JP5661741B2 - 2−メチレングルタル酸系共重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、優れた漂白効果を発揮し、風合のよい被漂白物が得られる繊維処理剤として、所定のマグネシウムイオン捕捉能等を有するアクリル酸−マレイン酸系共重合体(塩)からなる繊維処理剤が提案されている(特許文献1)。
一方、2−メチレングルタル酸と不飽和カルボン酸類を、mol比で100/0〜100/50の比率で重合した重合体が、繊維処理剤としてではなく、塗工紙用の顔料分散剤として有用であることが開示されている(特許文献2)。
さらに、2−メチレングルタル酸ジメチルを重合後に加水分解することにより得られる重合体からなる洗剤組成物が開示されている(特許文献3)。
従って本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされたものであり、良好な多価金属の捕捉能を維持しつつも、従来より優れた過酸化水素安定化能を示す共重合体および該共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明にかかる2−メチレングルタル酸系共重合体は、2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位を、全単量体由来の構造単位100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含み、不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位を、全単量体由来の構造単位100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含み、不飽和カルボン酸系単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1つである、共重合体である。
本発明の他の一つの形態においては、2−メチレングルタル酸(塩)を、全単量体組成100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含み、不飽和カルボン酸系単量体を、全単量体組成100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含んで重合して得られ、不飽和カルボン酸系単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする2−メチレングルタル酸系共重合体が提供される。
本発明の他の一つの形態においては、2−メチレングルタル酸(塩)を、全単量体組成100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含み、不飽和カルボン酸系単量体を、全単量体組成100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含んで重合し、不飽和カルボン酸系単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする2−メチレングルタル酸系共重合体の製造方法が提供される。
[2−メチレングルタル酸系共重合体]
(2−メチレングルタル酸系単量体)
本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体は、2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位を有することを特徴としている。本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体は、2−メチレングルタル酸系単量体を必須とする単量体(組成物)を共重合することにより得られることが好ましい。本発明において、2−メチレングルタル酸系単量体とは、2−メチレングルタル酸、2−メチレングルタル酸塩、2−メチレングルタル酸のカルボキシル基の一部又は全部が対応するエステルやアミド等に置き換わっている単量体を表す。2−メチレングルタル酸系単量体として上記2−メチレングルタル酸のカルボキシル基の一部又は全部が対応するエステルやアミド等に置き換わっている単量体を使用した場合には、加水分解等の後処理によって、共重合体に2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位を導入することになる。
得られる共重合体の過酸化水素安定化能が優れることから、上記2−メチレングルタル酸系単量体は、2−メチレングルタル酸または2−メチレングルタル酸塩であることが好ましい。すなわち、本発明の共重合体は、2−メチレングルタル酸または2−メチレングルタル酸塩を必須とする単量体組成で共重合することにより得られることが好ましい。
本発明において、2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位とは、2−メチレングルタル酸(塩)がラジカル重合することにより形成される構造単位であり、たとえば以下の一般式(1)で表される。
(一般式(1)において、Mはそれぞれ独立に、水素原子、金属原子、アンモニウム基、有機アミン基を表す)
本発明において、「酸型換算」とは、2−メチレングルタル酸塩であっても、全単量体に対する質量を計算する場合に、2−メチレングルタル酸として計算することを言う。
上記の通り、本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体は、2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位に加え、不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位を有することを特徴としている。本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体は、2−メチレングルタル酸系単量体および不飽和カルボン酸系単量体を必須とする単量体(組成物)を共重合することにより得られることが好ましい。
本発明において、不飽和カルボン酸系単量体とは、少なくとも1つのカルボキシル基(塩)と炭素炭素二重結合とを有する単量体(2−メチレングルタル酸系単量体に該当する単量体を除く)を言う。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、及びこれらの塩等が例示される。ここで、「塩」とは上述した通りである。
本発明において、不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位とは、不飽和カルボン酸系単量体(塩)がラジカル重合することにより形成される構造単位であり、例えば、アクリル酸ナトリウム由来の構造単位は、−CH2CH(COONa)−で表される。
本発明において、「酸型換算」とは、不飽和カルボン酸系単量体の塩であっても、全単量体に対する質量を計算する場合に、不飽和カルボン酸系単量体として計算することを言う。例えば、アクリル酸ナトリウムであっても、全単量体に対する質量を計算する場合に、アクリル酸として計算することを言う。
(その他の単量体)
