JP2016155941A - (メタ)アクリル酸系重合体組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗剤、スケール防止剤、腐食防止剤に用いる(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む組成物であって、緑色等への色調の変化が抑制された(メタ)アクリル酸系重合体組成物の提供。【解決手段】(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む組成物であって、該鉄1モルに対して0.01モル以上好ましくは0.01〜100モル、より好ましくは0.05〜100モル最も好ましくは0.1〜10モルのキレート剤を含む(メタ)アクリル酸系重合体組成物。(メタ)アクリル酸(塩)とスルホン酸基含有モノマーを含む単量体組成物を過硫酸塩/重亜硫酸塩/重金属イオンの組み合せを用いて重合し、重亜硫酸塩が残存する(メタ)アクリル酸系重合体組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、(メタ)アクリル酸系重合体組成物に関する。
(メタ)アクリル酸(塩)とスルホン酸基含有モノマーとを含む単量体組成物を共重合して製造される共重合体は、洗剤、スケール防止剤、腐食防止剤等に好適に使用されることが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
(メタ)アクリル酸(塩)とスルホン酸基含有モノマーとを含む単量体組成物の共重合は、一般に、重合開始剤を用いた水溶液重合によって製造され、共重合体水溶液として得られる。特に、このような単量体組成物の共重合反応を効率良く進行させるため、重合触媒として鉄が好ましく用いられる。
ところが、このような共重合体水溶液をポリ容器等で保管を行った場合、経時に伴い、共重合体水溶液の色調が、製造直後の淡黄色から濃緑色へと変色してしまうという問題が生じる。このような緑色系への着色は、重合触媒として用いられる鉄が原因であるものと推測される。
洗剤、スケール防止剤、腐食防止剤等の用途において、用いる共重合体水溶液が緑色系に着色すると、最終製品においてもその傾向の着色が維持されてしまう恐れが高く、色から感じられる印象が悪いものとなる。
このようなことから、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む組成物であって淡黄色の色調が維持された組成物が提供されることが強く望まれている。
本発明の課題は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む組成物であって、色調の変化が抑制された(メタ)アクリル酸系重合体組成物を提供することにある。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、
(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む組成物であって、
該鉄1モルに対して0.01モル以上のキレート剤を含む。
(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む組成物であって、
該鉄1モルに対して0.01モル以上のキレート剤を含む。
好ましい実施形態においては、本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、重亜硫酸ナトリウムを含む。
本発明によれば、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む組成物であって、色調の変化が抑制された(メタ)アクリル酸系重合体組成物を提供することができる。
≪(メタ)アクリル酸系重合体組成物≫
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる鉄は、鉄イオンの形態を採っていても良い。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中、鉄の含有量は、(メタ)アクリル酸系重合体100質量部に対して、好ましくは10ppm〜10000ppmであり、より好ましくは20ppm〜5000ppmであり、さらに好ましくは30ppm〜4000ppmであり、特に好ましくは40ppm〜3000ppmであり、最も好ましくは50ppm〜2000ppmである。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中における鉄の含有量を上記範囲内に調整することにより、本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中における(メタ)アクリル酸系重合体が効率良く得られ得る。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中における鉄の含有量が少なすぎると、鉄による効果が十分に発現しないおそれがある。一方、本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中における鉄の含有量が多すぎると、洗剤ビルダーとして用いられた際の汚れや、スケール防止剤として用いられた際のスケールが、増加するおそれがある。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、鉄1モルに対して0.01モル以上のキレート剤を含む。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中のキレート剤の含有量は、鉄1モルに対して、好ましくは0.01モル〜1000モルであり、より好ましくは0.03モル〜500モルであり、さらに好ましくは0.05モル〜100モルであり、特に好ましくは0.07モル〜50モルであり、最も好ましくは0.1モル〜10モルである。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中のキレート剤の含有量を上記範囲内に調整することにより、本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、色調の変化が抑制される。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含むものの、色調の変化が非常に抑制されている。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物の色調は、L*a*b*表色系において、L*値が、好ましくは80〜100であり、より好ましくは85〜100であり、さらに好ましくは90〜100であり、さらに好ましくは92〜100であり、特に好ましくは93〜100であり、最も好ましくは94〜100である。
L*a*b*表色系においてL*値は、明度(明るさ)を表す指標であり、0から100までの数値で表され、数値が大きいほど明るいことを意味する。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物の色調におけるL*値が上記範囲内にあることは、本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物の明度(明るさ)のレベルが高い(明るい)ことを意味し、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む組成物が従来のように淡黄色から濃緑色へと経時で変色していくことを効果的に抑制できていることを示している。
<(メタ)アクリル酸系重合体>
(メタ)アクリル酸系重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する。
