JP5213330B2 - N−ビニル環状ラクタム系重合体、その製造方法及び用途 - Google Patents
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Description
本発明はまた、上記N−ビニル環状ラクタム系重合体を含有する洗剤添加物でもある。
本発明は更に、上記洗剤添加物を含有する洗剤組成物でもある。
以下に本発明を詳述する。
上記N−ビニル環状ラクタム系重合体において、N−ビニル環状ラクタム単位を有する重合体(以下、「重合体(A)」ともいう。)としては、少なくともN−ビニル環状ラクタム単位を有するものであれば特に限定されず、例えば、N−ビニルピロリドンやN−ビニルカプロラクタム等を重合又は共重合させて得られるホモポリマー(単独重合体)又はコポリマー(共重合体)等が好適である。なお、上記重合体(A)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記共重合体において、N−ビニルピロリドンやN−ビニルカプロラクタム等と共重合させる単量体成分としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸エステル、マレイン酸、N−ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、オレフィン類等の1種又は2種以上を使用することができる。なお、上記エステルとしては、例えば、炭素数1〜20のアルキルエステル、ジメチルアミノアルキルエステル及びその四級塩、ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。また、本発明の単量体成分に含んでもよい他の単量体として後述する単量体等の1種又は2種以上を使用することもできる。
上記数平均分子量としては、例えば、下記の条件下で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
<数平均分子量測定条件(GPC分析)>
カラム:昭和電工社製 Shodex KD−G、Shodex LF804、Shodex KD801
溶離液:0.1質量%臭化リチウム ジメチルホルムアミド溶液
溶離液流量:0.8mL/分
注入量:10μL
カラムオーブン:40℃
検出器:示差屈折計(RI)
サンプル濃度:0.5質量%
検量線:ポリスチレン換算
装置:(株)島津製作所製
システムコントローラ:SCL−10A
オートインジェクター:SIL−10A
ポンプ:LC−10AD
カラムオーブン:CTO−10A
RI検出器:RID−6A
上記カルボキシル基含有不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びこれらの塩等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びこれらの塩が好適である。なお、塩としては、例えば、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルキルアミン類やエタノールアミン類等の有機アミン塩が挙げられ、中でも、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましい。
なお、上記カルボキシル基含有不飽和単量体として塩の形態のものを使用する場合、上記重量比は、当該塩を形成する酸に換算した値として算出するものとする。すなわち、例えばアクリル酸ナトリウムを使用する場合には、アクリル酸に換算して上記重量比を算出するものとする。
また全単量体成分100質量%中のカルボキシル基含有不飽和単量体の含有量としては、例えば、25質量%以上となるようにすることが好適である。より好ましくは40質量%以上であり、特に好ましくは60質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアセチルアミド等のアミド基含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類単量体;スチレン、スチレンスルホン酸等の芳香族ビニル系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン等のトリアルキルオキシシリル基含有ビニル系単量体、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等のケイ素含有ビニル系単量体;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロへキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体;(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、ビニルスルホン酸(塩)、スチレンスルホン酸(塩)、2−ヒドロキシ−3−ブテンスルホン酸(塩)、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基含有単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール;3−メチル−3−ブテン−1−オール;3−メチル−2−ブテン−1−オール;2−メチル−3−ブテン−2−オールとそれらのアルコールのポリアルキレンオキサイド付加物;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパン;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンホスフェート及びその1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、又は、炭素数1〜4のアルキル基のモノ若しくはジエステル;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンサルフェート及びその1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、又は、炭素数1〜4のアルキル基のエステル;3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、又は、炭素数1〜4のアルキル基のエステル;3−(メタ)アクリロキシ−2−(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパンスルホン酸及びその1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、又は、炭素数1〜4のアルキル基のエステル;
