次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
図1に、本発明の感光体の一例を示す。感光体10は、支持体11上に、電荷発生層12及びバインダー樹脂を含む電荷輸送層13が順次積層されており、電荷輸送層13が表面に形成されている。
電荷輸送層13は、電荷輸送物質として、一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物を含む。このため、感光体10は、残留電位の上昇を抑制することができる。
R1〜R10におけるハロゲン原子としては、特に限定されないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
R1〜R10におけるアルキル基としては、特に限定されないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基、イソデシル基等が挙げられる。
R1〜R10におけるアルコキシ基としては、特に限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物としては、特に限定されないが、化学式
で表される化合物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
一般式(2)で表される化合物としては、特に限定されないが、化学式
で表される化合物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
電荷輸送層13中の一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物の含有量は、電荷輸送層13に含まれるバインダー樹脂1質量部に対して、通常、0.3〜2.0質量部である。電荷輸送層13中の一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物の含有量が、電荷輸送層13に含まれるバインダー樹脂1質量部に対して、0.3質量部未満であると、残留電位が上昇することがあり、2質量部を超えると、耐摩耗性が低下することがある。
電荷輸送層13は、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物以外の第二の電荷輸送物質をさらに含んでもよい。
この場合、一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物と第二の電荷輸送物質の質量比は、通常、50:50〜95:5であり、70:30〜95:5が好ましい。
第二の電荷輸送物質は、高分子化合物及び低分子化合物のいずれであってもよく、二種以上併用してもよい。
高分子化合物としては、特に限定されないが、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等が挙げられる。
低分子化合物としては、特に限定されないが、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン又はこれらの誘導体;アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物;インドール、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合物;フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン等が挙げられる。
また、第二の電荷輸送物質として、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物にリチウムイオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等を用いてもよい。
さらに、第二の電荷輸送物質として、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン等の電子供与性化合物と電子受容性化合物から形成される有機電荷移動錯体等を用いてもよい。
また、電荷輸送層13は、一般式(3)で表される化合物をさらに含む。このため、感光体10は、耐光性に優れる。
R11及びR12におけるアルキル基としては、特に限定されないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基、イソデシル基等が挙げられる。
R11及びR12におけるアリール基としては、特に限定されないが、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
一般式(3)で表される化合物は、波長が250〜800nmの範囲における最大吸収波長が300〜370nmであることが好ましい。これにより、紫外線の暴露から感光体10を保護することができる。
また、一般式(3)で表される化合物は、波長が730〜800nmである光を吸収しないことが好ましい。これにより、半導体レーザー又はLEDから照射される波長が740〜780nmの光の遮断を抑制することができる。
一般式(3)で表される化合物としては、特に限定されないが、化学式
で表される化合物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
電荷輸送層13中の一般式(3)で表される化合物の含有量は、電荷輸送層13に含まれる電荷輸送物質に対して、通常、1〜20質量%である。電荷輸送層13中の一般式(3)で表される化合物の含有量が、電荷輸送層13に含まれる電荷輸送物質に対して、1質量%未満であると、感光体10の耐光性が低下することがあり、20質量%を超えると、残留電位が上昇することがある。
電荷輸送層13に含まれるバインダー樹脂としては、特に限定されないが、ポリカーボネート、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、塩化ビニル共重合体、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール、ポリメチルペンテン、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ジアリレート樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエーテル、フェノール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン(ACS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、エポキシアリレート樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
