JP5852072B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前部側方からシート下方側方に亘って車体を覆う車体カバーを備えた鞍乗り型車両に関する。
従来、シュラウドを後方及び下方に大型化して、乗員の足当たりを改善した構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−25376号公報
シュラウドが大型化すると、車体フレーム等にシュラウドを締結する締結箇所が多くなり、部品点数が増加したり、締結部分が車幅方向に突出して車体の大型化を招く。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、車体フレーム等へのシュラウドの締結箇所を減らすことが可能な鞍乗り型車両を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、車体フレーム(11)前部に設けられた操舵機構(12)と、この操舵機構(12)の後方に配置された動力源(13)と、この動力源(13)の後上方に配置されたシート(52)と、このシート(52)の左右下方に設けられたステップ(68)と、前記操舵機構(12)の側方から前記シート(52)の側方下方に亘って車体側方を覆う車体カバー(55)とを備えた鞍乗り型車両において、前記車体カバー(55)は、前記車体フレーム(11)の前端部側からシート(52)の側縁の下方まで一体に延びて車体側方を覆うサイドカバー(71)と、このサイドカバー(71)の前部に支持されるシュラウド(72)とを備え、前記サイドカバー(71)は、前記動力源(13)の側方を覆う前部(71D)と、この前部(71D)の上方及び上後方且つ前記シート(52)より前方の側方を覆う前部上部(71E)と、前記シート(52)の側方下方を覆う後部(71F)とを備えるとともに、前記前部(71D)に前締結部(71m)が設けられ、前記後部(71F)の後端部に後締結部(71z)が設けられ、前記前締結部(71m)、前記後締結部(71z)間の前記後部(71F)に中間締結部(71y)が設けられ、これら前締結部(71m)、中間締結部(71y)、後締結部(71z)で前記サイドカバー(71)が前記車体フレーム(11)に締結され、前記シュラウド(72)は、インナーシュラウド(77)及びアウターシュラウド(76)を備え、前記アウターシュラウド(76)は、前記サイドカバー(71)及び前記インナーシュラウド(77)に支持され、前記インナーシュラウド(77)は、前記車体フレーム(11)に複数の方向から支持されることを特徴とする。
上記構成において、前記車体フレーム(11)は、前記操舵機構(12)を回動可能に支持するヘッドパイプ(21)と、このヘッドパイプ(21)から後方へ延出しつつシートレール(24)が連結されるメインフレーム(22)と、前記ヘッドパイプ(21)から前記動力源(13)の前方に向けて下方に延出するダウンフレーム(27)とを備え、前記サイドカバー(71)は、前記前締結部(71m)が前記ダウンフレーム(27)に支持され、前記後締結部(71z)が前記シートレール(24)に支持されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記シュラウド(72)は、前記前締結部(71m)に隣接して配置されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記サイドカバー(71)は、前記前締結部(71m)又は前記後締結部(71z)がラバーマウントされていても良い。
また、上記構成において、前記シュラウド(72)は、左右一対設けられ、左右のシュラウド(72)間にラジエータ(81)が配置され、このラジエータ(81)の後方の前記サイドカバー(71)に、後方に開口する排風口(71k)が設けられ、この排風口(71k)を囲むように排風通路(94)が設けられるようにしても良い。
また、上記構成において、前記排風口(71k)の開口面積よりも小さい面積を有し、前記排風口(71k)外側端から車体内方に向けて突出する遮蔽板(71s)が設けられるようにしても良い。
また、上記構成において、前記シュラウド(72)は、側面視で前記アウターシュラウド(76)と前記サイドカバー(71)の前部とで形成され、前記アウターシュラウド(76)の後方に前記サイドカバー(71)が露出するようにしても良い。
