JP6298646B2 - カルボキシル基含有共重合体 - Google Patents

カルボキシル基含有共重合体 Download PDF

Info

Publication number
JP6298646B2
JP6298646B2 JP2014023962A JP2014023962A JP6298646B2 JP 6298646 B2 JP6298646 B2 JP 6298646B2 JP 2014023962 A JP2014023962 A JP 2014023962A JP 2014023962 A JP2014023962 A JP 2014023962A JP 6298646 B2 JP6298646 B2 JP 6298646B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
group
monomer
carboxyl group
containing copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014023962A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015151414A (ja
Inventor
山口 繁
繁 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2014023962A priority Critical patent/JP6298646B2/ja
Publication of JP2015151414A publication Critical patent/JP2015151414A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6298646B2 publication Critical patent/JP6298646B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、カルボキシル基含有共重合体に関する。より詳しくは、原油掘削及び生産時に於ける、油層圧力を維持するための海水への添加剤として有用なカルボキシル基含有共重合体、その製造方法及びその共重合体を含む原油掘削及び生産用スケール防止剤に関する。
一般に、原油生産に於いて、油層内に働く自然の力による圧力だけでは、原油の採取につれて油層内の圧力が低下するため、油層内に存在する原油の内、数10%程度しか回収する事はできません。そのため、多くの原油が油層内に取り残されます。原油回収率を最大化する事が石油開発会社の最重要課題であります。これらを解決するため、世界中で様々の原油回収方法が提案されてきました。これらには、水やガスを油層に圧入する方法や、薬剤を原油に混ぜて原油の流動性を向上させる方法があります。
原油生産が海上で行われる場合、油層内の圧力を保持する目的で、多くの場合、海水を油層に圧入します。その際、バライトと呼ばれる主成分が硫酸バリウムである加重剤を、海水の比重調整剤として用いられる。
海水中には、バリウムイオン及びその硫酸塩は、約0.03ppm含まれます。バリウムの硫酸塩は、水に対して不溶の化合物であります。上記の通り、加重剤として、硫酸バリウムを使用する場合もあります。そのため、原油生産に於いて、海水に含まれるこれらの水不溶性化合物が、配管や機器へのスケールとなり、配管への圧力損失や機器への閉塞の原因となり、重大な問題となります。
これらの問題を解決するため、硫酸バリウムなどのスケールを防止するための各種の方法が特許文献1〜4に提案されてきた。これらの特許文献では、カルボキシル基含有共重合体を用いた例が示されている。
一方で、連鎖移動剤として重亜硫酸塩を用いる場合、重合中において、副生成物として3−スルホプロピオン酸(以下、3SPAと称する場合がある)の生成が促進されるという問題があり、(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法において、この発生量の増加を抑制することも求められている。
米国特許第4937002号 欧州公開第1719784号 米国特許第4039459号 国際公開第1994/003706号 国際公開第2010/024448号
上述したように、カルボキシル基含有共重合体として様々な構造を持ったものが検討されている。近年の石油需要は、中国、インド、東南アジア及び中東諸国などの経済発展により大きな増加が見込まれている。その反面、供給面に於いては北海、中国および東南アジア等の既存の開発油田の埋蔵量低減と生産減少が予想されている。
そのため、硫酸バリウムなどのスケール防止に関しては、従来よりも高い性能を求められる様になってきた。
本発明は、前記現状に鑑みてなされたものであり、原油掘削及び生産の際、油層圧力を維持するための海水への添加剤として優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することができるカルボキシル基含有共重合体、その製造方法及び、その共重合体を含む原油掘削及び生産用スケール防止剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、原油掘削及び生産用硫酸バリウムスケール防止剤に好適に用いることができる共重合体について検討したところ、エーテル結合含有単量体に由来する構造単位と、スルホン酸基含有単量体に由来する構造単位と、アクリル酸系単量体に由来する構造単位とを特定の割合で含み、特定の重量平均分子量を有するカルボキシル基含有共重合体が、高濃度の硫酸バリウム存在下においても、極めて良好な硫酸バリウムスケール防止能を発揮することができることを見出した。また、前記カルボキシル基含有共重合体において、アクリル酸系単量体(C)に亜硫酸水素塩が付加した構造の化合物(3SPA)の含有量を特定量に抑えることにより、上述した性能が一層優れたものとなることを見出した。更に、このような重合体を、新たなニーズに対応する原油掘削及び生産用硫酸バリウムスケール防止剤として好適に用いることができることも見出し、前記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
<1>本発明の共重合体は、カルボキシル基含有共重合体であって、
前記カルボキシル基含有共重合体は、
エーテル結合含有単量体(A)に由来する下記一般式(1)で表される構造単位(a)と、スルホン酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)と、
(メタ)アクリル酸系単量体(C)に由来する構造単位(c)と
を含み、
前記カルボキシル基含有共重合体は、前記カルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、
構造単位(a)を0.5質量%以上、15質量%以下、
構造単位(b)を0質量%以上、40質量%以下、及び、
構造単位(c)を45質量%以上、99.5質量%以下含み、
重量平均分子量が2,000〜70,000であり、
前記カルボキシル基含有共重合体の水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が0.3〜5質量%であり、
且つ、硫酸バリウムスケール防止能が10g/L(BaSO換算)以上である
カルボキシル基含有共重合体である。
Figure 0006298646
(前記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。Xは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。Yは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。但し、X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。)
Figure 0006298646
(前記一般式(2)、(3)中、Rは、同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−O−R−)の平均付加モル数であって、0〜5の数を表す。R、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
<2>また、本発明の前記カルボキシル基含有共重合体は、水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が0.3〜5質量%であるカルボキシル基含有共重合体である。
<3>また、本発明は、重量平均分子量が2,000〜20,000である前記カルボキシル基含有共重合体である。
<4>本発明は、カルボキシル基含有共重合体の製造方法であって、
前記製造方法は、重合開始剤の存在下、
下記一般式(4)で表されるエーテル結合含有単量体(A)と、
Figure 0006298646
(前記一般式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。Xは、水酸基、前記一般式(2)で表される基、又は、前記一般式(3)で表される基を表す。Yは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。但し、X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。)
スルホン酸基含有単量体(B)と、
(メタ)アクリル酸系単量体(C)とを
含む単量体成分を重合する工程を含み、
全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対し、
エーテル結合含有単量体(A)の含有量が0.5質量%以上、15質量%以下、
スルホン酸基含有単量体(B)の含有量が0質量%以上、40質量%以下、及び、
(メタ)アクリル酸系単量体(C)の含有量が45質量%以上、99.5質量%以下含み、
重量平均分子量が2,000〜70,000であり、
前記カルボキシル基含有共重合体の水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が0.3〜5質量%であり、
且つ、硫酸バリウムスケール防止能が10g/L(BaSO換算)以上である
カルボキシル基含有共重合体の製造方法である。
<5>また、前記カルボキシル基含有重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、構造単位(a)を3質量%以上、12質量%以下であるカルボキシル基含有共重合体の製造方法である。
<6>また、重量平均分子量が2,000〜20,000であるのカルボキシル基含有共重合体の製造方法である。
<7>本発明の組成物は、
前記カルボキシル基含有共重合体と3−スルホプロピオン酸を含むカルボキシル基含有共重合体組成物であって、
前記カルボキシル基含有共重合体が98.5〜99.99質量%であり、
前記3−スルホプロピオン酸が0.01〜1.5質量である、
カルボキシル基含有共重合体組成物である。
<8>本発明は、前記カルボキシル基含有共重合体を含む原油掘削及び生産用スケール防止剤である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものであっても、本発明の好ましい形態である。
〔カルボキシル基含有共重合体〕
本発明のカルボキシル基含有共重合体についてまず説明する。
前記カルボキシル基含有共重合体(以下、「重合体」ともいう)は、前記カルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位(以下、「全構造単位」ともいう)の総量100質量%に対して、構造単位(a)を0.5質量%以上、15質量%以下、構造単位(b)を0質量%以上、40質量%以下、及び、構造単位(c)を45質量%以上、99.5質量%以下含む。
また、構造単位(a)はエーテル結合含有単量体(A)に由来し、構造単位(b)はスルホン酸基含有単量体(B)に由来し、構造単位(c)はアクリル酸系単量体(C)に由来する。
更に、前記カルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量は、2,000〜70,000であり、さらに、前記カルボキシル基含有共重合体の水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が0.3〜5質量%であり、それに加えて、硫酸バリウムスケール防止能が10g/L(BaSO換算)以上である。
<エーテル結合含有単量体(A)>
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、エーテル結合含有単量体(A)(以下、単量体(A)ともいう)に由来する構造単位(a)を必須とする重合体である。
前記エーテル結合含有単量体(A)に由来する構造単位(a)は、下記一般式(1)で表される。これは、後述の一般式(4)で表されるエーテル結合含有単量体(A)の炭素−炭素二重結合が単結合になった形態である。
Figure 0006298646
