JP2016064382A - 地熱発電用スケール防止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】地熱水を用いて発電を行う地熱発電に於けるカルシウムやシリカを含むスケールの抑制剤に関する。
【解決手段】本発明のエーテル結合含有共重合体は、エーテル結合含有単量体に由来する構造単位と、(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位とを特定の割合で含み、特定の重量平均分子量を有し、タルク分散能が、0.3〜0.8であり、炭酸カルシウムスケール防止能が、38〜99%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、地熱水を用いて発電を行う地熱発電に於けるカルシウムやシリカを含むスケールの抑制剤に関する。
地熱発電は、生産井から高温の地熱水を採取し、地熱水から分離した蒸気を利用して発電を行うものである。蒸気を分離した地熱水は、還元井から地中に返還される。
ところで、生産井から採取される地熱水は、井戸水や河川水よりもカルシウムイオンや、溶存シリカを多く含んでいる。このため、炭酸カルシウムや非晶質シリカなどのスケールが析出しやすい。特に地上部や還元井では、地熱水が地上部で温度降下することにより発生するシリカスケールを抑制することが課題である。
一般に、シリカスケールの抑制方法として硫酸注入法が用いられている。硫酸注入法は、地熱水のpHを下げることによりシリカの重合速度を減速させて、シリカスケールの析出速度を遅くする方法である。
しかしながら、地熱水のpHを低下させてもシリカの重合速度を低下させるだけなので、地熱水を還元井に返還するに際し、時間を要する場合においては、シリカスケールの析出を十分に抑制できるとは限らなかった。また、酸によって配管等が腐食するおそれがあった。更には、酸として硫酸を使用した場合においては、硬石膏等のスケールが析出するおそれがあった。
また、熱水型地熱蒸気井では、地下の高温高圧の地熱流体中にかなりのアルカリ土類金属が溶解しており、地熱蒸気と共に熱水が地上に噴出する際、熱水中のアルカリ土類金属が炭酸塩等となって析出し、これが地熱蒸気井にスケールとして付着し、そのため、地熱蒸気の採取が不十分となり、甚だしい場合には地熱蒸気井が閉塞するというおそれがある。
特許文献1及び特許文献2には、スケールの付着を防止するため、スケール防止用の薬剤を注入する方法が開示されている。スケール防止剤としては、各種キレート剤、PAS(ポリアクリル酸Na)の使用が開示されている。
国際公開第2012/144277号 特開昭60−219389号公報
カルシウムイオン濃度や、溶存シリカ濃度が比較的高い地域の地熱水などにおいては、カルシウムイオン由来のスケール、シリカ成分由来のスケール及びカルシウムイオンとシリカ成分とが塩形成して生成したスケールを防止する必要がある。本発明は、前述の通り従来のスケール防止剤が抱えている問題を解決することにある。
よって、本発明の目的は、地熱水に多く含まれるシリカ成分やカルシウム成分を含むスケールを抑制するための地熱発電装置用スケール防止剤を提供することにある。
本発明者らは、地熱発電装置用スケール防止剤に好適に用いることができる重合体について検討したところ、公知技術であるポリアクリル酸ナトリウムでは、まだまだ満足なスケール防止能を示さないということを明らかにした。その上で、本発明者らは、エーテル結合含有単量体に由来する構造単位と、アクリル酸系単量体に由来する構造単位とを特定の割合で含み、特定の重量平均分子量をするエーテル結合含有共重合体が、シリカ成分及びカルシウムイオン由来のスケールに対して、優れたスケール防止能を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
<1>
本発明の共重合体は、
エーテル結合含有共重合体であって、
エーテル結合含有単量体に由来する構造単位と、
(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位とを含み、
前記エーテル結合含有共重合体は、
前記エーテル結合含有単量体に由来する構造単位及び
前記(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位の総量を100質量%とした場合、
前記エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、
エーテル結合含有単量体に由来する構造単位を0.1質量%以上、55質量%以下、
(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位を45質量%以上、99.9質量%以下含み、
重量平均分子量が500〜100,000である
エーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤である。
<2>
また、別の形態の本発明の共重合体は、
エーテル結合含有共重合体であって、
前記エーテル結合含有共重合体は、
エーテル結合含有単量体(A)に由来する下記一般式(1)で表される構造単位(a)と、スルホン酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)と、
(メタ)アクリル酸系単量体(C)に由来する構造単位(c)とを含み、
前記エーテル結合含有共重合体は、
構造単位(a)、構造単位(b)及び構造単位(c)の総量を100質量%とした場合、
前記エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、
構造単位(a)を0.1質量%以上、55質量%以下、
構造単位(b)を0質量%以上、60質量%以下、及び、
構造単位(c)を45質量%以上、99.9質量%以下含み、
重量平均分子量が500〜100,000である
エーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤である。
Figure 2016064382
(前記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。Xは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。Yは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。但し、X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。)
Figure 2016064382
(前記一般式(2)、(3)中、Rは、同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−O−R−)の平均付加モル数であって、0〜5の数を表す。R、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
<3>
更に、本発明の前記エーテル結合含有共重合体は、タルク分散能が、0.3〜0.8の地熱発電装置用スケール防止剤である。
<4>
更に別の形態としての本発明の前記エーテル結合含有共重合体は、炭酸カルシウムスケール防止能が、38〜99%であるエーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を二つ以上組み合わせたものであっても、本発明の好ましい形態である。
〔エーテル結合含有共重合体〕
本発明のエーテル結合含有共重合体についてまず説明する。
前記エーテル結合含有共重合体(以下、「重合体」ともいう)は、前記エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位(以下、「全構造単位」ともいう)の総量100質量%に対して、構造単位(a)を0.1質量%以上、30質量%以下、構造単位(b)を70質量%以上、99.9質量%以下、及び、構造単位(c)を0質量%以上、60質量%以下含む。
また、構造単位(a)はエーテル結合含有単量体(A)に由来し、構造単位(b)は(メタ)アクリル酸系単量体(B)に由来し、構造単位(c)はスルホン酸基含有単量体(C)に由来する。
更に、前記エーテル結合含有共重合体の重量平均分子量は、500〜100,000である。
<エーテル結合含有単量体>
本発明のエーテル結合含有共重合体は、エーテル結合含有単量体に由来する構造単位を必須とする重合体である。前記エーテル結合含有単量体は、炭素−炭素二重結合とエーテル結合が存在すれば特に限定はないが、下記化学式で表すことができる。
CH=C(R)−R−O−CH−T
(前記化学式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。Tは、水酸基を有する置換基を表す。)