バインダー樹脂は、第一のポリカーボネート及び第二のポリカーボネートを含み、第一のポリカーボネートは、化学式
で表され、粘度平均分子量が2×10
4〜6×10
4であることが好ましい。第一のポリカーボネートの粘度平均分子量が2×10
4未満であると、耐摩耗性が低下することがあり、6×10
4を超えると、残留電位が上昇することがある。
電荷輸送層13は、紫外線吸収剤をさらに含むことが好ましい。
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;サリチル酸フェニル、サリチル酸p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル等のサリチル酸系紫外線吸収剤等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
電荷輸送層13中の紫外線吸収剤の含有量は、電荷輸送層13に含まれるバインダー樹脂及び電荷輸送物質の総量に対して、通常、3〜20質量%である。
電荷輸送層13は、酸化防止剤をさらに含むことが好ましい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3'−5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系酸化防止剤;2,2'−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系酸化防止剤等のフェノール系酸化防止剤等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
電荷輸送層13中の酸化防止剤の含有量は、電荷輸送層13に含まれるバインダー樹脂及び電荷輸送物質の総量に対して、通常、3〜20質量%である。
電荷輸送層13は、必要に応じて、可塑剤、滑剤、レベリング剤等をさらに含んでいてもよい。
電荷輸送層13の厚さは、解像度及び応答性の点から、通常、15〜40μmである。
電荷輸送層13を形成する方法としては、特に限定されないが、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波分散機等の分散機を用いて、電荷輸送物質、一般式(3)で表される化合物及びバインダー樹脂を溶媒中に溶解又は分散させた塗布液を、電荷発生層12上に塗布した後、オーブン等を用いて加熱乾燥させる方法等が挙げられる。
溶媒としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素化炭化水素系溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メトキシエタノール、ジメトキシエタン、ジオキサン、ジオキソラン、アニソール等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましい。
塗布液を塗布する方法としては、特に限定されないが、浸漬塗布法、スプレーコート法、ビードコート法、ノズルコート法、スピナーコート法、リングコート法等が挙げられる。
乾燥温度は、通常、50〜160℃であり、80〜140℃が好ましい。
電荷発生層12は、電荷発生物質を含み、必要に応じて、バインダー樹脂等の成分を含んでもよい。
電荷発生物質としては、特に限定されないが、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、非対称ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭53−95033号公報参照)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭53−133445号公報参照)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭53−132347号公報参照)、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−21728号公報参照)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−22834号公報参照)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−12742号公報参照)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−17733号公報参照)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−2129号公報参照)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−14967号公報参照)等のアゾ系顔料;アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料等が挙げられる。中でも、残留電位の上昇を抑制できることから、オキシチタニウムフタロシアニンが好ましく、Y型オキシチタニウムフタロシアニンが特に好ましい。
電荷発生層12に必要に応じて含まれるバインダー樹脂としては、特に限定されないが、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
電荷発生層12中のバインダー樹脂の含有量は、電荷発生物質1質量部に対して、通常、5質量部以下であり、0.1〜3質量部が好ましい。
電荷発生層12は、増感剤、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質、レベリング剤等をさらに含んでいてもよい。
電荷発生層12の厚さは、通常、0.01〜5μmであり、0.1〜2μmが好ましい。
電荷発生層12を形成する方法としては、特に限定されないが、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波分散機等の分散機を用いて、電荷発生物質を溶媒中に分散させた塗布液を、支持体11上に塗布した後、オーブン等を用いて加熱乾燥させる方法等が挙げられる。
溶媒としては、特に限定されないが、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキソラン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が好ましい。
