JP2002037820A - 洗剤添加物および洗剤組成物 - Google Patents

洗剤添加物および洗剤組成物

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JP2002037820A
JP2002037820A JP2000219641A JP2000219641A JP2002037820A JP 2002037820 A JP2002037820 A JP 2002037820A JP 2000219641 A JP2000219641 A JP 2000219641A JP 2000219641 A JP2000219641 A JP 2000219641A JP 2002037820 A JP2002037820 A JP 2002037820A
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Satoru Miura
悟 三浦
Shigeru Yamaguchi
繁 山口
Hideyuki Nishibayashi
秀幸 西林
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再汚染防止能、特に化繊に対する再汚染防止
能と、鉄イオン沈着防止能との両方において優れた性能
を発揮する洗剤添加物、およびこれを含む洗剤組成物を
提供する。 【解決手段】 洗剤添加物は、N−ビニル環状ラクタム
系グラフト重合体を必須成分として含有してなり、該N
−ビニル環状ラクタム系グラフト重合体が、N−ビニル
環状ラクタム単位を有する基幹ポリマーに対してカルボ
キシル基含有不飽和単量体が2重量%以上グラフト重合
されてなる。洗剤組成物は、前記洗剤添加物と界面活性
剤とを含有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再汚染防止能、特
に化繊に対する再汚染防止能と、鉄イオン沈着防止能と
の両方に優れた洗剤添加物、およびこれを含む洗剤組成
物に関する。なお、本明細書でいう「化繊」とは、例え
ば、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊
維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊
維、ナイロン系繊維、およびこれらと綿、絹、羊毛等と
の任意の組成での混合繊維をさす。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリビニルピロリドン等のN
−ビニル環状ラクタム単位を有するポリマーは、繊維に
対して優れた再汚染防止能を発揮することが知られてい
る。しかし、これらのポリマーは、再汚染防止能には優
れるものの、鉄イオン沈着防止能が低いという問題を有
するものであった。一方、鉄イオン沈着防止能に優れる
ポリマーとしては、ポリアクリル酸ナトリウムやアクリ
ル酸ナトリウム/マレイン酸(塩)コポリマーが知られ
ている。しかし、これらのポリマーは、ポリエステルや
ナイロン等の化繊に対する再汚染防止能が充分ではな
く、実際には満足できる性能のものではなかった。しか
も、これらポリアクリル酸ナトリウムやアクリル酸ナト
リウム/マレイン酸(塩)コポリマーは、液体洗剤に適
用した場合には相溶しにくいという問題も有していた。
【0003】このように、これまで、1つの剤で再汚染
防止能と鉄イオン沈着防止能の両方を同時に満足させる
ことは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、再汚染防止能と鉄イオン沈着防止
能の両方において優れた性能を発揮する洗剤添加物、お
よびこれを含む洗剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討を行った。その結果、N−ビニル環
状ラクタム単位を有する基幹ポリマーに対してカルボキ
シル基含有不飽和単量体が一定量以上グラフト重合され
てなるグラフト重合体が、再汚染防止能および鉄イオン
沈着防止能の両方に優れることを見いだし、本発明を完
成した。すなわち、本発明の洗剤添加物は、N−ビニル
環状ラクタム系グラフト重合体を必須成分として含有し
てなり、該N−ビニル環状ラクタム系グラフト重合体
が、N−ビニル環状ラクタム単位を有する基幹ポリマー
に対してカルボキシル基含有不飽和単量体が2重量%以
上グラフト重合されてなる。
【0006】本発明の洗剤組成物は、前記本発明の洗剤
添加物と界面活性剤とを含有してなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の一形態に
ついて詳しく説明する。本発明の洗剤添加物の必須成分
である、N−ビニル環状ラクタム系グラフト重合体は、
N−ビニル環状ラクタム単位を有する基幹ポリマーにカ
ルボキシル基含有不飽和単量体がグラフト重合されてな
るものである。前記基幹ポリマーとは、少なくともN−
ビニル環状ラクタム単位を有するものであればよく、例
えば、N−ビニルピロリドンやN−ビニルカプロラクタ
ムを重合あるいは共重合させて得られるホモポリマーあ
るいはコポリマーが挙げられる。このようなホモポリマ
ーとしては、具体的には、重量平均分子量1,000〜
3,000,000のポリビニルピロリドンや、重量平
均分子量5,000〜500,000のポリビニルカプ
ロラクタムが好ましい。また、前記コポリマーとして
は、具体的には、N−ビニルピロリドンやN−ビニルカ