上記の通り、本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体は、2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位に加え、不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位を有することを特徴としているが、その他に任意ではあるが、その他の単量体由来の構造単位を有していても構わない。本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体は、2−メチレングルタル酸系単量体および不飽和カルボン酸系単量体に加え、その他の単量体を含む単量体(組成物)を共重合することにより得られるものであっても良い。
他の単量体としては、2−メチレングルタル酸系単量体および/または不飽和カルボン酸系単量体と共重合可能な単量体であれば特に制限はないが(但し、2−メチレングルタル酸系単量体または不飽和カルボン酸系単量体に該当する単量体を除く)、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキル基のエステルである、アルキル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アリルアミンまたはその4級化物等のアミノ基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有単量体類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体類;マレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体類;3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸基を有する単量体及びこれらの塩;ビニルホスホン酸、(メタ)アリルホスホン酸などのホスホン酸基を有する単量体等(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール:ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類;ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、モノアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキシドが1〜300mol付加した構造を有する単量体等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体、等が挙げられる。これらの他の単量体についても、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明において、その他の単量体の全単量体に対する質量を計算する場合には、酸基の塩を含有する単量体であれば、酸型として計算し、アミノ基の塩を含有する単量体であれば、対応するアミノ基を含有する単量体として計算する。
本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体は、2−メチレングルタル酸(塩)に由来する構造単位(2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位)、不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位を必須として含む。
本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体は、2−メチレングルタル酸(塩)に由来する構造単位を全構造単位(2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位、不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位、その他の単量体由来の構造単位の合計)100質量%に対して、好ましくは30質量%以上70質量%以下(酸型換算)、より好ましくは32質量%以上68質量%以下(酸型換算)、更に好ましくは33質量%以上67質量%以下(酸型換算)、最も好ましくは35質量%以上65質量%以下(酸型換算)である。2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位の割合が上記範囲であれば2−メチレングルタル酸系共重合体の重金属のキレート能が向上する傾向にあることに起因して繊維処理剤として好適に使用することができる。2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位の割合が30質量%未満である場合、カルシウムイオン等の捕捉能の低下に起因して、処理された繊維の風合いが低下する傾向にある。また、2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位の割合が上記範囲内であれば、2−メチレングルタル酸系共重合体の耐ゲル化性能が良好となる。
本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位(不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位)を全構造単位(2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位、不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位、その他の単量体由来の構造単位の合計)100質量%に対して、好ましくは30質量%以上70質量%以下(酸型換算)、より好ましくは32質量%以上68質量%以下(酸型換算)、更に好ましくは33質量%以上67質量%以下(酸型換算)、最も好ましくは35質量%以上65質量%以下(酸型換算)である。不飽和カルボン酸系単量体の割合が上記範囲であれば2−メチレングルタル酸系共重合体の重金属のキレート能が向上する傾向にあることに起因して繊維処理剤として好適に使用することができる。
本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体は、任意ではあるがその他の単量体由来の構造単位を有しても良く、その場合、全構造単位(2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位、不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位、その他の単量体由来の構造単位の合計)100質量%に対するその他の単量体由来の構造単位は、好ましくは0質量%以上30質量%以下、より好ましくは0質量%以上25質量%以下、更に好ましくは0質量%以上20質量%以下、最も好ましくは0質量%以上10質量%以下(酸型換算)である。他の単量体の割合が上記範囲であれば2−メチレングルタル酸系共重合体の重金属のキレート能が向上する傾向にあることに起因して繊維処理剤として好適に使用することができる。2−メチレングルタル酸系単量体由来の構造の内、2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位以外の構造単位(例えば、加水分解等されていない上記対応するエステルやアミド等に置き換わっている単量体由来の構造)は、その他の単量体由来の構造単位に含まれるものとする。
