JP2917418B2 - 高吸水性ポリマーの製造法 - Google Patents
高吸水性ポリマーの製造法Info
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Description
ある。
く、吸水諸性能に優れ、しかも大きな平均粒子径を有し
ており、さらに製品としての流動性、搬送性が良好であ
るので、各種の吸水材料に対して有利に使用することが
できる。
衛生材料分野のみならず、止水材、結露防止材、さらに
鮮度保持材、溶剤脱水材等の産業用途、緑化、農園芸用
途等にも実用化されつつあり、今後、応用範囲はさらに
拡大されていくと思われる合成ポリマーである。この種
の高吸水性ポリマーとしては、澱粉−アクリロニトリル
グラフト共重合体の加水分解物、カルボキシメチルセル
ロース架橋体、ポリアクリル酸(塩)架橋体、アクリル
酸(塩)−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンオ
キサイド架橋体等が知られている。しかし、これらの高
吸水性ポリマーのいずれもが、吸水能はほぼ満足してい
るものの、吸水速度、保水力等の吸水諸性能を同時に満
足しているとは言い難い。すなわち、吸水能の高いポリ
マーは、一般的に、吸水速度が遅く、保水力に乏しいか
らである。
しては、親油性界面活性剤、非揮発性炭化水素またはス
テアリン酸カルシウム等の、所謂、滑剤を混合する方
法、ポリマー自体の架橋密度を高くして、ポリマーの親
水性を低下させる方法等が提案されている。しかし、前
者の方法は、単なる物理的混合であって滑剤がポリマー
に化学的に固定化されていないために、ごく初期におい
ては改善は見られるもののその効果は永続きしないとい
う問題点がある。また、後者の方法には、ポリマーの吸
水能自体を低下させてしまうという問題点がある。
いて合成された高吸水性ポリマーは、微粒子が多く、取
扱い上、困難なものが多い。
モノマー相に増粘剤を加えて重合させる方法、生成した
微粒子をバインダーを用いて造粒する方法等が一般的で
ある。しかし、前者は、モノマー相の粘度を増大させる
ために、重合物粒子が相互に粘着し、全体または一部分
が塊状物となったりして良好な方法とは言い難い。又、
後者は、バインダーを使用するため、安全性、コストの
面で不利となる。
ップを目的として、種々の界面活性剤を使用する方法が
提案されている。
剤を用いる方法が特開昭56−131608号公報に記載されて
いる。
均粒子径が改良され、微粒子は減るものの、重合時に重
合槽器壁へのポリマーの付着が激しくて、安定操業をす
る点に於いて必ずしも満足できるものとは言えない。し
かも、この方法により粒径を大きくしたポリマーは、一
般的に吸水性能が劣る傾向にある。従って、平行粒径が
大きく、且つ、高吸水性ポリマーに要求される吸水諸性
能を充分に満足しているポリマーは未だなく、その吸水
速度、保水力等の吸水諸性能及び平均粒子径さらには生
産安定性をも考慮した場合、まだ改善される余地は残さ
れている。
大きな平均粒子径を有し、製品としての流動性、搬送性
が良好な高吸水性ポリマーを容易に製造する方法を提供
しようとするものである。
討を重ねた結果、上記逆相懸濁重合法において、界面活
性剤として、一般式 (式中、Rは炭素数8ないし30のアルキル基、又は、ア
ルキルフェニル基を表わし、R′は−OH基又は式OCH2
CH2 nORの基を表わす。また、nは1ないし5の整数で
ある。) で表わされるリン酸エステル系界面活性剤を使用するこ
とにより、安全性が高く、吸水諸性能に優れ、しかも大
きな平均粒子径を有し、製品としての流動性、搬送性が
良好な高吸水性ポリマーが得られることを見出して、本
発明を完成するに至った。
クリル酸及び/又はメタクリル酸並びにそのアルカリ金
属塩よりなる群から選ばれるアクリル酸系モノマーを、
架橋剤の存在下に、ラジカル重合開始剤を用いて、炭化
水素溶媒中で逆相懸濁重合させる方法において、逆相懸
濁重合に使用する界面活性剤が一般式 (式中、Rは炭素数8ないし30のアルキル基、又は、ア
ルキルフェニル基を表わし、R′は−OH基又は式OCH2
CH2 nORの基を表わす。また、nは1ないし5の整数で
ある。) で表わされるリン酸エステル系界面活性剤であることを
特徴とするものである。
能、吸水速度、保水力等の吸水諸性能に優れたものであ
る。しかも大きな平均粒子径を持ち、製品としての、流
