JP2019131738A - 移染防止剤 - Google Patents

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泰弘 大野
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Abstract

【課題】 従来の移染防止剤よりも移染防止能に優れる移染防止剤を提供する。【解決手段】 N−ビニルラクタム系共重合体を含む移染防止剤であって、該共重合体は、N−ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)とスチレンスルホン酸(塩)由来の構造単位(b)とを有し、該構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、1〜99質量%であることを特徴とする移染防止剤。【選択図】なし

Description

本発明は、移染防止剤に関する。より詳しくは、洗濯用洗剤等に好適に用いられる移染防止剤に関する。
衣類等の洗濯の際には、衣類等に含まれる染料が染み出し、他の部分に染着することがある。これを防止する技術として、ポリマー等、種々の添加剤が開発されている。
このような添加剤に関して、例えば特許文献1には、次の成分:(a)1−ビニルピロリドン、特定の構造で示される1−ビニルイミダゾール、1−ビニルイミダゾールの混合物ならびに1−ビニルピロリドンおよび/または特定の構造の1−ビニルイミダゾールからなる混合物(これらは20重量%まで他のモノエチレン性不飽和モノマーを含有する)20〜95重量%および(b)少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合および/または少なくとも1つのメルカプト基を分子中に含有する非水溶性ポリマー5〜80重量%からなる混合物のラジカル開始共重合により得られたコポリマーが開示されている。
特表平8−505166号公報
上記のように、従来から色移り(移染)防止のための添加剤が開発されているが、従来の添加剤は、移染防止能において充分ではなく、改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、従来の移染防止剤よりも移染防止能に優れる移染防止剤を提供することを目的とする。
本発明者は、移染防止剤について種々検討したところ、N−ビニルラクタム系単量体とスチレンスルホン酸(塩)との共重合体が、従来の移染防止剤よりも移染防止能に優れることを見いだした。従来の移染防止剤は染料への吸着性及び分散性が低いことにより、及び/又は、布への吸着性が大きいことに基づき染料が布へ再付着することにより、移染防止効果が充分ではなかった。例えば、染料を含む溶液での移染防止性の評価において、染料への吸着性及び分散性に優れるものであれば高い値を示す。しかし、実使用条件では、染料は衣類から離脱するため、布への吸着性が高いと離脱染料に吸着するより先に布への吸着がおこる。この結果、期待される移染防止効果を発揮できなくなる。これに対して、本発明者は上記構成のポリマーが、染料に吸着し分散させる能力が高く、かつ、布への吸着性が低いため、染料への吸着、分散性能を充分に発揮することがことでき、従来の移染防止剤よりも移染防止能に優れることを見出した。このようにして上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、N−ビニルラクタム系共重合体を含む移染防止剤であって、上記共重合体は、N−ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)とスチレンスルホン酸(塩)由来の構造単位(b)とを有し、上記構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、1〜99質量%である移染防止剤である。
上記N−ビニルラクタム系単量体(A)はビニルピロリドンであることが好ましい。
本発明はまた、N−ビニルラクタム系共重合体を含む移染防止剤を製造する方法であって、上記製造方法は、N−ビニルラクタム系単量体(A)とスチレンスルホン酸(塩)とを含む単量体成分を水溶液中で重合させる工程を含み、上記単量体成分中のスチレンスルホン酸(塩)の含有割合が、全単量体100質量%に対して、1〜99質量%である移染防止剤の製造方法でもある。
本発明はまた、上記移染防止剤を含む洗剤組成物でもある。
本発明の移染防止剤は、上述の構成よりなり、染料に吸着し分散させる能力が高く、かつ、布への吸着性が低く、従来の移染防止剤よりも移染防止能に優れるため、洗剤等に好適に用いることができる。
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
<N−ビニルラクタム系共重合体>
本発明の移染防止剤に含まれる共重合体(以下、本発明の共重合体ともいう。)は、N−ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)とスチレンスルホン酸(塩)由来の構造単位(b)とを有し、構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、1〜99質量%である。
上記構造単位(b)の含有割合として、好ましくは1〜50質量%である。これにより、共重合体の染料への吸着性及び分散性と布への吸着抑制効果とのバランスがより向上し、移染防止能がより高まることとなる。より好ましくは2〜45質量%であり、更に好ましくは3〜40質量%であり、一層好ましくは4〜30質量%であり、特に好ましくは5〜20質量%である。
本発明において、上記スチレンスルホン酸(塩)由来の構造単位(b)の割合を計算する場合は、対応する酸に換算して計算するものとする。例えば、上記構造単位(b)が、スチレンスルホン酸ナトリウム由来の構造単位であれば、対応する酸であるスチレンスルホン酸由来の構造単位として、質量割合(質量%)の計算をする。
上記共重合体は、構造単位(a)の割合が、共重合体100質量%に対して1〜99質量%であることが好ましい。より好ましくは50〜99質量%であり、更に好ましくは60〜97質量%であり、一層好ましくは70〜96質量%であり、特に好ましくは80〜95質量%である。
