JP2023032066A - カルボキシル基含有共重合体組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カルボキシル基含有共重合体組成物、その製造方法を提供する。【解決手段】(メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)、及び、水酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)を含むカルボキシル基含有共重合体組成物であり、該共重合体の重量平均分子量のジャンプアップ率が0.8~2.8倍であり、該共重合体組成物の固形分100質量%に対して、該水酸基含有単量体(B)の含有量が4質量%以下である。【選択図】なし

Description

本開示は、カルボキシル基含有共重合体組成物、その製造方法に関するものである。より詳しくは、無機粒子分散剤、水処理剤、セメント分散剤、コンクリート混和剤、洗剤ビルダー、洗剤組成物等の各種用途に有用なカルボキシル基含有共重合体組成物、その製造方法に関するものである。
カルボキシル基含有共重合体は、カルボキシル基又はその塩を分子内に有する重合体であり、無機粒子等の分散性能を有するため、例えば、無機粒子分散剤、水処理剤、セメント分散剤、コンクリート混和剤、洗剤ビルダー、洗剤組成物等の各種用途に広く使用されている。
例えば、特許文献1では、グリセリルアクリレート/アクリル酸共重合体に関する技術が開示されている。また、特許文献2では、アクリル酸-アクリル酸2,3-ジヒドロキシプロピルまたは2-ヒドロキシプロピルに関する技術が開示されている。
特表2008-540525 特開昭61-72706
従来より知られている共重合体に関する知見より、側鎖にエステル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、塩基性条件下での各種用途で用いる場合、エステル結合の加水分解により、性能が発現しないという課題があることが知られている。また、側鎖にエステル結合を持たないアリル系単量体からなる共重合体は、塩基性条件下での加水分解の問題はないものの、アリル系単量体は重合反応性が低いため、分子量が大きくならないという課題があり、また、未反応の残存モノマーが多くなるという問題がある。
更に、共重合体の加水分解や反応率の課題以外に、側鎖にカルボキシル基及び水酸基を同時に有する共重合体は、重合中にエステル化が進行し、側鎖のカルボキシル基及び水酸基が減少してしまうという課題がある。重合条件によっては、エステル化に伴う急激な増粘、発泡やゲル化を引き起こすこともありうる。
また、共重合体に含まれる側鎖にカルボキシル基及び水酸基を、各種用途に於いて、それらの置換基を反応点に利用する際、反応点が減少して、各種用途での性能が発揮できない、という課題がある。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の共重合体は、得られた共重合体の側鎖に、エステル基を含むため、pHが中性からアルカリ性の領域では、加水分解が起こり易い傾向があり、その様な条件下での使用に於いて、使用上の制限が設けられるという問題があった。
本開示は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量のジャンプアップ率が0.8~2.8倍であるカルボキシル基含有共重合体組成物、及び、その製造方法を提供することにある。
本願発明者らは、さらに検討を進めた結果、以下に開示する「カルボキシル基含有共重合体組成物及び、その製造方法」を見出し、塩基性条件下での耐加水分解性を有し、水酸基含有単量体の反応率に優れることを見出し、本発明を完成させた。
カルボキシル基含有共重合体組成物であって、
該カルボキシル基含共有重合体は、
(メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)、及び、
下記一般式(1)で表される水酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)を含み、
Figure 2023032066000001
(一般式(1)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表す。)
該カルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量のジャンプアップ率が0.8~2.8倍であり、
該カルボキシル基含有共重合体組成物の固形分100質量%に対して、
下記一般式(2)で表される水酸基含有単量体(B)の含有量が4質量%以下である。
Figure 2023032066000002
(一般式(2)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表す。)
本開示によれば、塩基性条件下での耐加水分解性を有し、水酸基含有単量体の反応率に優れるカルボキシル基含有共重合体組成物、及び、その製造方法を提供することができる。
以下、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
なお、これ以降の説明において特に記載がない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を、それぞれ意味し、範囲を示す「A~B」は、A以上B以下であることを示す。また、本開示において、「(メタ)アクリレ-ト」は、「アクリレ-ト」または「メタクリレ-ト」を意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を意味する。
〔カルボキシル基含有共重合体組成物〕
本実施形態に係るカルボキシル基含有共重合体組成物は、
(メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)、及び、
下記一般式(1)の水酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)を含み、
Figure 2023032066000003
(一般式(1)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表す。)
該カルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量のジャンプアップ率が0.8~2.8倍であり、
該カルボキシル基含有共重合体組成物の固形分100質量%に対して、
下記一般式(2)で表される水酸基含有単量体(B)の含有量が4質量%以下である。
Figure 2023032066000004
(一般式(2)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表す。)
前記(メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)とは、下記一般式(3)で表すことができる。
Figure 2023032066000005
一般式(3)中、Rは、水素原子、又は、メチル基である。Mは、水素原子、アルカリ金属等の一価金属原子、アルカリ土類金属等の二価金属原子、アンモニウム基、有機アミン基を表す。
(メタ)アクリル酸系単量体(A)が、アクリル酸であれば、Rは水素原子となり、メタクリル酸であれば、Rはメチル基となる。
前記一般式(3)の構造単位が、アクリル酸由来の構造単位であると、本開示のカルボキシル基含有共重合体組成物中の共重合体側鎖にカルボキシル基が導入できるため、各種用途展開の際に、反応点として利用できるため好ましい。
前記一般式(3)中のMは、水素原子、アルカリ金属等の一価金属原子、アルカリ土類金属等の二価金属原子、アンモニウム基、有機アミン基であれば、特に限定はないが、水素原子、アルカリ金属等の一価金属原子であることが好ましい。水素原子とアルカリ金属等の一価金属原子は、併用することがより好ましい。アルカリ金属等の一価金属原子である場合、好ましくは、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子であるが、より好ましくは、ナトリウム原子、カリウム原子であり、更に、好ましくはナトリウム原子である。
本開示のカルボキシル基含有共重合体組成物は、
(メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)、及び、
下記一般式(1)の水酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)を含み、
Figure 2023032066000006
(一般式(1)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表す。)
該カルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量のジャンプアップ率が0.8~2.8倍であり、
該カルボキシル基含有共重合体組成物の固形分100質量%に対して、
下記一般式(2)で表される水酸基含有単量体(B)の含有量が4質量%以下である。
Figure 2023032066000007
