JP2022093833A - 水処理薬剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりシリカスケールの抑制能に優れることから、例えばシリカスケールの抑制剤として好適に使用することが可能な水処理薬剤を提供することを目的とする。【解決手段】(メタ)アクリル酸由来の構造単位と、スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位と、エーテル結合含有単量体由来の構造単位とを含む共重合体と、塩基性pH調整剤を含む、水処理薬剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、水処理薬剤に関する。より詳しくは、シリカスケールなどのスケールの抑制に用いられる水処理薬剤に関する。
例えば、地熱発電や、工業用冷却水、ボイラ―水系、排水処理、海水の淡水処理化等において、炭酸カルシウムやシリカなどのスケールの発生が問題になる。
例えば特許文献1に記載の共重合体は、疎水粒子の分散性を向上させ、また、カルシウムイオンへの優れたキレート能を発揮するため、地熱発電装置の配管や装置内部に対して極めて良好なスケール抑制能を発揮することが可能となることから、地熱発電装置用スケール抑制剤として好適に用いることができることが開示されている。
特開2016-64382号公報
上記のとおり各種スケール抑制剤が提案されているが、シリカスケールの抑制能をさらに向上させる要望があった。
よって、本発明は、従来よりシリカスケールの抑制能に優れることから、例えばシリカスケールの抑制剤として好適に使用することが可能な水処理薬剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成する為に種々検討を行ない、本発明に想到した。
すなわち本開示の水処理薬剤は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位と、スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位と、エーテル結合含有単量体由来の構造単位とを含む共重合体と、塩基性pH調整剤を含む、水処理薬剤である。
本開示の水処理薬剤は、シリカ成分などの良好な抑制能を発現する。よって、本開示の水処理薬剤は、シリカスケールなどのスケール抑制に用いる水処理薬剤として好ましく使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
[本開示の水処理薬剤]
本開示の水処理薬剤は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位と、スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位と、エーテル結合含有単量体の構造単位とを含む共重合体と塩基性pH調整剤を含む。なお、上記共重合体を、本開示の共重合体と呼ぶことがある。
<(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位>
本開示において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの塩をいう。
上記塩としては、特に制限はないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩、アンモニウム塩などが例示される。
本開示において、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とは、(メタ)アクリル酸(塩)の炭素炭素二重結合が炭素炭素単結合に置き換わった構造単位を表す。例えば、アクリル酸、CH=CH(COOH)、であれば、アクリル酸由来の構造単位は、-CH-CH(COOH)-、で表すことができる。(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位は、例えば、(メタ)アクリル酸(塩)をラジカル重合することにより形成することができる。なお、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位は、(メタ)アクリル酸(塩)の炭素炭素二重結合が炭素炭素単結合に置き換わった構造と同じ構造であればよく、(メタ)アクリル酸(塩)が重合することにより形成された構造単位に限定されず、例えば重合後の後反応により形成された構造単位であってもよい。
本開示の共重合体における、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位の含有量は、本開示の共重合体を構成するすべての単量体に由来する構造単位100質量%に対し、15質量%以上、94質量%以下、好ましくは30質量%以上、89質量%以下、より好ましくは、50質量%以上、85質量%以下である。なお、上記(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位の含有量は、(メタ)アクリル酸換算で算出する。(メタ)アクリル酸換算とは、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位が(メタ)アクリル酸塩由来の構造単位である場合でも、(メタ)アクリル酸として質量計算することをいう。上記範囲であることにより、本開示のスケール抑制剤のスケールの抑制能が向上する傾向にある。
<スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位>
本開示において、スルホン酸(塩)基含有単量体とは、少なくとも1つの炭素炭素二重結合と、スルホン酸(塩)基とを含む化合物をいう。上記少なくとも1つの炭素炭素二重結合は、通常はラジカル重合性を有する。
上記塩としては、特に制限はないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩、アンモニウム塩などが例示される。