上記共重合体は、ビニルラクタム系単量体(A)及びスチレンスルホン酸(塩)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよく、構造単位(e)の割合としては、共重合体100質量%に対して0〜15質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%である。
上記N−ビニルラクタム系単量体(A)は、環状N−ビニルラクタム構造を有する単量体であれば特に制限されないが、下記式(1);
Figure 2019131738
(式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。mは、0〜4の整数を表す。nは、1〜3の整数を表す。)で表される構造であることが好ましい。
上記R〜Rにおけるアルキル基の炭素数としては、1〜6が好ましく、より好ましくは1〜4である。上記アルキル基として更に好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記R〜Rにおける置換基としては、特に制限されないが、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基等が挙げられる。
〜Rとしては水素原子であることが好ましい。Rとしては水素原子又はメチル基であることが好ましく、より好ましくは水素原子である。
mとしては、0〜2の整数であることが好ましく、より好ましくは0〜1の整数であり、最も好ましくは0である。
nとしては、1又は2であることが好ましく、より好ましくは1である。
上記式(1)で表される化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、1−(2−プロペニル)−2−ピロリドン等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。N−ビニルラクタムとしては、ピロリドン環を有する不飽和単量体が好ましい。より好ましくはN−ビニルピロリドンである。
上記スチレンスルホン酸(塩)は、スチレンスルホン酸又はその塩であり、スチレンスルホン酸は、オルト体、メタ体、パラ体のいずれであってもよいが、パラ体であることが好ましい。
上記スチレンスルホン酸の塩としては、特に制限されないが、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が挙げられる。
金属原子としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;アルミニウム、鉄等が挙げられる。また、有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン;エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミン等が挙げられる。これらの中でも、より好ましくはアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であり、更に好ましくはナトリウム塩である。
本発明の共重合体は、ビニルラクタム系単量体(A)及びスチレンスルホン酸(塩)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよい。
本発明はまた、ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)及びスチレンスルホン酸(塩)由来の構造単位(b)及びその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有する共重合体もまた、本発明の好ましい実施形態の1つである。
その他の単量体(E)としては、例えば、(i)アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸及びこれらの塩;(ii)フマル酸、マレイン酸、メチレングルタル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩(一塩であっても二塩であっても良い);(iii)2−(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸等の(ポリ)アルキレングリコール含有不飽和スルホン酸、3−(メタ)アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、α−メチル−p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルファミン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、4−(アリルオキシ)ベンゼンスルホン酸、1−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸、1,1−ジメチル−2−プロペン−1−スルホン酸、3−ブテン−1−スルホン酸、1−ブテン−3−スルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ブタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エタンスルホン酸等のスチレンスルホン酸以外の不飽和スルホン酸及びこれらの塩;(iv)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコール及びこれらの水酸基にアルキレンオキシドを付加したアルキレンオキシド付加物;(v)N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のN置換若しくは無置換の(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール及びこれらの塩またはこれらの4級化物等の不飽和アミン;(vi)(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル及びその誘導体;(vii)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸iso−ノニル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(viii)スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、ビニルナフタレン、フェニルマレイミド、ビニルアニリン等のスチレンスルホン酸以外のビニルアリール単量体;(ix)エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;(x)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上記(i)〜(iii)、(v)における塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が例示される。上記(iv)、(ix)におけるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が例示され、炭素数1〜20のアルキレンオキシドが好ましく、炭素数1〜4のアルキレンオキシドがより好ましい。上記アルキレンオキシドの付加モル数としては、上記(iv)の化合物1モルあたり0〜50モルが好ましく、0〜20モルがより好ましく、上記(ix)の化合物1モルあたり1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましい。
上記その他の単量体(E)としては、不飽和カルボン酸及びその塩、イソプレノール等の不飽和アルコールが好ましく、より好ましくは不飽和カルボン酸である。
上記共重合体は、重量平均分子量が1000〜1000000であることが好ましい。
これにより本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。
重量平均分子量としてより好ましくは2000〜500000であり、更に好ましくは3000〜200000であり、一層好ましくは4000〜100000であり、特に好ましくは5000〜50000である。
上記重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
<移染防止剤の製造方法>
本発明の移染防止剤に含まれる共重合体の製造方法は、特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、単量体成分の具体例及び好ましい例、並びに、各単量体の好ましい割合は、上述のとおりである。
上記共重合体の製造方法は、N−ビニルラクタム系単量体(A)とスチレンスルホン酸(塩)を含む単量体成分を重合する工程(以下、「重合工程」ともいう)を含むことが好ましい。
上記重合工程における、単量体成分の重合を開始する方法としては、特に制限されないが、例えば、重合開始剤を添加する方法、UVを照射する方法、熱を加える方法、光開始剤存在下に光を照射する方法等が挙げられる。
上記重合工程において、重合開始剤を用いることが好ましい。
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アスコルビン酸と過酸化水素、過硫酸塩と金属塩等の、酸化剤と還元剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開始剤等が好適である。これらの重合開始剤のうち、残存単量体が減少する傾向にあることから、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が最も好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記重合開始剤の使用量としては、単量体の使用量(N−ビニルラクタム系単量体(A)、スチレンスルホン酸(塩)及びその他の単量体(E)の合計の使用量)1モルに対して、0.1g以上、15g以下であることが好ましく、0.1g以上、12g以下であることがより好ましく、0.1g以上、10g以下であることが更に好ましい。
上記重合工程においては、必要に応じて連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤として、具体的には、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン等のハロゲン化物;イソプロピルアルコール、グリセリン等の、第2級アルコール;次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸(塩)(これらの水和物を含む);亜リン酸、亜リン酸ナトリウム等の亜リン酸(塩);亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸(塩);亜硫酸水素ナトリウム等の重亜硫酸(塩);亜ジチオン酸ナトリウム等の亜ジチオン酸(塩);ピロ亜硫酸カリウム等のピロ亜硫酸(塩)などが挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
連鎖移動剤の使用量としては、単量体(全単量体)の使用量1モルに対して、0g以上、30g以下であることが好ましく、0g以上、15g以下であることがより好ましい。
上記重合工程において、溶剤を使用する場合、溶剤としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、n−ブチルアルコール、ジエチレングリコール等のアルコール類等から選ばれる1種または2種以上が例示される。溶剤としては、水が好ましい。
上記単量体成分中のスチレンスルホン酸(塩)は、水溶性が高いため、スチレンスルホン酸(塩)の割合が単量体100質量%に対して20質量%以上であっても、水溶液中で充分に重合させることができる。溶媒として水を用いることにより、重合反応後に溶媒を置換する工程を行わずに、洗剤用途等に用いることができる。
