JP5768322B2 - ニッケル微粉及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケル微粉及びその製造方法に関する。より詳しくは、積層セラミックコンデンサの内部電極等の電子部品用電極材料として用いられるニッケル微粉及びその製造方法に関するものである。
近年の電子機器及びそれらに用いられる部品用材料の小型化の要求に対応して、電子機器・部品用材料として用いられているニッケル微粉に対しても、更なる微粒化が要求されている。また、微粒化以外にも多くの優れた特性がニッケル微粉に要求されている。
例えば、積層セラミックコンデンサ(以下、「MLCC」と称する。)においては、要求されている特性の1つとして、MLCC用内部電極材料の薄膜化に対応する小粒径化がある。従来は、MLCCの内部電極の厚みや誘電体の厚みが1μm以上であった。そのため、MLCCの内部電極として用いられるニッケル微粉は、平均粒径や粒径分布が大きく、混入が許される粗大粒子の大きさも大きく、混入確率も現状に比べて高かった。
次世代のMLCCにおいては、内部電極の厚みや誘電体の薄層化が顕著であり、誘電体を金属粒子が突き破り電極間でショートする割合を低減するため、内部電極材料用として平均粒径が小さく、粒径分布が狭いニッケル微粉が求められている。具体的には、平均粒径0.2μm以下で、かつ粗大粒子を低減して粗大粒子含有量を厳密に制御することが必須となっている。
また、平均粒径に対して微細な超微粒子の存在量が多いと、これらの超微粒子は、MLCCの焼成工程において、平均粒径に近い粒子に比べて酸化膨張や低温での焼結による異常収縮を起こし易いため、誘電体のクラックや電極のデラミネーションを起こすおそれがある。さらに、その焼成工程において、結晶性が低いニッケル微粉は、超微粒子の存在量が多いニッケル微粉に近い挙動を示すことから、結晶性が高いことも要求されている。
これらのような要求に対する解決策として、ニッケル微粉の平均粒径の微細化、粗大粒子混入率の低減、超微細粒子の混入率低減の提案がなされており、代表的なニッケル粉については、以下のようなものがある。
例えば、特許文献1においては、平均粒径0.05〜0.3μmで、かつ一次粒径が1μm以上の粒子個数が全粒子個数の50ppm以下であり、かつ一次粒径で平均粒子径の0.6倍以下の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の10%以下のニッケル基微粉が提案されている。しかしながら、この特許文献1に記載の技術では、ニッケル微粉の製造方法として、塩化ニッケル蒸気の気相還元法が採用されており、得られるニッケル微粉に塩素が含有されるため、塩素を除去するための水洗が必要となる。また、ニッケル微粉作製後にスキミングパイプ付き無孔壁バスケット型遠心分離機を用いて水中分級を施し、粗大粒子の低減を行っている。このため、乾燥後に凝集が起こるおそれがあり、粉砕等の後工程を入れたとしても粒子が微細であるため、凝集が激しく起こると考えられる。また、分級の工程が必要となるため、コスト高になるという点において不利である。
また、特許文献2においては、平均粒径0.2〜0.6μmで、平均粒径の2.5倍以上の粗粒子存在確率が個数基準で0.1%以下のニッケル微粉が提案されている。しかしながら、この特許文献2に記載の技術においては、分級工程はないものの、塩化ニッケル蒸気の気相還元法が上記特許文献1に記載の技術と同様に用いられているため、塩素除去の水洗が必要となり、乾燥凝集は避けられない。また、粒径範囲についても大きく、現状のニーズに応えられるものではない。
また、特許文献3においては、平均粒径0.1〜1.0μmで、粒径2μm以上の粗粒子の存在確率が個数基準で700/100万以下のニッケル微粉が提案されている。しかしながら、この特許文献3に記載の技術においても、塩化ニッケル蒸気の気相還元法と湿式分級が用いられているため、乾燥凝集は避けられない。また、粒径2μm以上の混入量としても700ppmと高く、MLCC作製時の不良品の発生確率が高くなると考えられる。
