JP2013226526A - 地熱水用添加剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリカスケールのスケール防止効果が良好な地熱水用添加剤を提供する。
【解決手段】N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニルラクタムを重合することにより形成することができるビニルラクタム系重合体を含む地熱水用添加剤である。
【効果】優れたシリカスケールの分散性やシリカスケールの抑制効果(シリカスケール防止能)を有する。シリカスケールが熱水を移送するパイプライン等の内壁に沈着することを抑制することが可能となり、地熱発電の効率的な運転が可能となる。
【選択図】なし
【解決手段】N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニルラクタムを重合することにより形成することができるビニルラクタム系重合体を含む地熱水用添加剤である。
【効果】優れたシリカスケールの分散性やシリカスケールの抑制効果(シリカスケール防止能)を有する。シリカスケールが熱水を移送するパイプライン等の内壁に沈着することを抑制することが可能となり、地熱発電の効率的な運転が可能となる。
【選択図】なし
Description
本発明は、地熱水用添加剤に関する。
従来から地熱発電の開発が行なわれている。地熱発電システムにおいては、地中深くからくみ上げた地熱水を減圧膨張することで取り出した蒸気によりタービンを回し発電を行い、余った熱水は還元井により地中深くへ戻される。この熱水中に溶解している成分が、地上に取り出して利用する場合の圧力低下、濃縮及び温度低下により過飽和状態となって、スケールとして析出し、熱水輸送管、生産井、還元井の閉塞などの原因となり、地熱発電の運転上、大きな障害となる。
地熱利用施設で発生するスケールには数種類あるが、その中でも洗浄除去や付着防止が最も困難であるのがシリカスケールであり、このスケール障害の解決が最も重要な課題である。現在、ジェット洗浄法、ピグ洗浄法、水圧破砕法等の物理的除去法が主要な方法として実施されているが、洗浄のために一時的に施設を停止する必要があり、生産性を落とす要因となっていた。本発明のシリカスケール防止剤を生産井、還元井、熱水配管等に連続的に注入することで、シリカのスケール化を抑制でき、生産性が改善される。
地熱利用施設で発生するスケールには数種類あるが、その中でも洗浄除去や付着防止が最も困難であるのがシリカスケールであり、このスケール障害の解決が最も重要な課題である。現在、ジェット洗浄法、ピグ洗浄法、水圧破砕法等の物理的除去法が主要な方法として実施されているが、洗浄のために一時的に施設を停止する必要があり、生産性を落とす要因となっていた。本発明のシリカスケール防止剤を生産井、還元井、熱水配管等に連続的に注入することで、シリカのスケール化を抑制でき、生産性が改善される。
一方、従来より、シリカスケールのスケール防止剤が知られている。
例えば特許文献1には、活性水素原子含有基を3個有する化合物(a)のアルキレンオキサイド付加物(A)からなる水系用スケール防止剤が知られている。特許文献1には、上記スケール防止剤は、シリカ系スケールを抑制する効果が大きいことが開示されている。
例えば特許文献1には、活性水素原子含有基を3個有する化合物(a)のアルキレンオキサイド付加物(A)からなる水系用スケール防止剤が知られている。特許文献1には、上記スケール防止剤は、シリカ系スケールを抑制する効果が大きいことが開示されている。
特許文献2には、水性系の中にシリカまたは珪酸塩の形成が蔓延するのを防止するための方法であって、前記系に、a)重量平均分子量約1000〜約25000の、(メタ)アクリル酸またはマレイン酸またはそれらの塩の水溶性コポリマーまたはターポリマー、但し、コポリマーは1)約20〜約85重量%の(メタ)アクリル酸またはマレイン酸と、2)約11超〜約80重量%の(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸またはスチレンスルホン酸、または3)約5〜約30重量%の(メタ)アクリルアミドまたは置換(メタ)アクリルアミド、または4)約30〜約60重量%のイソブチレンまたはジイソブチレンとから構成されており、そしてターポリマーは1)約30〜約80重量%の(メタ)アクリル酸またはマレイン酸と、2)約11超〜約65重量%の(メタ)アクリルアミノメチルプロパンスルホン酸またはスチレンスルホン酸と、3)約5〜約30重量%の(メタ)アクリルアミドまたは置換(メタ)アクリルアミド、または4)約5〜約30重量%のビニルアルコール、アリルアルコール、ビニルもしくはアリルアルコールのエステル、ビニルエステル、スチレン、イソブチレンまたはジイソブチレン、または5)(メタ)アクリルアミノメチルプロパンスルホン酸が存在する場合に約3〜約30重量%のスチレンスルホン酸とから構成されている、b)マグネシウムイオン、c)前記コポリマーまたはターポリマーと、アルミニウムイオンまたはマグネシウムイオンとの混合物、d)重量平均分子量約1000〜約25000のポリ(メタ)アクリル酸またはポリマレイン酸またはそれらの塩と、アルミニウムイオンまたはマグネシウムイオンとの混合物からなる群から選択されたスケール抑制剤の有効量を添加することを特徴とする前記方法が開示されている。
特許文献2には、さらに、上記方法において、前記水性系が地熱プロセスに使用される製造方法が開示されている。
特許文献2には、さらに、上記方法において、前記水性系が地熱プロセスに使用される製造方法が開示されている。
上述したように、従来、様々な重合体からなるスケール防止剤や重合体を使用するスケール防止方法が報告されているものの、地熱発電を効率よく運転する為には、シリカスケールのスケール防止が良好な地熱水用添加剤が要求されているのが現状である。
そこで、本発明は、シリカスケールのスケール防止効果が良好な地熱水用添加剤を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、シリカスケールのスケール防止効果が良好な地熱水用添加剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、特定の重合体を含む組成物が、優れたシリカスケールのスケール防止効果を有することを見出し、上記本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかる地熱水用添加剤は、ビニルラクタム系重合体を含む地熱水用添加剤である。
本発明の地熱水用添加剤は、優れたシリカスケールの分散性やシリカスケールの抑制効果(シリカスケール防止能)を有する。よって、シリカスケールが熱水を移送するパイプライン等の内壁に沈着することを抑制することが可能となり、地熱発電の効率的な運転が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ビニルラクタム系重合体]
本発明においてビニルラクタム系重合体とは、下記一般式(1)で表わされる構造単位(構造単位(1)とも言う)を含む重合体をいう。
本発明においてビニルラクタム系重合体とは、下記一般式(1)で表わされる構造単位(構造単位(1)とも言う)を含む重合体をいう。
(一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。mは、1〜3の整数を表す。)
上記構造単位は、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニルラクタムを重合することにより形成することができる。上記ビニルラクタムは、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明においてビニルラクタム系重合体とは、上記一般式(1)で表わされる構造単位のみを含んでいても良いが、その他の構造単位を含んでいてもよい。その他の構造単位としては、N−ビニルラクタム以外の単量体(その他の単量体とも言う)を重合して形成される構造単位や、それらを変性して形成される構造単位が例示される(上記その他の単量体を重合して形成される構造単位とそれらを変性して形成される構造単位をあわせて構造単位(2)とも言う)。
上記その他の単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸のアルカリ金属塩、メタクリル酸のアルカリ金属塩、アクリル酸のアンモニウム塩、メタクリル酸のアンモニウム塩等のカルボキシル基含有単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸のアルキルエステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸のアルキルエステル;ジエチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸のアミノアルキルエステル;メタクリル酸のアミノアルキルエステル;アクリル酸とグリコールとのモノエステル;ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸とグリコールとのモノエステル;アクリル酸のアミノアルキルエステルの第4級アンモニウム誘導体;メタクリル酸のアミノアルキルエステルの第4級アンモニウム誘導体;ジエチルアミノエチルアクリレートとメチルサルフェートとの第4級アンモニウム化合物;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のアルキルビニルエーテル;ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩、ビニルスルホン酸のアンモニウム塩、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸塩、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸塩等のスルホン酸基含有単量体;酢酸ビニル、ビニルステアレート、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカルバゾール、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、グリコールジアクリレート、グリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリコールジアリルエーテルなどが挙げられる。
上記その他の単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸のアルカリ金属塩、メタクリル酸のアルカリ金属塩、アクリル酸のアンモニウム塩、メタクリル酸のアンモニウム塩等のカルボキシル基含有単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸のアルキルエステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸のアルキルエステル;ジエチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸のアミノアルキルエステル;メタクリル酸のアミノアルキルエステル;アクリル酸とグリコールとのモノエステル;ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸とグリコールとのモノエステル;アクリル酸のアミノアルキルエステルの第4級アンモニウム誘導体;メタクリル酸のアミノアルキルエステルの第4級アンモニウム誘導体;ジエチルアミノエチルアクリレートとメチルサルフェートとの第4級アンモニウム化合物;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のアルキルビニルエーテル;ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩、ビニルスルホン酸のアンモニウム塩、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸塩、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸塩等のスルホン酸基含有単量体;酢酸ビニル、ビニルステアレート、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカルバゾール、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、グリコールジアクリレート、グリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリコールジアリルエーテルなどが挙げられる。
本発明の地熱水用添加剤に含まれるビニルラクタム系重合体(本発明のビニルラクタム系重合体とも言う)の上記構造単位(1)と上記構造単位(2)の含有量は、モル比で上記構造単位(1)/上記構造単位(2)が100/0〜50/50であることが好ましく、100/0〜80/20であることがより好ましく、100/0〜90/10であることがさらに好ましく、100/0であることが特に好ましい。上記範囲であれば、本発明の地熱水用添加剤のシリカスケールの分散性やシリカスケールの抑制効果(シリカスケール防止能)が向上する傾向にある。なお、シリカスケールの分散性やシリカスケール防止能が向上すれば、シリカスケールが熱水を移送するパイプライン等の内壁に沈着することが抑制される。
本発明のビニルラクタム系重合体は、本発明の地熱水用添加剤のシリカスケールの分散性やシリカスケール防止能が向上することから、フィケンチャー法によるK値が5以上、80以下であることが好ましい。より好ましくは8以上、50以下であり、さらに好ましくは8以上、30以下である。
フィケンチャー法によるK値は、以下の測定方法によって求めることができる。K値が20未満である場合には5%(g/100ml)溶液の粘度を測定し、K値が20以上の場合は1%(g/100ml)溶液の粘度を測定する。試料濃度は乾燥物換算する。K値が20以上の場合、試料は1.0gを精密に計りとり、100mlのメスフラスコに入れ、室温で蒸留水を加え、振とうしながら完全に溶かして蒸留水を加えて正確に100mlとする。この試料溶液を恒温槽(25±0.2℃)で30分放置後、ウベローデ型粘度計を用いて測定する。溶液が2つの印線の間を流れる時間を測定する。数回測定し、平均値をとる。相対粘度を測定するために、蒸留水についても同様に測定する。2つの得られた流動時間をハーゲンバッハ−キュッテ(Hagenbach−Couette)の補正に基づいて補正する。
フィケンチャー法によるK値は、以下の測定方法によって求めることができる。K値が20未満である場合には5%(g/100ml)溶液の粘度を測定し、K値が20以上の場合は1%(g/100ml)溶液の粘度を測定する。試料濃度は乾燥物換算する。K値が20以上の場合、試料は1.0gを精密に計りとり、100mlのメスフラスコに入れ、室温で蒸留水を加え、振とうしながら完全に溶かして蒸留水を加えて正確に100mlとする。この試料溶液を恒温槽(25±0.2℃)で30分放置後、ウベローデ型粘度計を用いて測定する。溶液が2つの印線の間を流れる時間を測定する。数回測定し、平均値をとる。相対粘度を測定するために、蒸留水についても同様に測定する。2つの得られた流動時間をハーゲンバッハ−キュッテ(Hagenbach−Couette)の補正に基づいて補正する。
上記式中、Zは濃度Cの溶液の相対粘度(ηrel)、Cは濃度(%:g/100ml)である。
相対粘度ηrelは次式により得られる。
ηrel=(溶液の流動時間)÷(水の流動時間)。
本発明のビニルラクタム系重合体は、重合体の主鎖にリン原子を有することが好ましい。具体的には、重合体の主鎖末端にホスホン酸(塩)基を有する形態や、重合体の主鎖末端やそれ以外の箇所にホスフィン酸(塩)基を有する形態が例示される。ここで塩とは、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩を表わす。なおホスホン酸基は、−P(=O)(OM)2で表わされ、ホスフィン酸基は、−PH(=O)(OM)、−P(=O)(OM)−、で表される(但し、該一般式中、Mは同一若しくは異なって、水素原子、金属原子、アンモニウム塩、有機アミン塩を表わす。)。
重合体の主鎖にリン原子を有するビニルラクタム系重合体は、例えばN−ビニルラクタムを必須とし、所望に応じてその他の単量体とを含む単量体を、次亜リン酸(塩)、亜リン酸(塩)、これらの水和物のいずれか1以上の化合物の存在下で重合することにより製造することができる。この場合、次亜リン酸(塩)、亜リン酸(塩)、これらの水和物は重合反応において、主として連鎖移動剤として作用して分子内に取り込まれる。
重合体の主鎖にリン原子を有するビニルラクタム系重合体は、例えばN−ビニルラクタムを必須とし、所望に応じてその他の単量体とを含む単量体を、次亜リン酸(塩)、亜リン酸(塩)、これらの水和物のいずれか1以上の化合物の存在下で重合することにより製造することができる。この場合、次亜リン酸(塩)、亜リン酸(塩)、これらの水和物は重合反応において、主として連鎖移動剤として作用して分子内に取り込まれる。
[ビニルラクタム系重合体の製造方法]
本発明のビニルラクタム系重合体は、N−ビニルラクタムを必須とし、所望に応じてその他の単量体とを含む単量体を重合する工程(重合工程ともいう)を含む方法により製造することが好ましい。上記重合工程におけるN−ビニルラクタムとその他の単量体の使用量の比は、モル比でN−ビニルラクタム/その他の単量体が100/0〜50/50であることが好ましく、100/0〜80/20であることがより好ましく、100/0〜90/10であることがさらに好ましく、100/0であることが特に好ましい。
本発明のビニルラクタム系重合体は、N−ビニルラクタムを必須とし、所望に応じてその他の単量体とを含む単量体を重合する工程(重合工程ともいう)を含む方法により製造することが好ましい。上記重合工程におけるN−ビニルラクタムとその他の単量体の使用量の比は、モル比でN−ビニルラクタム/その他の単量体が100/0〜50/50であることが好ましく、100/0〜80/20であることがより好ましく、100/0〜90/10であることがさらに好ましく、100/0であることが特に好ましい。
本発明のビニルラクタム系重合体は、N−ビニルラクタムを必須とし、所望に応じてその他の単量体とを含む単量体を重合開始剤の存在下で重合することにより製造することが好ましい。重合開始剤は、アゾ系重合開始剤および/または水溶性有機過酸化物であることが好ましい。
ここで、アゾ系重合開始剤とは、アゾ結合を有し熱などによりラジカルを発生する化合物を言う。
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法において使用可能なアゾ系重合開始剤としては、2,2’−ビス(2−イミダゾリン−2−イル)[2,2’−アゾビスプロパン]二塩酸塩、2,2’−ビス(2−イミダゾリン−2−イル)[2,2’−アゾビスプロパン]二硫酸塩、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノパレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が例示される。