本発明は、車体カバーが、動力源の側方を覆う前部と、この前部の上方及び上後方且つシートより前方の側方を覆う前部上部と、シートの側方下方を覆う後部とを備えるとともに、前締結部、後締結部、これら前後締結部間に位置する中間締結部で車体フレームに締結されるサイドカバーと、このサイドカバーの前部に支持されるシュラウドとを備え、シュラウドは、インナーシュラウド及びアウターシュラウドを備え、アウターシュラウドは、サイドカバーに支持され、インナーシュラウドは、車体フレームに支持されるので、サイドカバーをエンジン側方からシート側方下方まで大型化して車体フレームとの締結を良好としつつ、特にシュラウドのアウターシュラウドをサイドカバーを介して車体フレームに支持させることで、車体フレームへの締結箇所を削減できる。
また、車体フレームは、操舵機構を回動可能に支持するヘッドパイプと、このヘッドパイプから後方へ延出しつつシートレールが連結されるメインフレームと、ヘッドパイプから動力源の前方に向けて下方に延出するダウンフレームとを備え、サイドカバーは、前締結部がダウンフレームに支持され、後締結部がシートレールに支持されるので、大型のサイドカバーを車体フレームの前後に亘って配置することで、締結部同士の間隔を広くして締結を良好とすることができる。
また、シュラウドは、前締結部に隣接して配置されるので、走行風を受けるシュラウドを前締結部に隣接配置して、シュラウドの撓みを少なくし、支持を良好とすることができる。
また、サイドカバーは、前締結部又は後締結部がラバーマウントされているので、大型のサイドカバーの歪みを吸収し、締結作業性を良好とすることができる。
また、シュラウドは、左右一対設けられ、左右のシュラウド間にラジエータが配置され、このラジエータの後方のサイドカバーに、後方に開口する排風口が設けられ、この排風口を囲むように排風通路が設けられるので、シュラウドをラジエータシュラウドとしつつ、サイドカバーに排風口及び排風通路を一体形成することで、排風を良好にしつつ大型のサイドカバーを補強することができる。
また、排風口の開口面積よりも小さい面積を有し、排風口外側端から車体内方に向けて突出する遮蔽板が設けられるので、排風口の前方に配置された配線などを遮蔽板で遮蔽することで外観性を向上させることができる。
また、シュラウドは、側面視でアウターシュラウドとサイドカバーの前部とで形成され、アウターシュラウドの後方にサイドカバーが露出するので、アウターシュラウドの小型・軽量化を図ることができる。
本発明の一実施形態の自動二輪車を示す左側面図である。 自動二輪車の要部を示す左側面図である。 自動二輪車の要部を示す正面図である。 図2のIV矢視図である。 図2に示した自動二輪車からアウターシュラウドを外した状態を示す左側面図である。 図3からシュラウドを外した状態を示す正面図である。 図1のVII−VII線断面図である。 サイドカバーを示す側面図である。 図8のIX矢視図である。 アウターシュラウドを示す説明図である。 インナーシュラウドを示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LEは車体左方を示している。
図1は、本発明の一実施形態の自動二輪車10を示す左側面図である。
自動二輪車10は、骨格となる車体フレーム11の前端部に前部サスペンションを兼ねる操舵機構12が設けられ、車体フレーム11の中央部にエンジン13が支持され、車体フレーム11の下部に後部サスペンション14が設けられた鞍乗り型車両である。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ21と、それぞれ左右一対(手前側の構成のみ示す)設けられたメインフレーム22、センタフレーム23、シートレール24(図2参照)、サブフレーム26、ダウンフレーム27を備える。
ヘッドパイプ21は、車体フレーム11の前端部を構成し、操舵機構12を回動可能に支持している。メインフレーム22は、ヘッドパイプ21から後方斜め下方に延びている。センタフレーム23は、メインフレーム22の後端部からほぼ下方に延びている。シートレール24は、メインフレーム22の中間部から後方斜め上方に延びている。サブフレーム26は、センタフレーム23の上端部から後方斜め上方に延びて後端部がシートレール24の下部に固定されている。ダウンフレーム27は、ヘッドパイプ21からメインフレーム22よりも大きな傾斜角で下方斜め後方に延びている。
操舵機構12は、ヘッドパイプ21に回動可能に支持されたフロントフォーク31と、フロントフォーク31の上端部に固定されたバーハンドル32とを備え、フロントフォーク31の下端部に車軸34を介して前輪35が回転可能に支持されている。フロントフォーク31は、前輪35を懸架する懸架装置を構成している。
エンジン13は、その後部に一体的に変速機16を備え、車体フレーム11のメインフレーム22、センタフレーム23及びダウンフレーム27で支持されている。
