JP7128567B2 - 洗浄剤用分散剤 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、アクリル酸系単量体由来の構造単位とオキシアルキレン基を有する不飽和単量体由来の構造単位と(メタ)アクリル酸アルキル系単量体由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系共重合体を洗剤組成物の材料として使用することが開示されている。
該分散剤は、下記式(1);
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の洗浄剤用分散剤が含む疎水性基含有共重合体は、上記式(2)で表されるアルキル(メタ)アクリレート由来の構造単位(B)の割合が、全単量体由来の構造単位100質量%に対して5~50質量%であり、カルボン酸系単量体由来の構造単位(C)の割合が、全単量体由来の構造単位100質量%に対して29質量%以下であることを特徴とする。アルキル(メタ)アクリレート由来の構造単位(B)は疎水性汚れに対する親和性が高く、カルボン酸系単量体由来の構造単位(C)は疎水性汚れを分散させる作用を発揮する。また、もう1つの構造単位(A)は、末端の構造によってこれらいずれの作用も発揮する。上記疎水性基含有共重合体は、このような所定の構造を所定の割合で有する共重合体であることで、疎水性汚れの分散性に優れた効果を発揮することができる。
本発明において、上記カルボン酸系単量体由来の構造単位(C)の割合を計算する場合は、対応する酸に換算して計算するものとする。例えば、上記構造単位(C)が、アクリル酸ナトリウム由来の構造単位-CH2-CH(COONa)-であれば、対応する酸であるアクリル酸由来の構造単位-CH2-CH(COOH)-として、質量割合(質量%)の計算をする。
なお、同様に、単量体成分におけるカルボン酸系単量体の質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸に換算して計算するものとする。例えば、アクリル酸ナトリウムであれば、対応する酸であるアクリル酸として質量割合(質量%)の計算をする。
上記疎水性基含有共重合体における構造単位(A)の割合は、より好ましくは、全単量体由来の構造単位100質量%に対して40~90質量%であり、更に好ましくは、50~88質量%である。
上記疎水性基含有共重合体は、上記式(1)で表されるエーテル結合含有単量体(以下、単量体(a)ともいう)由来の構造単位(A)を有する。本発明において、構造単位(A)は、1種が単独で存在してもあるいは2種以上の混合物の形態で存在していてもよい。また、構造単位(A)は、上記式(1)において、ビニル基の二重結合が単結合になった(-CH2-C(R0)(Ra-O-(AO)x1-R1)-)形態となる。
上記式(1)のR1が炭素数1~20の炭化水素基である場合、疎水性の相互作用により疎水性汚れとのなじみが良くなる。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基 、シクロアルキル基、アリール基等が挙げられる。上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基が好ましく、より好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、更に好ましくはアルキル基である。
また、上記疎水性有機基の炭素数としては、2~18が好ましく、より好ましくは3~12であり、更に好ましくは4~8である。上記炭素数が4以上であれば疎水性をより充分に発揮することができ、8以下であれば、重合性をより充分に向上させることができる。
X1としては、5~100であることが好ましく、8~50であることが最も好ましい。なお、上記式(1)において、X1が2以上である場合には、1つの構造単位(b)中に存在するAOは、同一であってもあるいは異なる種類からなるものであってもよい。
上記疎水性基含有共重合体は、親水性と疎水性とのバランスを良好なものとすることにより、疎水性汚れの分散性能をより充分に発揮することができるため、共重合体における構造単位(B)や(C)の割合等に応じてX1の値を調節することが好ましい。
上記式(1)におけるRaは、CH2基、CH2CH2基又は直接結合であり、好ましくはCH2CH2基である。
上記疎水性基含有共重合体は、上記式(2)で表されるアルキル(メタ)アクリレート(以下、単量体(b)ともいう)由来の構造単位(B)を有する。本発明において、構造単位(B)は、1種が単独で存在してもあるいは2種以上の混合物の形態で存在していてもよい。また、構造単位(B)は、上記式(2)において、ビニル基の二重結合が単結合になった(-CH2-C(R2)(COOR3)-)形態となる。
なお、R3がシクロアルキル基である場合、炭素数は3~20である。
上記炭素原子3~20のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル等の環状の基が挙げられる。
これらのうち、R3は、n-ブチル基、2-エチルヘキシル基、ドデシル基であることが好ましく、n-ブチル基、2-エチルヘキシル基がより好ましい。
上記カルボン酸系単量体(以下、単量体(c)ともいう)は、不飽和二重結合(炭素炭素二重結合)と、カルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基とを含む単量体である。
構造単位(C)は、疎水性基含有共重合体の水溶性を良好にし、また疎水性汚れの分散性を向上させる作用を有する。
上記不飽和ジカルボン酸系単量体として具体的には、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸、これらの塩、及び、これらの無水物等が挙げられる。また、これら不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1~22個のアルコールとのハーフエステル、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1~22のアミンとのハーフアミド、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2~4のグリコールとのハーフエステル、マレアミド酸と炭素数2~4のグリコールとのハーフアミド等であってもよい。
すなわち、カルボン酸系単量体が(メタ)アクリル酸系単量体であることは本発明の好適な実施形態の1つである。
上記疎水性基含有共重合体は、その他の単量体(上記エーテル結合含有単量体、アルキル(メタ)アクリレート及びカルボン酸系単量体以外の単量体)に由来する構造単位(D)を有していてもよい。