プロラクタムを、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリ
ル酸エステル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸エステ
ル、マレイン酸、アクリロニトリル、スチレン、アルキ
ルビニルエーテル、N−ビニルイミダゾール、ビニルピ
リジン、アリルアルコール、オレフィン類等と共重合さ
せて得られるコポリマーが挙げられ、特に、N−ビニル
ピロリドンやN−ビニルカプロラクタムを酢酸ビニルと
共重合させて得られるコポリマーが好適である。なお、
前記エステルとしては、炭素数1〜20のアルキルエス
テル、ジメチルアミノアルキルエステルおよびその四級
塩、ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。基幹
ポリマーは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併
用してもよい。
【0008】前記基幹ポリマーは、N−ビニルピロリド
ンやN−ビニルカプロラクタム等由来のN−ビニル環状
ラクタム単位を20重量%以上有するポリマーであるこ
とが、グラフト効率を向上させる点から好ましい。基幹
ポリマー中のN−ビニル環状ラクタム単位が20重量%
未満であると、グラフト鎖として導入されていないカル
ボキシル基含有不飽和単量体を含むポリマーが副生しや
すくなり、所望の組成の洗剤添加物を得ることが困難に
なるばかりか、液体洗剤等への相溶性が低下する傾向が
ある。さらに、基幹ポリマー中のN−ビニル環状ラクタ
ム単位が20重量%未満であると、化繊に対する再汚染
防止能が低下する傾向にあるため好ましくない。本発明
の洗剤添加物として充分な再汚染防止能を保持させるた
めには、基幹ポリマー中のN−ビニル環状ラクタム単位
が20重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好
ましくは60重量%以上であることが実用上好ましい。
グラフト鎖成分として用いられるカルボキシル基含有不
飽和単量体は、特に制限されるものではないが、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、およびこれらの塩等が挙げられ、これ
らの中でも特に、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、およびこれらの塩が好ましい。また、塩の場合に
は、具体的には、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金
属塩、アンモニウム塩、アルキルアミン類やエタノール
アミン類等の有機アミン塩が挙げられるが、特に、アル
カリ金属塩およびアンモニウム塩が好ましい。これらカ
ルボキシル基含有不飽和単量体は、1種のみを用いても
よいし、2種以上を併用してもよい。
【0009】前記グラフト鎖成分としては、前記カルボ
キシル基含有不飽和単量体のほかに、該カルボキシル基
含有不飽和単量体と共重合可能な他のモノマーが併用さ
れていてもよい。他のモノマーとしては、特に制限はな
いが、具体的には、例えば、(メタ)アクリルアミド、
アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン
酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、N−ビニル
アセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミ
ダゾール、ビニルピリジン、アルキルビニルエーテル、
(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ア
クリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、アリルアルコ
ール、オレフィン類等が挙げられる。なお、(メタ)ア
クリル酸エステルとしては、炭素数1〜20のアルキル
エステル、ジメチルアミノアルキルエステル、およびそ
の四級塩、ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられ
る。これら他のモノマーは、1種のみを用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0010】前記グラフト鎖成分として前記他のモノマ
ーが併用される場合、前記カルボキシル基含有不飽和単
量体と前記他のモノマーとの割合は、特に制限されるも
のではないが、得られるグラフトポリマーにおいてカル
ボキシル基の性質を十分に発現させて、本発明の洗剤添
加物として充分な親水性を保持させ、あるいは再汚染防
止能を発揮するのに有効なアニオン性を付与するために
は、カルボキシル基含有不飽和単量体の割合が、グラフ
ト鎖成分の全重量に対して、25重量%以上、好ましく
は40重量%以上、より好ましくは60重量%以上とす
るのがよく、最も好ましくは100重量%とすることが
実用上望ましい。
【0011】前記N−ビニル環状ラクタム系グラフト重
合体は、前記カルボキシル基含有不飽和単量体が前記基
幹ポリマー重量に対して2重量%以上の割合でグラフト
重合されているものであることが重要である。好ましく
は2〜300重量%、さらに好ましくは30〜200重
量%であるのがよい。前記カルボキシル基含有不飽和単
量体が基幹ポリマー重量に対して2重量%未満である