本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体の製造方法は、特に断りの無い限りは、公知の重合方法を同様にしてあるいは修飾した方法が使用できる。本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体を製造する方法としては、2−メチレングルタル酸系単量体、不飽和カルボン酸系単量体を必須成分として含む単量体成分を共重合することにより製造することができる。また、単量体成分を共重合する際には、必要に応じ、上記その他の単量体を更に共重合させてもよい。
全単量体(2−メチレングルタル酸系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、その他の単量体の合計)100質量%に対して、2−メチレングルタル酸系単量体の割合が上記範囲であれば得られる2−メチレングルタル酸系共重合体の重金属のキレート能が向上する傾向にあることに起因して繊維処理剤として好適に使用することができる。2−メチレングルタル酸系単量体の割合が30質量%未満である場合、カルシウムイオン等の捕捉能の低下に起因して、処理された繊維の風合いが低下する傾向にある。
連続式な重合とは、管型反応器を使用する重合、ニーダーを用いた重合、可動式ベルトを用いた重合等が挙げられる。
本発明における静置重合とは、重合中に攪拌機を使用した強制的な撹拌を伴わないことを表し、重合前に予め原料を混合して均一にしておくことは構わず、また均一にしておくことが好ましい。上記の通り、重合中に、反応液中または反応液上部等に単量体または重合開始剤の一部を添加しても構わないが、重合開始前に大部分を添加することが好ましい。大部分とは、全使用量の70質量%以上を言い、さらに好ましくは80質量%以上あり、特に好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。
例えば、回分式の場合、(i)重合開始剤、水、単量体を反応器に添加し、攪拌機を使用して混合した後、撹拌を止め、昇温することにより重合を開始させる方法、(ii)重合開始剤、水、単量体を混合した後に、反応器に添加し、加熱して重合を行なう方法等が好ましく、連続式であれば、重合開始剤、水、単量体を混合し(例えばラインミキサーで混合)、可動式ベルトの一端に該混合液を添加して光および/または熱で重合を開始させる方法が好ましく例示される。
なお、上記静置重合工程後に、例えば重合開始剤をさらに添加して残存単量体を低減させたり、重合開始剤等の添加物を不活性化、中和等させるための添加剤を添加する工程を設けても良いが、これらの工程は静置条件下であっても、撹拌条件下であっても良い。
上記開始剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノパレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が好適である。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩が好ましく、過硫酸塩が最も好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。例えば、過酸化水素と過硫酸塩の組み合わせは好ましい形態である。
本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体の製造方法は、必要に応じ、重合に悪影響を及ぼさない範囲内で、重合体の分子量調整剤として連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤としては、具体的には、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルチオグリコレート等の、チオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等の、ハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びその塩、亜硫酸水素塩(亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)等の、低級酸化物およびその塩などが挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
連鎖移動剤を使用すると、製造される2−メチレングルタル酸系共重合体が必要以上に高分子量化することを抑制し、低分子量の2−メチレングルタル酸系共重合体を効率よく製造することができるという利点がある。これらのうち、本発明に係る共重合反応においては、亜硫酸や亜硫酸塩を用いることが好適である。これにより、得られる2−メチレングルタル酸系共重合体の主鎖末端に定量的にスルホン酸基を導入することができるととなり、耐ゲル化性能を向上することが可能となる。
本発明の製造方法において、上述したように、亜硫酸および/または亜硫酸塩(以下、単に「亜硫酸(塩)」と記載する)を連鎖移動剤として使用することは好ましい形態であるが、その場合、亜硫酸(塩)に加えて開始剤を使用する。さらに、反応促進剤として、重金属イオンを併用してもよい。
上記亜硫酸(塩)としては、亜硫酸若しくはこの塩または亜硫酸水素塩をいい、亜硫酸/亜硫酸水素が塩である形態が好適である。亜硫酸/亜硫酸水素が塩である場合、上記した例に加えて、金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムの塩が好適である。上記金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子等の塩が好ましい。また、有機アンモニウム(有機アミン)としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンや、トリエチルアミン等が好適である。更に、アンモニウムであってもよい。ゆえに、本発明で好ましく使用される亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム等が挙げられ、亜硫酸水素ナトリウムが特に好適である。上記亜硫酸(塩)は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体の製造方法は、開始剤などの使用量を低減する等の目的で反応促進剤を加えても良い。反応促進剤としては、重金属イオンが例示される。本発明で重金属イオンとは、比重が4g/cm3以上の金属を意味する。上記金属イオンとしては、例えば、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等が好ましい。これらの重金属は1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、鉄がより好ましい。上記重金属イオンのイオン価は特に限定されるものではなく、例えば、重金属として鉄が用いられる場合、開始剤における鉄イオンとしては、Fe2+であっても、Fe3+であってもよく、これらが組み合わされていてもよい。