上記アゾ系重合開始剤の中でも、低分子量のN−ビニルラクタム系重合体を効率よく製造できることから、また、本発明の地熱水用添加剤のシリカスケールの分散性やシリカスケール防止能が良好になることから、10時間半減温度が30℃以上、90℃以下であるものが好ましく、より好ましくは10時間半減温度が40℃以上、70℃以下であるものである。
上記アゾ系重合開始剤の中でも、2,2’−ビス(2−イミダゾリン−2−イル)[2,2’−アゾビスプロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩が、N−ビニルラクタム系重合体(組成物)の高温における色調が良好となることから特に好ましい。
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法において使用可能なアゾ系重合開始剤としては、2,2’−ビス(2−イミダゾリン−2−イル)[2,2’−アゾビスプロパン]二塩酸塩、2,2’−ビス(2−イミダゾリン−2−イル)[2,2’−アゾビスプロパン]二硫酸塩、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノパレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が例示される。
上記アゾ系重合開始剤の中でも、低分子量のN−ビニルラクタム系重合体を効率よく製造できることから、また、本発明の地熱水用添加剤のシリカスケールの分散性やシリカスケール防止能が良好になることから、10時間半減温度が30℃以上、90℃以下であるものが好ましく、より好ましくは10時間半減温度が40℃以上、70℃以下であるものである。
上記アゾ系重合開始剤の中でも、2,2’−ビス(2−イミダゾリン−2−イル)[2,2’−アゾビスプロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩が、N−ビニルラクタム系重合体(組成物)の高温における色調が良好となることから特に好ましい。
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法において使用可能な水溶性有機過酸化物としては、ターシャリーブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ターシャリーヘキシルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド等のアルキルヒドロペルオキシド;ターシャリーブチルペルオキシアセテート、ジスクシノイルペルオキシド、過酢酸等が例示される。上記有機過酸化物の中でも、低分子量のN−ビニルラクタム系重合体を効率よく製造できることから、また、本発明の地熱水用添加剤のシリカスケールの分散性やシリカスケール防止能が良好になることから、アルキルヒドロペルオキシドであることが好ましく、ターシャリーブチルヒドロペルオキシドであることが特に好ましい。
上記有機過酸化物は、10時間半減温度が30℃以上、180℃以下であるものが好ましく、より好ましくは10時間半減温度が40℃以上、170℃以下であるものである。
上記有機過酸化物は、10時間半減温度が30℃以上、180℃以下であるものが好ましく、より好ましくは10時間半減温度が40℃以上、170℃以下であるものである。
本発明のビニルピロリドン系重合体の製造方法において使用する重合開始剤は、上記アゾ系重合開始剤、上記水溶性有機過酸化物から選択される1種または2種以上を使用することが好ましいが、これらに代えて、またはこれらと併用してその他の重合開始剤を使用しても構わない。そのような開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素等が例示される。
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法において使用する重合開始剤の使用量(複数種使用する場合はその総量)は、特に言及する場合を除き、全単量体成分1モルに対して、15g以下、より好ましくは0.1〜12gであることが好ましい。
上記重合開始剤の中でも、低K値(低分子量)のビニルラクタム系重合体を効率よく製造でき、かつ、本発明の地熱水用添加剤のシリカスケールの分散性やシリカスケール防止能が良好になることから、アゾ系重合開始剤を使用する場合には全単量体1モルに対して、6.0g以下とすることが好ましく、5.0g以下とすることが更に好ましく、4.0g以下とすることが特に好ましく、3.0g以下とすることが更に特に好ましい。アゾ系重合開始剤を使用する場合の使用量の下限は、全単量体1モルに対して、0.1g以上が好ましく、0.2g以上が更に好ましい。
一方、水溶性有機過酸化物を使用する場合には全単量体1モルに対して、12g以下とすることが好ましく、10g以下とすることが更に好ましく、8.0g以下とすることが特に好ましく、6.0g以下とすることが更に特に好ましい。
一方、水溶性有機過酸化物を使用する場合には全単量体1モルに対して、12g以下とすることが好ましく、10g以下とすることが更に好ましく、8.0g以下とすることが特に好ましく、6.0g以下とすることが更に特に好ましい。
ビニルラクタム系重合体の製造方法において、重合開始剤の反応系(重合釜)への添加方法としては、特に限定はされないが、全使用量に対し、重合中に実質的に連続的に添加する量が必要所定量の50質量%以上であることが好ましく、特に好ましくは80質量%以上であり、全量を連続的に添加することが最も好ましい。重合開始剤を連続的に添加する場合、その滴下速度は変えてもよい。
なお、本発明において「重合中」とは、重合開始時点以降、重合終了時点以前を表す。本発明において、「重合開始時点」とは重合装置に単量体の少なくとも一部および開始剤の少なくとも一部の両方が添加された時点を指す。本発明において、「重合終了時点」とは、単量体を連続的(逐次的)に添加する重合方法においては、単量体の全量の重合装置への添加が終了した時点を指し、単量体を全量一括添加する重合方法の場合には、実質的に重合反応が完了した(重合率が一定になった)時点を指す。
重合開始剤は、水などの溶媒に溶解せずにそのまま添加しても良いが、水などの溶媒に溶解して反応系(重合釜)へ添加することが好ましい。
なお、本発明において「重合中」とは、重合開始時点以降、重合終了時点以前を表す。本発明において、「重合開始時点」とは重合装置に単量体の少なくとも一部および開始剤の少なくとも一部の両方が添加された時点を指す。本発明において、「重合終了時点」とは、単量体を連続的(逐次的)に添加する重合方法においては、単量体の全量の重合装置への添加が終了した時点を指し、単量体を全量一括添加する重合方法の場合には、実質的に重合反応が完了した(重合率が一定になった)時点を指す。
重合開始剤は、水などの溶媒に溶解せずにそのまま添加しても良いが、水などの溶媒に溶解して反応系(重合釜)へ添加することが好ましい。
本発明のビニルラクタム系重合体は、N−ビニルラクタムを必須とし、所望に応じてその他の単量体とを含む単量体を連鎖移動剤の存在下で重合することにより製造することが好ましい。連鎖移動剤の存在下で重合することにより、低K値(低分子量)のN−ビニルラクタム系重合体を効率よく製造できる。
使用可能な連鎖移動剤として、具体的には、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルチオグリコレート等の、チオール化合物;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等の、ハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩、及びこれらの水和物等;亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びその塩等の重亜硫酸塩(水に溶解して重亜硫酸塩を発生する化合物を含む)等の、低級酸化物およびその塩などが挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
連鎖移動剤の添加量は、特に言及する場合を除き、全単量体成分1モルに対して、0.05〜20g、より好ましくは0.1〜15gである。0.05g未満であると、分子量の制御ができないおそれがあり、逆に、20gを超えると、連鎖移動剤が残留し、重合体純分が低下するおそれがある。
使用可能な連鎖移動剤として、具体的には、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルチオグリコレート等の、チオール化合物;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等の、ハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩、及びこれらの水和物等;亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びその塩等の重亜硫酸塩(水に溶解して重亜硫酸塩を発生する化合物を含む)等の、低級酸化物およびその塩などが挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
連鎖移動剤の添加量は、特に言及する場合を除き、全単量体成分1モルに対して、0.05〜20g、より好ましくは0.1〜15gである。0.05g未満であると、分子量の制御ができないおそれがあり、逆に、20gを超えると、連鎖移動剤が残留し、重合体純分が低下するおそれがある。