(前記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。Xは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。Yは、水酸基、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。但し、X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、下記一般式(2)で表される基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。)
Figure 0006298646
(前記一般式(2)、(3)中、Rは、同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−O−R−)の平均付加モル数であって、0〜5の数を表す。R、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
前記構造単位(a)は、前記一般式(2)又は(3)のような疎水性基を有するため、硫酸バリウムとの相互作用が向上する。また、このような構造単位(a)を有することによって、カルボキシル基含有共重合体は、優れたキレート能を有することとなるため、極めて良好な硫酸バリウムスケール防止能を発揮することができる。
また、前記エーテル結合含有単量体(A)は、ビニル基、メタリル基、(メタ)アクリル基等の重合性の不飽和結合(炭素−炭素二重結合)、エーテル結合、水酸基及びスルホン基を有する構造である。
さらに、前記エーテル結合含有単量体(A)としては、下記一般式(4);
Figure 0006298646
(前記一般式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。Xは、水酸基、下記一般式(5)で表される基、又は、下記一般式(6)で表される基を表す。Yは、水酸基、下記一般式(5)で表される基、又は、下記一般式(6)で表される基を表す。但し、X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、前記一般式(2)で表される基、又は、前記一般式(3)で表される基を表す。)
前記一般式(4)において、Rが直接結合である場合とは、一般式(4)のHC=C(R)−R−O−が、HC=C(R)−O−で表されることを意味する。また、前記一般式(1)においても同様である。
C=C(R)−R−は、Rがメチル基、RがCH基の場合はメタリル基;Rがメチル基、RがCHCH基の場合はイソプレニル基;Rがメチル基、Rが直接結合の場合はイソプロペニル基;Rが水素原子、RがCH基の場合はアリル基;Rが水素原子、RがCHCH基の場合はブテニル基;Rが水素原子、Rが直接結合の場合はビニル基を表す。
C=C(R)−R−としては、イソプレニル基、メタリル基、アリル基、ビニル基が好ましい。重合性を高める観点からは、イソプレニル基、メタリル基、アリル基がより好ましく、イソプレニル基、メタリル基であると、水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入り、硫酸バリウムとの相互作業が向上し、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮するため、更に好ましい。
前記一般式(1)、(4)におけるX、Yは、それぞれ独立して、水酸基、前記一般式(2)で表される基、又は、前記一般式(3)で表される基を表す。但し、X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、前記一般式(2)で表される基、又は、前記一般式(3)で表される基を表す。
前記一般式(2)、(3)におけるRは、同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。また、エーテル結合含有単量体(A)の重合性を良好にする観点から、エチレン基、プロピレン基等の炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。前記アルキレン基としては、1種又は2種以上を用いることができる。
前記一般式(2)、(3)におけるnは、オキシアルキレン基(−O−R−)の平均付加モル数であり、0〜5の数を表す。
水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入り、硫酸バリウムとの相互作業が向上し、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮するという観点から、nは、0〜4が好ましく、0〜3がより好ましく、0〜2が更に好ましく、0〜1が特に好ましく、0が最も好ましい。
前記一般式(2)、(3)におけるR、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表す。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。前記炭素数1〜4のアルキル基は置換されていてもよい。置換基としては、アミノ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入り、硫酸バリウムとの相互作業が向上し、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮するという観点から、メチル基、エチル基、ブチル基が好ましく、ブチル基がより好ましい。
また、前記一般式(3)におけるR及びRは、それぞれ結合して環状構造を形成してもよい。この場合、環状構造が安定する点で、窒素原子、R及びRで形成される環状構造は3〜7員環であること、すなわちR及びRの合計炭素数が2〜6であることが好ましい。
前記XとYの組合せとしては、Xが水酸基、Yが前記一般式(2)で表される基;Xが水酸基、Yが前記一般式(3)で表される基;Xが前記一般式(2)で表される基、Yが水酸基;Xが前記一般式(3)で表される基、Yが水酸基として挙げられる。硫酸バリウムスケール防止能向上の点から、好ましくはXが水酸基、Yが前記一般式(2)で表される基;Xが水酸基、Yが前記一般式(3)で表される基であり、より好ましくはXが水酸基、Yが前記一般式(2)で表される基である。
なお、本発明のカルボキシル基含有共重合体が「エーテル結合含有単量体(A)に由来する構造単位(a)」を有するとは、最終的に得られた重合体が前記一般式(1)で表される構造単位を有することを意味する。すなわち、本発明における「エーテル結合含有単量体(A)に由来する構造単位(a)」には、構造単位(a)の形成工程が重合反応の前後にわたるものも含まれ、例えば、前記エーテル結合含有単量体(A)を合成した後、それを他の単量体成分と共重合させることによって重合体中に導入されるものや、カルボキシル基含有共重合体の主鎖部分を共重合によって形成し、その後特定の構造を有する側鎖を導入して得られるものも含まれる。
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、構造単位(a)を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
前記構造単位(a)の含有量は、カルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量(構造単位(a)、後述する構造単位(b)、(c)及び(e)の総量)100質量%に対して、0.5質量%以上、15質量%以下である。構造単位(a)の含有量が前記範囲内であれば、本発明の重合体を原油掘削及び生産用添加剤として使用した場合に、前記重合体と水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入り、硫酸バリウムとの相互作用が良好なものとなるため、前記重合体と相互作用した硫酸バリウムを分散させることができ、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することが可能となる。
前記構造単位(a)の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、10質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上、9質量%以下であり、更に好ましくは2質量%以上、8質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以上、7質量%以下である。
前記エーテル結合含有単量体(A)の調製方法としては、特に制限されず、任意の適切な方法により調製することができる。そのような調製方法としては、例えば、炭素−炭素二重結合とエポキシ環を有する化合物のエポキシ環に、炭素数1〜4のアルキル基と水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物の前記水酸基及び/又はアミノ基を反応することにより製造する方法等が簡便な方法として挙げられる。前記炭素−炭素二重結合とエポキシ環を有する化合物としては、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジルビニルエーテル等が挙げられる。前記炭素数1〜4のアルキル基と水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジn−イソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン等が挙げられる。前記反応は、無触媒で行っても良いが、三フッ化ホウ素等の酸性触媒や、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基性触媒の存在下で行っても構わない。
<スルホン酸基含有単量体(B)>
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、スルホン酸基含有単量体(B)(以下、単量体(B)ともいう)に由来する構造単位(b)も必須とする重合体である。
前記構造単位(b)としては、単量体(B)の炭素−炭素二重結合(複数有する場合には少なくとも1つ)が単結合となった構造が挙げられる。前記単量体(B)としては、好ましくは、下記一般式(5)で表されるものであり、前記構造単位(b)としては、好ましくは、下記一般式(6)で表されるものである。
Figure 0006298646
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。R、Rは、それぞれ独立して、水酸基又は−SOZを表し、Zは水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。但し、R、Rの少なくとも一方は−SOZを表す。)
Figure 0006298646
(式中、R、R、R、Rは、前記と同じ。)で表される構造が挙げられる。
このような構造単位(b)を有することによって、カルボキシル基含有共重合体は、キレート能が向上するため、極めて良好な硫酸バリウムスケール防止能を発揮することができる。
前記一般式(3)、(4)において、Rは、水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
は、CH基、CHCH基又は直接結合を表し、好ましくはCH基である。
、Rは、それぞれ独立して、水酸基又は−SOZを表し、R、Rの少なくとも一方は−SOZを表す。本発明の効果をより充分に発現させるために、R、Rのいずれか一方のみが−SOZであることが好ましい。
Zは水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。
Zが金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基の場合は、−SOZは、スルホン酸の金属塩、アンモニウム塩又は有機アミン塩を表す。
前記Zにおける金属原子、有機アミン基としては、後述のR10における金属原子、有機アミン基と同じものが挙げられる。Zとしては、好ましくは、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基であり、より好ましくは、水素原子、ナトリウム、カリウムであり、更に好ましくは、水素原子、ナトリウムである。
なお、本発明のカルボキシル基含有共重合体が「スルホン酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)」を有するとは、最終的に得られた重合体が前記一般式(6)で表される構造単位を有することを意味する。すなわち、本発明における「スルホン酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)」には、構造単位(b)の形成工程が重合反応の前後にわたるものも含まれ、例えば、前記スルホン酸基含有単量体(B)を合成した後、それを他の単量体成分と共重合させることによって重合体中に導入されるものや、カルボキシル基含有共重合体の主鎖部分を共重合によって形成し、その後特定の構造を有する側鎖を導入して得られるものも含まれる。