上記重金属イオンは、イオンの形態として含まれるものであれば特に限定されないが、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いる方法を用いると、取り扱い性に優れるため好適である。その際に用いる重金属化合物は、開始剤に含有することを所望する重金属イオンを含むものであればよく、用いる開始剤に応じて決定することができる。上記重金属イオンとして鉄を用いる場合、モール塩(Fe(NH4)2(SO4)2・6H2O)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の重金属化合物等を用いることが好ましい。また、重金属イオンとしてマンガンを用いる場合、塩化マンガン等を好適に用いることができる。これらの重金属化合物を用いる場合においては、いずれも水溶性の化合物であるため、水溶液の形態として用いることができ、取り扱い性に優れることになる。なお、上記重金属化合物を溶解してなる溶液の溶媒としては、水に限定されるものではなく、本発明の疎水基含有共重合体の製造において、重合反応を妨げるものでなく、かつ、重金属化合物を溶解するものであればよい。
上記連鎖移動剤、開始剤及び反応促進剤の組み合わせは、特に制限されず、上記各例示の中から適宜選択できる。例えば、連鎖移動剤、開始剤及び反応促進剤の組み合わせとしては、亜硫酸水素ナトリウム/過酸化水素、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム/鉄イオン、亜硫酸水素ナトリウム/過酸化水素/鉄イオン、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/鉄イオン、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/過酸化水素、亜硫酸水素ナトリウム/酸素/鉄イオン等の形態が好ましい。より好ましくは、過硫酸ナトリウム/過酸化水素、過硫酸ナトリウム/過酸化水素/鉄イオン、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/鉄イオンであり、最も好ましくは亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/鉄イオン、過硫酸ナトリウム/過酸化水素/鉄イオンである。
開始剤の使用量は、上記単量体を共重合できる量であれば特に制限されないが、全単量体成分1mol(使用する単量体の全量)に対して、15g以下、より好ましくは1〜12gであることが好ましい。
本発明の方法において、連鎖移動剤の添加量は、上記単量体が良好に重合する量であれば制限されないが、好ましくは上記単量体からなる全単量体成分(使用する単量体全量)1molに対して、1〜20g、より好ましくは2〜15gである。1g未満であると、分子量の制御ができないおそれがあり、逆に、20gを超えると、不純物が多量に生成し、重合体純分が低下するおそれがあり、特に亜硫酸塩を使用する場合には、余剰の亜硫酸塩が反応系中で分解され、亜硫酸ガスが発生するおそれがある。しかも、経済的にも不利となるおそれがある。
上記開始剤と連鎖移動剤との組み合わせとしては、過硫酸塩と亜硫酸塩とをそれぞれ1種以上用いることが最も好ましい。この場合、過硫酸塩と亜硫酸塩との混合比は、特に制限されないが、過硫酸塩1質量部に対して、亜硫酸塩0.5〜5質量部を用いることが好ましい。より好ましくは、過硫酸塩1質量部に対して、亜硫酸塩の下限は、1質量部であり、最も好ましくは2質量部である。また、亜硫酸塩の上限は、過硫酸塩1質量部に対して、より好ましくは4質量部であり、最も好ましくは3質量部である。ここで、亜硫酸塩が0.5質量部未満であると、低分子量化する際に開始剤総量が増加するおそれがあり、逆に5質量部を超えると、副反応が増加し、それによる不純物が増加するおそれがある。
上記連鎖移動剤、開始剤、及び反応促進剤の総使用量は、上記単量体からなる全単量体成分(使用する単量体全量)1molに対して、2〜20gであることが好ましい。このような範囲とすることで、本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体を効率よく生産することができ、また、2−メチレングルタル酸系共重合体の分子量分布を所望のものとすることができる。より好ましくは、4〜18gであり、更に好ましくは、6〜15gである。
上記連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、重合開始前に大部分を添加することが好ましい。大部分とは、全使用量の70質量%以上を言い、さらに好ましくは80質量%以上あり、特に好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。重合後に添加する場合には、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、連鎖移動剤を単独で反応容器へ導入してもよく、単量体成分を構成する各単量体、溶媒等とあらかじめ混合しておいてもよい。
本発明において、上記単量体の重合は溶媒を使用することが好ましいが、使用する溶媒の50質量%以上に水を用いることが好ましく、80質量%以上が水であることがより好ましく、100質量%が水であることがさらに好ましい。この際、使用する溶媒の50質量%以上に水を用いることによって、重合に使用される有機溶媒の量を抑制できるため、重合終了後の有機溶媒の留去が容易であるという利点がある。
水等の溶媒の使用量としては、単量体成分100質量%に対して40〜200質量%が好ましい。より好ましくは、45質量%以上であり、更に好ましくは、50質量%以上である。また、より好ましくは、180質量%以下であり、更に好ましくは、150質量%以下である。溶媒の使用量が40質量%未満であると、得られる共重合体の分子量が高くなるおそれがあり、200質量%を超えると、得られる共重合体の濃度が低くなり、溶媒除去が必要となるおそれがある。なお、上記溶媒の反応容器への添加方法としては、重合開始前に大部分を添加することが好ましい。大部分とは、全使用量の70質量%以上を言い、さらに好ましくは80質量%以上あり、特に好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。重合後に添加する場合には、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、上記溶媒を単独で反応容器へ導入してもよく、単量体成分を構成する各単量体、溶媒等とあらかじめ混合しておいてもよい。
上記共重合方法において、共重合温度等の共重合条件としては、用いられる共重合方法、溶媒、重合開始剤により適宜定められるが、共重合温度としては、通常、0℃以上であることが好ましく、また、150℃以下であることが好ましい。より好ましくは、40℃以上であり、更に好ましくは、60℃以上であり、特に好ましくは、80℃以上である。また、より好ましくは、120℃以下であり、更に好ましくは、110℃以下である。特に、亜硫酸(塩)を用いる場合には、共重合温度は、通常、60℃〜95℃、好ましくは70℃〜95℃、さらに好ましくは、80℃〜95℃である。この際、60℃未満では、亜硫酸(塩)由来の不純物が多量に生成するおそれがある。逆に、95℃を越えると、有毒な亜硫酸ガスが放出されるおそれがある。
