JP2013224395A - ポリカルボン酸系重合体およびその製造方法 - Google Patents

ポリカルボン酸系重合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた色調(着色が少ない)を有するポリカルボン酸系重合体を提供することを目的とする。
【解決手段】
主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有し、カルボキシル基の一部が有機アミン塩である、ポリカルボン酸系重合体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカルボン酸系重合体、及びその製造方法に関するものである。
従来から、(メタ)アクリル酸系重合体等のポリカルボン酸系重合体のうち、低分子量のものは、その優れたキレート能や分散能を利用して、洗剤ビルダーや、無機顔料や金属イオン等の分散剤やスケール防止剤等に好適に用いられている。
例えば引用文献1には、50〜100mol%の(メタ)アクリル酸、および0〜50mol%の、(メタ)アクリル酸に共重合可能な水溶性モノエチレン性不飽和単量体を水溶液中で重合してなる重合体であって、末端にスルホン酸基を有するとともに、次式、Q=ゲル化度×10/重量平均分子量で定義される耐ゲル能Q値が2.0未満であることを特徴とする(メタ)アクリル酸系重合体が開示されている。上記重合体は、高いキレート能および分散能に加え、良好な耐ゲル性を示すことが開示されている。
例えば特許文献2には、S=(ポリマーに含まれるS量)/(全S量)×100で定義される硫黄元素導入量S値が35以上であることを特徴とする(メタ)アクリル酸系重合体が開示されている。上記重合体は、高いキレート能および分散能に加え、良好な耐ゲル性を示すことが開示されている。
特開平11−315115号公報 特開2004−75971号公報
上述したように、従来、様々なポリカルボン酸系重合体(組成物)が報告されているものの、例えば洗剤組成物等に多量に添加しても洗剤組成物の色調を損ねないように、ポリカルボン酸系重合体(組成物)の色調(着色が少ない)を改良する余地があった。
そこで、本発明は、従来のポリカルボン酸系重合体(組成物)よりも色調が良好となる(着色が少ない)ことにより、洗剤組成物への添加剤等(例えば洗剤ビルダー)に好ましく使用できるポリカルボン酸系重合体(組成物)を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために様々な重合体について鋭意検討を行なった結果、特定の構造を有するポリカルボン酸系重合体が優れた色調(着色が少ない)を示すことを知得し、該知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有し、カルボキシル基の一部が有機アミン塩である、ポリカルボン酸系重合体である。
本発明のポリカルボン酸系重合体は、優れた色調(着色が少ない)を有する。従って、例えば洗剤組成物への添加剤等として有用に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔本発明のポリカルボン酸系重合体〕
<カルボキシル基含有単量体(A)由来の構造単位(a)>
本発明のポリカルボン酸系重合体は、カルボキシル基含有単量体(A)由来の構造単位(a)を有する。本発明において、カルボキシル基含有単量体(A)とは、1)炭素炭素不飽和二重結合と、2)カルボキシル基および/またはその塩とを必須として含有する単量体である。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、αーヒドロキシアクリル酸、α−ヒドロキシメチルアクリル酸及びその誘導体等の、不飽和モノカルボン酸及びこれらの塩等;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、2−メチレングルタル酸等の不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩等が挙げられる。
上記塩とは、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩である。金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属の塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、等のアルカリ土類金属の塩;アルミニウム、鉄等の塩等が挙げられる。また、有機アミン塩としては、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;モノエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩等のアルキルアミン塩;エチレンジアミン塩、トリエチレンジアミン塩等のポリアミン等の有機アミンの塩が挙げられる。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の色調が良好となる(着色が少なくなる)ことから、本発明のポリカルボン酸系重合体の有するカルボキシル基の一部が有機アミンで中和されていることを必須としている。すなわち、カルボキシル基含有単量体(A)由来の構造単位(a)の一部は、カルボキシル基(構造単位(a)が2以上のカルボキシル基を有する場合には少なくとも1つのカルボキシル基)が有機アミン(塩)である構造単位である(以下、構造単位(a1)ということもある)。
上記有機アミン塩の中でも、2級アミンの塩が好ましく、ジエタノールアミンがより好ましい。
カルボキシル基含有単量体(A)の中でも、洗剤ビルダーとしての性能(よごれ粒子の分散性能等)が高くなる傾向にあることから、アクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸、メタクリル酸塩、マレイン酸、マレイン酸塩が好ましく、アクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸、メタクリル酸塩(これらを「(メタ)アクリル酸(塩)」とも言う。)を必須とすることがより好ましい。
本発明のポリカルボン酸系重合体は、構造単位(a)を1種のみで含んでいても良いが、2種類以上含んでいても良い。
上記構造単位(a)は、単量体(A)の炭素炭素二重結合(例えば、CH=C(R)−)が単結合(例えば、−CH−C(R)−)になった構造である。
本発明のポリカルボン酸系重合体は、カルボキシル基含有単量体(A)由来の構造単位(a)を全単量体に由来する構造単位の合計100モル%(すなわち、カルボキシル基含有単量体に由来する構造単位と、その他の単量体に由来する構造単位との合計100モル%)に対して、50モル%以上、100モル%以下の割合で有することが好ましい。構造単位(a)が上記範囲内であることにより、洗剤ビルダーとしての性能(よごれ粒子の分散性能等)が向上する傾向にある。全単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対する構造単位(a)の割合は、80モル%以上、100モル%以下であることがより好ましく、90モル%以上、100モル%以下であることがさらに好ましく、100モル%であることが特に好ましい。
