JP5280873B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

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JP5280873B2 JP2009012382A JP2009012382A JP5280873B2 JP 5280873 B2 JP5280873 B2 JP 5280873B2 JP 2009012382 A JP2009012382 A JP 2009012382A JP 2009012382 A JP2009012382 A JP 2009012382A JP 5280873 B2 JP5280873 B2 JP 5280873B2
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Description

本発明は毛髪化粧料に関する。さらに詳しくは、傷んだ毛髪を損傷改善・補修する効果に優れるとともに、毛髪のつや、なめらかさ付与効果に優れる毛髪化粧料に関する。
近年、ヘアカラーやパーマネントウェーブなどの流行によるヘアダメージが深刻化し、このようなヘアダメージ改善に対する消費者ニーズが高まっている。傷んだ毛髪を損傷改善・補修する成分として従来、各種加水分解タンパク質を用いたり、アルギニンやグルタミン酸に代表されるアミノ酸を組み合せて用いる等の方法が知られていたが、十分満足すべき効果が得られていず、最近ではヒドロキシエチルウレアを用いた技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、毛髪になめらかさやつやを付与する方法としてシリコーン油やカチオン性高分子が用いられていたが、最近、感触がなめらかで、サラサラ感、ゴワツキ感のなさ等に優れる成分として、カチオン性ビニル系単量体とノニオン性ビニル系単量体からなる共重合体を配合した洗浄剤組成物や毛髪化粧料が提案されている(例えば、特許文献2〜3参照)。
しかしながら、傷んだ毛髪に対し優れた損傷改善・補修効果をもち、しかも毛髪のつや、なめらかさにも十分満足し得る効果を併せもつ毛髪化粧料はこれまでなかった。
特開2007−91615号公報 特開2007−63543号公報 特開2008−189584号公報
本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたもので、傷んだ毛髪に対し損傷改善・補修効果を示すとともに、毛髪のつや、なめらかさを有する毛髪化粧料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、(1)下記式(I)で示されるヒドロキシエチルウレアを0.01〜2質量%と、(2)下記式(II)で表されるカチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位と、下記式(III)で表されるノニオン性ビニル系単量体(B)に相当する構成単位を含む共重合体であって、共重合体を構成する全構成単位における前記カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合が25〜45モル%であり、かつ前記ノニオン性ビニル系単量体(B)に相当する構成単位の割合が75〜55モル%である共重合体を0.001〜0.5質量%と、(3)植物油を0.001〜2質量%と、を含有する毛髪化粧料を提供する。
[式(I)]:
Figure 0005280873
[式(II)]:
Figure 0005280873
[式中、R1は水素原子またはメチル基を表し;R2、R3はそれぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し;R4は水素原子、炭素原子数1〜24のアルキル基、アリール基、アラルキル基または−CH2−CH(OH)−CH2−N+567・Y-を表し(ここで、R5、R6、R7はそれぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、Y−は陰イオンを表す);X-は陰イオンを表し;nは1〜10の整数を表す。]
[式(III)]:
Figure 0005280873
[式中、R5は水素原子またはメチル基を表し;R6、R7はそれぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、R6とR7の炭素原子数の和は1〜4である。]
また本発明は、前記共重合体の質量平均分子量が10,000〜2,000,000である、上記毛髪化粧料を提供する。
本発明により、傷んだ毛髪を損傷改善・補修する効果に優れるとともに、毛髪のつや、なめらかさ付与効果に優れる毛髪化粧料が提供される。
以下、本発明について詳述する。
なお本明細書において「(メタ)アクリル」はアクリルまたはメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイルまたはメタクリロイルを意味する。
(1)ヒドロキシエチルウレア
本発明に用いられるヒドロキシウレアは下記式(I)で示される。
Figure 0005280873
ヒドロキシエチルウレアの配合量は、本発明の毛髪化粧料全量中に0.01〜2質量%である。0.01質量%未満では毛髪の損傷改善効果や補修効果毛が得られず、一方、2質量%を超えると使用中、べたつきを感じるようになる。
(2)共重合体
