JP2013216838A - 重合体組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な界面活性剤との相溶性を有しつつ、優れた再汚染防止能を有する重合体組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
(i)(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造単位(a)と、ジカルボン酸(塩)に由来する構造単位(b)とを含む重合体であって、該構造単位(a)と構造単位(b)との比が80:20〜30:70である重合体(X1)と、(ii)(メタ)アクリル酸系単量体を必須とする単量体をポリアルキレングリコール構造を有する化合物の存在下で重合させる工程を含み製造された重合体であって、該重合させる工程における、重合開始時の水の量が上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し0〜120質量部であり、(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における反応溶液に含まれる水の量が、上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し100〜100,000質量部である、重合体(X2)、とを含む重合体組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、重合体組成物およびその製造方法に関する。より詳しくは、ポリアルキレングリコール構造単位を含む重合体と、カルボキシル基含有単量体由来の構造単位を含む重合体とを含む重合体組成物およびその製造方法に関する。
アクリル酸(塩)ホモポリマーやアクリル酸(塩)/マレイン酸(塩)コポリマー等のポリカルボン酸系重合体を洗剤に配合することによって、再汚染防止能や洗浄力が向上することが知られている。しかし、上記重合体は、界面活性剤との相溶性が十分ではなく、液体洗剤(特に高濃縮タイプ)には配合し難いとの問題があった。
引用文献1には、エチレンオキサイドを80mol%以上構成単位として有する数平均分子量200以上のポリエーテル化合物(A)に、(メタ)アクリル酸(B1)40〜100mol%および共重合可能な他のモノエチレン性不飽和単量体(B2)0〜60mol%からなる単量体成分(B)をポリエーテル化合物(A)に対して25wt%以上の量でグラフト重合して水溶性グラフト重合体を得るに際し、ポリエーテル化合物(A)に単量体成分(B)を重合開始剤の存在下で実質的に溶媒を用いず、100℃以上の温度でグラフト重合反応させることを特徴とする水溶性グラフト重合体の製造方法が開示されている。上記方法によれば、エチレンオキサイドを主成分とするポリエーテルに、(メタ)アクリル酸を主体とするモノエチレン性不飽和単量体を、カルボン酸密度が高く、かつグラフト効率高い、いいかえるとポリエーテルにグラフトしていないモノエチレン性不飽和単量体の重合体が少ない水溶性グラフト重合体を、容易に効率よく製造することができることが開示されている。上記グラフト重合体は、界面活性剤との相溶性に優れることが開示されている。
一方、引用文献2には、(メタ)アクリル酸系単量体を、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物存在下で重合させる、重合体混合物の製造方法であって、初期仕込み水の量が、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して90質量部未満であり、かつ、(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量が、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して、1〜100,000質量部である、重合体混合物の製造方法が開示されている。
上記方法によれば、得られる重合体混合物は、再汚染防止能に優れ、保存安定性に優れることから、製造される洗剤の品質が安定する。さらに、保存安定性の向上によって、洗剤製造の自由度が向上し、製造コストも削減されることが開示されている。
特開平7−53645号公報 特開2004−331839号公報
ところで、近年、ドラム式洗濯機の普及により、粉末洗剤の洗濯中における溶け残りの問題が一層大きくなっている。よって、液体洗剤にも配合可能とするように、界面活性剤、とりわけ液体洗剤に多く配合されるノニオン性界面活性剤との相溶性が良好な重合体が求められてきている。液体洗剤は、コンパクト化(高濃縮化)が要求されてきている。
さらに、消費者の環境意識が高まってきたことにより、節水を目的として、風呂の残り湯を洗濯に使用したり、ドラム式洗濯機の普及により少量の水で洗濯したりすることが定着してきた。これによって、風呂の残り湯に含まれている汚れ成分や洗濯中に繊維から離れた汚れ成分が、洗濯中に繊維等に付着することが問題となるため、洗濯中に汚れ成分の繊維への再付着を抑制する性能(「再汚染防止能」という)も厳しく求められるようになってきている。
上記ように、従来、種々の重合体(組成物)が報告されてはいるものの、十分な界面活性剤との相溶性を有しつつ、再汚染防止能のさらなる改良を検討する余地があった。
そこで、本発明は、十分な界面活性剤との相溶性を有しつつ、優れた再汚染防止能を有する重合体組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、本発明者らは所定の重合体を含む重合体組成物が、良好な再汚染防止能と、界面活性剤との相溶性とを有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の重合体組成物は、(i)(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造単位(a)と、ジカルボン酸(塩)に由来する構造単位(b)とを含む重合体であって、該構造単位(a)と構造単位(b)との比が80:20〜30:70である重合体(X1)と、(ii)(メタ)アクリル酸(塩)を必須とする単量体をポリアルキレングリコール構造を有する化合物の存在下で重合させる工程を含み製造された重合体であって、該重合させる工程における、重合開始時の水の量が上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し0〜120質量部であり、(メタ)アクリル酸(塩)の添加終了時における反応溶液に含まれる水の量が、上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し100〜100,000質量部である、重合体(X2)、とを含む重合体組成物である。
本発明の重合体組成物は、良好な再汚染防止能および良好な界面活性剤との相溶性を有する。したがって、本発明の重合体組成物は液体洗剤組成物への添加剤として好ましく使用することができる。
<重合体(X1)>
本発明の重合体組成物は、(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造単位(a)と、ジカルボン酸(塩)に由来する構造単位(b)とを含む重合体(以下、重合体(X1)との言う)であって、該構造単位(a)と構造単位(b)とのモル比が80:20〜30:70である重合体(X1)を必須として含む。