前記化学式中のTは、水酸基を有する置換基であれば特に限定はなく、水酸基以外には、炭素数1〜20の炭化水素基が含まれても良い。その結合様式は、単結合、二重結合、芳香族環を含んでも良い。また、前記化学式中のTは、水酸基と炭化水素基以外に、酸素原子、窒素原子やその他のヘテロ原子を含んでも良い。
エーテル結合含有単量体に由来する構造単位とは、二重結合が重合反応により開いて、単結合になった構造を示す。
<エーテル結合含有単量体(A)>
本発明のエーテル結合含有共重合体は、エーテル結合含有単量体(A)(以下、単量体(A)ともいう)に由来する構造単位(a)を必須とする重合体と表すこともできる。
前記エーテル結合含有単量体(A)に由来する構造単位(a)は、下記一般式(1)で表される。これは、後述の一般式(4)で表されるエーテル結合含有単量体(A)の炭素−炭素二重結合が単結合になった形態である。
Figure 2016064382
(前記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。Xは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。Yは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。但し、X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。)
Figure 2016064382
(前記一般式(2)、(3)中、Rは、同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−O−R−)の平均付加モル数であって、0〜5の数を表す。R、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
前記構造単位(a)は、前記一般式(2)又は(3)のような疎水性基を有するため、シリカ等の疎水粒子に対する優れたスケール防止能を発揮する。また、このような構造単位(a)を有することによって、エーテル結合含有共重合体は、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
また、前記エーテル結合含有単量体(A)は、ビニル基、メタリル基、(メタ)アクリル基等の重合性の不飽和結合(炭素−炭素二重結合)、エーテル結合、水酸基及びスルホン基を有する構造である。
さらに、前記エーテル結合含有単量体(A)としては、下記一般式(4);
Figure 2016064382
(前記一般式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。Xは、水酸基、前記一般式(2)で表される基、又は、前記一般式(3)で表される基を表す。Yは、水酸基、前記一般式(2)で表される基、又は、前記一般式(3)で表される基を表す。但し、X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、前記一般式(2)で表される基、又は、前記一般式(3)で表される基を表す。)
前記一般式(4)において、Rが直接結合である場合とは、一般式(4)のHC=C(R)−R−O−が、HC=C(R)−O−で表されることを意味する。また、前記一般式(1)においても同様である。
C=C(R)−R−は、Rがメチル基、RがCH基の場合はメタリル基;Rがメチル基、RがCHCH基の場合はイソプレニル基;Rがメチル基、Rが直接結合の場合はイソプロペニル基;Rが水素原子、RがCH基の場合はアリル基;Rが水素原子、RがCHCH基の場合はブテニル基;Rが水素原子、Rが直接結合の場合はビニル基を表す。
C=C(R)−R−としては、イソプレニル基、メタリル基、アリル基、ビニル基が好ましい。重合性を高める観点からは、イソプレニル基、メタリル基、アリル基がより好ましく、イソプレニル基、メタリル基であると、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
前記一般式(1)、(4)におけるX、Yは、それぞれ独立して、水酸基、前記一般式(2)で表される基、又は、前記一般式(3)で表される基を表す。但し、X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、前記一般式(2)で表される基、又は、前記一般式(3)で表される基を表す。
前記一般式(2)、(3)におけるRは、同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。また、エーテル結合含有単量体(A)の重合性を良好にする観点から、エチレン基、プロピレン基等の炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。前記アルキレン基としては、1種又は2種以上を用いることができる。
前記一般式(2)、(3)におけるnは、オキシアルキレン基(−O−R−)の平均付加モル数であり、0〜5の数を表す。
疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するという観点から、nは、0〜4が好ましく、0〜3がより好ましく、0〜2が更に好ましく、0〜1が特に好ましく、0が最も好ましい。
前記一般式(2)、(3)におけるR、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基を表す。炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イコシル基等が挙げられる。前記炭素数1〜20のアルキル基は置換されていてもよい。置換基としては、アミノ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。好ましいアルキル基の炭素数は、1〜15であり、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜6であり、最も好ましくは1〜4である。疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するという観点から、メチル基、エチル基、ブチル基が好ましく、ブチル基がより好ましい。
また、前記一般式(3)におけるR及びRは、それぞれ結合して環状構造を形成してもよい。この場合、環状構造が安定する点で、窒素原子、R及びRで形成される環状構造は3〜7員環であること、すなわちR及びRの合計炭素数が2〜6であることが好ましい。
前記XとYの組合せとしては、Xが水酸基、Yが前記一般式(2)で表される基;Xが水酸基、Yが前記一般式(3)で表される基;Xが前記一般式(2)で表される基、Yが水酸基;Xが前記一般式(3)で表される基、Yが水酸基として挙げられる。
疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するという観点から、好ましくはXが水酸基、Yが前記一般式(2)で表される基;Xが水酸基、Yが前記一般式(3)で表される基であり、より好ましくはXが水酸基、Yが前記一般式(2)で表される基である。
なお、本発明のエーテル結合含有共重合体が「エーテル結合含有単量体(A)に由来する構造単位(a)」を有するとは、最終的に得られた重合体が前記一般式(1)で表される構造単位を有することを意味する。すなわち、本発明における「エーテル結合含有単量体(A)に由来する構造単位(a)」には、構造単位(a)の形成工程が重合反応の前後にわたるものも含まれ、例えば、前記エーテル結合含有単量体(A)を合成した後、それを他の単量体成分と共重合させることによって重合体中に導入されるものや、エーテル結合含有共重合体の主鎖部分を共重合によって形成し、その後特定の構造を有する側鎖を導入して得られるものも含まれる。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、構造単位(a)を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
前記構造単位(a)の含有量は、エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量(構造単位(a)、後述する構造単位(b)、(c)及び(e)の総量)100質量%に対して、0.5質量%以上、55質量%以下である。構造単位(a)の含有量が前記範囲内であれば、本発明のエーテル結合含有共重合体を地熱発電用スケール防止剤として使用した場合に、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
前記構造単位(a)の含有量は、好ましくは1質量%以上、25質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上、20質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以上、15質量%以下であり、特に好ましくは4質量%以上、12質量%以下である。
前記エーテル結合含有単量体(A)の調製方法としては、特に制限されず、任意の適切な方法により調製することができる。そのような調製方法としては、例えば、炭素−炭素二重結合とエポキシ環を有する化合物のエポキシ環に、炭素数1〜4のアルキル基と水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物の前記水酸基及び/又はアミノ基を反応することにより製造する方法等が簡便な方法として挙げられる。前記炭素−炭素二重結合とエポキシ環を有する化合物としては、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジルビニルエーテル等が挙げられる。前記炭素数1〜4のアルキル基と水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジn−イソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン等が挙げられる。前記反応は、無触媒で行っても良いが、三フッ化ホウ素等の酸性触媒や、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基性触媒の存在下で行っても構わない。
<(メタ)アクリル酸系単量体>
本発明のエーテル結合含有共重合体は、(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位を必須とする重合体である。
(メタ)アクリル酸系単量体は、下記化学式で表すことができる。
CH=C(R)COOR
(化学式中、Rは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表す。)
アクリル酸系単量体に由来する構造単位とは、二重結合が重合反応により開いて、単結合になった構造を示す。
<(メタ)アクリル酸系単量体(B)>
本発明のエーテル結合含有共重合体は、(メタ)アクリル酸系単量体(B)(以下、単量体(B)ともいう)に由来する構造単位(b)も必須とする重合体と表すこともできる。
本発明における(メタ)アクリル酸系単量体(B)としては、下記一般式(5);
Figure 2016064382
(式中、Rは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表す。)で表される単量体が挙げられる。
また、前記(メタ)アクリル酸系単量体(B)に由来する構造単位(b)としては、単量体(B)の炭素−炭素二重結合が単結合になった形態であり、下記一般式(6);
Figure 2016064382
(式中、R及びRは、前記定義と同じ。)で表される構造が挙げられる。
このような構造単位(b)を有することによって、エーテル結合含有共重合体は、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
前記一般式(5)、(6)において、Rが金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基の場合は、(メタ)アクリル酸系単量体(B)は、(メタ)アクリル酸の金属塩、アンモニウム塩又は有機アミン塩となる。
前記一般式(5)、(6)のRにおける金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子;アルミニウム、鉄等が挙げられる。
における有機アミン基としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン;エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミン等が挙げられる。
としては、得られるエーテル結合含有共重合体の疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するという観点から、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基が好ましく、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウム基がより好ましく、水素原子、ナトリウムが更に好ましい。
前記(メタ)アクリル酸系単量体(B)の具体例としては、アクリル酸及びその塩、メタクリル酸及びその塩等が挙げられ、好ましくはアクリル酸及びそのナトリウム塩である。
なお、本発明のエーテル結合含有共重合体が「(メタ)アクリル酸系単量体(B)に由来する構造単位(b)」を有するとは、最終的に得られた重合体が前記一般式(6)で表される構造単位を有することを意味する。すなわち、本発明における「(メタ)アクリル酸系単量体(B)に由来する構造単位(b)」には、構造単位(b)の形成工程が重合反応の前後にわたるものも含まれ、例えば、前記(メタ)アクリル酸系単量体(B)を合成した後、それを他の単量体成分と共重合させることによって重合体中に導入されるものや、エーテル結合含有共重合体の主鎖部分を共重合によって形成し、その後特定の構造を有する側鎖を導入して得られるものも含まれる。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、構造単位(b)を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
前記構造単位(b)の含有量は、エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量(構造単位(a)、(b)及び後述する構造単位(c)及び(e)の総量)100質量%に対して、45質量%以上、99.5質量%以下である。構造単位(b)の含有量が前記範囲内であれば、本発明のエーテル結合含有共重合体を地熱発電用スケール防止剤として使用した場合に、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
前記構造単位(b)の含有量は、好ましくは45質量%以上、98.5質量%以下であり、より好ましくは53質量%以上、97.5質量%以下であり、更に好ましくは59質量%以上、96.3質量%以下であり、特に好ましくは63質量%以上、95.2質量%以下である。
なお、本発明において、前記構造単位(b)の、エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合は、対応する酸換算で計算するものとする。例えば、アクリル酸ナトリウムに由来する構造単位−CH−CH(COONa)−の質量割合は、対応する酸であるアクリル酸に由来する構造単位−CH−CH(COOH)−の質量割合(質量%)として計算する。同様に、アクリル酸系単量体(B)の、全単量体の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算で計算するものとする。例えば、アクリル酸ナトリウムの質量割合は、対応する酸であるアクリル酸の質量割合(質量%)として計算する。
また、前記(メタ)アクリル酸系単量体(B)の調製方法としては、特に制限されない。
<スルホン酸基含有単量体(C)>
本発明のエーテル結合含有共重合体は、スルホン酸基含有単量体(C)(以下、単量体(C)ともいう)に由来する構造単位(c)も必須とする重合体である。
前記構造単位(c)としては、単量体(C)の炭素−炭素二重結合(複数有する場合には少なくとも1つ)が単結合となった構造が挙げられる。前記単量体(C)としては、好ましくは、下記一般式(7)で表されるものであり、前記構造単位(c)としては、好ましくは、下記一般式(8)で表されるものである。
Figure 2016064382
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。R、R10は、それぞれ独立して、水酸基又は−SOZを表し、Zは水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。但し、R、R10の少なくとも一方は−SOZを表す。)
Figure 2016064382
(式中、R、R、R、R10は、前記と同じ。)で表される構造が挙げられる。
このような構造単位(c)を有することによって、エーテル結合含有共重合体は、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
前記一般式(7)、(8)において、Rは、水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
は、CH基、CHCH基又は直接結合を表し、好ましくはCH基である。
、R10は、それぞれ独立して、水酸基又は−SOZを表し、R、R10の少なくとも一方は−SOZを表す。本発明の効果をより充分に発現させるために、R、R10のいずれか一方のみが−SOZであることが好ましい。
Zは水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。
Zが金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基の場合は、−SOZは、スルホン酸の金属塩、アンモニウム塩又は有機アミン塩を表す。