と、カルボキシル基に基づく性能が現れにくくなり、洗
剤添加物として鉄イオン沈着防止能に劣るといった問題
を招くことになる。一方、300重量%を越えると、基
幹ポリマーであるN−ビニル環状ラクタム単位の特性が
発揮されにくくなり、例えば、化繊に対する再汚染防止
能が低下しやすくなる。
【0012】前記基幹ポリマーとカルボキシル基含有不
飽和単量体とをグラフト重合する際の両者の使用割合
は、特に限定されるものではないが、好ましくは、前記
基幹ポリマーに対してカルボキシル基含有不飽和単量体
の使用量を2〜300重量%とするのがよい。なお、前
記基幹ポリマーは、初期一括仕込みしてもよく、逐次添
加してもよいが、反応時間の短縮や生産性等を考慮する
と初期一括仕込みとするほうが好ましい。一方、前記カ
ルボキシル基含有不飽和単量体は、グラフト効率および
反応制御の点を考慮すると、逐次添加する方が好ましい
が、これに限定されるものではなく、初期に一括仕込み
することもできる。また、カルボキシル基含有不飽和単
量体は溶媒希釈して添加してもよい。
【0013】前記基幹ポリマーとカルボキシル基含有不
飽和単量体とのグラフト重合は、通常、ラジカル開始剤
の存在下で行われる。ラジカル開始剤としては、加熱等
によってラジカルが発生するものであれば、特に限定さ
れないが、グラフト効率の点からは過酸化物系開始剤が
より好ましい。過酸化物系開始剤としては、具体的に
は、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、
過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサ
イド等のケトンパーオキサイド類;t−ブチルハイドロ
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メン
タンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサ
ン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,
3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハ
イドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)p
−ジイソプロピルヘキシン等のジアルキルパーオキサイ
ド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパ
ーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキ
サン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
等のパーオキシエステル類;n−ブチル−4,4−ビス
(t−ブチルパーオキシ)バレエート、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケター
ル類;ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオ
キサイド類;等が挙げられる。これら開始剤は、1種の
みを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ま
た、上記過酸化物系開始剤と還元剤とを併用するレドッ
クス系であってもよい。還元剤としては、具体的には、
鉄(II)塩、亜ジチオン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナ
トリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ホ
ルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、アスコルビ
ン酸等が挙げられる。また、本発明においては、アゾ系
開始剤を用いることもできるが、過酸化物系開始剤と比
べるとはグラフト効率の点からやや性能が劣るため、過
酸化物系開始剤と併用して用いることが好ましい。
【0014】前記ラジカル開始剤の使用量については、
特に限定されないが、グラフト鎖を構成するモノマー成
分に対して0.1〜100モル%が好ましく、1〜20
モル%がさらに好ましい。なお、グラフト重合を行う際
の前記開始剤の添加方法は、特に限定されるものではな
く、例えば、初期一括仕込みする方法や、あるいは逐次
添加する方法が挙げられるが、残留モノマーの低減を考
慮すると、逐次添加する方が好ましい。前記グラフト重
合反応の方法は、特に制限されるものではなく、例え
ば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、沈殿重合等の従来
公知の重合方法によって行うことができるが、溶液重合
が特に好ましい。グラフト重合の際の反応温度は、特に
限定されないが、例えば、0〜200℃、好ましくは5
0〜150℃とするのがよい。グラフト重合の際の反応
圧力は、特に限定されるものではなく、例えば、常圧
下、減圧下、加圧下のいずれで反応させてもよい。特
に、常圧下あるいは減圧下で溶媒を沸騰させながら反応
させると、効果的に除熱ができ、反応制御が容易となる
ので好ましい。グラフト重合は、例えば、窒素ガス、ア
ルゴンガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスの雰囲気下