(一般式(2)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表す。)
前記一般式(1)中、Rは、水素原子、又は、メチル基であれば、特に限定はなく、必要に応じて、選択すればよい。
前記一般式(1)中、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表す。好ましくは、直接結合、又は、炭素数1~2の炭化水素基である。更に好ましくは、メチレン基である。
前記一般式(1)中、Rは炭素数1~5の有機基を表す。より好ましくは炭素数1の有機基であり、更に好ましくは炭素数1の炭化水素基である。
前記一般式(1)中、Rは、置換基を有する、及び/又は、置換基を有しない、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基等が例示される。
前記置換基を有するアルキレン基とは、アルキレン基を構成する水素原子の一部又は全部が置換基により置換されている基をいう。ここで置換基とは、アリール基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、エステル基、アミド基、カルボキシル基、スルホン酸基等である。
前記エーテル基とはポリエーテル基を含み、置換基を有するエーテル基とは、エーテルを構成する水素原子の一部又は全部が置換基により置換されている構造を意味する。ここで置換基とは、アルキル基、アリール基、水酸基、アミノ基、エステル基、アミド基、カルボキシル基、スルホン酸基等である。
前記一般式(1)中、Rの具体例としては、-CH-基、-CHCH-基、-CH(CH)CH-基、-CHCH(CH)-基、-C(CH-基、-CHCHCH-基、-CH(C)CH-基、-C(C)(CH)-基、-CHCHCHCH-基、等のアルキレン基;-CHCHOCHCH-基、等のエーテル基;等が例示される。
前記一般式(1)中、Rは炭素数1~5の有機基を表す。より好ましくは炭素数1の有機基であり、更に好ましくは炭素数1の炭化水素基である。
前記一般式(1)中、Rは、置換基を有する、及び/又は、置換基を有しない、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基等が例示される。
前記置換基を有するアルキレン基とは、アルキレン基を構成する水素原子の一部又は全部が置換基により置換されている基をいう。ここで置換基とは、アリール基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、エステル基、アミド基、カルボキシル基、スルホン酸基等である。
前記エーテル基とはポリエーテル基を含み、置換基を有するエーテル基とは、エーテルを構成する水素原子の一部又は全部が置換基により置換されている構造を意味する。ここで置換基とは、アルキル基、アリール基、水酸基、アミノ基、エステル基、アミド基、カルボキシル基、スルホン酸基等である。
本開示の水酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)が、下記一般式(1-1)で表される形態も、好ましい形態の一つである。
Figure 2023032066000008
(一般式(1-1)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表す。)
本開示の前記一般式(2)で表される水酸基含有単量体(B)は、1molに対して、1mol以上の1級水酸基と1mol以上の2級水酸基を有することが好ましい。より好ましくは、1molに対して、1molの1級水酸基と1molの2級水酸基を有することである。前記一般式(1)の水酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)についても、同様に、1molの1級水酸基と1molの2級水酸基を有することが好ましい。
本開示のカルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量のジャンプアップ率が0.8~2.8倍であれば特に限定はない。より好ましくは、0.9~2.5倍であり、更に、好ましくは、0.92~2.0倍であり、特に好ましくは0.95~1.9倍である。
ジャンプアップ率が、前述の範囲であると、本開示のカルボキシル基含有共重合体の側鎖のカルボキシル基と水酸基による本開示のカルボキシル基含有共重合体の分子間のエステル化反応が抑制されているため好ましい。また、分子間のエステル化反応が抑制されているため、未反応のカルボキシル基及び水酸基をより多く残存するため、各種用途に、これらの置換基を活用できるため好ましい。
なお、ジャンプアップ率とは、重合反応により得られた本開示のカルボキシル基含有共重合体を、加水分解試験を行った後の重量平均分子量を1とした場合、加水分解試験前の重量平均分子量が、何倍であるかを示す。例えば、本開示のカルボキシル基含有共重合体の加水分解試験後の重量平均分子量が、100,000であり、加水分解試験前の重量平均分子量の200,000であれば、2.0倍となる。
本開示のカルボキシル基含有共重合体の主鎖には、エステル基の様な加水分解性の置換基を有しないため、加水分解試験では、主鎖に対する分子量変化は起こりにくいが、側鎖のカルボキシル基と水酸基は、重合時及び保存時のpHにより、カルボキシル基含有共重合体間のエステル化反応による架橋が起こり得るため、分子量変化が起こり得る。
本開示のカルボキシル基含有共重合体を各種用途に展開する際は、側鎖のカルボキシル基及び水酸基は、未反応で残っていることが好ましい。また、本開示のカルボキシル基含有共重合体の分子間のエステル化反応が進むと、ゲル化して、溶剤に不溶化する等の問題が生じ易くなる恐れがある。
本開示のカルボキシル基含有共重合体組成物の固形分100質量%に対して、前記一般式(2)で表される水酸基含有単量体(B)の含有量が4質量%以下であれば特に限定はない。好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、最も好ましくは1.5質量%以下である。該水酸基含有単量体(B)の含有量が、前述の範囲であると、未反応の残存単量体量が少なくなる傾向があり、重合率が向上することで、効率的に性能が発現するため好ましい。
本開示のカルボキシル基含有共重合体は、その他の単量体(C)に由来する構造単位(c)を含んでもいい。その他の単量体(C)としては、具体的には、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2-メチレングルタル酸及びこれらの塩及びこれらの酸無水物等の(メタ)アクリル酸系単量体以外のカルボキシル基含有単量体及びその塩及びその酸無水物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α-ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1~18のアルキル基のエステルである、アルキル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びその4級化物等のアミノ基含有アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有単量体類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体類;マレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体類;3-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸基を有する単量体及びそれらの塩;ビニルホスホン酸、(メタ)アリルホスホン酸等のホスホン酸基を有する単量体;(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体類;1-アリルオキシ-3-ブトキシプロパン-2-オール、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のエーテル系単量体類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類;ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、モノアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキシドが1~300モル付加した構造を有する単量体等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;等が挙げられる。これらのその他の単量体についても、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記その他の単量体(C)として、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2-メチレングルタル酸及びこれらの塩及びこれらの酸無水物等の(メタ)アクリル酸系単量体以外のカルボキシル基含有単量体及びその塩及びその酸無水物;3-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸基を有する単量体及びそれらの塩;1-アリルオキシ-3-ブトキシプロパン-2-オール、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のエーテル系単量体類;であることが好ましく、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2-メチレングルタル酸及びこれらの塩及びこれらの酸無水物等の(メタ)アクリル酸系単量体以外のカルボキシル基含有単量体及びその塩及びその酸無水物;3-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩;1-アリルオキシ-3-ブトキシプロパン-2-オールであることがより好ましく、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2-メチレングルタル酸及びこれらの塩及びこれらの酸無水物であることが更に好ましく、マレイン酸及びその塩及びその酸無水物が特に好ましい。