上記連鎖移動剤の中でも、本発明のビニルラクタム系重合体の主鎖にリン原子が導入されることに起因して、本発明の地熱水用添加剤のシリカスケールの分散性やシリカスケール防止能が良好になることから、次亜リン酸(塩)および/または亜リン酸(塩)を使用することが好ましい。すなわち、本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法は、N−ビニルラクタムを重合する工程において、次亜リン酸(塩)および/または亜リン酸(塩)の存在下で重合を行うことが好ましい。得られる本発明の地熱水用添加剤のシリカスケールの分散性やシリカスケール防止能が向上する傾向にあることから、次亜リン酸(塩)および/または亜リン酸(塩)を使用する場合は、その使用量を全単量体1モルに対して、酸型で換算して(すなわち、次亜リン酸塩は次亜リン酸として、亜リン酸塩は亜リン酸として計算する。また、水和物である場合は水和物ではないものとして計算する。例えば、次亜リン酸ナトリウム・一水和物であれば、次亜リン酸として計算する。)15g以下とすることが好ましく、12g以下とすることが更に好ましく、10g以下とすることが特に好ましく、使用量の下限は、全単量体1モルに対して、0.1g以上が好ましく、0.3g以上が更に好ましい。
次亜リン酸(塩)および/または亜リン酸(塩)の使用量が全単量体1モルに対して、上記上限を超えると、連鎖移動に寄与しない次亜リン酸(塩)および/または亜リン酸(塩)(重合体に取り込まれない次亜リン酸(塩)および/または亜リン酸(塩))が増加し、無機陰イオン量が増加することに起因して、例えば分散性が低下する傾向にある。連鎖移動効率が良いことから、次亜リン酸(塩)が特に好ましい。なお、次亜リン酸(塩)とは、次亜リン酸または次亜リン酸塩であり、その水和物も含む。次亜リン酸塩としては、次亜リン酸の金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩である。
次亜リン酸(塩)および/または亜リン酸(塩)の使用量が全単量体1モルに対して、上記上限を超えると、連鎖移動に寄与しない次亜リン酸(塩)および/または亜リン酸(塩)(重合体に取り込まれない次亜リン酸(塩)および/または亜リン酸(塩))が増加し、無機陰イオン量が増加することに起因して、例えば分散性が低下する傾向にある。連鎖移動効率が良いことから、次亜リン酸(塩)が特に好ましい。なお、次亜リン酸(塩)とは、次亜リン酸または次亜リン酸塩であり、その水和物も含む。次亜リン酸塩としては、次亜リン酸の金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩である。
上記連鎖移動剤は、重合開始前に反応容器(重合釜)に添加しても良いが(初期仕込みという)、全部またはその一部を重合中に反応容器(重合釜)に添加しても良い。なお、本発明において「重合開始前」とは、上記重合開始時点より前を表し、「重合終了後」とは、上記重合終了時点より後を表す。
連鎖移動剤を連続的に添加する場合、その滴下速度は変えてもよい。
連鎖移動剤を連続的に添加する場合、その滴下速度は変えてもよい。
重合開始剤の分解触媒等として作用する還元性化合物として、重金属イオン(あるいは重金属塩)を使用しても良い。本発明で重金属とは、比重が4g/cm3以上の金属を意味する。重金属の中でも鉄が好ましく、上記還元性化合物として、モール塩(Fe(NH4)2(SO4)2・6H2O)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸銅(I)および/またはその水和物、硫酸銅(II)および/またはその水和物、塩化銅(II)および/またはその水和物等の重金属塩等を用いることが好ましい。
上記重金属イオンを使用する場合、その使用量は、重合反応完結時における重合反応液の全質量に対して好ましくは0.1〜10ppmであることが好ましい。重金属イオンの含有量が0.1ppm未満であると、重金属イオンによる効果が十分に発現しないおそれがある。一方、重金属イオンの含有量が10ppmを超えると、得られる重合体の色調の悪化を来たすおそれがある。
上記重金属イオンを使用する場合、その使用量は、重合反応完結時における重合反応液の全質量に対して好ましくは0.1〜10ppmであることが好ましい。重金属イオンの含有量が0.1ppm未満であると、重金属イオンによる効果が十分に発現しないおそれがある。一方、重金属イオンの含有量が10ppmを超えると、得られる重合体の色調の悪化を来たすおそれがある。
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法は、重合工程において、重合反応の促進やN−ビニルラクタムの加水分解の防止等を目的として、無機塩基を用い得る。無機塩基は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記無機塩基は、重合反応の反応系において、塩基性pH調節剤としても機能し得る。
上記無機塩基の添加は、任意の適切な方法で行うことができ、例えば、重合初期より反応容器内に仕込んでおいてもよいし、重合中に反応容器中に逐次添加してもよい。
上記無機塩基としては、任意の適切な無機塩基を採用し得る。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;等が例示される。上記無機塩基は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。炭酸塩は重合系のpHが安定しない場合があるため、上記の中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。
上記無機塩基を使用する場合の合計量は、N−ビニルラクタムに対して、0.02質量%以上であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましい。上記範囲であれば、反応中のpHの低下に伴うN−ビニルラクタムの加水分解や着色を抑制する効果が得られる。
上記無機塩基は、重合反応の反応系において、塩基性pH調節剤としても機能し得る。
上記無機塩基の添加は、任意の適切な方法で行うことができ、例えば、重合初期より反応容器内に仕込んでおいてもよいし、重合中に反応容器中に逐次添加してもよい。
上記無機塩基としては、任意の適切な無機塩基を採用し得る。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;等が例示される。上記無機塩基は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。炭酸塩は重合系のpHが安定しない場合があるため、上記の中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。
上記無機塩基を使用する場合の合計量は、N−ビニルラクタムに対して、0.02質量%以上であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましい。上記範囲であれば、反応中のpHの低下に伴うN−ビニルラクタムの加水分解や着色を抑制する効果が得られる。
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法は、重合反応の促進やN−ビニルラクタムの加水分解の防止等を目的として、アンモニアおよび/またはアミン化合物を用い得る。アンモニアおよび/またはアミン化合物は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記アンモニアおよび/またはアミン化合物は、重合反応において、助触媒として機能し得る。すなわち、アンモニアおよび/またはアミン化合物が反応系に含まれると、含まれない場合と比較して、重合反応の進行がより一層促進され得る。上記アンモニアおよび/またはアミン化合物は、重合反応の反応系において、塩基性pH調節剤としても機能し得る。
上記アンモニアおよび/またはアミン化合物の添加は、任意の適切な方法で行うことができ、例えば、重合初期より反応容器内に仕込んでおいてもよいし、重合中に反応容器中に逐次添加してもよい。
上記アンモニアおよび/またはアミン化合物は、重合反応において、助触媒として機能し得る。すなわち、アンモニアおよび/またはアミン化合物が反応系に含まれると、含まれない場合と比較して、重合反応の進行がより一層促進され得る。上記アンモニアおよび/またはアミン化合物は、重合反応の反応系において、塩基性pH調節剤としても機能し得る。
上記アンモニアおよび/またはアミン化合物の添加は、任意の適切な方法で行うことができ、例えば、重合初期より反応容器内に仕込んでおいてもよいし、重合中に反応容器中に逐次添加してもよい。
上記アンモニアは、常温にて気体状の単体としてそのまま用いても良いし、水溶液(アンモニア水)として用いても良い。