後部サスペンション14は、左右一対のセンタフレーム23を貫通するように設けられたピボット軸41と、ピボット軸41に上下揺動可能に支持されたスイングアーム42と、車体フレーム11及びスイングアーム42のそれぞれに渡されたリヤクッションユニット(不図示)とを備え、スイングアーム42の後端部に車軸44を介して後輪45が回転可能に支持されている。
メインフレーム22の上部には燃料タンク51が取付けられ、シートレール24の上部にはシート52が取付けられている。シート52は、燃料タンク51の後方に配置された運転者用シート52Aと、運転者用シート52Aの後方に配置された同乗者用シート52Bとを備える。
フロントフォーク31の両側方からシート52の両側縁の下方に亘って、メインフレーム22の前部の両側方、ダウンフレーム27の前部の両側方、燃料タンク51の前部の両側方を含むように、車体の両側方を覆う車体カバー55が設けられている。
ここで、符号61はヘッドライト、62は前輪35を上方から覆うフロントフェンダ、63はエンジン13を下方から覆うアンダカバー、64はサイドスタンド、66はテールランプ、67は後輪45を上方から覆うリアフェンダ、68,69はそれぞれシート52の左右下方に設けられた運転者用ステップ及び同乗者用ステップである。
図2は、自動二輪車10の要部を示す左側面図である。
車体フレーム11は、メインフレーム22とダウンフレーム27とに渡された補強フレーム28A,28B,28Cを備える。
エンジン13は、クランクケース36と、クランクケース36から立ち上げられたシリンダ部37とを備え、クランクケース36の後部に一体的に変速機38が設けられた駆動源である。
車体カバー55は、ヘッドパイプ21側からシート52(詳しくは、運転者用シート52A)の側縁の下方まで一体に延びて車体側方を覆う左右一対のサイドカバー71と、サイドカバー71の前部を側方から覆う左右一対のシュラウド72と、サイドカバー71の後部上部を側方から覆う側部カバー73と、シート52の側縁の下方からテールランプ66の前方側方まで延びる左右一対のリアボディカバー78(図1参照)とを備える。
シュラウド72は、サイドカバー71の前部外側面に取付けられたアウターシュラウド76と、サイドカバー71の前部の内側に配置されたインナーシュラウド(不図示)とから構成されている。アウターシュラウド76は、側面視略V字を横向きにした形状を有し、その前縁76aが側面視でヘッドパイプ21の前縁21aとほぼ一致し、V字の角部に後上がりの延びる側部溝部76bが形成されている。側部溝部76bは、サイドカバー71に形成された後上がりの溝部71bに一直線状に連続している。
図3は、自動二輪車10の要部を示す正面図である。
左右のアウターシュラウド76,76間の上部には、左右のメインフレーム22,22及び左右のダウンフレーム27,27の側方に位置する左右一対のインナーシュラウド77,77が設けられ、車体カバー55の内側を露出しないようにしている。また、左右のアウターシュラウド76,76間の下部には、横長のラジエータ81が配置されている。
左右のアウターシュラウド76,76は、正面視では、上端が燃料タンク51の高さ方向の中間部に配置され、下端がラジエータ81の略下端の高さ位置に配置されている。
ラジエータ81は、左右のダウンフレーム27,27の前部に取付けられ、左右一対のタンク部82,82と、左右のタンク部82,82間に設けられたコア部83とから構成されている。タンク部82は冷却水を一時的に貯める部分であり、コア部83は左右のタンク部82,82を連通させる複数の冷却水通路と、隣り合う冷却水通路間に設けられた複数の放熱用フィンとを備える。コア部83は左右のダウンフレーム27,27の下部の間隔と略同一であり、左右のタンク部82,82は左右のダウンフレーム27,27より車幅方向外側に位置し、サイドカバー71(図2参照)の前部及びアウターシュラウド76,76は、タンク部82,82の車幅方向外側に配置されている。
図4は、図2のIV矢視図であり、ヘッドパイプ21の軸方向から見た図である。
アウターシュラウド76,76は、それぞれ平面視で車両前方に延びる略V字形状の上壁76c,76cを備え、これら上壁76c,76cの車幅方向内側にインナーシュラウド77,77の上壁77c,77cが配置されている。上壁76c,76c及び上壁77c,77cは、連続する面を形成し、左右のシュラウド72,72が、それぞれ一体的な印象を与えている。なお、符号86は燃料タンク51の給油口を塞ぐキャップを覆うキャップカバー、87は燃料タンク51の前部を上方から覆うタンク前部カバーである。タンク前部カバー87は、燃料タンク51の前部に設けられたカバー取付け部51a,51aに取付けられる。