本開示のカルボキシル基含有共重合体のカルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100mol%に対して、(メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)を50~99mol%の割合で有することが好ましい。より好ましくは55~97mol%、更に好ましくは57~95mol%、特に好ましくは60~90mol%、最も好ましくは62~85mol%である。
構造単位(a)の含有量が前述の範囲内であれば、例えば、金属イオンに効率よく吸着することから、例えば、スケール防止剤や洗浄剤添加剤、セメント分散剤、コンクリート混和剤として使用した際に優れた効果を発揮する。
本開示のカルボキシル基含有共重合体のカルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100molに対して、前記一般式(2)で表される水酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)を1~50mol%の割合で有することが好ましい。より好ましくは3~45mol%、更に好ましくは5~43mol%、特に好ましくは10~40mol%、最も好ましくは15~38mol%である。
構造単位(b)の含有量が上記範囲内であれば、多価金属イオンとの架橋によるゲル生成を防止することから、例えば、スケール防止剤や洗浄剤添加剤、セメント分散剤、コンクリート混和剤として使用した際に優れた効果を発揮する。
本開示のカルボキシル基含有共重合体のカルボキシル基含有共重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100mol%に対して、その他の単量体(C)に由来する構造単位(c)を0~30mol%の割合で有してもよい。その他の単量体(C)の含有割合としては0~20mol%であることが好ましく、より好ましくは0~15mol%であり、更に好ましくは0~10mol%であり、最も好ましくは0モル%である。
本開示のカルボキシル基含有共重合体は、前述の範囲内であれば特に制限されない。カルボキシル基の中和率が、本開示のカルボキシル基含有共重合体に含まれるカルボキシル基及びその塩の総量に対して、2mol%以上90mol%以下であることが好ましい。より好ましくは5mol%以上であり、更に好ましくは15mol%以上であり、特に好ましくは30mol%以上であり、最も好ましくは40mol%以上である。また、より好ましくは87mol%以下、更に好ましくは85mol%以下、特に好ましくは82mol%以下、最も好ましくは80mol%以下である。中和率が、2mol%以上であると、エステル化が抑制される傾向があり、重量平均分子量のジャンプアップ率も適切な範囲となるため好ましい。また、中和率が90mol%以下であると、前記水酸基含有単量体(B)の反応率が向上する傾向があるため好ましい。
本開示のカルボキシル基含有共重合体は、重量平均分子量が15,000~1,000,000であることが好ましい。より好ましくは、17,000~600,000であり、更に好ましくは、20,000~400,000であり、特に好ましくは22,000~300,000であり、最も好ましくは25,000~250,000である。重量平均分子量が、前述の範囲であるとスケール防止剤や洗浄剤添加剤、セメント分散剤、コンクリート混和剤として使用した際に優れた効果を発揮する。
本開示のカルボキシル基含有共重合体を加水分解した後の重量平均分子量が15,000~500,000であることも、本発明の好ましい実施形態の一つである。より好ましくは、17,000~400,000であり、更に好ましくは、20,000~350,000であり、特に好ましくは22,000~300,000であり、最も好ましくは25,000~250,000である。加水分解した後の重量平均分子量が、前述の範囲であると、例えば、強塩基性条件下で使用されるセメント分散剤、コンクリート混和剤として使用した際に優れた効果を発揮する。
〔カルボキシル基含有共重合体組成物の製造方法〕
本開示のカルボキシル基含有共重合体組成物の製造方法は、(メタ)アクリル酸系単量体(A)、及び、前記一般式(2)で表される水酸基含有単量体(B)を共重合することで行われる。
重合反応の熟成工程終了時点に於けるカルボキシル基含有共重合体に含まれるカルボキシル基の中和率が、本開示のカルボキシル基含有共重合体に含まれるカルボキシル基及びその塩の総量に対して、2mol%以上90mol%以下であることが好ましい。
より好ましい中和率は、5mol%以上であり、更に好ましくは15mol%以上であり、特に好ましくは30mol%以上であり、最も好ましくは40mol%以上である。また、より好ましくは87mol%以下、更に好ましくは85mol%以下、特に好ましくは82mol%以下、最も好ましくは80mol%以下である。中和率が、2mol%以上であると、エステル化が抑制される傾向があり、ジャンプアップ率も適切な範囲となるため好ましい。また、中和率が90mol%以下であると、前記水酸基含有単量体(B)の反応率が向上する傾向があるため好ましい。
本開示の(メタ)アクリル酸系単量体(A)は、アクリル酸、メタクリル酸であることが好ましい。より好ましくは、重合性の観点からアクリル酸が好ましい。
本開示の前記一般式(2)で表される水酸基含有単量体(B)は、下記一般式(2)であれば特に限定はない。
Figure 2023032066000009
(一般式(2)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表す。)
、R、R、Xは、一般式(1)と同一である。
より好ましい水酸基含有単量体(B)は、3-(メタ)アリルオキシ-1,2-プロパンジオール、3-ビニルオキシ-1,2-プロパンジオール、3-イソプレニルオキシ-1,2-プロパンジオールであることが好ましい。更に好ましくは、3-(メタ)アリルオキシ-1,2-プロパンジオールであり、一層好ましくは、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオールである。一般式(3)で表される水酸基含有単量体(B)が、前述の単量体であれば、エステル結合等の塩基性条件下で加水分解される可能性がある構造を有さないことから、例えば、塩基性条件下で使用されるセメント分散剤、コンクリート混和剤として使用した際に優れた効果を発揮する。
本開示の前記水酸基含有単量体(B)が、下記一般式(2-1)で表される形態も、好ましい形態の一つである。
Figure 2023032066000010
(一般式(2-1)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表す。)
その他の単量体(C)を用いることもできる。その他の単量体(C)としては、具体的には、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2-メチレングルタル酸及びこれらの塩及びこれらの酸無水物等の(メタ)アクリル酸系単量体以外のカルボキシル基含有単量体及びその塩及びその酸無水物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α-ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1~18のアルキル基のエステルである、アルキル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びその4級化物等のアミノ基含有アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有単量体類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体類;マレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体類;3-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸基を有する単量体及びそれらの塩;ビニルホスホン酸、(メタ)アリルホスホン酸等のホスホン酸基を有する単量体;(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体類;1-アリルオキシ-3-ブトキシプロパン-2-オール、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のエーテル系単量体類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類;ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、モノアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキシドが1~300モル付加した構造を有する単量体等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;等が挙げられる。