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、構造単位(b)を1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
前記構造単位(b)の含有量は、カルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量(構造単位(a)、(b)、後述する構造単位(c)及び(e)の総量)100質量%に対して、0質量%以上、40質量%以下である。構造単位(b)の含有量が前記範囲内であれば、本発明の重合体を原油掘削及び生産用添加剤として使用した場合に、前記重合体と水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入り、硫酸バリウムとの相互作用が良好なものとなるため、前記重合体と相互作用した硫酸バリウムを分散させることができ、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することが可能となる。
前記構造単位(b)の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、25質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上、23質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以上、22質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以上、21質量%以下である。
なお、本発明において、前記構造単位(b)の、カルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合は、対応する酸換算で計算するものとする。例えば、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムに由来する構造単位の質量割合は、対応する酸である3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸に由来する構造単位の質量割合(質量%)として計算する。同様に、スルホン酸基含有単量体(B)の、全単量体の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算で計算するものとする。例えば、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの質量割合は、対応する酸である3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸の質量割合(質量%)として計算する。
また、前記スルホン酸基含有単量体(B)としては、重合性の不飽和結合(炭素−炭素二重結合)と、スルホン酸(塩)基を含む化合物が挙げられる。具体的には、ビニルスルホン酸及びその塩、スチレンスルホン酸及びその塩、(メタ)アリルスルホン酸及びその塩、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩、3−(メタ)アリルオキシ−1−ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩、2−(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸及びその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩等が挙げられる。本発明の効果をより充分に発現させるために、好ましくは、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩であり、より好ましくは、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩である。
前記スルホン酸基含有単量体(B)の調製方法としては、特に制限されず、任意の適切な方法により調製することができる。そのような調製方法としては、例えば、(メタ)アリルグリシジルエーテルのグリシジル基に亜硫酸水素塩を付加させる方法等が簡便な方法として挙げられる。
<アクリル酸系単量体(C)>
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、アクリル酸系単量体(C)(以下、単量体(C)ともいう)に由来する構造単位(c)も必須とする重合体である。
本発明におけるアクリル酸系単量体(C)としては、下記一般式(7);
Figure 0006298646
(式中、R10は、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表される単量体が挙げられる。
また、前記アクリル酸系単量体(C)に由来する構造単位(c)としては、単量体(C)の炭素−炭素二重結合が単結合になった形態であり、下記一般式(8);
Figure 0006298646
(式中、R10は、前記定義と同じ。)で表される構造が挙げられる。
このような構造単位(c)を有することによって、カルボキシル基含有共重合体は、高性能分散剤となるため、極めて良好な硫酸バリウムスケール防止能を発揮することができる。
前記一般式(7)、(8)において、R10が金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基の場合は、アクリル酸系単量体(C)は、アクリル酸の金属塩、アンモニウム塩又は有機アミン塩となる。
前記一般式(7)、(8)のR10における金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子;アルミニウム、鉄等が挙げられる。
10における有機アミン基としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン;エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミン等が挙げられる。
10としては、得られる重合体の硫酸バリウムスケール防止能への向上効果が高いことから、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基が好ましく、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウム基がより好ましく、水素原子、ナトリウムが更に好ましい。
前記アクリル酸系単量体(C)の具体例としては、アクリル酸及びその塩等が挙げられ、好ましくはアクリル酸及びそのナトリウム塩である。
なお、本発明のカルボキシル基含有共重合体が「アクリル酸系単量体(C)に由来する構造単位(c)」を有するとは、最終的に得られた重合体が前記一般式(8)で表される構造単位を有することを意味する。すなわち、本発明における「アクリル酸系単量体(C)に由来する構造単位(c)」には、構造単位(c)の形成工程が重合反応の前後にわたるものも含まれ、例えば、前記アクリル酸系単量体(C)を合成した後、それを他の単量体成分と共重合させることによって重合体中に導入されるものや、カルボキシル基含有共重合体の主鎖部分を共重合によって形成し、その後特定の構造を有する側鎖を導入して得られるものも含まれる。
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、構造単位(c)を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
前記構造単位(c)の含有量は、カルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量(構造単位(a)、(b)、(c)及び後述する構造単位(e)の総量)100質量%に対して、45質量%以上、99.5質量%以下である。構造単位(c)の含有量が前記範囲内であれば、本発明の重合体を原油掘削及び生産用添加剤として使用した場合に、前記重合体と水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入り、硫酸バリウムとの相互作用が良好なものとなるため、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することが可能となる。
前記構造単位(c)の含有量は、好ましくは65質量%以上、99質量%以下であり、より好ましくは68質量%以上、98質量%以下であり、更に好ましくは70質量%以上、95質量%以下であり、特に好ましくは72質量%以上、92質量%以下である。
なお、本発明において、前記構造単位(c)の、カルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合は、対応する酸換算で計算するものとする。例えば、アクリル酸ナトリウムに由来する構造単位−CH−CH(COONa)−の質量割合は、対応する酸であるアクリル酸に由来する構造単位−CH−CH(COOH)−の質量割合(質量%)として計算する。同様に、アクリル酸系単量体(C)の、全単量体の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算で計算するものとする。例えば、アクリル酸ナトリウムの質量割合は、対応する酸であるアクリル酸の質量割合(質量%)として計算する。
また、前記アクリル酸系単量体(C)の調製方法としては、特に制限されない。
<その他の単量体>
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、その他の単量体(E)(前記エーテル結合含有単量体(A)、スルホン酸基含有単量体(B)及びアクリル酸系単量体(C)以外の単量体)に由来する構造単位(e)を有していてもよい。前記カルボキシル基含有共重合体は、構造単位(e)を1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
前記その他の単量体(E)(以下、単量体(E)ともいう)は、前記単量体(A)、(B)及び(C)と共重合可能なものであれば特に限定されず、所望の効果によって適宜選択可能である。
前記その他の単量体(E)としては、具体的には、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2−メチレングルタル酸及びこれらの塩等の前記単量体(C)以外のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを付加した単量体、アルコキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基を有するビニル芳香族系単量体;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のジアリルアルキルアミン等のアリルアミン等のアミノ基含有単量体及びこれらの四級化物;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の水酸基含有単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体;スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;イソブチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
なお、前記四級化物は、前記アミノ基含有単量体に通常用いられる四級化剤を反応させることによって得られるものである。前記四級化剤としては、ハロゲン化アルキル、ジアルキル硫酸等が挙げられる。
前記その他の単量体(E)に由来する構造単位(e)とは、前記その他の単量体(E)が有する重合性の不飽和結合(炭素−炭素二重結合)(複数有する場合には少なくとも1つ)が単結合に置き換わった構造単位である。本発明のカルボキシル基含有共重合体が「その他の単量体(E)に由来する構造単位(e)」を有するとは、最終的に得られた重合体が、単量体(E)の不飽和二重結合を単結合に置き換えた構造単位を有することを意味する。
任意成分である前記その他の単量体(E)に由来する構造単位(e)の含有量としては、カルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量(すなわち構造単位(a)、(b)、(c)及び(e)の総量)100質量%に対して、0〜34質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
なお、前記構造単位(e)がアミノ基含有単量体由来の構造単位である場合には、全単量体に由来する構造単位の総量に対する質量割合や、アミノ基含有単量体の、全単量体の総量に対する質量割合を算出する際には、対応する未中和アミンの質量割合として計算するものとする。例えば、その他の単量体(E)がビニルアミン塩酸塩の場合には、対応する未中和アミンであるビニルアミンの質量割合(質量%)を計算する。