図5は、図2に示した自動二輪車10からアウターシュラウド76を外した状態を示す左側面図である。
サイドカバー71は、エンジン13のシリンダ部37及びラジエータ81を側方から覆う側面視略U字形状の前部71Dと、前部71Dの上方及び燃料タンク51の下部を側方から覆う側面視略L字形状の前部上部71Eと、前部上部71Eの後方且つ燃料タンク51及びシート52の下方を側方から覆う側面視略逆三角形状の後部71Fとを備える。
前部71Dは、ラジエータ81の側方に位置する前片部71gと、シリンダ部37の側方に位置する後片部71hと、前片部71g及び後片部71hのそれぞれの下端を繋ぐ下片部71jとから形成されている。前部71Dには、前片部71g、後片部71h、下片部71j及び前部上部71Eに囲まれるとともにラジエータ81の排風をサイドカバー71の内側から外側へ排出する排風口71kが開けられている。排風口71kは、側方及び後方に向けて開口している。前片部71gの下端部には、前片部71gをダウンフレーム27に締結する前締結部71mが設けられ、前締結部71mがボルト91でダウンフレーム27に締結されている。
前部上部71Eは、燃料タンク51の下部の側方に位置する中片部71pと、中片部71pから前方斜め下方に延びて前部71Dに隣接する斜片部71qとから形成されている。中片部71pの下辺71rは、メインフレーム22の上縁に沿って延びている。
後部71Fは、燃料タンク51及びシート52側に位置する上片部71tと、上片部71tの下側に隣接する下片部71uとから形成されている。
上片部71tは、車体前後方向に延びている。下片部71uは、略逆三角形状であり、2つの斜辺71v,71wが下縁を形成し、斜辺71vがメインフレーム22及びセンタフレーム23の各上縁に沿って延び、斜辺71wがセンタフレーム23及びサブフレーム26の各上縁に沿って延びている。
2つの斜辺71v,71wで形成される角部71xの近傍には、下片部71uをセンタフレーム23に締結する中間締結部71yが設けられ、中間締結部71yがボルト92で車体フレーム11に締結されている。また、上片部71tの後端部には、上片部71tをシートレール24に締結する後締結部71zが設けられ、後締結部71zがボルト93でシートレール24に締結されている。
このように、前締結部71m、中間締結部71y及び後締結部71zは、ニーグリップ部(サイドカバー71の斜片部71q及び上片部71t及び燃料タンク51の後部側部)には配置されておらず、側方に突出しないため、ニーグリップしやすくなっている。
インナーシュラウド77は、ヘッドパイプ21の下部を側方から覆い、上壁77cから一体に下方に縦壁77dが延びている。上壁77cは前下がりに延び、縦壁77dの前縁77eは、ヘッドパイプ21の前縁21aに沿って延び、縦壁77dの下縁77fは、側面視で前縁77eに略直交するように前上がりに延びている。縦壁77dの後部下部には、ラジエータ81との干渉を防ぐ切欠き部77gが形成されている。
図6は、図3からシュラウド72,72を外した状態を示す正面図、図7は、図1のVII−VII線断面図である。
図6に示すように、サイドカバー71の前部71Dにおいて、排風口71kが、ラジエータ81のタンク部82の上部に対して後方且つ車幅方向外側に開口し、ラジエータ81を通過した排風を排出可能としている。また、前部71Dの前片部71g,71gの前端部71n,71nは、車幅方向内側に延びてタンク部82,82の下部及びラジエータ81のダウンフレーム27,27への取付け部を車体前方から覆っている。
左右のメインフレーム22,22の上部には、左右のインナーシュラウド77,77(図3参照)の上部を支持するために車幅方向に延ばされたステー95が取付けられている。
ステー95は、左右端部のそれぞれに、上方及び側方に屈曲する屈曲部95aが形成され、各屈曲部95aにビス96がねじ結合される。
また、左右の補強フレーム28A,28Aの側部には、それぞれ車幅方向外側に突出するブラケット97が取付けられている。ブラケット97にはビス98がねじ結合される。
図7に示すように、サイドカバー71の前締結部71m又は後締結部71z(図5参照)は、車体フレーム11にラバーマウントされている。詳しくは、前締結部71mについては、ダウンフレーム27に側方に突出するようにカバーブラケット101が設けられ、カバーブラケット101にラバー102を介して前締結部71mがボルト91で固定されている。後締結部71zがラバーマウントされる場合についても、前締結部71mと同様に締結される。