本発明のポリカルボン酸系重合体は、上記の通りカルボキシル基含有単量体に由来する構造単位として、好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造単位を含むが、その場合、全単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造単位が50モル%以上、100モル%以下であることが好ましく、80モル%以上、100モル%以下であることがより好ましく、90モル%以上、100モル%以下であることがさらに好ましく、100モル%であることが特に好ましい。
上記の通り、本発明のポリカルボン酸系重合体は、カルボキシル基の一部が有機アミンで中和されていることを特徴としている。本発明のポリカルボン酸系重合体の有するカルボキシル基100モル%に対して、有機アミンで中和されているカルボキシル基が、1〜70モル%であることが好ましく、5〜60モル%であることがより好ましく、10〜50モル%であることが特に好ましい。
本発明のポリカルボン酸系重合体は、上記構造単位(a1)を、全単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、1〜70モル%の割合で有することが好ましく、5〜60モル%の割合で有することがより好ましく、10〜50モル%の割合で有することが特に好ましい。
本発明のポリカルボン酸系重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造単位のカルボキシル基が有機アミン塩である構造単位(以下、構造単位(a2)ともいう)を全単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、1〜70モル%の割合で有することが好ましく、5〜60モル%の割合で有することがより好ましく、10〜50モル%の割合で有することが特に好ましい。なお、構造単位(a2)は、−CH−CR(COOM)−で表わされる(Rは水素原子、メチル基を表し、Mは有機アンモニウム基を表す。)。
ポリカルボン酸系重合体に含まれるカルボキシル基含有単量体(A)由来の構造単位(a)の内、カルボキシル基が金属塩である構造単位(以下、構造単位(a3)ともいう)の存在量が高くなると、ポリカルボン酸系重合体の界面活性剤との相溶性が低下する傾向にある為、液体洗剤に配合しにくくなる場合がある。その為、本発明のポリカルボン酸系重合体は、上記構造単位(a3)を、全単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、0〜90モル%の割合にすることが好ましく、0〜30モル%の割合にすることがより好ましい。
ポリカルボン酸系重合体に含まれるカルボキシル基含有単量体(A)由来の構造単位(a)の内、カルボキシル基が未中和(酸型)である構造単位(以下、構造単位(a4)ともいう)の存在量が高くなると、洗剤に配合した場合に皮膚への刺激等が高くなる傾向にある。その為、本発明のポリカルボン酸系重合体は、上記構造単位(a4)を、全単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、0〜99モル%の割合にすることが好ましく、0〜90モル%の割合にすることがより好ましい。
<その他の単量体(E)由来の構造単位(e)>
本発明のポリカルボン酸系重合体は、その他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していても構わない。
本発明のポリカルボン酸系重合体が他の単量体(E)を含む際の他の単量体(E)としては、上記単量体(A)と共重合可能なものであれば特に限定されるものではなく、所望の効果によって適宜選択される。具体的には、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらの塩等のスルホン酸基含有単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを付加した単量体、(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールエステル、等のポリアルキレングリコール系単量体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基と重合性基を有するビニル芳香族系アミノ基含有単量体およびこれらの4級化物や塩;ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のアリルアミン類およびこれらの4級化物や塩;(i)(メタ)アリルグリシジルエーテル、イソプレニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルのエポキシ環に、(ii)ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、モルホリン、ピロール等の環状アミン類等のアミンを反応させることにより得られる単量体およびこれらの4級化物や塩等;スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体、イソブチレン、酢酸ビニル;等が挙げられる。
また、上記他の単量体(E)は、1種を単独で使用してもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
本発明のポリカルボン酸系重合体は、任意であるが、上記構造単位(e)を全単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、0モル%以上、50モル%以下の割合で有していても良く。0モル%以上、20モル%以下であることがより好ましく、0モル%以上、10モル%以下であることがさらに好ましく、0モル%であることが特に好ましい。
本発明のポリカルボン酸系重合体の重量平均分子量は、適宜設定できるものであり、特に限定されないが、洗剤ビルダーとしての性能(よごれ粒子の分散性能等)が向上する傾向になることから、具体的には、2,000〜200,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜60,000、最も好ましくは4,000〜40,000である。なお、本明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値であり、実施例に記載される方法に従って測定されたものである。
<主鎖末端のスルホン酸(塩)基>
本発明のポリカルボン酸系重合体は、重合体分子の少なくとも一つの主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有することを特徴としている。少なくとも一つの主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有するとは、1または2以上の主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有することをいい、例えば直鎖状の重合体分子であれば2の主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有していてもよく、分岐状の重合体分子であれば、3以上の主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有していても良い。少なくとも一つの主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有することにより洗剤ビルダーとしての性能(よごれ粒子の分散性能等)が向上する傾向にあることから好ましい。1または2の主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有することが好ましい。
