JP2016064382A - 地熱発電用スケール防止剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のエーテル結合含有共重合体は、エーテル結合含有単量体に由来する構造単位と、(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位とを特定の割合で含み、特定の重量平均分子量を有し、タルク分散能が、0.3〜0.8であり、炭酸カルシウムスケール防止能が、38〜99%である。
【選択図】なし
Description
本発明の共重合体は、
エーテル結合含有共重合体であって、
エーテル結合含有単量体に由来する構造単位と、
(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位とを含み、
前記エーテル結合含有共重合体は、
前記エーテル結合含有単量体に由来する構造単位及び
前記(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位の総量を100質量%とした場合、
前記エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、
エーテル結合含有単量体に由来する構造単位を0.1質量%以上、55質量%以下、
(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位を45質量%以上、99.9質量%以下含み、
重量平均分子量が500〜100,000である
エーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤である。
また、別の形態の本発明の共重合体は、
エーテル結合含有共重合体であって、
前記エーテル結合含有共重合体は、
エーテル結合含有単量体(A)に由来する下記一般式(1)で表される構造単位(a)と、スルホン酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)と、
(メタ)アクリル酸系単量体(C)に由来する構造単位(c)とを含み、
前記エーテル結合含有共重合体は、
構造単位(a)、構造単位(b)及び構造単位(c)の総量を100質量%とした場合、
前記エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、
構造単位(a)を0.1質量%以上、55質量%以下、
構造単位(b)を0質量%以上、60質量%以下、及び、
構造単位(c)を45質量%以上、99.9質量%以下含み、
重量平均分子量が500〜100,000である
エーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤である。
更に、本発明の前記エーテル結合含有共重合体は、タルク分散能が、0.3〜0.8の地熱発電装置用スケール防止剤である。
更に別の形態としての本発明の前記エーテル結合含有共重合体は、炭酸カルシウムスケール防止能が、38〜99%であるエーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤である。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を二つ以上組み合わせたものであっても、本発明の好ましい形態である。
本発明のエーテル結合含有共重合体についてまず説明する。
前記エーテル結合含有共重合体(以下、「重合体」ともいう)は、前記エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位(以下、「全構造単位」ともいう)の総量100質量%に対して、構造単位(a)を0.1質量%以上、30質量%以下、構造単位(b)を70質量%以上、99.9質量%以下、及び、構造単位(c)を0質量%以上、60質量%以下含む。
また、構造単位(a)はエーテル結合含有単量体(A)に由来し、構造単位(b)は(メタ)アクリル酸系単量体(B)に由来し、構造単位(c)はスルホン酸基含有単量体(C)に由来する。
更に、前記エーテル結合含有共重合体の重量平均分子量は、500〜100,000である。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、エーテル結合含有単量体に由来する構造単位を必須とする重合体である。前記エーテル結合含有単量体は、炭素−炭素二重結合とエーテル結合が存在すれば特に限定はないが、下記化学式で表すことができる。
CH2=C(R0)−R1−O−CH2−T
(前記化学式中、R0は、水素原子又はメチル基を表す。R1は、CH2基、CH2CH2基又は直接結合を表す。Tは、水酸基を有する置換基を表す。)
前記化学式中のTは、水酸基を有する置換基であれば特に限定はなく、水酸基以外には、炭素数1〜20の炭化水素基が含まれても良い。その結合様式は、単結合、二重結合、芳香族環を含んでも良い。また、前記化学式中のTは、水酸基と炭化水素基以外に、酸素原子、窒素原子やその他のヘテロ原子を含んでも良い。
エーテル結合含有単量体に由来する構造単位とは、二重結合が重合反応により開いて、単結合になった構造を示す。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、エーテル結合含有単量体(A)(以下、単量体(A)ともいう)に由来する構造単位(a)を必須とする重合体と表すこともできる。
前記エーテル結合含有単量体(A)に由来する構造単位(a)は、下記一般式(1)で表される。これは、後述の一般式(4)で表されるエーテル結合含有単量体(A)の炭素−炭素二重結合が単結合になった形態である。
H2C=C(R0)−R1−は、R0がメチル基、R1がCH2基の場合はメタリル基;R0がメチル基、R1がCH2CH2基の場合はイソプレニル基;R0がメチル基、R1が直接結合の場合はイソプロペニル基;R0が水素原子、R1がCH2基の場合はアリル基;R0が水素原子、R1がCH2CH2基の場合はブテニル基;R0が水素原子、R1が直接結合の場合はビニル基を表す。
H2C=C(R0)−R1−としては、イソプレニル基、メタリル基、アリル基、ビニル基が好ましい。重合性を高める観点からは、イソプレニル基、メタリル基、アリル基がより好ましく、イソプレニル基、メタリル基であると、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
前記一般式(2)、(3)におけるnは、オキシアルキレン基(−O−R2−)の平均付加モル数であり、0〜5の数を表す。
疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するという観点から、nは、0〜4が好ましく、0〜3がより好ましく、0〜2が更に好ましく、0〜1が特に好ましく、0が最も好ましい。
疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するという観点から、好ましくはXが水酸基、Yが前記一般式(2)で表される基;Xが水酸基、Yが前記一般式(3)で表される基であり、より好ましくはXが水酸基、Yが前記一般式(2)で表される基である。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、構造単位(a)を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
前記構造単位(a)の含有量は、好ましくは1質量%以上、25質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上、20質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以上、15質量%以下であり、特に好ましくは4質量%以上、12質量%以下である。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位を必須とする重合体である。
(メタ)アクリル酸系単量体は、下記化学式で表すことができる。
CH2=C(R7)COOR6
(化学式中、R6は、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表し、R7は、水素原子又はメチル基を表す。)
アクリル酸系単量体に由来する構造単位とは、二重結合が重合反応により開いて、単結合になった構造を示す。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、(メタ)アクリル酸系単量体(B)(以下、単量体(B)ともいう)に由来する構造単位(b)も必須とする重合体と表すこともできる。
本発明における(メタ)アクリル酸系単量体(B)としては、下記一般式(5);
また、前記(メタ)アクリル酸系単量体(B)に由来する構造単位(b)としては、単量体(B)の炭素−炭素二重結合が単結合になった形態であり、下記一般式(6);
このような構造単位(b)を有することによって、エーテル結合含有共重合体は、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
前記一般式(5)、(6)のR6における金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子;アルミニウム、鉄等が挙げられる。
R6における有機アミン基としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン;エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミン等が挙げられる。
R6としては、得られるエーテル結合含有共重合体の疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するという観点から、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基が好ましく、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウム基がより好ましく、水素原子、ナトリウムが更に好ましい。
前記(メタ)アクリル酸系単量体(B)の具体例としては、アクリル酸及びその塩、メタクリル酸及びその塩等が挙げられ、好ましくはアクリル酸及びそのナトリウム塩である。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、構造単位(b)を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
前記構造単位(b)の含有量は、好ましくは45質量%以上、98.5質量%以下であり、より好ましくは53質量%以上、97.5質量%以下であり、更に好ましくは59質量%以上、96.3質量%以下であり、特に好ましくは63質量%以上、95.2質量%以下である。
また、前記(メタ)アクリル酸系単量体(B)の調製方法としては、特に制限されない。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、スルホン酸基含有単量体(C)(以下、単量体(C)ともいう)に由来する構造単位(c)も必須とする重合体である。
このような構造単位(c)を有することによって、エーテル結合含有共重合体は、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
R8は、CH2基、CH2CH2基又は直接結合を表し、好ましくはCH2基である。
R9、R10は、それぞれ独立して、水酸基又は−SO3Zを表し、R9、R10の少なくとも一方は−SO3Zを表す。本発明の効果をより充分に発現させるために、R9、R10のいずれか一方のみが−SO3Zであることが好ましい。
Zは水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。
Zが金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基の場合は、−SO3Zは、スルホン酸の金属塩、アンモニウム塩又は有機アミン塩を表す。
前記Zにおける金属原子、有機アミン基としては、前述のR6における金属原子、有機アミン基と同じものが挙げられる。Zとしては、好ましくは、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基であり、より好ましくは、水素原子、ナトリウム、カリウムであり、更に好ましくは、水素原子、ナトリウムである。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、構造単位(c)を1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