動性、搬送性も良好である。
クリル酸及び/又はメタクリル酸並びにそのアルカリ金
属塩よりなる群から選ばれるアクリル酸系モノマーが用
いられる。ここで言うアルカリ金属塩とは、アクリル酸
及び/又はメタクリル酸のカルボキシル基を、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等
のアルカリ金属水酸化物で中和させて得られた塩のこと
である。生成ポリマーの性能及び価格等の面からいえ
ば、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を水酸化ナトリ
ウムにて中和した塩が特に好ましく用いられる。アクリ
ル酸及び/又はメタクリル酸の中和度は本発明における
高吸水性ポリマーの性能面を考慮する場合に非常に重要
な因子の一つであり、生成高吸水性ポリマーの性能のト
ータルバランスを考える場合には、アクリル酸系モノマ
ーの全カルボキシル基の50〜95モル%が中和されている
ことが望ましい。中和度が50モル%未満である場合は、
吸水能が劣る傾向にあり、性能をバランス良く保つのが
困難となる。逆に、95モル%を越えて中和すると、重合
速度が極端に遅くなるので中和のメリットは少ない。
20%以上、30〜60%であることが好ましい。
外にこれらと共重合可能なモノマー、例えばマレイン酸
(塩)、イタコン酸(塩)、アクリルアミド、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メ
タ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート等も吸水性ポリマーの吸水性
能を実質的に損なわない範囲で併用することも可能であ
る。
くても、ある程度の自己架橋が生じて高吸水性ポリマー
となるが、吸水諸性能をバランス良く保つためには、こ
のモノマー水溶液に架橋剤成分を加える必要がある。架
橋剤成分としては、分子内に2個以上の重合性不飽和基
を有し、かつ前記アクリル酸系モノマーと共重合性を示
す水溶性化合物、例えばN,N′−メチレンビスアクリル
アミド、N,N′−メチレンビスメタクリルアミド等のビ
スアクリルアミド類が一般的であり、且つ好ましい。上
記架橋剤成分は、通常、モノマー水溶液に対して、約0.
005〜0.5重量%、好ましくは約0.01〜0.3重量%、の範
囲で用いるのが適当である。
マー水溶液中に水溶性ラジカル重合開始剤を溶解させて
おくことが普通である。ここで用いる水溶性ラジカル重
合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩や、アゾビス−(2−アミジノプロパ
ン)塩酸塩等のアゾ系開始剤等が代表的である。これら
のラジカル重合開始剤は、通常モノマー水溶液に対し
て、約0.001〜5.0重量%、好ましくは約0.01〜1.0重量
%の範囲で用いるのが適当である。
族炭化水素もしくは脂環式炭化水素が好ましい。具体的
には、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマル
ヘプタン、シクロヘキサン、リグロイン等が掲げられ、
特に、シクロヘキサン、ノルマルヘキサンが、重合熱の
除去、得られたポリマーの乾燥の観点からも好ましいも
のである。
で、溶媒対重合モノマーが1対1〜5対1の範囲である
のが好ましい。
化学構造上、又、生理学的にも天然の燐脂質(レシチ
ン、セファリン等)と類似しているため他の界面活性剤
と比較しても低毒性、低刺激性なものであり、安全性の
観点からも好ましい界面活性剤である。
常0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜5重量%、の範囲
の量である。添加量が0.1重量%未満であると目的とす
る分散の効果が得られず、又、10重量%超過では、重合
後のポリマーを乾燥させた時にポリマーが凝集する傾向
があるので好ましくない。
レンオクタドデシルエーテルリン酸、ジ−(ジオキシエ
チレン)オクタドデシルエーテルリン酸、ポリオキシエ
チレン(6)オクタドデシルエーテルリン酸、ジ−{ポ
リオキシエチレン(6)}オクタドデシルエーテルリン
酸、ジ−{ポリオキシエチレン(8)}−p−ノニルフ
ェニルエーテルリン酸、ジオキシエチレン−p−ドデシ
ルフェニルエーテルリン酸、ジ−(ジオキシエチレン)
−p−ドデシルフェニルエーテルリン酸、等が挙げられ
る。