上記共重合温度は、重合反応において、常にほぼ一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応中に経時的に温度変動(昇温又は降温)させてもよい。
重合時間は特に制限されない。上記の通り、単量体は、重合開始前に添加する方法が最も好ましいが、重合開始以後に単量体を添加する方法を採用する場合には、単量体を添加している時間は30〜420分であることが好ましく、45〜390分であることがより好ましく、60〜360分であることがさらに好ましく、90〜300分であることが特に好ましい。なお、本発明において、「重合時間」とは、特に断らない限り、単量体を添加している時間を表す。
上記共重合方法における反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下の何れであってもよいが、得られる共重合体の分子量の点で、常圧下、又は、反応系内を密閉し、加圧下で行うのが好ましい。また、加圧装置や減圧装置、耐圧性の反応容器や配管等の設備の点で、常圧(大気圧)下で行うのが好ましい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でもよいが、不活性雰囲気とするのが好ましく、例えば、重合開始前に系内を窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。
上記共重合における重合中のpHは、酸性が好ましい。特に、上記開始剤として、過硫酸塩と重亜硫酸塩とを併用する場合は、酸性条件下で行うことが好ましい。酸性条件下で行うことによって、重合反応系の水溶液の粘度の上昇を抑制し、共重合体を良好に製造することができる。また、高濃度の条件下で重合反応を進行させることができるので、製造効率を大幅に上昇することができ、最終固形分濃度が40%以上の高濃度重合とすることができ、含まれる残存モノマーの総濃度が30000ppm以下のものを得ることができる。更に、2−メチレングルタル酸の重合性を向上することができる。
上記酸性条件としては、重合中の反応溶液の25℃でのpHが1〜6であることが好ましい。より好ましくは、5以下であり、更に好ましくは、3以下である。上記共重合方法により得られる共重合体は、そのままでも繊維処理剤の主成分等として用いることができるが、必要に応じて、更にアルカリ性物質で中和して用いてもよい。アルカリ性物質としては、一価金属及び二価金属の水酸化物、塩化物及び炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アンモニウム(有機アミン)等を用いることが好ましい。
共重合を行う際の中和率は、開始剤によって適宜変更できる。例えば、過硫酸塩と重亜硫酸塩とを併用する場合は、不飽和カルボン酸系単量体等の酸基含有単量体の酸基の合計量に対して、単量体の中和率を0〜60mol%として単量体成分の共重合を行うことが好ましい。単量体の中和率は、単量体の全mol数を100mol%としたときに、塩を形成している単量体のmol%で表されることになる。単量体の中和率が60mol%を超えると、共重合工程における重合率が上がらず、得られる共重合体の分子量が低下したり、製造効率が低下したりするおそれがある。より好ましくは、50mol%以下であり、更に好ましくは、40mol%以下、特に好ましくは、30mol%以下であり、より特に好ましくは、20mol%以下であり、最も好ましくは、10mol%以下である。
また、過硫酸塩と過酸化水素を併用する場合は、不飽和カルボン酸系単量体の酸基含有単量体の酸基の合計量に対して、99mol%以下、好ましくは50〜95mol%である。中和度が50mol%未満であると過酸化水素の分解が十分に起こらず、重量平均分子量が高くなる傾向がある。また99mol%を越えると強アルカリ性の腐食性条件となるため、高温では製造設備が腐食する恐れがあり、さらに、アルカリによって過酸化水素が分解してしまうため、添加量が多くなってしまうという恐れもある。重合終了後(即ち単量体滴下終了後)の中和度は、残存する過酸化水素の分解を促進するために、2−メチレングルタル酸系単量体および不飽和カルボン酸系単量体の酸量の合計量に対して、好ましくは80mol%以上、より好ましくは90mol%以上、さらに好ましくは95mol%以上とする。
本発明の重合体組成物中には、本発明の2−メチレングルタル酸系重合体が必須に含まれる。このほか、未反応の2−メチレングルタル酸系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、未反応の重合開始剤、重合開始剤分解物等が含まれうる。
本発明の共重合体、重合体組成物(それぞれ本発明の重合体、本発明の重合体組成物とも言う)は、繊維処理剤、水処理剤、分散剤、洗剤ビルダー(または洗剤組成物)等として用いられうる。洗剤ビルダーとしては、衣料用、食器用、住居用、毛髪用、身体用、歯磨き用、及び自動車用など、様々な用途の洗剤に添加されて使用されうる。
本発明の重合体(組成物)は、繊維処理剤に用いることができる。該繊維処理剤は、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、本発明の共重合体、重合体組成物を含む。
本発明の重合体(組成物)は、水処理剤に用いることができる。該水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を用いても良い。
本発明の重合体(組成物)は、顔料分散剤に用いることができる。
本発明の重合体は単独で顔料分散剤として使用することができるが、本発明の顔料分散剤には、必要に応じて、水などの溶媒や、他の配合剤として、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールを用いても良い。
本発明によれば、低粘度で粘性の経時安定性を有し、かつ高濃度の製紙用顔料スラリーを提供することが可能となる。ひいては、該スラリーを用いて塗工した際に塗工欠陥を抑制し、良好な原紙被覆性、印刷光沢、耐ブリスター性、ムラのない印刷面感を与え、かつ顔料が本来持つ白色度、不透明度、インキ受理性の優位点を備えた印刷用塗工紙を提供することが可能となる。
なお、上記顔料スラリー粘度は、B型粘度計を使用し、測定条件としては、ローターNo.3、60rpm、1分間で測定した値をいう。
本発明の重合体(組成物)は、洗剤組成物にも添加しうる。洗剤組成物における本発明の重合体の含有量は特に制限されない。ただし、優れたビルダー性能を発揮しうるという観点からは、本発明の重合体の含有量は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.3〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