また、四級化されたアミノ基を含有する単量体又はそれに由来する構造単位の質量割合(質量%)を計算する場合には、カウンターアニオンの質量は考慮しないで(含めないで)計算するものとする。
前記構造単位(e)が酸基含有単量体由来の構造単位である場合には、全単量体由来の構造単位の総量に対する質量割合(質量%)は、対応する酸換算で計算するものとする。また、酸基含有単量体の、全単量体の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算で計算するものとする。
<カルボキシル基含有共重合体の物性>
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、前記構造単位(a)、(b)、(c)、及び、必要に応じて構造単位(e)が、前記したような特定の割合で導入されていればよく、各構造単位は、ブロック状、ランダム状のいずれで存在していてもよい。
本発明のカルボキシル基含有共重合体を構成する各単量体に由来する構造単位の組成比は、カルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、構造単位(a)が0.5〜15質量%、構造単位(b)が0〜40質量%、構造単位(c)が45〜99.5質量%であると、前記重合体と水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入り、硫酸バリウムとの相互作用が良好なものとなるため、前記重合体と相互作用した硫酸バリウムを分散させることができ、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することが可能となる。
一方、構造単位(a)の含有量が0.5質量%未満であると、硫酸バリウムへの相互作用が低下し、硫酸バリウムスケール防止能が低下する場合がある。
構造単位(b)を含まない共重合体であっても良い。この場合、構造単位(a)と構造単位(c)の含有量を調整することで優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮する。構造単位(b)を含む共重合体の場合、構造単位(b)の含有量が少ない場合、硫酸バリウムスケール防止能が低下する場合がある。また、構造単位(c)の含有量が45質量%未満であると、硫酸バリウムスケール防止能が低下する場合がある。
重合に使用する各単量体の組成比としては、好ましくは、構造単位(a)が0.5〜10質量%、構造単位(b)が0.5〜25質量%、構造単位(c)が65〜99質量%であり、より好ましくは、構造単位(a)が1〜9質量%、構造単位(b)が1〜23質量%、構造単位(c)が68〜98質量%であり、更に好ましくは、構造単位(a)が2〜8質量%、構造単位(b)が3〜22質量%、構造単位(c)が70〜95質量%であり、特に好ましくは、構造単位(a)が3〜7質量%、構造単位(b)が5〜21質量%、構造単位(c)が72〜92質量%である。
また、全単量体(構造単位(a)、(b)、(c)、(e))の総量100質量%に対して、構造単位(e)を0〜34質量%の割合で含んでいてもよい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
また、本発明のカルボキシル基含有共重合体が、構造単位(b)を含まない場合は、構造単位(a)が0.5〜25質量%、構造単位(c)が75〜99.5質量%であると、前記重合体と水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入り、硫酸バリウムとの相互作用が良好なものとなるため、前記重合体と相互作用した硫酸バリウムを分散させることができ、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することが可能となる。
一方、構造単位(a)の含有量が0.5質量%未満であると、硫酸バリウムへの相互作用が低下し、硫酸バリウムスケール防止能が低下する場合がある。また、構造単位(c)の含有量が75質量%未満であると、硫酸バリウムスケール防止能が低下する場合がある。重合に使用する各単量体の組成比としては、好ましくは、構造単位(a)が0.5〜15質量%、構造単位(c)が85〜99.5質量%であり、より好ましくは、構造単位(a)が1〜12質量%、構造単位(c)が88〜99質量%であり、更に好ましくは、構造単位(a)が2〜10質量%、構造単位(c)が90〜98質量%であり、特に好ましくは、構造単位(a)が3〜10質量%、構造単位(c)が90〜97質量%である。
また、全単量体(構造単位(a)、(c)、(e))の総量100質量%に対して、構造単位(e)を0〜34質量%の割合で含んでいてもよい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
さらに、前記カルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量は、2,000〜60,000である。重量平均分子量が前記範囲内であれば、本発明の重合体を原油掘削及び生産用添加剤として使用した場合に、前記重合体と水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入り、硫酸バリウムとの相互作用が良好なものとなるため、前記重合体と相互作用した硫酸バリウムを分散させることができ、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することが可能となる。
前記重量平均分子量は、好ましくは2,000〜50,000、より好ましくは3,000〜50,000、更に好ましくは3,000〜40,000、より更に好ましくは3,000〜30,000、特に好ましくは3,000〜25,000、最も好ましくは3,000〜20,000である。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値であり、後述する実施例に記載された装置及び測定条件により測定することができる。
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、優れた硫酸バリウムスケール防止能を示すためには、カルボキシル基含有共重合体が、水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲である必要がある。
カルボキシル基含有共重合体が、水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が0.3〜5質量%であると、本発明のカルボキシル基含有共重合体と硫酸バリウムとの相互作用が良好なものとなるため、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することが可能となるため好ましい。
さらに好ましい溶解度は、0.5〜4質量%、より好ましくは0.5〜3質量%、特に好ましくは0.6〜2質量%、最も好ましくは0.8〜1.8質量%である。
カルボキシル基含有共重合体の水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が、前述の範囲を外れると、硫酸バリウムスケール防止能が低下するため好ましくない。
なお、水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明のカルボキシル基含有共重合体及びその組成物は、硫酸バリウムスケール防止が高いものであるが、硫酸バリウムスケール防止が10以上であることが好ましい。より好ましくは30以上、更に好ましくは45以上、特に好ましくは50以上であるなお、硫酸バリウムスケール防止は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
〔カルボキシル基含有共重合体の製造方法〕
本発明のカルボキシル基含有共重合体は、前記一般式(4)で表されるエーテル結合含有単量体(A)、前記一般式(5)で表されるスルホン酸基含有単量体(B)、及び、前記一般式(7)で表されるアクリル酸系単量体(C)を必須とし、必要に応じてその他の単量体(E)を含む単量体成分を所定の割合で共重合することにより、製造することができる。
本発明のカルボキシル基含有共重合体の製造方法において、重合に使用する各単量体の組成比は、全単量体(単量体(A)、(B)、(C)、(E))の総量100質量%に対して、単量体(A)が0.5〜15質量%、単量体(B)が0〜40質量%、単量体(C)が45〜99.5質量%であると、前記重合体と水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入り、硫酸バリウムとの相互作用が良好なものとなるため、前記重合体と相互作用した硫酸バリウムを分散させることができ、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することが可能となる。
一方、単量体(A)の含有量が0.5質量%未満であると、硫酸バリウムへの相互作用が低下し、硫酸バリウムスケール防止能が低下する場合がある。
単量体(B)を含まない共重合体であっても良い。この場合、単量体(A)と単量体(C)の含有量を調整することで優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮する。単量体(B)を含む共重合体の場合、単量体(B)の含有量が少ない場合、硫酸バリウムスケール防止能が低下する場合がある。また、単量体(C)の含有量が45質量%未満であると、硫酸バリウムスケール防止能が低下する場合がある。
重合に使用する各単量体の組成比としては、好ましくは、単量体(A)が0.5〜10質量%、単量体(B)が0.5〜25質量%、単量体(C)が65〜99質量%であり、より好ましくは、単量体(A)が1〜9質量%、単量体(B)が1〜23質量%、単量体(C)が68〜98質量%であり、更に好ましくは、単量体(A)が2〜8質量%、単量体(B)が3〜22質量%、単量体(C)が70〜95質量%であり、特に好ましくは、単量体(A)が3〜7質量%、単量体(B)が5〜21質量%、単量体(C)が72〜92質量%である。
また、全単量体(単量体(A)、(B)、(C)、(E))の総量100質量%に対して、単量体(E)を0〜34質量%の割合で含んでいてもよい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
また、本発明のカルボキシル基含有共重合体の製造方法において、単量体(B)を含まない場合は、単量体(A)が0.5〜25質量%、単量体(C)が75〜99.5質量%であると、前記重合体と水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入り、硫酸バリウムとの相互作用が良好なものとなるため、前記重合体と相互作用した硫酸バリウムを分散させることができ、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することが可能となる。
一方、単量体(A)の含有量が0.5質量%未満であると、硫酸バリウムへの相互作用が低下し、硫酸バリウムスケール防止能が低下する場合がある。また、単量体(C)の含有量が75質量%未満であると、硫酸バリウムスケール防止能が低下する場合がある。重合に使用する各単量体の組成比としては、好ましくは、単量体(A)が0.5〜15質量%、単量体(C)が85〜99.5質量%であり、より好ましくは、単量体(A)が1〜12質量%、単量体(C)が88〜99質量%であり、更に好ましくは、単量体(A)が2〜10質量%、構造単位(c)が90〜98質量%であり、特に好ましくは、単量体(A)が3〜10質量%、単量体(C)が90〜97質量%である。
また、全単量体(単量体(A)、(C)、(E))の総量100質量%に対して、単量体(E)を0〜34質量%の割合で含んでいてもよい。より好ましくは0〜10質量%であり、更に好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0質量%である。
本発明のカルボキシル基含有共重合体を得るための重合方法としては、特に制限されず、通常用いられる重合方法又はそれを修飾した方法を採用することができる。重合方法としては、例えば、ラジカル重合法が挙げられ、具体的には、水中油型乳化重合法、油中水型乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、沈澱重合法、溶液重合法、水溶液重合法、塊状重合法等を採用することができる。前記例示の重合方法の中でも、安全性が高く、また、生産コスト(重合コスト)を低減することができる点で、溶液重合法を採用することが好ましい。
前記溶液重合法においては、溶媒中で単量体成分を重合することとなる。
前記溶媒としては、有機溶媒のみを使用することも可能であるが、水を含むことが好ましい。全溶媒の使用量100質量%に対して、水を50質量%以上使用することがより好ましく、水を80質量%以上使用することが更に好ましく、水を100質量%使用することが特に好ましい。単独で、又は水と共に使用できる前記有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール類;等の水性の有機溶媒が好適に挙げられる。