前記Zにおける金属原子、有機アミン基としては、前述のRにおける金属原子、有機アミン基と同じものが挙げられる。Zとしては、好ましくは、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基であり、より好ましくは、水素原子、ナトリウム、カリウムであり、更に好ましくは、水素原子、ナトリウムである。
なお、本発明のエーテル結合含有共重合体が「スルホン酸基含有単量体(C)に由来する構造単位(c)」を有するとは、最終的に得られた重合体が前記一般式(8)で表される構造単位を有することを意味する。すなわち、本発明における「スルホン酸基含有単量体(C)に由来する構造単位(c)」には、構造単位(c)の形成工程が重合反応の前後にわたるものも含まれ、例えば、前記スルホン酸基含有単量体(C)を合成した後、それを他の単量体成分と共重合させることによって重合体中に導入されるものや、エーテル結合含有共重合体の主鎖部分を共重合によって形成し、その後特定の構造を有する側鎖を導入して得られるものも含まれる。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、構造単位(c)を1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
前記構造単位(c)の含有量は、エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量(構造単位(a)、(b)、(c)及び後述する構造単位(e)の総量)100質量%に対して、0質量%以上、60質量%以下である。構造単位(c)の含有量が前記範囲内であれば、本発明のエーテル結合含有共重合体を地熱発電用スケール防止剤として使用した場合に、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
前記構造単位(c)の含有量は、0質量%でも地熱発電用スケール防止剤として有用なエーテル結合含有共重合体となるが、前記構造単位(c)を用いる場合の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、30質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上、27質量%以下であり、更に好ましくは0.7質量%以上、26質量%以下であり、特に好ましくは0.8質量%以上、25質量%以下である。
なお、本発明において、前記構造単位(c)の、エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合は、対応する酸換算で計算するものとする。例えば、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムに由来する構造単位の質量割合は、対応する酸である3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸に由来する構造単位の質量割合(質量%)として計算する。同様に、スルホン酸基含有単量体(C)の、全単量体の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算で計算するものとする。例えば、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの質量割合は、対応する酸である3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸の質量割合(質量%)として計算する。
また、前記スルホン酸基含有単量体(C)としては、重合性の不飽和結合(炭素−炭素二重結合)と、スルホン酸(塩)基を含む化合物が挙げられる。具体的には、ビニルスルホン酸及びその塩、スチレンスルホン酸及びその塩、(メタ)アリルスルホン酸及びその塩、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩、3−(メタ)アリルオキシ−1−ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩、2−(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸及びその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩等が挙げられる。本発明の効果をより充分に発現させるために、好ましくは、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩であり、より好ましくは、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩である。
前記スルホン酸基含有単量体(C)の調製方法としては、特に制限されず、任意の適切な方法により調製することができる。そのような調製方法としては、例えば、(メタ)アリルグリシジルエーテルのグリシジル基に亜硫酸水素塩を付加させる方法等が簡便な方法として挙げられる。
<その他の単量体>
本発明のエーテル結合含有共重合体は、その他の単量体(E)(前記エーテル結合含有単量体(A)、スルホン酸基含有単量体(C)及び(メタ)アクリル酸系単量体(B)以外の単量体)に由来する構造単位(e)を有していてもよい。前記エーテル結合含有共重合体は、構造単位(e)を1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
前記その他の単量体(E)(以下、単量体(E)ともいう)は、前記単量体(A)、(C)及び(B)と共重合可能なものであれば特に限定されず、所望の効果によって適宜選択可能である。
前記その他の単量体(E)としては、具体的には、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2−メチレングルタル酸及びこれらの塩等の前記単量体(B)以外のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを付加した単量体、アルコキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基を有するビニル芳香族系単量体;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のジアリルアルキルアミン等のアリルアミン等のアミノ基含有単量体及びこれらの四級化物;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の水酸基含有単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体;スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;イソブチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
なお、前記四級化物は、前記アミノ基含有単量体に通常用いられる四級化剤を反応させることによって得られるものである。前記四級化剤としては、ハロゲン化アルキル、ジアルキル硫酸等が挙げられる。
前記その他の単量体(E)に由来する構造単位(e)とは、前記その他の単量体(E)が有する重合性の不飽和結合(炭素−炭素二重結合)(複数有する場合には少なくとも1つ)が単結合に置き換わった構造単位である。本発明のエーテル結合含有共重合体が「その他の単量体(E)に由来する構造単位(e)」を有するとは、最終的に得られた重合体が、単量体(E)の不飽和二重結合を単結合に置き換えた構造単位を有することを意味する。
任意成分である前記その他の単量体(E)に由来する構造単位(e)の含有量としては、エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量(すなわち構造単位(a)、(b)、(c)及び(e)の総量)100質量%に対して、0〜34質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
なお、前記構造単位(e)がアミノ基含有単量体由来の構造単位である場合には、全単量体に由来する構造単位の総量に対する質量割合や、アミノ基含有単量体の、全単量体の総量に対する質量割合を算出する際には、対応する未中和アミンの質量割合として計算するものとする。例えば、その他の単量体(E)がビニルアミン塩酸塩の場合には、対応する未中和アミンであるビニルアミンの質量割合(質量%)を計算する。
また、四級化されたアミノ基を含有する単量体又はそれに由来する構造単位の質量割合(質量%)を計算する場合には、カウンターアニオンの質量は考慮しないで(含めないで)計算するものとする。