上記アミン化合物としては、任意の適切なアミン化合物を採用し得る。具体的には、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンが挙げられる。上記アミン化合物は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記第1級アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、アリルアミン、イソプロピルアミン、ジアミノプロピルアミン、エチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3−メトキシプロピルアミンが挙げられる。上記第1級アミンは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記第2級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチルエチルアミン、N−メチルプロピルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−メチルブチルアミン、N−メチルイソブチルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルプロピルアミン、N−エチルイソプロピルアミン、N−エチルブチルアミン、N−エチルイソブチルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、N−メチルビニルアミン、N−メチルアリルアミンなどの脂肪族第2級アミン;N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N−メチルトリメチレンジアミン、N−エチルトリメチレンジアミン、N,N’−ジメチルトリメチレンジアミン、N,N’−ジエチルトリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミンなどの脂肪族ジアミンおよびトリアミン;N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、N−メチルフェニチルアミン、N−エチルフェネチルアミンなどの芳香族アミン;N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−イソプロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−イソブチルエタノールアミンなどのモノアルカノールアミン;ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジブタノールアミンなどのジアルカノールアミン;ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、モルホリン、チオモルホリンなどの環状アミン;が挙げられる。上記第2級アミンは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの第2級アミンのうち、ジアルカノールアミンおよびジアルキルアミンが好ましく、ジアルカノールアミンがより好ましく、中でもジエタノールアミンが特に好適である。
上記第3級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミンなどのトリアルカノールアミンが挙げられる。上記第3級アミンは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの第3級アミンのうち、トリアルカノールアミンが好ましく、中でもトリエタノールアミンが特に好適である。
上記アンモニアおよびアミン化合物を使用する場合の合計量は、N−ビニルラクタムに対して、0.02重量%以上であることが好ましく、0.05〜1重量%であることがより好ましい。上記範囲であれば、反応速度が向上する傾向にあり、反応中のpHの低下に伴うN−ビニルラクタムの加水分解や着色を抑制する効果が得られる。
なお、上記重金属塩として銅塩を用い、さらに上記アンモニアを用いる場合、銅のアンミン錯塩が形成し得る。銅のアンミン錯塩としては、例えば、ジアンミン銅塩([Cu(NH3)2]2SO4・H2O、[Cu(NH3)2]Clなど)、テトラアンミン銅塩([Cu(NH3)4]SO4・H2O、[Cu(NH3)4]Cl2など)が挙げられる。
上記アミン化合物としては、任意の適切なアミン化合物を採用し得る。具体的には、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンが挙げられる。上記アミン化合物は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記第1級アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、アリルアミン、イソプロピルアミン、ジアミノプロピルアミン、エチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3−メトキシプロピルアミンが挙げられる。上記第1級アミンは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記第2級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチルエチルアミン、N−メチルプロピルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−メチルブチルアミン、N−メチルイソブチルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルプロピルアミン、N−エチルイソプロピルアミン、N−エチルブチルアミン、N−エチルイソブチルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、N−メチルビニルアミン、N−メチルアリルアミンなどの脂肪族第2級アミン;N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N−メチルトリメチレンジアミン、N−エチルトリメチレンジアミン、N,N’−ジメチルトリメチレンジアミン、N,N’−ジエチルトリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミンなどの脂肪族ジアミンおよびトリアミン;N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、N−メチルフェニチルアミン、N−エチルフェネチルアミンなどの芳香族アミン;N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−イソプロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−イソブチルエタノールアミンなどのモノアルカノールアミン;ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジブタノールアミンなどのジアルカノールアミン;ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、モルホリン、チオモルホリンなどの環状アミン;が挙げられる。上記第2級アミンは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの第2級アミンのうち、ジアルカノールアミンおよびジアルキルアミンが好ましく、ジアルカノールアミンがより好ましく、中でもジエタノールアミンが特に好適である。
上記第3級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミンなどのトリアルカノールアミンが挙げられる。上記第3級アミンは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの第3級アミンのうち、トリアルカノールアミンが好ましく、中でもトリエタノールアミンが特に好適である。
上記アンモニアおよびアミン化合物を使用する場合の合計量は、N−ビニルラクタムに対して、0.02重量%以上であることが好ましく、0.05〜1重量%であることがより好ましい。上記範囲であれば、反応速度が向上する傾向にあり、反応中のpHの低下に伴うN−ビニルラクタムの加水分解や着色を抑制する効果が得られる。
なお、上記重金属塩として銅塩を用い、さらに上記アンモニアを用いる場合、銅のアンミン錯塩が形成し得る。銅のアンミン錯塩としては、例えば、ジアンミン銅塩([Cu(NH3)2]2SO4・H2O、[Cu(NH3)2]Clなど)、テトラアンミン銅塩([Cu(NH3)4]SO4・H2O、[Cu(NH3)4]Cl2など)が挙げられる。
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法は、N−ビニルラクタムを必須とする単量体成分を水性溶媒中で重合する工程(重合工程)を含むことが好ましい。本発明において水性溶媒とは、水または水を含む混合溶媒を表す。水を含む混合溶媒としては、全溶媒に対して50質量%が水である混合溶媒または水であることが好ましく、80質量%以上が水であることが更に好ましい。水のみを使用することが特に好ましい。水のみを使用する場合には、有機溶剤の残存が回避できる点で好適である。
ここで重合の際に使用可能な上記水を含む混合溶媒において、水とともに使用できる溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;グリセリン;ポリエチレングリコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ここで重合の際に使用可能な上記水を含む混合溶媒において、水とともに使用できる溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;グリセリン;ポリエチレングリコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の製造方法における重合工程は、好ましくは、重合終了後の固形分濃度(溶液の内、不揮発分の濃度であり、後述する測定方法で測定される)が、重合溶液100質量%に対して10〜70質量%となるように行うことが好ましく、15〜60質量%が更に好ましく、20〜55質量%が特に好ましい。
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法において、重合の際の温度は好ましくは70℃以上であり、より好ましくは75〜110℃であり、さらに好ましくは80〜105℃である。重合時の温度が上記範囲であれば、残存単量体成分が少なくなり、重合体の分散性が向上する傾向にある。なお、重合時の温度は、重合反応の進行中において、常に一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間または昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応の進行中に経時的に重合温度を変動(昇温または降温)させてもよい。