(メタ)アクリル酸系重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する。
(メタ)アクリル酸系重合体は、好ましくは、(メタ)アクリル酸(塩)とスルホン酸基含有モノマーを含む単量体組成物を重合して製造し得る。
(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位は1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。スルホン酸基含有モノマー由来の構造単位は1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。(メタ)アクリル酸系重合体は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ここで、「(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位」や「スルホン酸基含有モノマー由来の構造単位」など、重合性不飽和二重結合を有するモノマー由来の構造単位とは、該重合性不飽和二重結合を有するモノマーを含む単量体組成物を重合させたときの、該重合性不飽和二重結合を有するモノマーに由来する構造単位のことである。例えば、重合性不飽和二重結合を有するモノマーを一般式(1)で表した場合、該重合性不飽和二重結合を有するモノマーに由来する構造単位は一般式(2)のようになる。ここで、一般式(1)および一般式(2)中、R1〜R4は、それぞれ、水素原子または有機基(N、O、Sなどのヘテロ原子を有する場合も含む)である。
(メタ)アクリル酸(塩)は、アクリル酸(塩)および/またはメタクリル酸(塩)を意味する。アクリル酸(塩)は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩を意味し、メタクリル酸(塩)は、メタクリル酸および/またはメタクリル酸塩を意味する。
(メタ)アクリル酸(塩)の塩としては、−COOZ基のZで表される。Zは、金属原子、アンモニウム基(アンモニウム塩、すなわち、COONH4を構成)、または有機アミノ基(有機アミン塩を構成)である。金属原子としては、ナトリウム原子やカリウム原子などのアルカリ金属、カルシウム原子などのアルカリ土類金属、鉄原子などの遷移金属などが挙げられる。有機アミン塩としては、メチルアミン塩、n−ブチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジメチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、モルホリン塩、トリメチルアミン塩などの、1級〜4級のアミン塩が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果を十分に発現させるためには、Mは、ナトリウム原子、カリウム原子が好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸(塩)以外の「酸(塩)」なる記載についても、(メタ)アクリル酸(塩)における「酸(塩)」と同様の意味である。また、単に「塩」なる記載についても、(メタ)アクリル酸(塩)における−COOZ基のZの説明がそのまま援用される。
スルホン酸基含有モノマーは、スルホン酸基と重合性不飽和二重結合を有するモノマーであれば、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なモノマーを採用し得る。スルホン酸基含有モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
スルホン酸基含有モノマーとしては、本発明の効果を良好に発現し得る点で、好ましくは、一般式(3)で表されるスルホン酸基含有モノマーである。
一般式(3)中、R1は、単結合、CH2、CH2CH2のいずれかである。本発明の効果をより効果的に発現させ得る点で、R1は、好ましくはCH2である。
一般式(3)中、R2は、H、CH3のいずれかである。
一般式(3)中、X、Yのいずれか一方は水酸基であり、もう一方はスルホン酸(塩)基である。ここで、スルホン酸(塩)基とは、スルホン酸基および/またはスルホン酸塩基を意味する。本発明の効果をより効果的に発現させ得る点で、好ましくは、Xが水酸基であり、Yがスルホン酸(塩)基である。
スルホン酸基は、SO3Hで表される。スルホン酸塩基はSO3Mで表される。Mは、金属原子、アンモニウム基(アンモニウム塩、すなわち、SO3NH4を構成)、または有機アミノ基(有機アミン塩を構成)である。金属原子としては、ナトリウム原子やカリウム原子などのアルカリ金属、カルシウム原子などのアルカリ土類金属、鉄原子などの遷移金属などが挙げられる。有機アミン塩としては、メチルアミン塩、n−ブチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジメチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、モルホリン塩、トリメチルアミン塩などの、1級〜4級のアミン塩が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果を十分に発現させるためには、Mは、ナトリウム原子、カリウム原子が好ましい。
一般式(3)で表されるスルホン酸基含有モノマーは、本発明の効果をより効果的に発現させ得る点で、具体的には、好ましくは、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(塩)であり、より好ましくは、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(塩)(以下、「HAPS」と称することがある)であり、より好ましくは、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムである。ここで、「(メタ)アリル」とは、アリルおよび/またはメタリルを意味する。
スルホン酸基含有モノマーの好ましい例としては、上記のような一般式(3)で表されるスルホン酸基含有モノマー以外に、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)(以下、「AMPS」と称することがある)も挙げられる。
(メタ)アクリル酸系重合体中における(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位との含有比率は、質量比で、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位/スルホン酸基含有モノマー由来の構造単位が、好ましくは99/1〜30/70であり、より好ましくは99/2〜40/60であり、さらに好ましくは95/5〜50/50であり、特に好ましくは90/10〜60/40である。(メタ)アクリル酸系重合体中における(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位との含有比率を上記範囲内に調整することにより、洗剤、スケール防止剤、腐食防止剤等に好適に使用し得る(メタ)アクリル酸系重合体となり得る。
(メタ)アクリル酸系重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位以外の、他の単量体由来の構造単位を有していても良い。このような他の単量体由来の構造単位は1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