前記構造単位(e)が酸基含有単量体由来の構造単位である場合には、全単量体由来の構造単位の総量に対する質量割合(質量%)は、対応する酸換算で計算するものとする。また、酸基含有単量体の、全単量体の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算で計算するものとする。
<エーテル結合含有共重合体の物性>
本発明のエーテル結合含有共重合体は、前記構造単位(a)、(b)、(c)、及び、必要に応じて構造単位(e)が、前記したような特定の割合で導入されていればよく、各構造単位は、ブロック状、ランダム状のいずれで存在していてもよい。
本発明のエーテル結合含有共重合体を構成する各単量体に由来する構造単位の組成比は、エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、構造単位(a)が0.1〜55質量%、構造単位(b)が45〜99.9質量%、構造単位(c)が0〜60質量%であると、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
一方、構造単位(a)の含有量が前述の範囲よりも少ない場合、疎水粒子への分散性が低下し、更に、カルシウムイオンへのキレート能の低下により、スケール防止能が低下する場合がある。
構造単位(c)を含まない共重合体であっても良い。この場合、構造単位(a)と構造単位(b)の含有量を調整することで優れたスケール防止能を発揮する。構造単位(c)を含む共重合体の場合、構造単位(c)の含有量が少ない場合、スケール防止能が低下する場合がある。また、構造単位(b)の含有量が45質量%未満であると、スケール防止能が低下する場合がある。
重合に使用する各単量体の組成比としては、好ましくは、構造単位(a)が1〜25質量%、構造単位(b)が45〜98.5質量%、構造単位(c)が0.5〜30質量%であり、より好ましくは、構造単位(a)が2〜20質量%、構造単位(b)が53〜97.5質量%、構造単位(c)が0.5〜27質量%であり、更に好ましくは、構造単位(a)が3〜15質量%、構造単位(b)が59〜96.3質量%、構造単位(c)が0.7〜26質量%であり、特に好ましくは、構造単位(a)が4〜12質量%、構造単位(b)が63〜95.2質量%、構造単位(c)が0.8〜25質量%である。
また、全単量体(構造単位(a)、(b)、(c)、(e))の総量100質量%に対して、構造単位(e)を0〜34質量%の割合で含んでいてもよい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
また、本発明のエーテル結合含有共重合体が、構造単位(c)を含まない場合は、構造単位(a)が1〜99質量%、構造単位(b)が1〜99質量%であると、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
一方、構造単位(a)の含有量が前述の範囲よりも少ない場合、疎水粒子への分散性が低下し、更に、カルシウムイオンへのキレート能の低下により、スケール防止能が低下する場合がある。
また、構造単位(b)の含有量が前述の範囲よりも少ない場合、疎水粒子への分散性が低下し、更に、カルシウムイオンへのキレート能の低下により、スケール防止能が低下する場合がある。
重合に使用する各単量体の組成比としては、好ましくは、構造単位(a)が1〜50質量%、構造単位(b)が50〜99質量%であり、より好ましくは、構造単位(a)が2〜30質量%、構造単位(b)が70〜98質量%であり、更に好ましくは、構造単位(a)が3〜20質量%、構造単位(b)が80〜97質量%であり、特に好ましくは、構造単位(a)が4〜15質量%、構造単位(b)が85〜96質量%である。
また、全単量体(構造単位(a)、(b)、(e))の総量100質量%に対して、構造単位(e)を0〜34質量%の割合で含んでいてもよい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
更に、前記エーテル結合含有共重合体の重量平均分子量は、500〜100,000である。重量平均分子量が前記範囲内であれば、本発明の地熱発電用スケール防止剤として使用した場合に、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。
前記重量平均分子量は、好ましくは1,000〜90,000、より好ましくは2,000〜80,000、更に好ましくは3,000〜70,000、特に好ましくは5,000〜70,000、最も好ましくは7,000〜65,000である。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値であり、後述する実施例に記載された装置及び測定条件により測定することができる。
本発明のエーテル結合含有共重合体は、優れたスケール防止能を発揮するためには、エーテル結合含有共重合体のタルク分散能、0.3〜0.8である必要がある。
一方、地熱発電に於いて、熱交換器に循環させる熱水中にシリカ成分が多いという問題点を有している。
タルク分散能が良いと、地熱発電装置の配管や装置内部に対してスケールとして付着するシリカの析出を防止することが可能となる。タルクは、シリカを主要成分とするケイ酸塩
含有鉱物であり、このタルクの分散性を見ることで、シリカ粒子の分散能力、シリカスケール付着防止能力の高さを測定できる。
エーテル結合含有共重合体のタルク分散能が、前述の範囲であると、優れたスケール防止能を発揮することが可能となるため好ましい。
更に好ましいタルク分散能は、0.5〜55%、より好ましくは1〜50%、特に好ましくは2〜48%、最も好ましくは3〜46%である。
タルク分散能が、前述の範囲をよりも大きくなると、スケール防止能が低下するため好ましくない。
なお、タルク分散能は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明のエーテル結合含有共重合体及びその組成物は、カルシウムイオン捕捉能が高いものであるが、地熱発電に於いて、熱交換器に循環させる熱水中にシリカ成分の他にカルシウムイオンが多く含まれるため、炭酸カルシウムスケール抑制能が高いことが好ましい。炭酸カルシウムスケール抑制能は、地熱発電熱水に存在するカルシウムイオンと炭酸イオンの存在下で加熱時に生成する炭酸カルシウムスケールを防止する能力を示しており、地熱発電における炭酸カルシウムスケールの付着による障害の防止性能を評価できる。
炭酸カルシウムスケール抑制能は50〜100%であることが好ましい。より好ましくは55〜100%、更に好ましくは60〜100%、特に好ましくは65〜100%である。
なお、カルシウムイオン捕捉能は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
〔エーテル結合含有共重合体の製造方法〕
本発明のエーテル結合含有共重合体は、前記一般式(4)で表されるエーテル結合含有単量体(A)、前記一般式(5)で表されるアクリル酸系単量体(B)、前記一般式(7)で表されるスルホン酸基含有単量体(C)及び、を必須とし、必要に応じてその他の単量体(E)を含む単量体成分を所定の割合で共重合することにより、製造することができる。
本発明のエーテル結合含有共重合体の製造方法において、重合に使用する各単量体の組成比は、全単量体(単量体(A)、(B)、(C)、(E))の総量100質量%に対して、単量体(A)が0.1〜55質量%、単量体(B)が45〜99.9質量%、単量体(C)が0〜60質量%であると、疎水粒子への分散性が低下し、更に、カルシウムイオンへのキレート能の低下により、スケール防止能が低下する場合がある。
一方、単量体(A)の含有量が前述の範囲よりも少なくなると、
疎水粒子への分散性が低下し、更に、カルシウムイオンへのキレート能の低下により、スケール防止能が低下する場合がある。
単量体(C)を含まない共重合体であっても良い。この場合、単量体(A)と単量体(B)の含有量を調整することで優れたスケール防止能を発揮する。単量体(C)を含む共重合体の場合、単量体(C)の含有量が少ない場合、スケール防止能が低下する場合がある。また、単量体(B)の含有量が前述の範囲をよりも少なくなると、スケール防止能が低下する場合がある。
重合に使用する各単量体の組成比としては、好ましくは、単量体(A)が1〜25質量%、単量体(B)が45〜98.5質量%、単量体(C)が0.5〜30質量%であり、より好ましくは、単量体(A)が2〜20質量%、単量体(B)が53〜97.5質量%、単量体(C)が0.5〜27質量%であり、更に好ましくは、単量体(A)が3〜15質量%、単量体(B)が59〜96.3質量%、単量体(C)が0.7〜26質量%であり、特に好ましくは、単量体(A)が4〜12質量%、単量体(B)が63〜95.2質量%、単量体(C)が0.8〜25質量%である。
また、全単量体(単量体(A)、(B)、(C)、(E))の総量100質量%に対して、単量体(E)を0〜34質量%の割合で含んでいてもよい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