上記25℃粘度としては、例えば、以下のようにして求めることができる。
<固形分25質量%水溶液における25℃粘度の求め方>
200mLのビーカーに、固形分25質量%水溶液(重合体を固形分換算で25質量%含む水溶液)200gを添加し、粘度計(BROOKFIELD社製;LVDL−I+)で♯1〜♯4のスピンドルを用いて25℃で測定する。
上記カオリン濁度としては、例えば、以下のように求めることができる。
<カオリン濁度の求め方>
厚さ10mmの50mm角セルに均一に攪拌した固形分25質量%水溶液(重合体を固形分換算で25質量%含む水溶液)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色株式会社製NDH2000(商品名、濁度計)を用いて25℃でのTurbidity(カオリン濁度:mg/L)を測定する。
上記カルシウムイオン捕捉能は、本発明においては以下の方法で測定する。
<カルシウムイオン捕捉能の求め方>
検量線用カルシウムイオン標準液として、塩化カルシウム2水和物を用いて、0.01mol/L、0.001mol/L、0.0001mol/Lの水溶液を50g調製し、1.0質量%NaOH水溶液でpH9.9〜10.2の範囲に調整し、更に4mol/Lの塩化カリウム水溶液(以下、「4M−KCl水溶液」と略す)を1mL添加し、更にマグネチックスターラーを用いて充分に攪拌して検量線用サンプル液を作製する。
また試験用カルシウムイオン標準液として、同じく塩化カルウシム2水和物を用いて、0.001mol/Lの水溶液を必要量(1サンプルにつき50g)調製する。次いで、100ccビーカーに試験サンプル(重合体)を固形分換算で10mg秤量し、上記の試験用カルシウムイオン標準液50gを添加し、マグネチックスターラーを用いて充分に攪拌する。なお、試験サンプルとして用いた重合体は、固形分40質量%のときにpH=7.5となるように48質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和したものを用いる。次に、検量線用サンプルと同様に、1.0質量%NaOH水溶液でpH9.9〜10.2の範囲に調整し、4M−KCl水溶液を1mL添加して、試験用サンプル液を作製する。
このようにして作製した検量線用サンプル液、試験用サンプル液を平沼産業社製滴定装置COMTITE−550を用いて、オリオン社製カルシウムイオン電極93−20、比較電極90−01により測定を行う。
なお、再汚染防止率とは、クレイ汚れによる再汚染を防止する性能を示す指標となるものであり、本発明においては以下の方法で測定する。
<再汚染防止率の求め方>
(1)JIS L0803:1998準拠の綿布を5cm×5cmに切断し、白布10枚を作製した後、各白布の白度(Z値)を、予め、測色色差計(日本電色工業社製、ND−1001DP型)を用いて反射率にて測定し、その平均値を(A0)とする。なお、白度を測定するときは、測定を行う布の上に(測定面と反対側の面に)残りの9枚を重ね、更にその上に綿白布(財団法人洗濯科学協会製)10枚を重ねて測定を行うこととする。
(2)塩化カルシウム二水和物2.21gに純水を加えて15kgとし、硬水を調製した後、この硬水を25℃の恒温槽につけておく。
(3)ターゴットメーターを25℃にセットし、上記硬水1L及びクレー(社団法人日本粉体工業技術協会より入手した試験用ダスト11種)0.5gをポットに入れ、100rpmで1分間攪拌する。次いで、白布10枚を入れ、100rpmで1分間攪拌する。
(4)更に、上記ポットに、5質量%炭酸ナトリウム水溶液4g、5質量%直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)水溶液4g、合成ゼオライトA−4(平均粒径2〜5μm)0.15g、及び、固形分換算で1重量%の試料ポリマー(N−ビニル環状ラクタム系重合体)水溶液5gを入れ、100rpmで10分間攪拌する。
(5)手で白布の水を絞り、25℃に保った上記硬水1Lをポットに入れ、100rpmで2分間攪拌する。これを2回行う。
(6)上記(3)〜(5)を3回繰り返す。
(7)10枚の白布それぞれに当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた後、各白布の白度(Z値)を、上記測色色差計を用い、再度、反射率にて測定し、その平均値を(A1)とする。
(8)以上のようにして得られる(A0)及び(A1)から、次式;
再汚染防止能(%)=(A1)/(A0)×100
により、再汚染防止率を求める。なお、得られる数値が高いほど、再汚染防止率に優れることを示す。
なお、不純物重合体とは、重合体(A)に鎖として導入されていないカルボキシル基含有不飽和単量体を含む重合体を意味し、その含有量は、N−ビニル環状ラクタム系重合体100質量%中の不純物重合体の含有量(質量%)である。
ここで、本発明においては、分散性やカルシウムイオン捕捉能の向上等の観点から、多量のカルボキシル基含有不飽和単量体を用いるため、通常の重合方法では、重合途中にゲル状物が発生し、重合が困難となることがある。しかしながら、上述したように過酸化物と連鎖移動剤又は還元剤とを併用することによって、多量のカルボキシル基含有不飽和単量体を使用した場合でも、ゲル化が充分に抑制され、重合を簡便に行うことが可能となり、その結果、各種性能に優れた上記重合体を高効率に生産できることとなる。