この際、構造単位(D)が疎水性基含有共重合体中に存在する割合は、特に制限されないが、必須の構造単位である構造単位(A)、(B)及び(C)の効果を阻害しないことを考慮すると、構造単位(A)、(B)及び(C)の合計組成100質量%に対して、0質量%を超えて10質量%以下、より好ましくは0質量%を超えて7質量%以下、最も好ましくは0質量%を超えて5質量%以下の割合であることが好ましい。このような範囲であれば、必須の構造単位である構造単位(A)、(B)及び(C)の効果、即ち、疎水性汚れの分散能力が維持できる上、構造単位(D)による効果、例えば、キレート能、粘度調整能がさらに付与されるため好ましい。なお、構造単位(D)の割合が、10質量%を超えると、共重合体の調製においてゲル化や架橋反応が起こり、共重合体の水溶性が低下したり、色調の悪化や悪臭を発するおそれがある。
上記その他の単量体(d)としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等の芳香族炭化水素基を有するビニル芳香族系単量体、ならびにビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基を有するビニル芳香族系単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸系単量体及びこれらの塩;N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニルオキサゾリドン等のN-ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;3-(メタ)アリルオキシ-1,2-ジヒドロキシプロパン、3-アリルオキシ-1,2-ジヒドロキシプロパン、3-アリルオキシ-1,2-ジヒドロキシプロパンにエチレンオキサイドを1~200モル付加させた化合物(3-アリルオキシ-1,2-ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン等)、(メタ)アリルアルコール等のアリルエーテル系単量体;イソプレノール等のイソプレン系単量体等が挙げられる。
その他の単量体(d)は、1種を単独で使用してもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記疎水性基含有共重合体の製造方法は、特に制限されず、公知の重合方法を同様にしてあるいは修飾した方法が使用できる。例えば、上記疎水性基含有共重合体を製造する方法としては、エーテル結合含有単量体(a)、アルキル(メタ)アクリレート(b)、及び必要に応じてカルボン酸系単量体(c)を含む単量体成分を共重合することにより製造することができる。また、単量体成分を共重合する際には、必要に応じ、上記その他の単量体(d)を更に共重合させてもよい。
上記単量体成分における単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)及びその他の単量体(d)の含有割合は、上述した、上記疎水性基含有共重合体におけるこれらの単量体由来の構造単位の割合と同様である。
また本発明において、上記単量体成分の共重合は、使用する溶媒の50質量%以上に水を用いる、および/または連鎖移動剤の存在下で行なうことが好ましく、使用する溶媒の50質量%以上に水を用い、かつ連鎖移動剤の存在下で行なうことがより好ましい。この際、使用する溶媒の50質量%以上に水を用いることによって、重合に使用される有機溶剤の量を抑制できるため、重合終了後の有機溶剤の留去が容易であるという利点がある。また、連鎖移動剤を使用すると、製造される疎水性基含有共重合体が必要以上に高分子量化することを抑制することができるという利点がある。特に連鎖移動剤として亜硫酸や亜硫酸塩を使用すると、以下に詳述するが、得られる疎水性基含有共重合体の末端に定量的にスルホン酸基を導入することができ、耐ゲル性を向上することができる。
これらの重合開始剤は、単独で使用されてあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。この際、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、メタ二亜硫酸塩、次亜燐酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L-アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等の促進剤を併用することもできる。なお、過酸化水素を用いる場合は、L-アスコルビン酸(塩)等の促進剤と組み合わせて用いるのが好ましい。
反応促進剤として使用される重金属イオンとは、比重が4g/cm3以上の金属を意味する。上記金属イオンとしては、例えば、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等が好ましい。これらの重金属は1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、鉄がより好ましい。上記重金属イオンのイオン価は特に限定されるものではなく、例えば、重金属として鉄が用いられる場合、開始剤における鉄イオンとしては、Fe2+であっても、Fe3+であってよく、これらが組み合わされていてもよい。
本発明の洗浄剤用分散剤は、疎水性汚れの分散性に優れるため、洗浄剤の成分(ビルダー)として好適に用いることができる。
このような本発明の洗浄剤用分散剤を含むことを特徴とする洗浄剤もまた、本発明の1つである。
本発明の洗浄剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上の界面活性剤を含むことができる。
また、添加剤としては、アルカリビルダー、キレートビルダー、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤、ベンゾトリアゾールやエチレン-チオ尿素等の汚れ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含むことができる。
疎水性機含有共重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、共にGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定した。測定条件、装置などは以下の通りである。
装置:東ソー社製 HLC-8320
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF-310-HQ,GF-710-HQ,GF-1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min.
