈した。さらに、該希釈液を0.5g採取
し、イオン交換水約100mlで希釈し、0.1N塩酸
でpH2.3に調整した。さらに、トルイジンブルー指
示薬を6滴加えて良く攪拌しながら、N/400ポリビ
ニル硫酸カリウム(PVSK)溶液にてコロイド滴定を
行った。なお、青色から紫色に変わる点を終点とする。
そして、これらの結果から、下記の計算式によりアミン
価を求めた。 アミン価(mmol/g)=(f×N×a)/(試料量
(g)×固形分(%)/100) f:PVSKのファクター N:PVSK規定度(N/400) a:測定試料PVSK滴定量(ml)(固形分:反応時
の仕込みから算出) (実施例1)撹拌機、冷却管、温度計、窒素導入管、滴
下ロートを備えた、300mlセパラブルフラスコに、
3−メチル−2−ブテン−1−オールにエチレンオキシ
ドを10モル付加した不飽和アルコール(以下IPN−
10と称す)150重量部と純水100重量部を仕込
み、窒素置換後、撹拌しながら95℃まで昇温した。9
5℃になった時点で、マレイン酸33.1重量部と過硫
酸アンモニウム6.5重量部を70重量部の純水に溶解
させたものを120分かけて滴下した。該溶液の滴下
後、同温度(95±5℃)で1時間熟成し、重合を完結
し、カルボキシル基含有重合体水溶液を得た。
【0042】得られたカルボキシル基含有重合体水溶液
70重量部に、攪拌下、30℃にてエチレンイミン4.
6重量部(イミノ基/カルボキシル基=1.0モル比)
を30分にわたり加えた。滴下後、固形分調整のため
3.9重量部の脱イオン水を加えた後、加熱して80℃
まで昇温し、3時間攪拌して熟成を行い、その後冷却し
て、アミノ基含有重合体(1)を得た。得られたアミノ
基含有重合体(1)の重量平均分子量は9900、固形
分あたり残存酸価は2.25mmol/g、固形分あた
りアミン価は2.07mmol/gであった。また、得
られたアミノ基含有重合体(1)を検出限界1ppm以
下のガスクロマトグラフィーで分析した結果、未反応の
エチレンイミンは検出されなかった。
【0043】(実施例2)撹拌機、冷却管、温度計、窒
素導入管、滴下ロートを備えた、300mlセパラブル
フラスコに、無水マレイン酸14.58重量部、純水4
2.96重量部、モール塩0.0038重量部を仕込
み、窒素置換後、撹拌しながら還流する温度まで昇温し
た(約103℃)。所定の温度になった時点で、3−メ
チル−2−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを
50モル付加した不飽和アルコール(以下IPN−50
と称す)50重量部に純水20重量部を加えた溶液と、
80%アクリル酸水溶液20.09重量部、35%過酸
化水素水7.65重量部に純水を20.43重量部加え
た溶液とを、それぞれ120分かけて滴下した。滴下
後、還流温度下で1時間熟成し、重合を完結させ、カル
ボキシル基含有重合体水溶液を得た。
【0044】得られたカルボキシル基含有重合体水溶液
60重量部に、攪拌下、30℃にてエチレンイミン8.
2重量部(イミノ基/カルボキシル基=1.0モル比)
を30分にわたり加えた。滴下後、固形分調整のため
9.6重量部の脱イオン水を加えた後、加熱して80℃
まで昇温し、3時間攪拌して熟成を行い、その後冷却し
て、アミノ基含有重合体(2)を得た。得られたアミノ
基含有重合体(2)の重量平均分子量は4800、固形
分あたり残存酸価は3.41mmol/g、固形分あた
りアミン価は3.69mmol/gであった。また、得
られたアミノ基含有重合体(2)を検出限界1ppm以
下のガスクロマトグラフィーで分析した結果、未反応の
エチレンイミンは検出されなかった。
【0045】(実施例3)撹拌機、冷却管、温度計、窒
素導入管、滴下ロートを備えた、300mlセパラブル
フラスコに、無水マレイン酸8.09重量部、純水2
3.82重量部、モール塩0.0044重量部を仕込
み、窒素置換後、撹拌しながら還流する温度まで昇温し
た(約103℃)。所定の温度になった時点で、3−メ
チル−2−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを
25モル付加した不飽和アルコール(以下IPN−25
と称す)50重量部に純水20重量部を加えた溶液と、
80%アクリル酸水溶液29.7重量部、35%過酸化
水素水8.83重量部に純水を20.43重量部加えた
溶液とを、それぞれ120分かけて滴下した。滴下後、
還流温度下で1時間熟成し、重合を完結させ、カルボキ
シル基含有重合体水溶液を得た。
【0046】得られたカルボキシル基含有重合体水溶液
50重量部に、攪拌下、30℃にてエチレンイミン6.