本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸を表わし、(メタ)アクリル酸(塩)とは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩を表わす。
(メタ)アクリル酸塩における塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩であり、具体的には、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;鉄の塩等の遷移金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;モノエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩等のアルキルアミン塩;エチレンジアミン塩、トリエチレンジアミン塩等のポリアミン等の有機アミンの塩;等が挙げられる。この中でもナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。
(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造単位(a)とは、(メタ)アクリル酸(塩)の炭素炭素二重結合が単結合になった構造単位であり、例えばアクリル酸由来の構造単位は、−CH−CH(COOH)−、で表わすことができる。
本発明において、ジカルボン酸(塩)とは、ジカルボン酸、ジカルボン酸塩を表わす。ジカルボン酸塩における塩とは、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩であり、具体的には、上記(メタ)アクリル酸塩における塩と同様である。ジカルボン酸塩は、一塩(片方のカルボキシル基のみが塩であるジカルボン酸塩)であってもよく、二塩(両方のカルボキシル基が塩であるジカルボン酸塩)であっても良い。二塩において、二つのカルボキシル基の塩は同種でも異なっていても良い。
ジカルボン酸塩としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、メチレングルタル酸、およびこれらの塩等が例示される。この中でも、本発明の重合体組成物の再汚染防止能が向上する傾向にあることから、マレイン酸及びマレイン酸塩が好ましい。
ジカルボン酸(塩)に由来する構造単位(b)とは、ジカルボン酸(塩)の炭素炭素二重結合が単結合になった構造単位であり、例えばマレイン酸由来の構造単位は、−CH(COOH)−CH(COOH)−、で表わすことができる。
上記重合体(X1)は、構造単位(a)、構造単位(b)に加え、その他の単量体に由来する構造単位(e)を有していても良い。
その他の単量体に由来する構造単位(e)とは、その他の単量体の炭素炭素二重結合(その他の単量体が二以上の炭素炭素二重結合を有する場合には少なくとも一つ)が単結合になった構造単位である。
その他の単量体としては、具体的には、ビニルスルホン酸、1−アクリルアミド−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、およびこれらの塩等の単量体(A)以外のスルホン酸基含有単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノールにアルキレンオキサイドを付加した単量体、アルコキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アリルアルコール等のアリルエーテル系単量体;イソプレノール、等のイソプレン系単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体;スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体、イソブチレン、酢酸ビニル;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基とアミノ基を有するビニル芳香族系アミノ基含有単量体およびこれらの4級化物や塩;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、アミノエチルメタクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類およびこれらの4級化物や塩;ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のアリルアミン類およびこれらの4級化物や塩;(i)(メタ)アリルグリシジルエーテル、イソプレニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルのエポキシ環に、(ii)ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン等のジアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、イミノジ酢酸、グリシン等のアミノカルボン酸、モルホリン、ピロール等の環状アミン類等のアミンを反応させることにより得られる単量体およびこれらの4級化物や塩等、が挙げられる。
また、上記構造単位(e)は、1種であっても、2種類以上であっても良い。
上記重合体(X1)は、上記構造単位(a)と上記構造単位(b)とをモル比で80:20〜30:70の範囲で有することを特徴としている。好ましくは80:20〜40:60であり、より好ましくは75:25〜50:50である。また、上記重合体(X1)は、全単量体に由来する構造単位(構造単位(a)、構造単位(b)、構造単位(e)の合計)100モル%に対して、構造単位(e)を0〜50モル%有していてもよい。構造単位(e)の好ましい含有量は、0〜20モル%であり、さらに好ましい含有量は0〜10モル%である。上記範囲であることにより、本発明の重合体組成物の再汚染防止能が向上する傾向にある。
上記重合体(X1)は、重量平均分子量Mwが1000〜100000であることが好ましく、3000〜70000であることがより好ましく、5000〜60000であることがさらに好ましい。重量平均分子量がこの範囲内であれば、本発明の重合体組成物の再汚染防止能が向上する傾向にある。
上記重合体(X1)は、本発明の重合体組成物の再汚染防止能が向上する傾向にあることから、カルシウムイオン捕捉能が400以上であることが好ましい。より好ましくは420以上である。カルシウムイオン捕捉能(mgCaCO/g)とは、水溶性重合体1gが捕捉するカルシウムイオンを炭酸カルシウムの量で換算したmg数として定義され、水溶性重合体が水中のカルシウムイオンをどれだけ多く捕捉するかを示す指標である。例えば、洗剤組成物等の用途において主成分として用いられる界面活性剤は、水中のカルシウムイオンと結合すると不溶化し、その界面活性効果が顕著に低下する。ここで、界面活性剤と共にカルシウムイオン捕捉能が高い水溶性重合体を用いると、界面活性剤の不溶化が防止され、洗浄力向上等の効果が大きくなり十分に発揮される。
本発明において、カルシウムイオン捕捉能は以下に示す測定方法で測定される。