さらに、特許文献4においては、平均一次粒径が0.05〜1.0μmで、レーザー回折散乱式粒度分布測定による平均粒子径の1.5倍以上の粒子径を持つ粒子個数が全粒子個数の20%以下で、平均粒子径の0.5倍以下の粒子径を持つ粒子数が全粒子個数に5%以下で、かつニッケル粒子内の平均結晶子径が400オングストローム以上であるニッケル微粉が提案されている。しかしながら、この特許文献4に記載のニッケル微粉では、平均結晶子径が400オングストローム以上であるものの、平均粒径に比べて結晶子径は1/10以下と小さく、その結晶性としては湿式法で作製された微粉と変わらず、結晶性が良いとはいえない。
以上のように、粗大粒子の混入や凝集が少なく、結晶性に優れ、低コストに作製できるニッケル粉は開発されておらず、工業的に容易な製造方法と共に、その開発が望まれている。
特開2004−292950号公報 特開平11−189801号公報 特開2001−73007号公報 特開2007−197836号公報
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、粗大粒子の混入が少なく、結晶性に優れ、低コストで製造できるニッケル微粉と、工業的に容易なその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、熱プラズマにより得られた結晶性に優れたニッケル微粉について鋭意開発を進めた結果、熱プラズマにより得られたニッケル微粉を水冷ジャケット式サイクロンで分級することで、粗大粒子の混入がないニッケル微粉を効率よく製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係るニッケル微粉は、熱プラズマによってニッケルを蒸発させ、凝縮させて微粉化することによって得られたニッケル微粉であって、走査電子顕微鏡観察から求めた個数平均粒径が0.05〜0.2μmであり、硫黄含有量が0.1〜0.5質量%であり、かつ、0.6μm以上の粗大粒子のニッケル微粉中に含まれる割合が個数基準で50ppm以下であり、比表面積径と上記個数平均粒径との差が、比表面積径に対して15%以下であり、X線回折分析によって求められる結晶子径が個数平均粒径に対して66%以上であることを特徴とする。
また、本発明に係るニッケル微粉の製造方法は、ニッケル原料中のニッケルと硫黄の合計に対して硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるようにニッケル原料を調製する原料調製工程と、不活性ガスと水素ガスを含む還元雰囲気中において、上記原料調製工程にて調製されたニッケル原料を熱プラズマにより気化させ、発生した硫黄及び酸素を含むニッケル蒸気を凝縮させて微粉化させる微粉化工程と、上記微粉化工程にて得られた微粉化ニッケルを、連続的に5〜50℃に冷却された水冷ジャケット式サイクロン内に導入して粗大粒子と、超微細粒子が凝集した凝集二次粒子と、を除去するとともに、上記微粉化ニッケルを冷却する粗大粒子除去工程と、冷却された上記微粉化ニッケルを回収する回収工程と、回収した上記微粉化ニッケルを、酸素を含有する弱酸化性の不活性ガス雰囲気中で保持して微粉化ニッケル表面を徐酸化し、ニッケル微粉を得る徐酸化工程とを有し、上記水冷ジャケット式サイクロンにおける旋回ガスの入口速度が、10m/sec.より大きく、50m/sec.以下であることを特徴とする。
ここで、水冷ジャケット式サイクロンにおける旋回ガスの入口速度は、14m/sec.以上、50m/sec.以下であることが好ましい。
また、原料調製工程において、ニッケル、酸化ニッケル、硫黄化合物から少なくともニッケルを選択して配合することが好ましい。
さらに、熱プラズマとして高周波誘導プラズマを用いることが好ましい。
本発明に係るニッケル微粉は、高純度で結晶性に優れ、電子機器・部品用材料として好適である。特に、次世代MLCCの内部電極形成用のニッケル微粉として用いた場合、平均粒径0.2μm以下で、粗大粒子の混入が制御されていることから、誘電体を金属粒子が突き破ることで生じる電極間のショート防止することができる。また、その製造方法は、簡易で低コストであることから工業的規模においても実施可能であり、その工業的価値は極めて大きい。