これらのその他の単量体についても、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記その他の単量体(C)として、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2-メチレングルタル酸及びこれらの塩及びこれらの酸無水物等の(メタ)アクリル酸系単量体以外のカルボキシル基含有単量体及びその塩及びその酸無水物;3-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸基を有する単量体及びそれらの塩;1-アリルオキシ-3-ブトキシプロパン-2-オール、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のエーテル系単量体類;であることが好ましく、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2-メチレングルタル酸及びこれらの塩及びこれらの酸無水物等の(メタ)アクリル酸系単量体以外のカルボキシル基含有単量体及びその塩及びその酸無水物;3-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸及びその塩;1-アリルオキシ-3-ブトキシプロパン-2-オールであることがより好ましく、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2-メチレングルタル酸及びこれらの塩及びこれらの酸無水物であることが更に好ましく、マレイン酸及びその塩及びその酸無水物が特に好ましい。
<重合開始剤>
前記製造方法において用いられる重合開始剤としては、通常用いられるものを使用することができる。具体的には、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’-アゾビス-4-シアノバレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ-t-ブチルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物等が好適に挙げられる。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩が好ましく、過硫酸塩、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩がより好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、連鎖移動剤としては、亜硫酸水素塩、亜硫酸水素塩を発生し得る化合物、メルカプトエタノール、チオグリコール酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸オクチル、2-メルカプトエタンスルホン酸、n-ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)等の低級酸化物及びその塩;等が挙げられる。上記連鎖移動剤は、1種でも2種以上でも使用することができる。
より好ましい連鎖移動剤は、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)等の低級酸化物及びその塩である。
前記製造方法において、重合温度としては、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤等により適宜定められるが、85℃以上であることが好ましい。より好ましくは90℃であり、更に好ましくは95℃以上であり、特に好ましくは95~110℃であり常圧での沸点で重合を行うことが最も好ましい。重合温度が、前述の範囲であると、前記水酸基含有単量体(B)の反応率が向上するため好ましい。
前記重合温度は、重合反応において、常にほぼ一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応中に経時的に温度変動(昇温又は降温)させてもよい。なお、重合温度とは、重合反応の反応溶液の温度をいう。また、重合温度の測定方法や制御手段については、任意の適切な方法や手段を採用することができる。例えば、一般に使用される装置を用いて測定すれば良い。
前記製造方法における重合時の圧力としては、特に制限されず、任意の適切な圧力を採用することができる。例えば、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよい。また、反応系内の雰囲気は、空気雰囲気のままで行ってもよいし、不活性ガス雰囲気としてもよい。反応系内の雰囲気を不活性ガス雰囲気とする場合には、例えば、重合開始前に反応系内を窒素等の不活性ガスで置換することにより行うことができる。
前記製造方法において、全ての単量体の添加が終了した後に、重合率を上げること等を目的として高温を維持する熟成工程を設けても良い。熟成工程は通常85℃以上であることが好ましい。
上記製造方法において、重合時間としては、特に制限されないが、好ましくは20~420分である。
上記製造方法において、溶媒を使用する場合、特に制限なく使用できるが、生成する重合体の使用用途に応じて選択するのが良い。カルボキシル基含有共重合体は水溶性であり、主な使用用途から溶媒は水溶性であることが好ましく、各種水、水溶性の有機溶媒を使用出来る。特に、水、水溶性のアルコール類、およびそれらの混合物であることが好ましく、水であることがより好ましい。
溶媒の使用量としては、重合反応の熟成工程終了時点に於ける全単量体100質量%に対して65%以上250%以下であることが好ましい。より好ましくは75%以上220%以下であり、更に好ましくは85%以上200%以下である。
例えば、溶媒の使用量が全単量体100質量%に対して65%以下の時、重合中にカルボキシル基と水酸基とにおけるエステル化が促進される傾向にあり、250%以上の時、残存単量体が増加する傾向にある。
〔カルボキシル基含有共重合体組成物の用途〕
本開示のカルボキシル基含有共重合体組成物は、洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤、分散剤、繊維処理剤、繊維への機能付与剤、スケール防止剤(スケール抑制剤)、セメント添加剤、金属イオン封止剤、増粘剤、各種バインダー等に好適に用いることができる。中でも、洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤、分散剤に好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<重量平均分子量の測定条件(GPC)>
装置:東ソー株式会社製 HLC-8320GPC
検出器:RI
カラム:東ソー製 TSKgel GMPWXL(2本直列に接続)
カラム温度:40℃
流速:1mL/min
試料液注入量:20μL(試料濃度は0.5重量%)
検量線:American Polymer Standards Corporation社製 ポリアクリル酸標準(Mp=1250、28000、47500、193800、392600、589700、1102000)を使用し、Mpと溶出時間を基礎に3次式で作成。
溶離液:(60.84mM炭酸ナトリウム水溶液+60.84mM炭酸水素ナトリウム水溶液)/アセトニトリル=83.74/16.26(重量比)
<重合体水溶液の固形分測定方法>
重合体水溶液1gをアルミ皿に量り採り、脱イオン水約1gで希釈して均一に広げた。これを130℃オーブン中で60分乾燥させ、デシケーター中で放冷した後、乾燥後重量を量った。下記式を用いて、乾燥前後の重量差により固形分(不揮発分)濃度を計算した。重合体の水溶液の固形分としては、特に断りがない限り、上記の手順で測定した固形分を用いた。
固形分(%)=〔乾燥後の蒸発残分(g)/乾燥前の重合体水溶液の重量(g)〕×100
<重合体水溶液に含まれる単量体の定量条件(液体クロマトグラフィー)>
装置:Waters Alliance(2695)
検出器(アクリル酸、マレイン酸の定量):UV(波長:200nm)(Waters 2489)
検出器(グリセリンモノアリルエーテルの定量):RI(Waters 2414)
カラム:Shodex製 RSpak DE-413L
カラム温度:40℃
流速:1mL/min
