JP6948853B2 - 疎水性基含有共重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、疎水性基含有共重合体に関する。より詳しくは、洗浄剤等に有用な疎水性基含有共重合体に関する。
従来、界面活性剤を主成分とする洗浄剤は、衣服用、食器用等の様々な種類のものが開発されており、洗浄力等の特性を高めるための成分の研究開発が活発に行われている。
例えば、特許文献1、2には、特定の構造のエーテル結合含有単量体由来の構造単位とカルボキシル基含有単量体由来の構造単位とを所定の割合で有する共重合体や、同様の構造単位を所定の割合で有し、かつ所定の重量平均分子量を有する共重合体を洗剤ビルダーとして使用することが開示されている。
国際公開第2010/024448号 国際公開第2016/152547号
洗浄剤が対象とする汚れには親水性の汚れと疎水性の汚れがあるが、洗浄剤は特に水で洗うだけでは落ちない疎水性汚れの洗浄力に優れることが重要であり、そのために疎水性汚れの分散性が高い洗浄剤成分が求められる。また近年は、使用量が少なく、溶け残りが生じることもない等の理由により液体洗剤の需要が高まっていることから、洗浄剤成分には液体洗剤への相溶性が高いことも求められる。
従来の洗剤ビルダーはこれら2つの特性の両立という点で充分とはいえず、これらの特性に共に優れた洗剤ビルダーを開発する余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、疎水性汚れの分散性と液体洗剤への相溶性に共に優れた洗剤ビルダーを提供することを目的とする。
本発明者は、疎水性汚れの分散性と液体洗剤への相溶性に共に優れた洗剤ビルダーについて種々検討したところ、特定の構造の疎水性基含有単量体由来の構造単位とカルボン酸系単量体由来の構造単位とを有する疎水性基含有共重合体において、疎水性基含有単量体由来の構造単位の割合、及び、共重合体の重量平均分子量を所定の範囲に調整して得られる共重合体が、疎水性汚れの分散性と液体洗剤への相溶性に共に優れ、洗剤ビルダーとして好適に用いることができることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、下記式(1);
Figure 0006948853
(式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Yは、炭素数1〜4のアルキレン基又は直接結合を表す。Xは、(O−CH−CH)で表される単位の数を表し、0〜5の数である。Rは、炭素数1〜20の疎水性有機基を表す。)で表される疎水性基含有単量体由来の構造単位(A)とカルボン酸系単量体由来の構造単位(B)とを有する疎水性基含有共重合体であって、該共重合体は、共重合体における構造単位(A)の割合が、全単量体由来の構造単位100質量%に対して12質量%以上、38質量%以下であり、共重合体の重量平均分子量が、1000〜50000であることを特徴とする疎水性基含有共重合体である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
<疎水性基含有共重合体>
本発明の疎水性基含有共重合体は、上記式(1)で表される疎水性基含有単量体由来の構造単位(A)の割合が、全単量体由来の構造単位100質量%に対して12質量%以上、38質量%以下であることを特徴の1つとする。本発明の疎水性基含有共重合体は、疎水性汚れに対する親和性が高い構造単位(A)を有することで疎水性汚れに吸着し、カルボン酸系単量体由来の構造単位(B)が疎水性汚れを分散させる作用を発揮する。また、構造単位(A)を有することで界面活性剤との相溶性が高くなり、液体洗剤への相溶性にも優れたものとなる。このため、疎水性基含有共重合体が構造単位(A)を12質量%以上、38質量%以下の割合で有することは、本発明の疎水性基含有共重合体が疎水性汚れの分散性と液体洗剤への相溶性に共に優れた特性を発揮するための重要な特徴である。
本発明の疎水性基含有共重合体における構造単位(A)の割合は、好ましくは、12質量%以上、36質量%以下であり、より好ましくは、13質量%以上、34質量%以下であり、更に好ましくは、14質量%以上、32質量%以下である。
本発明の疎水性基含有共重合体において、カルボン酸系単量体由来の構造単位(B)の割合は、50質量%以上、88質量%以下であることが好ましい。構造単位(B)の割合がこのような範囲であることで、疎水性汚れを分散させる作用をより充分に発揮することができる。構造単位(B)の割合は、より好ましくは、55質量%以上、87質量%以下であり、更に好ましくは、60質量%以上、85質量%以下である。
本発明において、上記カルボン酸系単量体由来の構造単位(B)の割合を計算する場合は、対応する酸に換算して計算するものとする。例えば、上記構造単位(B)が、アクリル酸ナトリウム由来の構造単位−CH−CH(COONa)−であれば、対応する酸であるアクリル酸由来の構造単位−CH−CH(COOH)−として、質量割合(質量%)の計算をする。
なお、同様に、単量体成分におけるカルボン酸系単量体の質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸に換算して計算するものとする。例えば、アクリル酸ナトリウムであれば、対応する酸であるアクリル酸として質量割合(質量%)の計算をする。
本発明の疎水性基含有共重合体は、重量平均分子量が、1000〜50000である。
重量平均分子量が1000以上であれば、疎水性基含有共重合体が疎水性汚れに対する親和性をより充分に発揮することができる。この理由としては、共重合体の重量平均分子量が1000以上であれば、ミクロ相分離が生じ、共重合体の疎水性が部分的により大きくなることによることが考えられる。また、重量平均分子量が50000以下であれば、共重合体の粘度を好適な範囲とすることができ、取扱いに優れるものとなる。
重量平均分子量として好ましくは2000〜45000であり、より好ましくは3000〜40000であり、更に好ましくは4000〜35000である。