前記構造単位(c)の含有量は、0質量%でも地熱発電用スケール防止剤として有用なエーテル結合含有共重合体となるが、前記構造単位(c)を用いる場合の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、30質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上、27質量%以下であり、更に好ましくは0.7質量%以上、26質量%以下であり、特に好ましくは0.8質量%以上、25質量%以下である。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、その他の単量体(E)(前記エーテル結合含有単量体(A)、スルホン酸基含有単量体(C)及び(メタ)アクリル酸系単量体(B)以外の単量体)に由来する構造単位(e)を有していてもよい。前記エーテル結合含有共重合体は、構造単位(e)を1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
前記その他の単量体(E)としては、具体的には、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2−メチレングルタル酸及びこれらの塩等の前記単量体(B)以外のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを付加した単量体、アルコキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基を有するビニル芳香族系単量体;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のジアリルアルキルアミン等のアリルアミン等のアミノ基含有単量体及びこれらの四級化物;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の水酸基含有単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体;スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;イソブチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
なお、前記四級化物は、前記アミノ基含有単量体に通常用いられる四級化剤を反応させることによって得られるものである。前記四級化剤としては、ハロゲン化アルキル、ジアルキル硫酸等が挙げられる。
任意成分である前記その他の単量体(E)に由来する構造単位(e)の含有量としては、エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量(すなわち構造単位(a)、(b)、(c)及び(e)の総量)100質量%に対して、0〜34質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
また、四級化されたアミノ基を含有する単量体又はそれに由来する構造単位の質量割合(質量%)を計算する場合には、カウンターアニオンの質量は考慮しないで(含めないで)計算するものとする。
前記構造単位(e)が酸基含有単量体由来の構造単位である場合には、全単量体由来の構造単位の総量に対する質量割合(質量%)は、対応する酸換算で計算するものとする。また、酸基含有単量体の、全単量体の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算で計算するものとする。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、前記構造単位(a)、(b)、(c)、及び、必要に応じて構造単位(e)が、前記したような特定の割合で導入されていればよく、各構造単位は、ブロック状、ランダム状のいずれで存在していてもよい。
一方、構造単位(a)の含有量が前述の範囲よりも少ない場合、疎水粒子への分散性が低下し、更に、カルシウムイオンへのキレート能の低下により、スケール防止能が低下する場合がある。
また、全単量体(構造単位(a)、(b)、(c)、(e))の総量100質量%に対して、構造単位(e)を0〜34質量%の割合で含んでいてもよい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
一方、構造単位(a)の含有量が前述の範囲よりも少ない場合、疎水粒子への分散性が低下し、更に、カルシウムイオンへのキレート能の低下により、スケール防止能が低下する場合がある。
また、構造単位(b)の含有量が前述の範囲よりも少ない場合、疎水粒子への分散性が低下し、更に、カルシウムイオンへのキレート能の低下により、スケール防止能が低下する場合がある。
また、全単量体(構造単位(a)、(b)、(e))の総量100質量%に対して、構造単位(e)を0〜34質量%の割合で含んでいてもよい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
前記重量平均分子量は、好ましくは1,000〜90,000、より好ましくは2,000〜80,000、更に好ましくは3,000〜70,000、特に好ましくは5,000〜70,000、最も好ましくは7,000〜65,000である。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値であり、後述する実施例に記載された装置及び測定条件により測定することができる。
一方、地熱発電に於いて、熱交換器に循環させる熱水中にシリカ成分が多いという問題点を有している。
タルク分散能が良いと、地熱発電装置の配管や装置内部に対してスケールとして付着するシリカの析出を防止することが可能となる。タルクは、シリカを主要成分とするケイ酸塩
含有鉱物であり、このタルクの分散性を見ることで、シリカ粒子の分散能力、シリカスケール付着防止能力の高さを測定できる。
エーテル結合含有共重合体のタルク分散能が、前述の範囲であると、優れたスケール防止能を発揮することが可能となるため好ましい。
更に好ましいタルク分散能は、0.5〜55%、より好ましくは1〜50%、特に好ましくは2〜48%、最も好ましくは3〜46%である。
タルク分散能が、前述の範囲をよりも大きくなると、スケール防止能が低下するため好ましくない。
なお、タルク分散能は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
炭酸カルシウムスケール抑制能は50〜100%であることが好ましい。より好ましくは55〜100%、更に好ましくは60〜100%、特に好ましくは65〜100%である。
