JP2001106795A - N−(ポリアリル)アンモニウム塩系の架橋剤 - Google Patents

N−(ポリアリル)アンモニウム塩系の架橋剤

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JP2001106795A
JP2001106795A JP28788899A JP28788899A JP2001106795A JP 2001106795 A JP2001106795 A JP 2001106795A JP 28788899 A JP28788899 A JP 28788899A JP 28788899 A JP28788899 A JP 28788899A JP 2001106795 A JP2001106795 A JP 2001106795A
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Japan
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polyallyl
crosslinking agent
ammonium salt
group
triallyl
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Shinichiro Nakamura
振一郎 中村
Yasumi Shimizu
保美 清水
Toru Matsutomi
徹 松富
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Osaka Soda Co Ltd
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Daiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用的レベルで要求される吸水能力を持つ高
吸水性ポリマーを製造するための、モノマーの水溶液
(例えば、アクリル酸塩水溶液)に対して溶解性があ
り、従来技術における欠点のない新規なアリル系架橋剤
を提供する。 【解決手段】 炭素−炭素二重結合を有する重合性化合
物又はその塩からなる高吸水性ポリマーの製造に使用さ
れる、窒素原子に結合したアリル基を2個以上有するN-
(ポリアリル)アンモニウム塩から成る架橋剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素−炭素二重結
合を有する重合性化合物又はその塩からなる高吸水性ポ
リマーの製造に使用される架橋剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】重合性二重結合(例えば、炭素−炭素二
重結合)を有する重合性化合物又はその塩からなる高吸
水性ポリマーは、その主成分がアクリル酸塩ポリマーの
場合が主流であり、主に水溶液重合法にて製造されてい
る。高吸水性ポリマーを架橋する架橋剤として、アクリ
ル酸エステル類、アクリル酸アミド類、アリルエ−テル
類等の反応性二重結合を有する種々の物質の使用が提案
されている。中でも、アリル系化合物を架橋剤として用
いると特に吸水能力に優れるポリマーが得られることが
報告されている。また、有機溶媒中に懸濁させた水にモ
ノマー及び架橋剤を溶解させて重合する方法である逆相
懸濁重合法も工業的に実施されており、この逆相懸濁重
合法も水系媒体中での重合とみなすことができる。
【0003】例えば、J.Polym.Sci.A:Polym.Chem.35,7
99(1997)には、ポリエチレングリコ−ルジアリルエ−テ
ルを架橋剤に用いるとアクリル系架橋剤を用いたときに
比べ吸水能力に優れるポリマーが得られることが報告さ
れている。しかしながら、架橋剤としての性能は十分で
はない。アクリル酸を重合して得られたポリマーを中和
する方法が知られている。この方法が使用されている特
開平3-174414号公報には、具体的なアリル化合物として
テトラアリロキシエタンの使用が開示されている。しか
し、この化合物は耐熱性の不足、モノマー水溶液への溶
解性の不足、耐加水分解性の不足等の欠点があり、より
高性能の架橋剤の開発が望まれている。
【0004】さらに特開平4-246403号公報には、トリア
リルアミン、トリアリルシアヌレ−ト、トリアリルイソ
シアヌレ−ト、トリアリルホスフェ−トの使用が開示さ
れている。しかしこれらの架橋剤は押し並べて、耐熱性
の不足、重合反応への悪影響、モノマー水溶液への溶解
性の不足、耐加水分解性の不足等の欠点がありいずれも
実用的なものではない。
【0005】一般に、水溶液重合法は、アクリル酸モノ
マー水溶液を水酸化ナトリウム水溶液等で75%程度中和
し、架橋剤を混合し、重合開始剤で重合させ、生成した
固体を適度の大きさに裁断し乾燥させる方法がとられて
いる(以下、「中和後重合法」と言う)。また架橋剤が
中和後の水溶液に難溶性の場合はアクリル酸水溶液に架
橋剤を溶解し、重合させて生成した固体を裁断しながら
中和する方法(以下中和前重合法と言う)がとられてい
るが、この方法では溶液状態で中和する場合と比較して
生産効率および生成物の中和度均一性の面で不利となっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、実用
的レベルで要求される吸水能力を持つ高吸水性ポリマー
を製造するための、モノマーの水溶液(例えば、アクリ
ル酸塩水溶液)に対して溶解性があり、従来技術におけ