また、本発明のエーテル結合含有共重合体の製造方法において、単量体(C)を含まない場合は、単量体(A)が1〜99質量%、単量体(B)が1〜99質量%であると、疎水粒子への分散性が低下し、更に、カルシウムイオンへのキレート能の低下により、スケール防止能が低下する場合がある。一方、単量体(A)の含有量が前述の範囲よりも少なくなると、疎水粒子への分散性が低下し、更に、カルシウムイオンへのキレート能の低下により、スケール防止能が低下する場合がある。
また、単量体(B)の含有量が前述の範囲よりも少なくなると、スケール防止能が低下する場合がある。重合に使用する各単量体の組成比としては、
好ましくは、単量体(A)が1〜50質量%、単量体(B)が50〜99質量%であり、
より好ましくは、単量体(A)が2〜30質量%、単量体(B)が70〜98質量%であり、更に好ましくは、単量体(A)が3〜20質量%、構造単位(b)が80〜97質量%であり、特に好ましくは、単量体(A)が4〜15質量%、単量体(B)が85〜96質量%である。
また、全単量体(単量体(A)、(B)、(E))の総量100質量%に対して、単量体(E)を0〜34質量%の割合で含んでいてもよい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
本発明のエーテル結合含有共重合体を得るための重合方法としては、特に制限されず、通常用いられる重合方法又はそれを修飾した方法を採用することができる。重合方法としては、例えば、ラジカル重合法が挙げられ、具体的には、水中油型乳化重合法、油中水型乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、沈澱重合法、溶液重合法、水溶液重合法、塊状重合法等を採用することができる。前記例示の重合方法の中でも、安全性が高く、また、生産コスト(重合コスト)を低減することができる点で、溶液重合法を採用することが好ましい。
前記溶液重合法においては、溶媒中で単量体成分を重合することとなる。
前記溶媒としては、有機溶媒のみを使用することも可能であるが、水を含むことが好ましい。全溶媒の使用量100質量%に対して、水を50質量%以上使用することがより好ましく、水を80質量%以上使用することが更に好ましく、水を100質量%使用することが特に好ましい。単独で、又は水と共に使用できる前記有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール類;等の水性の有機溶媒が好適に挙げられる。
前記溶媒は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記溶媒の使用量は、全単量体(単量体(A)、(B)、(C)、(E))の総量100質量部に対して、好ましくは40〜300質量部、より好ましくは45〜200質量部、更に好ましくは50〜150質量部である。溶媒の使用量が全単量体の総量100質量部に対して40質量部未満の場合には、得られる重合体の分子量が高くなりすぎるおそれがある。一方、溶媒の使用量が全単量体の総量100質量部に対して300質量部を超える場合には、得られる重合体の濃度が低くなり、場合によっては溶媒除去が必要となるおそれがある。
なお、溶媒は、重合初期に一部又は全量を反応容器内に仕込んでおけばよいが、溶媒の一部を重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよいし、単量体成分や重合開始剤等を予め溶媒に溶解させた形で、これらの成分と共に重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよい。
前記溶液重合法の反応形態としては、特に制限されず、通常用いられる形態により反応を行うことができるが、代表的には、例えば、反応系内に予め仕込まれた溶媒中に、前記単量体と、重合開始剤(以下、「開始剤」ともいう。)を滴下して、反応を行う形態等が挙げられる。そのような反応形態において、前記滴下する各溶液の濃度は、特に制限されず、任意の適切な濃度を採用することができる。
前記反応系内に予め仕込まれた溶媒中に、前記単量体と開始剤とを滴下して反応を行う形態としては、例えば、単量体(A)、単量体(B)、単量体(C)、必要に応じて単量体(E)、開始剤成分、及び、必要に応じてその他の添加剤をそれぞれ溶媒に溶解し、又は、溶媒に溶解させずにそのままで、重合中に反応系内に適当に添加(滴下)して重合を行う形態が挙げられる。また、前記反応形態においては、単量体(A)の全使用量の一部又は全部を、重合開始前に予め反応系内に添加(初期仕込み)することもできる。
<重合開始剤>
前記製造方法において用いられる重合開始剤としては、通常用いられるものを使用することができる。具体的には、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物等が好適に挙げられる。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩が好ましく、過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩がより好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<連鎖移動剤>
前記製造方法においては、重合体の分子量調整剤として連鎖移動剤を用いることが好ましい。連鎖移動剤を使用すると、製造される重合体が必要以上に高分子量化することを抑制し、低分子量のエーテル結合含有共重合体を効率よく製造することができる。
前記製造方法においては、前記連鎖移動剤として亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸水素塩を発生し得る化合物を使用することが好ましい。その場合、亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物に加えて、重合開始剤を使用するのがより好ましい。更に、後述する反応促進剤として、重金属イオンを併用してもよい。
また、連鎖移動剤として亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸水素塩を発生し得る化合物を使用すると、主鎖末端の少なくとも一つにスルホン酸(塩)基を有する重合体を得ることができる。
前記亜硫酸水素塩を発生し得る化合物としては、例えば、ピロ亜硫酸(塩)、亜ジチオン酸(塩)、亜硫酸(塩)等が挙げられ、ピロ亜硫酸(塩)が好ましい。
前記塩としては、金属原子、アンモニウム又は有機アミンとの塩が好適である。
前記金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子等が挙げられる。
また、有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン等が挙げられる。
前記亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物では、亜硫酸水素塩が好ましい。
前記亜硫酸水素塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム等が好ましく挙げられ、亜硫酸水素ナトリウムがより好ましい。
前記亜硫酸水素塩を発生し得る化合物としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム;亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウム;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム;等が好ましく挙げられ、ピロ亜硫酸ナトリウムがより好ましい。
前記亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物はそれぞれ、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、連鎖移動剤としては、前記亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物に加えて、更に以下のものを用いることもできる。前記連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)等の低級酸化物及びその塩;等が挙げられる。前記連鎖移動剤は、1種でも2種以上でも使用することができる。
<反応促進剤>
前記製造方法においては、重合開始剤等の使用量を低減する等の目的で反応促進剤を加えてもよい。反応促進剤としては、例えば、重金属イオン等が挙げられる。
前記製造方法において、重合の際には、上述した化合物等に加えて、重合開始剤の分解触媒や還元性化合物を反応系に添加してもよい。
<重合開始剤等の使用量>