溶離液:0.1重量%リン酸水溶液
<加水分解試験>
重合体水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を添加し、60℃で24時間加熱した。水酸化ナトリウムの添加量は、重合中の添加量との総量が、重合体水溶液に含まれるカルボキシル基及びその塩の総量に対して120mol%となる量とした。得られた重合体水溶液の重量平均分子量を上記方法で測定した。
<ジャンプアップ率>
ジャンプアップ率は、下記により計算した。
ジャンプアップ率 =(加水分解試験前の重量平均分子量) ÷ (加水分解試験後の重量平均分子量)
<実施例1>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80重量%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」と称する):369.0g(すなわち4.10モル)を180分間、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール(別名:グリセリンモノアリルエーテル(以下、「GMAE」と称する)):39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、10重量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下「10%NaPS」と称する):23.8g(すなわち10.0ミリモル)を130分間と更に続いて26.3g(すなわち11.1ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、10重量%次亜リン酸ナトリウム・1水和物の水溶液(以下「10%SHP」と称する):25.0g(すなわち23.6ミリモル)を180分間、48重量%水酸化ナトリウム水溶液(以下「48%NaOH」と称する):17.1g(すなわち0.21モル)を180分間、脱イオン水:222.9gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、10%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(1-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は104,000、該水溶液に含まれるアクリル酸量は150ppm、GMAE量は2331ppm(すなわち、GMAEの消費率は98.0%)であった。該水溶液の固形分測定結果は43.5%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は0.54%であった。重合体水溶液(1-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(1-B)の重量平均分子量(Mw)は50,200であったことから、ジャンプアップ率は2.07倍であった。結果を表1に示した。
<実施例2>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:369.0g(すなわち4.10モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、10%NaPS:23.8g(すなわち10.0ミリモル)を130分間と更に続いて26.3g(すなわち11.1ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、10%SHP:25.0g(すなわち23.6ミリモル)を180分間、48%NaOH:34.2g(すなわち0.41モル)を180分間、脱イオン水:222.9gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、10%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(2-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は123,000、該水溶液に含まれるアクリル酸量は200ppm、GMAE量は3009ppm(すなわち、GMAEの消費率は97.4%)であった。該水溶液の固形分測定結果は43.5%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は0.69%であった。重合体水溶液(2-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(2-B)の重量平均分子量(Mw)は56,100であったことから、ジャンプアップ率は2.19倍であった。結果を表1に示した。
<実施例3>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:369.0g(すなわち4.10モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、10%NaPS:23.8g(すなわち10.0ミリモル)を130分間と更に続いて26.3g(すなわち11.1ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、10%SHP:25.0g(すなわち23.6ミリモル)を180分間、48%NaOH:51.3g(すなわち0.62モル)を180分間、脱イオン水:222.9gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、10%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(3-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は106,000、該水溶液に含まれるアクリル酸量は233ppm、GMAE量は2937ppm(すなわち、GMAEの消費率は97.5%)であった。該水溶液の固形分測定結果は43.5%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は0.68%であった。重合体水溶液(3-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(3-B)の重量平均分子量(Mw)は51,900であったことから、ジャンプアップ率は2.04倍であった。結果を表1に示した。
<実施例4>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:369.0g(すなわち4.10モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、10%NaPS:23.8g(すなわち10.0ミリモル)を130分間と更に続いて26.3g(すなわち11.1ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、10%SHP:25.0g(すなわち23.6ミリモル)を180分間、48%NaOH:68.3g(すなわち0.82モル)を180分間、脱イオン水:222.9gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、10%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(4-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は106,000、該水溶液に含まれるアクリル酸量は260ppm、GMAE量は3288ppm(すなわち、GMAEの消費率は97.1%)であった。該水溶液の固形分測定結果は43.2%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は0.76%であった。重合体水溶液(4-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(4-B)の重量平均分子量(Mw)は54,200であったことから、ジャンプアップ率は1.96倍であった。結果を表1に示した。
<比較例1>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:369.0g(すなわち4.10モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、10%NaPS:23.8g(すなわち10.0ミリモル)を130分間と更に続いて26.3g(すなわち11.1ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、10%SHP:25.0g(すなわち23.6ミリモル)を180分間、脱イオン水:222.9gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、10%SHP、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(比較1-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は199,000、該水溶液に含まれるアクリル酸量は286ppm、GMAE量は3802ppm(すなわち、GMAEの消費率は96.9%)であった。該水溶液の固形分測定結果は43.2%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は0.88%であった。重合体水溶液(比較1-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(比較1-B)の重量平均分子量(Mw)は66,500であったことから、ジャンプアップ率は2.99倍であった。結果を表1に示した。