前記溶媒は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記溶媒の使用量は、全単量体(単量体(A)、(B)、(C)、(E))の総量100質量部に対して、好ましくは40〜300質量部、より好ましくは45〜200質量部、更に好ましくは50〜150質量部である。溶媒の使用量が全単量体の総量100質量部に対して40質量部未満の場合には、得られる重合体の分子量が高くなりすぎるおそれがある。一方、溶媒の使用量が全単量体の総量100質量部に対して300質量部を超える場合には、得られる重合体の濃度が低くなり、場合によっては溶媒除去が必要となるおそれがある。
なお、溶媒は、重合初期に一部又は全量を反応容器内に仕込んでおけばよいが、溶媒の一部を重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよいし、単量体成分や重合開始剤等を予め溶媒に溶解させた形で、これらの成分と共に重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよい。
前記溶液重合法の反応形態としては、特に制限されず、通常用いられる形態により反応を行うことができるが、代表的には、例えば、反応系内に予め仕込まれた溶媒中に、前記単量体と、重合開始剤(以下、「開始剤」ともいう。)を滴下して、反応を行う形態等が挙げられる。そのような反応形態において、前記滴下する各溶液の濃度は、特に制限されず、任意の適切な濃度を採用することができる。
前記反応系内に予め仕込まれた溶媒中に、前記単量体と開始剤とを滴下して反応を行う形態としては、例えば、単量体(A)、単量体(B)、単量体(C)、必要に応じて単量体(E)、開始剤成分、及び、必要に応じてその他の添加剤をそれぞれ溶媒に溶解し、又は、溶媒に溶解させずにそのままで、重合中に反応系内に適当に添加(滴下)して重合を行う形態が挙げられる。また、前記反応形態においては、単量体(A)の全使用量の一部又は全部を、重合開始前に予め反応系内に添加(初期仕込み)することもできる。
<重合開始剤>
前記製造方法において用いられる重合開始剤としては、通常用いられるものを使用することができる。具体的には、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物等が好適に挙げられる。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩が好ましく、過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩がより好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<連鎖移動剤>
前記製造方法においては、重合体の分子量調整剤として連鎖移動剤を用いることが好ましい。連鎖移動剤を使用すると、製造される重合体が必要以上に高分子量化することを抑制し、低分子量のカルボキシル基含有共重合体を効率よく製造することができる。
前記製造方法においては、前記連鎖移動剤として亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸水素塩を発生し得る化合物を使用することが好ましい。その場合、亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物に加えて、重合開始剤を使用するのがより好ましい。更に、後述する反応促進剤として、重金属イオンを併用してもよい。
また、連鎖移動剤として亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸水素塩を発生し得る化合物を使用すると、主鎖末端の少なくとも一つにスルホン酸(塩)基を有する重合体を得ることができる。
前記亜硫酸水素塩を発生し得る化合物としては、例えば、ピロ亜硫酸(塩)、亜ジチオン酸(塩)、亜硫酸(塩)等が挙げられ、ピロ亜硫酸(塩)が好ましい。
前記塩としては、金属原子、アンモニウム又は有機アミンとの塩が好適である。
前記金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子等が挙げられる。
また、有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;トリエチルアミン等が挙げられる。
前記亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物では、亜硫酸水素塩が好ましい。
前記亜硫酸水素塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム等が好ましく挙げられ、亜硫酸水素ナトリウムがより好ましい。
前記亜硫酸水素塩を発生し得る化合物としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム;亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウム;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム;等が好ましく挙げられ、ピロ亜硫酸ナトリウムがより好ましい。
前記亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物はそれぞれ、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、連鎖移動剤としては、前記亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物に加えて、更に以下のものを用いることもできる。前記連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)等の低級酸化物及びその塩;等が挙げられる。前記連鎖移動剤は、1種でも2種以上でも使用することができる。
<反応促進剤>
前記製造方法においては、重合開始剤等の使用量を低減する等の目的で反応促進剤を加えてもよい。反応促進剤としては、例えば、重金属イオン等が挙げられる。
本発明において、重金属イオンとは、比重が4g/cm以上の金属のイオンを意味する。前記重金属イオンにおける重金属としては、例えば、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等が好ましく挙げられる。これらの重金属は1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、鉄がより好ましい。
前記重金属イオンのイオン価は、特に限定されるものではなく、例えば、重金属として鉄が用いられる場合、反応促進剤における鉄イオンとしては、Fe2+であっても、Fe3+であってよく、これらが両方含まれていてもよい。
前記重金属イオンは、イオンの形態として含まれるものであれば特に限定されないが、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いることが、取り扱い性に優れるため好適である。その際に用いる重金属化合物は、重合開始剤に含有させることを所望する重金属イオンを含むものであれば良く、用いる重合開始剤に応じて決定することができる。
前記重金属イオンとして鉄イオンを用いる場合、モール塩(Fe(NH(SO・6HO)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の重金属化合物等を用いることが好ましい。また、重金属イオンとしてマンガンイオンを用いる場合、塩化マンガン等を好適に用いることができる。これらはいずれも水溶性の化合物であるため、水溶液の形態として用いることができ、取り扱い性に優れたものとなる。なお、前記重金属化合物を溶解してなる溶液の溶媒としては、水に限定されるものではなく、本発明のカルボキシル基含有共重合体の製造において、重合反応を妨げるものでなく、かつ、重金属化合物を溶解するものであればよい。
前記重金属イオンの添加方法は、特に限定されないが、各単量体の添加終了までに添加することが好ましく、重金属イオンの全量を初期仕込することが特に好ましい。
前記重金属イオンの含有量は、重合反応完結時における重合反応液の全質量に対して0.1〜10ppmであることが好ましい。重金属イオンの含有量が0.1ppm未満であると、重金属イオンによる効果が充分に発現しないおそれがある。一方、重金属イオンの含有量が10ppmを超えると、得られる重合体の分子量が大きくなりすぎる可能性がある。調の悪化を来たすおそれがある。また、重金属イオンの含有量が多いと、得られる重合体の分子量が小さくなりすぎる可能性がある。
なお、前記「重合反応完結時」とは、重合反応液中において重合反応が実質的に完了し、所望する重合体が得られた時点を意味する。例えば、重合反応液中において重合した重合体を酸成分で中和する場合には、中和した後の重合反応液の全質量を基準に、重金属イオンの含有量を算出する。2種以上の重金属イオンが含まれる場合には、重金属イオンの総量が上述の範囲であればよい。
前記製造方法において、重合の際には、上述した化合物等に加えて、重合開始剤の分解触媒や還元性化合物を反応系に添加してもよい。
重合開始剤の分解触媒としては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム等のハロゲン化金属;酸化チタン、二酸化ケイ素等の金属酸化物;塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸等の無機酸の金属塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、イソラク酸、安息香酸等のカルボン酸、そのエステル及びその金属塩;ピリジン、インドール、イミダゾール、カルバゾール等の複素環アミン及びその誘導体等が挙げられる。これらの分解触媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、還元性化合物としては、例えば、フェロセン等の有機金属化合物;ナフテン酸鉄、ナフテン酸銅、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン等の、鉄、銅、ニッケル、コバルト、マンガン等の金属イオンを発生できる無機化合物;三フッ化ホウ素エーテル付加物、過マンガン酸カリウム、過塩素酸等の無機化合物;二酸化硫黄、硫酸エステル、チオ硫酸塩、スルホキシ酸塩、ベンゼンスルフィン酸及びその置換体、パラトルエンスルフィン酸等の環状スルフィン酸の同族体等の硫黄含有化合物;ヒドラジン、β−ヒドロキシエチルヒドラジン、ヒドロキシルアミン等の窒素含有化合物;ホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソバレリアンアルデヒド等のアルデヒド類;アスコルビン酸等が挙げられる。これらの還元性化合物もまた、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記連鎖移動剤、重合開始剤及び反応促進剤の組み合わせは、特に制限されず、前記各例示の中から適宜選択できる。また、重合開始剤及び反応促進剤は、いずれか一方のみの使用でもよい。前記連鎖移動剤/重合開始剤/反応促進剤の組み合わせとしては、この順で記載すると、例えば、亜硫酸水素ナトリウム/過酸化水素/なし、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/なし、亜硫酸水素ナトリウム/なし/Fe(イオン)、亜硫酸水素ナトリウム/過酸化水素/Fe(イオン)、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/Fe(イオン)、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム,過酸化水素/なし等が好ましい。より好ましくは、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/なし、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/Fe(イオン)であり、更に好ましくは、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/Fe(イオン)である。なお、前記において「なし」とは、その成分を使用しないことを意味する。
<重合開始剤等の使用量>
重合開始剤の合計の使用量は、単量体の共重合を開始できる量であれば特に制限されないが、全単量体成分(単量体(A)、(B)、(C)及び(E))の総量1モルに対して、15g以下であることが好ましい。より好ましくは1〜12gである。
重合開始剤として、過酸化水素を使用する場合、過酸化水素の添加量は、全単量体成分の総量1モルに対して、1.0〜10.0gであることが好ましく、2.0〜8.0gであることがより好ましい。過酸化水素の添加量が1.0g未満であると、得られる重合体の重量平均分子量が高くなる傾向にある。一方、添加量が10.0gを超えると、添加量の増加に見合うだけの効果が得られなくなり、更に、残存する過酸化水素量が多くなる等の悪影響を及ぼすおそれがある。