る欠点のない新規なアリル系架橋剤を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
達成するためにアリル化合物として分子内に2個以上の
アリル基を有するN-(ポリアリル)アンモニウム塩が前
記した中和前重合法はもちろん中和後重合法にも工業的
に有用であることを見いだし本発明を完成するに至っ
た。
【0008】本発明は、炭素−炭素二重結合を有する重
合性化合物又はその塩からなる高吸水性ポリマーの製造
に使用される、窒素原子に結合したアリル基を2個以上
有するN-(ポリアリル)アンモニウム塩から成る架橋剤を
提供する。
【0009】本発明においては、N-(ポリアリル)アン
モニウム塩を、高吸水性ポリマー製造用の架橋剤として
使用する。N-(ポリアリル)アンモニウム塩の分子は、
2個以上のアリル基を有する。アリル基の数は、2以
上、例えば3以上、例示すれば、3〜8である。
【0010】本発明において、N-(ポリアリル)アンモニ
ウム塩は以下の化学式のものであってよい。 Zn+・nX- [式中、Zは、少なくとも2つのアリル基およびn個の
窒素原子を有する基、Xは、陰イオンを形成できる原子
または基、nは2以上の数である。] Xは安定な陰イオンを形成する原子または基であれば特
に限定されない。X-は、例えば、F-、 Cl-、 Br-
I-、 1/2(SO4 2-)、 HSO4-、 1/2(CO3 2-)、 HCO3 -、 NO3
-などが挙げられる。好ましくはCl-、 Br-が挙げられ、
更に好ましくはCl-が挙げられる。
【0011】本発明の好ましい1つの実施形態におい
て、N-(ポリアリル)アンモニウム塩は、一般式: AnN+(R11)4-n・X- [式中、Aはアリル基、R11は水素原子、または置換さ
れていてもよい炭素数1から20、特に1から10まで
の炭化水素基、nは2、3または4、Xは陰イオンを形
成できる原子または基である。]で示される。
【0012】R11は水素又は芳香族で置換されていても
よい炭素数1から10までの直鎖又は分枝のあるアルキル
基またはフェニル基であってよい。
【0013】アリル基の数が3である架橋剤としては、
11が直鎖のものの例としてN,N,N-トリアリル-N-メ
チルアンモニウムフルオライド、N,N,N-トリアリル-N
-メチルアンモニウムクロライド、N,N,N-トリアリル-
N-メチルアンモニウムブロマイド、N,N,N-トリアリル
-N-メチルアンモニウムアイオダイド、N,N,N-トリア
リル-N-エチルアンモニウムフルオライド、N,N,N-ト
リアリル-N-エチルアンモニウムクロライド、N,N,N-
トリアリル-N-エチルアンモニウムブロマイド、N,N,N
-トリアリル-N-エチルアンモニウムアイオダイド、N,
N,N-トリアリル-N-ノルマルプロピルアンモニウムフル
オライド、N,N,N-トリアリル-N-ノルマルプロピルア
ンモニウムクロライド、N,N,N-トリアリル-N-ノルマ
ルプロピルアンモニウムブロマイド、N,N,N-トリアリ
ル-N-ノルマルプロピルアンモニウムアイオダイド等が
挙げられる。
【0014】R11が分枝のあるものとしてN,N,N-トリ
アリル-N-イソプロピルアンモニウムフルオライド、N,
N,N-トリアリル-N-イソプロピルアンモニウムクロライ
ド、N,N,N-トリアリル-N-イソプロピルアンモニウム
ブロマイド、N,N,N-トリアリル-N-イソプロピルアン
モニウムアイオダイド等が挙げられる。R11がフェニル
基の場合、N,N,N-トリアリル-N-フェニルアンモニウ
ムフルオライド、N,N,N-トリアリル-N-フェニルアン
モニウムクロライド、N,N,N-トリアリル-N-フェニル
アンモニウムブロマイド、N,N,N-トリアリル-N-フェ
ニルアンモニウムアイオダイド等が挙げられる。
【0015】R11がベンジル基の場合、N,N,N-トリア
リル-N-ベンジルアンモニウムフルオライド、N,N,N-
トリアリル-N-ベンジルアンモニウムクロライド、N,
N,N-トリアリル-N-ベンジルアンモニウムブロマイド、
N,N,N-トリアリル-N-ベンジルアンモニウムアイオダ
イド等が挙げられる。
【0016】アリル基の数が4である架橋剤の例とし
て、テトラアリルアンモニウムフルオライド、テトラア
リルアンモニウムクロライド、テトラアリルアンモニウ
ムブロマイド、テトラアリルアンモニウムアイオダイト゛
等が挙げられる。
【0017】好ましくは、アリル基数が3の場合R11
直鎖のものの例としてN,N,N-トリアリル-N-メチルア
ンモニウムクロライド、N,N,N-トリアリル-N-メチル
アンモニウムブロマイド、N,N,N-トリアリル-N-エチ
ルアンモニウムクロライド、N,N,N-トリアリル-N-エ
チルアンモニウムブロマイド、N,N,N-トリアリル-N-
ノルマルプロピルアンモニウムクロライド、N,N,N-ト
リアリル-N-ノルマルプロピルアンモニウムブロマイド
等が挙げられ、R11が分枝のあるものとしてN,N,N-ト
リアリル-N-イソプロピルアンモニウムクロライド、N,
N,N-トリアリル-N-イソプロピルアンモニウムブロマイ
ド等が挙げられ、R11がフェニル基の場合N,N,N-トリ
アリル-N-フェニルアンモニウムクロライド、N,N,N-
トリアリル-N-フェニルアンモニウムブロマイド等が挙
げられ、R11がベンジル基の場合N,N,N-トリアリル-N
-ベンジルアンモニウムクロライド、N,N,N-トリアリ
ル-N-ベンジルアンモニウムブロマイド等が挙げられnが
4の場合テトラアリルアンモニウムクロライド、テトラ
アリルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
【0018】さらに好ましくはアリル基数が3である場
合R11が直鎖のものの例としてN,N,N-トリアリル-N-
メチルアンモニウムクロライド、N,N,N-トリアリル-N
-エチルアンモニウムクロライド、N,N,N-トリアリル-
N-ノルマルプロピルアンモニウムクロライド、等が挙げ
られ、R11が分枝のあるものとしてN,N,N-トリアリル
-N-イソプロピルアンモニウムクロライドが挙げられ、
11がフェニル基の場合N,N,N-トリアリル-N-フェニ
ルアンモニウムクロライドが挙げられ、R11がベンジル
基の場合N,N,N-トリアリル-N-ベンジルアンモニウム
クロライドが挙げられ、nが4の場合テトラアリルアンモ
ニウムクロライドが挙げられる。
【0019】とりわけ好ましくは、nが3の場合N,N,N-
トリアリル-N-メチルアンモニウムクロライドが挙げら
れ、nが4の場合テトラアリルアンモニウムクロライドが
挙げられる。
【0020】本発明の好ましい別の実施形態において、
N-(ポリアリル)アンモニウム塩が一般式: R21−[(R21)2+-Y]m-N+(R21)3・(m+1)X- [式中、R21のそれぞれは、同一または異なって、アリ
ル基、水素、または炭素数1から10までの炭化水素基
であり、少なくとも2つのR21がアリル基であり、Y
は、エーテル結合酸素原子を含んでいてもよい2価の炭
化水素基、mは0〜10の整数であり、Xは陰イオンを
形成できる原子または基である。]で示される。
【0021】例えば、N-(ポリアリル)アンモニウム塩
は、2つの窒素原子を有する化合物であってよい。2つ
の窒素原子を有するN-(ポリアリル)アンモニウム塩の例
は、一般式: (Ai(R26)3-iN+)-Y1-(N+Aj(R2 7)3-j)・2X- [式中、Aはアリル基を示し、Y1は直鎖又は分枝状の
飽和炭化水素基またはフェニレン基で途中にエーテル結
合酸素原子を含んでも良く、R26およびR2 7は水素、炭素
数1から10までの直鎖又は分枝のあるアルキル基または
フェニル基で、iおよびjはそれぞれ1以上3以下で、i
+jは2〜6、特に3〜6の整数であり、Xは陰イオンを
形成できる原子または基である。]示されるものであ
る。
【0022】このような架橋剤としてはYが直鎖状飽和
炭化水素の場合N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルエチ
レンジアンモニウムジフルオライド、N,N,N,N',
N',N'-ヘキサアリルエチレンジアンモニウムジクロラ
イド、N,N,N,N',N'-ペンタアリル-N'-メチルエチレ
ンジアンモニウムジクロライド、N,N,N,N'-テトラア
リル-N',N'-ジメチルエチレンジアンモニウムジクロラ
イド、N,N,N',N'-テトラアリル-N,N'-ジメチルエチ
レンジアンモニウムジクロライド、N,N,N'-トリアリ
ル-N,N',N'-トリメチルエチレンジアンモニウムジク
ロライド、N,N,N,N',N'-ペンタアリル-N'-エチルエ
チレンジアンモニウムジクロライド、N,N,N,N'-テト
ラアリル-N',N'-ジエチルエチレンジアンモニウムジク
ロライド、N,N,N',N'-テトラアリル-N,N'-ジエチル
エチレンジアンモニウムジクロライド、N,N,N'-トリ
アリル-N,N',N'-トリエチルエチレンジアンモニウム
ジクロライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルエチ
レンジアンモニウムジブロマイド、N,N,N,N',N',
N'-ヘキサアリルエチレンジアンモニウムジアイオダイ
ド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルトリメチレンジ
アンモニウムジフルオライド,N,N,N,N',N',N'-ヘ
キサアリルトリメチレンジアンモニウムジクロライド、
N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルトリエチレンジアン
モニウムジブロマイド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサア
リルトリメチレンジアンモニウムジアイオダイド、N,
N,N,N',N',N'-ヘキサアリルヘキサメチレンジアン
モニウムジフルオライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサ
アリルヘキサメチレンジアンモニウムジクロライド、
N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルヘキサメチレンジア
ンモニウムジブロマイド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサ
アリルヘキサメチレンジアンモニウムジアイオダイド等
が挙げられる。
【0023】Yが分枝状飽和炭化水素の場合N,N,N,
N',N',N'-ヘキサアリル-2-メチルプロピレンジアンモ
ニウムジフルオライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサア
リル-2,2-ジメチルプロピレンジアンモニウムジフルオ
ライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-2-メチル