実施例において用いた装置を模式的に示した図である。 実施例3のニッケル微粉の3万倍におけるFE−SEM像である。 実施例3のニッケル微粉の1万倍におけるSEM像である。 比較例1のニッケル微粉の3万倍におけるFE−SEM像である。 比較例1のニッケル微粉の1万倍におけるSEM像である。
以下に、本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法について詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.ニッケル微粉
(1)平均粒径
(2)粗大粒子
(3)硫黄含有量
(4)比表面積径と個数平均粒径との差
(5)結晶子径
(6)酸素含有量
2.ニッケル微粉の製造
(1)ニッケル微粉の製造装置
(2)ニッケル微粉の製造方法
(2−1)原料調製工程
(2−2)微粉化工程
(2−3)粗大粒子除去工程
(2−4)回収工程
(2−5)徐酸化工程
3.実施例
[1.ニッケル微粉]
本発明の一実施の形態に係るニッケル微粉は、熱プラズマによってニッケルを蒸発させ、凝縮させて微粉化することによって得られたニッケル微粉であって、走査電子顕微鏡観察から求めた個数平均粒径が0.05〜0.2μmであり、硫黄含有量が0.1〜0.5質量%であり、かつ、0.6μm以上の粗大粒子のニッケル微粉中に含まれる割合が個数基準で50ppm以下であることを特徴とする。
熱プラズマによって得られたニッケル微粉(以下、「熱プラズマニッケル微粉」という。)は、塩化ニッケル蒸気の気相還元法で得られたニッケル微粉のように塩素の混入がなく、高純度である。また、そのニッケル微粉は、ニッケル蒸気が凝縮して冷却されることにより生成されるため、熱プラズマを用いることによって、結晶性が高く、略真球状の微細粒子を得ることができる。このような特性は、電子機器・部品用材料、特にMLCC内部電極用材料として好適である。
一方で、従来、熱プラズマニッケル微粉は、その生成過程から高温に保持される時間が長いため、粒子成長を生じて粗大粒子が混入するという問題点を有していた。本実施の形態に係るニッケル微粉は、その熱プラズマニッケル微粉を改良することによってなされたものである。以下、本実施の形態に係るニッケル微粉の構成要素毎に、より詳細に説明する。
<(1)平均粒径>
本実施の形態に係るニッケル微粉は、走査電子顕微鏡観察から求めた個数平均粒径が0.05〜0.2μmである。このニッケル微粉は、熱プラズマニッケル微粉であり、一次粒子が凝集した二次粒子がほとんど形成されないため、個数平均粒径は一次粒子径を測定することによって行われる。なお、個数平均粒径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)の視野から測定した所定個数のニッケル粒子の粒径平均値をいう。
ニッケル微粉の個数平均粒径が0.05μm未満であると、凝集が激しくなり、MLCC内部電極の形成に用いられるペーストとしたとき、ペースト中へ均一に分散させることができず、塗布による電極の形成が困難となる。また、凝集粉が存在することで見かけ上の粒径が大きくなり、薄膜化した電極へ対応することができないばかりか、焼成時の焼結による収縮が多くなってしまう。一方、個数平均粒径が0.2μmを超えると、薄膜化した電極へ対応することができない。このことから、平均粒径を0.05〜0.2μmとすることにより、ペースト中へ均一に分散させることができるとともに、薄膜化した電極に対応することができる。
<(2)粗大粒子>
本実施の形態に係るニッケル微粉は、一次粒子径0.6μm以上の粗大粒子の含有割合が個数基準で50ppm以下である。
粗大粒子の含まれる割合が個数基準50ppmを超えると、薄層化されたMLCCにおいては、誘電体を金属粒子が突き破ることで生じる電極間のショートが多くなり、MLCCとして十分な容量が得られない。電極間のショートを防止する観点から、より好ましくは、粗大粒子の含まれる割合を30ppm以下とする。
<(3)硫黄含有量>
本実施の形態に係るニッケル微粉は、硫黄含有量が0.1〜0.5質量%であり、好ましくは0.15〜0.4質量%である。
