JP6431405B2 - ポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法 - Google Patents
ポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6431405B2 JP6431405B2 JP2015037648A JP2015037648A JP6431405B2 JP 6431405 B2 JP6431405 B2 JP 6431405B2 JP 2015037648 A JP2015037648 A JP 2015037648A JP 2015037648 A JP2015037648 A JP 2015037648A JP 6431405 B2 JP6431405 B2 JP 6431405B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aqueous solution
- polycarboxylic acid
- monomer
- acid polymer
- polymerization
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
不飽和モノカルボン酸系単量体および/または不飽和ジカルボン酸系単量体を含む単量体組成物を重合して得られるポリカルボン酸系重合体の塩基性水溶液の着色を防止する方法であって、
該水溶液を加熱する。
本発明のポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法は、不飽和モノカルボン酸系単量体および/または不飽和ジカルボン酸系単量体を含む単量体組成物を重合して得られるポリカルボン酸系重合体の塩基性水溶液の着色を防止する方法であって、該水溶液を加熱する。このような方法を採用することにより、ポリカルボン酸系重合体の塩基性水溶液の着色を効果的に防止することができる。
ポリカルボン酸系重合体は、不飽和モノカルボン酸系単量体および/または不飽和ジカルボン酸系単量体を含む単量体組成物を重合して得られる。
アルカリ成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類;等が挙げられる。アルカリ成分は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。アルカリ成分は、ポリカルボン酸系重合体組成物を調製する際、塩基性化合物が固体の物質である場合、固体のまま調整しても良いし、また、水に溶解して水溶液として添加しても良い。
塩基性化合物としては、酸基を中和し得る塩基性化合物であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な塩基性化合物を採用し得る。このような塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。塩基性化合物は、ポリカルボン酸系重合体組成物を調製する際、塩基性化合物が固体の物質である場合、固体のまま調整しても良いし、また、水に溶解して水溶液として添加しても良い。
重合禁止剤としては、不飽和モノカルボン酸系単量体や不飽和ジカルボン酸系単量体にその保管中などにおける自己重合の防止のために添加し得る重合禁止剤であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な重合禁止剤を採用し得る。このような重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メトキノン(p−メトキシフェノール)等のキノン類;フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルファノチアジン、ビス−(α−ジメチルベンジル)フェノチアジン等のフェノチアジン類;2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6、−テトラメチルペリジノオキシル、4,4’,4”−トリス−(2,2,6,6、−テトラメチルペリジノオキシル)フォスファイト等のN−オキシル化合物;ジアルキルジチオカルバミン酸銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、アクリル酸銅、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅等の銅塩化合物;ジアルキルジチオカルバミン酸マンガン、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン、ギ酸マンガン、酢酸マンガン、オクタン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、過マンガン酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸のマンガン塩化合物;N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンやその塩、p−ニトロソフェノール、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンやその塩、p−ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミンやその塩等のニトロソ化合物;などが挙げられる。これらの重合禁止剤は、1種のみであっても良く、2種以上であっても良い。これらの重合禁止剤の中でも、ハイドロキノン、メトキノン等のキノン類が好ましい。
ポリカルボン酸系重合体水溶液には、ポリカルボン酸系重合体と水以外の他の成分をさらに含んでいても良い。このような他の成分としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を採用し得る。例えば、界面活性剤、重合リン酸塩、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤、珪酸系薬剤、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
ポリカルボン酸系重合体水溶液は、無色透明または淡黄色であった水溶液が、経時的に赤みが強くなった場合、経時的な着色が変化したと判断する。
試験液100gを100mLスクリュー管に入れ、下記の2種類の方法(1)、(2)によって着色の度合いを評価した。
(1)底面から目視によって観察した。赤みが観察されたものを「あり」、赤みが観察されなかったものを「なし」とした。
(2)色差計(日本電色工業株式会社製、Spectrophotometer SE6000、光路長2cmセルを使用)での測定値のa値が正の値(赤系色の着色あり)か負の値(赤系色の着色なし)かで評価した。
温度計、攪拌機、および還流冷却器を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)149.8g、0.6%モール塩水溶液1.2gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温した。次いで、攪拌下、85℃を維持しながら、メトキノンを160ppm含有する80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)385.1gと48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)17.8gを重合開始から180分間に渡って、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」とも称する。)51.8gを185分に渡って、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下,「35%SBS」とも称する。)63.6gを175分に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後10分間上記重合反応溶液を85℃に保持(熟成)し、48%NaOH330.7gを添加して中和した。このようにして、重合体(1)の水溶液を得た。
重合体(1):22.2g(45%水溶液)に、KOH:2.5g、35質量%ラウリルジメチルアミンオキシド(花王製、商品名:アンヒトール20N):1.0g、水:74.3gを混合し、ポリカルボン酸系重合体水溶液(1)を得た。
得られたポリカルボン酸系重合体水溶液(1)を、70℃の熱風乾燥器(WFO−450ND、EYELA製)中で1週間保管した。
結果を表1に示した。
実施例1で得られたポリカルボン酸系重合体水溶液(1)と同組成のポリカルボン酸系重合体水溶液(2)を得た。
得られたポリカルボン酸系重合体水溶液(2)を、60℃の熱風乾燥器(WFO−450ND、EYELA製)中で1週間保管した。
結果を表1に示した。
組成を表1のように変更し、ポリカルボン酸系重合体水溶液(3)を得た。
得られたポリカルボン酸系重合体水溶液(3)を、70℃の熱風乾燥器(WFO−450ND、EYELA製)中で1週間保管した。
結果を表1に示した。
組成を表1のように変更し、ポリカルボン酸系重合体水溶液(C1)を得た。