なお、本明細書中、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値であり、後述する測定条件にて測定することができる。
本発明の疎水性基含有共重合体におけるカルボキシル基は、酸型であっても、塩型であってもよいが、当該疎水性基含有共重合体の全カルボキシル基100モル%に対して、10〜90モル%のカルボキシル基が、塩型であることが好ましい。塩型のカルボキシル基の割合としてより好ましくは15〜80モル%、更に好ましくは20〜70モル%である。後述する製造方法において、重合反応中若しくは重合反応後に中和工程を行うことにより、又は、カルボキシル基の一部が塩型であるカルボン酸系単量体を原料として用いることにより、塩型のカルボキシル基の割合を上記好ましい範囲とすることができる。
(疎水性基含有単量体)
本発明の疎水性基含有共重合体は、上記式(1)で表される疎水性基含有単量体由来の構造単位(A)を有する。上記疎水性基含有単量体(以下、単量体(a)ともいう。)は、上記式(1)のRにおいて、炭素数1〜20の疎水性有機基を有するため、疎水性の相互作用により疎水性汚れとのなじみが良い。
上記疎水性有機基としては特に制限されないが、例えば、炭化水素基等が挙げられる。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基 、シクロアルキル基、アリール基等が挙げられる。上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基が好ましく、より好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、更に好ましくはアルキル基である。
また、上記疎水性有機基の炭素数としては、2〜18が好ましく、より好ましくは3〜12であり、更に好ましくは4〜8である。上記炭素数が4以上であれば疎水性をより充分に発揮することができ、8以下であれば、重合性をより充分に向上させることができる。
上記疎水性有機基は、疎水性である限り、ヘテロ原子を含んでいてもよく、例えば、上記炭化水素基において水素原子がハロゲン等によって置換されたものであってもよい。
上記式(1)におけるXは、(O−CH−CH)で表される単位の数を表し、0〜5の数である。Xが1〜5の場合、疎水性基含有単量体は、親水性をより向上させることができるため、水等の親水性溶媒を用いても共重合しやすいという特性を有する。
としては、1〜3であることが好ましい。
また、Xが0である場合、Rで表される疎水性基の効果をより充分に発揮することができる。共重合体の疎水性の観点からは、Xとしては、0であることがより好ましい。
本発明の疎水性基含有共重合体は、親水性と疎水性とのバランスを良好なものとすることにより、疎水性汚れの分散性能をより充分に発揮することができるため、共重合体における構造単位(B)の割合等に応じてXの値を調節することが好ましい。
上記式(1)におけるRは、水素原子又はCH基であり、好ましくは水素原子である。
上記式(1)におけるYは、炭素数1〜4のアルキレン基又は直接結合であり、好ましくはCH基、CHCH基であり、更に好ましくはCH基である。
上記疎水性基含有単量体としては、例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール、メタリルアルコール及びイソプレノール等の不飽和二重結合を有するアルコールに炭素数4〜8のアルキルグリシジルエーテルを反応させた化合物;アリルグリシジルエーテルに炭素数4〜12のアルコール又は炭素数4〜12のアルコールのエチレンオキシド付加物を反応させた化合物等が挙げられる。
上記炭素数としては、上述の疎水性有機基における炭素数のとおりである。
上記疎水性基含有単量体としては、下記式(2);
Figure 0006948853
(式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Yは、炭素数1〜4のアルキレン基又は直接結合を表す。Rは、炭素数1〜20の疎水性有機基を表す。)で表される化合物が好ましい。
上記Rとしては、水素原子であることが好ましく、Yとしては、CH基であることが好ましい。
式(2)における疎水性有機基の具体例及び好ましい例としては、上述の通りである。
(カルボン酸系単量体)
本発明の疎水性基含有共重合体は、カルボン酸系単量体由来の構造単位(B)を有する。
上記カルボン酸系単量体(以下、単量体(b)ともいう)は、不飽和二重結合(炭素炭素二重結合)と、カルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基とを含む単量体である。
本発明の疎水性基含有共重合体は、構造単位(B)を有することによって、水溶性が良好になり、また疎水性汚れの分散性にも優れたものとなる。
ここで、カルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を含むとは、−COOZ(Zは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表される基を、1分子中に1個以上有することを意味する。金属原子としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;アルミニウム、鉄等が挙げられる。また、有機アミン基としては、モノエタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基;モノエチルアミン基、ジエチルアミン基、トリエチルアミン基等のアルキルアミン基;エチレンジアミン基、トリエチレンジアミン基等のポリアミン基等が挙げられる。上記カルボン酸塩基としては、これらの中でも、より好ましくはアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であり、更に好ましくはナトリウム塩である。
上記カルボン酸系単量体としては、1分子内に不飽和二重結合と1つのカルボキシ基(又はカルボン酸塩基)とを含む不飽和モノカルボン酸系単量体や、1分子内に不飽和二重結合と2つのカルボキシ基(又はカルボン酸塩基)とを含む不飽和ジカルボン酸系単量体が好適である。