なお、カルシウムイオン捕捉能は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、前記一般式(4)で表されるエーテル結合含有単量体(A)、前記一般式(5)で表されるアクリル酸系単量体(B)、前記一般式(7)で表されるスルホン酸基含有単量体(C)及び、を必須とし、必要に応じてその他の単量体(E)を含む単量体成分を所定の割合で共重合することにより、製造することができる。
一方、単量体(A)の含有量が前述の範囲よりも少なくなると、
疎水粒子への分散性が低下し、更に、カルシウムイオンへのキレート能の低下により、スケール防止能が低下する場合がある。
単量体(C)を含まない共重合体であっても良い。この場合、単量体(A)と単量体(B)の含有量を調整することで優れたスケール防止能を発揮する。単量体(C)を含む共重合体の場合、単量体(C)の含有量が少ない場合、スケール防止能が低下する場合がある。また、単量体(B)の含有量が前述の範囲をよりも少なくなると、スケール防止能が低下する場合がある。
また、単量体(B)の含有量が前述の範囲よりも少なくなると、スケール防止能が低下する場合がある。重合に使用する各単量体の組成比としては、
好ましくは、単量体(A)が1〜50質量%、単量体(B)が50〜99質量%であり、
より好ましくは、単量体(A)が2〜30質量%、単量体(B)が70〜98質量%であり、更に好ましくは、単量体(A)が3〜20質量%、構造単位(b)が80〜97質量%であり、特に好ましくは、単量体(A)が4〜15質量%、単量体(B)が85〜96質量%である。
前記溶媒としては、有機溶媒のみを使用することも可能であるが、水を含むことが好ましい。全溶媒の使用量100質量%に対して、水を50質量%以上使用することがより好ましく、水を80質量%以上使用することが更に好ましく、水を100質量%使用することが特に好ましい。単独で、又は水と共に使用できる前記有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール類;等の水性の有機溶媒が好適に挙げられる。
前記溶媒は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
なお、溶媒は、重合初期に一部又は全量を反応容器内に仕込んでおけばよいが、溶媒の一部を重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよいし、単量体成分や重合開始剤等を予め溶媒に溶解させた形で、これらの成分と共に重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよい。
前記反応系内に予め仕込まれた溶媒中に、前記単量体と開始剤とを滴下して反応を行う形態としては、例えば、単量体(A)、単量体(B)、単量体(C)、必要に応じて単量体(E)、開始剤成分、及び、必要に応じてその他の添加剤をそれぞれ溶媒に溶解し、又は、溶媒に溶解させずにそのままで、重合中に反応系内に適当に添加(滴下)して重合を行う形態が挙げられる。また、前記反応形態においては、単量体(A)の全使用量の一部又は全部を、重合開始前に予め反応系内に添加(初期仕込み)することもできる。
前記製造方法において用いられる重合開始剤としては、通常用いられるものを使用することができる。具体的には、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物等が好適に挙げられる。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩が好ましく、過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩がより好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記製造方法においては、重合体の分子量調整剤として連鎖移動剤を用いることが好ましい。連鎖移動剤を使用すると、製造される重合体が必要以上に高分子量化することを抑制し、低分子量のエーテル結合含有共重合体を効率よく製造することができる。
前記製造方法においては、前記連鎖移動剤として亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸水素塩を発生し得る化合物を使用することが好ましい。その場合、亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物に加えて、重合開始剤を使用するのがより好ましい。更に、後述する反応促進剤として、重金属イオンを併用してもよい。
また、連鎖移動剤として亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸水素塩を発生し得る化合物を使用すると、主鎖末端の少なくとも一つにスルホン酸(塩)基を有する重合体を得ることができる。
前記塩としては、金属原子、アンモニウム又は有機アミンとの塩が好適である。
前記金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子等が挙げられる。
また、有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン等が挙げられる。
前記亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物では、亜硫酸水素塩が好ましい。
前記亜硫酸水素塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム等が好ましく挙げられ、亜硫酸水素ナトリウムがより好ましい。
前記亜硫酸水素塩を発生し得る化合物としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム;亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウム;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム;等が好ましく挙げられ、ピロ亜硫酸ナトリウムがより好ましい。
前記亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物はそれぞれ、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記製造方法においては、重合開始剤等の使用量を低減する等の目的で反応促進剤を加えてもよい。反応促進剤としては、例えば、重金属イオン等が挙げられる。
重合開始剤の合計の使用量は、単量体の共重合を開始できる量であれば特に制限されないが、全単量体成分(単量体(A)、(B)、(C)及び(E))の総量1モルに対して、15g以下であることが好ましい。