本発明に用いられる共重合体は、カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位と、ノニオン性ビニル系単量体(B)に相当する構成単位を含む共重合体である。
上記カチオン性ビニル系単量体(A)は下記式(II)で表されるものを用いる。
Figure 0005280873
上記式(II)中、各置換基は以下の意味を示す。
1は水素原子またはメチル基を表す。本発明ではメチル基が好ましい。
2、R3はそれぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。本発明ではメチル基またはエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
4は水素原子、炭素原子数1〜24のアルキル基、アリール基、アラルキル基または−CH2−CH(OH)−CH2−N+567・Y-を表す(ここで、R5、R6、R7はそれぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、Y−は陰イオンを表す)。本発明ではR4はメチル基またはエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R5、R6、R7はそれぞれ独立にメチル基またはエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Y-は塩素イオン、ヨウ素イオンまたは臭素イオンが好ましい。
-は陰イオンを表す。本発明では塩素イオン、ヨウ素イオンまたは臭素イオンが好ましい。
nは1〜10の整数を表し、1〜5の整数が好ましく、3がより好ましい。
上記式(II)で表されるカチオン性ビニル系単量体(A)としては、例えば、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウム=モノメチル硫酸塩、N−[3−{N’−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N’,N’−ジメチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−[3−{N’−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N’,N’−ジエチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。中でもN−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。カチオン性ビニル系単量体(A)は1種または2種以上を用いることができる。
上記式(II)で表されるカチオン性ビニル系単量体(A)は、その構造中にアミド結合を有するが、共重合体がアミド結合を有すると毛髪への吸着が促進される利点がある。すなわちアミド結合を有することによりカチオン性官能基のカチオン強度が強くなり、キューティクルの剥がれた特に傷んだ毛髪部分への吸着力が高まる。
上記ノニオン性ビニル系単量体(B)は下記式(III)で表されるものを用いる。
Figure 0005280873
上記式(III)中、各置換基は以下の意味を示す。
5は水素原子またはメチル基を表す。本発明では水素原子が好ましい。
6、R7はそれぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。炭素原子数1〜3のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。R6とR7の炭素原子数の和は1〜4であり、好ましくは2〜4であり、最も好ましくは2である。
上記式(II)で表されるノニオン性ビニル系単量体(B)としては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアルキルアクリルアミド類、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキルアクリルアミド類が挙げられる。中でも、単量体の水への溶解性、および得られる共重合体の親水性が高いことから、好ましくはN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドである。
上記式(III)で表されるノニオン性ビニル系単量体(B)は、アミド結合を有し、毛髪等への吸着が促進される。洗浄後の髪のサラサラ感が高くゴワツキ感がないことなどから、さらに好ましくは上記式(III)のR6とR7の炭素原子数の和が2〜4であるものが好ましい。具体例として、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。最も好ましくはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドである。ノニオン性ビニル系単量体(B)は1種または2種以上を用いることができる。
本発明では、上記カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位と、上記ノニオン性ビニル系単量体(B)に相当する構成単位を含む共重合体において、共重合体を構成する全構成単位における上記カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合を25〜45モル%とする。好適下限値は26モル%以上、より好ましくは27モル%以上である。好適上限値は42モル%以下であり、より好ましくは38モル%以下、特に好ましくは35モル%以下である。上記割合を25モル%以上とすることにより、共重合体がカチオン性基を十分な量含有するので、毛髪への吸着量が増し、例えばすすぎ時の指通りのよさ、なめらかさ、乾燥後のサラサラ感、柔軟性が高まる。一方、上記割合が45モル%を超えると、キューティクルの剥がれた特に傷んだ部分への共重合体の吸着性が高くなりすぎ、毛髪全体として不均一な吸着状態になってしまい、なめらかさ、しなやかさ、弾力感を損なってしまうことがあるため好ましくない。
また本発明では、共重合体を構成する全構成単位における上記ノニオン性ビニル系単量体(B)に相当する構成単位の割合を75〜55モル%とする。好適下限値は56モル%以上、より好ましくは57モル%以上である。好適上限値は70モル%以下である。上記割合を55モル%以上とすることにより、毛髪等への吸着力をより十分に保ちやすくなり、乾燥後のなめらかさ、サラサラ感をより効果的に保ちやすくなる。一方、上記割合が75モル%を超えると共重合体中のカチオン性基の割合が低くなりキューティクルの剥がれた特に傷んだ部分への吸着性が低下してしまう。
上記共重合体は、通常、それぞれの構成単位に相当する構造のカチオン性ビニル系単量体(A)とノニオン性ビニル系単量体(B)とを、相当するモル百分率で重合させることにより得られる。
なおビニル系単量体とはビニル重合し得る単量体である。カチオン性ビニル系単量体とは、カチオン性基を1以上有し、アニオン性基を有しないか、またはカチオン性基の数より少ないアニオン性基を有するビニル系単量体である。
また、カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構造は、カチオン性ビニル系単量体の前駆体をビニル系単量体(B)と重合させ共重合体とした後に、カチオン化剤により対応するカチオン基を有する構造に変換することによっても得ることができる。
カチオン性ビニル系単量体前駆体としては、例えば、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチルアミン等の三級アミンを有する(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。
カチオン化剤としては、メチルクロリライド等のアルキルハライドおよび3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有カチオン化剤等が挙げられる。カチオン化反応は、例えば、重合体の溶液にカチオン化剤を添加し、20〜100℃、1〜20時間の条件で行うことができる。なお、カチオン性ビニル系単量体(A)またはその前駆体は、1種または2種以上を用いることができる。
共重合体中のカチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位、ノニオン性ビニル系単量体(B)に相当する構成単位、およびその他ビニル系単量体に由来する構成単位の含有量は、構成単位中のアミド結合部位のIR吸収や、アミド結合部位、カチオン基に隣接するメチル基の1H−NMR、あるいはそれらの13C−NMR等により測定することができる。
本発明で用いる上記共重合体は、常温(25℃)で、5質量%以上の濃度の水溶液を形成し得るもの、すなわち、5質量%以上の濃度の水溶液の透過率(550nm)が80%以上あり、水溶液が均一かつ安定のものであるのが好ましい。さらに好ましくは、20質量%若しくはそれ以上の濃度の水溶液を形成し得るものである。
上記共重合体は、例えば、それぞれの構成単位を与える単量体またはその前駆体を混合し、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法により共重合させた後、必要に応じてカチオン化反応を行うことにより製造することができる。
重合反応は親水性溶媒中で行うのが好ましい。親水性溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール等のアルコール系溶媒、水等が挙げられる。アルコール系溶媒または水が好適に用いられる。親水性溶媒は1種または2種以上を用いることができる。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸塩、またはそのレドックス系など、特に限定することなく用いることができる。重合開始剤は全単量体に対して、0.01〜5質量%の範囲で用いることが好ましく、0.1〜3質量%の範囲がより好ましい。
重合反応は、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜100℃で通常1〜30時間行うことができる。重合終了後は、生成した共重合体を、溶媒留去、貧溶媒の添加など適宜の手段で反応液から単離するとよい。この共重合体はそのまま、またはさらに精製して、本発明の毛髪化粧料等の製造に用いることができる。精製は再沈澱、溶媒洗浄、膜分離など、適宜の手段を必要に応じて組み合わせて行うことができる。
本発明における共重合体は、ランダム共重合体やブロック共重合体、グラフト共重合体など任意の構造のものを用いることができ、特に限定されない。ランダム共重合体は、重合に用いる全モノマーを混合した状態に開始剤を添加して一度に反応させる方法や、モノマーの一部あるいは全量を滴下しながら徐々に反応させる方法等により合成することができる。モノマー組成を変化させながら滴下して重合することもできる。ブロック共重合体は、公知のラジカル開始剤または触媒などを利用して合成することができる。グラフト共重合体は、ビニル系官能基を有するマクロマーを利用する方法や、反応性官能基を有するポリマー同士を反応させる方法等により合成することができる。