上記不飽和モノカルボン酸系単量体として具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−ヒドロキシ(メタ)アクリル酸、α−ヒドロキシメチル(メタ)アクリル酸及びその誘導体等の不飽和カルボン酸や、これらの塩等が挙げられる。
上記不飽和ジカルボン酸系単量体として具体的には、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸、これらの塩、及び、これらの無水物等が挙げられる。また、これら不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのハーフエステル、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22のアミンとのハーフアミド、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのハーフエステル、マレアミド酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフアミド等であってもよい。
上記カルボン酸系単量体の中でも、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、マレイン酸、マレイン酸塩が好適である。中でも、(メタ)アクリル酸系単量体である(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩を必須とすることがより好ましい。
すなわち、カルボン酸系単量体が(メタ)アクリル酸系単量体であることは本発明の好適な実施形態の1つである。
(その他の単量体)
本発明の疎水性基含有共重合体は、その他の単量体(上記カルボン酸系単量体及び疎水性基含有単量体以外の単量体)に由来する構造単位(C)を有していてもよい。上記疎水性基含有共重合体は、構造単位(C)を1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
上記その他の単量体(以下、単量体(c)ともいう)は、上記単量体(a)及び(b)と共重合可能なものであれば特に限定されず、所望の効果によって適宜選択可能である。
上記その他の単量体(c)としては、具体的には、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及び、(メタ)アリルスルホン酸、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アリルオキシ−1−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらの塩等のスルホン酸(塩)基含有単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを付加した単量体、アルコキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体(単量体(a)に該当する単量体は除くものとする);ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基を有するビニル芳香族系単量体;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のジアリルアルキルアミン等のアリルアミン等のアミノ基含有単量体及びこれらの四級化物;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の水酸基含有単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体;スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;イソブチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
なお、上記四級化物は、上記アミノ基含有単量体に通常用いられる四級化剤を反応させることによって得られるものである。上記四級化剤としては、ハロゲン化アルキル、ジアルキル硫酸等が挙げられる。
任意成分である上記その他の単量体(c)に由来する構造単位(C)の含有量としては、疎水性基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量(すなわち構造単位(A)、(B)及び(C)の総量)100質量%に対して、0〜25質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜20質量%であり、更に好ましくは0〜15質量%であり、特に好ましくは1〜10質量%である。
なお、上記構造単位(C)がアミノ基含有単量体由来の構造単位である場合には、全単量体に由来する構造単位の総量に対する質量割合や、アミノ基含有単量体の、全単量体の総量に対する質量割合を算出する際には、対応する未中和アミンの質量割合として計算するものとする。例えば、その他の単量体(c)がビニルアミン塩酸塩の場合には、対応する未中和アミンであるビニルアミンの質量割合(質量%)を計算する。
また、四級化されたアミノ基を含有する単量体又はそれに由来する構造単位の質量割合(質量%)を計算する場合には、カウンターアニオンの質量は考慮しないで(含めないで)計算するものとする。
上記構造単位(C)が酸基含有単量体由来の構造単位である場合には、全単量体由来の構造単位の総量に対する質量割合(質量%)は、対応する酸に換算して計算するものとする。また、酸基含有単量体の、全単量体の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸に換算して計算するものとする。
<疎水性基含有共重合体の製造方法>
本発明の疎水性基含有共重合体は、上記単量体(a)及び単量体(b)を必須成分として含む単量体成分を重合することにより製造することができる。
本発明の疎水性基含有共重合体の製造に用いる単量体成分は、上述のカルボン酸系単量体と疎水性基含有単量体とを必須として含み、任意に、その他の単量体を含んでいてもよい。
上記カルボン酸系単量体は、酸型であっても塩型(中和型)であってもよい。