重合開始剤として、過硫酸塩を使用する場合、過硫酸塩の添加量は、全単量体成分の総量1モルに対して、1.0〜5.0gであることが好ましく、2.0〜4.0gであることがより好ましい。過硫酸塩の添加量が1.0g未満であると、得られる重合体の分子量が高くなる傾向がある。一方、添加量が5.0gを超えると、添加量の増加に見合うだけの効果が得られにくくなり、更に、得られる重合体の純度が低下する等の悪影響を及ぼすおそれがある。
重合開始剤として過酸化水素と過硫酸塩とを併用する場合、過酸化水素に対する過硫酸塩の質量比が0.1〜5.0であることが好ましく、0.2〜2.0であることがより好ましい。過硫酸塩の質量比が0.1未満であると、得られる共重合体の重量平均分子量が高くなる傾向がある。一方、過硫酸塩の質量比が5.0を超えると、過硫酸塩の添加による分子量低下の効果が、添加量の増加に見合うほどには得られなくなり、重合反応系において過硫酸塩が無駄に消費されるおそれがある。
過酸化水素の添加方法としては、実質的に連続的に滴下することにより添加する量が、必要所定量の85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%すなわち全量を滴下により添加することが最も好ましい。過酸化水素を連続的に滴下する際、その滴下速度は変えてもよい。
過酸化水素の滴下は、後述する好適な反応条件(温度、圧力、pH等)の下で反応を行う場合において、単量体(初期仕込みする単量体を除く)の滴下開始後、遅らせて開始することが好ましい。具体的には、好ましくは単量体(C)の滴下開始後1分以上経過後、より好ましくは3分以上経過後、更に好ましくは5分以上経過後、特に好ましくは10分以上経過後に、過酸化水素の滴下を開始することである。過酸化水素の滴下開始を遅らせることにより、初期の重合開始をスムーズにし、分子量分布を狭くすることが可能となる。
過酸化水素の滴下開始を遅らせる時間は、単量体の滴下開始後60分以内であることが好ましく、30分以内であることがより好ましい。
過酸化水素の滴下を単量体の滴下と同時に開始することや、単量体の滴下前に予め過酸化水素を仕込むことも可能であるが、予め過酸化水素を仕込む場合は、必要所定量の10質量%以下であることが好ましい。より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
単量体の滴下開始までに必要所定量の10質量%を超える過酸化水素を添加すると、例えば過硫酸塩を併用する場合には、過硫酸塩に対する過酸化水素の濃度の比率が大きくなり、重合が停止するおそれがある。一方、単量体の滴下開始から60分より遅く開始すると、過酸化水素による連鎖移動反応等が起こらなくなるため、重合初期の分子量が高くなるおそれがある。
また、過酸化水素の滴下は、後述する好適な反応条件(温度、圧力、pH等)の下で反応を行う場合において、単量体の滴下終了と同時に終了することが好ましい。また、単量体滴下終了時間よりも10分以上早く終了することがより好ましく、30分以上早く終了することが更に好ましい。なお、単量体の滴下終了時間より遅く終了しても、重合系において特に悪影響を及ぼすものではない。ただ、添加した過酸化水素が重合終了時までに完全には分解しないため、未反応の過酸化水素については添加による効果が得られず、無駄となる。また、過酸化水素が多量に残存すると、得られた重合体の熱的安定性に悪影響を及ぼす可能性があるため好ましくない。
過硫酸塩を使用する場合、その添加方法としては、特に限定はされないが、その分解性等を考慮すると、実質的に連続的に滴下することにより添加する量が、必要所定量の50質量%以上であることが好ましい。より好ましくは80質量%以上であり、100質量%すなわち全量を滴下することが最も好ましい。過硫酸塩を連続的に滴下する際、その滴下速度は変えてもよい。
滴下時間も特に限定されないが、後述する好適な反応条件(温度、圧力、pH等)の下で反応を行う場合において、過硫酸塩は比較的分解の早い開始剤であるため、単量体の滴下終了時間まで滴下を続けることが好ましい。また、単量体滴下終了後から30分以内に滴下を終了することがより好ましく、単量体滴下終了後5分〜20分以内に滴下を終了することが特に好ましい。これにより、得られた重合体溶液における単量体の残量を著しく減じることが出来る。
なお、単量体の滴下終了前に、これら開始剤の滴下を終了しても、重合に特に悪影響を及ぼすものではなく、得られた重合体溶液中の単量体の残存量に応じて開始剤の滴下終了時間を設定すればよい。
重合開始剤の滴下開始時間は何ら限定されるものではなく、適宜設定すればよい。例えば、単量体の滴下開始前に開始剤の滴下を開始してもよいし、2種以上の開始剤を併用する場合においては、一つの開始剤の滴下を開始し、一定の時間が経過後又は滴下が終了してから別の開始剤の滴下を開始してもよい。いずれの場合にも、開始剤の分解速度、単量体の反応性に応じて適宜開始剤の滴下開始時間を設定すればよい。
重合開始剤を滴下により添加する場合の開始剤溶液の濃度は、特には限定されないが、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%である。開始剤の濃度が5質量%未満であると、開始剤溶液中の溶媒量が多くなり、結果的に重合中の単量体濃度が低くなるので、単量体の重合性が悪くなり、得られる重合体溶液中における単量体の残存量が多くなるおそれがある。また、輸送等の効率や生産性も低くなり、経済的な面からも好ましくなくなるおそれがある。逆に60質量%を超えると、安全性や滴下の簡便性の面で問題となるおそれがある。
連鎖移動剤の添加量は、単量体(A)、(B)、(C)及び(E)が良好に重合する量であれば制限されないが、単量体(A)、(B)、(C)及び(E)からなる全単量体成分の総量1モルに対して、好ましくは1〜20g、より好ましくは2〜15gである。1g未満であると、分子量の制御ができないおそれがある。一方、20gを超えると、不純物が多量に生成し、重合体純分が低下するおそれがある。特に、亜硫酸水素塩を使用する場合、その添加量が20gを超えると、余剰の亜硫酸水素塩が反応系中で分解され、亜硫酸ガスが発生するおそれがあり、また、経済的にも不利となるおそれがある。
一方、連鎖移動剤の添加量が前述の範囲であると、副生成物として3SPAの生成が促進されるのを抑制できるため、極めて良好な硫酸バリウムスケール防止能を発揮することができるため好ましい。
前記開始剤と連鎖移動剤との組み合わせとしては、過硫酸塩と亜硫酸水素塩とをそれぞれ1種以上用いることが好ましい。
この場合、過硫酸塩と亜硫酸水素塩との混合比は、特に制限されないが、過硫酸塩1質量部に対して、亜硫酸水素塩0.5〜5質量部を用いることが好ましい。亜硫酸水素塩量の下限は、過硫酸塩1質量部に対して1質量部であることがより好ましく、更に好ましくは2質量部である。また、亜硫酸水素塩量の上限は、過硫酸塩1質量部に対して4質量部であることがより好ましく、更に好ましくは3質量部である。過硫酸塩1質量部に対して亜硫酸水素塩が0.5質量部未満であると、低分子量化する際に、必要となる開始剤総量が増加するおそれがあり、5質量部を超えると、副反応が増加し、それによる不純物が増加するおそれがある。
前記連鎖移動剤、開始剤及び反応促進剤の総使用量は、単量体(A)、(B)、(C)及び(E)からなる全単量体成分の総量1モルに対して、2〜20gであることが好ましい。このような範囲とすることで、本発明のカルボキシル基含有共重合体を効率よく生産することができ、また、前記重合体の分子量分布を所望のものとすることができる。より好ましくは4〜18gであり、更に好ましくは6〜15gである。
前記製造方法において、単量体成分、重合開始剤及び連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、それぞれ単独で反応容器へ導入してもよく、他の成分や、溶媒等とあらかじめ混合しておいてもよい。
具体的な添加方法としては、反応容器に単量体成分の全てを仕込み、重合開始剤を反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;反応容器に単量体成分の一部を仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分とを反応容器内に連続して又は段階的に(好ましくは連続して)添加することによって共重合を行う方法;反応容器に重合溶媒を仕込み、単量体成分と重合開始剤の全量を添加する方法;等が挙げられる。このような方法の中でも、得られる重合体の分子量分布を狭く(シャープに)することができ、硫酸バリウムスケール防止能を向上することができることから、重合開始剤と単量体成分とを反応容器に逐次滴下する方法で共重合を行うことが好ましい。このような重合は、回分式でも連続式でも行うことができる。
<重合条件>
前記製造方法において、重合温度としては、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤等により適宜定められるが、25〜200℃であることが好ましい。より好ましくは50〜150℃であり、更に好ましくは60〜120℃であり、特に好ましくは80〜110℃である。重合温度が25℃より低いと、得られる重合体の重量平均分子量が高くなり過ぎるおそれや、不純物の生成量が増加するおそれがある。
前記重合温度は、重合反応において、常にほぼ一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応中に経時的に温度変動(昇温又は降温)させてもよい。なお、重合温度とは、重合反応の反応溶液の温度をいう。また、重合温度の測定方法や制御手段については、任意の適切な方法や手段を採用することができる。例えば、一般に使用される装置を用いて測定すれば良い。
前記製造方法における重合時の圧力としては、特に制限されず、任意の適切な圧力を採用することができる。例えば、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよい。また、反応系内の雰囲気は、空気雰囲気のままで行ってもよいし、不活性ガス雰囲気としてもよい。反応系内の雰囲気を不活性ガス雰囲気とする場合には、例えば、重合開始前に反応系内を窒素等の不活性ガスで置換することにより行うことができる。これによって、反応系内の雰囲気ガス(例えば、酸素ガス等)が液相内に溶解し、重合禁止剤として作用することとなる。
前記製造方法において、前記単量体、重合開始剤及び連鎖移動剤の全量の滴下が終了した時点での反応溶液(重合体溶液)中の固形分濃度は、35質量%以上であることが好ましい。35質量%未満の場合には、得られる重合体の生産性を大幅に向上させることができないおそれがある。より好ましくは40〜70質量%、更に好ましくは45〜65質量%である。このように、前記滴下終了時点の固形分濃度が35質量%以上であれば、高濃度の反応溶液中で、一段反応で重合を行うことができる。そのため、効率よく重合体を得ることができる。例えば、濃縮工程を省略することができ、重合体の生産性が大幅に向上し、製造コストの上昇も抑制することが可能となる。
前記固形分濃度は、前記滴下終了時点で反応溶液の一部を取り出し、これを130℃の熱風乾燥機で1時間処理した後の不揮発分を求めることで、算出することができる。
前記製造方法において、全ての使用原料の添加が終了した後に、単量体の重合率を上げること等を目的として熟成工程を設けても良い。熟成時間は、好ましくは1〜120分間、より好ましくは5〜60分間、更に好ましくは10〜30分間である。熟成時間が1分間未満の場合には、熟成が不十分なために単量体成分が残存することがあり、残存モノマーに起因する不純物によって性能低下等を招くおそれがある。熟成時間が120分間を超える場合には、重合体溶液の着色のおそれがある。
前記製造方法において、重合時間としては、特に制限されないが、好ましくは30〜420分であり、より好ましくは45〜390分であり、更に好ましくは60〜360分であり、特に好ましくは90〜300分である。なお、本発明において「重合時間」とは、特に断らない限り、単量体を添加している時間、すなわち、単量体の添加を開始してから終了するまでの時間を表す。
〔カルボキシル基含有共重合体組成物〕
本発明のカルボキシル基含有共重合体組成物は、前記カルボキシル基含有共重合体を含むものである。
また、本発明のカルボキシル基含有共重合体組成物は、前記カルボキシル基含有共重合体及び亜硫酸水素塩付加化合物以外に、他の成分を含むこともできる。
前記他の成分としては、特に限定されないが、例えば、重合開始剤残渣、残存モノマー、重合時の副生成物、水分等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。
本発明のカルボキシル基含有共重合体組成物は、前記カルボキシル基含有共重合体と、アクリル酸系単量体(C)に亜硫酸水素塩が付加した構造の化合物である3−スルホプロピオン酸(3SPA)とを含み、かつ、前記化合物(3SPA)の含有量が、前記カルボキシル基含有共重合体組成物の固形分100質量%に対して、0.01質量%以上、1.5質量%以下であることが好ましい。