なかでも、特別な工程を必要とせず安価な原料から合成することができるものが工業的な利用価値が高く望ましく、通常の原料を利用し最も簡便に製造し得るランダム共重合体が最も好ましい。
なお、本発明の毛髪化粧料に共重合体を配合する際に、複数種の共重合体を併用することもできる。その場合には共重合体を別々に合成したのち混合し配合することもできる。あるいは、まず1種の共重合体を製造し、その反応液中に他の種類の共重合体を構成するモノマー成分を添加して重合させることで、2種類の共重合体の混合物を得ることができる。同様にモノマー成分添加と重合を繰り返せば、さらに多種類の共重合体の混合物を得る事もできる。本発明においては、簡便に製造し得る後者の方法が好ましい。
本発明の毛髪化粧料に配合する上記共重合体の質量平均分子量は10,000〜2,000,000が好ましい。質量平均分子量を10,000以上とすることにより、例えば界面活性剤等を配合した場合、該界面活性剤とのコンプレックスが毛髪や肌に付着することによるコンディショニング効果がより高まる。より好ましくは100,000以上であり、さらに好ましくは200,000以上である。2,000,000以下とすることにより、粘度を適度に保つことができ、配合性が高まり、製造上取り扱いもより容易になる。共重合体の質量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(例えば、展開溶媒として、水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウムを用いる)により測定することができる。より好ましくは1,000,000以下であり、さらに好ましくは700,000以下である。
上記共重合体は粘度が適度な範囲の溶液であることが好ましく、例えば、25℃における20質量%水溶液の粘度が100,000mPa・s以下であるのが好ましく、より好ましくは50,000mPa・s以下、さらに好ましくは20,000mPa・s以下、最も好ましくは5,000mPa・s以下である。ただし、通常10mPa・s以上である。高濃度にした方が輸送が容易である。
粘度の調整は、例えば、共重合体の重合度を制御することによって行うことができる。また多官能アクリレートなどの架橋剤の添加量を増減することによっても分子量および粘度が制御できる。ただし架橋剤は少しでも添加しすぎると分子量および粘度が急激に増大してしまうなど、工業的に製造するうえでは制御が困難な面がある。分子量および粘度が大きくなりすぎると、配合性が低下することがあり好ましくない。このため架橋剤の添加量は、重合に際して分子量が増大しない範囲の量とするのが好ましい。例えば、共重合体の量に対して0.1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下である。最も好ましくは共重合体の重合の際に架橋剤を用いず、共重合体の構成成分として架橋剤を含まないことである。
共重合体の分子量の制御方法としては、連鎖移動剤を使用する方法もある。連鎖移動剤を添加すると分子量を小さくすることができる。ただし、添加量が多すぎると分子量が小さくなりすぎるなど、工業的に製造するうえでは制御が困難な面がある。また、連鎖移動剤として一般に使用されるチオール類、例えばチオグリコール、アルキルチオール、チオグリコール酸などは臭気の悪化の原因となるデメリットもある。したがって連鎖移動剤は含まないことが好ましい。
本発毛髪化粧料中における上記共重合体の配合量(実分)は、本発明の毛髪化粧料全量中に0.001〜0.5質量%である。0.001質量%未満ではなめらかさに欠け、一方、0.5質量%を超えると使用後、ごわつきを感じるようになってくる。
(3)植物油
本発明に用いられる植物油は、通常化粧料に用いられ得るものであれば特に限定されるものでなく、例えば、アボガド油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、米糠油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油等の天然系植物油が挙げられる。植物油は1種または2種以上を用いることができる。
本発毛髪化粧料中における上記植物油の配合量は、本発明の毛髪化粧料全量中に0.001〜2質量%であり、好ましくは0.01〜1質量%である。0.001質量%未満では毛髪のつや効果が得られず、一方、2質量%を超えると組成物の安定性を損なう。
本発明の毛髪化粧料にはさらに、界面活性剤を配合することができる。界面活性剤として、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、親油性非イオン性界面活性剤、親水性非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEと記す)ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンナトリウム等);ヒドロキシエーテルカルボン酸塩(例えば、ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテル塩(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各塩)等);リン酸エステル塩(POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POEアルキルエーテルカルボン酸;POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