で行うことが好ましいが、これに限定されるものではな
い。
【0015】前記グラフト重合に用いる溶媒は、N−ビ
ニル環状ラクタム単位を有する基幹ポリマーが溶解する
ものであれば特に限定されないが、例えば、水;アルコ
ール類;エーテル類;ケトン類;エステル類;アミド
類;スルホキシド類;炭化水素類;等が挙げられる。こ
れらの中でも、水、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、t−ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、アセトン、メチルエチ
ルケトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、
1,3−ジオキソラン、トルエン、酢酸エチル、および
これらの混合溶媒が好ましく、水が特に好ましい。ま
た、これら溶媒中には、カルボン酸の中和やpH制御の
目的で有機アミン類やアンモニア等が添加されていても
よい。また、水を含む溶媒においては、アルカリ金属水
酸化物を使用することもできる。
【0016】前記溶媒の使用量は、前記基幹ポリマーの
濃度が10重量%以上となるように調整することが好ま
しい。なお、乳化重合や懸濁重合の場合には、基幹ポリ
マーが溶解している相における該基幹ポリマー濃度が1
0重量%以上となるように調整すればよい。このよう
に、前記基幹ポリマーの濃度が10重量%以上である溶
液中で重合を行うようにすると、グラフト効率を向上さ
せ、不純物ポリマーの副生を抑制することができる。具
体的には、前記溶媒は、前記基幹ポリマー100重量部
に対して5〜900重量部、好ましくは25〜400重
量部の割合で使用することが好ましい。なお、前記溶媒
は、初期一括仕込みしてもよく、逐次添加してもよい。
【0017】本発明の洗剤添加物は、前記N−ビニル環
状ラクタム系グラフト重合体を必須成分として含有する
ものであり、これにより、再汚染防止能と鉄イオン沈着
防止能の両方において優れた性能を発揮するのである。
本発明の洗剤添加物に含まれる前記N−ビニル環状ラク
タム系グラフト重合体の割合は、洗剤添加物の固形分に
対して1〜100重量%である。本発明の洗剤添加物
は、再汚染防止能と鉄イオン沈着防止能とを兼ね備えた
ものであり、具体的には、化繊に対する再汚染防止能が
少なくとも93%以上、好ましくは94%以上を満足
し、かつ、鉄イオン沈着防止能が少なくとも30%以
上、好ましくは70%以上を満足するものである。好ま
しくは、化繊に対する再汚染防止能が94%以上であ
り、かつ、鉄イオン沈着防止能が70%以上である。な
お、本発明における化繊もしくは綿に対する再汚染防止
能および鉄イオン沈着防止能は、実施例中で後述する測
定方法に基づき評価される。
【0018】本発明の洗剤組成物は、N−ビニル環状ラ
クタム系グラフト重合体を必須とする前記本発明の洗剤
添加物と界面活性剤とを含有してなるものである。界面
活性剤とN−ビニル環状ラクタム系グラフト重合体との
相乗効果により、再汚染防止能、鉄イオン沈着防止能の
みならず、洗浄力や分散力をも向上させることができ
る。本発明の洗剤組成物に含まれる前記N−ビニル環状
ラクタム系グラフト重合体の割合は、0.1〜75重量
%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2
0重量%であるのがよい。N−ビニル環状ラクタム系グ
ラフト重合体の割合が0.1重量%未満であると、再汚
染防止能および鉄イオン沈着防止能が充分に発揮されな
いことがあり、一方、75重量%を超えると、界面活性
剤と洗剤添加物とのバランスが崩れ、洗浄力を向上でき
ないことがある。
【0019】界面活性剤としては、特に制限されるもの
ではないが、アニオン性またはノニオン性界面活性剤が
特に好ましい。アニオン性界面活性剤としては、例え
ば、8〜24個の炭素原子を有する高級脂肪酸のナトリ
ウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルキロールア
ンモニウム塩のようなアルカリ金属石鹸が挙げられる。
これらの中で特に有用なものは、ヤシ油ナトリウムまた
はヤシ油カリウムである。他の好ましいアニオン性界面
活性剤としては、例えば、10〜20個の炭素原子を有
するアルキル基、スルホン酸基、硫酸エステル基を有す
る有機硫酸反応生成物の水溶性塩、好ましくは、アルカ
リ金属塩、アンモニウム塩またはアルキロールアンモニ
ウム塩が挙げられる。これらの中で特に有用なものは、
アルキル基が直鎖または分岐構造の約9〜15の炭素原
子を有するアルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩
またはカリウム塩であって、中でも、アルキル基の炭素
原子の平均数が約11〜13である直鎖状アルキル基を
有する「C1113LAS」と略記されるものである。
【0020】ノニオン性界面活性剤としては、例えば、
炭素数12〜15のアルコールと該アルコール1モルあ
たり約5〜10モルのエチレンオキシドとの縮合生成
物、あるいは、N−メチル−N−1−デオキシグルシチ
ルココアミド等のポリヒドロキシ硫酸アミド等が挙げら
れる。また、前記アニオン性またはノニオン性界面活性
剤以外にも、その他の界面活性剤として、従来公知の、
双性イオン性、両性、またはカチオン性界面活性剤を添
加してもよく、これらは1種または2種以上を併用する
ことができる。本発明の洗剤組成物において界面活性剤
の占める割合は1〜70重量%とすることが好ましく、