サイドカバー71の前部71Dにおける前片部71gは、排風口71kの前縁から車幅方向内側へ延びる遮蔽板71sを一体に備える。遮蔽板71sは、排風口71kよりも面積が小さく、また、表面に複数のリブが形成されて遮蔽板71s自体の剛性が確保され、車体振動に伴う振動が抑制される。排風口71kをサイドカバー71の側方又は側方斜め後方から見たときには、遮蔽板71sによってサイドカバー71の内側が見えにくくなり、外観性を向上させることができる。また、遮蔽板71sによって前片部71gの剛性が確保される。遮蔽板71sの周囲には、排風口71kを囲むように排風通路94が設けられている。排風通路94は、サイドカバー71にほぼ前後方向に延びる溝部71bを形成することでサイドカバー71の内側に形成される。溝部71bは、ラジエータ81(図6参照)よりも上方に設けられるため、ラジエータ81の排風は、溝部71bの内面によって上方(運転者側)への流れが遮られるとともに、排風口71kへ効率良く導かれる。
図8は、サイドカバー71を示す側面図、図9は、図8のIX矢視図である。
図8に示すように、サイドカバー71は、車体フレーム11に締結される締結部として、前部71Dに前締結部71m、後部71Fに中間締結部71y及び後締結部71zを備え、前締結部71m、中間締結部71y及び後締結部71zにそれぞれ締結用ボルトを通すボルト挿通穴74aが開けられている。サイドカバー71の材質としては、例えば、黒色のポリプロピレン(PP)が好適である。
図8及び図9において、サイドカバー71の裏面には、車体側に支持される部分として車体内方に突出する複数の突出部が形成されている。即ち、前部71Dの後片部71hには第1突出部74c、前部上部71Eの中片部71pには第2突出部74d、後部71Fの上片部71tには第3突出部74e及び第4突出部74fが形成されている。
図5、図8及び図9において、上記の第1突出部74cは、補強フレーム28C側に設けられた嵌合穴に嵌合され、第2突出部74d及び第4突出部74fは、燃料タンク51の下部に設けられた嵌合穴に嵌合され、第3突出部74eは、メインフレーム22側に設けられた嵌合穴に嵌合されて、それぞれ固定される。
図8において、遮蔽板71sは、排風口71kの前縁に沿って且つその前縁より上方まで長く形成されている。このように、排風口71kの前縁に遮蔽板71sを形成することで、排風口71kを設けたことによるサイドカバー71の剛性低下を補うことができる。
図10(A),(B)は、アウターシュラウド76を示す説明図である。図10(A)はアウターシュラウド76の正面図、図10(B)はアウターシュラウド76の側面図である。
図10(A)に示すように、アウターシュラウド76は、外側面に形成された側部溝部76bを境に上下に形成された上シュラウド部76F及び下シュラウド部76Gで構成される。
アウターシュラウド76の材質としては、ABS樹脂が好適である。
上シュラウド部76Fは、上端部に車体内側に延びる上壁76cを備える。下シュラウド部76Gは、下端部に車体内方に延びる下壁76hを備える。
図10(B)に示すように、側部溝部76eは、後方斜め上方に延びている。
図10(A),(B)において、アウターシュラウド76の裏面には、アウターシュラウド76をサイドカバー71(図8及び図9参照)に取付ける際にビスがねじ込まれる複数のねじ穴が形成されている。即ち、上シュラウド部76Fには、第1ねじ穴76k、第2ねじ穴76m及び第3ねじ穴76nが形成されている。また、下シュラウド部76Gには、第4ねじ穴76p、第5ねじ穴76q、第6ねじ穴76r、第7ねじ穴76sが形成されている。
図8及び図10に(B)おいて、サイドカバー71には、アウターシュラウド76の第1ねじ穴76k、第2ねじ穴76m、第3ねじ穴76n、第4ねじ穴76p、第5ねじ穴76q、第6ねじ穴76r、第7ねじ穴76sにそれぞれ対応する位置に、車体内方からビスを通す第1ビス挿通穴74h、第2ビス挿通穴74j、第3ビス挿通穴74k、第4ビス挿通穴74m、第5ビス挿通穴74n、第6ビス挿通穴74p、第7ビス挿通穴74qが開けられている。
上記したように、アウターシュラウド76は、サイドカバー71及びインナーシュラウド77に取付けられ、車体フレーム11(図5参照)に直接に締結されていない。
図11(A),(B)は、インナーシュラウド77を示す説明図である。図11(A)はインナーシュラウド77の正面図、図11(B)はインナーシュラウド77の側面図である。
図11(A),(B)に示すように、インナーシュラウド77の上壁77cには、車体フレーム11側のステー95(図6参照)にインナーシュラウド77を取付ける際にビス96(図6参照)を通すビス挿通穴77jが開けられている。またインナーシュラウド77の縦壁77dには、車体フレーム11側のブラケット97(図6参照)にインナーシュラウド77を取付ける際にビス98(図6参照)を通すビス挿通穴77kが開けられている。