他の単量体としては、例えば、クロトン酸、α−ヒドロキシアクリル酸等の(メタ)アクリル酸以外のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体、およびそれらの塩;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸、およびそれらの塩;3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸等の共役ジエンスルホン酸等のスルホン酸系単量体、およびそれらの塩;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン等の(メタ)アリルオキシプロパン系化合物、および、それらの化合物1モルに対してエチレンオキサイドを1モル〜200モル付加させた化合物(3−アリルオキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン等);(メタ)アリルアルコール、及び、(メタ)アリルアルコール1モルに対してエチレンオキサイドを1モル〜100モル付加させた化合物等のアリルエーテル系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;イソプレノール、および、イソプレノール1モルに対してエチレンオキサイドを1モル〜100モル付加させた化合物等のイソプレン系単量体;等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸系重合体中における他の単量体の含有割合は、質量割合で、好ましくは0質量%〜20質量%であり、より好ましくは0質量%〜15質量%であり、さらに好ましくは0質量%〜10質量%であり、特に好ましくは0質量%〜5質量%である。(メタ)アクリル酸系重合体中における他の単量体の含有割合を上記範囲内に調整することにより、洗剤、スケール防止剤、腐食防止剤等に好適に使用し得る(メタ)アクリル酸系重合体となり得る。
(メタ)アクリル酸系重合体は、好ましくは、(メタ)アクリル酸(塩)とスルホン酸基含有モノマーを含む単量体組成物を重合して製造し得る。
(メタ)アクリル酸系重合体は、好ましくは、過硫酸塩/重亜硫酸塩/重金属イオンの組み合わせを用いた重合反応によって製造し得る。
重合反応の際の反応液(重合反応液)に用いられる溶媒は、好ましくは水性の溶媒であり、より好ましくは水である。単量体組成物の溶媒への溶解性を向上させるために、重合に悪影響を及ぼさない範囲で有機溶媒を適宜加えても良い。加えられる有機溶媒としては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアルデヒドなどのアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類;などが挙げられる。
重合反応液中には、好ましくは、1種類以上の過硫酸塩および1種類以上の重亜硫酸塩を含む。
過硫酸塩および重亜硫酸塩の添加比率は、質量比で、好ましくは、過硫酸塩1に対して、重亜硫酸塩が0.5〜10である。質量比で、過硫酸塩1に対して重亜硫酸塩が0.5未満であると、重亜硫酸塩による効果が十分に発現できないおそれがあり、また、得られる(メタ)アクリル酸系重合体の質量平均分子量が高くなりすぎるおそれがある。質量比で、過硫酸塩1に対して重亜硫酸塩が10を超えると、重亜硫酸塩による効果が添加比率に伴うほど得られないおそれがある。ただし、過硫酸塩および重亜硫酸塩の配合量は、この範囲に限定されるわけではなく、具体的な過硫酸塩および重亜硫酸塩の配合量は、使用用途や使用環境に応じて決定され得る。例えば、(メタ)アクリル酸系重合体が洗剤ビルダーとして用いられる場合には、質量平均分子量が高すぎると、性能が低下するおそれがある。したがって、質量平均分子量が必要以上に増大しないように留意して、配合量を決定すれば良い。
過硫酸塩および重亜硫酸塩の添加量は、使用される単量体組成物1モルに対する過硫酸塩および重亜硫酸塩の配合量として、好ましくは0.1g〜20gであり、より好ましくは0.5g〜15gである。
過硫酸塩としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムが挙げられる。
重亜硫酸塩としては、例えば、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウムが挙げられる。
なお、過硫酸塩、重亜硫酸塩以外に、必要であれば、亜硫酸塩やピロ亜硫酸塩などを用いても良い。
重合反応液中には、好ましくは、1種類以上の重金属イオンが含まれる。重金属とは、比重が4g/cm3以上の金属を意味する。具体的な重金属としては、例えば、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどが挙げられる。重合反応液は、好ましくは、これらのイオンを含む。重合反応液は、より好ましくは、鉄イオンを含む。重金属イオンのイオン価については特に限定されない。例えば、重金属として鉄が用いられる場合には、重合反応中に溶解している鉄イオンは、Fe2+であっても良いし、Fe3+であっても良いし、これらが組み合わされたものでも良い。
重金属イオンは、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いて添加され得る。その際に用いられる重金属化合物は、重合反応液中に含有されることを所望する重金属イオンに応じて決定される。溶媒として水が用いられる場合には、水溶性の重金属塩が好ましい。水溶性の重金属塩としては、例えば、モール塩(Fe(NH4)2(SO4)2・6H2O)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化マンガンなどが挙げられる。
重金属イオンの含有割合は、重合反応完結時における重合反応液の全質量に対して、好ましくは0.1ppm〜10ppmである。重合反応完結時とは、重合反応液中において重合反応が実質的に完了し、所望する重合体が得られた時点を意味する。例えば、重合反応液中において重合された重合体がアルカリ成分で中和される場合には、中和した後の重合反応液の全質量を基準に、重金属イオンの含有量を算出する。2種以上の重金属イオンが含まれる場合には、重金属イオンの総量が上述の範囲内にあればよい。
重金属イオンの含有量が0.1ppm未満であると、重金属イオンによる効果が十分に発現しないおそれがある。一方、重金属イオンの含有量が10ppmを超えると、洗剤ビルダーとして用いられた際の汚れや、スケール防止剤として用いられた際のスケールが、増加するおそれがある。
重合方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。好ましい実施形態の一つは、重金属イオンが予め配合された水溶液中に、単量体組成物、過硫酸塩および重亜硫酸塩を滴下する方法である。
各成分の滴下時間としては、任意の適切な時間を採用し得る。各成分の滴下速度としては、任意の適切な速度を採用し得る。
重合温度は、好ましくは25〜99℃、より好ましくは50〜95℃、さらに好ましくは、70℃以上90℃未満である。重合温度が25℃未満の場合には、得られる重合体の重量平均分子量が上昇しすぎるおそれや、不純物の生成量が増加するおそれがある。また、重合時間が長くなるため、重合体の生産性が低下するおそれがある。一方、重合温度が99℃を超える場合には、重亜硫酸塩が分解して亜硫酸ガスが多量に発生するおそれがある。液相中に溶解した亜硫酸ガスは、不純物の原因物質となり得るため、亜硫酸ガスが多量に発生すると、得られる重合体中の不純物量が増加するおそれがある。また、気相中の亜硫酸ガスの回収コストが増加するおそれがある。なお、重合温度とは、重合反応液の温度をいう。重合温度の測定方法や制御手段については、任意の適切な方法や装置を用い得る。
重合時の圧力は、任意の適切な圧力を採用し得る。例えば、常圧下、減圧下、加圧下の何れの圧力下であっても良い。
