JP6440428B2 - (メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法 - Google Patents
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Description
一般式(1)で表されるスルホン酸基含有エーテル化合物と(メタ)アクリル酸(塩)とを含む単量体組成物を重合して製造された(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法であって、
重合反応完結時から60日後のL*a*b*表色系において、L*値を88〜100の範囲内に調整し、a*値を−7〜−2の範囲内に調整し、b*値を4〜14の範囲内に調整する。
(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、スルホン酸基含有エーテル化合物と(メタ)アクリル酸(塩)とを含む単量体組成物を重合して製造される。スルホン酸基含有エーテル化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。(メタ)アクリル酸(塩)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
スルホン酸基含有エーテル化合物は、一般式(1)で表される。
(メタ)アクリル酸(塩)は、アクリル酸(塩)および/またはメタクリル酸(塩)を意味する。アクリル酸(塩)は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を意味し、メタクリル酸(塩)は、メタクリル酸および/またはメタクリル酸塩を意味する。
(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、スルホン酸基含有エーテル化合物と(メタ)アクリル酸(塩)とを含む単量体組成物を重合して製造される。
本発明において用いる(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、好ましくは、過硫酸塩/重亜硫酸塩/重金属イオンの組み合わせを用いた重合反応によって製造し得る。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法は、一般式(1)で表されるスルホン酸基含有エーテル化合物と(メタ)アクリル酸(塩)とを含む単量体組成物を重合して製造された(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法であって、重合反応完結時から60日後のL*a*b*表色系において、L*値を88〜100の範囲内に調整し、a*値を−7〜−2の範囲内に調整し、b*値を4〜14の範囲内に調整する。重合反応完結時から60日後のL*a*b*表色系において、L*値、a*値、b*値を上記範囲内に調整することにより、(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の経時に伴う色調の変化を抑制することができる。特に、pHが3〜7の範囲となるように酸基を中和して保存した場合、経時に伴い、(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の色調が、淡黄色から深緑色に大きく変色することを抑制することができる。
重合体の重量平均分子量の測定は、下記条件にて行った。
装置:東ソー製高速GPC装置(HLC−8320GPC)
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ、GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)。
実施例・比較例で得られたサンプルについて、下記の条件にて色差測定を行い、L*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値を求めた。
測定装置:分光色差計「SE6000」(日本電色工業株式会社製)
測定モード:透過率
測定波長:380nm−780nm(10nm間隔出力)
光源:ハロゲンランプ(12V、50W)
測定セルサイズ:55mm×40mm×25mm
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製のセパラブルフラスコに、純水:183.4gと、モール塩:0.0346g(総仕込み量に対する鉄(II)の質量(ここで、総仕込み量とは、重合完結後の中和工程を含む、全ての投入物重量をいう。以下同様とする。)に換算すると3ppm)を仕込み、攪拌下、85℃に昇温した(初期仕込み)。
次いで、攪拌下、85℃で一定状態の重合反応系中に、80質量%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと称す):540.0g、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム:300.5g、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下15%NaPSと称す):152.9g、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと称す):17.4g、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを120分間、35%SBSを175分間,15%NaPSを210分間とした。また、滴下開始時間に関しては、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結せしめた。
その後、48%水酸化ナトリウム水溶液:449.6gを添加した。
このようにして、pHが5.7、固形分濃度が45質量%の(メタ)アクリル酸系重合体水溶液(1)を得た。水溶液(1)中の(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量36000であった。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に、製造例1で製造直後の(メタ)アクリル酸系重合体水溶液(1)を、水溶液(1)中の(メタ)アクリル酸系重合体の質量が100gとなるように秤量して投入し、気相部を流量1L/minの窒素で十分に置換し、重合反応完結時から数えて60日間室温で保存した。
結果を表1に示した。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に、製造例1で製造直後の(メタ)アクリル酸系重合体水溶液(1)を、水溶液(1)中の(メタ)アクリル酸系重合体の質量が100gとなるように秤量して投入し、気相部を窒素置換せずに、重合反応完結時から数えて60日間室温で保存した。
結果を表1に示した。
Claims (5)
- 一般式(1)で表されるスルホン酸基含有エーテル化合物と(メタ)アクリル酸(塩)とを含む単量体組成物を重合して製造された(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法であって、
該(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を入れた保存容器の気相部分を不活性ガスで置換して、
重合反応完結時から60日後のL*a*b*表色系において、L*値を88〜100の範囲内に調整し、a*値を−7〜−2の範囲内に調整し、b*値を4〜14の範囲内に調整する、
(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法。
- 前記(メタ)アクリル酸系重合体水溶液のpHが3〜7である、請求項1に記載の(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法。
- 前記重合の際に、過硫酸塩/重亜硫酸塩/重金属イオンの組み合わせが用いられる、請求項1または2に記載の(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法。
- 前記保存容器が、樹脂容器、ガラス容器、または金属容器である、請求項1から3までのいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法。
- 前記重合の反応液が1種類以上の重金属イオンを含む、請求項1から4までのいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法。
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