また、縦壁77dには、アウターシュラウド76(図10(A),(B)参照)とビスで締結するためにビスを通すビス挿通穴77m,77n,77pが開けられている。
インナーシュラウド77の材質としては、ABS樹脂が好適である。
図10(B)及び図11(B)において、インナーシュラウド77のビス挿通穴77m,77n,77pに対応して、アウターシュラウド76の裏面に、ビス挿通穴77m,77n,77pに通されたビスがねじ結合されるシュラウドねじ穴76u,76v,76wが形成されている。
以上の図1、図2、図3及び図5に示したように、車体フレーム11の前部に設けられた操舵機構12と、この操舵機構12の後方に配置された動力源としてのエンジン13と、このエンジン13の後上方に配置されたシート52と、このシート52の左右下方に設けられた運転者用ステップ68と、操舵機構12の側方からシート52の側方下方に亘って車体側方を覆う車体カバー55とを備えた鞍乗り型車両としての自動二輪車10において、車体カバー55は、エンジン13の側方を覆う前部71Dと、この前部71Dの上方及び上後方且つシート52より前方の側方を覆う前部上部71Eと、シート52の側方下方を覆う後部71Fとを備えるとともに、前締結部71m、後締結部71z、これら前後締結部71m,71z間に位置する中間締結部71yで車体フレーム11に締結されるサイドカバー71と、このサイドカバー71の前部に支持されるシュラウド72とを備え、シュラウド72は、インナーシュラウド77及びアウターシュラウド76を備え、アウターシュラウド76は、サイドカバー71に支持され、インナーシュラウド77は、車体フレーム11に支持される。
この構成によれば、サイドカバー71をエンジン13の側方からシート52の側方下方まで大型化して車体フレーム11との締結を良好としつつ、特にシュラウド72のアウターシュラウド76をサイドカバー71を介して車体フレーム11に支持させることで、車体フレーム11への締結箇所を削減できる。このように、サイドカバー71は一体のカバーなので、サイドカバーを複数のカバーで構成するのに比べて剛性を高めることができ、また、部品点数を削減することができる。
また、車体フレーム11は、操舵機構12を回動可能に支持するヘッドパイプ21と、このヘッドパイプ21から後方へ延出しつつシートレール24が連結されるメインフレーム22と、ヘッドパイプ21からエンジン13の前方に向けて下方に延出するダウンフレーム27とを備え、サイドカバー71は、前締結部71mがダウンフレーム27に支持され、後締結部71zがシートレール24に支持されるので、大型のサイドカバー71を車体フレーム11の前後に亘って配置することで、締結部同士の間隔を広くして締結を良好とすることができる。
また、シュラウド72は、前締結部71mに隣接して配置されるので、走行風を受けるシュラウド72を前締結部71mに隣接配置して、シュラウド72の撓みを少なくし、支持を良好とすることができる。
上記したサイドカバー71に予めアウターシュラウド76及びインナーシュラウド77を小組みしておけば、この組立体を車体フレーム11に容易に組み付けることができ、組立工数を削減することができる。
また、図5及び図7に示したように、サイドカバー71は、前締結部71m又は後締結部71zがラバーマウントされているので、大型のサイドカバー71の歪みを吸収し、締結作業性を良好とすることができる。
また、図3及び図6に示したように、シュラウド72は、左右一対設けられ、左右のシュラウド72間にラジエータ81が配置され、このラジエータ81の後方のサイドカバー71に、後方に開口する排風口71kが設けられ、この排風口71kを囲むように排風通路94が設けられるので、シュラウド72をラジエータシュラウドとしつつ、サイドカバー71に排風口71k及び排風通路94を一体形成することで、排風を良好にしつつ大型のサイドカバー71を補強することができる。
また、図7に示したように、排風口71kの開口面積よりも小さい面積を有し、排風口71kの外側端から車体内方に向けて突出する遮蔽板71sが設けられるので、排風口71kの前方に配置された配線などを遮蔽板71sで遮蔽することで外観性を向上させることができる。
また、図2及び図5に示したように、シュラウド72は、側面視でアウターシュラウド76とサイドカバー71の前部とで形成され、アウターシュラウド76の後方にサイドカバー71が露出するので、アウターシュラウド76の小型・軽量化を図ることができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