低分子量の重合体を得るためには、重合反応は酸性条件下(好ましくは、pHが3未満)で行われることが好ましい。具体的には、中和度は、好ましくは40mol%未満であり、より好ましくは20mol%未満であり、さらに好ましくは10mol%未満である。重合反応中の中和度が高いと不純物が多量に生成するおそれがある。重合反応中の中和度の下限値は特に制限されないが、重合反応中の中和度が低すぎると、亜硫酸ガスの発生量が増加する恐れがある。これらのバランスを考えると、重合反応中の中和度は5mol%程度に保つとよい。
酸性条件下で重合反応を行うことにより、高濃度かつ一段で重合を行うことができる。そのため、従来の製造方法では場合によっては必要であった濃縮工程を省略することができる。それゆえ、(メタ)アクリル酸系重合体の生産性が大幅に向上し、製造コストの上昇も抑制することが可能となる。
酸性条件下で重合を行う場合、得られる(メタ)アクリル酸系重合体の中和度は、重合が終了した後に、アルカリ成分を添加することによって中性領域(好ましくはpHが3〜7、より好ましくはpHが4〜6)に制御される。アルカリ成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類;等が挙げられる。アルカリ成分は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
以上の反応によって、(メタ)アクリル酸系重合体が、好ましくは、水溶液の形態で製造され得る。すなわち、好ましくは、(メタ)アクリル酸系重合体水溶液が製造される。このようにして得られる(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、例えば、スケール防止能(スケール抑制能)に優れた重合体を得ることができ、具体的には、例えば、水処理剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、分散剤、洗浄剤等の用途に特に好適なものとなる。
(メタ)アクリル酸系重合体の質量平均分子量は、好ましくは1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜100000であり、特に好ましくは3000〜50000である。質量平均分子量がこの範囲内にあれば、(メタ)アクリル酸系重合体は、分散能、キレート能、および耐ゲル性といった各種性能を最も効果的に発揮することができる。
<鉄>
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は鉄を含む。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる鉄は、好ましくは、鉄イオンである。鉄イオンは、Fe2+であっても良いし、Fe3+であっても良いし、これらが組み合わされたものでも良い。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は鉄を含む。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる鉄は、好ましくは、鉄イオンである。鉄イオンは、Fe2+であっても良いし、Fe3+であっても良いし、これらが組み合わされたものでも良い。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中、鉄(好ましくは鉄イオン)の含有量は、(メタ)アクリル酸系重合体100質量部に対して、好ましくは0.00001質量部〜0.01質量部であり、より好ましくは0.00002質量部〜0.005質量部であり、さらに好ましくは0.00003質量部〜0.004質量部であり、特に好ましくは0.00004質量部〜0.003質量部であり、最も好ましくは0.00005質量部〜0.002質量部である。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中における鉄(好ましくは鉄イオン)の含有量を上記範囲内に調整することにより、本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中における(メタ)アクリル酸系重合体が効率良く得られ得る。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中における鉄(好ましくは鉄イオン)の含有量が少なすぎると、鉄(好ましくは鉄イオン)による効果が十分に発現しないおそれがある。一方、本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中における鉄(好ましくは鉄イオン)の含有量が多すぎると、洗剤ビルダーとして用いられた際の汚れや、スケール防止剤として用いられた際のスケールが、増加するおそれがある。
<キレート剤>
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物はキレート剤を含む。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物はキレート剤を含む。
キレート剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なキレート剤を採用し得る。このようなキレート剤としては、例えば、HIDS(ヒドロキシイミノジコハク酸塩)、IDS(イミノジコハク酸塩)、CMOS(カルボキシメチルオキシサクシネート)、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、クエン酸、ss−EDDS(ss−エチレンジアミンジサクシネート)、MGDA(メチルグリシン三酢酸塩)、GLDA(L−グルタミン酸二酢酸塩)、STPP(トリポリリン酸ナトリウム)などが挙げられる。このようなキレート剤の中でも、本発明の効果を十分に発現させ得る点で、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)が好ましい。
本発明においては、上述のように、キレート剤として、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)が、本発明の効果を十分に発現させ得る点で好ましい。これは、キレート剤としてEDTA(エチレンジアミン四酢酸)やDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)を採用した場合、鉄とキレート剤とが6座配位の形でキレート錯体を形成でき、このような錯体の形成が本発明の効果を十分に発現させ得るものと推察される。したがって、本発明においては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)やDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)以外であっても、キレート剤として、鉄と6座配位の形でキレート錯体を形成できるキレート剤であれば、本発明の効果を十分に発現させ得る点で好ましく採用し得る。このような鉄と6座配位の形でキレート錯体を形成できるキレート剤としては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)やDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)以外に、例えば、DOTA(1,4,7,10‐テトラアザシクロドデカン‐1,4,7,10‐テトラ酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸ナトリウム)、TTHA(トリエチレンテトラミン六酢酸)などが挙げられる。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中、キレート剤の含有量は、鉄1モルに対して、0.01モル以上であり、好ましくは0.01モル〜1000モルであり、より好ましくは0.03モル〜500モルであり、さらに好ましくは0.05モル〜100モルであり、さらに好ましくは0.07モル〜50モルであり、さらに好ましくは0.1モル〜10モルであり、特に好ましくは0.2モル〜8モルであり、最も好ましくは0.3モル〜7モルである。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物中のキレート剤の含有量を上記範囲内に調整することにより、本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、色調の変化が十分に抑制される。