なお、バインダー樹脂をさらに含む塗布液を調製する場合は、電荷発生物質を溶媒中に分散させる前にバインダー樹脂を添加してもよいし、電荷発生物質を溶媒中に分散させた後にバインダー樹脂を添加してもよい。
塗布液を塗布する方法としては、特に限定されないが、浸漬塗布法、スプレーコート法、ビードコート法、ノズルコート法、スピナーコート法、リングコート法等が挙げられる。
乾燥温度は、通常、50〜160℃であり、80〜140℃が好ましい。
支持体11を構成する材料としては、体積抵抗が1×1010Ω・cm以下であれば、特に限定されないが、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属が挙げられる。
支持体11としては、蒸着法又はスパッタリング法を用いて、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物により被覆されているフィルム状又は円筒状のプラスチック、紙;アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板;アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等を押し出し、引き抜き等の工法を用いて素管化した後、切削、超仕上げ、研磨等の表面処理法を用いて表面処理されている管;エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト(例えば、特開昭52−36016号公報参照);厚さが50〜150μmのニッケル箔、蒸着法を用いて、アルミニウムにより被覆されている厚さが50〜150μmのポリエチレンテレフタレートフィルム等を用いることができる。
支持体11が円筒状である場合、支持体11の直径は、通常、60mm以下であり、30mm以下が好ましい。
支持体11は、アルミニウム合金が成形されている支持体であることが好ましい。アルミニウム合金が成形されている支持体は、ダイヤモンドバイト等による切削、研磨、陽極酸化等の表面処理法を用いて表面処理されていてもよい。
アルミニウム合金としては、特に限定されないが、JIS3000系、JIS5000系、JIS6000系等が挙げられる。
アルミニウム合金を成形する方法としては、特に限定されないが、EI(Extrusion Ironing)法、ED(Extrusion Drawing)法、DI(Drawing Ironing)法、II(Impact Ironing)法等が挙げられる。
支持体11は、導電粒子がバインダー樹脂中に分散している導電層が形成されていてもよい。
導電層に含まれる導電粒子としては、特に限定されないが、カーボンブラック、アセチレンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子等が挙げられる。
金属粒子を構成する金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等が挙げられる。
金属酸化物粒子を構成する金属酸化物としては、導電性酸化スズ、ITO等が挙げられる。
導電層に含まれるバインダー樹脂としては、特に限定されないが、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
導電層を形成する方法としては、特に限定されないが、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波分散機等の分散機を用いて、導電粒子及びバインダー樹脂を溶媒中に溶解又は分散させた塗布液を塗布した後、オーブン等を用いて加熱乾燥させる方法等が挙げられる。
溶媒としては、特に限定されないが、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン等が挙げられる。
塗布液を塗布する方法としては、特に限定されないが、浸漬塗布法、スプレーコート法、ビードコート法、ノズルコート法、スピナーコート法、リングコート法等が挙げられる。
乾燥温度は、通常、50〜160℃であり、80〜140℃が好ましい。
なお、支持体11が円筒状である場合は、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の樹脂中に導電粒子が分散されている熱収縮チューブを用いて導電層を形成することができる。
支持体11と電荷発生層12の間に、バインダー樹脂を含む下引き層を形成してもよい。
下引き層に含まれるバインダー樹脂としては、特に限定されないが、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の硬化型樹脂等が挙げられる。
下引き層は、無機粒子をさらに含んでもよい。
無機粒子を構成する材料としては、特に限定されないが、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物等が挙げられる。
下引き層は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等をさらに含んでもよい。
下引き層は、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等をさらに含んでいてもよい。
なお、支持体11がアルミニウムから構成される場合は、バインダー樹脂を含む下引き層を形成する代わりに、支持体11を陽極酸化してアルミナ層を形成してもよい。
また、バインダー樹脂を含む下引き層を形成する代わりに、真空薄膜作製法を用いて、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物;シリカ、二酸化スズ、二酸化チタン、ITO、二酸化セリウム等の無機物から構成される薄膜を形成してもよい。
下引き層の厚さは、通常、0.1〜10μmであり、1〜5μmが好ましい。
本発明の感光体は、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機、直接又は間接の電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、フルカラー普通紙ファックス等の画像形成装置に適用することができる。
本発明の画像形成装置は、本発明の感光体と、感光体を帯電させる帯電手段、帯電した感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、感光体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、感光体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段を有するものであれば、特に限定されない。