共重合体の分子末端にスルホン酸(塩)基を含む構造単位を形成する方法としては、単量体(A)を必須に含む単量体を、重亜硫酸(塩)類(亜硫酸、重亜硫酸、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びそれらの塩等をいう)の存在下で重合する方法が好ましく用いられる。上記の場合、重亜硫酸(塩)類が連鎖移動剤等として作用することにより、スルホン酸(塩)基が重合体分子内に取り込まれることとなる。
共重合体の分子末端のスルホン酸(塩)基は例えばHNMR等により測定することができる。
なお、スルホン酸(塩)基における塩とは、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩である。
<ポリカルボン酸系重合体組成物>
本発明のポリカルボン酸系重合体組成物は、本発明のポリカルボン酸系重合体を必須として含有する。本発明のポリカルボン酸系重合体組成物は、本発明のポリカルボン酸系重合体以外に任意の成分を含有することが可能であるが、通常はその他に、原料の残渣、重合時の副生成物、水分から選ばれる1以上を含有する。
本発明のポリカルボン酸系重合体組成物の好ましい形態は、本発明のポリカルボン酸系重合体を20〜80質量%含有し、水を20〜80質量%含有する形態である。
本発明のポリカルボン酸系重合体組成物は、残存単量体の含有量が固形分換算で、0〜15000ppmであることが好ましく、0〜10000ppmであることがより好ましい。
〔本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造方法〕
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造方法は、特に断りの無い限りは、公知の重合方法と同様にしてあるいは修飾した方法が使用できる。本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)を製造する方法としては、カルボキシル基含有単量体を必須として含む単量体(単量体成分)を重合する工程(重合工程)を必須に含むことにより製造することができる。また、単量体成分を重合する際には、必要に応じ、上記その他の単量体(E)を更に共重合させてもよい。
このような製造方法においては、重合開始剤を用いて単量体成分を重合すればよい。なお、ポリカルボン酸系重合体を構成する構成単位が上述したようになるように、単量体成分に含まれる単量体の種類や使用量を適宜設定することになる。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造に用いられるカルボキシル基含有単量体の組成比は、全単量体(すなわち、カルボキシル基含有単量体と、その他の単量体の合計)100モル%に対して、カルボキシル基含有単量体が50モル%以上、100モル%以下であることが好ましく、80モル%以上、100モル%以下であることがより好ましく、90モル%以上、100モル%以下であることがさらに好ましく、100モル%であることが特に好ましい。本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造に用いられるその他の単量体の組成比は、全単量体100モル%に対して、その他の単量体が0モル%以上、50モル%以下であることが好ましく、0モル%以上、20モル%以下であることがより好ましく、0モル%以上、10モル%以下であることがさらに好ましく、0モル%であることが特に好ましい。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の洗剤ビルダーとしての性能(よごれ粒子の分散性能等)が向上する傾向にあることから、上記カルボキシル基含有単量体は(メタ)アクリル酸(塩)を含むことが好ましい。本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造に用いられる(メタ)アクリル酸(塩)の組成比は、全単量体100モル%に対して、(メタ)アクリル酸(塩)が50モル%以上、100モル%以下であることが好ましく、80モル%以上、100モル%以下であることがより好ましく、90モル%以上、100モル%以下であることがさらに好ましく、100モル%であることが特に好ましい。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造方法において、使用する重合溶媒としては、水を含むことが好ましく、使用する全溶剤量に対して水を50質量%以上、100質量%使用することが好ましく、使用する溶媒の全量を水とすることが好ましい。
単独で、または水と共に使用できる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の低級ケトン類;ジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアルデヒド等のアミド類が挙げられる。有機溶剤は1種または2種以上で使用することができる。
上記溶媒の使用量としては、全単量体の合計100質量%に対して40〜200質量%が好ましい。より好ましくは、45質量%以上であり、更に好ましくは、50質量%以上である。また、より好ましくは、180質量%以下であり、更に好ましくは、150質量%以下である。溶媒の使用量が40質量%以下であると、得られる重合体の分子量が高くなるおそれがあり、200質量%を超えると、得られる重合体の濃度が低くなり、溶媒除去が必要となるおそれがある。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造方法においては、過硫酸塩と共に、公知の重合開始剤を使用することができ、公知の重合開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノパレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が例示される。これらの重合開始剤は、単独または2種以上を併用して使用しても良い。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造方法において、得られるポリカルボン酸系重合体(組成物)の色調や、加熱時の色調を良好にする(着色が少ない)ことができることから、重合開始剤の使用量を少なくすることが好ましい。後述するように、有機アミン存在下で重合反応を行うことにより、重合開始剤の使用量を少なくすることができる傾向にあり、また、ポリカルボン酸系重合体(組成物)の色調が顕著に向上する傾向にある。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造方法において、重合開始剤の使用量を、全単量体(カルボキシル基含有単量体とその他の単量体の合計)1モルに対して0.1g以上、4.0g以下の割合で使用することが好ましく、0.2g以上、3.5g以下使用することがより好ましく、0.3g以上、3.0g以下使用することが特に好ましい。