<(メタ)アクリル酸系重合体組成物中のその他の成分>
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体、鉄、キレート剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を含有し得る。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体、鉄、キレート剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を含有し得る。
このようなその他の成分としては、例えば、溶媒、過硫酸塩、重亜硫酸塩などが挙げられる。
溶媒は、例えば、(メタ)アクリル酸系重合体の製造における重合反応の際の反応液(重合反応液)に用いられる溶媒などが挙げられる。このような溶媒としては、好ましくは水性の溶媒であり、より好ましくは水である。また、このような溶媒としては、有機溶媒も挙げられる。このような有機溶媒としては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアルデヒドなどのアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類;などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸系重合体組成物中の溶媒の含有量は、目的に応じて、任意の適切な含有量を採用し得る。このような溶媒の含有量としては、例えば、(メタ)アクリル酸系重合体100質量部に対して、好ましくは1質量部〜2000質量部であり、より好ましくは5質量部〜1000質量部であり、さらに好ましくは10質量部〜800質量部であり、特に好ましくは30質量部〜600質量部であり、最も好ましくは50質量部〜500質量部である。
過硫酸塩としては、例えば、(メタ)アクリル酸系重合体の製造における重合反応において用いられる過硫酸塩などが挙げられる。このような過硫酸塩としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムが挙げられる。
重亜硫酸塩としては、例えば、(メタ)アクリル酸系重合体の製造における重合反応において用いられる重亜硫酸塩などが挙げられる。このような重亜硫酸塩としては、例えば、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウムが挙げられる。これらの中でも、本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、重亜硫酸ナトリウムをその他の成分として含むことが好ましい。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物が重亜硫酸ナトリウムを含むことにより、重合体水溶液の着色を抑えることができるため、例えば、洗剤用ビルダーとして使用した場合には、商品の色調に悪影響を及ぼす危険性が低くなる。
≪(メタ)アクリル酸系重合体組成物の製造≫
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法によって製造し得る。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法によって製造し得る。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物の製造方法としては、好ましくは、該(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる(メタ)アクリル酸系重合体を製造する際に、キレート剤を使用する。本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物の製造方法としては、具体的には、該(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる(メタ)アクリル酸系重合体を製造する際の重合反応の開始前、または、反応中、または、反応後に、反応系内にキレート剤を添加する。この場合、添加すべきキレート剤は、重合反応の開始前、または、反応中、または、反応後のいずれかにおいて、一括で添加しても良いし、分割して添加しても良い。また、分割して添加する場合は、重合反応の開始前、または、反応中、または、反応後のいずれかにおいて分割して添加しても良いし、重合反応の開始前、または、反応中、または、反応後の少なくとも2種のタイミングにおいて分割して添加しても良い。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物の製造方法としては、(メタ)アクリル酸系重合体組成物の色調の変化を十分に抑制するためには、好ましくは、該(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる(メタ)アクリル酸系重合体を製造する際の重合反応の反応後に、反応系内にキレート剤を添加する。この場合の「反応後」とは、反応直後であっても良いし、反応終了後から任意の時間が経過した後であっても良い。
(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる(メタ)アクリル酸系重合体を製造する際の重合反応の反応直後にキレート剤を添加する場合、該反応直後の時点から、経時に伴って(メタ)アクリル酸系重合体組成物の色調が変化していくことを抑制することができる。
(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる(メタ)アクリル酸系重合体を製造する際の重合反応の反応終了後から任意の時間が経過した後にキレート剤を添加する場合、該キレート剤を添加した後に、色調の変化が抑制された(メタ)アクリル酸系重合体組成物を得ることができる。すなわち、(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる(メタ)アクリル酸系重合体を製造する際の重合反応の反応終了後、経時に伴い、(メタ)アクリル酸系重合体組成物の色調が、反応直後の淡黄色から徐々に濃緑色へと変色していくものの、キレート剤を添加することによって、(メタ)アクリル酸系重合体組成物の色調を反応直後の淡黄色に戻すことができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、特に明記しない限り、実施例における部及び%は質量基準である。
<重合体の質量平均分子量の測定方法>
重合体の質量平均分子量の測定は、下記条件にて行った。
装置:東ソー製高速GPC装置(HLC−8320GPC)
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ、GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)