7重量部(イミノ基/カルボキシル基=1.0モル比)
を30分にわたり加えた。滴下後、固形分調整のため
9.1重量部の脱イオン水を加えた後、加熱して80℃
まで昇温し、3時間攪拌して熟成を行い、その後冷却し
て、アミノ基含有重合体(3)を得た。得られたアミノ
基含有重合体(3)の重量平均分子量は13000、固
形分あたり残存酸価は3.73mmol/g、固形分あ
たりアミン価は3.86mmol/gであった。また、
得られたアミノ基含有重合体(3)を検出限界1ppm
以下のガスクロマトグラフィーで分析した結果、未反応
のエチレンイミンは検出されなかった。
【0047】(実施例4)撹拌機、冷却管、温度計、窒
素導入管、滴下ロートを備えた、300mlセパラブル
フラスコに、無水マレイン酸6.30重量部、純水6
0.74重量部、モール塩0.005重量部を仕込み、
窒素置換後、撹拌しながら還流する温度まで昇温した
(約103℃)。所定の温度になった時点で、IPN−
10を90重量部、50%アクリル酸水溶液41.92
重量部、10%過硫酸ナトリウム水溶液26.3重量
部、10%過酸化水素水21.04重量部を、それぞれ
120分かけて滴下した。滴下後、還流温度下で1時間
熟成し、重合を完結させ、カルボキシル基含有重合体水
溶液を得た。
【0048】得られたカルボキシル基含有重合体水溶液
50重量部に、攪拌下、30℃にてエチレンイミン7.
6重量部(イミノ基/カルボキシル基=2.0モル比)
を30分にわたり加えた。滴下後、固形分調整のため
7.7重量部の脱イオン水を加えた後、加熱して80℃
まで昇温し、3時間攪拌して熟成を行い、その後冷却し
て、アミノ基含有重合体(4)を得た。得られたアミノ
基含有重合体(4)の重量平均分子量は12500、固
形分あたり残存酸価は2.92mmol/g、固形分あ
たりアミン価は4.68mmol/gであった。また、
得られたアミノ基含有重合体(4)を検出限界1ppm
以下のガスクロマトグラフィーで分析した結果、未反応
のエチレンイミンは検出されなかった。
【0049】(比較例1)特開2000―80396号
公報の実施例A−3に記載されている方法に準じて比較
重合体(1)としてポリアクリル酸を得た。すなわち、
攪拌機およびコンデンサーを備えた容量5LのSUS3
16製セパラブルフラスコに、イオン交換水1172重
量部を仕込み、攪拌下、系の沸点(100℃)まで昇温
した。そこに、80%アクリル酸水溶液2126.1重
量部(アクリル酸1700.9重量部とイオン交換水4
25.2重量部)、15%過硫酸ナトリウム水溶液11
2.4重量部(過硫酸ナトリウム16.86重量部とイ
オン交換水95.54重量部)および45%次亜リン酸
ナトリウム1水和物水溶液250.4重量部(次亜リン
酸ナトリウム1水和物112.7重量部とイオン交換水
137.7重量部)をそれぞれ別々の滴下口より滴下し
た。80%アクリル酸水溶液は180分で滴下した。1
5%過硫酸ナトリウム水溶液は185分で滴下した。4
5%次亜リン酸ナトリウム1水和物水溶液は180分で
滴下した。過硫酸ナトリウムの使用量はアクリル酸1モ
ルに対して0.003モルである。次亜リン酸ナトリウ
ム1水和物の使用量はアクリル酸1モルに対して0.0
45モルである。また、反応器への初期仕込みの水系媒
体量は水系媒体の合計量の55%であった。滴下期間
中、反応温度は系の沸点(100〜105℃)を維持し
た。滴下終了後、同温度に5分間保持することにより熟
成を終了し、ポリアクリル酸を得た。得られた比較重合
体(1)の重量平均分子量は5000であり、固形分あ
たりの酸価は13.1mmol/gであった。
【0050】[再汚染防止能:実施例5−1〜5−4お
よび比較例2]実施例1〜4および比較例1で得られた
重合体を固形分換算で17.5ppm含む洗剤水溶液
を、下記配合で、界面活性剤(SFT−70H+LA