得られたポリカルボン酸系重合体水溶液(C1)を、常温(25℃)で1週間保管した。
結果を表1に示した。
組成を表1のように変更し、ポリカルボン酸系重合体水溶液(C2)を得た。
得られたポリカルボン酸系重合体水溶液(C2)を、常温(25℃)で1週間保管した。
結果を表1に示した。
35%LDMAO:35質量%ラウリルジメチルアミンオキシド(花王製、商品名:アンヒトール20N)
Claims (4)
- 不飽和モノカルボン酸系単量体および/または不飽和ジカルボン酸系単量体を含む単量体組成物を重合して得られるポリカルボン酸系重合体の塩基性水溶液の着色を防止する方法であって、
該不飽和モノカルボン酸系単量体および/または不飽和ジカルボン酸系単量体がキノン類を含み、
該水溶液を40℃〜120℃の温度範囲で加熱し、
該水溶液を加熱する温度をT℃、前記水溶液を加熱する時間をt時間としたとき、該温度Tと該時間tの自然対数ln(t)との積であるT×ln(t)の値が130〜500である、
ポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法。 - 前記単量体組成物は、不飽和モノカルボン酸系単量体を含む単量体組成物である、請求項1に記載のポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法。
- 前記水溶液を加熱する温度が50℃〜120℃である、請求項1または2に記載のポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法。
- 前記不飽和モノカルボン酸系単量体が(メタ)アクリル酸(塩)である、請求項1から3までのいずれかに記載のポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015037648A JP6431405B2 (ja) | 2015-02-27 | 2015-02-27 | ポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015037648A JP6431405B2 (ja) | 2015-02-27 | 2015-02-27 | ポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016160288A JP2016160288A (ja) | 2016-09-05 |
JP6431405B2 true JP6431405B2 (ja) | 2018-11-28 |
Family
ID=56844339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015037648A Active JP6431405B2 (ja) | 2015-02-27 | 2015-02-27 | ポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6431405B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20230399444A1 (en) * | 2020-10-16 | 2023-12-14 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Storage method and usage method for polycarboxylic acid-based polymer solution |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63125502A (ja) * | 1986-11-14 | 1988-05-28 | Kao Corp | 低臭気性テロマ−の製造方法 |
JP4004858B2 (ja) * | 2001-05-31 | 2007-11-07 | 花王株式会社 | アクリル酸系重合体の製造法 |
JPWO2006008905A1 (ja) * | 2004-07-15 | 2008-05-01 | 住友精化株式会社 | 吸水性樹脂の製造方法 |
JP5241637B2 (ja) * | 2009-07-21 | 2013-07-17 | 花王株式会社 | 重合体の製造方法 |
JP6269167B2 (ja) * | 2014-02-28 | 2018-01-31 | Dic株式会社 | 水性樹脂組成物及びガラス繊維集束剤 |
-
2015
- 2015-02-27 JP JP2015037648A patent/JP6431405B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016160288A (ja) | 2016-09-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6113992B2 (ja) | 冷却水系の処理方法 | |
JP6753448B2 (ja) | アクリル酸系共重合体及びその製造方法並びに水処理剤 | |
JP2011072851A (ja) | アミノ基含有共重合体を含むスケール防止剤 | |
JP6431405B2 (ja) | ポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法 | |
JP2007084831A (ja) | (メタ)アクリル酸系水溶性重合体の製造方法並びに用途 | |
JP2005139469A (ja) | 重合体の製造方法 | |
JP6340173B2 (ja) | 冷却水系の処理方法 | |
JP6298646B2 (ja) | カルボキシル基含有共重合体 | |
JP6415584B2 (ja) | ポリカルボン酸系重合体の製造方法 | |
US10858272B2 (en) | Barium-sulfate scale deposition inhibitor, method for inhibiting barium-sulfate scale deposition, and barium-sulfate scale deposition inhibitor composition | |
JP2771864B2 (ja) | マレイン酸系共重合体の製造方法 | |
JP6491506B2 (ja) | ポリカルボン酸系重合体組成物、およびポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法 | |
JP6146957B2 (ja) | アミノ基含有共重合体 | |
JP6014372B2 (ja) | ポリカルボン酸系重合体およびその製造方法 | |
JP6077902B2 (ja) | 両性重合体及びその製造方法 | |
JPH0749450B2 (ja) | 酸型マレイン酸系重合体の製造方法及び該重合体を含む水処理剤並びに洗剤添加剤 | |
JP6440428B2 (ja) | (メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法 | |
JP4995709B2 (ja) | (メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法 | |
JP6258745B2 (ja) | (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法 | |
JP5982145B2 (ja) | ポリカルボン酸系重合体組成物およびその製造方法 | |
JP6411150B2 (ja) | (メタ)アクリル酸系重合体水溶液の製造方法 | |
JP6534545B2 (ja) | 無機粒子分散剤 | |
JP6087690B2 (ja) | (メタ)アクリル酸(塩)−ジカルボン酸(塩)系共重合体およびその製造方法 | |
JP6234278B2 (ja) | (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法 | |
JP6617709B2 (ja) | アクリル酸系重合体水溶液及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171107 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180713 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180725 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180906 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181017 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181102 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6431405 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |