JPH11322849A - N−ビニルカルボン酸アミド系重合体及びその製造方法 - Google Patents

N−ビニルカルボン酸アミド系重合体及びその製造方法

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JPH11322849A
JPH11322849A JP10136933A JP13693398A JPH11322849A JP H11322849 A JPH11322849 A JP H11322849A JP 10136933 A JP10136933 A JP 10136933A JP 13693398 A JP13693398 A JP 13693398A JP H11322849 A JPH11322849 A JP H11322849A
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acid amide
polymer
vinylcarboxylic acid
polymerization
molecular weight
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JP10136933A
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English (en)
Inventor
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
Tetsuyoshi Fujita
哲良 藤田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は上記の事情に鑑み、電解質溶液でも
増粘性能が高く、化学的に安定で、さらにアルコール等
の極性溶媒に対しても親和性のある、特定の分子量を有
するN−ビニルカルボン酸アミド重合体またはその共重
合体の製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 ラジカル重合開始剤を用いる活性ラジカ
ル化合物種/モノマーのモル濃度比を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な水溶性重合
体の製造方法に関する。更に詳しくは、化学的安定性に
優れ、特に電解質溶液に影響を受けること無く増粘性を
示し、不溶性成分の分散・懸濁・エマルジョンの安定化
に寄与し、またアルコール等極性溶媒に対しても親和性
のある水溶性重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水溶性の増粘剤、分散剤とし
てポリカルボン酸をはじめとする高分子電解質が使用さ
れてきた。この高分子電解質は、電解質をほとんど含ま
ない水に対しては優れた増粘性能や分散性能を示すもの
の、天然抽出物、界面活性剤、香料、着色料、捺染用反
応性染料、セメント等の鉱物系不溶体のスラリー等の電
解質を多量に含む水性液体に対しては著しく低い増粘性
しか示さないという欠点がある。この様な現象は電解質
の存在下では主鎖の高分子電解質の解離が抑えられるた
め鎖の広がりが小さくなった結果であると考えられてい
る。更に多価金属イオンが存在する場合は更に主鎖カル
ボン酸を介してイオン架橋が起こり実質的に架橋重合体
となることが増粘性能の低下の一因となる。このような
欠点を解決するために、電解質の影響を実質的に受けな
い非イオン系の増粘剤・分散剤が求められている。この
非イオン系増粘剤の代表的なものとしてポリアクリルア
ミドやポリビニルアルコールがあるが、ポリアクリルア
ミドは残留モノマーに強い毒性があり、かつ、容易に加
水分解されて性能が低下するといった問題があるし、ポ
リビニルアルコールは腐敗しやすく、かつ、その水溶液
が低温でゲル化しやすいなど使用上の問題がある。
【0003】これらの欠点を克服した非イオン系の増粘
剤として、ポリN−ビニルカルボン酸アミド系の増粘剤
が近年開発されつつある。その製造方法としては、例え
ば特公平5−56763号公報に記載されているような
ラジカル重合開始剤を用いた炭化水素溶媒中での逆相懸
濁重合法があり、該公報には1.3〜5×l06 の平均
分子量を有するホモポリマーが得られたと記載されてい
る。その他の製造方法として、カチオン重合によリ60
0〜2500の低分子量のN−ビニルカルボン酸アミド
オリゴマーを得る方法(特開平6−157670号公
報)、還元粘度0.001〜0.04dl/g(分子量
に換算すると約200〜2000)のN−ビニルホルム
アミドオリゴマーをカチオン重合法により得る方法(特
開平6−228232号公報)などがある。また、この
様にして得られるオリゴマーは、その分子量に応じて水
処理、三次油採取、および製紙の分野、塗料、インキ、