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法において、重合時のpHとしては、不純物あるいは副生成物を抑制の観点から、4以上が好ましく、6以上が好ましく、11以下が好ましい。
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法において、重合時間(上記重合開始時点から重合終了時点の間)は、30分以上、5時間以下であることが好ましい。重合時間が長くなると、重合液の着色が大きくなる傾向にある。
上記重合終了時点後、重合液に残存する単量体を低減する目的等で、熟成工程(重合後、加温・保温条件下で保持する工程をいう)を設けても良い。熟成時間は通常、1分以上、4時間以内である。熟成時間中に、更に重合開始剤を添加すれば、重合液に残存する単量体を低減できることから好ましい。
重合において、単量体の添加終了時間より、開始剤の滴下終了時間を遅らすことが、重合液に残存する単量体を低減することができることから好ましい。より好ましくは1〜120分遅らせることであり、5〜60分遅らせることが更に好ましい。
上記重合終了時点後、重合液に残存する単量体を低減する目的等で、熟成工程(重合後、加温・保温条件下で保持する工程をいう)を設けても良い。熟成時間は通常、1分以上、4時間以内である。熟成時間中に、更に重合開始剤を添加すれば、重合液に残存する単量体を低減できることから好ましい。
重合において、単量体の添加終了時間より、開始剤の滴下終了時間を遅らすことが、重合液に残存する単量体を低減することができることから好ましい。より好ましくは1〜120分遅らせることであり、5〜60分遅らせることが更に好ましい。
反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよいが、得られる重合体の分子量の点では、常圧下、または、反応系内を密閉し、加圧下で行うことが好ましい。また、加圧装置や減圧装置、耐圧性の反応容器や配管等の設備の点では、常圧(大気圧)下で行うことが好ましい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でもよいが、不活性雰囲気とするのが好ましく、例えば、重合開始前に系内を窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。
[重合工程以外の工程]
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法は、上記重合工程を必須としているが、必要に応じて、精製工程、脱塩工程、濃縮工程、希釈工程、乾燥工程等を含んでいても良い。
本発明のビニルラクタム系重合体の製造方法は、上記重合工程を必須としているが、必要に応じて、精製工程、脱塩工程、濃縮工程、希釈工程、乾燥工程等を含んでいても良い。
乾燥工程は、粉体化などを行なう工程であり、一般的方法で行えばよく、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、流動床乾燥、ドラム乾燥、ベルト式乾燥などにより、粉末に移行させることができる。
また、反応液(重合液)を陽イオン交換樹脂で処理することにより、得られるN−ビニルラクタム溶液の色調を改善することができる。陽イオン交換樹脂で処理する工程は、重合中(重合工程と並行して)または重合後に行うことができる。
上記重合反応中における陽イオン交換樹脂による処理は、任意の適切な方法で処理し得る。好ましくは、上記単量体成分の重合反応が行われている反応容器中へ陽イオン交換樹脂を添加することにより行うことができる。具体的には、例えば、重合反応が行われている反応容器中へ陽イオン交換樹脂を添加して微細に懸濁させ、その後に濾過する形態が挙げられる。
上記陽イオン交換樹脂による処理の時間は、任意の適切な時間を採用し得る。好ましくは1分〜24時間であり、より好ましくは3分〜12時間であり、さらに好ましくは5分〜2時間である。処理時間が短すぎると本発明の効果が十分に発現できないおそれがある。処理時間が長すぎると生産性が悪くなるおそれがある。
上記重合反応中における陽イオン交換樹脂による処理は、任意の適切な方法で処理し得る。好ましくは、上記単量体成分の重合反応が行われている反応容器中へ陽イオン交換樹脂を添加することにより行うことができる。具体的には、例えば、重合反応が行われている反応容器中へ陽イオン交換樹脂を添加して微細に懸濁させ、その後に濾過する形態が挙げられる。
上記陽イオン交換樹脂による処理の時間は、任意の適切な時間を採用し得る。好ましくは1分〜24時間であり、より好ましくは3分〜12時間であり、さらに好ましくは5分〜2時間である。処理時間が短すぎると本発明の効果が十分に発現できないおそれがある。処理時間が長すぎると生産性が悪くなるおそれがある。
[地熱水用添加剤]
本発明の地熱水添加剤は、ビニルラクタム系重合体を含む。本発明の地熱水添加剤のビニルラクタム系重合体の含有量は、本発明の地熱水添加剤100質量%に対して、1質量%以上、100質量%以下であることが好ましい。
本発明の地熱水添加剤は、ビニルラクタム系重合体を製造する際の残存原料や副生成物を含んでいても良い。上記残存単量体や副生成物の含有量は、地熱水添加剤の固形分100質量%に対して、0〜5質量%であることが好ましい。
本発明の地熱水添加剤は、ビニルラクタム系重合体を含む。本発明の地熱水添加剤のビニルラクタム系重合体の含有量は、本発明の地熱水添加剤100質量%に対して、1質量%以上、100質量%以下であることが好ましい。
本発明の地熱水添加剤は、ビニルラクタム系重合体を製造する際の残存原料や副生成物を含んでいても良い。上記残存単量体や副生成物の含有量は、地熱水添加剤の固形分100質量%に対して、0〜5質量%であることが好ましい。
本発明の地熱水添加剤は、溶媒を含んでいても良い。本発明の地熱水添加剤の溶媒の含有量は、0質量%以上、99質量%以下である。
本発明の地熱水添加剤に含まれ得る溶媒としては極性溶媒が挙げられる。かかる極性溶媒としては、水性溶媒および有機溶媒の双方を用いることができ、水性溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、へキシレングリコール等が挙げられる。有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、互いに溶解するのであれば併用してもよい。有機溶媒にはクレゾール、フェノール、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を混合することもできる。
地熱水添加剤に含まれ得る溶媒としては溶媒100質量%に対する水の割合が50〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましく、90〜100質量%であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
本発明の地熱水添加剤に含まれ得る溶媒としては極性溶媒が挙げられる。かかる極性溶媒としては、水性溶媒および有機溶媒の双方を用いることができ、水性溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、へキシレングリコール等が挙げられる。有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、互いに溶解するのであれば併用してもよい。有機溶媒にはクレゾール、フェノール、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を混合することもできる。
地熱水添加剤に含まれ得る溶媒としては溶媒100質量%に対する水の割合が50〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましく、90〜100質量%であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
本発明の地熱水添加剤は、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤等を含有しても良い。
本発明の地熱水添加剤は、良好なシリカスケールの防止能を有する。本発明において、シリカスケールとは、シリカポリマーやケイ酸塩類(例えばケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、およびその他のケイ酸塩)を含有する不溶解物を指す。また本発明において、シリカスケールの防止能とは、後述する実施例に記載した方法により測定される。
本発明の地熱水添加剤は、シリカスケールの防止能が40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。なお、シリカスケールの防止能の上限値は100%である。
本発明の地熱水添加剤は、シリカスケールの防止能が40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。なお、シリカスケールの防止能の上限値は100%である。
本発明の地熱水添加剤は、良好なシリカスケールの分散能を有する。本発明において、シリカスケールの分散能とは、後述する実施例に記載した方法により測定される。
本発明の地熱水添加剤は、シリカスケールの分散能が0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましい。
本発明の地熱水添加剤は、シリカスケールの分散能が0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましい。
[地熱水添加剤の使用方法]