プロピレンジアンモニウムジクロライド、N,N,N,
N',N',N'-ヘキサアリル-2,2-ジメチルプロピレンジ
アンモニウムジクロライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキ
サアリル-2-メチルプロピレンジアンモニウムジブロマ
イド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-2,2-ジメチ
ルプロピレンジアンモニウムジブロマイド、N,N,N,
N',N',N'-ヘキサアリル-2-メチルプロピレンジアンモ
ニウムジアイオダイド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサア
リル-2,2-ジメチルプロピレンジアンモニウムジアイオ
ダイド等が挙げられる。
【0024】Yがエーテル結合酸素原子を含む場合N,
N,N,N',N',N'-ヘキサアリルジエチレングリコール
ジアンモニウムジフルオライド、N,N,N,N',N',N'-
ヘキサアリルトリエチレングリコールジアンモニウムジ
フルオライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルジエ
チレングリコールジアンモニウムジクロライド、N,N,
N,N',N',N'-ヘキサアリルトリエチレングリコールジ
アンモニウムジクロライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキ
サアリルジエチレングリコールジアンモニウムジブロマ
イド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルトリエチレン
グリコールジアンモニウムジブロマイド、N,N,N,
N',N',N'-ヘキサアリルジエチレングリコールジアン
モニウムジアイオダイド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサ
アリルトリエチレングリコールジアンモニウムジアイオ
ダイド等が挙げられる。
【0025】Yがフェニレン基の場合N,N,N,N',
N',N'-ヘキサアリル-o-フェニレンジアンモニウムジフ
ルオライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-o-フ
ェニレンジアンモニウムジクロライド、N,N,N,N',
N',N'-ヘキサアリル-o-フェニレンジアンモニウムジブ
ロマイド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-o-フェ
ニレンジアンモニウムジアイオダイド、N,N,N,N',
N',N'-ヘキサアリル-m-フェニレンジアンモニウムジフ
ルオライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-m-フ
ェニレンジアンモニウムジクロライド、N,N,N,N',
N',N'-ヘキサアリル-m-フェニレンジアンモニウムジブ
ロマイド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-m-フェ
ニレンジアンモニウムジアイオダイド、N,N,N,N',
N',N'-ヘキサアリル-p-フェニレンジアンモニウムジフ
ルオライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-p-フ
ェニレンジアンモニウムジクロライド、N,N,N,N',
N',N'-ヘキサアリル-p-フェニレンジアンモニウムジブ
ロマイド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-p-フェ
ニレンジアンモニウムジアイオダイド等が挙げられる。
【0026】好ましくはYが直鎖状飽和炭化水素の場合
N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルエチレンジアンモニ
ウムジクロライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル
エチレンジアンモニウムジブロマイド、N,N,N,N',
N',N'-ヘキサアリルヘキサメチレンジアンモニウムジ
クロライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルヘキサ
メチレンジアンモニウムジブロマイド等が挙げられる。
Yが分枝状飽和炭化水素の場合N、N、N、N'、N'、N'-ヘ
キサアリル-2-メチルプロピレンジアンモニウムジクロ
ライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-2,2-ジメ
チルプロピレンジアンモニウムジクロライド、N,N,
N,N',N',N'-ヘキサアリル-2-メチルプロピレンジア
ンモニウムジブロマイド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサ
アリル-2,2-ジメチルプロピレンジアンモニウムジブロ
マイド等が挙げられる。
【0027】Yがエーテル結合酸素原子を含む場合N,
N,N,N',N',N'-ヘキサアリルジエチレングリコール
ジアンモニウムジクロライド、N,N,N,N',N',N'-ヘ
キサアリルトリエチレングリコールジアンモニウムジク
ロライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルジエチレ
ングリコールジアンモニウムジブロマイド、N,N,N,
N',N',N'-ヘキサアリルトリエチレングリコールジア
ンモニウムジブロマイド等が挙げられる。
【0028】Yがフェニレン基の場合N,N,N,N',
N',N'-ヘキサアリル-p-フェニレンジアンモニウムジフ
ルオライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-p-フ
ェニレンジアンモニウムジクロライド、N,N,N,N',
N',N'-ヘキサアリル-p-フェニレンジアンモニウムジブ
ロマイド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-p-フェ
ニレンジアンモニウムジアイオダイド等が挙げられる。
【0029】さらに好ましくはYが直鎖状飽和炭化水素
の場合N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルエチレンジア
ンモニウムジクロライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサ
アリルヘキサメチレンジアンモニウムジクロライド等が
挙げられる。Yが分枝状飽和炭化水素の場合N,N,N,
N',N',N'-ヘキサアリル-2-メチルプロピレンジアンモ
ニウムジクロライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリ
ル-2,2-ジメチルプロピレンジアンモニウムジクロライ
ド等が挙げられる。
【0030】Yがエーテル結合酸素原子を含む場合N,
N,N,N',N',N'-ヘキサアリルジエチレングリコール
ジアンモニウムジクロライド、N,N,N,N',N',N'-ヘ
キサアリルジエチレングリコールジアンモニウムジブロ
マイド等が挙げられる。Yがフェニレン基の場合N,N,
N,N',N',N'-ヘキサアリル-p-フェニレンジアンモニ
ウムジクロライド、N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル
-p-フェニレンジアンモニウムジブロマイド等が挙げら
れる。
【0031】とりわけ好ましくはYが直鎖状態飽和炭化
水素の場合N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルエチレン
ジアンモニウムジクロライドが挙げられる。Yが分枝状
飽和炭化水素の場合N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル
-2,2-ジメチルプロピレンジアンモニウムジクロライド
が挙げられる。Yがエーテル結合酸素原子を含む場合
N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルジエチレングリコー
ルジアンモニウムジクロライドが挙げられる。Yがフェ
ニレン基の場合N,N,N,N',N',N'-ヘキサアリル-p-
フェニレンジアンモニウムジクロライドが挙げられる。
【0032】本発明の他の実施形態において、N-(ポリ
アリル)アンモニウム塩が一般式: A3+・C(R31)2COO- [式中、Aはアリル基であり、R31は、同一または異な
って、エーテル結合酸素原子を含んでもよい炭素数1〜
20の脂肪族または芳香族の炭化水素基である。]で示
される。R31は水素、炭素数1から10までの直鎖又は分枝
状のアルキル基またはフェニル基で途中にエーテル結合
酸素原子を含んでも良く、互いに同一または異なってい
てもよい。
【0033】このような架橋剤としてはN,N,N-トリア
リルグリシン、N,N,N-トリアリルアラニン、N,N,N-
トリアリルフェニルグリシン、N,N,N-トリアリルフェ
ニルアラニン、N,N,N-トリアリルバリン、N,N,N-ト
リアリルロイシン、N,N,N-トリアリルイソロイシン、
N,N,N-トリアリル-tert-ロイシン、N,N,N-トリアリ
ルセリン、N,N,N-トリアリルスレオニン、N,N,N-ト
リアリルメチオニン、N,N,N-トリアリルグルタミン
酸、N,N,N-トリアリルアスパラギン酸、N,N,N,
N',N'-ペンタアリルリジン、N,N,N,N',N'-ペンタ
アリルヒドキシリジン、N,N,N-トリアリルヒスチジ
ン、N,N,N-トリアリルチロシン、N,N,N-トリアリル
-2-アミノ酪酸等が挙げられる。
【0034】好ましくはN,N,N-トリアリルグリシン、
N,N,N-トリアリルアラニン、N,N、N-トリアリルグル
タミン酸、N,N,N-トリアリルアスパラギン酸等が挙げ
られる。特に好ましくはN,N,N-トリアリルグリシン、
N,N,N-トリアリルグルタミン酸が挙げられる。
【0035】N-(ポリアリル)アンモニウム塩は、窒素原
子に結合した少なくとも2つ(例えば、3つ)のアリル
基、および窒素原子に結合しており酸素原子を有する少
なくとも1つの炭化水素基を有する化合物であってよ
い。炭化水素基の例は、ポリオール(たとえば、ペンタ
エリスリトール)骨格の酸素原子にプロピレンオキシド
が結合した化合物から誘導される基である。このような
N-(ポリアリル)アンモニウム塩は、ポリアリルアミン
[例えば、A 2NHおよびA3N(Aはアリル基であ
る)]に、エポキシ基を有する化合物を反応させること
によって得られる。その反応式は、例えば次のとおりで
ある。
【0036】
【化1】 [上記式中、Aはアリル基である。]
【0037】N-(ポリアリル)アンモニウム塩を製造す
るには一般的に以下の方法がとられる。攪拌装置、温度