(カルシウムイオン捕捉能の測定方法)
容量100ccのビーカーに、0.001mol/Lの塩化カルシウム水溶液50gを採取し、共重合体を固形分換算で10mg添加する。次に、この水溶液のpHを希水酸化ナトリウムで9〜11に調整する。その後、撹拌下、カルシウムイオン電極安定剤として、4mol/Lの塩化カリウム水溶液1mlを添加する。イオンアナライザー(EA920型、オリオン社製)及びカルシウムイオン電極(93−20型、オリオン社製)を用いて、遊離のカルシウムイオンを測定し、共重合体1g当たり、炭酸カルシウム換算で何mgのカルシウムイオンがキレートされたか(キレート能の1種であるカルシウムイオン捕捉能)を計算で求める。カルシウムイオン捕捉能の単位は「mgCaCO/g」である。
上記重合体(X1)は、(メタ)アクリル酸(塩)とジカルボン酸(塩)とを必須とし、必要に応じて上記その他の単量体を含む単量体を重合開始剤の存在下で重合する工程を含み、製造することができる。
重合体(X1)の重合に用いられる(メタ)アクリル酸(塩)の使用量は、全単量体((メタ)アクリル酸(塩)、ジカルボン酸(塩)、その他の単量体の合計)100モル%に対して、(メタ)アクリル酸(塩)が30モル%以上、80モル%以下であることが好ましく、40モル%以上、80モル%以下であることがより好ましく、50モル%以上、75モル%以下であることがさらに好ましい。
重合体(X1)の重合に用いられるジカルボン酸(塩)の使用量は、全単量体((メタ)アクリル酸(塩)、ジカルボン酸(塩)、その他の単量体の合計)100モル%に対して、ジカルボン酸(塩)が20モル%以上、70モル%以下であることが好ましく、20モル%以上、60モル%以下であることがより好ましく、25モル%以上、50モル%以下であることがさらに好ましい。
重合体(X1)の重合に用いられるその他の単量体の使用量は、全単量体((メタ)アクリル酸(塩)、ジカルボン酸(塩)、その他の単量体の合計)100モル%に対して、その他の単量体が0モル%以上、50モル%以下であることが好ましく、0モル%以上、20モル%以下であることがより好ましく、0モル%以上、10モル%以下であることがさらに好ましい。
上記(メタ)アクリル酸(塩)、ジカルボン酸(塩)、その他の単量体の使用量が上記範囲であれば、本発明の重合体組成物の再汚染防止能が向上する傾向にある。
重合体(X1)の製造に関して、単量体の使用割合以外の条件については後述する。
<重合体(X2)>
本発明の重合体組成物は(メタ)アクリル酸(塩)を必須とする単量体をポリアルキレングリコール構造を有する化合物の存在下で重合させる工程を含み製造された重合体であって、該重合させる工程における、重合開始時の水の量が上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し0〜120質量部であり、(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における反応溶液に含まれる水の量が、上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し100〜100,000質量部である、重合体(X2)を必須として含む。
本発明において、ポリアルキレングリコール構造とは、オキシアルキレン構造単位が3以上連続する構造単位をいう。上記オキシアルキレン構造単位としては、炭素数2〜20のアルキレン基が好ましい。
上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物は、該化合物に含まれる全オキシアルキレン構造単位100モル%に対して、炭素数2〜3のオキシアルキレン基を50モル%以上、100モル%以下含むことが好ましく、80モル%以上、100モル%以下含むことがより好ましく、100モル%含むことがさらに好ましい。上記範囲で含むことにより、本発明の重合体組成物の界面活性剤との相溶性が向上する傾向にある。上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物は、オキシエチレン構造単位(−O−CH−CH−)を上記範囲で含むことがより好ましい。
上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物は、該化合物の質量100質量%に対して、オキシアルキレン構造単位を50質量%以上含むことが好ましい。
上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の数平均分子量は、100以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましい。数平均分子量の上限については、特に限定はないが、好ましくは100000以下である。上記範囲であれば、本発明の重合体組成物の界面活性剤との相溶性が向上する傾向にある。
上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物は、アルキレンオキシドを重合の開始点となる化合物の存在下、公知の方法等で重合することにより得られるものが好ましい。上記重合の開始点となる化合物としては、例えば、フェノール、メチルフェノール等のフェノール類、メタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;メチルアミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン等の1級又は2級アミン;水、エチレングリコール等が例示される。これらの中でもフェノール、炭素数1〜12のアルキル基を有するアルコール、水、が好ましい。
上記アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド等が例示される。これらの中でも、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましい。
なお、上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物は、主鎖末端に炭素炭素二重結合を含まないことが好ましい。
上記重合の開始点となる化合物の存在下でアルキレンオキシドを重合する方法としては、特に制限はなく、(i)アルカリ金属の水酸化物、アルコラート等の強アルカリや、アルキルアミン等を塩基触媒として用いるアニオン重合、(ii)金属および半金属のハロゲン化物、鉱酸、酢酸等を触媒として用いるカチオン重合、および、(iii)アルミニウム、鉄、亜鉛等の金属のアルコキシド、アルカリ土類化合物、ルイス酸等を組み合わせたものを用いる配位重合等を用いることができる。
重合体(X2)は、(メタ)アクリル酸(塩)を必須とする単量体をポリアルキレングリコール構造を有する化合物の存在下で重合させる工程を含み製造された重合体であるが、単量体としては(メタ)アクリル酸(塩)が必須であればよく、上記ジカルボン酸(塩)やその他の単量体を含んでいても良い。
重合体(X2)の製造に使用するポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物と単量体((メタ)アクリル酸(塩)と、ジカルボン酸(塩)と、その他の単量体との合計)の合計の使用量100質量%に対して、4〜50質量%とすることが本発明の重合体組成物の再汚染防止能および界面活性剤との相溶性が向上する傾向にあることから好ましく、5〜40質量%とすることがより好ましく、7〜30質量%とすることがさらに好ましい。なお、上記使用量を計算する場合には単量体が酸基を有する場合には酸型換算で計算し、アミノ基を有する場合には対応するアミン換算で計算する。対応する酸型換算で計算するとは例えば単量体がアクリル酸ナトリウムであれば、対応する酸であるアクリル酸として質量計算することを言い、アミン換算で計算するとは例えば単量体がビニルアミン塩酸塩である場合には、ビニルアミンとして質量を計算することを言う。
重合体(X2)の製造に使用する(メタ)アクリル酸(塩)の使用量は、単量体((メタ)アクリル酸(塩)と、ジカルボン酸(塩)と、その他の単量体との合計)の合計の使用量100モル%に対して、30〜100質量%とすることが本発明の重合体組成物の再汚染防止能および界面活性剤との相溶性が向上する傾向にあることから好ましく、40〜100モル%とすることがより好ましく、50〜100モル%とすることがさらに好ましい。
重合体(X2)の製造において、任意成分であるジカルボン酸(塩)の使用量は、単量体((メタ)アクリル酸(塩)と、ジカルボン酸(塩)と、その他の単量体との合計)の合計の使用量100モル%に対して、0〜70質量%とすることが本発明の重合体組成物の再汚染防止能および界面活性剤との相溶性が向上する傾向にあることから好ましく、0〜60モル%とすることがより好ましく、0〜50モル%とすることがさらに好ましい。
ジカルボン酸(塩)の中でも、マレイン酸、マレイン酸塩が好ましい。
重合体(X2)の製造において、任意成分であるその他の単量体の使用量は、単量体((メタ)アクリル酸(塩)と、ジカルボン酸(塩)と、その他の単量体との合計)の合計の使用量100モル%に対して、0〜50モル%とすることが本発明の重合体組成物の再汚染防止能および界面活性剤との相溶性が向上する傾向にあることから好ましく、0〜20モル%とすることがより好ましく、0〜10モル%とすることがさらに好ましい。
ジカルボン酸(塩)の中でも、マレイン酸、マレイン酸塩が好ましい。
重合体(X2)は、(メタ)アクリル酸(塩)を必須とする単量体をポリアルキレングリコール構造を有する化合物の存在下で重合させる工程を含み製造された重合体であるが、該重合させる工程における、重合開始時の水の量と、(メタ)アクリル酸(塩)の添加終了時における反応溶液に含まれる水の量を所定の範囲に設定することが重要である。
重合体(X2)は、未反応のポリアルキレングリコール構造を有する化合物(重合体(X2−1)とも言う)、(メタ)アクリル酸(塩)の重合体(ジカルボン酸(塩)および/またはその他の単量体を使用した場合にはそれらのと(メタ)アクリル酸(塩)の重合体)(重合体(X2−2)とも言う)、の他、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物に(メタ)アクリル酸(塩)等の単量体が付加した重合体(重合体(X2−3)とも言う)も含む。上記重合させる工程における、重合開始時の水の量と、(メタ)アクリル酸(塩)の添加終了時における反応溶液に含まれる水の量を所定の範囲に設定することにより、本発明の重合体組成物の界面活性剤との相溶性が顕著に向上する傾向にある。その理由として、上記重合体(X2−3)の存在が寄与していると推定される。すなわち、上記水の制御により、様々な組成の重合体(X2−3)が生成すると考えられるが、これらの存在により、重合体(X2−1)と重合体(X2−2)との相溶性が向上する。重合体(X2−1)は界面活性剤と相溶しやすい性質を有する為、重合体(X2)(さらには本発明の重合体組成物)は、全体として界面活性剤と相溶しやすくなると推定される。
重合体(X2)を重合させる工程における、重合開始時の水の量は、上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し0〜120質量部にすることが重要である(但し重合開始時にジカルボン酸系単量体の無水物が存在する場合には、水と化学両論的に反応する為、存在するジカルボン酸系単量体の無水物のモル数を超えない範囲の水は「重合開始時の水の量」から除くこととする。)。
本発明において「重合開始時」とは、実質的に(メタ)アクリル酸(塩)の重合が開始する時であり、具体的には重合に使用する(メタ)アクリル酸(塩)の一部または全部、および重合に使用する重合開始剤の一部または全部の両方が反応容器(重合容器、重合釜)に添加された時である。上記重合開始時の水の量は、好ましくは0〜100質量部であり、より好ましくは0〜90質量部であり、特に好ましくは0〜80質量部である。
重合体(X2)を重合させる工程における、(メタ)アクリル酸(塩)の添加終了時における反応溶液に含まれる水の量(「添加終了時の水の量」とも言う)は、上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し100〜100,000質量部にすることが重要である。但し、上記「添加終了時の水の量」は、「重合開始時の水の量」より増加させることが、本発明の重合体組成物の界面活性剤との相溶性を向上させる上で好ましい。
本発明において「(メタ)アクリル酸(塩)の添加終了時」とは、重合に使用する(メタ)アクリル酸系単量体の全量が反応容器(重合容器、重合釜)に添加された時である。
上記添加終了時の水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対して、好ましくは100〜1,000質量部であり、より好ましくは150〜500質量部である。
重合体(X2)は、上記の通り、重合体(X2−1)、重合体(X2−2)、重合体(X2−3)を含むが、その存在割合を分析することは困難である。しかし、重合体(X2)全体に含まれるポリアルキレングリコール構造を有する化合物に由来する構造単位(未反応のポリアルキレングリコール構造を有する化合物自体も含む)と、重合体(X2)全体に含まれる単量体に由来する構造単位との合計に対して、重合体(X2)全体に含まれるポリアルキレングリコール構造を有する化合物に由来する構造単位を4〜50質量%とすることが好ましく、5〜40質量%とすることがより好ましく、7〜30質量%とすることがさらに好ましい。また、重合体(X2)全体に含まれるポリアルキレングリコール構造を有する化合物に由来する構造単位(未反応のポリアルキレングリコール構造を有する化合物自体も含む)と、重合体(X2)全体に含まれる単量体に由来する構造単位との合計に対して、重合体(X2)全体に含まれる単量体に由来する構造単位を50〜96%とすることが好ましく、60〜95質量%とすることがより好ましく、70〜93質量%とすることがさらに好ましい。
重合体(X2)は、(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造単位を、全単量体に由来する構造単位((メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造単位と、ジカルボン酸(塩)に由来する構造単位と、その他の単量体に由来する構造単位)の合計の使用量100モル%に対して、30〜100モル%とすることが本発明の重合体組成物の再汚染防止能および界面活性剤との相溶性が向上する傾向にあることから好ましく、40〜100モル%とすることがより好ましく、50〜100モル%とすることがさらに好ましい。