なお、開始剤として、過酸化物、連鎖移動剤及び還元剤の少なくとも3種を併用することも可能である。
なお、上記重合体(A)は、初期一括仕込みしてもよく、逐次添加してもよいが、反応時間の短縮化や生産性向上等の観点から、初期一括仕込みとする方が好適である。また、カルボキシル基含有不飽和単量体等の単量体成分は、重合効率や反応制御等の点を考慮すると、逐次添加する方が好ましいが、これに限定されるものではなく、初期に一括仕込みすることもできる。また、カルボキシル基含有不飽和単量体等の単量体成分は、予め、後述する溶媒に希釈して添加してもよい。
なお、亜ジチオン酸塩、重亜硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩等としては、金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムの塩が好ましく、金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子等が好適である。また、有機アンモニウム(有機アミン)としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンや、トリエチルアミン等が好適である。更に、アンモニウムであってもよい。これらの中でも、ナトリウム塩が好ましい。
また過酸化物、連鎖移動剤及び/又は還元剤の合計使用量としては特に限定されず、例えば、重合に使用する全単量体成分100重量部に対して0.1〜30重量部とすることが好ましい。0.1重量部未満であると、重合体(A)への重合率が充分とはならず、不純物重合体の副生量を充分に抑制することができないおそれがあり、30重量部を超えると、経済性に優れた製法とすることができないおそれがある。より好ましくは0.5〜20重量部である。
上記開始剤の添加方法としては特に限定されず、初期一括仕込みしてもよいし、滴下、分割投入等の連続投入方法によることとしてもよい。また、開始剤を単独で反応容器へ導入してもよく、重合体(A)や単量体成分、溶媒等と予め混合しておいてもよい。
上記重亜硫酸塩としては、上述したように、金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムの塩が好適である。より好ましくは、ナトリウム塩、すなわち亜硫酸水素ナトリウムである。
上記溶媒の使用量は特に限定されないが、例えば、重合濃度が後述する好適な範囲内となるように設定することが好ましい。具体的には、重合体(A)100重量部に対して5〜900重量部であることが好ましい。より好ましくは25〜400重量部である。なお、上記溶媒は、初期一括仕込みしてもよく、逐次添加してもよい。
上記重合濃度とは、重合反応が終了した時点での溶液中の固形分濃度、すなわち重合反応系における固形成分の濃度(例えば、単量体の重合固形分濃度)であり、重合反応が終了した時点とは、例えば、上述した各成分の滴下終了後であってもよいし、また、より具体的には、上述した各成分の滴下終了後、反応溶液を保持(熟成)した後であってもよい。
すなわち、N−ビニル環状ラクタム単位を有する重合体に、カルボキシル基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合してなるN−ビニル環状ラクタム系重合体を製造する方法であって、該製造方法は、過酸化物と重亜硫酸塩とを併用して重合を行う工程を含むN−ビニル環状ラクタム系重合体の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記製造方法で使用されるN−ビニル環状ラクタム単位を有する重合体としては、通常使用されるものの1種又は2種以上を使用することができ、その好適な形態は、上述した形態が挙げられる。
また上記単量体成分において、カルボキシル基含有不飽和単量体の使用量としては、上述したように設定することが好ましい。また、上記単量体成分は、カルボキシル基含有不飽和単量体以外の他の単量体を含んでもよく、他の単量体及びその使用量等についての好適な形態もまた、上述した形態が挙げられる。
このような洗剤添加物において、本発明のN−ビニル環状ラクタム系重合体の含有割合としては、洗剤添加物の固形分100質量%中、1〜100質量%であることが好適であり、より好ましくは20〜100質量%である。
なお、家庭用粉末洗剤、液体洗剤、柔軟剤、工業用洗浄剤、繊維処理剤等の各種配合基材には、通常洗剤添加物として使用されているアクリル酸重合体やアクリル酸/マレイン酸共重合体等が配合されていてもよい。
上記洗剤組成物において、本発明の洗剤添加物の含有割合としては、例えば、洗剤組成物100質量%中、上記N−ビニル環状ラクタム系重合体が0.1〜40質量%となるように設定することが好適である。0.1質量%未満であると、充分な洗剤性能を発揮できないおそれがあり、40質量%を超えると、経済性に優れたものとすることができないおそれがある。より好ましくは0.2〜30質量%である。
なお、上記洗剤組成物の形態としては特に限定されず、粉末状であってもよいし、液体状であってもよい。
上記アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸又はエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキル又はアルケニルリン酸エステル又はその塩等が挙げられる。なお、これらのアニオン系界面活性剤のアルキル基、アルケニル基の中間にメチル基等のアルキル基が分枝していてもよい。
上記カチオン系界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシル型又はスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