計、還流冷却装置の装着された適当な反応容器にアミン
化合物を仕込み、攪拌しながら50から150℃程度に加熱
したところにアリル化剤(例えば、アリルクロライドま
たはアリルブロマイド)を滴下して2から10時間程度反
応させる。この時反応溶液のpHが4〜12の間に保たれる
ように水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの目的物
である4級アンモニウム化合物と反応しない無機アルカ
リを加える事により反応を行う事が好ましい。反応終了
後、得られる水溶液を濃縮し、副生する塩をろ別して、
目的物の水溶液を得る事が出来る。更にこれを活性炭処
理、濃縮、再結晶等の常法により精製する事により目的
物を得る事が出来る。アリル基を有しないアミン化合物
をアリル化剤でアリル化することによって、アリル基を
2個以上有するN-(ポリアリル)アンモニウム塩が得られ
る。
【0038】本発明の架橋剤は、高吸水性ポリマーの製
造において、該ポリマーを架橋するために使用される。
一般に、本発明の架橋剤は、水系媒体中で、高吸水性ポ
リマーを架橋する。架橋反応と重合反応を同時に行って
もよいし、あるいは重合反応の後に架橋反応を行っても
よい。一般に、本発明の架橋剤は、水系媒体中で重合さ
れ、炭素−炭素二重結合を有する重合性化合物又はその
塩からなる高吸水性ポリマーの製造において使用され
る。高吸水性ポリマーの製造において、該重合性化合物
および/またはその塩をモノマーとして使用する。
【0039】高吸水性ポリマーにおける繰り返し単位
は、官能基を有する。官能基の例は、カルボキシル基、
ヒドロキシル基、アミド基、アセトアミド基である。高
吸水性ポリマーの例は、アクリル酸系のポリマー、ビニ
ルアルコール系のポリマー、イソブチレン/無水マレイ
ン酸系のポリマー、アクリルアミド系のポリマー、アク
リルアミド/アクリル酸系のポリマー、N-ビニルアセ
トアミド系のポリマーである。一般に、高吸水性ポリマ
ーを形成するモノマーが、官能基を有する。しかし、ポ
リビニルアルコールのように、モノマーがビニルエステ
ル、例えば酢酸ビニル、プロパン酸ビニルであり、ポリ
マー合成後にヒドロキシル基のような官能基が誘導され
ることがある。
【0040】高吸水性ポリマーを形成するモノマーの例
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、α-ヒド
ロキシアクリル酸、アコニット酸、2-(メタ)アクリロイ
ルエタンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチ
ルプロパンスルホン酸およびそれらの塩である。塩とし
て、金属塩があげられる。塩における金属の例は、アル
カリ金属(例えば、カリウム、ナトリウム)である。
【0041】モノマーと水系媒体の混合物は、架橋剤を
溶解することが好ましい。架橋剤の溶解度は、モノマー
と水系媒体の混合物100mL当たり、0.2g以上、
例えば0.4g以上、特に1.0g以上、特別に5.0
g以上であってよい。水系媒体は、水のみ、あるいは水
と水溶性有機溶媒(例えば、アルコール)からなる。高
吸水性ポリマーは、一般に、カルボン酸の完全又は部分
塩を主成分とするものであってよい。
【0042】本発明の架橋剤は公知の方法にて使用さ
れ、特に限定されるものではない。例えば、アクリル酸
モノマー水溶液を水酸化ナトリウム水溶液等で60〜90mo
l%を中和して30〜50重量%の水溶液とし、架橋剤を0.1〜
1.0重量%混合し、アゾ系や過酸化物系等レドックス系の
ラジカル重合開始剤を加えて通常100℃以下程度の温度
で重合させ、生成したポリマーを適度の大きさに裁断し
乾燥させることにより、高吸水性ポリマーを製造するこ
とができる(中和後重合法)。
【0043】あるいは、中和していないアクリル酸モノ
マー水溶液に重合開始剤を加えて重合させ、生成した固
体を適度の大きさに剪断し、水酸化ナトリウムで中和処
理しても良い(中和前重合法)。
【0044】
【実施例】以下、実施例および比較例を示し、本発明を
具体的に説明する。粉末ポリマーの吸水力(粉末ポリマ
ー1g当たりの吸水量(g))は下記のようにして評価
した。粉末ポリマー約0.2gを正確に秤取り不織布製のテ
ィーバッグ式袋(6.8mm×9.6mm)に均一に入れ、0.9%食塩
水に浸漬し、1時間後の重量を測定する。ティーバッグ
式袋のみの吸水重量をブランクとして、下記数式にした
がって粉末ポリマーの吸水力を算出する。 吸水力=(吸水後の重量(g)-ブランク(g))/(高吸水性ポリ
マーの重量(g))
【0045】(1)架橋剤の製造 実施例1 攪拌機のついた1Lの圧力反応装置にトリアリルアミン 3
01.9g、99%アリルクロライド 168.4gを入れ500rpmで攪
拌しながら130℃で20時間反応させ、常法により精製
し、N,N,N,N−テトラアリルアンモニウムクロライド 45
0gを得た。この物の同定にはNMR、臭素価、塩化物イオ
ン量滴定、水分量測定を用いた。この化合物のアクリル
酸塩水溶液に対する溶解度を以下の方法にて測定した。
アクリル酸180g、水酸化ナトリウム75g、及び蒸留水424
gを混合しモノマー濃度32.4重量%、中和率75モル%の標
準アクリル酸塩水溶液を調製した。標準アクリル酸塩水
溶液100mLにN,N,N,N-テトラアリルアンモニウムクロ
ライド25gを混合し、攪拌したところ、均一な1相の溶液
となった。この結果、溶解度は20w/v%以上である事が確
認された。