本発明の画像形成装置は、必要に応じて、トナー像が転写された感光体を除電する除電手段、トナー像が転写された感光体に残留したトナーをクリーニングするクリーニング手段、クリーニングされたトナーを現像手段でリサイクルするリサイクル手段、各手段の動作を制御する制御手段等をさらに有してもよい。
帯電手段としては、感光体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることが可能であれば、特に限定されないが、ブラシ、ローラー等の接触方式の帯電手段;コロナ帯電器、針電極デバイス、固体放電素子、導電性又は半導電性の帯電ローラー等の非接触方式の帯電手段を用いることができる。
露光手段における光学系としては、アナログ光学系又はデジタル光学系を用いることができる。アナログ光学系は、原稿を直接感光体に投影する光学系であり、デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、電気信号を光信号に変換して感光体を露光する光学系である。
露光手段としては、帯電した感光体の表面を像様に露光することが可能であれば、特に限定されないが、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系等の露光器を用いることができる。
なお、露光手段として、感光体の裏面側から像様に露光する光背面方式の露光器を用いてもよい。
現像手段としては、感光体に形成された静電潜像をトナーで現像することが可能であれば、特に限定されないが、トナー(又はトナー及びキャリアを有する現像剤)を収容し、感光体に形成された静電潜像にトナーを付与することが可能な現像器を用いることができる。
現像器は、乾式現像方式及び湿式現像方式のいずれであってもよく、単色用現像器及び多色用現像器のいずれであってもよいが、トナー(又はトナー及びキャリアを有する現像剤)を攪拌して帯電させる攪拌器と、回転することが可能なマグネットローラを有することが好ましい。このとき、トナー及びキャリアを有する現像剤を攪拌すると、帯電したトナー及びキャリアは、マグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、感光体の近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な引力によって感光体の表面に移動する。その結果、感光体に形成された静電潜像がトナーで現像されてトナー像が形成される。
転写手段は、感光体に形成されたトナー像を中間転写体に転写する一次転写手段と、中間転写体に転写されたトナー像を記録媒体に転写する二次転写手段を有することが好ましい。
なお、複数のトナー像を記録媒体で重ね合わせてフルカラートナー像を形成してもよいが、中間転写体で複数のトナー像を重ね合わせてフルカラートナー像を形成することが好ましい。
中間転写体としては、特に限定されないが、エンドレスベルト等が挙げられる。
転写手段としては、感光体に形成されたトナー像を転写することが可能であれば、特に限定されないが、コロナ帯電器、エンドレスベルト、ローラー、圧力ローラー等の転写器を用いることができる。
記録媒体としては、トナー像を転写することが可能であれば、特に限定されないが、普通紙、OHP用のPETベース等が挙げられる。
定着手段としては、記録媒体に転写されたトナー像を定着させることが可能であれば、特に限定されないが、定着部材と定着部材を加熱する熱源を有する定着器を用いることができる。
定着部材としては、エンドレスベルトとローラーの組み合わせ、ローラーとローラーの組み合わせ等が挙げられるが、省エネルギー、定着可能幅の拡大の点から、熱容量が小さいエンドレスベルトとローラーの組み合わせが好ましい。
なお、トナー像が記録媒体に転写される毎に定着させてもよいし、複数のトナー像が記録媒体に転写された後に定着させてもよい。
除電手段としては、トナー像が転写された感光体を除電することが可能であれば、特に限定されないが、除電ランプ等の除電器を用いることができる。
クリーニング手段としては、トナー像が転写された感光体に残留したトナーをクリーニングすることが可能であれば、特に限定されないが、クリーニングブラシ、クリーニングローラー、クリーニングブレード、クリーニングウェブ等のクリーニング器を用いることができる。
なお、クリーニング手段を用いずに、摺擦部材を用いて、トナー像が転写された感光体に残留したトナーの電荷を揃えて、現像ローラーで回収してもよい。
リサイクル手段としては、クリーニングされたトナーを現像手段でリサイクルすることが可能であれば、特に限定されないが、公知の搬送手段を用いることができる。
制御手段としては、各手段の動作を制御することが可能であれば、特に限定されないが、シークエンサー、コンピュータ等の機器を用いることができる。
図2に、本発明の画像形成装置の一例を示す。画像形成装置20は、感光体10、コロナ帯電器21、感光体10に光Lを露光する露光器(不図示)、現像器22、転写前コロナ帯電器23、記録紙Pを搬送するレジストローラ24、転写器25、分離爪26、クリーニング器27及び除電ランプ28を有する。このとき、転写器25は、転写用コロナ帯電器25a及び分離用コロナ帯電器25bを有し、クリーニング器27は、クリーニング前コロナ帯電器27a、クリーニングブラシ27b及びクリーニングブレード27cを有する。
感光体10は、ドラム状であるが、シート状又はエンドレスベルト状であってもよい。
コロナ帯電器としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)等が挙げられる。
なお、分離用コロナ帯電器25bは、必要に応じて、省略してもよい。
露光器の光源及び除電ランプ28としては、特に限定されないが、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等を用いることができる。このとき、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等のフィルターを用いてもよい。
なお、転写前コロナ帯電器23、転写用コロナ帯電器25a、分離用コロナ帯電器25b又はクリーニング前コロナ帯電器27aの代わりに、光源を設置してもよい。
クリーニングブラシ27bとしては、特に限定されないが、ファーブラシ、マグファーブラシ等を用いることができる。
なお、クリーニングブレード27cは、必要に応じて、省略してもよい。
除電ランプ28から照射される光の波長は、感光体10の実用的な光感度を有する波長領域における長波長側であることが好ましい。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の感光体を有し、画像形成装置の本体に着脱可能であれば、特に限定されない。