検量線:ジーエルサイエンス株式会社製 POLYETHYLENE GLYCOL STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)
油汚れ分散能として、以下の方法により、ライムソープ分散能の測定を行った。
まずライムソープ分散能の測定においては、硬水の調製を行った。塩化カルシウム2水和物8.20gに純水を加えて100gとし、硬水を調製した。
次に固形分換算で1%の重合体水溶液0.3g、1%オレイン酸ナトリウム水溶液1.5g、純水14.1gを20ミリリットルサンプル管に入れて撹拌した。そこに、調製した硬水0.1gを加えて撹拌し、試験液とした。その後サンプル管を暗所に10分間静置した。10分間後、試験液をUV分光器(島津製作所、UV-1200;1cmセル、波長380nm)で吸光度を測定した。この値が小さいほど、ライムソープ分散性が高いことを示す。
疎水性微粒子分散能として、以下の方法により、カーボンブラック分散能の測定を行った。
まずカーボンブラック分散能の測定においては、分散液の調製を行った。グリシン67.56g、塩化ナトリウム52.6g、水酸化ナトリウム2.4gに純水を加え、600gとした。(これをバッファーAとする。)バッファーA 60gに塩化カルシウム2水和物0.163gを加え、さらに純水を加え、1000gとした。(これをバッファーBとする。)固形分換算で0.1%重合体水溶液4gに、バッファーBを36g加え、撹拌し分散液とした。
次に、試験管(直径16mm、高さ180mm)にカーボンブラック粉末0.03gを入れた後、上記の分散液30gを加え、密閉する。試験管を振り、カーボンブラックを均一に分散させた後、試験管を暗所に20時間静置した。20時間後、上澄みを5mL取り、それを10倍希釈した後、UV分光器(島津製作所、UV-1200;1cmセル、波長380nm)で吸光度を測定した。この値が大きいほど、カーボンブラック分散能が高いことを示す。
合成例1
環流冷却器、撹拌機を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、イオン交換水225.0g、イソプロピルアルコール225.0g、イソプレノールのエチレンオキシド50モル付加物の80%濃度水溶液(以下、80%IPN50と略す。)425.6g、および70%パラトルエンスルホン酸1水和物(以下、70%PTSと略す。)1.97gを仕込み、撹拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、85℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと略す。)66.9g、100%ブチルアクリレート(以下、100%BAと略す。)56.0g、10%2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩水溶液(以下、10%V-50と略す。)67.0gをそれぞれ別のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAおよび100%BAは180分間、10%V-50は210分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、滴下は連続的に行った。
10%V-50の滴下終了後、さらに30分間、上記反応液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を撹拌、放冷しながら、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、48%NaOHと略す。)12.4gを徐々に滴下し、重合液の中和を行った。このようにして、固形分濃度43%、重量平均分子量11,000の重合体1を得た。
環流冷却器、撹拌機を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、イオン交換水375.0g、80%IPN50 472.9g、70%PTS 2.19gを仕込み、撹拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 74.4g、100%BA 62.2g、10%V-50 74.5g、50%イソプロピルアルコール30.0gをそれぞれ別のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AA、100%BAおよび50%イソプロピルアルコールは180分間、10%V-50は210分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、滴下は連続的に行った。
10%V-50の滴下終了後、さらに30分間、上記反応液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を撹拌、放冷しながら、48%NaOH 13.8gを徐々に滴下し、重合液の中和を行った。このようにして、固形分濃度46%、重量平均分子量46,000の重合体2を得た。
環流冷却器、撹拌機を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、イオン交換水375.0g、80%IPN50 472.9g、70%PTS 2.19gを仕込み、撹拌しながら、85℃まで昇温して重合反応系とした。次に、85℃に保持された重合反応系中に、80%AA 74.4g、100%BA 62.2g、10%V-50 74.5gをそれぞれ別のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAおよび100%BAは180分間、10%V-50は210分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、滴下は連続的に行った。