重合体の質量平均分子量の測定は、下記条件にて行った。
装置:東ソー製高速GPC装置(HLC−8320GPC)
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ、GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)
<L*a*b*表色系におけるL*値の測定>
実施例・比較例で得られたサンプルについて、下記の条件にて色差測定を行い、L*a*b*表色系におけるL*値を求めた。
測定装置:分光色差計「SE6000」(日本電色工業株式会社製)
測定モード:透過率
測定波長:380nm−780nm(10nm間隔出力)
光源:ハロゲンランプ(12V、50W)
測定セルサイズ:55mm×40mm×25mm
実施例・比較例で得られたサンプルについて、下記の条件にて色差測定を行い、L*a*b*表色系におけるL*値を求めた。
測定装置:分光色差計「SE6000」(日本電色工業株式会社製)
測定モード:透過率
測定波長:380nm−780nm(10nm間隔出力)
光源:ハロゲンランプ(12V、50W)
測定セルサイズ:55mm×40mm×25mm
〔製造例1〕
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製のセパラブルフラスコに、純水:183.4gと、モール塩(Fe(NH4)2(SO4)2・6H2O):0.0346g(総仕込み量に対する鉄(II)の質量(ここで、総仕込み量とは、重合完結後の中和工程を含む、全ての投入物重量をいう。以下同様とする。)に換算すると3ppm)を仕込み、攪拌下、85℃に昇温した(初期仕込み)。
次いで、攪拌下、85℃で一定状態の重合反応系中に、80質量%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと称す):540.0g、40質量%3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム:300.5g、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下15%NaPSと称す):152.9g、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと称す):17.4g、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを120分間、35%SBSを175分間,15%NaPSを210分間とした。また、滴下開始時間に関しては、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結せしめた。
その後、48%水酸化ナトリウム水溶液:449.6gを添加した。
このようにして、pHが5.7、固形分濃度が45質量%の(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を得た。
(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中の(メタ)アクリル酸系重合体の質量平均分子量36000であった。
得られた(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封した。
このときの(製造直後の)L*a*b*表色系における色調を測定したところ、L*値が97.0であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたSUS316製のセパラブルフラスコに、純水:183.4gと、モール塩(Fe(NH4)2(SO4)2・6H2O):0.0346g(総仕込み量に対する鉄(II)の質量(ここで、総仕込み量とは、重合完結後の中和工程を含む、全ての投入物重量をいう。以下同様とする。)に換算すると3ppm)を仕込み、攪拌下、85℃に昇温した(初期仕込み)。
次いで、攪拌下、85℃で一定状態の重合反応系中に、80質量%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと称す):540.0g、40質量%3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム:300.5g、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下15%NaPSと称す):152.9g、35質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと称す):17.4g、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを120分間、35%SBSを175分間,15%NaPSを210分間とした。また、滴下開始時間に関しては、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。
滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結せしめた。
その後、48%水酸化ナトリウム水溶液:449.6gを添加した。
このようにして、pHが5.7、固形分濃度が45質量%の(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を得た。
(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中の(メタ)アクリル酸系重合体の質量平均分子量36000であった。
得られた(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封した。
このときの(製造直後の)L*a*b*表色系における色調を測定したところ、L*値が97.0であった。
〔比較例1〕
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した直後のL*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した直後のL*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
〔実施例1〕
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して0.32モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して5ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して0.32モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して5ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
〔実施例2〕
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して0.64モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して10ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して0.64モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して10ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
〔実施例3〕