重合開始剤の合計の使用量は、単量体の共重合を開始できる量であれば特に制限されないが、全単量体成分(単量体(A)、(B)、(C)及び(E))の総量1モルに対して、15g以下であることが好ましい。
連鎖移動剤の添加量は、単量体(A)、(B)、(C)及び(E)が良好に重合する量であれば制限されないが、単量体(A)、(C)、(B)及び(E)からなる全単量体成分の総量1モルに対して、好ましくは1〜20g、より好ましくは2〜15gである。1g未満であると、分子量の制御ができないおそれがある。一方、20gを超えると、不純物が多量に生成し、重合体純分が低下するおそれがある。特に、亜硫酸水素塩を使用する場合、その添加量が20gを超えると、余剰の亜硫酸水素塩が反応系中で分解され、亜硫酸ガスが発生するおそれがあり、また、経済的にも不利となるおそれがある。
一方、連鎖移動剤の添加量が前述の範囲であると、副生成物として3SPAの生成が促進されるのを抑制できるため、極めて良好なスケール防止能を発揮することができるため好ましい。
前記開始剤と連鎖移動剤との組み合わせとしては、過硫酸塩と亜硫酸水素塩とをそれぞれ1種以上用いることが好ましい。
この場合、過硫酸塩と亜硫酸水素塩との混合比は、特に制限されないが、過硫酸塩1質量部に対して、亜硫酸水素塩0.5〜5質量部を用いることが好ましい。
前記連鎖移動剤、開始剤及び反応促進剤の総使用量は、単量体(A)、(B)、(C)及び(E)からなる全単量体成分の総量1モルに対して、2〜20gであることが好ましい。このような範囲とすることで、本発明のエーテル結合含有共重合体を効率よく生産することができ、また、前記重合体の分子量分布を所望のものとすることができる。
前記製造方法において、単量体成分、重合開始剤及び連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、それぞれ単独で反応容器へ導入してもよく、他の成分や、溶媒等とあらかじめ混合しておいてもよい。
<重合条件>
前記製造方法において、重合温度としては、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤等により適宜定められるが、25〜200℃であることが好ましい。
前記製造方法における重合時の圧力としては、特に制限されず、任意の適切な圧力を採用することができる。例えば、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよい。
〔エーテル結合含有共重合体組成物〕
本発明のエーテル結合含有共重合体組成物は、前記エーテル結合含有共重合体を含むものである。
また、本発明のエーテル結合含有共重合体組成物は、前記エーテル結合含有共重合体及び亜硫酸水素塩付加化合物以外に、他の成分を含むこともできる。
前記他の成分としては、特に限定されないが、例えば、重合開始剤残渣、残存モノマー、重合時の副生成物、水分等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。
本発明のエーテル結合含有共重合体組成物は、前記エーテル結合含有共重合体と、(メタ)アクリル酸系単量体(B)に亜硫酸水素塩が付加した構造の化合物である3−スルホプロピオン酸(3SPA)とを含み、かつ、前記化合物(3SPA)の含有量が、前記エーテル結合含有共重合体組成物の固形分100質量%に対して、0.01質量%以上、1.5質量%以下であることが好ましい。
亜硫酸水素塩付加化合物の含有量が前記範囲内であると、スケール防止能が向上する。また、前記含有量は、好ましくは0.02質量%以上、1.0質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上、0.8質量%以下である。
前記(メタ)アクリル酸系単量体(B)に亜硫酸水素塩が付加した構造の化合物(以下、「亜硫酸水素塩付加化合物」ともいう)は、連鎖移動剤として上述の亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸水素塩を発生し得る化合物を用い、かつ、(メタ)アクリル酸系単量体(B)に亜硫酸水素塩が付加しながらも、単量体(B)が重合せずに、残存した不純物である。具体的には、3−スルホプロピオン酸(塩)等が挙げられる。
本発明のエーテル結合含有共重合体組成物は、スケール防止能を向上させる観点から、前記エーテル結合含有共重合体を、エーテル結合含有共重合体組成物の総量100質量%に対して、1〜99.99質量%含有することが好ましい。より好ましくは30〜99質量%、更に好ましくは40〜98質量%である。
前記エーテル結合含有共重合体組成物の好ましい形態の一つは、前記エーテル結合含有共重合体を40〜60質量%含有し、水を38.5〜59.99質量%含有する形態である。
〔エーテル結合含有共重合体及びその組成物の用途〕
本発明のエーテル結合含有共重合体及びその組成物は、水系用途において高い性能を発揮でき、高い効率でより低コストで地熱発電を行うための地熱発電用スケール防止剤に用いた場合に、より優れたスケール防止能を発揮することができる。
本発明のエーテル結合含有共重合体及びその組成物は、疎水粒子への分散性が向上し、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール防止能を発揮することができる。したがって、本発明のエーテル結合含有共重合体及びその組成物は、地熱発電装置用スケール防止剤として好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
また、単量体や反応中間体の定量及び各種物性値の測定は、以下の方法により行った。
<重量平均分子量の測定条件(GPC)>
装置:株式会社日立製作所製 L−7000シリーズ
検出器:HITACHI RI Detector L−7490
カラム:株式会社昭和電工製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ、GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:ソウワ化学社製 Polyacrylic acid standard
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)。
<エーテル結合含有単量体、アクリル酸系単量体、スルホン酸基含有単量体、亜硫酸水素塩付加化合物の定量>
エーテル結合含有単量体、アクリル酸系単量体、スルホン酸基含有単量体、亜硫酸水素塩付加化合物の定量は、下記条件にて液体クロマトグラフィーを用いて行った。
測定装置:株式会社日立製作所製 L−7000シリーズ
検出器:株式会社日立製作所製 UV検出器 L−7400
カラム:株式会社昭和電工製 SHODEX RSpak DE−413
温度:40.0℃
溶離液:0.1%リン酸水溶液
流速:1.0ml/min。
<3−スルホンプロピオン酸(3SPA)濃度測定>
装置:Waters社製グラジエントHPLCシステム
カラム:TSK−GEL ODS−100V 5μm 4.6×250mm 2本直列
溶離液:0.02Mりん酸ニ水素カリウム(pH2.5に調整)
流速 :0.7mL/min
温度 :30℃
検出器:UV検出器(210nm)
<タルク分散能の測定>
試験管(AGCテクノグラス株式会社製、直径18mm、高さ180mm)にタルク(和光純薬工業株式会社製、和光1級、平均粒径7μm〜12μm)0.3gを入れた後、タルクを含めて合計30.3gとなるように、ほう酸−ほう酸ナトリウムpH緩衝液と塩化カルシウム水溶液と純水と共重合体水溶液を加えて、共重合体を固形分濃度で50mg/L含む、カルシウム硬度200mgCaCO/L、pH8.5の分散能試験液を調製した。
蓋をして密封した後、試験管を振ってタルクを均一に分散させた。
試験管を室温(約20℃)で1時間静置した後、試験液の上澄みをホールピペットで5mL採取した。採取した液を、UV分光光度計(島津製作所製、UV―1800)を用いて、波長380nmの条件で1cmセル吸光値(ABS)を測定し、この値をタルク分散能とした。
タルク分散能の値が大きいほど分散能が高いこととなる。
<炭酸カルシウムスケール防止能の測定>
250mlのネジ口瓶に、脱イオン水、ホウ酸−ホウ酸ナトリウムpH緩衝液、塩化カルシウム水溶液、実施例で得られる重合体水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液をこの順に添加し、pH=8.5、重合体濃度が不揮発分換算で1ppm、カルシウム硬度=250mgCaCO/L、炭酸イオン濃度=250mgCaCO/Lの試験液100mlを調製した。密封した後、60℃、20時間の条件で静置した。試験液を孔径0.1μmの濾紙で濾過し、濾液中の残留カルシウムイオン濃度を分析した。ブランクとして、前記の試験液から重合体を除いたブランク試験液を用意し、同様の操作を行って、残留カルシウムイオン濃度を分析した。下記式によって、炭酸カルシウムスケール抑制率を求めた。
炭酸カルシウムスケール抑制率(%)=100×(R−Q)/(P−Q)