より好ましくは、15〜60重量%である。
【0021】本発明の洗剤組成物は、前記本発明の洗剤
添加物と界面活性剤のほかに、さらに洗剤ビルダーを含
有することが好ましい。洗剤ビルダーとしては、各種の
アルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウムポ
リ酢酸塩、カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、ポリヒド
ロキシスルホン酸塩が挙げられる。これらのうち、ポリ
酢酸塩またはポリカルボン酸塩の例としては、エチレン
ジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、オキシニコハク酸、
メリット酸、グリコール酸、ベンゼンポリカルボン酸、
クエン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩、置換アンモニウム塩が挙げられる。これらの他に、
ポリカルボン酸塩の好ましい例として、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、およ
びこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩から選ばれ
るモノマーを必須モノマーとして得られる重量平均分子
量1000〜1000000の重合体であって、例え
ば、重量平均分子量2000〜200000のポリアク
リル酸ナトリウムあるいはポリアクリル酸ナトリウム−
マレイン酸ナトリウムコポリマーが挙げられる。
【0022】また、本発明で用いることのできる洗剤ビ
ルダーとしては、上記有機ビルダー以外に、例えば、ケ
イ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩等の無機
ビルダーが挙げられ、特に好ましくは、炭酸、重炭酸、
ケイ酸のナトリウム塩、カリウム塩、あるいは、ゼオラ
イト等のアルミノケイ酸塩である。本発明の洗剤組成物
が洗剤ビルダーをも含有する場合、洗剤組成物に占める
その割合は、0.1〜60重量%とするのが好ましく、
より好ましくは、本発明の洗剤組成物が液状で供給され
る場合1〜10重量%、顆粒状で供給される場合1〜5
0重量%とするのがよい。
【0023】本発明の洗剤組成物は、前記本発明の洗剤
添加物と界面活性剤のほかに、さらに、従来公知の色移
り防止剤を0.1〜10重量%含有していても良い。色
移り防止剤としては、例えば、重量平均分子量1000
〜2000000のポリビニルピロリドン、ポリビニル
イミダゾール、ポリビニルピリジン−N−オキシド等が
好ましく挙げられる。本発明の洗剤組成物は、前記本発
明の洗剤添加物と界面活性剤のほかに、さらに、蛍光増
白剤、起泡剤、気泡抑制剤、腐食防止剤、防錆剤、汚れ
懸濁剤、汚れ放出剤、pH調整剤、殺菌剤、キレート化
剤、粘度調整剤、酵素、酵素安定剤、香料、繊維軟化
剤、過酸化物、過酸化物安定剤等の従来公知の添加物を
含有しても良い。これら添加物をも含有する場合、その
含有量は0.005〜10重量%の範囲とすることが好
ましい。
【0024】本発明の洗剤組成物は、前記本発明の洗剤
添加物と界面活性剤のほかに、さらに、従来公知の溶剤
を含有していても良く、例えば、水;エタノール、イソ
プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、アルカノール等のアルコール類;モノエタノール
アミン等のアミン類;酢酸エチル、グリコール酸メチル
等のエステル類;アセトン等のケトン類;等を用いるこ
とができる。本発明の洗剤組成物は、液状、ペースト
状、顆粒状等いずれの形態であってもよい。本発明の洗
剤添加物または洗剤組成物は、家庭用粉末洗剤、液体洗
剤、漂白剤、カビ取り剤、柔軟剤、消毒・殺菌剤、毛髪
・爪・肌等の洗浄・コンディショニング剤、化粧品、硬
表面(ガラス・金属・木面・セラミックス)の洗浄剤、
工業用洗剤、繊維処理剤、紙処理剤等に使用される。
【0025】本発明の洗剤添加物または洗剤組成物が配
合される前記の各種配合基材の組成や形態は、特に限定
されるものではない。例えば、本発明の洗剤添加物は液
体洗剤に対しても良好な相溶性を有するので、粉体洗剤
のみならず、液体洗剤に対しても好ましく適用すること
ができる。また、本発明の洗剤組成物が配合される、家
庭用粉末洗剤、液体洗剤、柔軟剤、工業用洗浄剤、繊維
処理剤等の各種配合基材へは、従来から洗剤添加剤とし
て汎用されているアクリル酸重合体やアクリル酸/マレ
イン酸共重合体等が配合されていてもよい。
【0026】
【実施例】以下、本発明にかかる実施例および比較例に
ついて説明するが、本発明は該実施例により何ら制限さ
れるものではない。なお、原料であるポリビニルピロリ
ドンのK値は、以下の方法で測定した。すなわち、ポリ
ビニルピロリドンを水に1重量%の濃度で溶解させ、そ
の溶液の粘度を25℃において毛細管粘度計によって測
定し、この測定値を用いて次のフィケンチャー式から計
算した。 (logηrel )/C=〔(75Ko2)/(1+1.5
Ko C)〕+KoK=1000Ko (但し、Cは、溶液100ml中のポリビニルピロリド
ンのg数を示し、ηre l は、溶媒に対する溶液の粘度を
示す) 〔実施例1〕温度計、攪拌機、滴下ロート、冷却管を備
えた200mlセパラブルフラスコに、ポリビニルピロ
リドン(K値15)22.0gおよび蒸留水22.0g