S)濃度が350ppmになるように調製した。 <配合> 非イオン界面活性剤(SFT−70H)注1):10g 陰イオン界面活性剤(LAS)注2):15.3g ジエタノールアミン:2.5g エタノール:2.5g プロピレングリコール:2.5g 水:67.2g 注1)SFT−70H:ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル「ソフタノール70H」 日本触媒製 注2)LAS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
「ネオペレックスF−65」 花王製 次に、綿布((財)洗濯科学協会より入手)を5cm×
5cmに裁断した白布8枚を用意した。そして、前記洗
剤水溶液1Lに、クレイ(試験用ダスト11種(関東ロ
ーム、超微粒)日本粉体工業技術協会)0.5gと白布
8枚とを加え、ターゴトメータを用いて、洗濯時間10
分(ターゴトメータ100rpm)、濯ぎ時間2分(タ
ーゴトメータ100rpm)で、洗濯・濯ぎを3回繰り
返した後、布をアイロンで乾燥させた。なお、使用した
水の硬度は50ppm(炭酸カルシウム換算)、水温は
25℃であった。
【0051】上記試験前の白布(原布)および試験後の
白布(汚染布)の反射率(ハンター白色度)を色差計(日
本電色工業株式会社製「SE2000」)にて測定し、
原布および汚染布それぞれ8枚の平均値を算出し、該平
均値を用いて次式によって再汚染防止率を求め、再汚染
防止能を評価した。結果を表1に示す。 再汚染防止率(%)=(汚染布の反射率/原布の反射
率)×100
【0052】
【表1】
【0053】[洗浄力:実施例6−1〜6−4および比
較例3]実施例1〜4および比較例1で得られた重合を
固形分換算で50ppm含む洗剤水溶液を、下記配合
で、界面活性剤(SFT−70H+LAS)濃度が35
0ppmになるように調製した。 <配合> 非イオン界面活性剤(SFT−70H)注1):10g 陰イオン界面活性剤(LAS)注2):15.3g ジエタノールアミン:2.5g エタノール:2.5g プロピレングリコール:2.5g 水:67.2g 注1)SFT−70H:ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル「ソフタノール70H」 日本触媒製 注2)LAS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
「ネオペレックスF−65」 花王製 次に、湿式人工汚染布((財)洗濯科学協会製)を5枚用
意した。そして、前記洗剤水溶液500mLに汚染布5
枚を加え、ターゴトメータを用いて、洗濯時間10分
(ターゴトメータ100rpm)、濯ぎ時間2分(ター
ゴトメータ100rpm)で、洗濯・濯ぎを行なった
後、布をアイロンで乾燥させた。なお、使用した水の硬
度は50ppm(炭酸カルシウム換算)、水温は25℃
であった。
【0054】上記試験前および試験後の汚染布と白布
((財)洗濯科学協会より入手)の反射率(ハンター白
色度)を、色差計(日本電色工業株式会社製「SE200
0」)にて測定し、試験前および試験後の汚染布それぞ
れ5枚の平均値を算出し、該平均値を用いて次式によっ
て洗浄率を求め、洗浄力を評価した。結果を表2に示
す。 洗浄率(%)=[(試験後の汚染布の反射率―試験前の
汚染布の反射率)/(白布の反射率−試験前の汚染布の
反射率)]×100
【0055】
【表2】
【0056】[相溶性:実施例7−1〜7−6および比
較例4−1〜4−3]表3に示す成分配合(但し、表3
中の数値は、有効成分の固形分換算による値であり、単
位は「重量部」である)で洗剤組成物を調製した。そし
て、各成分が均一になるように充分に攪拌した後、濁度
計(日本電色株式会社製「NDH2000」)を用い
て、25℃での濁度値(Turbidity(カオリン
濁度)(mg/l))を測定し、目視による観察と併せ
て次の3段階で液体洗剤への相溶性を評価した。結果を
表3に示す。 ○:濁度値(0〜50);目視で分離、沈殿または白濁
が全く認められない。
【0057】△:濁度値(50〜200);目視で僅か
に白濁が認められる。 ×:濁度値(200以上);目視で白濁が認められる。