上記単量体成分におけるカルボン酸系単量体、疎水性基含有単量体及びその他の単量体の含有割合は、上述した、本発明の疎水性基含有共重合体におけるこれらの単量体由来の構造単位の割合と同様である。
(中和工程)
上記単量体成分に含まれるカルボン酸系単量体のすべてが酸型、又は、一部が塩型である場合、重合反応中及び/又は重合反応後に中和工程を行ってもよい。
好ましくは重合反応後において中和工程を行うことである。反応後にpHを中性付近に近づけることで、保存容器が金属の場合、腐食等をより充分に抑制することができる。
上記中和工程において、アルカリ成分を用いることが好ましい。
上記アルカリ成分としては、通常用いられているものを使用することができ、具体例としては、国際公開第2011/158945号に記載のものと同様のものが挙げられる。
上記アルカリ成分として好ましくはアルカリ金属の水酸化物であり、より好ましくは水酸化ナトリウムである。
上記中和工程で使用されるアルカリ成分の使用量は、上記疎水性基含有共重合体の全カルボキシル基に対するカルボキシル基の塩の割合が上述の範囲になるように設定することができる。
(重合開始剤)
本発明の疎水性基含有共重合体は、単量体成分を、重合開始剤(以下、開始剤ともいう)の存在下で重合して得ることが好ましい。
上記重合開始剤としては、通常重合開始剤として用いられているものを使用することができ、例えば、過硫酸塩;過酸化水素;アゾ系化合物;有機過酸化物等が好適である。これらの具体例としては、国際公開第2010/024448号に記載のものと同様のものが挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよいし、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。重合体の分子量分布が小さくなる傾向にあるので、1種のみを使用することが好ましい。上記重合開始剤として好ましくは過硫酸塩であり、より好ましくは過硫酸ナトリウムである。
上記重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、全単量体成分1モルに対して、10g以下であることが好ましく、より好ましくは2〜8gである。
(連鎖移動剤)
本発明の疎水性基含有共重合体の製造方法においては、重合開始剤の他に、連鎖移動剤を使用することも可能である。この際使用できる連鎖移動剤としては、分子量の調節ができる化合物であれば特に制限されず、通常連鎖移動剤として用いられているものを使用することができる。具体的には、チオール系連鎖移動剤;ハロゲン化物;第2級アルコール;亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩等;亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びその塩(亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)等の、低級酸化物等が挙げられ、これらの具体例としては、国際公開第2010/024448号に記載のものと同様のものが挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独で使用されてもよいし、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記連鎖移動剤の中でも、亜硫酸や亜硫酸塩を用いることが好適である。すなわち、連鎖移動剤として、亜硫酸及び/又は亜硫酸塩(以下、「亜硫酸(塩)」と称す。)を少なくとも用いることが好適である。
上記連鎖移動剤の添加量は、特に制限されないが、全単量体成分1モルに対して、1〜20gであることが好ましい。より好ましくは2〜15gである。1g未満であると、分子量の制御ができないおそれがあり、逆に、20gを超えると、連鎖移動剤が残留したり、重合体純分が低下したりするおそれがある。
(分解触媒、還元性化合物)
本発明の疎水性基含有共重合体の製造方法は、重合開始剤等の他に、重合開始剤の分解触媒や還元性化合物(反応促進剤ともいう)を使用(重合系に添加)してもよい。
上記重合開始剤の分解触媒や還元性化合物として作用する化合物としては、重金属イオン(又は重金属塩)が挙げられる。すなわち、本発明の疎水性基含有共重合体の製造方法は、重合開始剤等の他に、重金属イオン(又は重金属塩)を使用(重合系に添加)してもよい。なお、本明細書中、重金属イオンとは、比重が4g/cm以上の金属を意味する。
上記重金属イオンとしては、これらの具体例としては、国際公開第2010/024448号に記載のものと同様のものが挙げられる。
上記重金属イオンの含有量は、また、重合反応完結時(重合反応後に中和工程を行う場合には中和後)における重合反応液の全質量に対して0.1〜10ppmであることが好ましい。重金属イオンの含有量が0.1ppm以上であると、重金属イオンによる効果をより充分に発現することができ、10ppm以下であれば、得られる重合体を色調により優れたものとすることができる。
本発明の疎水性基含有共重合体の製造方法は、上記重合開始剤、連鎖移動剤、反応促進剤の他にも、必要に応じてpH調節剤、緩衝剤等を用いることができる。
(重合溶液)
本発明の疎水性基含有共重合体は、溶液重合で製造することが好ましい。この際使用できる溶媒は、全溶媒に対して50質量%以上が水である混合溶媒又は水であることが好ましい。より好ましくは、溶媒としては水のみを使用することである。ここで重合の際、水とともに使用できる有機溶剤としては、通常用いられているものを使用することができ、具体例としては、国際公開第2010/024448号に記載のものと同様のものが挙げられる。
本発明の疎水性基含有共重合体の原料となる単量体成分は、疎水性基含有単量体の割合が全単量体に対して12質量%以上、38質量%以下であることから、水を溶媒とした水溶液重合で製造することができる。
重合反応は、好ましくは、重合終了後の固形分濃度(溶液の内、不揮発分の濃度であり、後述する測定方法で測定される)が、重合溶液100質量%に対して10〜80質量%であり、15〜70質量%がより好ましく、20〜60質量%が更に好ましい。
