JP2004217899A - (メタ)アクリル酸系共重合体及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明にかかる(メタ)アクリル酸系共重合体は、特定の(メタ)アクリル酸系単量体(A)由来の構成単位(a)と特定の(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)由来の構成単位(b1)を有し、主鎖中にリン原子を有する(メタ)アクリル酸系共重合体において、前記構成単位(a)と前記構成単位(b1)の相互割合が特定範囲にあり、低分子量であって、当該共重合体と結合しているリン量が所定範囲にあり、耐ゲル化能が0.02以下であって、カルシウムイオン捕捉能が150mgCaCO3/g以上である、ことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
(メタ)アクリル酸系(共)重合体の構造中にリン原子を導入することにより、分散能、スケール防止能、腐蝕防止能を向上させることが、これまでにいくつか報告されている。
(メタ)アクリル酸を次亜リン酸の存在下で重合させて得られた(メタ)アクリル酸系重合体からなる耐熱性スケール防止剤が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸系単量体を、次亜リン酸(塩)を逐次導入して重合させることにより、金属の腐食抑制剤を製造する方法が報告されている(例えば、特許文献3参照)。
(メタ)アクリル酸系水溶性単量体、重合開始剤、次亜リン酸(塩)を水性媒体中に逐次導入して重合し、無機顔料分散能、スケール防止能、腐蝕防止能に優れた(メタ)アクリル酸系水溶性重合体を製造する方法が報告されている(例えば、特許文献4参照)。
ところが、これら従来のリン含有(メタ)アクリル酸系(共)重合体は、重要なビルダー性能の1つであるカルシウムイオン捕捉能が十分に発現されず、高性能の洗剤ビルダーとして用いることができないという問題があった。
また、分散剤、スケール防止剤、腐蝕防止剤、洗剤ビルダー等に用いるための(共)重合体には、ゲル化しにくい性質(耐ゲル化能)を有することが要求されるが、従来のリン含有(メタ)アクリル酸系(共)重合体は耐ゲル化能が低く、例えば、高硬度で水中イオン濃度が非常に高い水系(例えば、海水中など)においては極めてゲル化し易い状況であった。
すなわち、本発明にかかる(メタ)アクリル酸系共重合体は、下記一般式(1)で示す(メタ)アクリル酸系単量体(A)由来の構成単位(a)と下記一般式(2)で示す(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)由来の構成単位(b1)を有し、主鎖中にリン原子を有する(メタ)アクリル酸系共重合体において、前記構成単位(a)と前記構成単位(b1)の相互割合が、前記構成単位(a)80〜96モル%、前記構成単位(b1)4〜20モル%であって、重量平均分子量が500〜4000の範囲にあり、共重合体と結合しているリン原子の重量P1、共重合体と結合していないリン原子の重量P2とが、0.9≦P1/(P1+P2)≦1.0の関係を満たし、耐ゲル化能が0.02以下であって、カルシウムイオン捕捉能が150mgCaCO3/g以上である、ことを特徴とする。
本発明にかかる(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法は、下記一般式(1)で示す(メタ)アクリル酸系単量体(A)を含む単量体成分、次亜リン酸(塩)、重合開始剤を用いて、共重合反応させることによって、主鎖中にリン原子を有する(メタ)アクリル酸系共重合体を製造する方法において、重合系内への次亜リン酸(塩)の供給開始時期を、重合開始剤の供給開始時期より早くする、ことを特徴とする。
〔(メタ)アクリル酸系共重合体〕
本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体は、前記一般式(1)で示す(メタ)アクリル酸系単量体(A)由来の構成単位(a)と前記一般式(2)で示す(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)由来の構成単位(b1)を有する共重合体であり、かつ、主鎖中にリン原子を有する(メタ)アクリル酸系共重合体である。
本発明の効果を十分に発現させるためには、構成単位(b2)の含有割合は、共重合体の全構成単位中、0〜20モル%であることが好ましく、より好ましくは0〜10モル%、さらに好ましくは0〜7モル%、特に好ましくは0〜5モル%である。すなわち、本発明の効果を十分に発現させるためには、共重合体の全構成単位中における前記構成単位(a)と前記構成単位(b1)の含有割合の合計が、80〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは90〜100モル%、さらに好ましくは93〜100モル%、特に好ましくは95〜100モル%である。
