JP6491506B2 - ポリカルボン酸系重合体組成物、およびポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法 - Google Patents
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Description
不飽和モノカルボン酸系単量体および/または不飽和ジカルボン酸系単量体を含む単量体組成物を非レドックス系の開始剤を用いて重合して得られるポリカルボン酸系重合体と、重合禁止剤の酸化物と、を含む。
不飽和モノカルボン酸系単量体および/または不飽和ジカルボン酸系単量体を含む単量体組成物を非レドックス系の開始剤を用いて重合して得られるポリカルボン酸系重合体の水溶液の着色を防止する方法であって、
該水溶液に酸化剤を添加する。
本発明のポリカルボン酸系重合体組成物は、ポリカルボン酸系重合体と、重合禁止剤の酸化物を含む。本発明のポリカルボン酸系重合体組成物は、このような成分を含むことによって、経時の着色を効果的に防止できる。
ポリカルボン酸系重合体は、不飽和モノカルボン酸系単量体および/または不飽和ジカルボン酸系単量体を含む単量体組成物を非レドックス系の開始剤を用いて重合して得られる。
重合禁止剤としては、不飽和モノカルボン酸系単量体や不飽和ジカルボン酸系単量体にその保管中などにおける自己重合の防止のために添加し得る重合禁止剤であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な重合禁止剤を採用し得る。このような重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メトキノン(p−メトキシフェノール)等のキノン類;フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−(α−ジメチルベンジル)フェノチアジン等のフェノチアジン類;2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6、−テトラメチルペリジノオキシル、4,4’,4”−トリス−(2,2,6,6、−テトラメチルペリジノオキシル)フォスファイト等のN−オキシル化合物;ジアルキルジチオカルバミン酸銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、アクリル酸銅、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅等の銅塩化合物;ジアルキルジチオカルバミン酸マンガン、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン、ギ酸マンガン、酢酸マンガン、オクタン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、過マンガン酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸のマンガン塩化合物;N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンやその塩、p−ニトロソフェノール、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンやその塩、p−ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミンやその塩等のニトロソ化合物;などが挙げられる。これらの重合禁止剤は、1種のみであっても良く、2種以上であっても良い。これらの重合禁止剤の中でも、ハイドロキノン、メトキノン等のキノン類が好ましい。
酸化剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な酸化剤を採用し得る。このような酸化剤としては、例えば、過酸化水素、次亜塩素酸(塩)、亜塩素酸(塩)、塩素酸(塩)、過塩素酸(塩)、硝酸(塩)、過マンガン酸(塩)、クロム酸(塩)、二クロム酸(塩)、塩素、オゾン、オゾン水などが挙げられる。酸塩の「塩」としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、銀塩、銅塩などが挙げられる。好ましい酸化剤としては、過酸化水素、次亜塩素酸塩が挙げられ、より好ましい酸化剤としては、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウムが挙げられる。
本発明のポリカルボン酸系重合体組成物は、ポリカルボン酸系重合体と、重合禁止剤の酸化物と、を含み、これら以外の他の成分をさらに含んでいても良い。このような他の成分としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を採用し得る。例えば、水、界面活性剤、重合リン酸(塩)、縮合リン酸(塩)、ホスホン酸(塩)、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤、珪酸系薬剤、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
本発明のポリカルボン酸系重合体水溶液の着色防止方法は、不飽和モノカルボン酸系単量体および/または不飽和ジカルボン酸系単量体を含む単量体組成物を非レドックス系の開始剤を用いて重合して得られるポリカルボン酸系重合体の水溶液の着色を防止する方法であって、該水溶液に酸化剤を添加する。このような方法を採用することにより、ポリカルボン酸系重合体の水溶液の着色を効果的に防止することができる。
ポリカルボン酸系重合体の無色透明または淡黄色であった水溶液が、経時的に赤みが強くなった場合、経時的に着色が変化したと判断する。
試験液を100mLスクリュー管に入れ、1週間後、下記の2種類の方法(1)、(2)によって着色の度合いを評価した。
(1)底面から目視によって観察した。赤みが観察されたものを「あり」、赤みが観察されなかったものを「なし」とした。
(2)色差計(日本電色工業株式会社製、Spectrophotometer SE6000、光路長2cmセルを使用、トウカモードで測定)での測定値のa値が正の値(赤系色の着色あり)か負の値(赤系色の着色なし)かで評価した。