なお、本発明のプロセスカートリッジは、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段からなる群より選択される一種以上の手段をさらに有する。
図3に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジ30は、感光体10、コロナ帯電器31、現像器32、転写用ローラー33、クリーニングブラシ34を有し、複写機、プリンター等の画像形成装置の本体に着脱可能である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、実施例に限定されない。
[実施例1−1]
アルキド樹脂ベッコライトM−6401−50(DIC社製)と、アミノ樹脂スーパーベッカミンG−821−60(DIC社製)を質量比65:35で混合した樹脂と酸化チタンCR−EL(石原産業社製)の質量比を1:3として、メチルエチルケトン中に溶解又は分散させて、下引き層用塗布液を得た。
Y型オキシチタニウムフタロシアニン(図4参照)10gに、ガラスビーズ及び1,3−ジオキソラン500mlにポリビニルブチラール樹脂BM−1(積水化学工業社製)10gを溶解させた液を加え、サンドミル分散機を用いて20時間分散させた後、ろ過してガラスビーズを除去し、電荷発生層用塗布液を得た。
化学式(4)で表され、粘度平均分子量が2.0×104の第一のポリカーボネートと、化学式
で表される構成単位からなり、粘度平均分子量が5.0×10
4の第二のポリカーボネートを質量比1:4で混合したバインダー樹脂と、化学式(1−1)で表される化合物と、化学式(3−1)で表される化合物と、化学式
で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の質量比を1:1:0.02:0.1として、テトラヒドロフラン中に溶解させて、電荷輸送層用塗布液を得た。
直径が24mmの円筒状の無切削のアルミニウム製の支持体11上に、下引き層用塗布液を浸漬塗布した後、135℃で20分間乾燥させて、厚さが1.5μmの下引き層を形成した。
次に、下引き層が形成された支持体11上に、電荷発生層用塗布液を浸漬塗布した後、120℃で10分間乾燥させて、厚さが0.2μmの電荷発生層12を形成した。
さらに、下引き層及び電荷発生層12が形成された支持体11上に、電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布した後、130℃で60分間乾燥させて、厚さが25.0μmの電荷輸送層13を形成し、感光体を得た。
なお、紫外可視光分光光度計UV−2450(島津製作所社製)を用いて、化学式(3−1)で表される化合物0.5mgをテトラヒドロフラン100mLに溶解させた液の波長が250〜800nmの範囲における紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長は355nmであり、波長が730〜800nmである光を吸収しないことがわかった(図5参照)。
[参考例1−2]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(1−2)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[実施例1−3]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(1−3)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[実施例1−4]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(1−4)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[実施例1−5]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(1−5)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[実施例1−6]
バインダー樹脂と、化学式(1−1)で表される化合物と、化学式(3−1)で表される化合物と、化学式(8)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の質量比を1:1:0.01:0.1とした以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[実施例1−7]
バインダー樹脂と、化学式(1−1)で表される化合物と、化学式(3−1)で表される化合物と、化学式(8)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の質量比を1:1:0.2:0.1とした以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[実施例1−8]
化学式(3−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−2)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
なお、紫外可視光分光光度計UV−2450(島津製作所社製)を用いて、化学式(3−2)で表される化合物0.5mgをテトラヒドロフラン100mLに溶解させた液の波長が250〜800nmの範囲における紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長は355nmであり、波長が730〜800nmである光を吸収しないことがわかった。
[実施例1−9]
化学式(3−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−3)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
なお、紫外可視光分光光度計UV−2450(島津製作所社製)を用いて、化学式(3−3)で表される化合物0.5mgをテトラヒドロフラン100mLに溶解させた液の波長が250〜800nmの範囲における紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長は355nmであり、波長が730〜800nmである光を吸収しないことがわかった。
[実施例1−10]