本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体は、共重合体と結合しているリン原子の重量P1、共重合体と結合していないリン原子の重量P2とが、0.9≦P1/(P1+P2)≦1.0の関係を満たしていることが重要である。P1/(P1+P2)が0.9よりも小さいと、耐ゲル化能が低下してしまう。
本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体は、カルシウムイオン捕捉能が150mgCaCO3/g以上であることを特徴とする。カルシウムイオン捕捉能は、好ましくは160mgCaCO3/g以上、より好ましくは170mgCaCO3/g以上である。カルシウムイオン捕捉能は、ビルダーとしての性能を表すパラメータであり、ビルダー性能が高いほどその値は大きい。
本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体は、どのような方法で製造しても構わないが、好ましくは、前記一般式(1)で示す(メタ)アクリル酸系単量体(A)と前記一般式(2)で示す(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)とを含む単量体成分、次亜リン酸(塩)、重合開始剤を用いて、共重合反応させることによって、主鎖中にリン原子を有する(メタ)アクリル酸系共重合体を製造する。
全単量体成分中の(メタ)アクリル酸系単量体(A)と(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)との相互割合は、前記単量体(A)80〜96モル%、前記単量体(B1)4〜20モル%であることが必要である。好ましくは、単量体(A)85〜96モル%、単量体(B1)4〜15モル%、より好ましくは、単量体(A)87〜96モル%、単量体(B1)4〜13モル%、さらに好ましくは、単量体(A)90〜96モル%、単量体(B1)4〜10モル%、特に好ましくは、単量体(A)90〜95モル%、単量体(B1)5〜10モル%である。前記単量体(A)が96モル%よりも多く、前記単量体(B1)が4モル%よりも少ないと、耐ゲル化能が低くなり、例えばカルシウムイオン等の硬度成分が多い水系においてスケール防止剤等として用いた場合に、ポリマーがゲル化して沈殿しやすく、その性能を発揮できなくなる。一方、前記単量体(A)が80モル%よりも少なく、前記単量体(B1)が20モル%よりも多いと、キレート能や分散能が低下するので、例えば分散剤等としての本来の性能が発揮し得なくなる。特に、カルシウムイオン捕捉能に代表されるビルダー性能が著しく低下してしまう。
本発明の効果を十分に発現させる(メタ)アクリル酸系共重合体を得るためには、単量体(B2)の含有割合は、全単量体成分中、0〜20モル%であることが好ましく、より好ましくは0〜10モル%、さらに好ましくは0〜7モル%、特に好ましくは0〜5モル%である。すなわち、本発明の効果を十分に発現させる(メタ)アクリル酸系共重合体を得るためには、全単量体成分中における前記単量体(A)と前記単量体(B1)の含有割合の合計が、80〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは90〜100モル%、さらに好ましくは93〜100モル%、特に好ましくは95〜100モル%である。
本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体を製造するためには、共重合の際に次亜リン酸(塩)を用いることが必要である。
次亜リン酸(塩)の使用量は、全単量体成分に対して1〜20モル%とすることが好ましい。より好ましくは2〜15モル%、さらに好ましくは5〜10モル%である。次亜リン酸(塩)の使用量が、全単量体成分に対して1モル%未満であると、主鎖中にリン原子を有する共重合体が少なくなり、20モル%を越えると、残存する次亜リン酸(塩)が増加するばかりではなく、経済的にも不利となる。また、残存する次亜リン酸(塩)が多いと、得られる共重合体の耐ゲル化能が低下するおそれがある。
重合系内への次亜リン酸(塩)の供給方法は特に限定されないが、好ましくは、単量体成分が共重合反応する際に当該重合系内に次亜リン酸(塩)が共存するように供給する方法であり、より好ましくは、重合系内への次亜リン酸(塩)の供給開始時期を、重合開始剤の供給開始時期より早くする。