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.27モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して20ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.27モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して20ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
〔実施例4〕
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.91モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して30ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.91モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して30ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
〔実施例5〕
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して3.18モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して50ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して3.18モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して50ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
〔実施例6〕
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して6.37モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して100ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して6.37モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して100ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
〔実施例7〕
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.47モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して30ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.47モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して30ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
〔実施例8〕
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、HIDS(ヒドロキシイミノジコハク酸塩)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.34モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して50ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、HIDS(ヒドロキシイミノジコハク酸塩)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.34モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して50ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
〔実施例9〕
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、MGDA(メチルグリシン三酢酸塩)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して2.72モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して30ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
250mlの高密度ポリエチレン容器(ニッコー・ハンセン(株))に入れて密封された製造例1で製造した(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を、製造例1における重合反応完結時から数えて515日間室温で保存した後、MGDA(メチルグリシン三酢酸塩)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して2.72モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して30ppm)添加した後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
〔実施例10〕
製造例1と全く同じ操作を行い(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を得た。その直後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.27モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して20ppm)添加した。
その後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
製造例1と全く同じ操作を行い(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)を得た。その直後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.27モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して20ppm)添加した。
その後、L*a*b*表色系における色調を測定した。
結果を表1に示した。
〔実施例11〕
実施例10において、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.27モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して20ppm)添加したことに代えて、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)を(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.47モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して30ppm)添加した以外は、実施例10と同様に行った。
結果を表1に示した。