本開示において、スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位とは、スルホン酸(塩)基含有単量体の少なくとも一つの炭素炭素二重結合が炭素炭素単結合に置き換わった構造単位を表す。なお、スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位は、スルホン酸(塩)基含有単量体の少なくとも1つの炭素炭素二重結合が炭素炭素単結合に置き換わった構造と同じ構造であればよく、スルホン酸(塩)基含有単量体が重合することにより形成された構造単位に限定されず、例えば重合後の後反応により形成された構造単位であってもよい。
本開示の共重合体における、スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位の含有量は、本開示の共重合体を構成するすべての単量体に由来する構造単位100質量%に対し、5質量%以上、55質量%以下、好ましくは8質量%以上、45質量%以下、より好ましくは、10質量%以上、30質量%以下である。なお、上記スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位の含有量は、ナトリウム塩換算で算出する。上記ナトリウム塩換算で算出するとは、スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位に含まれるスルホン酸(塩)基が例えば酸型のスルホン酸基である場合でも、スルホン酸基のナトリウム塩であるとして質量計算することをいう。上記範囲であることにより、本開示のスケール抑制剤のスケールの抑制能が向上する傾向にある。
スルホン酸(塩)基含有単量体としては、具体的には、ビニルスルホン酸及びその塩、スチレンスルホン酸及びその塩、(メタ)アリルスルホン酸及びその塩 、3-(メタ)アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩、3-(メタ)アリルオキシ-1-ヒドロキシプロパンスルホン酸(以下、HAPSともいう)及びその塩、2-(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸及びその塩、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及びその塩等が挙げられる。本開示のスケール抑制剤のスケールの抑制能が向上する傾向にあることから、3-(メタ)アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩であることが好ましく、より好ましくは、3-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩である。
<エーテル結合含有単量体由来の構造単位>
本開示において、エーテル結合含有単量体とは、少なくとも1つの炭素炭素二重結合と、エーテル結合とを含む化合物をいう。ただし、スルホン酸(塩)基含有単量体は、エーテル結合を含む化合物であっても、エーテル結合含有単量体には含めない。上記少なくとも1つの炭素炭素二重結合は、通常はラジカル重合性を有する。
本開示において、エーテル結合含有単量由来の構造単位とは、エーテル結合含有単量の少なくとも一つの炭素炭素二重結合が炭素炭素単結合に置き換わった構造単位を表す。なお、エーテル結合含有単量由来の構造単位は、エーテル結合含有単量の少なくとも1つの炭素炭素二重結合が炭素炭素単結合に置き換わった構造と同じ構造であればよく、エーテル結合含有単量が重合することにより形成された構造単位に限定されず、例えば重合後の後反応により形成された構造単位であってもよい。
本開示の共重合体における、エーテル結合含有単量体由来の構造単位の含有量は、本開示の共重合体を構成するすべての単量体に由来する構造単位100質量%に対し、1質量%以上、30質量%以下、好ましくは3質量%以上、25質量%以下、より好ましくは、3質量%以上、20質量%以下、最も好ましくは、3質量%以上、15質量%以下である。なお、上記エーテル結合含有単量体由来の構造単位がカルボキシル基(塩)などの酸基を含む場合、その含有量は、酸換算で算出する。酸換算とは、単量体由来の構造単位が酸基の塩を含む場合でも、対応する酸として質量計算することをいう。後述するその他の単量体に由来する構造単位についても、同様に質量計算する。上記範囲であることにより、本開示のスケール抑制剤のスケールの抑制能が向上する傾向にある。
エーテル結合含有単量体としては、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル等のビニルエーテル;エチルメタリルエーテル、ブチルメタリルエーテル、ベンジルメタリルエーテル等の(メタ)アリルエーテル;エチルイソプレニルエーテル、ブチルイソプレニルエーテル、ベンジルイソプレニルエーテル等のイソプレニルエーテルなどが例示されるが、スケールの分散性特に向上する傾向にあることから、下記一般式(1)で表される単量体が好ましい。
Figure 2022093833000001
(前記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。Xは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。Yは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。但し、X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。)
Figure 2022093833000002
(前記一般式(2)、(3)中、Rは、同一又は異なって、炭素数2~4のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(-O-R-)の平均付加モル数であって、0~5の数を表す。R、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル基を表す。)