亜硫酸水素塩付加化合物の含有量が前記範囲内であると、硫酸バリウムスケール防止能が向上する。また、前記含有量は、好ましくは0.02質量%以上、1.0質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上、0.8質量%以下である。
前記アクリル酸系単量体(C)に亜硫酸水素塩が付加した構造の化合物(以下、「亜硫酸水素塩付加化合物」ともいう)は、連鎖移動剤として上述の亜硫酸水素塩及び/又は亜硫酸水素塩を発生し得る化合物を用い、かつ、アクリル酸系単量体(C)に亜硫酸水素塩が付加しながらも、単量体(C)が重合せずに、残存した不純物である。具体的には、3−スルホプロピオン酸(塩)等が挙げられる。
本発明のカルボキシル基含有共重合体組成物は、硫酸バリウムスケール防止能の点から、前記カルボキシル基含有共重合体を、カルボキシル基含有共重合体組成物の総量100質量%に対して、1〜99.99質量%含有することが好ましい。より好ましくは30〜99質量%、更に好ましくは40〜98質量%である。
前記カルボキシル基含有共重合体組成物の好ましい形態の一つは、前記カルボキシル基含有共重合体を40〜60質量%含有し、水を38.5〜59.99質量%含有する形態である。
〔カルボキシル基含有共重合体及びその組成物の用途〕
本発明のカルボキシル基含有共重合体及びその組成物は、水系用途において高い性能を発揮でき、原油掘削及び生産用スケール防止剤に用いた場合に、より優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することができる。
本発明のカルボキシル基含有共重合体及びその組成物は、水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい範囲に入るため、硫酸バリウムとの相互作用が良好なものとなる。そのため、前記重合体と相互作用した硫酸バリウムを分散させることができ、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することができる。したがって、本発明のカルボキシル基含有共重合体及びその組成物は、原油掘削及び生産用硫酸バリウムスケール防止剤として好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
また、単量体や反応中間体の定量及び各種物性値の測定は、以下の方法により行った。
<重量平均分子量の測定条件(GPC)>
装置:株式会社日立製作所製 L−7000シリーズ
検出器:HITACHI RI Detector L−7490
カラム:株式会社昭和電工製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ、GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:ソウワ化学社製 Polyacrylic acid standard
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)。
<エーテル結合含有単量体、アクリル酸系単量体、スルホン酸基含有単量体、亜硫酸水素塩付加化合物の定量>
エーテル結合含有単量体、アクリル酸系単量体、スルホン酸基含有単量体、亜硫酸水素塩付加化合物の定量は、下記条件にて液体クロマトグラフィーを用いて行った。
測定装置:株式会社日立製作所製 L−7000シリーズ
検出器:株式会社日立製作所製 UV検出器 L−7400
カラム:株式会社昭和電工製 SHODEX RSpak DE−413
温度:40.0℃
溶離液:0.1%リン酸水溶液
流速:1.0ml/min。
<3−スルホンプロピオン酸(3SPA)濃度測定>
装置:Waters社製グラジエントHPLCシステム
カラム:TSK−GEL ODS−100V 5μm 4.6×250mm 2本直列
溶離液:0.02Mりん酸ニ水素カリウム(pH2.5に調整)
流速 :0.7mL/min
温度 :30℃
検出器:UV検出器(210nm)
<固形分の測定>
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで、本発明のカルボキシル基含有共重合体組成物1.0gに水1.0gを加えたものを1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の質量変化から、固形分(%)と揮発成分(%)とを算出した。
<水/エタノール混合液への溶解度測定>
50mlのビーカーへイオン交換水20g エタノール10gを加え水/エタノール=2/1(重量比)の混合溶媒を作成し、25℃とした。この混合溶媒中へ実施例で得られた重合体水溶液を約0.2gずつ投入し撹拌しながら溶解性を目視で判定し、1分撹拌後に濁りのない最大濃度を溶解度とした。結果を表1に記載した。
<硫酸バリウムスケール防止能の測定>
〔試験液の調整〕
2000mlのビーカーへ、イオン交換水 1000gを投入し、下記の塩類を混合し溶解させた。
Figure 0006298646
〔スケール防止試験液の調整〕
上記の試験液100ccを200ccのスクリュー瓶に投入し、実施例の重合体溶液を固形分換算で、10ppmとなるように投入した。

スケール防止試験液の入ったスクリュー瓶を60℃にて16時間加熱し、試験後試験液を1ミクロンのメンブレンフィルターにてろ過を行い、ろ液についてICPを用いてBa濃度測定を行い、下記式にてスケール防止率を算出した。

スケール防止率=(加熱後Ba測定値―ポリマー無添加加熱後Ba測定値)/
(加熱前Ba測定値―ポリマー無添加加熱後Ba測定値)×100
スケール防止率の結果を表1に記載した。
[実施例1]
(1)単量体の合成
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製4つ口フラスコに、n−ブチルアルコール370.0gと、ペレット状の水酸化ナトリウム4.27gを仕込み、攪拌しながら60℃まで昇温した。次に、アリルグリシジルエーテル(以下、「AGE」とも称する。)57.0gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。この溶液を1,000mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。ここに、20質量%塩化ナトリウム水溶液200.0gを加え、この水溶液を500mlの分液ロートへ移し、よく振り混ぜた後、分層するまで静置し、下層を取り除いた。残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体(1)を得た。
(2)重合
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」とも称する。)270.0g、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの40%水溶液(以下、「40%HAPS」とも称する。)192.0g、単量体(1)15.0g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」とも称する。)100g、及び、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、「35%SBS」とも称する。)40gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(1)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(1)を得た。重合体(1)の重量平均分子量は8,200であった。また、残存アクリル酸は、80ppm、残存HAPSは、850ppm、残存3SPAは、0.21%であった。結果を表1に記載した。
[実施例2]
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、40%HAPS 192.0g、単量体(1)15.0g、15%NaPS 80g、及び、35%SBS 30gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(2)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(2)を得た。重合体(2)の重量平均分子量は17,000であった。また、残存アクリル酸は、120ppm、残存HAPSは、1,050ppm、残存3SPAは、0.16%であった。結果を表1に記載した。
[実施例3]
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水146.8g、及びモール塩0.0186gを仕込み、攪拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、単量体(1)11g、15%NaPS 60g、及び、35%SBS 20gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については140分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 197.5gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(3)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(3)を得た。重合体(3)の重量平均分子量は35,000であった。また、残存アクリル酸は、72ppm、残存3SPAは、0.13%であった。結果を表1に記載した。
[実施例4]
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水146.8g、及びモール塩0.0186gを仕込み、攪拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、単量体(1)24g、15%NaPS 80g、及び、35%SBS 30gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については140分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 197.5gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(4)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(4)を得た。重合体(4)の重量平均分子量は17,000であった。また、残存アクリル酸は、60ppm、残存3SPAは、0.18%であった。結果を表1に記載した。
[実施例5]
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、40%HAPS 6.0g、単量体(1)24.0g、15%NaPS 80g、及び、35%SBS 35gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(5)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(5)を得た。重合体(5)の重量平均分子量は10,000であった。また、残存アクリル酸は、90ppm、残存HAPSは、250ppmであった。結果を表1に記載した。
[実施例6]
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水128.4g及びモール塩0.0187gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 270.0g、40%HAPS 144.0g、単量体(1)14.4g、15%NaPS 80g、及び、35%SBS 35gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、40%HAPSについては120分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 193.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、本発明の重合体(6)を含む固形分濃度45%の重合体水溶液(6)を得た。重合体(6)の重量平均分子量は10,000であった。また、残存アクリル酸は、150ppm、残存HAPSは、1,250ppmであった。結果を表1に記載した。
[比較例1]
重量平均分子量5,000のポリアクリル酸ナトリウム 45%水溶液を比較重合体(1)とした。結果を表2に記載した。
[比較例2]
重量平均分子量60,000のアクリル酸/マレイン酸=30/70(重量比)ナトリウム塩40%水溶液を比較重合体(2)とした。結果を表2に記載した。
[比較例3]
重量平均分子量50,000のポリアクリル酸ナトリウム 40%水溶液を比較重合体(3)とした。結果を表2に記載した。