本発明の地熱水添加剤は、地熱発電に利用する地熱水に添加して使用する。添加箇所については特に制限されるものではなく、生産井、還元井、気水分離器、フラッシャー、熱水配管等の地熱水系に添加することができる。本発明の地熱水添加剤の使用量は特に制限されるものではなく、処理する地熱水の水質によって適宜増減することができる。一般的にその使用量は1〜500ppm(ビニルラクタム系重合体の固形分換算)の範囲が好ましい。
本発明の地熱水添加剤は、地熱発電に利用する地熱水に添加して使用する。添加箇所については特に制限されるものではなく、生産井、還元井、気水分離器、フラッシャー、熱水配管等の地熱水系に添加することができる。本発明の地熱水添加剤の使用量は特に制限されるものではなく、処理する地熱水の水質によって適宜増減することができる。一般的にその使用量は1〜500ppm(ビニルラクタム系重合体の固形分換算)の範囲が好ましい。
本発明の地熱水添加剤として使用可能な組成物は、地熱水添加剤以外にも、シリカスケールの分散剤やシリカスケール防止剤として使用できる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
また、本発明の重合体の重量平均分子量、数平均分子量、未反応の単量体の定量、重合体組成物、重合体水溶液の固形分量は、下記の方法に従って測定した。
また、本発明の重合体の重量平均分子量、数平均分子量、未反応の単量体の定量、重合体組成物、重合体水溶液の固形分量は、下記の方法に従って測定した。
<重合体水溶液、重合体組成物の固形分測定方法>
窒素雰囲気下、150℃に加熱したオーブンで重合体組成物2.0gを1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
窒素雰囲気下、150℃に加熱したオーブンで重合体組成物2.0gを1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
<単量体の分析>
単量体の分析は、以下の条件で、液体クロマトグラフィーを用いて分析した。
装置:資生堂「NANOSPACESI−2」
カラム:資生堂「CAPCELLPAK C18 UG120」、20℃
溶離液:LC用メタノール(和光純薬工業株式会社製)/超純水=1/24(質量比)、1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム0.4質量%添加
流速:100μL/min。
単量体の分析は、以下の条件で、液体クロマトグラフィーを用いて分析した。
装置:資生堂「NANOSPACESI−2」
カラム:資生堂「CAPCELLPAK C18 UG120」、20℃
溶離液:LC用メタノール(和光純薬工業株式会社製)/超純水=1/24(質量比)、1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム0.4質量%添加
流速:100μL/min。
<重合体の分子量の測定>
上記のK値の測定法により測定した。
上記のK値の測定法により測定した。
<重合体主鎖のリン原子の分析>
重合体主鎖のリン原子の分析は、31P−NMRの測定により行なった。
31P−NMRの測定条件:
測定する重合体を室温で減圧乾燥し、得られた固形分を重水(アルドリッチ社製)に10重量%となるように溶解し、Varian社製UnityPlus−400(400MHz、パルスシーケンス:s2pu1、測定間隔:10.000秒、パルス:45.0度、捕捉時間:0.800秒、積算回数:128回)にて測定した。
重合体主鎖のリン原子の分析は、31P−NMRの測定により行なった。
31P−NMRの測定条件:
測定する重合体を室温で減圧乾燥し、得られた固形分を重水(アルドリッチ社製)に10重量%となるように溶解し、Varian社製UnityPlus−400(400MHz、パルスシーケンス:s2pu1、測定間隔:10.000秒、パルス:45.0度、捕捉時間:0.800秒、積算回数:128回)にて測定した。
<シリカスケールの防止能の評価>
(1)イオン交換水にMgSO4・7H2Oを200mg/L(CaCO3に換算して。すなわちMgSO4・7H2Oを2mmol/L)、表1に記載のスケール防止剤を固形分で100ppmとなるように添加し、Na2SiO3・9H2Oを210mg/L(SiO2に換算して)、およびNaHCO3を500mg/L(CaCO3に換算して。すなわちNaHCO3を5mmol/L)となるように添加した。ほう酸−ほう酸ナトリウムpH緩衝液を使用してこの液のpHを8.50±0.1に調整した後、70℃で40時間静置した(加熱処理後液ともいう)。また、Na2SiO3・9H2Oのみを210mg/L(SiO2に換算して)にイオン交換水で調製した(非加熱処理液という)。
その後、加熱処理液をただちに孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過した。ろ液を純水で10倍に希釈し、
ICP発光分光分析装置(島津製 ICPE−9000)を使用してSi濃度を測定し、
この値の10倍を濾液中のSi濃度とし、さらにSi濃度をSiO2濃度に換算した。S
i析出量(Amg/L、SiO2換算)を下記の通り算出した。
Si析出量(Amg/L、SiO2換算)=非加熱処理液のSiO2濃度−加熱処理液の
SiO2濃度
(2)上記(1)においてスケール防止剤を添加しない以外は(1)と同様にしてブラン
クのSi析出量(Bmg/L、SiO2換算)を算出した。
(3)下記の通り、シリカ系のスケール防止能を算出した。
シリカ系のスケール防止能(%)=(B−A)/B×100
その結果を表1に示す。なお、上記濾液中のSiO2濃度が高い場合は、スケール化していないSi成分が多いことを示しており、即ち、スケール防止性が良好であることを表す。従って、上記シリカ系のスケール防止能(%)は、高いほどスケール防止性が良好であることを表す。
(1)イオン交換水にMgSO4・7H2Oを200mg/L(CaCO3に換算して。すなわちMgSO4・7H2Oを2mmol/L)、表1に記載のスケール防止剤を固形分で100ppmとなるように添加し、Na2SiO3・9H2Oを210mg/L(SiO2に換算して)、およびNaHCO3を500mg/L(CaCO3に換算して。すなわちNaHCO3を5mmol/L)となるように添加した。ほう酸−ほう酸ナトリウムpH緩衝液を使用してこの液のpHを8.50±0.1に調整した後、70℃で40時間静置した(加熱処理後液ともいう)。また、Na2SiO3・9H2Oのみを210mg/L(SiO2に換算して)にイオン交換水で調製した(非加熱処理液という)。
その後、加熱処理液をただちに孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過した。ろ液を純水で10倍に希釈し、
ICP発光分光分析装置(島津製 ICPE−9000)を使用してSi濃度を測定し、
この値の10倍を濾液中のSi濃度とし、さらにSi濃度をSiO2濃度に換算した。S
i析出量(Amg/L、SiO2換算)を下記の通り算出した。
Si析出量(Amg/L、SiO2換算)=非加熱処理液のSiO2濃度−加熱処理液の
SiO2濃度
(2)上記(1)においてスケール防止剤を添加しない以外は(1)と同様にしてブラン
クのSi析出量(Bmg/L、SiO2換算)を算出した。
(3)下記の通り、シリカ系のスケール防止能を算出した。
シリカ系のスケール防止能(%)=(B−A)/B×100
その結果を表1に示す。なお、上記濾液中のSiO2濃度が高い場合は、スケール化していないSi成分が多いことを示しており、即ち、スケール防止性が良好であることを表す。従って、上記シリカ系のスケール防止能(%)は、高いほどスケール防止性が良好であることを表す。
<シリカスケールの分散能の評価>
試験管(IWAKI GLASS製:直径18mm,高さ180mm)にシリカスケールとしてタルク(和光純薬社製、和光1級、平均粒径7〜12μm)0.3gを入れた後、タルクを含めて合計30gとなるようにほう酸−ほう酸ナトリウムpH緩衝液と純水と重合体水溶液と塩化カルシウム水溶液とを順に加えて、重合体を固形分濃度で50mg/L含む、pH8.5、カルシウム濃度200mg/L(CaCO3換算)の分散性試験液を調製した。蓋をして密封した後、試験管を振ってタルクを均一に分散させた。その後,試験管を室温(約20℃)で1時間静置した。1時間後に試験液の最上部5mlを採取して、光路長10mmの石英セルに入れ、UV波長380nmでの吸光度を測定した。上記吸光度の測定値をシリカスケールの分散能とした。また、重合体水溶液を添加しないこと以外は上述と同じ操作をしてブランクとした。吸光度の数値が大きいほど分散性に優れることを示す。
試験管(IWAKI GLASS製:直径18mm,高さ180mm)にシリカスケールとしてタルク(和光純薬社製、和光1級、平均粒径7〜12μm)0.3gを入れた後、タルクを含めて合計30gとなるようにほう酸−ほう酸ナトリウムpH緩衝液と純水と重合体水溶液と塩化カルシウム水溶液とを順に加えて、重合体を固形分濃度で50mg/L含む、pH8.5、カルシウム濃度200mg/L(CaCO3換算)の分散性試験液を調製した。蓋をして密封した後、試験管を振ってタルクを均一に分散させた。その後,試験管を室温(約20℃)で1時間静置した。1時間後に試験液の最上部5mlを採取して、光路長10mmの石英セルに入れ、UV波長380nmでの吸光度を測定した。上記吸光度の測定値をシリカスケールの分散能とした。また、重合体水溶液を添加しないこと以外は上述と同じ操作をしてブランクとした。吸光度の数値が大きいほど分散性に優れることを示す。
[実施例1]