また、本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。
10 自動二輪車(鞍乗り型車両)
11 車体フレーム
12 操舵機構
13 エンジン(動力源)
21 ヘッドパイプ
22 メインフレーム
24 シートレール
27 ダウンフレーム
52 シート
55 車体カバー
68 運転者用ステップ(ステップ)
71 サイドカバー
71D 前部
71E 前部上部
71F 後部
71k 排風口
71m 前締結部
71s 遮蔽板
71y 中間締結部
71z 後締結部
72 シュラウド
76 アウターシュラウド
77 インナーシュラウド
81 ラジエータ

Claims (7)

  1. 車体フレーム(11)前部に設けられた操舵機構(12)と、この操舵機構(12)の後方に配置された動力源(13)と、この動力源(13)の後上方に配置されたシート(52)と、このシート(52)の左右下方に設けられたステップ(68)と、前記操舵機構(12)の側方から前記シート(52)の側方下方に亘って車体側方を覆う車体カバー(55)とを備えた鞍乗り型車両において、
    前記車体カバー(55)は、前記車体フレーム(11)の前端部側からシート(52)の側縁の下方まで一体に延びて車体側方を覆うサイドカバー(71)と、このサイドカバー(71)の前部に支持されるシュラウド(72)とを備え、
    前記サイドカバー(71)は、前記動力源(13)の側方を覆う前部(71D)と、この前部(71D)の上方及び上後方且つ前記シート(52)より前方の側方を覆う前部上部(71E)と、前記シート(52)の側方下方を覆う後部(71F)とを備えるとともに、前記前部(71D)に前締結部(71m)が設けられ、前記後部(71F)の後端部に後締結部(71z)が設けられ、前記前締結部(71m)、前記後締結部(71z)間の前記後部(71F)に中間締結部(71y)が設けられ、これら前締結部(71m)、中間締結部(71y)、後締結部(71z)で前記サイドカバー(71)が前記車体フレーム(11)に締結され、
    前記シュラウド(72)は、インナーシュラウド(77)及びアウターシュラウド(76)を備え、前記アウターシュラウド(76)は、前記サイドカバー(71)及び前記インナーシュラウド(77)に支持され、前記インナーシュラウド(77)は、前記車体フレーム(11)に複数の方向から支持されることを特徴とする鞍乗り型車両。
  2. 前記車体フレーム(11)は、前記操舵機構(12)を回動可能に支持するヘッドパイプ(21)と、このヘッドパイプ(21)から後方へ延出しつつシートレール(24)が連結されるメインフレーム(22)と、前記ヘッドパイプ(21)から前記動力源(13)の前方に向けて下方に延出するダウンフレーム(27)とを備え、
    前記サイドカバー(71)は、前記前締結部(71m)が前記ダウンフレーム(27)に支持され、前記後締結部(71z)が前記シートレール(24)に支持されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
  3. 前記シュラウド(72)は、前記前締結部(71m)に隣接して配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両。
  4. 前記サイドカバー(71)は、前記前締結部(71m)又は前記後締結部(71z)がラバーマウントされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
  5. 前記シュラウド(72)は、左右一対設けられ、左右のシュラウド(72)間にラジエータ(81)が配置され、このラジエータ(81)の後方の前記サイドカバー(71)に、後方に開口する排風口(71k)が設けられ、この排風口(71k)を囲むように排風通路(94)が設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
  6. 前記排風口(71k)の開口面積よりも小さい面積を有し、前記排風口(71k)外側端から車体内方に向けて突出する遮蔽板(71s)が設けられることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両。
  7. 前記シュラウド(72)は、側面視で前記アウターシュラウド(76)と前記サイドカバー(71)の前部とで形成され、前記アウターシュラウド(76)の後方に前記サイドカバー(71)が露出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
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