上記範囲にすることにより、得られる重合体(組成物)の洗剤ビルダーとしての性能(よごれ粒子の分散性能等)が良好なものとなると共に、重合体(組成物)の色調が良くなる傾向にある。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)は、連鎖移動剤の存在下で重合を行っても良い。使用可能な連鎖移動剤としては、具体的には、メルカプトエタノール、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、n−ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等の、ハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)等;亜硫酸、重亜硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩(具体的には、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)等(「重亜硫酸(塩)類」ともいう);等が挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独でまたは2種以上併用して使用しても良い。ただし、本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)を洗剤用途に使用する場合、リンの混入が厳しく制限される場合があるので、洗剤用途に使用する場合にはリンを含む連鎖移動剤の使用を避けることが好ましい。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造方法において、重合体の主鎖末端にスルホン酸(塩)基を導入できることから、連鎖移動剤として重亜硫酸(塩)類を使用することが好ましい。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造方法において、得られるポリカルボン酸系重合体(組成物)の色調や、加熱時の色調を良好にする(着色が少ない)ことができることから、重合開始剤の使用量を少なくすることが好ましい。後述するように、有機アミン存在下で重合反応を行うことにより、重合開始剤の使用量を少なくすることができる傾向にある。
上記連鎖移動剤の使用量は、好ましくは全単量体(カルボキシル基含有単量体とその他の単量体の合計)1モルに対して、連鎖移動剤と上記重合開始剤の合計の使用量が、15.0g以下であることが好ましく、10.0g以下であることがより好ましく、5.0g以下であることがさらに好ましく、3.0g以下であることが特に好ましい。一方、連鎖移動剤と上記重合開始剤の合計の使用量の下限としては、全単量体1モルに対して、2.0g以上であることが特に好ましい。上記範囲にすることにより、得られる重合体(組成物)の洗剤ビルダーとしての性能(よごれ粒子の分散性能等)が良好なものとなると共に、重合体(組成物)の色調が良くなる傾向にある。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造方法において、反応促進剤として重金属イオンを使用しても良い。本発明において重金属とは、比重が4g/cm以上の金属を意味する。上記金属イオンとしては、例えば、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等が好ましい。これらの重金属は1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、鉄がより好ましい。上記重金属イオンのイオン価は特に限定されるものではなく、例えば、重金属として鉄が用いられる場合、開始剤における鉄イオンとしては、Fe2+であっても、Fe3+であってよく、これらが組み合わされていてもよい。
上記重金属イオンは、イオンの形態として含まれるものであれば特に限定されないが、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いる方法を用いると、取り扱い性に優れるため好適である。
上記重金属イオンとして鉄を用いる場合、モール塩(Fe(NH(SO・6HO)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の重金属化合物等を用いることが好ましい。また、重金属イオンとしてマンガンを用いる場合、塩化マンガン等を好適に用いることができる。これらの重金属化合物を用いる場合においては、いずれも水溶性の化合物であるため、水溶液の形態として用いることができ、取り扱い性に優れることになる。なお、上記重金属化合物を溶解してなる溶液の溶媒としては、水に限定されるものではない。
上記重金属イオンを使用する場合その使用量は、重合反応完結時における重合反応液の全質量に対して0〜10ppmであることが好ましい。重金属イオンの含有量が10ppmを超えると、得られる重合体の色調の悪化を来たすおそれがある。
なお、上記重合反応完結時とは、重合反応液中において重合反応が実質的に完了し、所望する重合体が得られた時点を意味する。例えば、重合反応液中において重合された重合体がアルカリ成分で中和される場合には、中和した後の重合反応液の全質量を基準に、重金属イオンの含有量を算出する。2種以上の重金属イオンが含まれる場合には、重金属イオンの総量が上述の範囲であればよい。
上記連鎖移動剤、重合開始剤及び反応促進剤の好ましい組み合わせとして、過硫酸塩と重亜硫酸(塩)類、過硫酸塩と重亜硫酸(塩)類と重金属イオン、が例示される。
なお、本発明において、重亜硫酸塩等の無機酸塩における塩とは、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩を表わし、金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造方法において、単量体の重合時に有機アミンを存在させておくことが好ましい。有機アミンを存在させておくことにより、重合開始剤や連鎖移動剤の使用量を低減することが可能である。また、有機アミンの存在下で重合反応を行うことにより、得られる重合体(組成物)の色調が顕著に向上する傾向にある。有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン;エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミン等が例示される。有機アミンの中でも、重合体(組成物)の色調が向上することから2級アミン、トリエタノールアミンが特に好ましい。
重合中に存在させる有機アミンは、本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造に使用する有機アミンの一部であっても、全部であっても構わない。例えば重合開始前、又は重合中に、有機アミンの一部を添加して、重合終了後、例えば中和工程で残りの有機アミンを添加するなどしても良い。
本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の製造方法の重合工程において、単量体を反応容器への添加が終了した時点において、添加したカルボキシル含有単量体100モル%に対して、有機アミンが3%モル%以上、8モル%以下であることが好ましい。