クリル酸並びにそのアルカリ金属塩よりなる群から選ば
れるアクリル酸系モノマーを、架橋剤、ラジカル重合開
始剤及び二種の界面活性剤の存在下に、逆相懸濁重合法
によって重合を行うものである。アクリル酸系モノマ
ー、架橋剤、ラジカル重合開始剤および界面活性剤の添
加順序、添加態様ないし重合操作は、本発明の目的に反
しない限り任意である。例えば、(イ)架橋剤およびラ
ジカル重合開始剤を溶解させたアクリル酸系モノマー水
溶液を、界面活性剤を添加しておいた炭化水素溶媒に添
加して懸濁させ、その後に加熱を行なって重合を行う方
法、(ロ)架橋剤およびラジカル重合開始剤を溶解させ
たアクリル酸系モノマー水溶液に界面活性剤を添加し、
これを炭化水素溶媒に添加して懸濁させ、加熱により重
合を行う方法、(ハ)架橋剤およびラジカル重合開始剤
を溶解させたアクリル酸系モノマー水溶液を、炭化水素
溶媒に添加して懸濁させ、その後に界面活性剤を添加
し、加熱して重合を行う方法、などを例示することがで
きる。
用される。また、重合時間は、重合温度等によって異な
るが、一般的には30分〜6時間程度、好ましくは、1時
間〜4時間、である。重合終了後、ポリマーを炭化水素
溶媒から分離して乾燥させれば、目的とする粉末高吸水
性ポリマーが得られる。
吸水性ポリマーの吸水諸性能とは吸水能、吸水速度、保
水力を表わし、次の様にして測定した。又、平均粒子径
の測定法も記入した。
m×10cmの大きさ)に入れ、1の0.9%生理食塩水に30
分浸漬する。30分後、ナイロン袋を引き上げ、15分水切
り後、重量測定し、ブランク補正をして、高吸水性ポリ
マー1gが吸収した0.9%生理食塩水の重量を吸水能とし
た。
ー1.0gを小穴のあいた支持板の上の不織布上におく。下
面より、0.9%生理食塩水と接触させたときに高吸水性
ポリマーが、0.9%生理食塩水を吸水する量を測定し
た。開始後、10分間に吸水した0.9%食塩水の量をもっ
て吸水速度とした。
0.9%生理食塩水25mlを均一に吸水させる。この吸水ゲ
ルを400メッシュのナイロン袋(10cm×10cm)に入れ、
入口をシールする。このサンプルの上下を濾紙(10cm×
10cm)10枚ずつではさみ、これに45g/cm2の荷重を3分
間かける。濾紙に移った0.9%生理食塩水量を測定し、
加圧前後の吸水量より、保水力を求めた。
325メッシュのフルイを用いて質量規準の粒径分布を求
め、質量規準の50%粒子径を平均粒子径とした。
した容量500mlの四つ口丸底フラスコに、シクロヘキサ
ン121gを入れ、次式(I)で表わされるリン酸エステル
系界面活性剤0.9gを添加して溶解させた後、窒素ガスを
吹込み溶存酸素を追い出した。
酸30gを外部より氷冷しながら、これに水79.65gに溶解
した11.65gの純度95%の水酸化ナトリウムを加えて、全
カルボキシル基の70モル%を中和した。この場合の水に
対するモノマー濃度は、中和後のモノマー濃度として、
30重量%に相当する。次いで、これにN,N′−メチレン
ビスアクリルアミド0.042g、過硫酸カリウム0.104gを加
えて溶解した後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い
出した。
lのコニカルビーカーの内容物を添加し、撹拌して分散
させ、窒素ガスをバブリングさせながら油浴によりフラ
スコ内温を昇温させたところ、60℃付近に達してから内
温が急激に上昇し、数十分後には75℃に達した。次い
で、その内温を60〜65℃に保持し、且つ撹拌しながら3
時間反応させた。尚、撹拌は250rpmで行なった。3時間
反応させた後、撹拌を停止すると、湿潤ポリマー粒子が
丸底フラスコの底に沈降したので、デカンテーションで
シクロヘキサン相と容易に分離できた。分離した湿潤ポ
リマーを減圧乾燥機に移し、80〜90℃に加熱して付着し
たシクロヘキサン及び水を除去し、さらさらとした粉末
ポリマー約35gを得た。
わされるリン酸エステルを1.8g用いた他は同様にして、
粉末ポリマー約35gを得た。
わされるリン酸エステルを2.7g用いた他は同様にして、
粉末ポリマー約35gを得た。
わされるリン酸エステル0.9gを用いた他は同様にして、
粉末ポリマー約35gを得た。
わされるリン酸エステル0.9gを用いた他は同様にして、
粉末ポリマー約35gを得た。
用いた以外は同様にして、粉末ポリマー約35gを得た。
(全カルボキシル基の60モル%を中和したこととな