接着剤、樹脂の改質剤等の分野で用いられるとしてい
る。
【0004】また、分子量が中程度のN−ビニルアミド
重合体の製造例としては、例えば、ラジカル重合開始剤
存在下でN−ビニルホルムアミドを重合し、還元粘度が
約0.04dl/gより大きいN−ビニルホルムアミド
を得る方法(特開昭58−23809号公報)、メタノ
ールなどの重合溶媒を用いてN−ビニルアセトアミドを
ラジカル重合し、分子量4000〜85万のN−ビニル
アセトアミド重合体を得る方法(米国特許第40188
26号)などが開示されている.しかしながらこれらの
製造例では、得られる重合体がある幅広い分子量範囲内
にあると記載されているだけであり、例えば分子量数千
から数万の重合体を製造するためにはどの様な重合処方
としたらよいかについては記載がない。さらに、特開平
6−228232号公報には、N−ビニルホルムアミド
が溶解し、かつ、オリゴマーは溶解しない(析出する)
有機溶媒中でプロトン酸の存在下カチオン重合する沈澱
重合法が開示されているが、この重合法の重合開始剤は
プロトン酸であり、ラジカル重合開始剤を用いたもので
はない。
【0005】
【発明を解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑み、電解質溶液でも増粘性能が高く、化学的に安定
で、さらにアルコール等の極性溶媒に対しても親和性の
ある、特定の分子量を有する水溶性重合体、および該重
合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の分
子量範囲のN−ビニルカルボン酸アミド系重合体が様々
な用途に有用であり、また、ラジカル化合物種/モノマ
ーの特定の濃度条件でN−ビニルカルボン酸アミドを、
または N−ビニルカルボン酸アミドを主成分にそれと
共重合することができるエチレン性不飽和化合物とを、
モノマーとしてラジカル重合することにより該重合体が
効率よく得られることを見出し本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、次の事項を含む。 (1)次の一般式(1) CH2 =CHNR1 COR2 (1) (式中、R1 およびR2 はそれぞれ同一または相異なっ
ていてもよく、水素原子またはC1 〜C4 のアルキル基
を表わす。)で示されるN−ビニルカルボン酸アミド
を、あるいは該N−ビニルカルボン酸アミドを主成分と
しそれと共重合することができるエチレン性不飽和化合
物とを重合し重量平均分子量3000〜100000の
N−ビニルカルボン酸アミド系重合体を製造する方法に
おいて、ラジカル重合開始剤を用いた均一系重合方法で
あり、かつ系内に発生する活性ラジカル化合物種/モノ
マーのモル濃度比が重合反応時間中に毎分1万分の1〜
1万分の500である条件で重合させることを特徴とす
るN−ビニルカルボン酸アミド系重合体の製造方法。 (2)N−ビニルカルボン酸アミドがN−ビニルアセト
アミドである前記(1)に記載のN−ビニルカルボン酸
アミド系重合体の製造方法。 (3)前記(1)または(2)に記載の製造方法により
製造することができるN−ビニルカルボン酸アミド系重
合体を有効成分とすることを特徴とする増粘剤。 (4)前記(1)または(2)に記載の製造方法により
製造することができるN−ビニルカルボン酸アミド系重
合体を有効成分とすることを特徴とする分散剤。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明を説明す
る。本発明の製造方法で製造できるN−ビニルカルボン
酸アミド系重合体は主に上記一般式(1)で表される化
合物から導かれる構造単位からあるいはそれを主たる構
成単位として構成されており、モノマーとなるN−ビニ
ルカルボン酸アミドとしてはN−ビニルホルムアミド、
N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルホル
ムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミドが挙げ
られるが、N−ビニルホルムアミドやN−メチル−N−
ビニルホルムアミドは比較的容易に加水分解されてしま
い増粘剤として安定的に使用できないので、N−ビニル
アセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミドを
使用することが好ましく、N−ビニルアセトアミドが特
に好ましい。N−ビニルカルボン酸アミドは1種または
2種以上で使用することができる。N−ビニルカルボン
酸アミドのみをモノマーとして使用してもよいが、N−
ビニルカルボン酸アミドが主成分であり、その重合体が
実質的にN−ビニルカルボン酸アミド重合体の性質を有
する範囲に限り、モノマーにN−ビニルカルボン酸アミ
ド以外のエチレン性不飽和モノマーを共重合しても良