Figure 0006298646
Figure 0006298646
前記実施例及び比較例の結果から、エーテル結合含有単量体(A)に由来する構造単位(a)と、スルホン酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)と、アクリル酸系単量体(C)に由来する構造単位(c)とを特定の割合で含み、特定の重量平均分子量を有する本発明のカルボキシル基含有共重合体、及び、前記重合体とアクリル酸系単量体(C)に亜硫酸水素塩が付加した構造の特定量の化合物を含む、本発明のカルボキシル基含有共重合体組成物が、水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が好ましい値を示すため、硫酸バリウムとの相互作用が良好なものとなるため、前記重合体と相互作用した硫酸バリウムを分散させることができ、優れた硫酸バリウムスケール防止能を発揮することが可能となることが分かった。
このように、本発明の特定の構成を有する重合体及び組成物とすることにより、優れた硫酸バリウムスケール防止能を充分に発揮させる作用機序は、すべて同様であるものと考えられる。
したがって、前記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。

Claims (6)

  1. カルボキシル基含有共重合体であって、
    前記カルボキシル基含有共重合体は、
    エーテル結合含有単量体(A)に由来する下記一般式(1)で表される構造単位(a)と、スルホン酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)と、
    (メタ)アクリル酸系単量体(C)に由来する構造単位(c)と
    を含み、
    前記カルボキシル基含有共重合体は、前記カルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、
    構造単位(a)を0.5質量%以上、15質量%以下、
    構造単位(b)を0質量%以上、40質量%以下、及び、
    構造単位(c)を45質量%以上、99.5質量%以下含み、
    重量平均分子量が2,000〜70,000であり、
    前記カルボキシル基含有共重合体の水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が0.3〜5質量%であり、
    且つ、硫酸バリウムスケール防止率が60%以上である、
    カルボキシル基含有共重合体。
    Figure 0006298646
    (上記一般式(1)中、R0は、水素原子又はメチル基を表す。R1は、CH2基、CH2CH2基又は直接結合を表す。X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、下記一般式(2)で表される基を表す。)
    Figure 0006298646
    (上記一般式(2)中、R2は、同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−O−R2−)の平均付加モル数であって、0〜5の数を表す。R3は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  2. 前記硫酸バリウムスケール防止率が60〜78%である、請求項1に記載のカルボキシル基含有共重合体。
  3. カルボキシル基含有共重合体の製造方法であって、
    前記製造方法は、重合開始剤の存在下、
    下記一般式(4)で表されるエーテル結合含有単量体(A)と、
    Figure 0006298646
    (上記一般式(4)中、R0は、水素原子又はメチル基を表す。R1は、CH2基、CH2CH2基又は直接結合を表す。X、Yのいずれか一方は、水酸基を表し、他方は、下記一般式(2)で表される基を表す。)
    Figure 0006298646
    (上記一般式(2)中、R 2 は、同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−O−R 2 −)の平均付加モル数であって、0〜5の数を表す。R 3 は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
    スルホン酸基含有単量体(B)と、
    (メタ)アクリル酸系単量体(C)とを
    含む単量体成分を重合する工程を含み、
    全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対し、
    エーテル結合含有単量体(A)の含有量が0.5質量%以上、15質量%以下、
    スルホン酸基含有単量体(B)の含有量が0質量%以上、40質量%以下、及び、
    (メタ)アクリル酸系単量体(C)の含有量が45質量%以上、99.5質量%以下含み、
    重量平均分子量が2,000〜70,000であり、
    前記カルボキシル基含有共重合体の水/エタノールの質量比2/1の混合溶液への溶解度が0.3〜5質量%であり、
    且つ、硫酸バリウムスケール防止率が60%以上である、
    カルボキシル基含有共重合体の製造方法。
  4. 前記硫酸バリウムスケール防止率が60〜78%である、請求項3に記載のカルボキシル基含有共重合体の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載のカルボキシル基含有共重合体と3−スルホプロピオン酸を含むカルボキシル基含有共重合体組成物であって、
    前記カルボキシル基含有共重合体が98.5〜99.99質量%であり、
    前記3−スルホプロピオン酸が、前記カルボキシル基含有共重合体組成物の固形分100質量%に対して0.01〜1.5質量%である、
    カルボキシル基含有共重合体組成物。
  6. 請求項1又は2に記載のカルボキシル基含有共重合体を含む原油掘削及び生産用スケール防止剤。
JP2014023962A 2014-02-12 2014-02-12 カルボキシル基含有共重合体 Active JP6298646B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014023962A JP6298646B2 (ja) 2014-02-12 2014-02-12 カルボキシル基含有共重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014023962A JP6298646B2 (ja) 2014-02-12 2014-02-12 カルボキシル基含有共重合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015151414A JP2015151414A (ja) 2015-08-24
JP6298646B2 true JP6298646B2 (ja) 2018-03-20

Family

ID=53894038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014023962A Active JP6298646B2 (ja) 2014-02-12 2014-02-12 カルボキシル基含有共重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6298646B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017051640A1 (ja) * 2015-09-24 2017-03-30 株式会社日本触媒 硫酸バリウムスケール防止剤、硫酸バリウムスケール防止方法、および、硫酸バリウムスケール防止剤組成物
KR20180132784A (ko) * 2016-07-06 2018-12-12 가부시끼가이샤 구레하 바인더 조성물, 전극 합제, 전극, 비수 전해질 이차전지 및 바인더 조성물의 제조 방법
WO2018008263A1 (ja) 2016-07-06 2018-01-11 株式会社クレハ バインダー組成物、電極合剤、電極、および非水電解質二次電池
CN113881425B (zh) * 2021-11-10 2022-09-30 重庆长江造型材料(集团)股份有限公司 一种压裂用支撑剂

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7666963B2 (en) * 2005-07-21 2010-02-23 Akzo Nobel N.V. Hybrid copolymers
JP2011072851A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Nippon Shokubai Co Ltd アミノ基含有共重合体を含むスケール防止剤
JP2011116812A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Nippon Shokubai Co Ltd アミノ基含有共重合体およびその製造方法
CN103890015B (zh) * 2011-12-07 2015-09-23 株式会社日本触媒 丙烯酸(盐)-马来酸(盐)系共聚物组合物、其制造方法和洗涤剂组合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015151414A (ja) 2015-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2976425C (en) Process for producing stabilized polyacrylamide compositions
US9834632B2 (en) Carboxyl group-containing polymer and composition containing the same
JP6298646B2 (ja) カルボキシル基含有共重合体
JP5759088B1 (ja) (メタ)アクリル酸系共重合体とその製造方法
EP1358217A2 (en) Highly functional polymer latex
JP6753448B2 (ja) アクリル酸系共重合体及びその製造方法並びに水処理剤
JP2011072851A (ja) アミノ基含有共重合体を含むスケール防止剤
US10072202B2 (en) Polymer composition for inhibiting the formation of inorganic and/or organic deposits in underground formations
JP6578008B2 (ja) 硫酸バリウムスケール防止剤、硫酸バリウムスケール防止方法、および、硫酸バリウムスケール防止剤組成物
JP2016065344A (ja) エーテル結合含有共重合体を含むパルプ用ピッチコントロール剤
JP6364299B2 (ja) 地熱発電用スケール防止剤
JP6446084B2 (ja) 共重合体
WO2016052258A1 (ja) ポリカルボン酸系重合体の製造方法
US9388263B2 (en) (Meth)acrylate copolymer and method for producing same
JP5434256B2 (ja) 掘削泥水用添加剤及びその製造方法並びにそれを用いた掘削泥水
JP5763899B2 (ja) 水溶性単量体用中間体含有組成物及びその製造方法、水溶性単量体用中間体、カチオン性基含有単量体及びその製造方法
KR20150137601A (ko) 고점도 수용성 폴리머 및 이를 포함하는 고점도 수용액의 제조방법
JP6077902B2 (ja) 両性重合体及びその製造方法
JP6258745B2 (ja) (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法
JP2001048938A (ja) 新規重合体およびその用途
JP6431405B2 (ja) ポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法
TW399063B (en) Process for producing a polymer or copolymer of acrylic acid or a water-soluble derivative thereof
JP6146957B2 (ja) アミノ基含有共重合体
JP6375909B2 (ja) ポリアクリル酸塩及び水酸化カリウムを含む透明な水溶液
JP6534545B2 (ja) 無機粒子分散剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170809

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6298646

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150