洗剤用途で用いられる洗剤組成物には、通常、洗剤に用いられる界面活性剤や添加剤が含まれる。これらの界面活性剤や添加剤の具体的な形態は特に制限されず、洗剤分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。また、上記洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選択される1種または2種以上である。2種以上が併用される場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との合計量は、界面活性剤の全量に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステルまたはその塩、アルケニルリン酸エステルまたはその塩等が好適である。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適である。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記界面活性剤の配合割合は、通常、洗剤組成物の全量に対して10〜60質量%であり、好ましくは15〜50質量%であり、さらに好ましくは20〜45質量%であり、特に好ましくは25〜40質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、十分な洗浄力を発揮できなくなる虞があり、界面活性剤の配合割合が多すぎると、経済性が低下する虞がある。
添加剤としては、アルカリビルダー、キレートビルダー、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等の汚れ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒等が好適である。また、粉末洗剤組成物の場合にはゼオライトを配合することが好ましい。
上記洗剤組成物は、本発明の重合体(組成物)に加えて、他の洗剤ビルダーを含んでもよい。他の洗剤ビルダーとしては、特に制限されないが、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩などのアルカリビルダーや、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、ボウ硝、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、クエン酸塩、(メタ)アクリル酸の共重合体塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、フマル酸塩、ゼオライト等のキレートビルダー、カルボキシメチルセルロース等の多糖類のカルボキシル誘導体等が挙げられる。上記ビルダーに用いられる対塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、アンモニウム、アミン等が挙げられる。
上記添加剤と他の洗剤用ビルダーの合計の配合割合は、通常、洗剤組成物100質量%に対して0.1〜50質量%が好ましい。より好ましくは0.2〜40質量%であり、さらに好ましくは0.3〜35質量%であり、特に好ましくは0.4〜30質量%であり、最も好ましくは0.5〜20質量%である。添加剤/他の洗剤ビルダーの配合割合が0.1質量%未満であると、十分な洗剤性能を発揮できなくなる虞があり、50質量%を超えると経済性が低下する虞がある。
なお、上記洗剤組成物の概念には、家庭用洗剤の合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤等の特定の用途にのみ用いられる洗剤も含まれる。
上記洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、液体洗剤組成物に含まれる水分量は、通常、液体洗剤組成物の全量に対して0.1〜75質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜70質量%であり、さらに好ましくは0.5〜65質量%であり、さらにより好ましくは0.7〜60質量%であり、特に好ましくは1〜55質量%であり、最も好ましくは1.5〜50質量%である。
上記洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、当該洗剤組成物は、カオリン濁度が200mg/L以下であることが好ましく、より好ましくは150mg/L以下であり、さらに好ましくは120mg/L以下であり、特に好ましくは100mg/L以下であり、最も好ましくは50mg/L以下である。
また、本発明の重合体(組成物)を洗剤ビルダーとして液体洗剤組成物に添加する場合としない場合とでのカオリン濁度の変化(差)は、500mg/L以下であることが好ましく、より好ましくは400mg/L以下であり、さらに好ましくは300mg/L以下であり、特に好ましくは200mg/L以下であり、最も好ましくは100mg/L以下である。カオリン濁度の値としては、以下の手法により測定される値を採用するものとする。
厚さ10mmの50mm角セルに均一に攪拌した試料(液体洗剤)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色株式会社製NDH2000(商品名、濁度計)を用いて25℃でのTurbidity(カオリン濁度:mg/L)を測定する。
上記洗剤組成物に配合することができる酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等が好適である。中でも、アルカリ洗浄液中で活性が高いプロテアーゼ、アルカリリパーゼ及びアルカリセルラーゼが好ましい。
上記酵素の添加量は、洗剤組成物100質量%に対して5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、洗浄力の向上が見られなくなり、経済性が低下するおそれがある。
上記洗剤組成物は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンの濃度が高い硬水(例えば、100mg/L以上)の地域中で使用しても、塩の析出が少なく、優れた洗浄効果を有する。この効果は、洗剤組成物が、LASのようなアニオン界面活性剤を含む場合に特に顕著である。
また、本発明の2−メチレングルタル酸系共重合体の重量平均分子量、数平均分子量、再汚染防止能、未反応の単量体の定量、重合体組成物および重合体水溶液の固形分量は、下記の方法に従って測定した。
以下の装置を使用して、重量平均分子量および数平均分子量を測定する。
測定装置:株式会社日立製作所製
検出器:HITACHI RI Detector L−2490
カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL G3000PWXL 2本直列
カラム温度:35℃
流速:0.5mL/min
検量線:創和科学株式会社製 POLY SODIUM ACRYLATE STANDARD
溶離液:リン酸水素二ナトリウム12水和物/リン酸二水素ナトリウム2水和物(34.5g/46.2g)の混合物を純水にて5000gに希釈した溶液。
窒素雰囲気下、170℃に加熱したオーブンで重合体組成物(重合体組成物1.0g+水3.0g)を1時間放置して乾燥処理する。乾燥前後の質量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出する。
以下の測定条件にて、液体クロマトグラフィーを用いて測定する。