い。
【0009】共重合可能なモノマーとしては、(メタ)
アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ビニル
ピロリドン、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オク
チルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、(メタ)
アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、2−アクリルア
ミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、2−アクリル
アミドエタンスルホン酸、2−メタクリルアミドエタン
スルホン酸、3−メタクリルアミドプロパンスルホン
酸、アクリル酸メチルスルホン酸、メタクリル酸メチル
スルホン酸、アクリル酸−2−エチルスルホン酸、メタ
クリル酸−2−エチルスルホン酸、アクリル酸−3−プ
ロピルスルホン酸、メタクリル酸−3−プロピルスルホ
ン酸、アクリル酸−2−メチル−3−プロピルスルホン
酸、メタクリル酸−2−メチル−3−プロピルスルホン
酸、アクリル酸−1,1’−ジメチル−2−エチルスル
ホン酸、メタクリル酸−1,1’−ジメチル−2−エチ
ルスルホン酸またはこれらの塩、、メチルビニルケト
ン、エチルビニルケトン、メチルビニルエーテル、エチ
ルビニルエーテル等が挙げられる。
【0010】本発明のN−ビニルカルボン酸アミド重含
体を製造するには、ラジカル重合開始剤を用いた均一系
溶液重合方法であり、かつ系内に単位時間あたりに発生
する活性ラジカル化合物種/モノマーのモル濃度比が、
1分毎平均値で重合反応時間中に1/10000から5
00/10000となる条件を、さらに好ましくは、2
/10000〜300/10000となる条件を保って
製造する。1/10000以下では、分子量が10万以
上の重合体が生成し、500/10000以上では、ラ
ジカルが急激に発生し、生成物中の残留モノマーが多く
なり好ましくない。一般的に重合反応系において、開始
剤が熱や光等のエネルギーにより開裂し生成した活性ラ
ジカル化合物種がモノマーと反応し重合反応を開始す
る。この時の活性ラジカル化合物種/モノマー濃度比が
生成するポリマーの分子量に影響する。開始剤の開裂に
よる活性ラジカル化合物種の生成は、一般にその化合物
に固有の開裂速度による。例えば、熱開裂型の開始剤を
重合に用いた場合、重合温度に依存して特定の速度で経
時的に活性ラジカル化合物種を生成する。本発明で述べ
ている活性ラジカル化合物種/モノマー濃度比は、使用
している開始剤に固有のラジカル発生量の半減期から求
められるラジカルモル数と、仕込みモノマーのモル数と
の比として求める理論値をいう。したがって、重合温度
や重合系中の開始剤濃度とモノマー濃度、すなわち開始
剤/モノマーの供給方法(滴下する方法なのか一括に最
初に仕込む方法なのか)、使用している溶媒の種類等の
組み合わせにより決定される。一般的に、重合系内にお
いては開始剤の開裂速度よりモノマーの消費速度が速
く、活性ラジカル化合物種/モノマー濃度比は、重合初
期に最も低くなる。そのため本発明の目的とする分子量
3000〜100000の重合体の製造は、活性ラジカ
ル化合物種/モノマー濃度比を重合反応系内で特定の濃
度以上に保って重合することにより達成される。例え
ば、モノマーと開始剤を滴下する場合は、反応中各時間
でのモノマー濃度とラジカル濃度は一定と考えられる。
また、一括にモノマーを仕込んだ場合には、モノマーの
消費速度よりラジカルの生成が遅い条件を選ぶため、反
応開始時の開始剤の活性ラジカル化合物種/モノマー濃
度比が最小となる。
【0011】N−ビニルカルボン酸アミドを重合する溶
媒は、重合に供与するモノマー、その重合体及び開始剤
が溶解する溶媒であれば特に限定されない。この際使用
できる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド等が使用可能である。また、これらの有機
溶媒は必要に応じて混合して使用することも可能であ
る。重合する際のモノマーと溶媒比率に特に制限はない
が、モノマーおよびポリマーの溶媒に対する溶解度によ
り、概ね最終重合体の固形分濃度として5〜80重量%
の範囲であり、好ましくは20〜60重量%である。
【0012】ラジカル重合開始剤としては重合溶媒に溶
解するものであればいかなる化合物でもよく、一例を挙
げればアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾピ
ス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブロピオニ
トリル)、2,2’−アゾピス(2−メチルブチロニト