を仕込み、フラスコ内部を窒素置換した後、攪拌溶解し
て均一溶液とした。その後、フラスコ内が85℃になる
まで昇温した。次いで、このフラスコ内に、アクリル酸
ナトリウムの37%水溶液50.8g(0.2モル)を
90分かけて滴下すると同時に、開始剤溶液として過硫
酸アンモニウムの13.3重量%水溶液20.3g
(0.01モル)を90分の間に10回に分けて添加し
た。アクリル酸ナトリウム水溶液滴下終了後、引き続き
同温度で2時間熟成を行った。この間、さらに、過硫酸
アンモニウムの13.3重量%水溶液4.0g(0.0
02モル)を2回に分けて添加した。以上のようにし
て、本発明の洗剤添加物1を得た。
【0027】このようにして得られた洗剤添加物1中の
アクリル酸ナトリウムモノマーの残存量を液体クロマト
グラフィーにて分析したところ、アクリル酸ナトリウム
滴下量に対して0.1重量%以下となっていた。また、
洗剤添加物1について、キャピラリー電気泳動分析装置
(ミリポア社製、WatersQuanta4000)
を用いて、以下の測定条件で組成分析を行った。 カラム:Accusep75μ×60cm サンプルモード:Hydrostatic mode サンプルタイム:30秒 電圧:20kV 極性:positive バッファー:50mmol/Lほう酸バッファー その結果、リテンションタイム13.5分付近に検出さ
れるピークのアクリル酸ナトリウムホモポリマーの生成
量は、アクリル酸ナトリウム滴下量に対して11.8重
量%であった(分子量5000のアクリル酸による検量
線を用いて定量)。また、得られたポリマー水溶液を透
析して低分子化合物を除去した後、室温で減圧乾燥し、
再度キャピラリー電気泳動分析装置にて分析を行ったと
ころ、リテンションタイム3.5分付近にみられるはず
のポリビニルピロリドンのピークが消失し、新たに、ア
クリル酸ナトリウムがポリビニルピロリドンに導入され
たポリマーと考えられるリテンションタイム8.0分付
近を頂点とする大きなブロードなピークが生成している
ことを確認した。これらより、基幹ポリマーであるポリ
ビニルピロリドンに対し75.4重量%のグラフト鎖が
導入されたグラフト重合体が生成していることが判っ
た。また、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーに
より得られたポリマーの重量平均分子量を測定したとこ
ろ、Mw=29800(PEG換算)であった。
【0028】〔実施例2〕温度計、攪拌機、滴下ロー
ト、冷却管を備えた200mlセパラブルフラスコに、
ポリビニルピロリドン(K値30)38.9gおよび蒸
留水38.9gを仕込み、フラスコ内部を窒素置換した
後、攪拌溶解して均一溶液とした。その後、系が還流す
るまで昇温した。このときのフラスコ内温は102℃で
あった。次いで、このフラスコ内に、アクリル酸ナトリ
ウムの37%水溶液38.1g(0.15モル)を90
分かけて滴下すると同時に、開始剤溶液として過硫酸ナ
トリウムの13.0重量%水溶液13.8g(0.00
75モル)を90分の間に10回に分けて添加した。ア
クリル酸ナトリウム水溶液滴下終了後、引き続き同温度
で2時間熟成を行った。この間、さらに、過硫酸ナトリ
ウムの13.0重量%水溶液2.7g(0.002モ
ル)を2回に分けて添加した。以上のようにして、本発
明の洗剤添加物2を得た。
【0029】このようにして得られた洗剤添加物2中の
アクリル酸ナトリウムモノマーの残存量を液体クロマト
グラフィーにて分析したところ、アクリル酸ナトリウム
滴下量に対して0.1重量%以下となっていた。また、
洗剤添加物2について、キャピラリー電気泳動分析装置
(ミリポア社製、WatersQuanta4000)
を用いて実施例1と同じ条件で組成分析を行った。その
結果、リテンションタイム13.5分付近に検出される
はずのアクリル酸ナトリウムホモポリマーのピークはみ
られなかった。すなわち、アクリル酸ナトリウムホモポ
リマーの量は、アクリル酸ナトリウム滴下量に対して0
重量%であった。また、得られたポリマー水溶液を透析
して低分子化合物を除去した後、室温で減圧乾燥し、再
度キャピラリー電気泳動分析装置にて分析を行ったとこ
ろ、リテンションタイム3.5分付近にみられるはずの
ポリビニルピロリドンのピークが消失し、新たに、アク
リル酸ナトリウムがポリビニルピロリドンに導入された
ポリマーと考えられるリテンションタイム7.0分付近
を頂点とする大きなブロードなピークが生成しているこ
とを確認した。これらより、基幹ポリマーであるポリビ
ニルピロリドンに対し36.2重量%のグラフト鎖が導
入されたグラフト重合体が生成していることが判った。
また、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーにより
得られたポリマーの重量平均分子量を測定したところ、
Mw=80000(PEG換算)であった。
【0030】〔実施例3〕温度計、攪拌機、滴下ロー
ト、冷却管を備えた200mlセパラブルフラスコに、
ポリビニルピロリドン(K値15)22.0g、マレイ
ン酸4.24g(0.04モル)、48%水酸化ナトリ
ウム水溶液3.33g(水酸化ナトリウム0.04モ
ル)、蒸留水51.8gを仕込み、フラスコ内部を窒素
置換した後、攪拌溶解して均一溶液とした。その後、フ
ラスコ内温が85℃になるまで昇温した。次いで、この
フラスコ内に、アクリル酸ナトリウムの37%水溶液1
01.6g(0.4モル)を180分かけて滴下すると
同時に、開始剤溶液として過硫酸アンモニウムの11.