P:仕込み炭酸イオン濃度(mg/L)
Q:ブランクの残留炭酸イオン濃度(mg/L)
R:残留炭酸イオン濃度(mg/L)。
[実施例1]
(1)単量体の合成
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製4つ口フラスコに、n−ブチルアルコール370.0gと、ペレット状の水酸化ナトリウム4.27gを仕込み、攪拌しながら60℃まで昇温した。次に、アリルグリシジルエーテル(以下、「AGE」とも称する。)57.0gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。この溶液を1,000mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。ここに、20質量%塩化ナトリウム水溶液200.0gを加え、この水溶液を500mlの分液ロートへ移し、よく振り混ぜた後、分層するまで静置し、下層を取り除いた。残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体(1)を得た。
(2)重合
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」とも称する。)270.0g、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの40%水溶液(以下、「40%HAPS」とも称する。)192.0g、単量体(1)15.0g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」とも称する。)100g、及び、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、「35%SBS」とも称する。)40gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(1)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(1)を得た。重合体(1)の重量平均分子量は8,200であった。また、残存アクリル酸は、80ppm、残存HAPSは、850ppm、残存3SPAは、0.21%であった。結果を表1に記載した。
[実施例2]
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、40%HAPS 192.0g、単量体(1)15.0g、15%NaPS 80g、及び、35%SBS 30gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(2)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(2)を得た。重合体(2)の重量平均分子量は17,000であった。また、残存アクリル酸は、120ppm、残存HAPSは、1,050ppm、残存3SPAは、0.16%であった。結果を表1に記載した。
[実施例3]
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水146.8g、及びモール塩0.0186gを仕込み、攪拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、単量体(1)11g、15%NaPS 60g、及び、35%SBS 20gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については140分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 197.5gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(3)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(3)を得た。重合体(3)の重量平均分子量は35,000であった。また、残存アクリル酸は、72ppm、残存3SPAは、0.13%であった。結果を表1に記載した。
[実施例4]
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、40%HAPS 6.0g、単量体(1)24.0g、15%NaPS 80g、及び、35%SBS 35gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(5)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(5)を得た。重合体(5)の重量平均分子量は10,000であった。また、残存アクリル酸は、90ppm、残存HAPSは、250ppmであった。結果を表1に記載した。
[実施例5]
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、40%HAPS 144.0g、単量体(1)14.4g、15%NaPS 80g、及び、35%SBS 35gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(6)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(6)を得た。重合体(6)の重量平均分子量は10,000であった。また、残存アクリル酸は、150ppm、残存HAPSは、1,250ppmであった。結果を表1に記載した。
[比較例1]
重量平均分子量5,000のポリアクリル酸ナトリウム 45%水溶液を比較重合体(1)とした。結果を表1に記載した。
[比較例2]
重量平均分子量60,000のアクリル酸/マレイン酸=30/70(重量比)ナトリウム塩40%水溶液を比較重合体(2)とした。結果を表1に記載した。
[比較例3]
重量平均分子量50,000のポリアクリル酸ナトリウム 40%水溶液を比較重合体(3)とした。結果を表1に記載した。
Figure 2016064382
前記実施例及び比較例の結果から、エーテル結合含有単量体(A)に由来する構造単位(a)と、(メタ)アクリル酸系単量体(B)に由来する構造単位(b)とを特定の割合で含み、特定の重量平均分子量を有する本発明のエーテル結合含有共重合体、及び、前記重合体と(メタ)アクリル酸系単量体(B)に亜硫酸水素塩が付加した構造の特定量の化合物を含む、本発明のエーテル結合含有共重合体組成物が、地熱発電用スケール防止剤として、シリカ成分への分散性が(タルク分散能)が高いこと、及び、カルシウムスケール防止能が高いため、優れたスケール防止能を発揮することが可能となることがわかった。
なお、地熱発電用スケール防止剤としては、シリカ成分への分散性が(タルク分散能)が高いことが、必須要件となっている。比較例1は、優れた炭酸カルシウムスケール抑制能を示しているが、シリカ成分への分散性が(タルク分散能)が、本発明のエーテル結合含有共重合体よりも劣っていることは明らかであります。
このように、本発明の特定の構成を有する重合体及び組成物とすることにより、優れたスケール防止能を充分に発揮させる作用機序は、すべて同様であるものと考えられる。
したがって、前記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。

Claims (3)

  1. エーテル結合含有共重合体であって、
    エーテル結合含有単量体に由来する構造単位と、
    (メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位とを含み、
    前記エーテル結合含有共重合体は、
    前記エーテル結合含有単量体に由来する構造単位及び
    前記(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位の総量を100質量%とした場合、
    前記エーテル結合含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、
    エーテル結合含有単量体に由来する構造単位を0.1質量%以上、55質量%以下、
    (メタ)アクリル酸系単量体に由来する構造単位を45質量%以上、99.9質量%以下含み、
    重量平均分子量が500〜100,000である
    エーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤。
  2. タルク分散能が、0.3〜0.8である請求項1に記載のエーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤。
  3. 炭酸カルシウムスケール防止能が、38〜99%である請求項2に記載のエーテル結合含有共重合体を含む地熱発電装置用スケール防止剤。
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