検出装置:株式会社日立製作所製 UV検出器 L−2400H(検出波長214nm)
カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL G3000PWXL 2本直列
温度:35℃
溶離液:リン酸水素二ナトリウム12水和物/リン酸二水素ナトリウム2水和物(34.5g/46.2g)の混合物を純水にて5000gに希釈した溶液
測定時間:60min/サンプル(溶出速度:0.5mL/min)
内ブタにピンホールを開けたポリビン250mLに、0.0703%モール塩水溶液を1mL、5%重合体水溶液を4mL、純水を80g、0.1%硫酸マグネシウム7水和物水溶液を10mL、48%水酸化ナトリウム水溶液を2g、35%過酸化水素水溶液を3mL、をこの順で投入し、試験液を調製する。
上記の試験液を50℃で2時間静置した後、酸化還元滴定により、溶液中の過酸化水素濃度(x(%))を測定する。得られた過酸化水素濃度と下記式より、過酸化水素安定化能を算出する。
過酸化水素安定化能(%)=x/1.05×100
(i)カルシウムイオン標準水溶液(検量線用水溶液)の調製
塩化カルシウム2水和物を用いて、Ca2+イオンが0.01mol/l、0.001mol/l、0.0001mol/lの水溶液を各々50mLずつ調製し、4.8%の水酸化ナトリウム水溶液でpH9〜11に調整した後、塩化カリウムの4mol/l水溶液を1mL加え、カルシウムイオン標準水溶液(検量線用水溶液)とする。
(ii)測定サンプルの水溶液の調製
固形分換算で10mgの重合体(pH7に調整)を100mLのビーカーに秤量し、塩化カルシウム2水和物を用いて調製した0.001mol/lのカルシウムイオン水溶液を50mL加え、スターラーで均一に攪拌した後、4.8%の水酸化ナトリウム水溶液でpH9〜11に調整し、塩化カリウムの4mol/l水溶液を1mL加え、測定サンプルの水溶液とする。
(iii)カルシウムイオン捕捉能の測定
オリオン社製イオンアナライザーEA920を用いて、オリオン社製カルシウムイオン電極93−20によりカルシウムイオン量を測定し、検量線及びサンプル(重合体)の測定値から、サンプルが捕捉したカルシウムイオン量を求める。重合体固形分1g当りの捕捉量を炭酸カルシウム換算のmg数で表わし、その値をカルシウムイオン捕捉能値とする。
耐ゲル化性能試験は、下記の手順に従って行った。
(i)グリシン緩衝液の調製
グリシン67.56gと塩化ナトリウム52.60gに純水を加えて600.0gとし、グリシン緩衝液を調製する。pHは、水酸化ナトリウムで10.0に調整する。
(ii)希釈グリシン緩衝液の調製
上記グリシン緩衝液54.0gに純水を加えて1kgとし、希釈グリシン緩衝液とする。
(iii)サンプル水溶液の調製
100mLビーカーに、上記希釈グリシン緩衝液80.0gと、固形分換算で1.0%の重合体水溶液2.50gを加え、サンプル水溶液とする。
(iv)硬水の調製
塩化カルシウム2水和物14.7gに純水を加えて100mLとし、硬水を調製する。
(v)耐ゲル化性能の算出
自動滴定装置にて、上記サンプル水溶液に、上記硬水を0.025mL/5秒の速度で断続的に滴下し、光度電極にて水溶液の濁度を測定し、水溶液に濁りが生じたときの滴定量を読み取る。得られた滴定量から、下記式より耐ゲル化性能を算出する。なお、耐ゲル化性能は、数値が高いほど良好である。
耐ゲル化性能=(滴定量(mL)×0.10)/(2.50×0.01)×100
還流冷却器、攪拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水194.0gと、2−メチレングルタル酸(以下、MGAと称す)15.0g(0.10mol)、を仕込み、攪拌下、90℃に昇温し、溶解させた。ここに80質量%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと称す)8.0g(0.09mol)、モール塩0.005g(総仕込み量に対する鉄(II)質量(ここで、総仕込み量とは、重合完結後の中和工程を含む、全ての投入物質量をいう。以下同様とする。)に換算すると3ppm)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下15%NaPSと略す)3.9gを加え、軽く攪拌したあと、90℃で1時間静置した。1時間後さらに過硫酸ナトリウム(NaPS)0.3g加え、さらに1時間90℃に維持して熟成を行い、重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、48%NaOHと称す)22.0gを攪拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして、最終中和度90mol%の重合体(重合体(1))を含む固形分濃度10.8質量%の重合体組成物(1)を得た。
残存MGA、残存AAは、重合体組成物(1)に対し、それぞれ100ppm以下であった。
重合処方を下記表1にまとめた。
実施例1において、表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして重合体を得た(それぞれ重合体(2)〜(6))。
重合体組成物(2)〜(6)において、残存MGA、残存AAは、重合体組成物に対し、それぞれ100ppm以下であった。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水41.0gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した(初期仕込み)。
次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に80%AA17.5g(0.19mol)、MGA6.0g(0.042mol)、純水24.0gの混合溶液と、5%NaPS14.2g、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA17.5g、MGA6.0g、純水の混合溶液を60分間、5%NaPSを65分間とした。なお、滴下開始はすべて同時とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液を放冷し、48%NaОH15.5g(すなわち0.19mol)を攪拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして、最終中和度が67mol%の共重合体(重合体(7))を含む、固形分濃度が19質量%の重合体組成物(7)を得た。重合処方を下記表2にまとめた。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水29.0gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した(初期仕込み)。