Figure 2023032066000011
<実施例5>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:369.0g(すなわち4.10モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、5重量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下「5%NaPS」と称する):47.5g(すなわち10.0ミリモル)を130分間と更に続いて52.5g(すなわち11.0ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、5重量%次亜リン酸ナトリウム・1水和物の水溶液(以下「5%SHP」と称する):50.0g(すなわち23.6ミリモル)を180分間、48%NaOH:102.5g(すなわち1.23モル)を180分間、脱イオン水:108.3gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、5%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(5-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は98,000、該水溶液に含まれるアクリル酸量は236ppm、GMAE量は2643ppm(すなわち、GMAEの消費率は97.7%)であった。該水溶液の固形分測定結果は44.7%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は0.59%であった。重合体水溶液(5-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(5-B)の重量平均分子量(Mw)は48,800であったことから、ジャンプアップ率は2.01倍であった。結果を表2に示した。
<実施例6>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:369.0g(すなわち4.10モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、5%NaPS:47.5g(すなわち10.0ミリモル)を130分間と更に続いて52.5g(すなわち11.0ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、4重量%次亜リン酸ナトリウム・1水和物の水溶液(以下「4%SHP」と称する):62.5g(すなわち23.6ミリモル)を180分間、48%NaOH:153.8g(すなわち1.85モル)を180分間、脱イオン水:76.0gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、4%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(6-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は108,000、該水溶液に含まれるアクリル酸量は720ppm、GMAE量は7784ppm(すなわち、GMAEの消費率は93.0%)であった。該水溶液の固形分測定結果は46.4%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は1.68%であった。重合体水溶液(6-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(6-B)の重量平均分子量(Mw)は62,200であったことから、ジャンプアップ率は1.74倍であった。結果を表2に示した。
<実施例7>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:369.0g(すなわち4.10モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、5%NaPS:47.5g(すなわち10.0ミリモル)を130分間と更に続いて52.5g(すなわち11.0ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、4%SHP:62.5g(すなわち23.6ミリモル)を180分間、48%NaOH:187.9g(すなわち2.25モル)を180分間、脱イオン水:62.9gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、4%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(7-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は62,100、該水溶液に含まれるアクリル酸量は475ppm、GMAE量は7261ppm(すなわち、GMAEの消費率は93.3%)であった。該水溶液の固形分測定結果は46.0%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は1.58%であった。重合体水溶液(7-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(7-B)の重量平均分子量(Mw)は47,700であったことから、ジャンプアップ率は1.30倍であった。結果を表2に示した。
<比較例2>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:369.0g(すなわち4.10モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、6重量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下「6%NaPS」と称する):39.6g(すなわち10.0ミリモル)を130分間と更に続いて43.8g(すなわち11.0ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、5%SHP:50.0g(すなわち23.6ミリモル)を180分間、48%NaOH:331.4g(すなわち3.98モル)を180分間、脱イオン水:36.6gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、5%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(比較2-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は38,500、該水溶液に含まれるアクリル酸量は2013ppm、GMAE量は21919ppm(すなわち、GMAEの消費率は78.2%)であった。該水溶液の固形分測定結果は45.8%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は4.79%であった。重合体水溶液(比較2-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(比較2-B)の重量平均分子量(Mw)は38,900であったことから、ジャンプアップ率は0.99倍であった。結果を表2に示した。
<比較例3>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で80℃まで昇温した。次いで攪拌下、80℃の重合反応系中に、80%AA:369.0g(すなわち4.10モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、5%NaPS:47.5g(すなわち10.0ミリモル)を130分間と更に続いて52.5g(すなわち11.0ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、4%SHP:62.5g(すなわち23.6ミリモル)を180分間、48%NaOH:187.9g(すなわち2.25モル)を180分間、脱イオン水:62.9gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、4%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を80℃に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(比較3-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は68,100、該水溶液に含まれるアクリル酸量は1463ppm、GMAE量は23247ppm(すなわち、GMAEの消費率は78.6%)であった。該水溶液の固形分測定結果は45.5%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は5.11%であった。重合体水溶液(比較3-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(比較3-B)の重量平均分子量(Mw)は64,300であったことから、ジャンプアップ率は1.06倍であった。結果を表2に示した。