温度計、攪拌機、および還流冷却器を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)1834gを仕込み、攪拌しながら沸点まで昇温した。次いで、攪拌下、沸点に維持しながら、メトキノンを160ppm含有する80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)1117.7gを重合開始から75分間に渡って、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと記す)44.5gを80分に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後30分間上記重合反応溶液を沸点に保持(熟成)した。このようにして、不揮発分30質量%の重合体(1)の水溶液(重合体(1)水溶液)を得た。
170℃に加熱したオーブン中で、重合体(組成物)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の質量変化から、不揮発分(質量%)と揮発成分(質量%)を算出した。
重合体(1)水溶液:30gに、48%NaOH10g、1%過酸化水素3.0g、水:57.0gを混合して、pH13.4のポリカルボン酸系重合体組成物(1)を得た。
結果を表1に示した。
組成を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、ポリカルボン酸系重合体組成物(2)を得た。
結果を表1に示した。
組成を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、ポリカルボン酸系重合体組成物(3)を得た。
結果を表1に示した。
組成を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、ポリカルボン酸系重合体組成物(C1)を得た。
結果を表1に示した。
重合体(1)水溶液:重合体(1)を含んだ30質量%水溶液
48%NaOH:48質量%水酸化ナトリウム水溶液
1%過酸化水素:1質量%過酸化水素水
Claims (14)
- 不飽和モノカルボン酸および/または不飽和ジカルボン酸と、重合禁止剤と、水と、を含む単量体組成物を重合して、経時の着色が防止されたポリカルボン酸塩の水溶液を製造する方法であって、
該単量体組成物を、過硫酸塩を用いて酸性条件下で重合を行い、ポリカルボン酸の水溶液を得、
該ポリカルボン酸の水溶液に、アルカリ成分と酸化剤を添加する、
ポリカルボン酸塩の水溶液の製造方法。 - 不飽和モノカルボン酸および/または不飽和ジカルボン酸と、重合禁止剤と、水と、を含む単量体組成物を重合して得られるポリカルボン酸塩の水溶液の着色を防止する方法であって、
該単量体組成物を、過硫酸塩を用いて酸性条件下で重合を行い、ポリカルボン酸の水溶液を得、
該ポリカルボン酸の水溶液に、アルカリ成分と酸化剤を添加する、
ポリカルボン酸塩の水溶液の着色防止方法。 - 前記酸化剤が、過酸化水素または次亜塩素酸(塩)である、請求項1に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の製造方法。
- 前記不飽和モノカルボン酸および/または不飽和ジカルボン酸が、(メタ)アクリル酸および/またはマレイン酸である、請求項1または3に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の製造方法。
- 前記ポリカルボン酸が、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、または(メタ)アクリル酸/マレイン酸共重合体である、請求項1、3、または4に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の製造方法。
- 前記ポリカルボン酸がポリアクリル酸である、請求項5に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の製造方法。
- 前記重合における重合温度が50℃〜沸点である、請求項1、3、4、5、または6に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の製造方法。
- 前記酸化剤の添加量が、前記ポリカルボン酸100重量部に対して、0.01重量部〜3重量部である、請求項1、3、4、5、6、または7に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の製造方法。
- 前記酸化剤が、過酸化水素または次亜塩素酸(塩)である、請求項2に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の着色防止方法。
- 前記不飽和モノカルボン酸および/または不飽和ジカルボン酸が、(メタ)アクリル酸および/またはマレイン酸である、請求項2または9に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の着色防止方法。
- 前記ポリカルボン酸が、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、または(メタ)アクリル酸/マレイン酸共重合体である、請求項2、9、または10に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の着色防止方法。
- 前記ポリカルボン酸がポリアクリル酸である、請求項11に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の着色防止方法。
- 前記重合における重合温度が50℃〜沸点である、請求項2、9、10、11、または12に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の着色防止方法。
- 前記酸化剤の添加量が、前記ポリカルボン酸100重量部に対して、0.01重量部〜3重量部である、請求項2、9、10、11、12、または13に記載のポリカルボン酸塩の水溶液の着色防止方法。
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