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、従来からの水溶性重合
体に比べてより一層優れた、洗剤用ビルダー、洗剤組成
物、顔料分散剤、スケール防止剤などの用途、特に、洗
剤用ビルダーと洗剤組成物における性能を発現できる、
新規なアミノ基含有重合体を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 290/06 C08F 290/06 C11D 3/26 C11D 3/26 3/37 3/37 D06L 1/12 D06L 1/12 (72)発明者 佐伯 卓哉 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 藤井 義一 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 山口 繁 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4H003 AB19 AC07 EB04 EB06 EB12 EB14 EB28 EB32 ED28 4J027 AC02 AC07 BA02 BA03 BA06 CB03 CC02 4J100 AE18R AE26R AJ01P AJ02P AJ08P AJ09P AK03P AK07P AK08P AK13P AK19P AK20P AK21P AK24P AK25P AK29P AK32Q BA03R BA08R BA16P BA28H BC43R CA04 CA05 CA31 DA01 HA61 HC64 JA57

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1a)で表される不飽和カルボン
    酸系単量体および/または一般式(1b)で表される不
    飽和酸無水物系単量体、および、一般式(2)で表され
    る不飽和アルコール系単量体を必須に含む単量体成分を
    共重合して得られる共重合体の有するカルボキシル基の
    少なくとも一部にアルキレンイミンを開環付加させるこ
    とによりアミノ基が導入されてなる、アミノ基含有重合
    体。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】アルキレンイミンの開環付加により導入さ
    れたアミノ基の少なくとも一部が酸性物質で中和されて
    いる、請求項1に記載のアミノ基含有重合体。
  3. 【請求項3】炭素−炭素結合を構成単位とするポリマー
    鎖部分と、このポリマー鎖中の炭素原子に結合した一般
    式(3)で表される構成部分および一般式(4)で表さ
    れる構成部分とを含んでなる、アミノ基含有重合体。 【化4】 【化5】
  4. 【請求項4】一般式(1a)で表される不飽和カルボン
    酸系単量体および/または一般式(1b)で表される不
    飽和酸無水物系単量体、および、一般式(2)で表され
    る不飽和アルコール系単量体を必須に含む単量体成分を
    共重合させる工程と、前記工程で得られる共重合体の有
    するカルボキシル基の少なくとも一部にアルキレンイミ
    ンを開環付加させる工程とを含んでなる、アミノ基含有
    重合体の製造方法。 【化6】 【化7】 【化8】
  5. 【請求項5】アルキレンイミンの開環付加により導入さ
    れたアミノ基の少なくとも一部を酸性物質で中和する工
    程をさらに含む、請求項4に記載のアミノ基含有重合体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1から3までのいずれかに記載のア
    ミノ基含有重合体を必須成分として含む、洗剤用ビルダ
    ー。
  7. 【請求項7】請求項1から3までのいずれかに記載のア
    ミノ基含有重合体を必須成分として含む、洗剤組成物。
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