ニッケル微粉の硫黄含有量が0.1質量%未満であると、ニッケル硫化物及びニッケル酸化物を含む表面の被覆層の形成が十分でなく、MLCC焼成時におけるニッケル微粉の収縮開始温度の高温化効果、及び収縮率の低減効果が十分に得られず、電極に途切れやデラミネーションの発生が多くなる。特に、より好ましくは、収縮率の低減効果を十分発揮させる観点から、0.15質量%以上とするとよい。
一方、硫黄含有量が0.5質量%を超えると、焼成時の腐食性ガスの発生や、電子部品あるいは電子機器の回路の腐食問題が生じる。また、800℃付近からSOxガスが大量に発生し、MLCCのクラックや電極のデラミネーション等が生じる。
<(4)比表面積径と個数平均粒径との差>
本実施の形態に係るニッケル微粉は、比表面積径と個数平均粒径との差が、比表面積径に対して15%以下であることが好ましく、10%以下がより好ましい。
ここで、比表面積径とは、粒子を真球と仮定してニッケル微粉の比表面積から算出した値である。したがって、比表面積径と個数平均粒径との差が小さいもの程、ニッケル微粉の粒子は、その形状が真球に近いこととなり、ニッケル微粉の真球性の指標となる。ニッケル微粉は、真球性が良いものほど良好なペーストが得やすく、ペーストを塗布することによって得られる膜の膜密度等の特性が良くなる。
比表面積径と個数平均粒径との差が比表面積径に対して15%を越えると、真球性が低下して良好なペーストが得られず、十分な特性を有する膜が得られないおそれがある。なお、ニッケル微粉の比表面積は窒素ガス吸着によるBET法によって求められる。
<(5)結晶子径>
本実施の形態に係るニッケル微粉は、X線回折分析によって求められる結晶子径が個数平均粒径に対して66%以上であることが好ましい。
結晶子径は、ニッケル粒子を構成する単結晶の大きさの指標であり、結晶子径が個数平均粒子径に近いほど、ニッケル粒子が単結晶に近く、すなわち結晶性が優れているといえる。結晶子径は、焼結の進行に大きく影響しており、結晶性が良い、すなわち個数平均粒径に対する結晶子径が大きいものは、同程度の平均粒径を有するニッケル微粉に比べて収縮開始温度が高く、焼結による収縮率が小さい。
MLCC焼成時に過焼結による収縮を抑制するためは、結晶子径は70%以上であることが好ましい。なお、結晶子径が個数平均粒子径に対して100%である場合、ニッケル粒子が単結晶であることを示すため、通常は100%を超えることはない。
<(6)酸素含有量>
本実施の形態に係るニッケル微粉は、酸素含有量が0.4〜1.5質量%であることが好ましい。
本実施の形態に係るニッケル微粉は、その表面の最外面がニッケル硫化物及びニッケル酸化物を含む混合物で構成され、好ましくはニッケル硫化物の濃度分布が、最外面で最大となり、酸素(原子)を含む厚さが2〜15nmの被覆層が形成され、その被覆層により、良好な収縮開始温度と収縮率を得ることができる。なお、ニッケル硫化物は、硫化ニッケル(NiS)や、酸化された硫酸ニッケル(NiSO)の形態をとってもよい。すなわち、被覆層中のニッケル硫化物は、硫化ニッケル及び硫酸ニッケルを含むものである。
したがって、酸素含有量が0.4質量%未満であると、表面の被覆層の形成が十分でなく、良好な収縮開始温度と収縮率が得られない。また、ニッケル微粉の表面活性が高いため、大気中での僅かの加熱によっても激しい酸化を起こすおそれがある。一方、酸素含有量が1.5質量%を超えると、水素含有ガス等の弱還元性雰囲気中で焼成時にガス発生が激しくなり、MLCCのクラックや電極のデラミネーションなどが生じる。
[2.ニッケル微粉の製造]
本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法は、ニッケル原料中のニッケルと硫黄の合計に対して硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるようにニッケル原料を調製する原料調製工程と、不活性ガスと水素ガスを含む還元雰囲気中において、ニッケル原料を熱プラズマにより気化させ、発生した硫黄及び酸素を含むニッケル蒸気を凝縮させて微粉化させる微粉化工程と、得られた微粉化ニッケルを連続的に水冷ジャケット式サイクロン内に導入して粗大粒子を除去するとともに微粉化ニッケルを冷却する粗大粒子除去工程と、微粉化ニッケルを回収する回収工程と、回収した微粉化ニッケルを、酸素を含有する弱酸化性の不活性ガス雰囲気中で保持して微粉化ニッケル表面を徐酸化し、ニッケル微粉を得る徐酸化工程とを有する。