重合体(X2)の製造に関して、原料の使用割合と水分量以外の条件については後述する。
<重合体(X1)、重合体(X2)の製造方法>
以下、重合体(X1)の製造方法と重合体(X2)の製造方法についてまとめて記載するが、言うまでもなく重合体(X1)の製造と重合体(X2)の製造は完全に独立した工程であり、それぞれ独立して下記の条件が採用される。
重合体(X1)、重合体(X2)は、重合開始剤の存在下で単量体を重合して製造することが好ましい。
上記重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が好適である。これらの重合開始剤のうち、得られる重合体の耐ゲル性が向上する傾向にあることから、後述する通り、過硫酸塩を使用することが好ましい。
開始剤の使用量は、以下に特に記載する場合を除き、単量体1モルに対して、15g以下、より好ましくは1〜12gであることが好ましい。
重合体(X1)、重合体(X2)は、連鎖移動剤の存在下で単量体を重合しても良い。連鎖移動剤を使用すると、製造される重合体が必要以上に高分子量化することを抑制し、低分子量の重合体を効率よく製造することができる。
上記連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、チオグリコール酸(塩)、2−メルカプトプロピオン酸(塩)、3−メルカプトプロピオン酸(塩)、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸(塩)、n−ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)等;重亜硫酸(塩)や、メタ重亜硫酸(塩)、亜ジチオン酸(塩)、亜硫酸(塩)等の重亜硫酸(塩)を発生し得る化合物(以下、特に言及する場合を除き、「重亜硫酸(塩)」には重亜硫酸(塩)を発生し得る化合物を含める);等が挙げられる。上記連鎖移動剤は、1種でも2種以上でも使用することができる。上記塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩であり、具体的には、上記(メタ)アクリル酸塩における塩と同様である。
連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は、全単量体成分1モルに対して、1〜20gであることが好ましく、2〜15gであることがより好ましい。
重合体(X1)、重合体(X2)を重合する際に使用可能な添加剤として、重金属濃度調整剤、pH調整剤等を用いても良い。
上記重金属濃度調整剤は、特に制限されるべきものではなく、多価金属化合物または単体が利用できる。具体的には、オキシ三塩化バナジウム、三塩化バナジウム、シュウ酸バナジル、硫酸バナジル、無水バナジン酸、メタバナジン酸アンモニウム、硫酸アンモニウムハイポバナダス[(NHSO・VSO・6HO]、硫酸アンモニウムバナダス[(NH)V(SO・12HO]、酢酸銅(II)、銅(II)、臭化銅(II)、銅(II)アセチルアセテート、塩化第二銅アンモニウム、塩化銅アンモニウム、炭酸銅、塩化銅(II)、クエン酸銅(II)、ギ酸銅(II)、水酸化銅(II)、硝酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅(II)、マレイン酸銅、リン酸銅、硫酸銅(II)、塩化第一銅、シアン化銅(I)、ヨウ化銅、酸化銅(I)、チオシアン酸銅、鉄アセチルアセナート、クエン酸鉄アンモニウム、シュウ酸第二鉄アンモニウム、硫酸鉄アンモニウム、硫酸第二鉄アンモニウム、クエン酸鉄、フマル酸鉄、マレイン酸鉄、乳酸第一鉄、硝酸第二鉄、鉄ペンタカルボニル、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄等の水溶性多価金属塩;五酸化バナジウム、酸化銅(II)、酸化第一鉄、酸化第二鉄等の多価金属酸化物;硫化鉄(III)、硫化鉄(II)、硫化銅等の多価金属硫化物;銅粉末、鉄粉末等を挙げることができる。
重合体(X1)、重合体(X2)の製造方法においては、上記重金属濃度調整剤を使用する場合、単量体滴下後の重合反応液の重金属イオン濃度を0.05〜10ppmにすることが望ましいことから、上記重金属濃度調整剤を必要に応じて適量添加するのが望ましい。
上記重合体(X1)、重合体(X2)の好ましい重合開始剤や連鎖移動剤等の組み合わせは、重合体(X1)については過硫酸塩/過酸化水素、または過硫酸塩/過酸化水素/重金属イオンであり、重合体(X2)については、過硫酸塩/過酸化水素、過硫酸塩/重亜硫酸(塩)、または過硫酸塩/重亜硫酸(塩)/重金属イオンである。
重合体(X1)は、通常は上記単量体を溶媒中で重合することになるが、その際に重合反応系に用いられる溶媒は、水、アルコール、グリコール、グリセリン等の水性の溶媒であることが好ましく、特に好ましくは水である。これらは1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。また、上記単量体の溶媒への溶解性を向上させるために、各単量体の重合に悪影響を及ぼさない範囲で有機溶媒を適宜加えてもよい。上記有機溶媒は、具体的には、メタノール、エタノールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアルデヒドなどのアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類;などから、1種類または2種類以上を適宜選択して用いられうる。
重合体(X1)を製造する場合の上記溶媒の使用量は、単量体全量に対して40〜200質量%であることが好ましく、45〜180質量%であることがより好ましく、50〜150質量%のであることがさらに好ましい。該溶媒の使用量が40質量%未満の場合には、分子量が高くなってしまう。一方、該溶媒の使用量が200質量%を超える場合には、製造された(メタ)アクリル酸系共重合体の濃度が低くなり、場合によっては溶媒除去が必要となる。
重合体(X1)の重合工程は、上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物が実質的に存在しない条件下で行われることが好ましい。上記実質的に存在しないとは、例えば重合体(X1)の製造に使用される全単量体に対して2質量%以下であり、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0質量%である。2質量%を超えると、重合体(X1)のカルシウムイオン捕捉能が低下する傾向にある。
重合体(X2)は、水の使用に関しては、上記の通りであるが、水以外の溶剤を使用することも可能であり、具体的には上記重合体(X1)で使用可能な溶媒が例示される。
重合体(X1)、重合体(X2)の重合工程における重合温度は、重合温度は50℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。また重合温度は105℃以下であることが好ましい。連鎖移動剤として重亜硫酸(塩)を使用する場合には、99℃以下であることが好ましく、95℃以下であることがより好ましい。