上記重合工程において、単量体を反応容器へ添加する方法としては、重合開始前に単量体の一部又は全部を予め反応溶液に添加しておく方法、単量体の全量を重合開始以降に反応容器に添加する方法等が可能であるが、単量体の一部または全部を重合開始以後に反応容器に逐次的(好ましくは連続的)に添加することが好ましい。なお、後述する重合開始時点より前を重合開始前、重合開始時点より後を重合開始後という。
単量体は、予め溶媒に溶解して反応容器に添加しても良い。
上記重合工程において、重合開始剤を反応容器へ添加する方法としては、重合開始前に重合開始剤の一部又は全部を予め反応溶液に添加しておく方法、重合開始剤の全量を重合開始以降に反応容器に添加する方法等が可能であるが、重合開始剤の一部または全部を重合開始以後に反応容器に逐次的(好ましくは連続的)に添加することが好ましい。
重合開始剤は、予め溶媒に溶解して反応容器に添加してもよい。重合開始剤として過硫酸塩を使用する場合には、水溶液として添加することが好ましい。
過硫酸塩の添加終了時点が、単量体の添加終了時点以降になることが好ましく、単量体の添加終了時から60分以内であることがより好ましく、単量体の添加終了時から30分以内であることが特に好ましい。
上記重合工程において、連鎖移動剤を使用する場合、連鎖移動剤を反応容器へ添加する方法としては、重合開始前に連鎖移動剤の一部又は全部を予め反応溶液に添加しておく方法、連鎖移動剤の全量を重合開始以降に反応容器に添加する方法等が可能であるが、連鎖移動剤の一部または全部を重合開始以後に反応容器に逐次的(好ましくは連続的)に添加することが好ましい。
連鎖移動剤は、予め溶媒に溶解して反応容器に添加してもよい。重合開始剤として重亜硫酸(塩)類を使用する場合には、水溶液として添加することが好ましい。
また、重亜硫酸(塩)類を使用する場合、重合初期の分子量は最終分子量に大きく影響する。このため、初期分子量を低下させるために、重合開始より60分以内、好ましくは30分以内、より好ましくは10分以内に重亜硫酸(塩)類ないしその溶液を使用量の5〜20質量%添加(滴下)するのが望ましい。
単量体、重合開始剤、連鎖移動剤等を逐次的に添加する場合、その添加速度は一定であっても良いが、添加速度を途中で変えても良い。
上記重合工程において、有機アミンを使用する場合、有機アミンを反応容器へ添加する方法としては、重合開始前に有機アミンの一部又は全部を予め反応溶液に添加しておく方法、有機アミンの全量を重合開始以降に反応容器に添加する方法等が可能である。有機アミンは反応容器に、有機アミンのみで添加しても良いし、カルボキシル基含有単量体と予め反応(中和反応)させてから添加しても良いし、溶剤に溶解して添加しても良い。
上記重合工程における重合方法としては、例えば、溶液重合やバルク重合、懸濁重合、乳化重合等の通常用いられる方法で行うことができ、特に限定されるものではないが、溶液重合が好ましい。溶剤を使用する場合には、溶媒は、通常重合開始前に一部又は全量を反応容器内に仕込んでおくことが好ましいが、溶媒の一部を重合開始以後に反応系内に添加(滴下)してもよいし、単量体成分や開始剤等を予め溶媒に溶解させた形で、これらの成分と共に重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよい。
上記重合工程において、重合温度としては、通常、0℃以上であることが好ましく、また、150℃以下であることが好ましい。より好ましくは、40℃以上であり、更に好ましくは、60℃以上であり、特に好ましくは、80℃以上である。また、より好ましくは、120℃以下であり、更に好ましくは、110℃以下である。特に、重亜硫酸(塩)類を用いる場合には、共重合温度は、通常、60℃〜95℃、好ましくは70℃〜95℃、さらに好ましくは、80℃〜95℃である。この際、60℃以下では、重亜硫酸(塩)類由来の不純物が多量に生成するおそれがある。逆に、95℃を越えると、有毒な亜硫酸ガスが放出されるおそれがある。
上記重合工程において、重合温度は常にほぼ一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応中に経時的に温度変動(昇温又は降温)させてもよい。
本発明のポリカルボン酸系重合体の製造方法において、重合時間としては、30〜360分であることが好ましい。より好ましくは、60〜240分であり、更に好ましくは、120〜180分である。
なお、本発明において「重合時間」とは、回文式(バッチ式)重合方法において、単量体の一部または全部を反応器(反応釜)に添加しながら重合する場合には、最初に重合開始剤の一部または全部と、単量体の一部または全部が反応器に添加された時点(重合開始時点という)から、単量体の全量が反応器に添加された時点(重合終了時点という)までをいう。また、回文式(バッチ式)重合方法において、単量体の全量を予め反応器に添加して(初期仕込みという)、重合開始剤の一部または全部を反応器(反応釜)に添加しながら重合する場合には、最初に重合開始剤の一部または全部と、単量体の全部が反応器に添加された時点から、重合開始剤の全量が反応器に添加された時点までである。また、回文式(バッチ式)重合方法において、単量体の全量と、重合開始剤の全量とを予め反応器に添加して、加熱等の手段により重合を行なう場合には、発熱(重合熱の発生)が見られる時間をいう。また、連続式で重合する場合には、反応器に滞留している時間をいう。
上記重合工程における反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下の何れであってもよいが、得られる共重合体の分子量の点で、常圧下、又は、反応系内を密閉し、加圧下で行うのが好ましい。また、加圧装置や減圧装置、耐圧性の反応容器や配管等の設備の点で、常圧(大気圧)下で行うのが好ましい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でもよいが、不活性雰囲気とするのが好ましく、例えば、重合開始前に系内を窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。
上記重合工程における重合中のpHは、酸性が好ましい。酸性条件下で行うことによって、重合反応系の水溶液の粘度の上昇を抑制し、重合体を良好に製造することができる。また、高濃度の条件下で重合反応を進行させることができるので、製造効率を大幅に上昇することができ、最終固形分濃度が40%以上の高濃度重合とすることができる。上記酸性条件としては、重合中の反応溶液の25℃でのpHが1〜6であることが好ましく、より好ましくは5以下であり、更に好ましくは3以下である。
上記重合工程において、重合を行う際の単量体の中和率は、重合開始剤等によって適宜変更できる。例えば、過硫酸塩と重亜硫酸(塩)類とを併用する場合は、単量体の中和率を3〜60モル%として単量体成分の共重合を行うことが好ましい。上記単量体の中和率は、反応液に含まれる単量体と単量体に由来する構造単位のカルボキシル基の全モル数を100モル%としたときに、塩を形成している単量体と塩を形成している単量体に由来する構造単位のカルボキシル基の割合(モル%)で表される。単量体の中和率を上記範囲にすることにより、重合率が向上したり、重合体の分子量を好ましい範囲に制御することが容易になる傾向にある。より好ましくは、50モル%以下であり、更に好ましくは、40モル%以下、特に好ましくは、30モル%以下であり、より特に好ましくは、20モル%以下であり、最も好ましくは、10モル%以下である。
本発明の製造方法は、上記重合工程を必須として含むことになる。その他、熟成工程、中和工程、精製工程等を含んでいても良い。