本開示のスケール抑制剤のスケールの抑制能が向上する傾向にあることから、R、R、Rは、炭素数が1~12であることがより好ましく、1~8であることがさらに好ましく、1~4であることが最も好ましい。なお、上記アルキル基は直鎖状、分岐状であってもよく、環状構造を含んでいてもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、アルコキシ基、アリール基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、複素環基などが例示される。置換基を有する場合は1つまたは2つ以上であってもよく、置換基を含めたアルキル基が上記炭素数であることが好ましい。
<その他の単量体由来の構造単位>
本開示の共重合体は、所望に応じて、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位、スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位、およびエーテル結合含有単量体の構造単位以外の単量体に由来する構造単位(その他の単量体に由来する構造単位ともいう)を有していてもよい。
本開示において、その他の単量由来の構造単位とはその他の有単量の少なくとも一つの炭素炭素二重結合が炭素炭素単結合に置き換わった構造単位を表す。なお、その他の単量体由来の構造単位は、その他の単量体の少なくとも1つの炭素炭素二重結合が炭素炭素単結合に置き換わった構造と同じ構造であればよく、その他の単量体が重合することにより形成された構造単位に限定されず、例えば重合後の後反応により形成された構造単位であってもよい。
本開示の共重合体における、その他の単量体に由来する構造単位の含有量は、本開示の共重合体を構成するすべての単量体に由来する構造単位100質量%に対し、0質量%以上、15質量%以下、好ましくは0質量%以上、10質量%以下、より好ましくは、0質量%以上、5質量%以下である。
前記その他の単量体としては、マレイン酸、イタコン酸、及びこれらの塩等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコール及びこれらにアルキレンオキサイドを付加した単量体、アルコキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基を有するビニル芳香族系単量体;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のジアリルアルキルアミン等のアリルアミン等のアミノ基含有単量体及びこれらの四級化物;N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニルオキサゾリドン等のN-ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、t-ブチルアクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の水酸基含有単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体;スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;イソブチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
<本開示の共重体の物性等>
本開示の共重合体は、重量平均分子量(Mw)が3000以上、200000以下であることが好ましく、5000以上、100000以下であることがより好ましく、7000以上、60000以下であることがさらに好ましく、8000以上、60000以下が特に好ましく、10000以上、60000以下であることがさらに好ましく、10000以上、45000以下が最も好ましい。上記範囲であることにより、本開示のスケール抑制剤のスケール抑制能がより向上する傾向にある。
本開示の共重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位、スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位、およびエーテル結合含有単量体の構造単位をそれぞれ1種または2種以上含み、必要に応じてその他の単量体に由来する構造単位を1種または2種以上含む。本開示の共重合体は、主鎖末端等に水酸基、スルホン酸(塩)基、次亜リン酸(塩)基等の重合開始剤や連鎖移動剤に由来する構造単位を含んでいてもよい。
本開示の共重合体は、カルボン酸(塩)基やスルホン酸(塩)基などの酸基を含むが、本開示の共重合体の酸基は中和されていても良い。なお、上記中和率は、例えば通常の酸塩基滴定などにより算出することができる。
<本開示の共重合体の製造方法>
本開示の共重合体の製造方法は、特に制限されないが、通常は(メタ)アクリル酸(塩)、スルホン酸(塩)基含有単量体、およびエーテル結合含有単量体、必要に応じてその他の単量体に由来する構造単位を重合することにより製造することが好ましい。
本開示の共重合体を製造工程において、通常は重合開始剤を使用する。本開示の共重合体の製造工程において、重合溶媒や連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤としては、過酸化水素、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸(塩)、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸水素(塩)、メルカプト化合物等が例示される。
[本開示のpH調整剤]
本開示のpH調整剤は、水処理薬剤を構成する成分であり、薬剤のpHを適正にする役割がある。薬剤のpHを適正することでシリカスケールなどのスケール抑制に効果があり、さらには実使用条件での用水のpHを適正な範囲に調整することで腐食を防止する効果もある。スケール防止、配管等の腐食防止という観点から本開示のpH調整剤は塩基性であることが好ましく、塩基性を示す化学物質を任意に使用できる。塩基性を示す化学物質は例えば無機物質であればアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物が挙げられ、有機化合物であればアンモニウム塩、アミン塩などが挙げられる。中でも入手の容易性や価格の理由から無機物質が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどが好ましく、価格の理由から特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの強塩基性を示す物質が好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