親油性非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
親水性非イオン性界面活性剤としては、例えば、POEソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等);POEグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEモノオレエート等);POE脂肪酸エステル類(例えば、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POEアルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POPアルキルエーテル類(例えば、POE・POPセチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等);POEミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POEソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEプロピレングリコール脂肪酸エステル;POEアルキルアミン;POE脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POEアルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
界面活性剤は、毛髪化粧料の種類、用途、等に応じて適宜、任意のタイプのものを使用することができる。例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤は洗浄性成分としてシャンプー等へ好適に適用され、カチオン性界面活性剤はリンス等への適用が挙げられるが、これら例示に各界面活性剤の適用が限定されるものでないことはいうまでもない。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は毛髪化粧料全量中に0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。0.1質量%未満では界面活性剤配合の効果が得られ難く、一方、30質量%を超えると、例えばアニオン性界面活性剤では、使用後きしみ若しくはぬめりを感じる傾向がみられる。
本発明の毛髪化粧料にはさらに、コンディショニング効果をより向上させる等の点からシリコーン油、高級アルコールを油分として配合してもよい。特に高級アルコールはカチオン性界面活性剤とラメラ構造を形成することが知られている。このようなゲルはのびがよく、髪なじみも良好であり、ヘアリンス、コンディショナーなどに好適である。
上記シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等)、環状ポリシロキサン(オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性シリコーン(アルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等)などが挙げられる。また、配合し得るシリコーン油の粘性に制限はないが、コンディショニング効果の高さの点から、高粘性のシリコーン油が特に好ましい。
上記高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等)、分岐鎖アルコール(モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)などが挙げられる。高級アルコールは通常、炭素原子数8以上のアルコールを指すが、本発明においては炭素原子数8〜22のアルコールを使用するのが好ましく、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールを使用することがより好ましい。
上記したシリコーン油、高級アルコールの他油分を配合する場合、その配合量は毛髪化粧料に対し0.1〜3質量%が好ましい。
油分としては、上記のシリコーン油、高級アルコールの他、流動パラフィン、脂肪酸アルキルエステル油等を配合してもよい。
またさらに、常温で固体ないし半固体の油分を配合することができ、特に整髪性を高める場合に好適に配合される。常温で固体ないし半固体の油分としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、モンタンロウ、ラノリン、モクロウ、オゾケライト、酢酸ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸グリセリド、硬化ヒマシ油、ヤシ油、パーム油、ワセリン、セラックロウ、ビースワックスなどが挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。常温で固体ないし半固体の油分を配合する場合、その配合量は、乾燥固形分として毛髪化粧料全量中に0.1〜30質量%程度が好ましく、より好ましくは1〜20質量%である。