重合系内への次亜リン酸(塩)の供給開始時期を、重合開始剤の供給開始時期より早くする場合、次亜リン酸(塩)、単量体成分、重合開始剤は、それぞれ所定の滴下時間をかけて、別々に連続滴下または分割投入することが好ましい。滴下時間は、適宜設定すればよいが、好ましくは30〜480分、さらに好ましくは45〜300分とするのがよい。滴下時間が長すぎると、生産性が低下する傾向があり、一方、滴下時間が短すぎると、共重合体主鎖中へのリン原子の導入が効果的に行えなくなるので、いずれも好ましくない。また、前述の各成分の滴下に際しては、滴下速度は特に限定されるものではなく、例えば、滴下開始から終了まで一定速度であってもよいし、必要に応じて時間の経過に伴い滴下速度を変化させてもよい。
前記共重合体の製造に際しては、通常使用されている重合開始剤を用いることができる。具体的には、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕等のアゾ化合物;過酸化水素、tert−ブチルヒドロパーオキシド等の過酸化物;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;等が挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。重合開始剤は、全単量体成分に対し0.001〜10重量%用いることが好ましい。本発明においては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩を用いることが、重合率向上、残存モノマー量低減の点から好ましい。
〔用途〕
本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体は、良好なキレート能および分散能を有するとともに、カルシウムイオン捕捉能および耐ゲル化能が共に両立して優れ、また、塩濃度の高い水系においてもこれら各種性能の低下が抑制されるので、例えば、冷却水系、ボイラー水系、地熱水系、オイルフィード水系、集塵水系、製紙水系、鉱物の精錬水系等におけるスケール防止剤;有機・無機顔料、土・鉱物等の無機物等の分散剤;洗剤用等のビルダー;繊維処理剤;等の用途において好適に使用することができる。
[1]重量平均分子量(Mw)測定
以下の条件で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。
GPC装置:Shodex SYSTEM−21(検出器;RI、UV(220nm))
カラム:Shodex Asahipak GF−710 HQ
Shodex Asahipak GF−310 HQ
(この順で接続)
溶離液:酢酸ナトリウム3水和物(試薬特級)27.22gに純水を加えて全量2000gとした水溶液に、アセトニトリル670g(試薬特級)を添加した溶液
流速:0.5ml/min
温度:40℃
検量線作成:ポリアクリル酸標準サンプル(創和科学品)
[2]31P−NMR測定
NMR装置:Varian 400MHz NMR
重溶媒:重水
温度:50℃
積算回数:25000回以上
[3]耐ゲル化能
500mlトールビーカーに、脱イオン水、ほう酸−ほう酸ナトリウムpH緩衝液、共重合体の1%水溶液、塩化カルシウム溶液、塩化マグネシウム溶液の順に所定量加え、pH8.5、共重合体100mg固形分/L、カルシウム硬度200mgCaCO3/L、マグネシウム硬度1000mgMgCO3/Lの試験液500mlを調製した。このトールビーカーをポリ塩化ビニリデンフィルムでシールして、90℃の恒温水槽内に1時間静置した。そして、共重合体とカルシウムイオンが結合して生成するゲルによって生じる試験液の濁りを、UV波長380nm、50mmの石英セルで吸光度を測定することにより検出し、得られた吸光度値によって耐ゲル化能を評価した。値が小さいほど耐ゲル化能が優れることを示す。
容量100ccのビーカーに、0.001mol/Lの塩化カルシウム水溶液50gを採取し、共重合体を固形分換算で10mg添加した。次に、この水溶液のpHを希水酸化ナトリウムで9〜11に調整した。その後、撹拌下、カルシウムイオン電極安定剤として、4mol/Lの塩化カリウム水溶液1mlを添加した。
イオンアナライザー(EA920型,オリオン社製)及びカルシウムイオン電極(93−20型,オリオン社製)を用いて、遊離のカルシウムイオンを測定し、共重合体1g当たり、炭酸カルシウム換算で何mgのカルシウムイオンがキレートされたか(キレート能の1種であるカルシウムイオン捕捉能)を計算で求めた。カルシウムイオン捕捉能の単位は「mgCaCO3/g」である。