重合体(X1)、重合体(X2)の重合工程における反応系内の圧力は、特に限定されない。常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下の何れの圧力下であってもよい。反応系内の雰囲気は、空気雰囲気のままで行ってもよいが、不活性雰囲気としても良い。
重合体(X1)、重合体(X2)の重合反応は、酸性条件下で行うのが望ましい。酸性条件下で行うことによって、重合反応系の水溶液の粘度の上昇を抑制し、低分子量の重合体を良好に製造することができる。
重合体(X1)、重合体(X2)の重合工程において、単量体の一部又は全部を重合反応中に反応系に逐次添加(より好ましくは連続添加)することが好ましい。(メタ)アクリル酸(塩)は、全量を重合反応中に反応系に逐次添加(より好ましくは連続添加)することが好ましく、ジカルボン酸(塩)は、全量を重合開始前に反応器に添加(初期仕込み)することが好ましい。
重合開始剤の一部又は全部を重合反応中に反応系に逐次添加(より好ましくは連続添加)することが好ましい。残存単量体が減少する傾向にあることから、重合開始剤の添加時間は単量体の添加時間と同じか長くすることが好ましい。重合開始剤の添加終了時間は、単量体の添加終了時間よりも1〜30分、好ましくは1〜25分、より好ましくは1〜20分遅くすることが好ましい。
連鎖移動剤を使用する場合には、その一部又は全部を重合反応中に反応系に逐次添加(より好ましくは連続添加)することが好ましい。重合体組成物に含まれる不純物を低減させる為に、連鎖移動剤の添加終了時間を単量体の添加終了時間より早くすることが好ましい。より好ましくは、単量体の添加終了よりも1〜30分、さらに好ましくは1〜20分、特に好ましくは1〜15分滴下終了を早めることが好ましい。
重合体(X1)、重合体(X2)の製造方法は、全ての使用原料の添加が終了した以後に、単量体の重合率を上げること等を目的として熟成工程を設けても良い。熟成時間は、通常1〜120分間、好ましくは5〜90分間、より好ましくは10〜60分間である。熟成時間が120分間を超える場合には、重合体溶液の色調が低下する傾向にある。
また、熟成工程における好ましい重合体溶液の温度は、上記重合温度と同様の範囲である。熟成温度は一定温度で保持してもよいし、熟成中に経時的に温度を変化させてもよい。
重合体(X1)、重合体(X2)の製造方法は、中和工程、精製工程、濃度調整工程等を含んでいても良い。
<重合体組成物>
本発明の重合体組成物は、重合体(X1)と重合体(X2)を必須として含む。重合体組成物に含まれる重合体(X1)と重合体(X2)の比は、10:90〜50:50であることが好ましい。上記範囲であることにより、良好な再汚染防止能と、界面活性剤との相溶性が向上とする。重合体(X1)と重合体(X2)の比は、10:90〜40:60であることがより好ましく、10:90〜30:70であることがさらに好ましい。
本発明の重合体組成物は、重合体(X1)と重合体(X2)のみを含んでいても良いが、その他に、重合開始剤残渣、残存単量体、重合時の副生成物、水等から選ばれる1以上を含有してもよい。
本発明の重合体組成物は、重合体(X1)と重合体(X2)を1〜100質量%含有することが好ましい。本発明の重合体組成物の水の含有量は0〜99質量%であることが好ましい。
本発明の重合体組成物は、重合体(X1)と重合体(X2)を混合することにより製造することができる。重合体(X1)と重合体(X2)は水溶液の形態で混合することが好ましい。
本発明の重合体組成物は、良好な再汚染防止能を有するが、好ましくは再汚染防止能が67%以上である。
<重合体組成物の用途>
本発明の重合体組成物は、水処理剤(スケール防止剤等)、繊維処理剤、分散剤、金属イオン封止剤、増粘剤、各種バインダー、乳化剤、スキンケア剤、ヘアケア剤、洗剤組成物等として用いられうる。
<水処理剤>
本発明の重合体組成物は、水処理剤に用いることができる。該水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を用いても良い。
上記水処理剤は、冷却水循環系、ボイラー水循環系、海水淡水化装置、逆浸透膜処理装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜等でのスケール防止に有用である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでもよい。
<繊維処理剤>
本発明の重合体組成物は、繊維処理剤に用いることができる。該繊維処理剤は、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、本発明の重合体組成物を含む。
上記繊維処理剤における本発明の重合体組成物(固形分換算)の含有量は、繊維処理剤全体に対して、好ましくは1〜100質量%であり、より好ましくは5〜100質量%である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
以下に、より実施形態に近い、繊維処理剤の配合例を示す。この繊維処理剤は、繊維処理における精錬、染色、漂白、ソーピングの工程で使用することができる。染色剤、過酸化物および界面活性剤としては繊維処理剤に通常使用されるものが挙げられる。
本発明の重合体と、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つとの配合比率は、例えば、繊維の白色度、色むら、染色けんろう度の向上のためには、繊維処理剤純分換算で、本発明の重合体1質量部に対して、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを0.1〜100質量部の割合で配合された組成物を繊維処理剤として用いることが好ましい。
上記繊維処理剤を使用できる繊維としては、任意の適切な繊維を採用し得る。例えば、木綿、麻等のセルロース系繊維、ナイロン、ポリエステル等の化学繊維、羊毛、絹糸等の動物性繊維、人絹等の半合成繊維およびこれらの織物および混紡品が挙げられる。
上記繊維処理剤を精錬工程に適用する場合は、本発明の重合体と、アルカリ剤および界面活性剤とを配合することが好ましい。漂白工程に適用する場合では、本発明の重合体組成物と、過酸化物と、アルカリ性漂白剤の分解抑制剤としての珪酸ナトリウム等の珪酸系薬剤とを配合することが好ましい。
<無機顔料分散剤>
本発明の重合体組成物は、無機顔料分散剤に用いることができる。該無機顔料分散剤には、必要に応じて、他の配合剤として、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールを用いても良い。
上記無機顔料分散剤中における、本発明の重合体組成物(固形分換算)の含有量は、無機顔料分散剤全体に対して、好ましくは5〜100質量%である。また性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
上記無機顔料分散剤は、紙コーティングに用いられる重質ないしは軽質炭酸カルシウム、クレイの無機顔料の分散剤として良好な性能を発揮し得る。例えば、無機顔料分散剤を無機顔料に少量添加して水中に分散することにより、低粘度でしかも高流動性を有し、かつ、それらの性能の経日安定性が良好な、高濃度炭酸カルシウムスラリーのような高濃度無機顔料スラリーを製造することができる。