本発明ではさらに、被膜形成性成分として、本発明で用いる上記共重合体以外の水溶性高分子、カチオン性高分子、アニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子等を配合してもよい。
上記水溶性高分子としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等が挙げられる。カチオン性高分子としては、カチオン変性セルロースエーテル誘導体、ポリジメチルジアリルアンモニウムハライド、ジメチルジアリルアンモニウムハライドとアクリルアミドのコポリマー等が挙げられる。また、アニオン性高分子としては、アクリル酸誘導体(ポリアクリル酸およびその塩、アクリル酸・アクリルアミド・アクリル酸エチル共重合体およびその塩等)、メタクリル酸誘導体、クロトン酸誘導体等が、ノニオン性高分子としては、アクリル酸誘導体(アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、ポリアクリルアミド等)、ビニルピロリドン誘導体(ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体等)が、そして両性高分子としては、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等)等が挙げられる。これらは、0.1〜1質量%含有させることが好ましい。
その他の成分として、動植物の天然エキスおよびその誘導体、クエン酸、乳酸等の有機酸、塩化ナトリウム等の無機塩、アミノ酸類(グルタミン酸またはその塩、アルギニンまたはその塩、グリシンなど)、可溶化剤(エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、多価アルコール類(エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、イソプレングリコール等)、糖類(ソルビトール、マルチトール、キシリトール、グルコース、フルクトース、マンニトール、イノシトール等)、ヒアルロン酸等の高分子類、酸化防止剤、紫外線吸収剤、殺菌剤、防腐剤、キレート剤、香料、色剤、高級脂肪酸、増粘剤、金属封鎖剤(エデト酸塩等)、pH調整剤、起泡増進剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。
本発明の毛髪化粧料は、毛髪に使用する任意の化粧料を意味し、例えば、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、インバスヘアトリートメントなどの毛髪用洗浄料タイプや、アウトバスヘアスタイリング剤、アウトバスヘアトリートメント、アウトバスヘアスプレー、アウトバスヘアフォーム、アウトバススタイリングなどの毛髪用整髪料タイプ等の、いわゆる毛髪処理剤等を広く含むものである。剤型も水溶液系、乳化系、ゲル系など幅広い形態をとり得る。
また、その使用形態も、肌や毛髪等に塗布し全体によくなじませた後に洗い流す(すすぐ)ものや、洗い流さないもの等、いずれも含み得る。
次に実施例によりさらに本発明を詳述するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。
1.共重合体の製造
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管および撹拌装置を備えた反応器に蒸留水200質量部を仕込み、滴下ロートにN−アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(DMAPAAC)47質量部(80質量%水溶液として59質量部)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)53質量部、および蒸留水80質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換した後、90℃まで加熱した。反応器に2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)0.5質量部を投入後、単量体混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後から20時間反応させた後、冷却し、共重合体1を得た。
得られた共重合体1の、全構成単位中の各単量体に相当する構成単位の割合は、DMAPAAC/DMAA=30/70(モル%)であり、質量平均分子量は430,000であり、20質量%水溶液の粘度は1490mPa・sであった。
なお質量平均分子量の測定は次のように行った。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(装置:東ソー株式会社製、SC8010,SD8022,RI8020,CO8011,PS8010、カラム:和光純薬工業株式会社 Wakopak(Wakobeads G−50)、展開溶媒:水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム=6/4/0.3/0.41)を用いて、ポリエチレングリコールを標準物質として質量平均分子量を求めた。
粘度の測定は、B型粘度計を用い、ローターNo.2を使用して30rpm、25℃で実施した。