撹拌機、還流冷却管、温度計を備えた容量3LのSUS製セパラブルフラスコに、純水573gを予め仕込み、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで、撹拌下、沸点還流状態の系中に、80%アクリル酸(以下AAと略す)水溶液35.4g、37%アクリル酸ナトリウム(以下SAと略す)水溶液709g、25%3−アリロキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(以下HAPSと略す)水溶液275g、45%次亜リン酸ナトリウム(以下SHPと略す)水溶液31.2g、15%過硫酸ナトリウム(以下NaPSと略す)水溶液46.8g、をそれぞれ別々に滴下した。滴下時間は、80%AAを120分間、37%SAを120分間、25%HAPSを70分間、45%SHPを120分間、15%NaPSを140分間とした。全ての滴下終了後、さらに30分間にわたって沸点還流状態を維持して重合を完結させ、共重合体(1)の水溶液を得た。
〔実施例2〕
実施例1と同じ反応容器に、純水569gを予め仕込み、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで、撹拌下、沸点還流状態の系中に、45%SHP水溶液42.8gの滴下を開始し、5分後に80%AA水溶液35.4g、37%SA水溶液709g、25%HAPS水溶液275g、15%NaPS水溶液46.8g、を同時にそれぞれ別々に滴下開始した。滴下時間は、45%SHPを120分間、80%AAを120分間、37%SAを120分間、25%HAPSを70分間、15%NaPSを140分間とした。全ての滴下終了後、さらに30分間にわたって沸点還流状態を維持して重合を完結させ、共重合体(2)の水溶液を得た。
共重合体(2)についての各種物性を測定した結果を表1にまとめた。
〔実施例3〕
実施例1と同じ反応容器に、純水573gを予め仕込み、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで、撹拌下、沸点還流状態の系中に、80%AA水溶液35.4g、37%SA水溶液709g、25%HAPS水溶液117g、45%SHP水溶液31.2g、15%NaPS水溶液46.8g、をそれぞれ別々に滴下した。滴下時間は、80%AAを120分間、37%SAを120分間、25%HAPSを90分間、45%SHPを120分間、15%NaPSを140分間とした。全ての滴下終了後、さらに30分間にわたって沸点還流状態を維持して重合を完結させ、共重合体(3)の水溶液を得た。
共重合体(3)についての各種物性を測定した結果を表1にまとめた。
〔実施例4〕
実施例1と同じ反応容器に、純水573gを予め仕込み、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで、撹拌下、沸点還流状態の系中に、80%AA水溶液17.7g、37%SA水溶液355g、25%HAPS水溶液247g、45%SHP水溶液18.7g、15%NaPS水溶液28.1g、をそれぞれ別々に滴下した。滴下時間は、80%AAを120分間、37%SAを120分間、25%HAPSを90分間、45%SHPを120分間、15%NaPSを140分間とした。全ての滴下終了後、さらに30分間にわたって沸点還流状態を維持して重合を完結させ、共重合体(4)の水溶液を得た。
共重合体(4)についての各種物性を測定した結果を表1にまとめた。
〔実施例5〕
実施例1と同じ反応容器に、純水573gを予め仕込み、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで、撹拌下、沸点還流状態の系中に、80%AA水溶液35.4g、37%SA水溶液709g、25%HAPS水溶液275g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下HEAと略す)28.3g、45%SHP水溶液31.2g、15%NaPS水溶液46.8g、をそれぞれ別々に滴下した。滴下時間は、80%AAを120分間、37%SAを120分間、25%HAPSを90分間、HEAを120分間、45%SHPを120分間、15%NaPSを140分間とした。全ての滴下終了後、さらに30分間にわたって沸点還流状態を維持して重合を完結させ、共重合体(5)の水溶液を得た。
共重合体(5)についての各種物性を測定した結果を表1にまとめた。
〔比較例1〕