以下、本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法を工程毎に説明するが、その説明に先立ち、このニッケル微粉の製造方法において使用するニッケル微粉の製造装置について説明する。
<(1)ニッケル微粉の製造装置>
図1は、本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法において使用するニッケル微粉の製造装置の一例を示す概略構成図である。この図1に示されるように、ニッケル微粉の製造装置1は、ニッケル粉末を熱プラズマにより微粉化させるプラズマ装置10と、プラズマ装置10に連続して設けられて微粉化されたニッケル微粉から粗大粒子を除去する水冷ジャケット式サイクロン11(以下、単に「サイクロン」とする。)と、粗大粒子が除去されたニッケル微粉を回収する回収装置12とからなっている。
プラズマ装置10は、例えば高周波誘導プラズマ装置であり、プラズマトーチ部13と微粒子発生部14とから構成されている。このプラズマ装置10では、供給される不活性ガスと水素ガスとを含む還元雰囲気おいて、熱プラズマによりニッケル原料を気化させて、発生したニッケル蒸気を凝集させて微粉化させる。
プラズマトーチ部13は、図示しない原料粉末供給口とプラズマガス供給口とを備える。プラズマトーチ部13では、原料であるニッケル粉末とプラズマガスとが、それぞれ原料粉末供給口とプラズマガス供給口を介して、例えば約200L/minの流速で供給され、ニッケル粉末を気化してニッケル蒸気とする。また、このプラズマトーチ部13は、生成されたニッケル微粉がプラズマ炎内あるいは近傍の融着可能な温度領域へ再突入することを防止するため、微粒子発生部14の上方に備え付けられる。
微粒子発生部14では、供給する旋回流形成用ガスによって旋回流を形成させることによって、プラズマにより気化してプラズマ領域から出たニッケル蒸気を急冷凝縮させ、微粉化させる。この微粒子発生部14は、プラズマ炎の中心軸と中心軸が一致した円筒状の構造となっており、下部は円錐状に直径が細くなった構造となっている。このように、微粒子発生部14を円筒状構造とされることにより、ガス気流を制御し易くなり、効率よく旋回流を形成させることができる。また、中心軸を一致させることで、旋回流によるプラズマ炎の乱れを防止して、微粒子の生成を安定させて粗大粒子の生成を防止することができる。さらに、円筒状構造と旋回流の効果により、微粒子発生部14の壁面への微粒子の付着を防止することができ、微粒子の回収率を向上させることができる。
微粒子発生部14は、旋回流形成用ガスをガス旋回方向に供給することができる構造の旋回流形成用ガスのガス供給口15を有している。このガス供給口15を介して、適正なガス供給を行うことによりガス気流を制御して旋回流を形成させる。旋回流形成用ガスのガス供給口15は、微粒子発生部14の外周面から室内に向けて、円周上及びプラズマ炎の放出方向に複数個設置することが好ましい。複数個設置することで、旋回流をより安定させて形成することができる。また、このガス供給口15より供給する旋回流形成用ガスを調整することで、プラズマ炎の中心軸の延長線を中心軸とする旋回流を形成させることができる。
旋回流形成用ガスは、プラズマトーチ部13から供給されるプラズマガスや原料供給用ガス等と共に循環させることが好ましい。この旋回流形成用ガスは、後述する回収装置12に連結されたサージタンク16と循環用ポンプ17を介し、配管18を通って上述したガス供給口15から供給される。回収装置12から排出されたガスは、循環用ポンプ17によって流量が調整されてガス供給口15に送られ、旋回流形成用ガスとして循環使用される。
また、循環用ポンプ17とガス供給口15との間には、圧力調整バルブ19が設けられており、この圧力調整バルブ19により、旋回流形成用ガスの一部を排出させて微粒子生成場の雰囲気圧力を調整する。また、圧力調整バルブ19とガス供給口15との間には、ガスヘッダー20が設けられており、このガスヘッダー20により旋回流形成用ガス量の変動を防止し、旋回流を安定させる。