(その他の製造条件)
上記重合の際の温度は好ましくは70℃以上であり、より好ましくは75〜110℃であり、更に好ましくは80〜105℃である。
重合反応における反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよい。
反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気または不活性雰囲気でもよく、特に限定はなく、経済的には、空気雰囲気で行うことが好ましい。
本発明の疎水性基含有共重合体の製造方法は、全ての使用原料の添加が終了した以後に、単量体の重合率を上げること等を目的として熟成工程を設けても良い。熟成時間は、通常1〜120分間、好ましくは10〜100分間、より好ましくは30〜60分間である。熟成時間が1分間未満の場合には、熟成不十分につき単量体成分が残ることがあり、残存単量体に起因する不純物を形成し性能が低下する傾向にある。
熟成工程における好ましい重合体溶液の温度は、上記重合温度と同様の範囲である。
<洗浄剤>
本発明の疎水性基含有共重合体は、疎水性汚れの分散性および液体洗剤への相溶性に優れる重合体であり、洗浄剤の成分(ビルダー)として好適に用いることができる。
このような本発明疎水性基含有共重合体を含むことを特徴とする洗剤ビルダー、及び、該洗剤ビルダーを含むことを特徴とする洗浄剤もまた、本発明の1つである。
洗浄剤には通常、洗剤に用いられる界面活性剤や添加剤が含まれる。
本発明の洗浄剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上の界面活性剤を含むことができる。
また、添加剤としては、アルカリビルダー、キレートビルダー、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等の汚れ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含むことができる。
本発明の疎水性基含有共重合体は、上述の構成よりなり、疎水性汚れの分散性と液体洗剤への相溶性に共に優れた共重合体であることから、洗浄剤、特に液体洗浄剤の成分として好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
また、本発明の疎水性基含有共重合体の重量平均分子量、疎水性粒子分散能及び、液体洗剤配合物との相溶性は、下記の方法に従って測定した。
<重量平均分子量の測定条件>
装置:東ソー製高速GPC装置(HLC−8320GPC)
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ、GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)
<固形分の測定>
130℃に加熱したオーブンで共重合体(共重合体1.0gに水1.0gを加えたもの)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の質量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
<疎水性粒子(カーボンブラック)分散能の測定>
疎水性粒子分散能として、以下の方法により、カーボンブラック分散能の測定を行った。
カーボンブラック分散能の測定においては、まず、緩衝溶液、及び、0.1%重合体水溶液を調製した。上記緩衝溶液は、グリシン6.76g、塩化ナトリウム5.26gおよび48%水酸化ナトリウム0.50gに純水を加えて全量を60.0gとした後、塩化カルシウム・2水和物0.163g、以上に純水を加えて1000.0gとした。上記0.1%重合体水溶液は、重合体を適量の水で希釈して固形分濃度0.1質量%に調製したものを用いた。
次に、上記各溶液及びカーボンブラック粉末を所定の順序及び所定の量で30mlの試験管に仕込んだ。この所定の順序及び所定の量は以下の通りである:第一番目としてカーボンブラック粉末0.03gを仕込み、第二番目として緩衝溶液27.0gを仕込み、最後に0.1%重合体水溶液3.0gを仕込んだ。
各溶液及びカーボンブラック粉末をこの順序で仕込んだ後、試験管に蓋をし、ゆっくり上下20往復反転させ、内容物を撹拌した。その後、常温で20時間静置し、20時間経過後、直ちに上澄み液を1cmの石英セルに入れ、分光光度計(測定装置;島津製作所社製 UV−1800)により、UV波長380nmにおける吸光度を測定した。結果を表1に示した。なお、吸光度が高い方が、カーボンブラック粉末を良く分散していることを示す。
<液体洗剤配合物との相溶性>
以下の方法で、液体洗剤配合物との相溶性を評価した。まず、液体洗剤配合物と20%重合体水溶液の調製を行った。25%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(製品名:エマール20C、花王製)83.3gと35%ラウリルジメチルアミンオキサイド(製品名:アンヒトール20N、花王製)11.9gに純水を加えて100.0gとした後、撹拌し、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム:ラウリルジメチルアミンオキサイド=5:1となるような25%液体洗剤配合物を調製した。上記20%重合体水溶液は、重合体を適量の水で希釈して固形分濃度20.0質量%に調製したものを用いた。
次に、上記25%液体洗剤配合物3.7gと上記20%重合体水溶液0.3gを混合、撹拌し相溶性を評価した。重合体水溶液を添加した際に、液体洗剤配合物に比べて濁りが発生するかどうかで相溶性の判断を行った。
<実施例1>
(単量体の合成)
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製4つ口フラスコに、n−ブチルアルコール370.0gと、ペレット状の水酸化ナトリウム4.27gを仕込み、攪拌しながら60℃まで昇温した。次に、アリルグリシジルエーテル(以下、「AGE」とも称する。)57.0gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。この溶液を1,000mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。ここに、20質量%塩化ナトリウム水溶液200.0gを加え、この水溶液を500mlの分液ロートへ移し、よく振り混ぜた後、分層するまで静置し、下層を取り除いた。残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体(1)を得た。