リル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カ
ルボニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メ
チルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチ
ルプロピオナミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス
(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)2塩
酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリーブチル
ハイドロパーオキサイド、ジ(2−エチルヘキシルパ−
オキシジカーボネート)、ジチオカーボネートの様なも
のがある。重合開始剤の添加量は、N−ビニルアミドに
対して0.01〜10重量%、好ましくは、0.05〜
5重量%である.さらに、目的とする適度な粘度のもの
を得るために、メルカプトエタノール、チオグリセリ
ン、ブチルメルカプタン、ドテカンチオール、ブロモト
リクロロメタン、イソプロパノール、チオグリコール酸
及びその塩、2−エチルヘキシルチオグリコレート等の
連鎖移勤剤を添加することもできる。連鎖移動剤の添加
量としては、N−ビニルアミドに対して25重量%以
下、好ましくは、0.1〜20重量%であり、25重量
%以上添加してもそれ以上の連鎖移動効果は得られにく
い。また、重合温度としては、30℃以上から使用する
溶媒の沸点の範囲で適宜選択される。重合温度が低すぎ
ると重合終了までに長時間を有し、また、重合体の収率
の低下の原因となることがあるため好ましくなく、好ま
しくは40℃以上、特に好ましくは溶媒の沸点付近の温
度である。また、必要に応じて溶媒中の溶存酸素を脱気
してから重合を行うこともできるし、溶媒の沸点付近で
重合を行う場合には特に脱気せず重合を行うこともでき
る。
【0013】以上の本発明で得られるN−ビニルカルボ
ン酸アミド重合体は、一般に用いられる方法によりその
分子量を測定することができる。例えば適当な標準物質
により検定されたゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー法や、光散乱法などがあげられるが特に限定される
ものではない。その重量平均分子量の範囲は3000〜
100000の範囲であることが好ましい。さらに好ま
しくは、3500〜90000の範囲である。重量平均
分子量3000以下では増粘性が劣ると共に、化学的安
定性にも劣り、重量平均分子量100000以上では凝
集効果が顕著となり分散性能に劣るため好ましいとはい
えない。
【0014】本発明の製造方法で製造することができる
N−ビニルカルボン酸アミド系重合体は、ポリカルボン
酸等、従来の高分子電解質系の重合体に比ベ、化学的安
定性に優れ、特に電解質溶液の影響を受けること無く増
粘する性能を示し、またアルコール等極性溶媒に対して
も親和性がある。これはポリマー鎖に非イオン性である
一般式(1)で示される化合物から導かれる構成単位か
らなるため、あるいは該構成単位を主成分として含むた
めに従来の高分子電解質であるポリカルボン酸系のもの
と異なり、無機塩等の電解質やpHの影響で重合体主鎖
の広がりが妨げられることが無く、更に多価金属イオン
が存在する場合にカルボン酸を介してイオン架橋が起こ
り、見かけ上架橋した重合体となるために増粘性能の低
下を示すようなこともないためである。また、本発明の
製造方法で得られるN−ビニルカルボン酸アミド系重合
体はポリカルボン酸の様に光や熱により容易に分解する
ことも無く化学的安定性が高いため、水溶液での増粘性
能が長期間に渡って保たれる。本発明に係るN−ビニル
カルボン酸アミド重合体は、塩化ナトリウム、塩化カル
シウム等を加えても粘度の低下が起こらないため無機塩
等を含む各種水溶液に対しても効果が発揮され、また、
ある種の有機溶媒にも溶解する。さらに、化学的安定性
に優れる。
【0015】該重合体は増粘効果、分散効果等の機能を
利用した様々な用途に使用でき、その具体例を列挙すれ
ば次の通りである。 (1)工業用分散剤 例えば、無機・有機の各種粉末の分散剤として、更に詳
しくは、シリカやアルミナやチタニアや炭酸カルシウム
などの無機粉末、タルクやカオリン等の鉱物系粉末、カ
ーボンブラックや各種顔料粉末、ウレタンやアクリルや
ポリエチレン等の樹脂粉末、ステアリン酸塩等の有機粉
末などの、水や各種の極性溶媒に対する分散剤。 (2)塗料・インキ等用増粘・分散剤 例えば、塗料やインキの添料分散剤、粘度やレベリング
調整剤、濡れ性改良剤等。 (3)水や油の処理・採取剤 (4)化粧品 例えばシヤンプーやリンスやローションのような化粧品