例えば、連鎖移動剤として重亜硫酸塩を使用する場合に、過酸化水素などの過酸化物を添加して残存する重亜硫酸塩を分解する工程を含んでいても良い。該工程を含むことにより、本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)を酸性条件下においたり、加熱したりした場合に亜硫酸ガスが発生することを抑制することが可能となる。
中和工程を含む場合、中和工程においては、中和剤として有機アミンを使用しても良い。有機アミンで中和する場合の中和温度としては、0〜100℃であることが好ましい。
[本発明のポリカルボン酸系重合体(組成物)の用途]
上記ポリカルボン酸系重合体(または重合体組成物)は、洗剤組成物への添加剤(洗剤ビルダー等)、スケール防止剤等の水処理剤、繊維処理剤、分散剤、脱墨剤、金属イオン封止剤、増粘剤、有機繊維・無機繊維のバインダー、粉体のバインダー、乳化剤、スキンケア剤、ヘアケア剤等として用いることができる。
<洗剤ビルダー>
本発明のポリカルボン酸系重合体(または重合体組成物)は、洗剤ビルダーとして用いられうる。洗剤ビルダーとしては、衣料用、食器用、住居用、毛髪用、身体用、歯磨き用、及び自動車用など、様々な用途の洗剤に添加されて使用されうる。
すなわち、本発明のポリカルボン酸系重合体(または重合体組成物)は、洗剤組成物にも添加しうる。上記洗剤組成物の概念には、家庭用洗剤組成物、繊維工業その他の工業用洗剤組成物、硬質表面洗浄剤組成物等が含まれ、さらに例えば漂白洗剤組成物等の洗剤組成物に含まれる特定の成分の働きを高めた洗剤組成物も含まれる。
洗剤組成物における本発明のポリカルボン酸系重合体の含有量は特に制限されない。ただし、優れたビルダー性能を発揮しうるという観点からは、本発明のポリカルボン酸系重合体の含有量は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.3〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
洗剤用途で用いられる洗剤組成物には、通常、洗剤に用いられる界面活性剤や添加剤が含まれる。これらの界面活性剤や添加剤の具体的な形態は特に制限されず、洗剤分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。また、上記洗剤組成物は、粉末洗剤組成物の場合に特に好ましいが、液体洗剤組成物である場合にも使用することができる。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選択される1種または2種以上である。2種以上が併用される場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との合計量は、界面活性剤の全量に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。
界面活性剤の配合割合は、洗剤組成物の全量に対して10〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜60質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、十分な洗浄力を発揮できなくなる虞がある。
上記界面活性剤として具体的には、アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等;ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキエチレンアルキルフェニルエーテル等;カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等;両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等;が例示される。
本発明の洗剤組成物は、本発明のポリカルボン酸系重合体、界面活性剤以外の添加剤(その他の添加剤)として、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸(塩)等のアルカリビルダー;トリポリリン酸(塩)、クエン酸(塩)、アクリル酸−マレイン酸共重合体(塩)、エチレンジアミンテトラ酢酸(塩)、ボウ硝、ゼオライト等のキレートビルダー;カルボキシメチルセルロース(塩)等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤;ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等の汚れ抑制剤;ソイルリリース剤;ポリビニルピロリドン等の色移り防止剤;柔軟剤;pH調節のためのアルカリ性物質;香料;可溶化剤;蛍光剤;着色剤;起泡剤;泡安定剤;つや出し剤;殺菌剤;漂白剤;漂白助剤;酵素;染料;溶媒等を添加しても良い。上記その他の添加剤における塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が例示される。
上記その他の添加剤の合計の配合割合は、洗浄剤組成物100質量%に対して15〜89.9質量%が好ましく、30〜84.7質量%がより好ましい。
本発明の洗剤組成物が粉末洗剤組成物の場合には、ゼオライトを配合することが好ましい。
本発明の洗剤組成物が液体洗剤組成物の場合には、水を液体洗剤組成物の全量に対して0.1〜75質量%含むことが好ましく、1.5〜50質量%含むことがより好ましい。
<無機顔料分散剤>
本発明のポリカルボン酸系重合体(または重合体組成物)は、無機顔料分散剤に用いることができる。該無機顔料分散剤には、必要に応じて、他の配合剤として、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールを用いても良い。
上記無機顔料分散剤中における、本発明のポリカルボン酸系重合体の含有量は、無機顔料分散剤全体に対して、好ましくは5〜100重量%である。また性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
上記無機顔料分散剤は、紙コーティングに用いられる重質ないしは軽質炭酸カルシウム、クレイの無機顔料の分散剤として良好な性能を発揮し得る。例えば、無機顔料分散剤を無機顔料に少量添加して水中に分散することにより、低粘度でしかも高流動性を有し、かつ、それらの性能の経日安定性が良好な、高濃度炭酸カルシウムスラリーのような高濃度無機顔料スラリーを製造することができる。
上記無機顔料分散剤を無機顔料の分散剤として用いる場合、該無機顔料分散剤の使用量は、無機顔料100重量部に対して、0.05〜2.0重量部が好ましい。該無機顔料分散剤の使用量が上記範囲内にあることによって、十分な分散効果を得ることが可能となり、添加量に見合った効果を得ることが可能となり、経済的にも有利となり得る。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
また、本発明のポリカルボン酸系重合体の重量平均分子量、吸湿率等は、下記方法に従って測定した。
<重量平均分子量の測定条件>
装置:日立社製L−7000シリーズ
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ, GF−710−HQ, GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min.