すなわち、重合工程は水溶液中で行われることが好ましく、本発明はまた、N−ビニルラクタム系共重合体を含む移染防止剤を製造する方法であって、上記製造方法は、N−ビニルラクタム系単量体(A)とスチレンスルホン酸(塩)を含む単量体成分を水溶液中で重合させる工程を含み、上記単量体成分中のスチレンスルホン酸(塩)の含有割合が、全単量体100質量%に対して、1〜99質量%である移染防止剤の製造方法でもある。
上記溶媒の使用量としては、単量体100質量%に対して40〜1000質量%が好ましい。
上記重合工程において、重合温度は、特に限定されるものではないが、比較的低温の方が共重合体の分子量が大きくなるので好ましく、60℃〜100℃の範囲内であれば、重合率がより向上するので更に好ましい。尚、反応時間は、上記重合反応が完結するように、反応温度や、単量体成分、重合開始剤、及び、溶媒等の種類(性質)や組み合わせ、使用量等に応じて、適宜設定すればよい。
<染料>
本発明の移染防止剤が移染防止能を発揮することができる染料の種類は特に制限されず、衣類等の染色に通常用いられる染料であればよいが、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、分散染料、反応染料、蛍光増白染料等が挙げられる。
染料として好ましくは、直接染料、酸性染料等の水溶性の染料である。水溶性の染料は、洗濯時に色落ちしやすいため、本発明の技術的意義をより効果的に発揮することとなる。
<洗剤組成物>
本発明の移染防止剤は、洗剤組成物(洗浄剤組成物)に用いることができる。すなわち、本発明は上記移染防止剤を含む洗剤組成物でもある。
上記洗剤組成物は、好ましくは衣料用であり、洗濯洗剤等に用いられることが好ましい。
上記洗剤組成物における上記移染防止剤の含有量は、洗剤組成物100質量%に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜15質量%であり、更に好ましくは0.1〜10質量%である。
上記洗剤組成物には、通常、洗剤に用いられる界面活性剤や添加剤が含まれる。これらの界面活性剤や添加剤の具体的な形態は特に制限されず、洗剤分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。また、上記洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。
上記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸又はエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステル又はその塩、アルケニルリン酸エステル又はその塩等が好適である。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適である。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記界面活性剤の配合割合は、通常、洗剤組成物の全量に対して10〜60質量%であり、好ましくは15〜50質量%であり、更に好ましくは20〜45質量%であり、特に好ましくは25〜40質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、十分な洗浄力を発揮できなくなる虞があり、界面活性剤の配合割合が多すぎると、経済性が低下する虞がある。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<重量平均分子量の測定条件(GPC)>
装置:東ソー製高速GPC装置(HLC−8320GPC)
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ、GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:GLサイエンス社製 Polyethylene Glycol,Polyethylene Oxide
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)
<固形分の測定>
130℃に加熱したオーブンで共重合体(共重合体1.0gに水3.0gを加えたもの)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の質量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
<移染防止能評価>
以下の方法により、移染防止能の測定を行った。移染防止能の評価においては、まず、液体洗剤配合物と2.0%重合体水溶液を調製した。25%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(製品名:エマール20C、花王製)11.0gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(製品名:エマルゲン108、花王製)2.8gと16%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(製品名:ネオペレックスG―15、花王製)17.2gとプロピレングリコール3gとオレイン酸ナトリウム1.2gとエタノール1gに純水を加えて50.0gとした後、撹拌し、液体洗剤配合物を調製した。上記2.0%重合体水溶液は、重合体を適量の水で希釈して固形分濃度2.0質量%に調製したものを用いた。次に、500mlビーカーに、調製した液体洗剤組成物0.6gと2.0%重合体水溶液0.3gに50ppmCaイオン硬度水500gを加えたのち、クロラゾールブラック0.005gを加えて撹拌した。前記の溶液に5cm×5cmの綿布(Testfabrics社製、Style460−6)1gを加え、25℃で15分間撹拌を行った。その後、得られた綿布を50ppm(Ca/Mg=3/1)硬度水500gにより15分間すすぎを行い、このすすぎ工程を再度繰り返すことで染色布を得た。この工程で得られた染色布と評価前の白色綿布のWB値を色差計(日本電色工業製、分光式色差計SE−6000)で測定することにより重合体の移染防止能を評価した。評価結果について、0%は、重合体を添加せずに洗浄した試験布と同じ色の強さを表し、100%は試験布が評価前の色の強さを維持していることを表す。すなわち、高い値ほど移染防止能が高いことを示している。