上記無機顔料分散剤を無機顔料の分散剤として用いる場合、該無機顔料分散剤の使用量は、無機顔料100質量部に対して、0.05〜2.0質量部が好ましい。該無機顔料分散剤の使用量が上記範囲内にあることによって、十分な分散効果を得ることが可能となり、添加量に見合った効果を得ることが可能となり、経済的にも有利となり得る。
<洗剤組成物>
本発明の重合体組成物は、洗剤組成物にも添加しうる(本発明の洗剤組成物とも言う)。
優れたビルダー性能を発揮しうるという観点から、本発明の重合体組成物(固形分換算)の含有量は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.3〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
本発明の洗剤組成物には、通常、洗剤に用いられる界面活性剤や添加剤が含まれる。これらの界面活性剤や添加剤の具体的な形態は特に制限されず、洗剤分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。また、上記洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。
上記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選択される1種または2種以上である。2種以上が併用される場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との合計量は、界面活性剤の全量に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。
上記アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステルまたはその塩、アルケニルリン酸エステルまたはその塩等が好適である。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐上記ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適である。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記界面活性剤の配合割合は、通常、洗剤組成物の全量に対して10〜80質量%であり、好ましくは15〜70質量%であり、さらに好ましくは20〜60質量%であり、特に好ましくは25〜40質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、十分な洗浄力を発揮できなくなる虞があり、界面活性剤の配合割合が多すぎると、経済性が低下する虞がある。
上記添加剤としては、アルカリビルダー、キレートビルダー、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等の汚れ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒等が好適である。また、粉末洗剤組成物の場合にはゼオライトを配合することが好ましい。
上記洗剤組成物は、本発明の重合体に加えて、他の洗剤ビルダーを含んでもよい。他の洗剤ビルダーとしては、特に制限されないが、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩などのアルカリビルダーや、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、ボウ硝、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、クエン酸塩、(メタ)アクリル酸の共重合体塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、フマル酸塩、ゼオライト等のキレートビルダー、カルボキシメチルセルロース等の多糖類のカルボキシル誘導体等が挙げられる。上記ビルダーに用いられる対塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、アンモニウム、アミン等が挙げられる。
上記添加剤と他の洗剤用ビルダーの合計の配合割合は、通常、洗浄剤組成物100質量%に対して0.1〜50質量%が好ましい。より好ましくは0.2〜40質量%であり、さらに好ましくは0.3〜35質量%であり、特に好ましくは0.4〜30質量%であり、最も好ましくは0.5〜20質量%以下である。添加剤/他の洗剤ビルダーの配合割合が0.1質量%未満であると、十分な洗剤性能を発揮できなくなる虞があり、50質量%を超えると経済性が低下する虞がある。
なお、上記洗剤組成物の概念には、家庭用洗剤の合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤等の特定の用途にのみ用いられる洗剤も含まれる。
上記洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、液体洗剤組成物に含まれる水分量は、通常、液体洗剤組成物の全量に対して0.1〜75質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜70質量%であり、さらに好ましくは0.5〜65質量%であり、さらにより好ましくは0.7〜60質量%であり、特に好ましくは1〜55質量%であり、最も好ましくは1.5〜50質量%である。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
また、重合体の重量平均分子量、数平均分子量、再汚染防止能、重合体組成物および固形分濃度、残存単量体、について、下記の方法に従って測定した。
<重量平均分子量、及び、残存単量体の測定条件(GPC)>
装置:株式会社日立製作所製 L−7000シリーズ
検出器:RI(重量平均分子量)、UV(残存モノマー)
カラム:昭和電工株式会社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ,GF−710−HQ,GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/min
検量線:創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)。
<再汚染防止能の評価>
(1)洗濯科学協会より入手したJIS−L0803布を5cm×5cmに切断し、白布を作製した。この白布を予め日本電色工業社製の測色色差計SE2000型を用いて、白色度を反射率にて測定した。
(2)塩化カルシウム2水和物7.5gに純水を加えて17kgとし、硬水を調製した。
(3)ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル4.0g、に、純水を加えて、100.0gとし、界面活性剤水溶液を調製した。pHは、水酸化ナトリウムで8.5に調整した。
(4)ターゴットメーターを25℃にセットし、硬水1Lと界面活性剤水溶液5g、固形分換算で5%の重合体水溶液1g、クレー1gをポットに入れ、100rpmで1分間撹拌した。その後、白布5枚を入れ、100rpmで10分間撹拌した。