さらに、循環用ポンプ17の入口側には、熱交換器21が設けられている。旋回流形成用ガスは、プラズマにより気化したニッケル蒸気を冷却させる冷却ガスとして作用することから、連続稼動した場合、旋回流形成用ガスの温度が上昇する。そこで、熱交換器21を設置することで、旋回流形成用ガスの温度上昇を抑制して微粒子に対する十分な冷却効果を得ることを可能にしている。
このようにして、プラズマ装置10にてニッケル微粉が生成されると、次に生成されたニッケル微粉は、サイクロン11において粗大粒子が除去される。
サイクロン11は、プラズマ装置10に連続して設けられており、サイクロンにおいて生成したニッケル微粉中の粗大粒子が除去され、回収する微粒子への粗大粒子の混入を防止することができる。そして、特に、本実施の形態においては、このサイクロン11を水冷ジャケット式としている。このように水冷ジャケット式のサイクロン11とすることにより、粗大粒子を除去するとともに、微粉化ニッケルを冷却して凝集を抑制することができ、プラズマ装置10にて生成した粗大なニッケル粒子のみを分離することが可能となる。
粗大粒子が除去されたニッケル微粉は、バグフィルター等からなる回収装置12により回収される。
<(2)ニッケル微粉の製造方法>
以下、上述のようなニッケル微粉の製造装置1等を用いて実行される、本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法を工程毎に説明する。
<(2−1)原料調製工程>
原料調製工程では、ニッケル原料中のニッケルと硫黄の合計に対して硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるようにニッケル原料を調製する。
この原料調製工程では、ニッケル、酸化ニッケル、硫黄化合物から少なくともニッケルを選択して配合し、ニッケル原料を得る。このように、ニッケル源として少なくともニッケルを選択することによって、次工程である微粉化工程において酸化ニッケルの過剰な混入を抑制することができる点で好ましい。
この原料調製工程では、得られるニッケル微粉の硫黄含有量、すなわちニッケル原料中のニッケルと硫黄の合計に対して硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるように配合する。ニッケル原料中の硫黄含有量が0.1質量%未満では、得られるニッケル微粉の硫黄含有量が0.1質量%未満となってしまう。一方、ニッケル原料中の硫黄含有量が0.5質量%を超えると、得られるニッケル微粉の硫黄含有量が0.5質量%を超えてしまう。
硫黄は、原料として用いるニッケル又は酸化ニッケルのいずれかに含有されていればよく、ニッケルを主たる原料として選択し、そのニッケルに所定量の硫黄が含有されない場合に硫黄を含有する酸化ニッケル又は硫黄化合物のいずれか一方か、あるいはその両方を配合すればよい。なお、硫黄化合物を原料する場合には、得られるニッケル微粉に硫黄が偏在する可能性があることから、予め硫黄含有量が0.1〜0.5質量%含まれるニッケルをニッケル原料として調製するか、又は硫黄を含有した酸化ニッケルとニッケルとを配合し、硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるニッケル原料を調製することが好ましい。
硫黄を0.1〜0.5質量%含むニッケルは、硫黄化合物の水溶液にニッケルを浸漬して、ニッケル表面に硫黄を吸着させることで得られる。硫黄の含有量は、水溶液中の硫黄化合物量で容易に調整することができ、水溶液中でニッケル表面に硫黄を吸着させた後は通常の方法で乾燥させればよい。
また、硫黄を含有した酸化ニッケルとしては、例えば、硫酸ニッケルを焙焼して製造された酸化ニッケルを用いることができる。このような酸化ニッケルは、一般に市販されており、酸化ニッケルに含有される硫黄量を分析して、ニッケル原料中の硫黄含有量が所望の量となるように酸化ニッケルを配合すればよい。
ニッケル原料として用いるニッケル又は酸化ニッケルの形状は、特に限定されるものではないが、供給の容易さから、粉末であることが好ましく、その平均粒径は0.5〜10μmであることが好ましい。