<綿布への吸着性評価>
以下の方法により、重合体の綿布への吸着性評価を行った。まず、重合体を適量の水で希釈して固形分濃度1.0%の重合体水溶液を調製した。300mlビーカーに上記1%重合体水溶液2.5gを入れ、50ppm(Ca/Mg=3/1)硬度水を加えて250.0gとした。この希薄重合体水溶液に5cm×5cmの綿布(Testfabrics社製、Style460−6)10gを加え、10分間撹拌した。上記工程で得られた(綿布投入後の)重合体水溶液の全有機炭素分(TOC)と上記工程における綿布投入前の全有機炭素分を測定し、下記式(2)に基づき、重合体の綿布への吸着率を見積もった。全有機炭素分は、TOC計(島津製作所製、TOC−L)を用いて測定した。
Figure 2019131738
<実施例1>共重合体1の合成
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水124.5gを仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、80℃に保持された重合反応系中に、N−ビニルピロリドン(以下、「NVP」とも称する。)80.0g、15%p−スチレンスルホン酸ナトリウム91.8g、10%2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(以下、「10%V−50」とも称する。)31.5g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、NVPについては120分間、15%p−スチレンスルホン酸ナトリウムについては120分間、10%V−50については120分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に120分間、前記反応溶液を80℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度31%の重合体水溶液を得た。重合体(共重合体1)の重量平均分子量は24,600であった。移染防止能は46%であり、綿布への吸着性は4%であった。
<比較例1>
日本触媒社製の粉体製品ポリビニルピロリドンK−30を用いて、移染防止能及び綿布への吸着性を評価した。移染防止能は23%であり、綿布への吸着性は6%であった。
<比較例2>比較共重合体1の合成
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、NVP106.2g、1−ビニルイミダゾール18.8g、純水300.0gを仕込み、攪拌しながら75℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、75℃に保持された重合反応系中に、5%V−50を50.0g、27%メルカプトプロピオン酸ナトリウム水溶液18.7gをそれぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、NVPについては100分間、27%メルカプトプロピオン酸ナトリウム水溶液については70分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に150分間、前記反応溶液を75℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度26%の重合体水溶液を得た。重合体(比較共重合体1)の重量平均分子量は14,400であった。移染防止能は49%であり、綿布への吸着性は27%であった。
Figure 2019131738
表1に示したとおり、スチレンスルホン酸由来の構造単位を有する重合体は、移染防止能に優れ、かつ、綿布への吸着性が低いために、綿布への吸着によりポリマーが失活することなく、染み出した染料への吸着、分散性能を十分に発揮することができると考えられる。一方で、比較例1のポリビニルピロリドンは上記評価方法において移染防止能に劣ることが確認された。比較例2の1−ビニルイミダゾール由来の構造単位を有する重合体は綿布への吸着性が高いため、実使用条件では、重合体の染料への吸着と布への吸着とが競合することにより、染料への吸着性が低下し、移染防止能が低くなることが考えられる。

Claims (4)

  1. N−ビニルラクタム系共重合体を含む移染防止剤であって、
    該共重合体は、N−ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)とスチレンスルホン酸(塩)由来の構造単位(b)とを有し、
    該構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、1〜99質量%であることを特徴とする移染防止剤。
  2. 前記N−ビニルラクタム系単量体(A)がビニルピロリドンであることを特徴とする請求項1に記載の移染防止剤。
  3. N−ビニルラクタム系共重合体を含む移染防止剤を製造する方法であって、
    該製造方法は、N−ビニルラクタム系単量体(A)とスチレンスルホン酸(塩)とを含む単量体成分を水溶液中で重合させる工程を含み、
    該単量体成分中のスチレンスルホン酸(塩)の含有割合が、全単量体100質量%に対して、1〜99質量%であることを特徴とする移染防止剤の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の移染防止剤を含む洗剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020111078A1 (ja) * 2018-11-26 2020-06-04 株式会社日本触媒 移染防止剤、洗剤用添加剤及び洗剤組成物
WO2023243446A1 (ja) * 2022-06-17 2023-12-21 株式会社日本触媒 N-ビニルラクタム系共重合体及び組成物

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