る。) 実施例7 実施例1において、重合開始剤として、過硫酸カリウ
ムに代えて、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパ
ン)2塩酸塩0.104gを用い、且つ、架橋剤であるN,N′
−メチレンビスアクリルアミドを0.063g用いた以外は同
様にして、粉末ポリマー約35gを得た。
りに、ソルビタンモノラウレート0.9gを用いた以外は同
様にして、粉体ポリマー約35gを得た。
りに、デカグリセリルペンタステアレート0.9gを用いた
以外は同様にして、粉体ポリマー約35gを得た。
ルロース(フジケミカル社製、フジヘックA−5000)を
1.0gを加えた以外は同様にして、粉体ポリマー約30gを
得た。
を下記第1表に示す。
おける高吸水性ポリマーは、吸水能、吸水速度、保水力
等の吸水諸性能に優れ、しかも大きな平均粒子径を有し
ていることがわかる。
測定するのに使用した装置の概略を示す図面である。 1……高吸水性ポリマー(1g)、2……小穴のあいた支
持板、3……不織布、4……0.9%食塩水、5……ビュ
ーレット、6……ゴム栓、7,8……バルブ、9……空気
入口。
Claims (2)
- 【請求項1】アクリル酸及び/又はメタクリル酸並びに
そのアルカリ金属塩よりなる群から選ばれるアクリル酸
系モノマーを、架橋剤の存在下に、ラジカル重合開始剤
を用いて、炭化水素溶媒中で逆相懸濁重合させる方法に
おいて、逆相懸濁重合に使用する界面活性剤が一般式 (式中、Rは炭素数8ないし30のアルキル基、又は、ア
ルキルフェニル基を表わし、R′は−OH基又は式OCH2
CH2 nORの基を表わす。また、nは1ないし5の整数で
ある。) で表わされるリン酸エステル系界面活性剤であることを
特徴とする、高吸水性ポリマーの製造法。 - 【請求項2】アクリル酸系モノマーが、その全カルボキ
シル基の50〜95モル%がアルカリ金属塩で中和されたも
のである特許請求の範囲第1項記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14247590A JP2917418B2 (ja) | 1990-05-31 | 1990-05-31 | 高吸水性ポリマーの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14247590A JP2917418B2 (ja) | 1990-05-31 | 1990-05-31 | 高吸水性ポリマーの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0436304A JPH0436304A (ja) | 1992-02-06 |
JP2917418B2 true JP2917418B2 (ja) | 1999-07-12 |
Family
ID=15316185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14247590A Expired - Lifetime JP2917418B2 (ja) | 1990-05-31 | 1990-05-31 | 高吸水性ポリマーの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2917418B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100409069B1 (ko) * | 2000-03-06 | 2003-12-11 | 주식회사 엘지화학 | 흡수성 수지의 제조방법 |
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EP3424959B1 (en) | 2016-03-02 | 2020-11-11 | Sumitomo Seika Chemicals Co. Ltd. | Process for producing water-absorbing resin particles |
-
1990
- 1990-05-31 JP JP14247590A patent/JP2917418B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH0436304A (ja) | 1992-02-06 |
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