実施例10において、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.27モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して20ppm)添加したことに代えて、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)を(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.47モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して30ppm)添加した以外は、実施例10と同様に行った。
結果を表1に示した。
〔実施例12〕
実施例10において、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.27モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して20ppm)添加したことに代えて、HIDS(ヒドロキシイミノジコハク酸塩)を(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.34モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して50ppm)添加した以外は、実施例10と同様に行った。
結果を表1に示した。
実施例10において、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.27モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して20ppm)添加したことに代えて、HIDS(ヒドロキシイミノジコハク酸塩)を(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.34モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して50ppm)添加した以外は、実施例10と同様に行った。
結果を表1に示した。
〔実施例13〕
実施例10において、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.27モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して20ppm)添加したことに代えて、MGDA(メチルグリシン三酢酸塩)を(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して2.72モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して30ppm)添加した以外は、実施例10と同様に行った。
結果を表1に示した。
実施例10において、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を、(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して1.27モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して20ppm)添加したことに代えて、MGDA(メチルグリシン三酢酸塩)を(メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)中に含まれる鉄1モルに対して2.72モル((メタ)アクリル酸系重合体組成物(1)全量に対して30ppm)添加した以外は、実施例10と同様に行った。
結果を表1に示した。
表1の実施例1〜13と比較例1との対比から判るように、本発明の(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含むものの、鉄1モルに対して0.01モル以上のキレート剤を含ませることにより、色調の変化が非常に抑制されている。
表1の実施例1〜9は、(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる(メタ)アクリル酸系重合体を製造する際の重合反応の反応終了後から任意の時間が経過した後にキレート剤を添加する場合であり、該キレート剤を添加した後に、色調の変化が抑制された(メタ)アクリル酸系重合体組成物を得られていることが判る。
すなわち、表1の実施例1〜9より、従来、(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる(メタ)アクリル酸系重合体を製造する際の重合反応の反応終了後、経時に伴い、(メタ)アクリル酸系重合体組成物の色調が、反応直後の淡黄色から徐々に濃緑色へと変色していくものの(例えば、比較例1)、キレート剤を添加することによって、(メタ)アクリル酸系重合体組成物の色調を反応直後の淡黄色に戻すことができている(実施例1〜9)。特に、実施例1〜7においては、非常に効果的に(メタ)アクリル酸系重合体組成物の色調を反応直後の淡黄色に戻すことができていることが判る。
また、表1の実施例1〜6を見ると、鉄1モルに対するキレートの添加モル量を1モル以上とすると、キレート剤を添加することによって戻る色調のレベルが、反応直後の淡黄色の色調のレベルに非常に近いレベルとなることが判る。すなわち、L*a*b*表色系において、L*値が90〜100のレベルとなっている。
表1の実施例10〜13は、(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる(メタ)アクリル酸系重合体を製造する際の重合反応の反応直後にキレート剤を添加する場合であり、EDTA、DPTAなどの6座配位型キレート剤の添加により、重合後の経過時間によらず、(メタ)アクリル酸系重合体組成物の色調を好ましい範囲に維持できることが分かる。すなわち、これらキレート剤を重合直後に添加することで、変色を抑制する効果があることが示唆される。
本発明によれば、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む組成物であって、色調の変化が抑制された(メタ)アクリル酸系重合体組成物を提供することができ、例えば、スケール防止剤、腐食防止剤、水処理剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、分散剤、洗浄剤等の用途に特に好適なものとなる。
Claims (2)
- (メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とスルホン酸基含有モノマー由来の構造単位とを有する(メタ)アクリル酸系重合体と鉄を含む組成物であって、
該鉄1モルに対して0.01モル以上のキレート剤を含む、
(メタ)アクリル酸系重合体組成物。 - 重亜硫酸ナトリウムを含む、請求項1に記載の(メタ)アクリル酸系重合体組成物。
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JP2015034984A JP2016155941A (ja) | 2015-02-25 | 2015-02-25 | (メタ)アクリル酸系重合体組成物 |
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JPWO2019172365A1 (ja) * | 2018-03-08 | 2021-03-11 | 株式会社日本触媒 | (メタ)アクリル酸系共重合体含有組成物及び(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法 |
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2015
- 2015-02-25 JP JP2015034984A patent/JP2016155941A/ja active Pending
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