【0046】実施例2 攪拌機のついた1Lの反応装置にエチレンジアミン95gを
仕込み40℃で攪拌しながら99%アリルクロライド490g及
び48%水酸化ナトリウム水溶液520gを同時に50分間で滴
下し、N,N,N',N'-テトラアリルエチレンジアミンを
合成した。その後40℃でpHを7〜12の間に調製しながら
99%アリルクロライド245gを30分で滴下しN,N,N,
N',N',N'-ヘキサアリルエチレンジアンモニウムジク
ロライド水溶液を合成した。副生した食塩をろ別して、
濃縮し65%N,N,N,N',N',N'−ヘキサアリルエチレン
ジアンモニウムジクロライド水溶液とした。この物の同
定にはNMR、臭素価、塩化物イオン量滴定、水分量測定
を用いた。この化合物のアクリル酸塩水溶液に対する溶
解度を以下の方法にて測定した。アクリル酸180g、水酸
化ナトリウム75g、及び蒸留水424gを混合しモノマー濃
度37重量%、中和率75モル%の標準アクリル酸塩水溶液を
調製した。標準アクリル酸塩水溶液100mLに65%N,N,
N,N',N',N'-ヘキサアリルエチレンジアンモニウムジ
クロライド水溶液45gを混合し、攪拌したところ、均一
な1相の溶液となった。この結果、溶解度は20w/v%以上
である事が確認された。
【0047】実施例3 攪拌機のついた1Lの反応装置にグリシン210g、48%水酸
化ナトリウム水溶液270gを混合し、グリシンナトリウム
塩水溶液とした。この混合物を40℃で攪拌しながら99%
アリルクロライド490g及び48%水酸化ナトリウム水溶液5
20gを同時に50分間で滴下し、N,N-ジアリルグリシンナ
トリウム塩を合成した。その後40℃でpHを7〜12の間に
調製しながら99%アリルクロライド245gを30分で滴下し
N,N,N-トリアリルグリシン水溶液を合成した。副生し
た食塩をろ別して、濃縮し65%N,N,N-トリアリルグリ
シン水溶液とした。この化合物の同定にはNMR、臭素
価、塩化物イオン量滴定、水分量測定を用いた。またこ
の化合物のアクリル酸塩水溶液に対する溶解度は以下の
方法にて測定した。前記標準アクリル酸塩水溶液100m
LにN,N,N-トリアリルグリシン水溶液40gを混合し、
攪拌したところ、均一な1相の溶液となった。この結
果、溶解度は20w/v%以上である事が確認された。
【0048】比較例1 前記標準アクリル酸塩水溶液100gにトリメチロールプロ
パントリアクリレート10gを混合し、激しく振りまぜた
後静置し、得られた2層分離した溶液の水層を取り出し
ガスクロマトグラフィー(分析条件:カラム BP20-0.25
(商品名、SGE社製)30m:カラム温度 100-200℃;昇温速度
10℃/分)で分析したところ、溶解度は 0.20w/v%と測定
された。以上の実施例、比較例における標準アクリル酸
塩水溶液に対する溶解度を表にまとめた。
【0049】
【0050】実施例1〜3の化合物は全て比較例1の化
合物よりも標準アクリル酸塩水溶液に対する溶解度が優
れていた。
【0051】(2)吸水性ポリマーの製造 実施例4 窒素導入管(液中用および気相中用)、温度計、滴下漏
斗、メカニカルスターラーをセットした1Lのセパラブル
フラスコにアクリル酸180g(2.5mol)、NaOH 75g(1.875mo
l)、424mLの水及びN,N,N,N-テトラアリルアンモニウム
クロライド1.20g(5.62mmol)を入れ容器を氷冷して内温
を5℃とした。この時点での混合物はpHが5〜6の無色透
明液体であった。このセパラブルフラスコごと断熱容器
へと移し替えた後、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパ
ン)二塩酸塩 150mg(0.56mmol)を1mLの水に溶かしたも
の、L-アスコルビン酸 20mg(0.113mmol)を1mLの水に溶
かしたもの、31%過酸化水素水 100mg(0.91mmol)を1mLの
水に溶かしたものを続けて1分以内に加えた。加えてす
ぐに混合液の濁度が増し、発熱しながら粘度が増して攪
拌が停止した。このまま放置したところ20分後に最高温
度(83℃)に達した。この後徐々に室温まで放冷し、得ら
れた無色透明のゲルを容器から取り出した。この一部約
100gを取り出しスピードカッターにかけて粉砕した。お
およそ粒径1mm程度以下になったところで180℃のオーブ
ンで5時間乾燥した。得られた固体を容器から取り出し
て28.56gの淡黄色固体を得た。サンプルミルにかけて粉
末とし、再びオーブン(180℃)に入れ1.5時間乾燥させ
た。26.2gの淡黄色粉末を得た後、篩にかけ60μm以上の
粒径を持つ粉末23.2gを得た。粉末ポリマーの吸水力は4
6g/gであった。
【0052】実施例5 N,N,N,N-テトラアリルアンモニウムクロライド1.20g(5.
62mmol)がN,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルエチレン
ジアンモニウムジクロライド1.40g(3.75mmol)に変わる
以外は実施例4と同じ方法を用いて粉末ポリマーを合成
した。吸水力は47g/gであった。
【0053】実施例6 N,N,N,N-テトラアリルアンモニウムクロライド1.20g(5.
62mmol)がN,N,N-トリアリルグリシン1.43g(7.50mmol)
に変わる以外は実施例4と同じ方法を用いて粉末ポリマ
ーを合成した。吸水力は42g/gであった。 比較例2 N,N,N,N-テトラアリルアンモニウムクロライド1.20g(5.