検量線:創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比).
<重合体組成物の固形分測定方法>
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで重合体組成物(重合体組成物1.0g+水3.0g)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
<末端スルホン酸基の測定>
pHを1に調整した重合体(水溶液)を室温で減圧乾燥して水を留去した後、重水を溶媒に用いてHNMR測定を行い、ポリマー主鎖末端にスルホン酸基が導入されたことに由来する2.7ppmのピークの有無により確認した。
<重合体の色調の分析>
実施例および比較例で製造したポリカルボン酸系重合体水溶液の固形分濃度を40%に調整し、日本電色工業社製の測色色差計SE2000型を用いて、b値を透過率にて測定した。b値が低いほど、色調が良好であることを表わす。
<実施例1>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水352.8gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液(以下「80%AA」と称する)900g(すなわち10mol)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下「15%NaPS」と称する)120g(対単量体投入量に換算すると1.8g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液(以下、「35%SBS」とも称する)148.6g(対単量体投入量に換算すると5.2g/mol)、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)した。その後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液(以下「80%DEA」と称する)350.8g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行い、さらに純水270gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(1)の水溶液を得た。該水溶液の個形分値は50.0%であった。ポリカルボン酸系重合体(1)の重量平均分子量(Mw)は7900であった。
<実施例2>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水398.8gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液120g(対単量体投入量に換算すると1.8g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液71.4g(対単量体投入量に換算すると2.5g/mol)、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)した。その後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液350.8g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行い、さらに純水245gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(2)の水溶液を得た。該水溶液の個形分値は50.0%であった。ポリカルボン酸系重合体(2)の重量平均分子量(Mw)は23000であった。
<実施例3>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水1047.3gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液33.4g(対単量体投入量に換算すると0.5g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液57.1g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)した。その後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液350.8g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行い、さらに純水175.3gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(3)の水溶液を得た。該水溶液の個形分値は40.0%であった。ポリカルボン酸系重合体(3)の重量平均分子量(Mw)は36000であった。
<実施例4>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水426.9gとモール塩0.0164gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol)、15質量%過硫酸アンモニウム水溶液(以下「15%APS」と称する)33.3g(対単量体投入量に換算すると0.5g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液54.3g(対単量体投入量に換算すると1.9g/mol)、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、15%NaPSを190分間、35%SBSを175分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)した。その後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液350.5g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行い、さらに純水272.6gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(4)の水溶液を得た。該水溶液の個形分値は50.3%であった。ポリカルボン酸系重合体(4)の重量平均分子量(Mw)は37000であった。
<実施例5>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水1047.3gとモール塩0.0205gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液33.4g(対単量体投入量に換算すると0.5g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液57.1g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを120分間、15%NaPSを130分間、35%SBSを115分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)した。その後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液350.5g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行い、さらに純水175.3gを加え十分に攪拌を行った。
以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(5)の水溶液を得た。該水溶液の個形分値は40.0%であった。ポリカルボン酸系重合体(5)の重量平均分子量(Mw)は30000であった。
<実施例6>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水1047.3gとモール塩0.0205gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液33.4g(対単量体投入量に換算すると0.5g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液57.1g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、80質量%ジエタノールアミン水溶液65.8g(AA中和率5.0%分)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを120分間、15%NaPSを130分間、35%SBSを115分間、80%DEAを120分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)した。その後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液284.8g(AA中和率21.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行い、さらに純水175.3gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(6)の水溶液を得た。該水溶液の個形分値は40.0%であった。ポリカルボン酸系重合体(6)の重量平均分子量(Mw)は24000であった。
<実施例7>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水1047.3gとモール塩0.0205gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液33.4g(対単量体投入量に換算すると0.5g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液57.1g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、80質量%ジエタノールアミン水溶液131.4g(AA中和率10.0%分)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを120分間、15%NaPSを130分間、35%SBSを115分間、80%DEAを120分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)した。その後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液219.0g(AA中和率16.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行い、さらに純水175.3gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(7)の水溶液を得た。該水溶液の個形分値は40.0%であった。ポリカルボン酸系重合体(7)の重量平均分子量(Mw)は33000であった。
<実施例8>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水1047.3gとモール塩0.0205gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液810g(すなわち9mol)、80%メタクリル酸水溶液(以下「80%MAA」と称する)107.5g(すなわち1mol)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液33.4g(対単量体投入量に換算すると0.5g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液57.1g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、80質量%ジエタノールアミン水溶液65.8g(単量体に由来するカルボキシル基の5.0%中和分に相当)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを120分間、80%MAAを120分間、15%NaPSを130分間、35%SBSを115分間、80%DEAを120分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)した。その後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液284.8g(単量体に由来するカルボキシル基の21.7%中和分に相当)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行い、さらに純水175.3gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(8)の水溶液を得た。該水溶液の個形分値は40.3%であった。ポリカルボン酸系重合体(8)の重量平均分子量(Mw)は30000であった。