マックスブレンド(住友重機械工業株式会社の登録商標)型の攪拌翼、ガラス製の蓋を備えたSUS304製反応容器に、イオン交換水430.0質量部、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」と称する)0.16質量部、次亜リン酸ナトリウム一水和物(以下、「SHP」と称する)4.25質量部(酸型換算(次亜リン酸換算)2.65質量部)を仕込み、90℃に昇温した。N−ビニルピロリドン(以下、「NVP」と称する)500質量部、イオン交換水55.6質量部からなる単量体水溶液を180分かけて、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩(以下、「V−50」と称する)1.5質量部、イオン交換水8.5質量部からなる重合開始剤水溶液を210分かけて、反応容器に添加した。重合開始から240分後、88%ギ酸水溶液3.05質量部を添加し、更に90分間90℃を維持して、重合体(1)を含む固形分50.9%の重合体組成物(1)を得た。
重合体(1)のK値は28であり、重合体(1)は、主鎖に次亜リン酸(塩)基を有していた。
本発明の地熱水用添加剤(1)として、重合体組成物(1)を用いてシリカスケールの防止能およびシリカスケールの分散能を測定した。その結果を表1に示した。
マックスブレンド(住友重機械工業株式会社の登録商標)型の攪拌翼、ガラス製の蓋を備えたSUS304製反応容器に、イオン交換水430.0質量部、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」と称する)0.16質量部、次亜リン酸ナトリウム一水和物(以下、「SHP」と称する)4.25質量部(酸型換算(次亜リン酸換算)2.65質量部)を仕込み、90℃に昇温した。N−ビニルピロリドン(以下、「NVP」と称する)500質量部、イオン交換水55.6質量部からなる単量体水溶液を180分かけて、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩(以下、「V−50」と称する)1.5質量部、イオン交換水8.5質量部からなる重合開始剤水溶液を210分かけて、反応容器に添加した。重合開始から240分後、88%ギ酸水溶液3.05質量部を添加し、更に90分間90℃を維持して、重合体(1)を含む固形分50.9%の重合体組成物(1)を得た。
重合体(1)のK値は28であり、重合体(1)は、主鎖に次亜リン酸(塩)基を有していた。
本発明の地熱水用添加剤(1)として、重合体組成物(1)を用いてシリカスケールの防止能およびシリカスケールの分散能を測定した。その結果を表1に示した。
[実施例2]
マックスブレンド(住友重機械工業株式会社の登録商標)型の攪拌翼、ガラス製の蓋を備えたSUS304製反応容器に、イオン交換水339.0質量部、ジエタノールアミン1.0質量部、「SHP」60質量部(酸型換算(次亜リン酸換算)37.4質量部)を仕込み、90℃に昇温した。「NVP」500質量部を180分かけて、「V−50」10質量部とイオン交換水90質量部からなる重合開始剤水溶液を210分かけて、反応容器に添加した。さらに「V−50」0.5質量部とイオン交換水4.5質量部からなるブースター水溶液を、それぞれ重合開始から210分後、240分後に一括で添加した。さらにpH調整剤として、10質量%マロン酸水溶液8.0質量部を、重合開始から210分後に添加することにより、重合体(2)を含む固形分56.8質量%の重合体組成物(2)を得た。
重合体(2)のK値は10であり、重合体(2)は、主鎖に次亜リン酸(塩)基を有していた。
本発明の地熱水用添加剤(2)として、重合体組成物(2)を用いてシリカスケールの防止能およびシリカスケールの分散能を測定した。その結果を表1に示した。
マックスブレンド(住友重機械工業株式会社の登録商標)型の攪拌翼、ガラス製の蓋を備えたSUS304製反応容器に、イオン交換水339.0質量部、ジエタノールアミン1.0質量部、「SHP」60質量部(酸型換算(次亜リン酸換算)37.4質量部)を仕込み、90℃に昇温した。「NVP」500質量部を180分かけて、「V−50」10質量部とイオン交換水90質量部からなる重合開始剤水溶液を210分かけて、反応容器に添加した。さらに「V−50」0.5質量部とイオン交換水4.5質量部からなるブースター水溶液を、それぞれ重合開始から210分後、240分後に一括で添加した。さらにpH調整剤として、10質量%マロン酸水溶液8.0質量部を、重合開始から210分後に添加することにより、重合体(2)を含む固形分56.8質量%の重合体組成物(2)を得た。
重合体(2)のK値は10であり、重合体(2)は、主鎖に次亜リン酸(塩)基を有していた。
本発明の地熱水用添加剤(2)として、重合体組成物(2)を用いてシリカスケールの防止能およびシリカスケールの分散能を測定した。その結果を表1に示した。
[実施例3]
マックスブレンド(住友重機械工業株式会社の登録商標)型の攪拌翼、ガラス製の蓋を備えたSUS304製反応容器に、イオン交換水634.8質量部、「NVP」160.0質量部を仕込み、ジエタノールアミン0.02質量部を添加した。この単量体水溶液を攪拌しながら、窒素ガスを導入して溶存酸素を除去し(酸素濃度0.2ppm;体積基準)、次いで反応器の内温が75℃になるように加熱した。この反応器に2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(以下、「V−59」と称する)0.4質量部をイソプロパノール3.6質量部に溶解した重合開始剤溶液を添加して、重合を開始した。重合開始剤添加後、重合反応による内温の上昇が認められた時点から、ジャケット温水温度を内温に合わせて昇温して、重合反応を行った。重合開始剤を添加してから3時間反応を継続した後、マロン酸0.14質量部をイオン交換水1.8質量部に溶解した水溶液を添加して、90℃で90分間内温を維持した。次いで、ジエタノールアミン0.24質量部をイオン交換水2.7質量部に溶解した水溶液を添加して、90℃で30分間内温を維持して重合体(3)を含む固形分20質量%の重合体組成物(3)を得た。重合体(3)のK値は80であった。
本発明の地熱水用添加剤(3)として、重合体(3)を用いてシリカスケールの防止能およびシリカスケールの分散能を測定した。その結果を表1に示した。
マックスブレンド(住友重機械工業株式会社の登録商標)型の攪拌翼、ガラス製の蓋を備えたSUS304製反応容器に、イオン交換水634.8質量部、「NVP」160.0質量部を仕込み、ジエタノールアミン0.02質量部を添加した。この単量体水溶液を攪拌しながら、窒素ガスを導入して溶存酸素を除去し(酸素濃度0.2ppm;体積基準)、次いで反応器の内温が75℃になるように加熱した。この反応器に2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(以下、「V−59」と称する)0.4質量部をイソプロパノール3.6質量部に溶解した重合開始剤溶液を添加して、重合を開始した。重合開始剤添加後、重合反応による内温の上昇が認められた時点から、ジャケット温水温度を内温に合わせて昇温して、重合反応を行った。重合開始剤を添加してから3時間反応を継続した後、マロン酸0.14質量部をイオン交換水1.8質量部に溶解した水溶液を添加して、90℃で90分間内温を維持した。次いで、ジエタノールアミン0.24質量部をイオン交換水2.7質量部に溶解した水溶液を添加して、90℃で30分間内温を維持して重合体(3)を含む固形分20質量%の重合体組成物(3)を得た。重合体(3)のK値は80であった。
本発明の地熱水用添加剤(3)として、重合体(3)を用いてシリカスケールの防止能およびシリカスケールの分散能を測定した。その結果を表1に示した。
[比較例1]
比較地熱水用添加剤(1)として、重量平均分子量7,000のポリアクリル酸ナトリウム(株式会社日本触媒製「アクアリックDL40S」)を用いてシリカスケールの防止能およびシリカスケールの分散能を測定した。その結果を表1に示した。
比較地熱水用添加剤(1)として、重量平均分子量7,000のポリアクリル酸ナトリウム(株式会社日本触媒製「アクアリックDL40S」)を用いてシリカスケールの防止能およびシリカスケールの分散能を測定した。その結果を表1に示した。
[比較例2]
地熱水用添加剤を使用せずに、シリカスケールの防止能およびシリカスケールの分散能を測定した。その結果を表1に示した。
地熱水用添加剤を使用せずに、シリカスケールの防止能およびシリカスケールの分散能を測定した。その結果を表1に示した。
表1の結果から、本発明の地熱水用添加剤は、従来の地熱水用添加剤と比較して良好なシリカスケールの防止能およびシリカスケールの分散能を示すことが明らかとなった。
Claims (4)
- ビニルラクタム系重合体を含む地熱水用添加剤。
- 上記ビニルラクタム系重合体のK値が8以上、50以下である、請求項1に記載の地熱水用添加剤。
- シリカスケール防止能が40%以上である、請求項1または2に記載の地熱水用添加剤。
- シリカスケール分散能が0.5以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の地熱水用添加剤。
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JP2012101983A JP2013226526A (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | 地熱水用添加剤 |
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JP2012101983A JP2013226526A (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | 地熱水用添加剤 |
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