Figure 2023032066000012
<実施例8>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:292.5g(すなわち3.25モル)を180分間、GMAE:231.3g(すなわち1.75モル)を30分間、15重量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下「15%NaPS」と称する):64.1g(すなわち40.4ミリモル)を130分間と更に続いて86.1g(すなわち54.3ミリモル)を85分間と2段階の供給速度で、48%NaOH:135.4g(すなわち1.62モル)を180分間、脱イオン水:213.5gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、GMAE、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(8-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は36,100、該水溶液に含まれるアクリル酸量は13ppm、GMAE量は5517ppm(すなわち、GMAEの消費率は97.1%)であった。該水溶液の固形分測定結果は44.6%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は1.24%であった。重合体水溶液(8-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(8-B)の重量平均分子量(Mw)は34,600であったことから、ジャンプアップ率は1.04倍であった。結果を表3に示した。
<実施例9>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:292.5g(すなわち3.25モル)を180分間、GMAE:231.3g(すなわち1.75モル)を30分間、15%NaPS:64.1g(すなわち40.4ミリモル)を130分間と更に続いて86.1g(すなわち54.3ミリモル)を85分間と2段階の供給速度で、48%NaOH:195.0g(すなわち2.34モル)を180分間、脱イオン水:190.5gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、GMAE、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(9-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は24,200、該水溶液に含まれるアクリル酸量は34ppm、GMAE量は10874ppm(すなわち、GMAEの消費率は94.1%)であった。該水溶液の固形分測定結果は45.4%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は2.40%であった。重合体水溶液(9-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(9-B)の重量平均分子量(Mw)は25,000であったことから、ジャンプアップ率は0.97倍であった。結果を表3に示した。
<参考例1>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:292.5g(すなわち3.25モル)を180分間、GMAE:231.3g(すなわち1.75モル)を30分間、15%NaPS:64.1g(すなわち40.4ミリモル)を130分間と更に続いて86.1g(すなわち54.3ミリモル)を85分間と2段階の供給速度で、脱イオン水:265.7gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、GMAE、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに40分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)したところ、重合液がゲル化したため反応を中断した。アクリル酸由来のカルボキシル基とGMAE由来の水酸基がエステル化反応することで高分子量化し、ゲルが形成したものと推測される。
<比較例4>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:292.5g(すなわち3.25モル)を180分間、GMAE:231.3g(すなわち1.75モル)を30分間、15%NaPS:64.1g(すなわち40.4ミリモル)を130分間と更に続いて86.1g(すなわち54.3ミリモル)を85分間と2段階の供給速度で、48%NaOH:268.1g(すなわち3.22モル)を180分間、脱イオン水:162.3gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、GMAE、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(比較4-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は18,600、該水溶液に含まれるアクリル酸量は185ppm、GMAE量は20776ppm(すなわち、GMAEの消費率は88.3%)であった。該水溶液の固形分測定結果は44.4%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は4.68%であった。重合体水溶液(比較4-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(比較4-B)の重量平均分子量(Mw)は19,000であったことから、ジャンプアップ率は0.98倍であった。結果を表3に示した。
<比較例5>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:194.7gを仕込み、攪拌下で80℃まで昇温した。次いで攪拌下、80℃の重合反応系中に、80%AA:292.5g(すなわち3.25モル)を180分間、GMAE:231.3g(すなわち1.75モル)を30分間、15%NaPS:64.1g(すなわち40.4ミリモル)を130分間と更に続いて86.1g(すなわち54.3ミリモル)を85分間と2段階の供給速度で、48%NaOH:135.4g(すなわち1.62モル)を180分間、脱イオン水:213.5gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、GMAE、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を80℃に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(比較5-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は40,800、該水溶液に含まれるアクリル酸量は60ppm、GMAE量は27948ppm(すなわち、GMAEの消費率は85.3%)であった。該水溶液の固形分測定結果は44.6%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は6.27%であった。重合体水溶液(比較5-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(比較5-B)の重量平均分子量(Mw)は40,800であったことから、ジャンプアップ率は1.00倍であった。結果を表3に示した。
Figure 2023032066000013