10%V-50の滴下終了後、さらに30分間、上記反応液を85℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を撹拌、放冷しながら、48%NaOH 13.8gを徐々に滴下し、重合液の中和を行った。このようにして、固形分濃度48%、重量平均分子量70,000の重合体3を得た。
環流冷却器、撹拌機および窒素導入管を備えたガラス製セパラブルフラスコに、80%IPN50 233.0g、70%PTS 1.2g、0.1%モール塩1.8gを仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温して、そこに35%過酸化水素水溶液1.1gを加え、重合反応系とした。次に、重合反応系中に、100%AA 29.4gと100%BA 30.6gの混合溶液、L-アスコルビン酸(以下、L-ASと略す。)0.1gをイオン交換水14.2gで希釈した水溶液、3-メルカプトプロピオン酸(以下、MPAと略す。)2.9gをイオン交換水9.8gで希釈した水溶液をそれぞれ別のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、100%AAと100%BAの混合溶液は150分間、L-AS水溶液は270分間、MPA水溶液は210分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、滴下は連続的に行った。
L-AS水溶液滴下終了後、さらに60分間、上記反応液を60℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を撹拌、放冷しながら、30%水酸化ナトリウム水溶液(以下、30%NaOHと略す。)5.9gを徐々に滴下し、重合液の中和を行った。また濃度調製用の希釈水90.6gを加えた。このようにして、固形分濃度58%、重量平均分子量17,000の重合体4を得た。
環流冷却器、撹拌機および窒素導入管を備えたガラス製セパラブルフラスコに、80%IPN50 454.7g、70%PTS 2.2g、0.1%モール塩3.6gを仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温して、そこに35%過酸化水素水溶液1.5gを加え、重合反応系とした。次に、重合反応系中に、100%AA 52.3gと100%2-エチルヘキシルアクリレート(以下、100%2EHAと略す。)22.7gの混合溶液、L-AS 0.2gをイオン交換水17.4gで希釈した水溶液、MPA 5.0gをイオン交換水17.8gで希釈した水溶液をそれぞれ別のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、100%AAと100%2EHAの混合溶液は150分間、L-AS水溶液は270分間、MPA水溶液は210分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、滴下は連続的に行った。
L-AS水溶液滴下終了後、さらに60分間、上記反応液を60℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を撹拌、放冷しながら、30%NaOH 20.8gを徐々に滴下し、重合液の中和を行った。また濃度調製用の希釈水403.0gを加えた。このようにして、固形分濃度44%、重量平均分子量16,000の重合体5を得た。
環流冷却器、撹拌機および窒素導入管を備えたガラス製セパラブルフラスコに、80%IPN50 193.5g、70%PTS 1.1g、0.1%モール塩1.5gを仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温して、そこに35%過酸化水素水溶液1.2gを加え、重合反応系とした。次に、重合反応系中に、100%AA 27.4gと100%BA 47.6gの混合溶液、L-AS 0.1gをイオン交換水15.6gで希釈した水溶液、MPA 3.3gをイオン交換水11.1gで希釈した水溶液をそれぞれ別のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、100%AAと100%BAの混合溶液は150分間、L-AS水溶液は270分間、MPA水溶液は210分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、滴下は連続的に行った。
L-AS水溶液滴下終了後、さらに60分間、上記反応液を60℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を撹拌、放冷しながら、30%NaOH 11.1gを徐々に滴下し、重合液の中和を行った。また濃度調製用の希釈水82.7gを加えた。このようにして、固形分濃度57%、重量平均分子量16,000の重合体6を得た。
環流冷却器、撹拌機および窒素導入管を備えたガラス製セパラブルフラスコに、80%IPN50 247.7g、70%PTS 1.4g、0.1%モール塩1.9gを仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温して、そこに35%過酸化水素水溶液1.3gを加え、重合反応系とした。次に、重合反応系中に、100%AA 32.5gと100%BA 42.5gの混合溶液、L-AS 0.2gをイオン交換水19.7gで希釈した水溶液、MPA 3.7gをイオン交換水8.6gで希釈した水溶液をそれぞれ別のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、100%AAと100%BAの混合溶液は150分間、L-AS水溶液は270分間、MPA水溶液は210分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、滴下は連続的に行った。