[本開示の水処理薬剤]
本開示の水処理薬剤は、本開示の共重合体と本開示の塩基性pH調整剤を必須に含む。本開示の水処理薬剤における本開示の共重合体の含有量は、1質量%以上90質量%以下であることが好ましく、1質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上60質量%以下が最も好ましい。本開示の水処理薬剤は、水などの溶媒や、その他のスケール抑制剤、防腐剤などを含んでいてもよい。
本開示の水処理薬剤は、防食性とスケール抑制能向上の理由から、水を含む場合は、pHが8.0以上であることが好ましい。上記範囲であることにより、配管の防食性が向上し、用水中に溶出する金属イオン成分が減少するため、本開示の水処理薬剤のスケール抑制能がより向上する傾向にある。
[本開示の水処理方法]
本開示の水処理方法は、本開示の共重合体と本開示のpH調整剤を併用する水処理方法であることが好ましい。本開示の共重合体と本開示のpH調整剤は同時に添加しても良く、別々に添加しても良い。本開示の共重合体とpH調整剤の合計100質量%に対して、本開示の共重合体は20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上が特に好ましい。又一方95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。この割合で添加することで、本開示の水処理においてスケール抑制能が向上する傾向にある。
[本開示の水処理薬剤の用途]
本開示の水処理薬剤は、水系用途において高い性能を発揮でき、地熱発電プロセス、油井やガス井のプロセス、正浸透膜もしくは逆浸透膜を用いた海水淡水化プロセスもしくは廃液濃縮プロセス、ボイラー水循環系、冷却水の循環系などに用いるスケール抑制剤として好ましく適用できる。
本開示の水処理薬剤は、例えばシリカスケールや炭酸カルシウムのスケール抑制剤として好ましく適用できる。
本開示の水処理薬剤はスケール防止処理用途の対象である上記各種用水に対して含有する重合体換算で0.01ppm以上、20%以下、好ましくは0.01ppm以上10%以下であるように調整されることが好ましい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<重量平均分子量の測定条件(GPC)>
装置:東ソー株式会社製HLC8320
カラム:株式会社昭和電工製 SHODEX Asahipak GF-310-HQ、
GF-710-HQ、GF-1G-7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:American Polymer Standards Corporation製 Polyacrylic acid standard
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム
<単量体(1)の合成>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製4つ口フラスコに、
n-ブチルアルコール370.0gと、ペレット状の水酸化ナトリウム4.27gを仕込
み、攪拌しながら60℃まで昇温した。次に、アリルグリシジルエーテル(以下、「AG
E」とも称する。)57.0gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。この
溶液を1,000mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。
ここに、20質量%塩化ナトリウム水溶液200.0gを加え、この水溶液を500ml
の分液ロートへ移し、よく振り混ぜた後、分層するまで静置し、下層を取り除いた。残っ
た上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析
出してきた塩を濾過により取り除き、単量体(1)を得た。
<合成例1>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量2000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水184.1g、及びモール塩0.0252gを仕込み、攪拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」とも称する。)400.0g、40%3-(メタ)アリルオキシ-1-ヒドロキシプロパンスルホン酸水溶液(以下、「40%HAPS」とも称する。)166.9g、単量体(1)20.0g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」とも称する。)102.4g、及び、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、「35%SBS」とも称する。)22.2gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については150分間、15%NaPSについては200分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。80%AAの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%水酸化ナトリウム水溶液(要薬品株式会社製)298.2gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、本発明の重合体(1)を含む固形分濃度41.7%の重合体水溶液(1)を得た。重合体(1)の重量平均分子量は31,000であった。