(重合)
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g及びモール塩0.0116gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」とも称する。)175.0g、単量体(1)60.0g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」とも称する。)90.5g、及び、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、「35%SBS」とも称する。)38.8gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては210分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)137.8gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、固形分濃度44%の重合体水溶液を得た。重合体の重量平均分子量は13,000であった。
<実施例2>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g及びモール塩0.0136gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 183.8g、単量体(1)42.0g、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの40%水溶液(以下、「40%HAPS」とも称する。)60.6g、15%NaPS 95.1g、及び、35%SBS 54.3gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については120分間、40%HAPSについては120分間、15%NaPSについては210分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 111.7gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、固形分濃度43%の重合体水溶液を得た。重合体の重量平均分子量は7,000であった。
<実施例3>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g及びモール塩0.0133gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 200.0g、単量体(1)40.0g、15%NaPS 90.5g、及び、35%SBS 38.8gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては210分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 157.2gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、固形分濃度43%の重合体水溶液を得た。重合体の重量平均分子量は12,000であった。
<実施例4>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g及びモール塩0.0140gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 189.6g、単量体(1)37.5g、40%HAPS 93.8g、15%NaPS 98.1g、及び、35%SBS 42.0gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については120分間、40%HAPSについては120分間、15%NaPSについては210分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 111.3gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、固形分濃度43%の重合体水溶液を得た。重合体の重量平均分子量は9,000であった。
<実施例5>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g及びモール塩0.0103gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 163.3g、単量体(1)24.5g、40%HAPS 22.7g、15%NaPS 79.4g、及び、35%SBS 11.3gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については120分間、40%HAPSについては120分間、15%NaPSについては210分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 87.5gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、固形分濃度42%の重合体水溶液を得た。重合体の重量平均分子量は31,000であった。
<比較例1>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g及びモール塩0.0124gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 192.0g、単量体(1)19.2g、40%HAPS 53.4g、15%NaPS 93.2g、及び、35%SBS 31.8gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については120分間、40%HAPSについては120分間、15%NaPSについては210分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 99.2gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、固形分濃度42%の重合体水溶液を得た。重合体の重量平均分子量は8,000であった。