の乳化安定剤、潤滑剤、乳化型化粧料(乳化剤として使
用)、皮膜型パック剤、セット剤など。
【0016】(5)トイレタリー製品 例えば液体洗剤(衣料用、台所用、トイレ・タイル
用)、歯磨き、クレンザー、柔軟仕上げ剤向け増粘剤、
工業用洗浄剤向け増粘剤など。 (6)粘着剤及びその助剤 (7)メディカル分野 例えば薬剤保持・徐放(例えば錠剤(徐放性薬剤)、腸
溶性薬剤、パツプ剤用の基材、外用軟膏剤、薬剤放出制
御製剤、胃内浮遊徐放性製剤、粘膜投与製剤、外皮用組
成物(医療用フィルム)、創傷被覆保護材、口腔(歯科
用材料、日腔用吸収剤、歯問清掃具)、消毒用オートク
レーブで加熱され反復使用される尿道カテーテル・浣腸
器などの医療器具用潤滑剤、診断薬の粘度調整剤、 (8)その他 例えば製紙用処理剤、芳香消臭剤、乾燥剤、発酵助剤、
パッキン用材料、古壁等の剥離剤、玩具、汗取り装身
具、超音波探傷用接触媒質、超音波探触子、電池・セン
サー等の電解質支持体などの増粘剤。以上のように、広
い分野に好適に使用することができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて、本発明を
さらに詳細に説明するが、勿論これらに限定されるもの
ではない。 実施例1 N−ビニルアセトアミド240gを純水160gに溶解
し、連鎖移動剤としてチオグリコール酸を1.2g添加
した後、水酸化ナトリウム水溶液でpH9〜10の範囲
に中和し、モノマー原液を調製した。更にアゾビス系ラ
ジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチ
ルプロピオナミジン)2塩酸塩(和光純薬製V−50、
分子量271、開裂により2モル当量のラジカル種を発
生する)を4.8g溶解し開始剤溶液とした。上記重合
原液が不用意に重合しないように10℃以下に保管し
た。冷却管、温度計、撹拌装置及び滴下装置付きの1リ
ットルフラスコに水200gを入れ、窒素気流下にて、
約100℃で加熱還流させた。ここに上記により調製し
たモノマー原液と開始剤溶液を同時に約1時間かけてゆ
っくり滴下し、N−ビニルアセトアミドの重合を行っ
た。V−50の100℃における半減期は5分以下であ
り、重合反応系内の1分間あたりを平均した活性ラジカ
ル化合物種/モノマーのモル濃度比は、16.1/10
000〜19.8/10000であった。滴下終了後、
4時間加熱環流し重合反応を終了した。製造したポリN
−ビニルアセトアミドポリマーの光散乱法による重量平
均分子量は37000であった。
【0018】実施例2 N−ビニルアセトアミド75g、メタクリル酸(2−ヒ
ドロキシエチル)52.5g、メタクリル酸ブチル15
g、アクリル酸7.5gをエタノール450gに溶解
し、冷却管、温度計、撹拌装置及び滴下装置付きの1リ
ットルフラスコに入れ、窒素気流下にて、約80℃で加
熱還流させた。ここにアゾビス系ラジカル重合開始剤と
してジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオ
ネート)(和光純薬製V−601、分子量230、開裂
により2モル当量のラジカル種を発生する)1.05g
を一括添加し、重合させた。V−601の80℃におけ
る半減期は約80分であり、重合反応系内の活性ラジカ
ル化合物種/モノマーのモル濃度比は、単位時間あたり
2.4/10000〜3.1/10000であった。開
始剤添加後、6時間リフラックスし重合反応を終了し
た。製造したポリN−ビニルアセトアミド共重合体の光
散乱法による重量平均分子量は60000であった。
【0019】実施例3 N−ビニルアセトアミド180gを純水220gに溶解
し、水酸化ナトリウム水溶液でpH9〜10の範囲に中
和し、モノマー原液を調製した。更にアゾビス系ラジカ
ル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプ
ロピオナミジン)2塩酸塩(和光純薬製V−50、分子
量271、開裂により2モル当量のラジカル種を発生す
る)を2.8g溶解し開始剤溶液とした。上記重合原液
が不用意に重合しないように10℃以下に保管した。冷
却管、温度計、撹拌装置及び滴下装置付きの1リットル
フラスコに水200gを入れ、窒素気流下にて、約10
0℃で加熱還流させた。ここに上記により調製したモノ
マー原液と開始剤溶液を同時に約1時間かけてゆっくり
滴下し、N−ビニルアセトアミドの重合を行った。V−
50の100℃における半減期は5分以下であり、重合
反応系内の1分間あたりを平均した活性ラジカル化合物
種/モノマーのモル濃度比は、13.6/10000〜
14.8/10000であった。滴下終了後、4時間加
熱環流し重合反応を終了した。製造したポリN−ビニル
アセトアミドポリマーの光散乱法による絶対平均量は8
5000であった。