一方、連鎖移動剤の添加量が前述の範囲であると、副生成物として3SPAの生成が促進されるのを抑制できるため、極めて良好なスケール防止能を発揮することができるため好ましい。
この場合、過硫酸塩と亜硫酸水素塩との混合比は、特に制限されないが、過硫酸塩1質量部に対して、亜硫酸水素塩0.5〜5質量部を用いることが好ましい。
前記製造方法において、重合温度としては、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤等により適宜定められるが、25〜200℃であることが好ましい。
本発明のエーテル結合含有共重合体組成物は、前記エーテル結合含有共重合体を含むものである。
また、本発明のエーテル結合含有共重合体組成物は、前記エーテル結合含有共重合体及び亜硫酸水素塩付加化合物以外に、他の成分を含むこともできる。
前記他の成分としては、特に限定されないが、例えば、重合開始剤残渣、残存モノマー、重合時の副生成物、水分等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。
本発明のエーテル結合含有共重合体組成物は、前記エーテル結合含有共重合体と、(メタ)アクリル酸系単量体(B)に亜硫酸水素塩が付加した構造の化合物である3−スルホプロピオン酸(3SPA)とを含み、かつ、前記化合物(3SPA)の含有量が、前記エーテル結合含有共重合体組成物の固形分100質量%に対して、0.01質量%以上、1.5質量%以下であることが好ましい。
亜硫酸水素塩付加化合物の含有量が前記範囲内であると、スケール防止能が向上する。また、前記含有量は、好ましくは0.02質量%以上、1.0質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上、0.8質量%以下である。
前記エーテル結合含有共重合体組成物の好ましい形態の一つは、前記エーテル結合含有共重合体を40〜60質量%含有し、水を38.5〜59.99質量%含有する形態である。
本発明のエーテル結合含有共重合体及びその組成物は、水系用途において高い性能を発揮でき、高い効率でより低コストで地熱発電を行うための地熱発電用スケール防止剤に用いた場合に、より優れたスケール防止能を発揮することができる。
また、単量体や反応中間体の定量及び各種物性値の測定は、以下の方法により行った。
装置:株式会社日立製作所製 L−7000シリーズ
検出器:HITACHI RI Detector L−7490
カラム:株式会社昭和電工製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ、GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:ソウワ化学社製 Polyacrylic acid standard
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)。
エーテル結合含有単量体、アクリル酸系単量体、スルホン酸基含有単量体、亜硫酸水素塩付加化合物の定量は、下記条件にて液体クロマトグラフィーを用いて行った。
測定装置:株式会社日立製作所製 L−7000シリーズ
検出器:株式会社日立製作所製 UV検出器 L−7400
カラム:株式会社昭和電工製 SHODEX RSpak DE−413
温度:40.0℃
溶離液:0.1%リン酸水溶液
流速:1.0ml/min。
装置:Waters社製グラジエントHPLCシステム
カラム:TSK−GEL ODS−100V 5μm 4.6×250mm 2本直列
溶離液:0.02Mりん酸ニ水素カリウム(pH2.5に調整)
流速 :0.7mL/min
温度 :30℃
検出器:UV検出器(210nm)
試験管(AGCテクノグラス株式会社製、直径18mm、高さ180mm)にタルク(和光純薬工業株式会社製、和光1級、平均粒径7μm〜12μm)0.3gを入れた後、タルクを含めて合計30.3gとなるように、ほう酸−ほう酸ナトリウムpH緩衝液と塩化カルシウム水溶液と純水と共重合体水溶液を加えて、共重合体を固形分濃度で50mg/L含む、カルシウム硬度200mgCaCO3/L、pH8.5の分散能試験液を調製した。
蓋をして密封した後、試験管を振ってタルクを均一に分散させた。
試験管を室温(約20℃)で1時間静置した後、試験液の上澄みをホールピペットで5mL採取した。採取した液を、UV分光光度計(島津製作所製、UV―1800)を用いて、波長380nmの条件で1cmセル吸光値(ABS)を測定し、この値をタルク分散能とした。
タルク分散能の値が大きいほど分散能が高いこととなる。
250mlのネジ口瓶に、脱イオン水、ホウ酸−ホウ酸ナトリウムpH緩衝液、塩化カルシウム水溶液、実施例で得られる重合体水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液をこの順に添加し、pH=8.5、重合体濃度が不揮発分換算で1ppm、カルシウム硬度=250mgCaCO3/L、炭酸イオン濃度=250mgCaCO3/Lの試験液100mlを調製した。密封した後、60℃、20時間の条件で静置した。試験液を孔径0.1μmの濾紙で濾過し、濾液中の残留カルシウムイオン濃度を分析した。ブランクとして、前記の試験液から重合体を除いたブランク試験液を用意し、同様の操作を行って、残留カルシウムイオン濃度を分析した。下記式によって、炭酸カルシウムスケール抑制率を求めた。
炭酸カルシウムスケール抑制率(%)=100×(R−Q)/(P−Q)
P:仕込み炭酸イオン濃度(mg/L)
Q:ブランクの残留炭酸イオン濃度(mg/L)
R:残留炭酸イオン濃度(mg/L)。
(1)単量体の合成