<比較例2>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g及びモール塩0.0136gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 210.0g、単量体(1)21.0g、40%HAPS 60.6g、15%NaPS 102.3g、及び、35%SBS 21.9gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については120分間、40%HAPSについては120分間、15%NaPSについては210分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 128.8gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、固形分濃度42%の重合体水溶液を得た。重合体の重量平均分子量は24,000であった。
<比較例3>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g及びモール塩0.0135gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 200.0g、単量体(1)10.0g、40%HAPS 86.6g、15%NaPS 97.4g、及び、35%SBS 27.8gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については120分間、40%HAPSについては120分間、15%NaPSについては210分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 118.9gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、固形分濃度41%の重合体水溶液を得た。重合体の重量平均分子量は10,000であった。
<比較例4>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1,000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g及びモール塩0.0133gを仕込み、攪拌しながら85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 121.8g、単量体(1)24.4g、15%NaPS 32.6g、及び、35%SBS 12.7gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(1)については120分間、15%NaPSについては210分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に30分間、前記反応溶液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH 67.6gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、固形分濃度42%の重合体水溶液を得た。重合体の重量平均分子量は56,000であった。
Figure 0006948853
表1に示したとおり、共重合体における構造単位(A)の割合が全単量体の12〜38質量%の範囲にあり、かつ、共重合体の重量平均分子量が1000〜50000の範囲にある実施例1〜5の共重合体は、疎水性汚れの分散性及び液体洗剤配合物への相溶性に共に優れる結果となった。一方、重量平均分子量が1000〜50000の範囲にあるものの構造単位(A)の割合が全単量体の12〜38質量%の範囲にない比較例1〜3の共重合体、及び、構造単位(A)の割合が全単量体の12〜38質量%の範囲にあるものの、重量平均分子量が1000〜50000の範囲にない比較例4の共重合体は、いずれも疎水性汚れの分散性及び液体洗剤配合物への相溶性の少なくとも一方に劣る結果となった。
この結果から、構造単位(A)の割合、及び、共重合体の重量平均分子量がともに所定の範囲にあることではじめて疎水性汚れの分散性及び液体洗剤配合物への相溶性に共に優れる共重合体となることが確認された。

Claims (4)

  1. 下記式(1);
    Figure 0006948853
    (式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Yは、炭素数1〜4のアルキレン基又は直接結合を表す。Xは、(O−CH−CH)で表される単位の数を表し、0〜5の数である。Rは、炭素数1〜20の疎水性有機基を表す。)で表される疎水性基含有単量体由来の構造単位(A)とカルボン酸系単量体由来の構造単位(B)とを有する疎水性基含有共重合体であって、
    該共重合体は、共重合体における構造単位(A)の割合が、全単量体由来の構造単位100質量%に対して12質量%以上、38質量%以下であり、
    共重合体の重量平均分子量が、1000〜50000であることを特徴とする疎水性基含有共重合体(但し、芳香環及びスルホン酸(塩)基を含むスルホン酸系単量体に由来する構造単位を含む共重合体を除く)
  2. 前記カルボン酸系単量体は、(メタ)アクリル酸系単量体であることを特徴とする請求項1に記載の疎水性基含有共重合体。
  3. 請求項1又は2に記載の疎水性基含有共重合体を含むことを特徴とする洗剤ビルダー。
  4. 請求項3に記載の洗剤ビルダーを含むことを特徴とする洗浄剤。
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