また、この原料調工程では、ニッケル原料に、0.1〜2.0質量%の酸素が含有させることが好ましい。ニッケル原料中の酸素含有量が0.1質量%未満では、次工程である微粉化工程における微粉化ニッケルの表面安定化効果が十分発揮されないことがある。また、酸素含有量が2.0質量%を超えると、微粉化工程において酸素とニッケルの再結合が起こり、最終的に得られるニッケル微粉の酸素含有量が多くなり過ぎる場合がある。
通常、ニッケル粉は微量の酸素を含有しており、ニッケル原料として酸化ニッケルを用いずともニッケル原料には酸素が含有されているが、ニッケル原料中の酸素含有量を上述した範囲に調整しておくことが好ましい。
ニッケル源として酸化ニッケルを選択すると、次工程である微粉化工程において酸化ニッケルが混入するおそれがあり、ニッケルを選択することが好ましい。ニッケルを主たる原料として選択し、ニッケルに所定量の硫黄が含有されない場合に硫黄を含有する酸化ニッケルまたは硫黄化合物のいずれか一方か、あるいはその両方を配合すればよい。硫黄化合物を原料として配合した場合、得られるニッケル微粉に硫黄が偏在するおそれがある。
<(2−2)微粉化工程>
微粉化工程では、原料調製工程で得たニッケル原料を、不活性ガスと水素ガスを含む還元雰囲気中において熱プラズマにより気化させ、発生したニッケル蒸気を凝縮させて微粉化させる。
高周波プラズマやアークプラズマのような熱プラズマは、プラズマ領域が10,000℃以上の温度を有するため、その中に導入されたニッケル原料は瞬時に気化し、ニッケル蒸気となる。ニッケル原料として酸化ニッケルを用いた場合も、気化することによって熱プラズマ中でニッケルと酸素に分解し、ニッケル蒸気となる。
発生したニッケル蒸気は、急冷凝縮により微粉化される。具体的に、熱プラズマは、外部加熱方式等と比較すると高温領域が狭いため、気化したニッケル蒸気はプラズマ尾炎部への移動中に凝縮し、プラズマ領域から出ると急冷凝縮されるため、強制的な冷却を行わなくても微粉化される。また、ニッケルは、完全に液滴化した状態から凝固するため、略球状化するとともに結晶性が極めて高い、すなわち個数平均粒径に対する結晶子径が66%以上の微粉とすることができる。
本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法は、ニッケル原料中のニッケルと硫黄の合計に対して硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるように配合されたニッケル原料を用いるため、急冷凝縮して微粉化する際、生成した微粉化ニッケルの表面にニッケル硫化物及びニッケル酸化物を含む被覆層が形成される。
被覆層が形成される理由は、以下のように推定される。すなわち、ニッケル硫化物及びニッケル酸化物は、それぞれの生成における標準自由エネルギーによって支配される。ニッケル原料はプラズマ中で蒸発し、冷却過程で先ずニッケルが液滴化する。気化状態にある硫黄は、その後の冷却で硫化物の標準生成自由エネルギー(Ni<HS<S)に従ってニッケル液滴表面でNiを形成する。融点がNi>Niであるため、その後ニッケル液滴の凝固時に、液状のままのNiが、微粉化ニッケル表面に濃縮して均一な被覆層を形成するものと推定される。
また、本実施の形態においては、不活性ガス-水素プラズマを用いているため、原料中に含有されている酸素とニッケルとの再結合が抑制されるとともに、ニッケルに含有された所定量の酸素がプラズマ中の水素と結合して水蒸気を発生し、生成した被覆層を有する微粉化ニッケルの表面に微量の水分を吸着させる。このことによって、表面が安定化され、凝集が少なく、分散性が向上した微粉が得られるものと推定される。
この微粉化工程においては、通常に行われている熱プラズマによる微粉化方法が用いられる。熱プラズマとしては、直流プラズマ、高周波プラズマのどちらでも用いることができるが、高周波プラズマを用いることが好ましい。例えば、直流プラズマであるアークプラズマ法では、電極材(一般的にタングステントリウムが用いられる)の消耗が起こり、不純物となってニッケル微粉に混入する場合がある。不活性ガス等のシールドガスを流す等の工夫を施すことによって不純物の混入を防ぐこともできるが、連続的な量産には不向きである。これに対し、高周波プラズマ法によれば、無電極であるため、電極材からの不純物混入の問題がなく、高純度のニッケル微粉を連続的に量産することができる。