(5)手で白布の水を切り、25℃にした硬水1Lをポットに入れ、100rpmで2分間撹拌した。
(6)白布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた後、上記測色色差計にて再度、白布の白度を反射率にて測定した。
(7)以上の測定結果から、下式により再汚染防止能を求めた。
(8)再汚染防止能(%)=〔(洗浄後の白色度)/(原白布の白色度)〕×100。
<界面活性剤との相溶性の評価>
ポリオキシエチレンドデシルエーテル(ドデカノールにエチレンオキサイドを平均8モル付加したもの)25%水溶液 4gに重合体組成物0.2g(固形分)を混合し、1時間静置した。濁りがない場合を○、やや濁っている場合を△、濁っている場合を×とした。濁りがないことは、重合体組成物を添加した洗剤が長期間に渡って均一に保たれうることを示す。
<重合体組成物の固形分測定方法>
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで重合体組成物(重合体組成物1.0g+水3.0g)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
<重合体組成物の固形分測定方法>
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで重合体組成物(重合体組成物1.0g+水3.0g)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
<実施例1>
温度計、撹拌機、還流冷却器を備えたSUS製反応器に、イオン交換水(以下純水と略す)204.7g、無水マレイン酸(以降、無水MAと略す)362.6g、48%水酸化ナトリウム水溶液(以降48%NaOHと略す)616.7gを初期仕込みし、撹拌しながら、沸点還流状態まで昇温した。次いで、還流状態を維持しながら、80%アクリル酸水溶液(以降、80%AAと略す)567.0g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以降15%NaPSと略す)80.0g、35%過酸化水素水溶液(以降35%Hと略す)11.4g、純水814.9gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAは120分間、15%NaPS、35%Hと純水は140分間、各溶液の滴下は連続的に行った。80%AA滴下終了後、さらに30分間撹拌して、重合体組成物(A)を得た。
重合体組成物(A)に含まれる重合体(重合体(A))の重量平均分子量は60,000、Ca捕捉能は420であった。
<実施例2>
温度計、撹拌機、還流冷却器を備えたSUS製反応器に、メトキシポリエチレングリコール(メタノールにエチレンオキサイドを平均25モル付加させて得られたもの、以降PGM25と略す)170.0g、無水MA173.5g、純水31.9gを仕込み、100℃まで昇温した。次に、撹拌下、100℃に保持された重合反応系中に、80%AAを239.1g、48%NaOHを51.7g、15%NaPSを236.1g、35%Hを50.6g、純水を73.4g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAと48%NaOHと純水は180分間、15%NaPSは190分間、35%Hは80%AA滴下開始120分後から60分間とした。各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AA滴下終了後、さらに60分間撹拌した後に純水157.9gを加え、重合体組成物(B)を得た。
重合体組成物(B)に含まれる重合体(重合体(B))の重量平均分子量は8,400であった。重合体組成物(B)中の残存したアクリル酸(アクリル酸ナトリウム含む)は、重合体組成物(B)に対して0ppm、マレイン酸(マレイン酸ナトリウム含む)は、6,700ppm、残存したポリアルキレングリコール構造を有する化合物は62,000ppmであった。
<実施例3>
重合体組成物(A)25質量部と、重合体組成物(B)75質量部とを混合して、重合体(A)、重合体(B)を20:80(質量比)の割合で含む、本発明の重合体組成物(1)を得た。
<実施例5>
上記重合体組成物(1)、比較例として重合体組成物(A)、重合体組成物(B)の再汚染防止能、界面活性剤との相溶性の評価をおこなった結果を表1に示した。
Figure 2013216838
表1に示す結果から、本発明の重合体組成物は、良好な再汚染防止能と、界面活性剤との相溶性とを有していることが示された。
従って、本発明の重合体組成物は液体洗剤の添加剤として、好ましく使用できることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. (i)(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造単位(a)と、ジカルボン酸(塩)に由来する構造単位(b)とを含む重合体であって、該構造単位(a)と構造単位(b)との比が80:20〜30:70である重合体(X1)と、
    (ii)(メタ)アクリル酸系単量体を必須とする単量体をポリアルキレングリコール構造を有する化合物の存在下で重合させる工程を含み製造された重合体であって、該重合させる工程における、重合開始時の水の量が上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し0〜120質量部であり、(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における反応溶液に含まれる水の量が、上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し100〜100,000質量部である重合体(X2)と、を含む重合体組成物である。
  2. (i)(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造単位(a)と、ジカルボン酸(塩)に由来する構造単位(b)とを含む重合体であって、該構造単位(a)と構造単位(b)との比が80:20〜30:70である重合体(X1)と、
    (ii)(メタ)アクリル酸系単量体を必須とする単量体をポリアルキレングリコール構造を有する化合物の存在下で重合させる工程を含み製造された重合体であって、該重合させる工程における、重合開始時の水の量が上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し0〜120質量部であり、(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における反応溶液に含まれる水の量が、上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し100〜100,000質量部である重合体(X2)と、を混合することを特徴とする重合体組成物の製造方法
  3. 請求項1に記載の重合体組成物を含む洗剤組成物。
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