【0020】実施例4 以下の配合により液体クレンザーを製造した。 配合A 配合B (重量部) (重量部) 二酸化ケイ素(粒径2〜100μm) 7 − ベントナイト(粒径2〜150μm) − 10 実施例1のポリマー(60%水溶液) 8 8 ヘキサオキシエチレン ラウリルエーテル(HLB12) 3 3 エタノール 3 3 水 82 79 トリエタノールアミン 適量(pH7に調整) 配合物の粘度(mPa・s) 200 340 BM型粘度計(20℃ 30rpm)
【0021】本発明で得られたポリマーを使用した液体
クレンザーは、室温で長時間保存しても分離せず安定で
あり、特に系の凍結/再溶融を長期間にわたり繰り返し
てもその溶融系は良好な安定性を示す。しかも、分散が
良好なため少量で幅広い面を研磨することができ、さら
に粘度が低いため振り出し吐き出しやすい。
【0022】実施例5 以下の配合により液体シャンプーを製造した。 配合A 配合B (重量部) (重量部) ラウリル硫酸トリエタノールアミン 20 18 ラウリン酸ジエタノールアミド 3 − ラウリン酸モノエタノールアミド − 2 プロピレングリコール 10 − 実施例2のポリマー 4 4 (25%エタノール溶液) トリエタノールアミン 2 5 オキシ塩化ビスマス(顔料) 1 − ジンクピリチオン(殺菌剤) − 1 香料 適量 適量 色素 適量 適量 水 60 70 配合物の粘度(mPa・s) 450 500 BM型粘度計(20℃ 30rpm)
【0023】本発明で得られたポリマーを使用した液体
シャンプーは、50℃室温の各温度で3ヶ月間後も、オ
キシ塩化ビスマスまたはジンクピリチオンの沈降は起こ
らず、良好な分散安定性を示す。特に系の凍結/再溶融
を長期間にわたり繰り返してもその溶融系は良好な安定
性を示す。
【0024】実施例6 以下の配合により液体洗浄剤を製造した。 配合A 配合B (重量部) (重量部) ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 7 − ナノオキシエチレンラウリルエーテル 3 3 メタケイ酸ソーダ − 10 苛性ソーダ − 1 実施例3のポリマー(30%水溶液) 17 18 次亜塩素酸ソーダ 2 2 水 71 67 配合物の粘度(mPa・s) 350 420 BM型粘度計(20℃ 30rpm)
【0025】本発明で得られたポリマーを使用した液体
洗浄剤は、長期間(35℃、60日間)保存しても粘度
が変化せず分離も起こらず良好な安定性を示す。しかも
垂直に立てたポリプロピレン板に付着させその滞留性を
調べると、流れ落ちずに良好な垂直面滞留性を示した。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、ラジカル重合開始剤を
用いる活性ラジカル化合物種/モノマーのモル濃度比を
制御することにより、重量平均分子量が3000〜10
0000のN−ビニルカルボン酸アミド重合体またはそ
の共重合体が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) CH2 =CHNR1 COR2 (1) (式中、R1 およびR2 はそれぞれ同一または相異なっ
    ていてもよく、水素原子またはC1 〜C4 のアルキル基
    を表わす。)で示されるN−ビニルカルボン酸アミド
    を、あるいは該N−ビニルカルボン酸アミドを主成分と
    しそれと共重合することができるエチレン性不飽和化合
    物とを重合し重量平均分子量3000〜100000の
    N−ビニルカルボン酸アミド系重合体を製造する方法に
    おいて、ラジカル重合開始剤を用いた均一系重合方法で
    あり、かつ系内に発生する活性ラジカル化合物種/モノ
    マーのモル濃度比が重合反応時間中に毎分1万分の1〜
    1万分の500である条件で重合させることを特徴とす
    るN−ビニルカルボン酸アミド系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 N−ビニルカルボン酸アミドがN−ビニ
    ルアセトアミドである請求項1に記載のN−ビニルカル
    ボン酸アミド系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の製造方法によ
    り製造することができるN−ビニルカルボン酸アミド系
    重合体を有効成分とすることを特徴とする増粘剤。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の製造方法によ
    り製造することができるN−ビニルカルボン酸アミド系
    重合体を有効成分とすることを特徴とする分散剤。
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