<実施例9>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水637.4gとモール塩0.0165gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol%)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液46.2g(対単量体投入量に換算すると0.7g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液68.6g(対単量体投入量に換算すると2.4g/mol)、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを120分間、15%NaPSを150分間、35%SBSを115分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液を50℃まで放冷し、35質量%過酸化水素(以下、「35%HP」と称す)5.6g(対単量体投入量に換算すると0.2g/mol)を攪拌下、反応液に滴下した。35%HPの滴下終了後80質量%ジエタノールアミン水溶液350.5g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行い、さらに純水575gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(9)の水溶液を得た。該水溶液の固形分値は40.0%であった。ポリカルボン酸系重合体(9)の重量平均分子量(Mw)は27000であった。
<実施例10>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水631.9gとモール塩0.0165gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol%)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液46.2g(対単量体投入量に換算すると0.7g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液85.7g(対単量体投入量に換算すると3.0g/mol)、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを120分間、15%NaPSを150分間、35%SBSを115分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液を50℃まで放冷し、35質量%過酸化水素7.3g(対単量体投入量に換算すると0.26g/mol)を攪拌下、反応液に滴下した。35%HPの滴下終了後80質量%ジエタノールアミン水溶液350.5g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行い、さらに純水580gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(10)の水溶液を得た。該水溶液の固形分値は40.0%であった。ポリカルボン酸系重合体(10)の重量平均分子量(Mw)は20000であった。
<実施例11>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水637.4gとモール塩0.0165gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol%)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液46.2g(対単量体投入量に換算すると0.7g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液77.1g(対単量体投入量に換算すると2.7g/mol)、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを120分間、15%NaPSを150分間、35%SBSを115分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液350.5g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行った。反応溶液を50℃まで放冷し、35質量%過酸化水素6.6g(対単量体投入量に換算すると0.23g/mol)を攪拌下、反応液に滴下し、さらに純水576gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(11)の水溶液を得た。該水溶液の固形分値は40.0%であった。ポリカルボン酸系重合体(11)の重量平均分子量(Mw)は23000であった。
<実施例12>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水631.9gとモール塩0.0165gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、85℃まで昇温した。次いで撹拌下、約85℃一定状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol%)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液46.2g(対単量体投入量に換算すると0.7g/mol)、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液100.0g(対単量体投入量に換算すると3.5g/mol)、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを120分間、15%NaPSを150分間、35%SBSを115分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液350.5g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行った。反応溶液を50℃まで放冷し、35質量%過酸化水素8.4g(対単量体投入量に換算すると0.3g/mol)を攪拌下、反応液に滴下し、さらに純水577gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、本発明のポリカルボン酸系重合体(12)の水溶液を得た。該水溶液の固形分値は40.0%であった。ポリカルボン酸系重合体(12)の重量平均分子量(Mw)は15000であった。
<比較例1>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水1000.0gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、沸点まで昇温した。次いで撹拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液300.0g(対単量体投入量に換算すると4.5g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、15%NaPSを190分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)した。その後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液350.5g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行い、さらに純水27.8gを加え十分に攪拌を行った。以上のようにして、比較ポリカルボン酸系重合体(1)の水溶液を得た。該水溶液の個形分値は40.5%であった。比較ポリカルボン酸系重合体(1)の重量平均分子量(Mw)は10000であった。
<比較例2>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水1138.0gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、沸点まで昇温した。次いで撹拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液180.0g(対単量体投入量に換算すると2.7g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを360分間、15%NaPSを370分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)した。その後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液350.5g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行った。以上のようにして、比較ポリカルボン酸系重合体(2)の水溶液を得た。該水溶液の個形分値は40.0%であった。比較ポリカルボン酸系重合体(2)の重量平均分子量(Mw)は38000であった。
<比較例3>
還流冷却器、撹拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水1141.1gを仕込み(初期仕込)、撹拌下、沸点まで昇温した。次いで撹拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液900g(すなわち10mol)、15質量%過硫酸アンモニウム水溶液173.4g(対単量体投入量に換算すると2.6g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを360分間、15%NaPSを370分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)した。その後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液350.5g(AA中和率26.7%分)を撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行った。以上のようにして、比較ポリカルボン酸系重合体(3)の水溶液を得た。該水溶液の個形分値は40.0%であった。比較ポリカルボン酸系重合体(3)の重量平均分子量(Mw)は39000であった。
Figure 2013224395
表1から明らかなように、本発明の重合体(組成物)は、従来の重合体(組成物)に比して、優れた色調(着色が少ない)を有していることが明らかとなった。よって、本発明の重合体は、洗剤ビルダー等として好ましく使用できることが明らかとなった。

Claims (2)

  1. 主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有し、カルボキシル基の一部が有機アミン塩である、ポリカルボン酸系重合体。
  2. カルボキシル基含有単量体を含む単量体を、過硫酸塩および重亜硫酸塩の存在下で重合する工程と、重合前、重合中、重合後のいずれかの段階で有機アミンを添加する工程を含む、ポリカルボン酸系重合体の製造方法。
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