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製4つ口フラスコに、n−ブチルアルコール370.0gと、ペレット状の水酸化ナトリウム4.27gを仕込み、攪拌しながら60℃まで昇温した。次に、アリルグリシジルエーテル(以下、「AGE」とも称する。)57.0gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。この溶液を1,000mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。ここに、20質量%塩化ナトリウム水溶液200.0gを加え、この水溶液を500mlの分液ロートへ移し、よく振り混ぜた後、分層するまで静置し、下層を取り除いた。残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体(1)を得た。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」とも称する。)270.0g、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの40%水溶液(以下、「40%HAPS」とも称する。)192.0g、単量体(1)15.0g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」とも称する。)100g、及び、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、「35%SBS」とも称する。)40gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(1)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(1)を得た。重合体(1)の重量平均分子量は8,200であった。また、残存アクリル酸は、80ppm、残存HAPSは、850ppm、残存3SPAは、0.21%であった。結果を表1に記載した。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、40%HAPS 192.0g、単量体(1)15.0g、15%NaPS 80g、及び、35%SBS 30gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(2)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(2)を得た。重合体(2)の重量平均分子量は17,000であった。また、残存アクリル酸は、120ppm、残存HAPSは、1,050ppm、残存3SPAは、0.16%であった。結果を表1に記載した。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水146.8g、及びモール塩0.0186gを仕込み、攪拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、単量体(1)11g、15%NaPS 60g、及び、35%SBS 20gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については140分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 197.5gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(3)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(3)を得た。重合体(3)の重量平均分子量は35,000であった。また、残存アクリル酸は、72ppm、残存3SPAは、0.13%であった。結果を表1に記載した。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、40%HAPS 6.0g、単量体(1)24.0g、15%NaPS 80g、及び、35%SBS 35gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(5)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(5)を得た。重合体(5)の重量平均分子量は10,000であった。また、残存アクリル酸は、90ppm、残存HAPSは、250ppmであった。結果を表1に記載した。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、40%HAPS 144.0g、単量体(1)14.4g、15%NaPS 80g、及び、35%SBS 35gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(6)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(6)を得た。重合体(6)の重量平均分子量は10,000であった。また、残存アクリル酸は、150ppm、残存HAPSは、1,250ppmであった。結果を表1に記載した。
重量平均分子量5,000のポリアクリル酸ナトリウム 45%水溶液を比較重合体(1)とした。結果を表1に記載した。
重量平均分子量60,000のアクリル酸/マレイン酸=30/70(重量比)ナトリウム塩40%水溶液を比較重合体(2)とした。結果を表1に記載した。
重量平均分子量50,000のポリアクリル酸ナトリウム 40%水溶液を比較重合体(3)とした。結果を表1に記載した。
したがって、前記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。
Claims (3)
- エーテル結合含有共重合体であって、
エーテル結合含有単量体に由来する構造単位と、
(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位とを含み、
前記エーテル結合含有共重合体は、
前記エーテル結合含有単量体に由来する構造単位及び
前記(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位の総量を100質量%とした場合、
前記エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、
エーテル結合含有単量体に由来する構造単位を0.1質量%以上、55質量%以下、
(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位を45質量%以上、99.9質量%以下含み、
重量平均分子量が500〜100,000である
エーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤。 - タルク分散能が、0.3〜0.8である請求項1に記載のエーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤。
- 炭酸カルシウムスケール防止能が、38〜99%である請求項2に記載のエーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤。
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