62mmol)がトリメチロールプロパントリアクリレート2.1
2g(7.50mmol)に変わる以外は実施例4と同じ方法を用い
て粉末ポリマーを合成した。吸水力36g/gであった。
【0054】実施例7 窒素導入管(液中用および気相中用)、温度計、滴下漏
斗、メカニカルスターラーをセットした1Lのセパラブル
フラスコにアクリル酸180g(2.5mol)、487mLの水及びN,
N,N,N-テトラアリルアンモニウムクロライド1.44g(8.61
mmol)を入れ容器を氷冷して内温を5℃とした。この時点
での混合物は無色透明液体であった。このセパラブルフ
ラスコごと断熱容器へと移し替えた後、2,2'-アゾビス
(2-アミジノプロパン)二塩酸塩 150mg(0.56mmol)を1mL
の水に溶かしたもの、L-アスコルビン酸 20mg(0.113mmo
l)を1mLの水に溶かしたもの、31%過酸化水素水 100mg
(0.91mmol)を1mLの水に溶かしたものを続けて1分以内に
加えた。加えてすぐに混合液の濁度が増し、発熱しなが
ら粘度が増して攪拌が停止した。このまま放置したとこ
ろ20分後に最高温度(83℃)に達した。この後徐々に室温
まで放冷し、得られた無色透明のゲルを容器から取り出
した。この一部約100gを取り出しスピードカッターにか
けて粉砕した。おおよそ粒径1mm程度以下になったとこ
ろで48%水酸化ナトリウム水溶液23.5gを加えて更に粉砕
を30分続けた。得られた粉砕ゲル状混合物を180℃のオ
ーブンで5時間乾燥し、28.56gの淡黄色固体を得た。サ
ンプルミルにかけて粉末とし、再びオーブン(180℃)に
入れ1.5時間乾燥させた。26.2gの淡黄色粉末を得た後、
篩にかけ60μm以上の粒径を持つ粉末23.2gを得た。粉末
ポリマーの吸水力は46g/gであった。
【0055】
【発明の効果】本発明の架橋剤は、重合性二重結合を有
する単量体またはその塩の重合体の完全または部分塩を
主成分とする高吸水性ポリマーの製造に使用できる。本
発明の架橋剤は分子内に2基以上のアリル基を有し、ア
クリル酸塩水溶液に対する溶解性も満足され良好な高吸
水性ポリマーを与えることができる。また、本発明は、
前記した中和前重合法はもちろん中和後重合法にも実用
的に有用であり工程の簡略化に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松富 徹 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目10番8号 ダイソー株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AC42 AC63 AE08 GB06 4H006 AA03 AB49 AC52 BU50 4J002 BG011 BG071 BH001 EN136 FD146

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素−炭素二重結合を有する重合性化合
    物又はその塩からなる高吸水性ポリマーの製造に使用さ
    れる、窒素原子に結合したアリル基を2個以上有するN-
    (ポリアリル)アンモニウム塩から成る架橋剤。
  2. 【請求項2】 高吸水性ポリマーが水系媒体中で架橋さ
    れる請求項1に記載の架橋剤。
  3. 【請求項3】 重合性化合物がカルボキシル基をも有す
    る請求項1に記載の架橋剤。
  4. 【請求項4】 N-(ポリアリル)アンモニウム塩が一般
    式: AnN+(R11)4-n・X- [式中、Aはアリル基、R11は水素原子、または置換さ
    れていてもよい炭素数1から10までの炭化水素基、nは
    2、3または4、Xは陰イオンを形成できる原子または
    基である。]で示される請求項1〜3のいずれかに記載
    の架橋剤。
  5. 【請求項5】 N-(ポリアリル)アンモニウム塩がN,N,
    N-トリアリル-N-メチルアンモニウムクロライドまたは
    N,N,N,N-テトラアリルアンモニウムクロライドであ
    る請求項4に記載の架橋剤。
  6. 【請求項6】 N-(ポリアリル)アンモニウム塩が一般
    式: R21−[(R21)2+-Y]m-N+(R21)3・(m+1)X- [式中、R21のそれぞれは、同一または異なって、アリ
    ル基、水素原子、または炭素数1から10までの炭化水
    素基であり、少なくとも2つのR21がアリル基であり、
    Yは、エーテル結合酸素原子を含んでいてもよい2価の
    炭化水素基、mは0〜10の整数であり、Xは陰イオン
    を形成できる原子または基である。]で示される請求項
    1〜3いずれかに記載の架橋剤。
  7. 【請求項7】 N-(ポリアリル)アンモニウム塩がN,N,
    N,N',N',N'-ヘキサアリルエチレンジアンモニウムジ
    クロライドまたはN,N,N,N',N',N'-ヘキサアリルヘ
    キサメチレンジアンモニウムクロライドである請求項6
    に記載の架橋剤。
  8. 【請求項8】 N-(ポリアリル)アンモニウム塩が一般
    式: A3+・C(R31)2COO- [式中、Aはアリル基であり、R31のそれぞれは、同一
    または異なって、エーテル結合酸素原子を含んでもよい
    炭素数1〜20の脂肪族または芳香族の炭化水素基であ
    る。]で示される請求項1〜3のいずれかに記載の架橋
    剤。
  9. 【請求項9】 N-(ポリアリル)アンモニウム塩がN,N,
    N-トリアリルグリシンまたはN,N,N-トリアリルグルタ
    ミン酸である請求項8記載の架橋剤。
  10. 【請求項10】 N-(ポリアリル)アンモニウム塩が、窒
    素原子に結合した少なくとも2つのアリル基、および窒
    素原子に結合しており酸素原子を有する少なくとも1つ
    の炭化水素基を有する化合物である請求項1〜3のいず
    れかに記載の架橋剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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