化学式(3−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−4)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
なお、紫外可視光分光光度計UV−2450(島津製作所社製)を用いて、化学式(3−4)で表される化合物0.5mgをテトラヒドロフラン100mLに溶解させた液の波長が250〜800nmの範囲における紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長は355nmであり、波長が730〜800nmである光を吸収しないことがわかった。
[実施例1−11]
化学式(3−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−5)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
なお、紫外可視光分光光度計UV−2450(島津製作所社製)を用いて、化学式(3−5)で表される化合物0.5mgをテトラヒドロフラン100mLに溶解させた液の波長が250〜800nmの範囲における紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長は348nmであり、波長が730〜800nmである光を吸収しないことがわかった(図6参照)。
[実施例1−12]
化学式(3−1)で表される化合物の代わりに、化学式(3−6)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
なお、紫外可視光分光光度計UV−2450(島津製作所社製)を用いて、化学式(3−6)で表される化合物0.5mgをテトラヒドロフラン100mLに溶解させた液の波長が250〜800nmの範囲における紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長は355nmであり、波長が730〜800nmである光を吸収しないことがわかった。
[実施例1−13]
化学式(4)で表され、粘度平均分子量が3.0×104の第一のポリカーボネートと、化学式(5)で表される構成単位、化学式(6)で表される構成単位及び化学式(7)で表される構成単位からなり、粘度平均分子量が5.0×104の第二のポリカーボネートを質量比1:4で混合したバインダー樹脂と、化学式(1−1)で表される化合物と、化学式(3−1)で表される化合物と、化学式(8)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と、化学式
で表されるフェノール系酸化防止剤の質量比を1:1:0.02:0.1:0.1として、テトラヒドロフラン中に溶解させて、電荷輸送層用塗布液を得た。
得られた電荷輸送層用塗布液を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[参考例2−1]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−1)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[実施例2−2]
化学式(1−2)で表される化合物の代わりに、化学式(2−2)で表される化合物を用いた以外は、参考例1−2と同様にして、感光体を得た。
[実施例2−3]
化学式(1−3)で表される化合物の代わりに、化学式(2−3)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−3と同様にして、感光体を得た。
[実施例2−4]
化学式(1−4)で表される化合物の代わりに、化学式(2−4)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−4と同様にして、感光体を得た。
[実施例2−5]
化学式(1−5)で表される化合物の代わりに、化学式(2−5)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−5と同様にして、感光体を得た。
[参考例2−6]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−1)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−6と同様にして、感光体を得た。
[参考例2−7]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−1)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−7と同様にして、感光体を得た。
[参考例2−8]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−1)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−8と同様にして、感光体を得た。
[参考例2−9]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−1)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−9と同様にして、感光体を得た。
[参考例2−10]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−1)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−10と同様にして、感光体を得た。
[参考例2−11]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−1)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−11と同様にして、感光体を得た。
[参考例2−12]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−1)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−12と同様にして、感光体を得た。
[参考例2−13]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式(2−1)で表される化合物を用いた以外は、実施例1−13と同様にして、感光体を得た。
[比較例1]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式