<実施例10>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:70.7g、48%NaOH:75.0g(すなわち0.90モル)、無水マレイン酸(以下「無水MA」と称する):49.0g(すなわち0.50モル)を仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:324.0g(すなわち3.60モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、5%NaPS:47.0g(すなわち9.9ミリモル)を130分間と更に続いて52.0g(すなわち10.9ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、4%SHP:56.3g(すなわち21.2ミリモル)を180分間、48%NaOH:135.8g(すなわち1.63モル)を180分間、脱イオン水:180.1gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、4%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(10-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は54,600、該水溶液に含まれるアクリル酸量は290ppm、マレイン酸量は3ppm、GMAE量は8652ppm(すなわち、GMAEの消費率は91.9%)であった。該水溶液の固形分測定結果は48.4%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は1.79%であった。重合体水溶液(10-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(10-B)の重量平均分子量(Mw)は36,900であったことから、ジャンプアップ率は1.48倍であった。結果を表4に示した。結果を表4に示した。
<比較例6>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:70.7g、48%NaOH:75.0g(すなわち0.90モル)、無水MA:49.0g(すなわち0.50モル)を仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:324.0g(すなわち3.60モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、5%NaPS:47.0g(すなわち9.9ミリモル)を130分間と更に続いて52.0g(すなわち10.9ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、4%SHP:56.3g(すなわち21.2ミリモル)を180分間、48%NaOH:304.5g(すなわち3.65モル)を180分間、脱イオン水:110.4gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、4%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(比較6-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は28,200、該水溶液に含まれるアクリル酸量は3229ppm、マレイン酸量は13348ppm、GMAE量は28100ppm(すなわち、GMAEの消費率は71.5%)であった。該水溶液の固形分測定結果は47.0%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は5.98%であった。重合体水溶液(比較6-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(比較6-B)の重量平均分子量(Mw)は28,100であったことから、エステル化によるジャンプアップ率は1.00倍であった。結果を表4に示した。
<比較例7>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:70.7g、48%NaOH:75.0g(すなわち0.90モル)、無水MA:49.0g(すなわち0.50モル)を仕込み、攪拌下で80℃まで昇温した。次いで攪拌下、80℃の重合反応系中に、80%AA:324.0g(すなわち3.60モル)を180分間、GMAE:39.6g(すなわち0.30モル)を30分間と更に続いて79.3g(すなわち0.60モル)を90分間と2段階の供給速度で、5%NaPS:47.0g(すなわち9.9ミリモル)を130分間と更に続いて52.0g(すなわち10.9ミリモル)を70分間と2段階の供給速度で、4%SHP:56.3g(すなわち21.2ミリモル)を180分間、48%NaOH:135.8g(すなわち1.63モル)を180分間、脱イオン水:180.1gを180分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。80%AA、4%SHP、48%NaOH、脱イオン水の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。AAの滴下終了後、さらに50分間、上記反応液を80℃に保持(熟成)し、重合を完結させることで重合体水溶液(比較7-A)を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は60,200、該水溶液に含まれるアクリル酸量は1522ppm、マレイン酸量は54ppm、GMAE量は27288ppm(すなわち、GMAEの消費率は74.6%)であった。該水溶液の固形分測定結果は47.7%であったことから、固形分100%に対するGMAE含有量は5.72%であった。重合体水溶液(比較7-A)を加水分解試験することで得られた重合体水溶液(比較7-B)の重量平均分子量(Mw)は45,400であったことから、エステル化によるジャンプアップ率は1.33倍であった。結果を表4に示した。
Figure 2023032066000014

Claims (8)

  1. カルボキシル基含有共重合体組成物であって、
    該カルボキシル基含共有重合体は、
    (メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)、及び、
    下記一般式(1)で表される水酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)を含み、
    Figure 2023032066000015
    (一般式(1)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表す。)
    該カルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量のジャンプアップ率が0.8~2.8倍であり、
    該カルボキシル基含有共重合体組成物の固形分100質量%に対して、
    下記一般式(2)で表される水酸基含有単量体(B)の含有量が4質量%以下である、
    Figure 2023032066000016
    (一般式(2)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表す。)
    カルボキシル基含有共重合体組成物。
  2. 該カルボキシル基含有共重合体に含まれるカルボキシル基の中和率が、
    該カルボキシル基含有共重合体に含まれるカルボキシル基及びその塩の総量に対して、
    2mol%以上90mol%以下である請求項1に記載の
    カルボキシル基含有共重合体組成物。
  3. 該カルボキシル基含有共重合体は、重量平均分子量が15,000~1,000,000である請求項1または請求項2に記載のカルボキシル基含有共重合体組成物。
  4. 該一般式(1)におけるXが炭素数1の炭化水素基である請求項1~3のいずれかに記載のカルボキシル基含有共重合体組成物。
  5. 該水酸基含有単量体(B)、1molに対して、1mol以上の1級水酸基と1mol以上の2級水酸基を有する請求項4に記載のカルボキシル基含有共重合体組成物。
  6. カルボキシル基含有共重合体組成物の製造方法であって、
    該カルボキシル基含共有重合体は、
    (メタ)アクリル酸系単量体(A)に由来する構造単位(a)、及び、
    下記一般式(1)で表される水酸基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)を含み、
    Figure 2023032066000017
    (一般式(1)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表す。)
    該カルボキシル基含有共重合体の重量平均分子量のジャンプアップ率が0.8~2.8倍であり、
    該カルボキシル基含有共重合体組成物の固形分100質量%に対して、下記一般式(2)で表される水酸基含有単量体(B)の含有量が4質量%以下である、
    Figure 2023032066000018
    (一般式(2)中、Rは、水素原子、又は、メチル基を表し、Xは、直接結合、又は、炭素数1~6の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表し、Rは炭素数1~5の有機基を表す。)
    カルボキシル基含有共重合体組成物の製造方法。
  7. 重合温度が85℃以上である請求項6に記載のカルボキシル基含有共重合体組成物の製造方法。
  8. 熟成工程終了時点に於ける
    該カルボキシル基含有共重合体に含まれるカルボキシル基の中和率が、
    該カルボキシル基含有共重合体に含まれるカルボキシル基及びその塩の総量に対して、
    2mol%以上90mol%以下である請求項6または請求項7に記載の
    カルボキシル基含有共重合体組成物の製造方法。
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