次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液(以下、37%SAと称す)49.4g(0.19mol)、MGA6.0g(0.042mol)、48%NaОH4.6g(0.06mol)、純水3.5gの混合溶液と、5%NaPS14.2g、をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA17.5g、MGA6.0g、48%NaОH、および純水、の混合溶液を60分間、5%NaPSを65分間とした。なお、滴下開始はすべて同時とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。このようにして、最終中和度が90mol%の共重合体(重合体(8))を含む、固形分濃度が19質量%の重合体組成物(8)を得た。重合処方を下記表3にまとめた。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水41.0gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した(初期仕込み)。
次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に80%AA17.5g(0.19mol)、MGA6.0g(0.042mol)、純水39.5gの混合溶液と、5%NaPS9.4g、5質量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、5%SBSと称す)19.4gをそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA、MGA、5%SBS、純水の混合溶液を60分間、5%NaPSを65分間とした。なお、滴下開始はすべて同時とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液を放冷し、48%NaOH20.8g(すなわち0.25mol)を攪拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして、最終中和度が90mol%の共重合体(重合体(9))を含む、固形分濃度が14質量%の重合体組成物(9)を得た。重合処方を下記表4にまとめた。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水272.1gと、MGA30.0g(0.20mol)、を仕込み、攪拌下、90℃に昇温し、溶解させた。ここに、モール塩0.006g(総仕込み量に対する鉄(II)質量に換算すると3ppm)、15%NaPS4.2gを加え、軽く攪拌したあと、90℃で1時間静置した。1時間後さらにNaPS0.3g加え、さらに1時間90℃に維持して熟成を行い、重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOHを31.0g、攪拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして最終中和度90mol%の共重合体(比較重合体(1))を含む、固形分濃度29.4質量%の比較重合体組成物(1)を得た。重合処方を下記表5にまとめた。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水338.7gと、MGA30.0g(0.20mol)、を仕込み、攪拌下、90℃に昇温し、溶解させた。ここに、80%AA9.4g(0.10mol)、モール塩0.008g(総仕込み量に対する鉄(II)質量に換算すると3ppm)、15%NaPS6.3gを加え、軽く攪拌したあと、90℃で1時間静置した。1時間後さらにNaPS0.5g加え、さらに1時間90℃に維持して熟成を行い、重合を完結しせしめた。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOHを39.0g、攪拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして最終中和度90mol%の共重合体(比較重合体(2))を含む、固形分濃度14.5質量%の比較重合体組成物(2)を得た。重合処方を下記表5にまとめた。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに純水1112.0g、無水マレイン酸294.0gを仕込み、さらに48%の水酸化ナトリウム水溶液250.0gを添加した。その後攪拌下、沸点まで昇温した。
次いで撹拌下、80%のアクリル酸水溶液を630.0g、15%の過硫酸ナトリウム水溶液を400.0g、及びイオン交換水を44.0g、をそれぞれ別々の滴下ノズルより、80%アクリル酸水溶液は180分間、その他は190分間に渡って滴下した。
滴下終了後、さらに20分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持して重合を完結せしめた。重合完結後、反応溶液を放冷し、48%の水酸化ナトリウム水溶液725.0gを徐々に添加し中和した。このようにして、最終中和度90%のアクリル酸−マレイン酸共重合体(比較重合体(3))を得た。
得られた重合体(1)〜(9)、および比較重合体(1)〜(3)を用いて、それぞれの分子量、H2O2安定化能、カルシウムイオン捕捉能(捕捉能と略す)および耐ゲル化性能を測定した結果を下記表6に示す。
なお、表中のMAはマレイン酸を表す。
従って、本発明の重合体を例えば繊維処理剤に配合した場合、優れた漂白処理が可能となる。すなわち、カルシウムスケールの沈着を抑制することにより、繊維の吸湿性と手触り感が悪化するのを抑制しつつ、繊維の白色度を向上することが可能となる。
Claims (3)
- 2−メチレングルタル酸(塩)由来の構造単位を全単量体由来の構造単位100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含み、
不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位を全単量体由来の構造単位100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含み、
前記不飽和カルボン酸系単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、
2−メチレングルタル酸系共重合体。 - 2−メチレングルタル酸(塩)を全単量体組成100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含み、
不飽和カルボン酸系単量体を全単量体組成100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含んで重合して得られ、
前記不飽和カルボン酸系単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、
2−メチレングルタル酸系共重合体。 - 2−メチレングルタル酸(塩)を全単量体組成100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含み、
不飽和カルボン酸系単量体を全単量体組成100質量%に対し、30〜70質量%(酸型換算)の割合で含んで重合し、
前記不飽和カルボン酸系単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、
2−メチレングルタル酸系共重合体の製造方法。
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