<合成例2>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量5,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水600.1g及びモール塩0.064gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA1070.0g、40%HAPS446.5g、単量体(1)53.5g、15%NaPS287.4g、及び、35%SBS37.1gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては210分間、35%SBSについては170分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に20分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%水酸化ナトリウム水溶液(要薬品株式会社製)29.4gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、固形分濃度46.7%の本発明の重合体(2)を得た。重合体(2)の重量平均分子量は36,600であった。
<シリカスケール抑制率評価試験>
珪酸ナトリウム水溶液:メタケイ酸ナトリウム9水和物(Aldrich社製)129gにイオン交換水を加えて合計150gとなるように調整する。
硫酸マグネシウム水溶液:硫酸マグネシウム7水和物(和光薬品株式会社製)8.115gにイオン交換水を加えて合計1000gとなるように調整する。
水処理薬剤:48%水酸化ナトリウム水溶液(要薬品株式会社製)をイオン交換水で希釈し、10%水酸化ナトリウム水溶液を作成した。合成例で得られた重合体水溶液に,実施例に記載のとおり10%水酸化ナトリウム水溶液、イオン交換水を加え作成した。
重合体濃度が1000ppmになるようにイオン交換水で希釈した上記水処理薬剤2.3g、脱イオン水32.4g、上記珪酸Na水溶液2.8g、硫酸Mg水溶液2.5gを混合し、70℃のオーブンにいれ48h放置後、0.45μm目開きのフィルターを使用して、試験液を吸引ろ過し、得られたろ液をICP(発光分光分析法)にて、試験後Si濃度をSiO換算で測定した。
シリカスケール抑制率(%)=試験後SiO(ppm)/試験前SiO濃度(ppm)×100
シリカスケール抑制率は以下の基準で判定した。
<抑制率評価基準>
46%以上:○
46%未満:×
<実施例1>
合成例1で得られた重合体(1)5.25gにpH調整剤として10%水酸化ナトリウム(要化学株式会社製)水溶液3.12g、イオン交換水44gを添加し、pH9.0の水処理薬剤を得た。さらにこの水処理薬剤を重合体濃度が1000ppmになるようにイオン交換水で希釈し、重合体含有水溶液を得た。
上記シリカスケール抑制率評価試験を行ったところ48h放置後の試験液のpHは11.2であった。
<実施例2>
合成例2で得られた重合体(2)3.8gにpH調整剤として10%水酸化ナトリウム水溶液7.9g、イオン交換水27gを添加し、pH9.2の水処理薬剤を得た。
実施例1と同様にシリカスケール抑制率評価試験を実施した。試験後の溶液pHは11.2であった。
<比較例1>
合成例1で得られた重合体(1)5.2gにイオン交換水56.9gを加え、pH5.5の水処理薬剤を得た。実施例1と同様にシリカスケール抑制率評価試験を実施した。試験後の溶液pHは11.1であった。

結果を表1に記載した。
Figure 2022093833000003
表1中、「組成」は、アクリル酸(塩)に由来する構造単位/3-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム(HAPS)に由来する構造単位/単量体(1)に由来する構造単位」を表す。
表1の結果から、本開示の水処理薬剤は、シリカスケール抑制能に優れることがわかった。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位と、スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位と、エーテル結合含有単量体由来の構造単位とを含む共重合体と、塩基性PH調整剤を含む、水処理薬剤。
  2. 前記水処理薬剤のPHが8以上である、請求項1に記載の水処理薬剤。
  3. 前記エーテル結合含有単量体由来の構造単位が、下記一般式(1)で表される単量体に由来する構造単位である、請求項1又は2に記載の水処理薬剤。
    Figure 2022093833000004
    (前記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。Xは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。Yは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。但し、X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。)
    Figure 2022093833000005
    (前記一般式(2)、(3)中、Rは、同一又は異なって、炭素数2~4のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(-O-R-)の平均付加モル数であって、0~5の数を表す。R、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル基を表す。)
  4. 前記スルホン酸(塩)基含有単量体由来の構造単位が、3-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸もしくはその塩に由来する構造単位である、請求項1~3のいずれか1項に記載の水処理薬剤。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の水処理薬剤を用水処理に使用する、スケール付着防止方法。
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