で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[比較例2]
化学式(1−1)で表される化合物の代わりに、化学式
で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[比較例3]
化学式(3−1)で表される化合物を添加しなかった以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[比較例4]
化学式(3−1)で表される化合物の代わりに、化学式(9)で表されるフェノール系酸化防止剤を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
[比較例5]
化学式(3−1)で表される化合物の代わりに、C.I.Solvent Yellow33を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
なお、紫外可視光分光光度計UV−2450(島津製作所社製)を用いて、0.5mgのC.I.Solvent Yellow33をテトラヒドロフラン100mLに溶解させた液の波長が250〜800nmの範囲における紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長は420nmであった(図7参照)。
[比較例6]
化学式(3−1)で表される化合物の代わりに、C.I.Desperse Orange3を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
なお、紫外可視光分光光度計UV−2450(島津製作所社製)を用いて、0.5mgのC.I.Desperse Orange3をテトラヒドロフラン100mLに溶解させた液の波長が250〜800nmの範囲における紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長は444nmであった。
[比較例7]
化学式(3−1)で表される化合物の代わりに、化学式
で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
なお、紫外可視光分光光度計UV−2450(島津製作所社製)を用いて、化学式(12)で表される化合物0.5mgをテトラヒドロフラン100mLに溶解させた液の波長が250〜800nmの範囲における紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長は425nmであった(図8参照)。
[比較例8]
化学式(3−1)で表される化合物の代わりに、化学式
で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
なお、紫外可視光分光光度計UV−2450(島津製作所社製)を用いて、化学式(13)で表される化合物0.5mgをテトラヒドロフラン100mLに溶解させた液の波長が250〜800nmの範囲における紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長は435nmであった。
[比較例9]
化学式(3−1)で表される化合物の代わりに、化学式
で表される化合物を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、感光体を得た。
なお、紫外可視光分光光度計UV−2450(島津製作所社製)を用いて、化学式(14)で表される化合物0.5mgをテトラヒドロフラン100mLに溶解させた液の波長が250〜800nmの範囲における紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、最大吸収波長は422nmであった。
[初期の電子写真特性]
評価装置ELYSIA V(山梨電子工業社製)を用いて、実施例及び比較例の感光体の初期の電子写真特性を評価した。具体的には、23℃、50%RHの環境下、スコロトロン方式で感光体の表面電位V0が−700Vになるように放電電流を調整して感光体を帯電させた。次に、半導体レーザーを用いて、波長が780nmの光を0.18μJ/cm2照射して、感光体の残留電位VLを測定した。このとき、感光体の回転数を150rpmとし、波長が780nmの光を照射してから0.06秒後に感光体の残留電位VLを測定した。
[光疲労後の電子写真特性]
蛍光灯を用いて、実施例及び比較例の感光体に1000lxの光を10分間照射して、光疲労させた後、消費電力が20μWのLEDを用いて、波長が660nmの光を感光体に照射して除電した。
次に、評価装置ELYSIA V(山梨電子工業社製)を用いて、実施例及び比較例の感光体の光疲労後の電子写真特性を評価した。具体的には、23℃、50%RHの環境下、スコロトロン方式で初期の電子写真特性評価における放電電流に調整して感光体を帯電させ、感光体の表面電位V0を測定した。次に、半導体レーザーを用いて、波長が780nmの光を0.18μJ/cm2照射して、感光体の残留電位VLを測定した。このとき、感光体の回転数を150rpmとし、波長が780nmの光を照射してから0.06秒後に感光体の残留電位VLを測定した。
[光疲労後の画像濃度差ΔID]
初期及び光疲労後の感光体を、カラープリンターCX220(リコー社製)に搭載して、23℃、50%RHの環境下、2by2画像を出力し、マクベス濃度計を用いて画像濃度IDを測定し、画像濃度差ΔIDを、式
(初期の感光体の画像濃度ID)−(光疲労後の感光体の画像濃度ID)
から算出した。なお、画像濃度差ΔIDが0.03未満であると、良好な画像を維持できるが、0.03以上であると、画像の変化が著しく、実用的でない。
表1〜3に、実施例、参考例及び比較例の感光体の評価結果を示す。
表1から、実施例1−1
、1−3〜1−13
、参考例1−2の感光体は、光疲労後の表面電位V
0、残留電位V
L及び画像濃度の変化が小さく、耐光性に優れることがわかる。また、実施例1−1
、1−3〜1−13
、参考例1−2の感光体は、残留電位V
Lの上昇を抑制できることがわかる。
表2から、実施例
2−2〜2−5、参考例2−1
、2−6〜2−13の感光体は、光疲労後の表面電位V
0、残留電位V
L及び画像濃度の変化が小さく、耐光性に優れることがわかる。また、実施例
2−2〜2−5、参考例2−1
、2−6〜2−13の感光体は、残留電位V
Lの上昇を抑制できることがわかる。
表3から、比較例1〜9の感光体は、光疲労後の表面電位V
0、残留電位V
L及び画像濃度の変化が大きく、耐光性が劣ることがわかる。また、比較例1〜9の感光体は、残留電位V
Lの上昇を抑制できないことがわかる。