実施例1と同じ反応容器に、純水479gを予め仕込み、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで、撹拌下、沸点還流状態の系中に、45%SHP水溶液36.7gの滴下を開始し、5分後に80%AA水溶液12.1g、37%SA水溶液705g、25%HAPS水溶液78.8g、15%NaPS水溶液40.0g、を同時にそれぞれ別々に滴下開始した。滴下時間は、45%SHPを120分間、80%AAを120分間、37%SAを120分間、25%HAPSを110分間、15%NaPSを140分間とした。全ての滴下終了後、さらに30分間にわたって沸点還流状態を維持して重合を完結させ、共重合体(c1)の水溶液を得た。
共重合体(c1)についての各種物性を測定した結果を表1にまとめた。
[比較例2]
実施例1と同じ反応容器に、純水484gを予め仕込み、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで、撹拌下、沸点還流状態の系中に、45%SHP水溶液36.7gの滴下を開始し、5分後に80%AA水溶液37.2g、37%SA水溶液489g、25%HAPS水溶液576g、15%NaPS水溶液40.0g、を同時にそれぞれ別々に滴下開始した。滴下時間は、45%SHPを120分間、80%AAを120分間、37%SAを120分間、25%HAPSを70分間、15%NaPSを140分間とした。全ての滴下終了後、さらに30分間にわたって沸点還流状態を維持して重合を完結させ、共重合体(c2)の水溶液を得た。
共重合体(c2)についての各種物性を測定した結果を表1にまとめた。
〔比較例3〕
実施例1と同じ反応容器に、純水573gを予め仕込み、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで、撹拌下、沸点還流状態の系中に、80%AA水溶液35.4g、37%SA水溶液709g、25%HAPS水溶液275g、45%SHP水溶液81.1g、15%NaPS水溶液46.8g、をそれぞれ別々に滴下した。滴下時間は、80%AAを120分間、37%SAを120分間、25%HAPSを90分間、45%SHPを120分間、15%NaPSを140分間とした。全ての滴下終了後、さらに30分間にわたって沸点還流状態を維持して重合を完結させ、共重合体(c3)の水溶液を得た。
共重合体(c3)についての各種物性を測定した結果を表1にまとめた。
〔比較例4〕
実施例1と同じ反応容器に、純水573gを予め仕込み、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで、撹拌下、沸点還流状態の系中に、80%AA水溶液35.4g、37%SA水溶液709g、25%HAPS水溶液14.8g、45%SHP水溶液42.8g、15%NaPS水溶液46.8g、をそれぞれ別々に滴下した。滴下時間は、80%AAを120分間、37%SAを120分間、25%HAPSを90分間、45%SHPを120分間、15%NaPSを140分間とした。全ての滴下終了後、さらに30分間にわたって沸点還流状態を維持して重合を完結させ、共重合体(c4)の水溶液を得た。
共重合体(c4)についての各種物性を測定した結果を表1にまとめた。
表1に、実施例1〜5及び比較例1〜4によって得られた共重合体の性状をまとめた。また、実施例1で得られた共重合体及び、次亜リン酸ナトリウムの31P−MNRチャートを、それぞれ図1及び、図2に示す。
Claims (5)
- 下記一般式(1)で示す(メタ)アクリル酸系単量体(A)由来の構成単位(a)と下記一般式(2)で示す(メタ)アリルエーテル系単量体(B1)由来の構成単位(b1)を有し、主鎖中にリン原子を有する(メタ)アクリル酸系共重合体において、
前記構成単位(a)と前記構成単位(b1)の相互割合が、前記構成単位(a)80〜96モル%、前記構成単位(b1)4〜20モル%であって、重量平均分子量が500〜4000の範囲にあり、
共重合体と結合しているリン原子の重量P1、共重合体と結合していないリン原子の重量P2とが、0.9≦P1/(P1+P2)≦1.0の関係を満たし、
耐ゲル化能が0.02以下であって、カルシウムイオン捕捉能が150mgCaCO3/g以上である、
ことを特徴とする、(メタ)アクリル酸系共重合体。
- 前記構成単位(a)と前記構成単位(b1)の相互割合が、前記構成単位(a)87〜96モル%、前記構成単位(b1)4〜13モル%である、請求項1に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体。
- 共重合体の全構成単位中における前記構成単位(a)と前記構成単位(b1)の含有割合の合計が93〜100モル%である、請求項1または2に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体。
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