5重量%水溶液39.6g(0.02モル)を180分
の間に10回に分けて添加した。また、アクリル酸ナト
リウム水溶液の滴下開始から90分の間に、マレイン酸
の22.2%水溶液38.3g(0.08モル)と、4
8%水酸化ナトリウム水溶液6.66g(水酸化ナトリ
ウム0.08モル)とを滴下した。アクリル酸ナトリウ
ム水溶液滴下終了後、引き続き同温度で2時間熟成を行
った。この間、さらに、過硫酸アンモニウムの11.5
重量%水溶液7.9g(0.004モル)を2回に分け
て添加した。以上のようにして、本発明の洗剤添加物3
を得た。
【0031】このようにして得られた洗剤添加物3中の
アクリル酸ナトリウムモノマーおよびマレイン酸の残存
量を液体クロマトグラフィーにて分析したところ、それ
ぞれアクリル酸ナトリウムおよびマレイン酸の滴下量に
対して0.1重量%以下となっていた。また、洗剤添加
物3について、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポ
ア社製、WatersQuanta4000)を用いて
実施例1と同じ条件で組成分析を行った。その結果、リ
テンションタイム12.5分付近に検出されるピークの
アクリル酸ナトリウム/マレイン酸コポリマーの生成量
は、アクリル酸ナトリウムとマレイン酸の滴下量に対し
て26.6重量%であった(分子量5000のアクリル
酸換算)。また、得られたポリマー水溶液を透析して低
分子化合物を除去した後、室温で減圧乾燥し、再度キャ
ピラリー電気泳動分析装置にて分析を行ったところ、リ
テンションタイム3.5分付近にみられるはずのポリビ
ニルピロリドンのピークが消失し、新たに、アクリル酸
ナトリウムとマレイン酸がポリビニルピロリドンに導入
されたポリマーと考えられるリテンションタイム8.9
分付近を頂点とする大きなブロードなピークが生成して
いることを確認した。これらより、基幹ポリマーである
ポリビニルピロリドンに対し125重量%のアクリル酸
ナトリウムおよび46.4重量%のマレイン酸のグラフ
ト鎖が導入されたグラフト重合体が生成していることが
判った。また、ゲルパーミネーションクロマトグラフィ
ーにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定した
ところ、Mw=41700(PEG換算)であった。
【0032】〔比較共重合体1の製造例〕温度計、攪拌
機、滴下ロート、冷却管を備えた200mlセパラブル
フラスコに、蒸留水296.9gを仕込み、フラスコ内
部を窒素置換した後、フラスコ内温が70℃になるよう
に昇温した。そこへ、アクリル酸ナトリウムの37%水
溶液50.8g、ビニルピロリドン22.2g、メルカ
プトプロピオン酸3.1gおよび蒸留水70gの混合液
を2時間かけてフィードし、その間に、開始剤溶液とし
て2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸
塩(和光純薬製「V−50」)の10重量%水溶液5.
3gを10回に分けて添加した。混合液滴下終了後、引
き続き2時間熟成を行った。この間、さらに2,2’−
アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(和光純薬
製「V−50」)の10重量%水溶液2.7gを2回に
分けて添加した。反応後、得られたポリマー溶液を透析
処理することにより残存モノマーを除き、さらに乾燥処
理をして、比較共重合体1を得た。この共重合体は、1
H−NMRより、アクリル酸ナトリウムユニットとビニ
ルピロリドンユニットとを50モル%づつ有するランダ
ム共重合体であることが判った。また、ゲルパーミネー
ションクロマトグラフィーにより得られた共重合体の重
量平均分子量を測定したところ、Mw=17000(P
EG換算)であった。
【0033】〔比較グラフト重合体2の製造例〕温度
計、攪拌機、滴下ロート、冷却管を備えた200mlセ
パラブルフラスコに、ポリビニルピロリドン(K値3
0)22.0gおよび蒸留水22.0gを仕込み、フラ
スコ内部を窒素置換した後、攪拌溶解して均一溶液とし
た。次いで、このフラスコ内に、アクリル酸ナトリウム
の37%水溶液0.59g(0.0023モル)を90
分かけて滴下すると同時に、開始剤溶液として過硫酸ア
ンモニウムの0.21重量%水溶液12.4g(0.0
0011モル)を90分の間に10回に分けて添加し
た。アクリル酸ナトリウム水溶液滴下終了後、引き続き
同温度で2時間熟成を行った。この間、さらに、過硫酸
アンモニウムの0.21重量%水溶液12.4g(0.
000024モル)を2回に分けて添加した。反応後、
反応液中のアクリル酸ナトリウムモノマーの残存量を液
体クロマトグラフィーにて分析したところ、アクリル酸
ナトリウム滴下量に対して0.1重量%以下となってい
た。
【0034】反応後、得られたポリマー溶液を透析、乾
燥処理することにより残存モノマーを除き、比較グラフ
ト重合体2を得た。このようにして得られたポリマー水
溶液についてキャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア
社製、WatersQuanta4000)を用いて、
実施例1と同じ条件で組成分析を行った。その結果、リ
テンションタイム13.5分付近に検出されるはずのア
クリル酸ナトリウムホモポリマーのピークはみられなか
った。すなわち、アクリル酸ナトリウムホモポリマーの
量は、アクリル酸ナトリウム滴下量に対して0重量%で
あった。これらより、基幹ポリマーであるポリビニルピ
ロリドンに対し0.99重量%のアクリル酸ナトリウム
のグラフト鎖が導入された比較グラフト重合体2である
ことが判った。また、ゲルパーミネーションクロマトグ
ラフィーにより得られたポリマーの重量平均分子量を測
定したところ、Mw=62000(PEG換算)であっ
た。実施例1〜3の洗剤添加物の性能評価、および、比