上記洗剤ビルダーとしては特に限定されず、例えば、各種のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウムポリ酢酸塩、カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、ポリヒドロキシスルホン酸塩等の有機ビルダー;ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩等の無機ビルダー等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記有機ビルダーにおいて、ポリ酢酸塩又はポリカルボン酸塩としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、オキシニコハク酸、メリット酸、グリコール酸、ベンゼンポリカルボン酸、クエン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩が挙げられる。
上記無機ビルダーとしては、炭酸、重炭酸、ケイ酸のナトリウム塩、カリウム塩又はゼオライト等のアルミノケイ酸塩であることが特に好適である。
下記の実施例等において、原料であるポリビニルピロリドンのK値は、以下の方法で測定した。すなわち、ポリビニルピロリドンを純水に1質量%の濃度で溶解させ、その溶液の粘度を25℃において毛細管粘度計によって測定し、この測定値を用いて次のフィケンチャー式;
(logηrel )/C=〔(75Ko2)/(1+1.5Ko C)〕+KoK=1000Ko
(但し、Cは、溶液100ml中のポリビニルピロリドンのg数を表す。ηrel は、溶媒に対する溶液の粘度を表す。)から計算した。K値が高いほど、分子量は高いといえる。
冷却管、窒素導入ライン、温度計を設置した重合容器に、ポリビニルピロリドン(K30)15重量部、イオン交換水143.5重量部を加え、窒素を導入して窒素雰囲気とした。重合容器を加熱し内温を90℃とした後、攪拌しながら、アクリル酸57重量部、37%アクリル酸ナトリウム10.6重量部、イオン交換水54.3重量部を混合したモノマー溶液、15%過硫酸アンモニウム水溶液12重量部及び35%亜硫酸水素ナトリウム7.7重量部を90分かけて滴下した。更に90℃で加熱攪拌を30分間続けた後、30%NaOH26.6重量部を加えてポリマー溶液1を得た。
得られたポリマー溶液1について、固形分25質量%水溶液における25℃粘度、濁度、カルシウム捕捉能及び再汚染防止率を上述した方法にて測定した。結果を表1に示す。
冷却管、窒素導入ライン、温度計を設置した重合容器に、ポリビニルピロリドン(K30)30重量部、イオン交換水163.8重量部を加え、窒素を導入して窒素雰囲気とした。重合容器を加熱し内温を90℃とした後、攪拌しながら、アクリル酸42.8重量部、37%アクリル酸ナトリウム7.9重量部、イオン交換水40.7重量部を混合したモノマー溶液、15%過硫酸アンモニウム水溶液9重量部及び35%亜硫酸水素ナトリウム5.8重量部を90分かけて滴下した。更に90℃で加熱攪拌を30分間続けた後、30%NaOH20重量部を加えてポリマー溶液2を得た。
得られたポリマー溶液2について、固形分25質量%水溶液における25℃粘度、濁度、カルシウム捕捉能及び再汚染防止率を上述した方法にて測定した。結果を表1に示す。
冷却管、窒素導入ライン、温度計を設置した重合容器に、ポリビニルピロリドン(K30)30重量部、イオン交換水163.8重量部を加え、窒素を導入して窒素雰囲気とした。重合容器を加熱し内温を90℃とした後、攪拌しながら、アクリル酸42.8重量部、37%アクリル酸ナトリウム7.9重量部、イオン交換水40.7重量部を混合したモノマー溶液、15%過硫酸アンモニウム水溶液9重量部を90分かけて滴下しようとしたが、反応途中でゲル化してしまい、ポリマー水溶液を得ることができなかった。
「PVP」:ポリビニルピロリドン
「AA」:アクリル酸
「APS」:過硫酸アンモニウム
「SBS」:重亜硫酸ナトリウム
Claims (6)
- N−ビニル環状ラクタム単位を有する重合体に、カルボキシル基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合してなるN−ビニル環状ラクタム系重合体であって、
該N−ビニル環状ラクタム系重合体は、過酸化物と重亜硫酸塩とを併用して、該重合を行うことにより得られるものであり、
該カルボキシル基含有不飽和単量体は、該N−ビニル環状ラクタム単位を有する重合体100重量部に対して350〜2000重量部であり、
該N−ビニル環状ラクタム系重合体は、固形分25質量%水溶液における25℃粘度が100000mPa・s以下であることを特徴とするN−ビニル環状ラクタム系重合体。 - 前記N−ビニル環状ラクタム系重合体は、カルシウムイオン捕捉能が230mg・CaCO3/g以上であることを特徴とする請求項1に記載のN−ビニル環状ラクタム系重合体。
- 前記N−ビニル環状ラクタム系重合体は、再汚染防止率が65.0%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のN−ビニル環状ラクタム系重合体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のN−ビニル環状ラクタム系重合体を製造する方法であって、
該製造方法は、過酸化物と重亜硫酸塩とを併用して重合を行う工程を含むことを特徴とするN−ビニル環状ラクタム系重合体の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のN−ビニル環状ラクタム系重合体を含有することを特徴とする洗剤添加物。
- 請求項5に記載の洗剤添加物を含有することを特徴とする洗剤組成物。
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