また、単量体としてDMAPAACとN,N−ジエチルアクリルアミド(DEAA)を用いて、上記と同様にして共重合体2を得た。得られた共重合体2の、全構成単位中の各単量体に相当する構成単位のモル%と質量平均分子量、20%水溶液粘度を、共重合体1とともに、表1に示す。なお表1中における単量体組成の数値はすべて固形分(実分)としての質量である。また質量平均分子量の欄のkは1000を表す。
Figure 0005280873
表1中、各符号は以下の化合物を示す。
DMAPAAC: N−アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、
DMAA: N,N−ジメチルアクリルアミド、
DEAA: N,N−ジエチルアクリルアミド。
2.毛髪化粧料の調製
上記表1に示す単量体組成を有する共重合体1、2を用い、下記表2の組成を有する毛髪化粧料(ヘアコンディショナー)を常法により調製した。調製した各試料について、次に示す評価試験を実施し、それぞれの評価項目に従って評価を行った。結果を表2に示す。なお、表2における数値はすべて配合量(実分)の質量%を示す。
[毛髪引っ張り強度改善効果]
ラベルリングした健常黒髪40本を高感度毛髪引っ張り試験機(「KES−G1−SH」;カトーテック(株)製)を用い、3分間水中で馴化した状態での引っ張り強度試験を行った。測定は、毛髪長が20%進展する条件、具体的には5cmの毛髪を6cmに伸展させた状態での引っ張り強度荷重値を20%INDEXとした。
他方、パーマ処理(パーマ1剤浸漬15分間・パーマ2剤浸漬15分間の後、洗浄・乾燥)を行った毛髪を、上記と同様に引っ張り強度測定を行った。
そして、このパーマ処理毛髪を10本ずつに分け、表2に示す試料(溶液)による処理(溶液中に60分間浸漬・乾燥)した後に、再度、上記方法にて引っ張り強度測定を行った。
毛髪引っ張り強度評価は、1本ずつの健康毛髪、パーマ処理毛髪、表2に示す試料(溶液)による処理後の毛髪それぞれの20%INDEXから、下記数1に示す数式にて毛髪引っ張り強度改善度を算出し、N=10の平均値を小数点以下切り捨てて行った。
(毛髪引っ張り強度改善度)
(数1)
毛髪引っ張り強度改善度(%)=[(C−B)/(A−B)]×100
ただし上記式中、A、B、Cは以下の値を示す。
A: 健康毛髪20%INDEX
B: パーマ処理毛髪20%INDEX
C: 実施例および比較例処理20%INDEX
上記毛髪引っ張り強度改善度(%)から、下記基準により、毛髪引っ張り強度改善効果について評価した。
(評価基準)
◎: 毛髪引っ張り強度改善度が20%以上
○: 毛髪引っ張り強度改善度が10%以上20%未満
△: 毛髪引っ張り強度改善度が5%以上10%未満
×: 毛髪引っ張り強度改善度が5%未満。
[毛髪のつや効果]
長さ15cmの500〜600本からなる損傷毛髪束に、試料1gを塗布し、40℃の温水(300ml)中で、振盪すすぎ(100サイクル)を2回繰り返した後、この毛髪束を乾燥させた。この毛髪束から、任意に10本の毛髪を選び、変角光度計GP−IR[(株)村上色彩研究所製]で入射された光に対する毛髪の反射光分布を測定し、毛髪の光沢度(つや)を下記数2に示す数式により求めた。
(数2)
G=s/d(G:光沢度、s:正反射光量、d:拡散反射光量)
上記の方法で求められた光沢度Gから下記基準により、毛髪へのつや付与効果を以下のように評価した。
(評価基準)
◎:光沢度(G)が15以上
○:光沢度(G)が10以上〜15未満
△:光沢度(G)が5以上〜10未満
×:光沢度(G)が5未満。
[なめらかさ]
専門パネル(10名)により、ブリーチ処理した毛髪のストランドに試料を2g塗布し試験を行い、乾燥後のなめらかさを官能評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価基準)
◎:8名以上がなめらかさがあると回答
○:6〜7名がなめらかさがあると回答
△:3〜5名がなめらかさがあると回答
×:2名以下がなめらかさがあると回答。
Figure 0005280873
表2の結果から明らかなように、実施例1〜6の毛髪化粧料は、比較例1〜3に比べ、本発明構成成分を組み合せることで毛髪損傷改善効果に優れるとともに、つや、なめらかさ付与効果が格段に向上したことが確認された。
以下にさらに処方例を示す。
(実施例7:シャンプー)
(配 合 成 分) (質量%)
ヒドロキシエチルウレア 1.0
共重合体1 0.2
ツバキ油 0.01
カチオン化グアガム 0.2
ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム 10.0
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
ココアンホ酢酸ナトリウム 1.0
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 1.0
ジステアリン酸エチレングリコール 1.5
クエン酸 0.2
グルタミン酸 0.1
ジプロピレングリコール 1.5
加水分解コンキオリン 0.01
ジラウロイルグルタミン酸リシンNa 0.01
加水分解コムギタンパク 0.1
加水分解コムギデンプン 0.01
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 0.1
安息香酸ナトリウム 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(実施例8:シャンプー)
(配 合 成 分) (質量%)
ヒドロキシエチルウレア 0.1
共重合体2 0.4
大豆油 0.5
ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム 14.0
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 6.0
アシルメチルタウリンナトリウム 4.0
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 2.0
ジステアリン酸エチレングリコール 1.5
カチオン化ローカストビーンガム 0.4
カチオン化セルロース 0.1
クエン酸 0.2
ジメチコン 1.0
ジプロピレングリコール 2.0
安息香酸ナトリウム 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(実施例9:ヘアコンディショナー)
(配 合 成 分) (質量%)
ヒドロキシエチルウレア 2.0
共重合体1 0.002
ツバキ油 0.01
流動パラフィン 1.0
ジメチルポリシロキサン 5.0
ポリシリコーン−13 0.2
(「FZ−2250」;東レダウコーニング社製)
セタノール 4.0
ステアリルアルコール 1.0
ステアリルPGジメチルアミン 1.0
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 1.0
グルタミン酸 0.05
ジプロピレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール(平均分子量400万) 0.1
フェノキシエタノール 0.3
ヒドロキシエチルセルロース 0.2
香料 適量
イオン交換水 残余
(実施例10:ヘアコンディショナー)
(配 合 成 分) (質量%)
ヒドロキシエチルウレア 2.0
共重合体1 0.002
ホホバ油 0.01
パルミチン酸オクチル 1.0
ジメチルポリシロキサン 3.0
ベヘニルルアルコール 2.0
ステアリルアルコール 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.5
クエン酸 0.01
イソプレングリコール 2.0
フェノキシエタノール 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(実施例11:ヘアトリートメント)
(配 合 成 分) (質量%)
ヒドロキシエチルウレア 0.5
共重合体1 0.2
オリーブ油 2.0
ワセリン 1.0
ジメチルポリシロキサン 3.0
アミノプロピルジメチコン 3.0
(ビスイソブチルPEG−14/アモジメチコン)コポリマー 0.1
(「Silstyle 104」;東レダウコーニング社製)
セタノール 3.0
ステアリルアルコール 4.0
ステアリルPGジメチルアミン 2.0
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 1.5
グルタミン酸 0.05
ジプロピレングリコール 5.0
ジラウロリルグルタミン酸リシンNa 0.01
フェノキシエタノール 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
本発明の毛髪化粧料は、傷んだ毛髪に対し損傷改善・補修効果を示すとともに、毛髪のつや、なめらかさの効果に優れる。

Claims (2)

  1. (1)下記式(I)で示されるヒドロキシエチルウレアを0.01〜2質量%と、
    (2)下記式(II)で表されるカチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位と、下記式(III)で表されるノニオン性ビニル系単量体(B)に相当する構成単位を含む共重合体であって、共重合体を構成する全構成単位における前記カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合が25〜45モル%であり、かつ前記ノニオン性ビニル系単量体(B)に相当する構成単位の割合が75〜55モル%である共重合体を0.001〜0.5質量%と、
    (3)植物油を0.001〜2質量%と、を含有する毛髪化粧料。
    [式(I)]:
    Figure 0005280873
    [式(II)]:
    Figure 0005280873
    [式中、R1は水素原子またはメチル基を表し;R2、R3はそれぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し;R4は水素原子、炭素原子数1〜24のアルキル基、アリール基、アラルキル基または−CH2−CH(OH)−CH2−N+567・Y-を表し(ここで、R5、R6、R7はそれぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、Y−は陰イオンを表す);X-は陰イオンを表し;nは1〜10の整数を表す。]
    [式(III)]:
    Figure 0005280873
    [式中、R5は水素原子またはメチル基を表し;R6、R7はそれぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、R6とR7の炭素原子数の和は1〜4である。]
  2. 前記共重合体の質量平均分子量が10,000〜2,000,000である、請求項1記載の毛髪化粧料。
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