較共重合体1、比較グラフト重合体2、ポリビニルピロ
リドンホモポリマー(K値30)、分子量5000のポ
リアクリル酸ナトリウムホモポリマーを洗剤添加物とし
て用いた場合、およびこれらの洗剤添加物のいずれをも
用いない場合の性能評価を以下のようにして行った。結
果を表1に示す。
【0035】<化繊に対する再汚染防止能> (1)日本資材(株)より入手したポリエステル布(♯
777H、Testfabrics.Inc.製)を5
cm×5cmに切断し、白布10枚を作製した。各白布
の白度(Z値)を、予め、測色色差計(日本電色工業社
製、ND−1001DP型)を用い、反射率にて測定
し、その平均値を(A0)とした。なお、白度を測定す
るときは、測定を行う布の上に(測定面と反対側の面
に)残りの9枚を重ね、さらにその上に綿白布((財)
洗濯科学協会製)10枚を重ねて、測定を行った。
【0036】(2)塩化カルシウム二水和物4.41g
に純水を加えて15kgとし、硬水を調製した。そし
て、この硬水とすすぎ用の水道水とを25℃の恒温槽に
つけておいた。 (3)ターゴットメーターを25℃にセットし、硬水1
Lおよびクレー(社団法人日本粉体工業技術協会より入
手した試験用ダスト11種)1gをポットに入れ、10
0rpmで1分間攪拌した。次いで、白布10枚を入
れ、100rpmで1分間攪拌した。 (4)さらに、上記ポットに、5%炭酸ナトリウム水溶
液4g、5%直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LA
S)水溶液4g、ゼオライト(水澤化学工業製、商品名
「シルトン」)0.15g、および固形分換算で1重量
%の試料ポリマー(洗剤添加物)水溶液5gを入れ、1
00rpmで10分間攪拌した。
【0037】(5)手で白布の水を絞り、25℃に保っ
た水道水1Lをポットに入れ、100rpmで2分間攪
拌した。これを2回行った。 (6)上記(3)〜(5)を3回繰り返した。 (7)10枚の白布それぞれに当て布をして、アイロン
でしわを伸ばしながら乾燥させた後、各白布の白度(Z
値)を、上記測色色差計を用い、再度、反射率にて測定
し、その平均値を(A1)とした。 (8)以上のようにして得られた(A0)および(A
1)から、次式、 再汚染防止能(%)=(A1)/(A0)×100 により、化繊に対する再汚染防止能を評価した。すなわ
ち、数値が高いほど、化繊に対する再汚染防止能に優れ
ることを示す。
【0038】<綿に対する再汚染防止能>ポリエステル
布(♯777H、Test fabrics.Inc.
製)を用いる代わりに、(財)洗濯科学協会より入手し
た綿試験布を用いた以外は、前記<化繊に対する再汚染
防止能>と同様にして、綿に対する再汚染防止能を評価
した。 <鉄イオン沈着防止能> (1)固形分換算で0.05重量%の試料ポリマー(洗
剤添加物)水溶液150gを調製し、これをA液とし
た。
【0039】(2)塩化鉄(III)6水和物2gに純
水を加えて1000gとし、この鉄イオン水溶液をB液
とした。 (3)水酸化ナトリウム2.08gに純水を加えて10
00gとし、この水酸化ナトリウム水溶液をC液とし
た。 (4)A液、B液、C液をそれぞれ100gづつ、この
順に混合し、5分間攪拌した後、2時間静置した。 (5)次いで、この混合液を、予め色差計により白度
(Z値:B0とする)を測定した5C濾紙(55mm)
と、ブフナーロートとを用いて吸引濾過した後、濾紙を
1時間真空デシケーターで乾燥させた。そして、得られ
た濾紙の白度(Z値:B1とする)を色差計により測定
した。
【0040】(6)以上のようにして得られた(B0)
および(B1)から、次式、 鉄イオン沈着防止能(%)=(B1)/(B0)×10
0 により、鉄イオン沈着防止能を評価した。すなわち、数
値が高いほど、鉄イオン沈着防止能に優れることを示
す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、再汚染防止能と鉄イオ
ン沈着防止能の両方において優れた性能を発揮する洗剤
添加物、およびこれを含む洗剤組成物を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西林 秀幸 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4H003 AB19 DA01 EA16 EA28 EB30 FA06 FA15 4J026 AA11 AA17 AA29 AA31 AA38 AA45 AA47 AA48 AA49 AA53 AA55 AA61 AC26 AC33 BA01 BA05 BA14 BA15 BA20 BA25 BA27 BA29 BA30 BA31 BA32 BA34 BA36 BA39 BA40 BA50 BB01 BB02 DB02 DB03 DB04 DB08 DB09 DB12 DB14 DB15 DB16 DB25 DB28 DB29 DB32 DB33 DB40 GA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−ビニル環状ラクタム系グラフト重合体
    を必須成分として含有してなり、該N−ビニル環状ラク
    タム系グラフト重合体が、N−ビニル環状ラクタム単位
    を有する基幹ポリマーに対してカルボキシル基含有不飽
    和単量体が2重量%以上グラフト重合されてなる、洗剤
    添加物。
  2. 【請求項2】化繊に対する再汚染防止能が94%以上で
    あり、かつ、鉄イオン沈着防止能が70%以上である、
    請求項1に記載の洗剤添加物。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の洗剤添加物と界
    面活性剤とを含有してなる、洗剤組成物。
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