L-AS水溶液滴下終了後、さらに60分間、上記反応液を60℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を撹拌、放冷しながら、30%NaOH 45.8gを徐々に滴下し、重合液の中和を行った。また濃度調製用の希釈水80.8gを加えた。このようにして、固形分濃度61%、重量平均分子量17,000の重合体7を得た。
環流冷却器、撹拌機および窒素導入管を備えたガラス製セパラブルフラスコに、80%IPN50 338.8g、70%PTS 1.5g、0.1%モール塩2.7gを仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温して、そこに35%過酸化水素水溶液0.6gを加え、重合反応系とした。次に、重合反応系中に、100%BA 37.0g、L-AS 0.1gをイオン交換水13.4gで希釈した水溶液、MPA 1.6gをイオン交換水9.3gで希釈した水溶液をそれぞれ別のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、100%BAは150分間、L-AS水溶液は270分間、MPA水溶液は210分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、滴下は連続的に行った。
L-AS水溶液滴下終了後、さらに60分間、上記反応液を60℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を撹拌、放冷しながら、30%NaOH 0.6gを徐々に滴下し、重合液の中和を行った。また濃度調製用の希釈水285.6gを加えた。このようにして、固形分濃度53%、重量平均分子量7,000の重合体8を得た。
環流冷却器、撹拌機を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、イオン交換水430g、モール塩0.03gを入れ、撹拌しながら、90℃まで昇温して重合反応系とした。次に、90℃に保持された重合反応系中に、80%AA 315.3gと48%NaOH 14.6gの混合溶液、100%イソプレノールのエチレンオキシド10モル付加物(以下、100%IPN10と略す。)227.0g、100%BA 25.2g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと略す。)82.6g、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと略す。)70.8gをそれぞれ別のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAと48%NaOHの混合溶液は180分間、100%IPN10および100%BAは170分間、15%NaPSは210分間、35%SBSは175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、滴下は連続的に行った。
15%NaPSの滴下終了後、さらに30分間、上記反応液を90℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を撹拌、放冷しながら、48%NaOH 247.9gを徐々に滴下し、重合液の中和を行った。このようにして、固形分濃度44%、重量平均分子量14,000の比較重合体1を得た。
実施例1~8、比較例1
合成例1~8、比較合成例1で合成した重合体1~8、比較重合体1について、上記方法に従ってライムソープ分散性能、及び、カーボンブラック分散性能の評価を行った。その結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明における重合体1~8は、比較重合体1に対して、ライムソープ分散性能、及び、カーボンブラック分散性能のいずれについても有意に優れた性能を有することが確認された。
Claims (4)
- 疎水性基含有共重合体を含む洗浄剤用分散剤であって、
該分散剤は、下記式(1);
該共重合体は、共重合体における構造単位(A)の割合が、全単量体由来の構造単位100質量%に対して50~80質量%であり、
構造単位(B)の割合が、全単量体由来の構造単位100質量%に対して5~35質量%であり、
カルボン酸系単量体由来の構造単位(C)の割合が全単量体由来の構造単位100質量%に対して15~29質量%であり、
重量平均分子量が2000~46000である疎水性基含有共重合体を含むことを特徴とする洗浄剤用分散剤。 - 前記疎水性基含有共重合体は、カルボン酸系単量体由来の構造単位(C)の割合が全単量体由来の構造単位100質量%に対して15~25質量%であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤用分散剤。
- 前記カルボン酸系単量体は、(メタ)アクリル酸系単量体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄剤用分散剤。
- 請求項1~3のいずれかに記載の洗浄剤用分散剤を含むことを特徴とする洗浄剤。
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