不活性ガスとしては、特に限定されるものではないが、ニッケルと化合物を生成しないアルゴンを用いることが好ましい。
また、ニッケル原料の供給方法としては、プラズマ中に所望の量を一定速度で供給できるものであればよい。例えば、原料としてニッケル粉を用いた場合、搬送ガスによりニッケル粉をプラズマ中に供給すればよい。
このようにして、微粉化工程では、外部加熱方式等と比較すると高温領域が狭い熱プラズマを用いて、気化したニッケル蒸気をプラズマ尾炎部への移動中に凝縮させ、プラズマ領域から出たときに急冷凝縮させることによって、強制的な冷却を行わなくてもニッケル粉が微粉化されるようにしている。しかしながら、プラズマ領域から出て急冷凝縮されることによって微粉化できても、微粉であるために、ニッケルの凝固点以下の場合でも温度が高い状態では、微粉化ニッケル同士が接触することによって、容易に焼結してしまう。
したがって、微粉化工程後において瞬時に冷却させ、回収工程まで搬送する必要があり、微粉化ニッケルが気体中に分散している間、すなわち次工程で用いられるサイクロン内に微粉化ニッケルが導入される前に冷却することが好ましい。具体的には、プラズマ装置内において旋回させることによって、120℃以下、好ましくは50℃以下に冷却した後に、サイクロン内に導入することが好ましい。
本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法においては、このようにしてサイクロン内に導入される前に冷却し、微粉化ニッケルが気体中に分散している間に連続的にサイクロン内に導入されるようにすることで、より効果的に、粗大粒子を除去することができる。
<(2−3)粗大粒子除去工程>
粗粉除去工程では、得られた微粉化ニッケルを連続的に水冷ジャケット式サイクロン内に導入して粗大粒子を除去するとともに微粉化ニッケルを冷却し、ニッケル微粉を次工程である回収工程へ搬送する。
ここで、本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法では、粗大粒子の除去に用いるサイクロンを水冷ジャケット式とすることを特徴としている。サイクロンが水冷されていない場合、サイクロン内での旋回中に微粉化ニッケルの凝集が起こり、粗大なニッケル粒子が生成されてしまう。これに対して、サイクロンを水冷することで、微粉化ニッケルを冷却して凝集を抑制し、微粉化工程で生成した粗大なニッケル粒子のみを分離することが可能となる。
なお、水冷ジャケット式サイクロン(以下、単に「サイクロン」と略す)により微粉化ニッケルを分級する過程で、微粉化ニッケルに含有される超微細粒子も除去されるという特異な効果が生まれる。超微細粒子も除去される理由の詳細は、明らかではないが、超微細粒子は凝集し易いという特性を有しており、サイクロン内での旋回によって凝集して粗大な二次粒子を形成し、除去されるものと推察される。
サイクロンは、通常の温度範囲で水冷されていればよいが、5〜50℃、好ましくは5〜40℃に保持されていることが好ましい。5℃未満では、サイクロン内面に微粉化工程で生成した水蒸気加が結露し、微粉化ニッケルが付着するおそれがある。一方、60℃を超えると凝集に対する抑制効果が十分でない場合がある。
さらに、サイクロンにおける旋回ガスの入口速度は、10m/sec.より大きく、50m/sec.以下とし、12m/sec.以上、50m/sec.以下とすることが好ましく、14m/sec.以上、40m/sec.以下とすることがより好ましい。サイクロンによる粗大粒子の分級能力は、旋回ガスの入口速度に比例して得られるため、入口速度が10m/sec.以下では、0.6μm以上の粗大粒子を十分に分離することができない。一方、入口速度が50m/sec.より大きくても、粗大粒子の分級能力は改善されないばかりか、必要な旋回ガス量が多くなり過ぎてコスト高となる。
所望とする旋回ガスの流速を得るためには、膨大なガス量(数百Nl/分〜数千Nl/分)を流す必要があるが、プラズマに使用したガスをリサイクルガスとしてサージタンク内で貯留して用いることが、コスト的に安価となるという観点から好ましい。また、リサイクルガスを用いることは、微粉化ニッケルの冷却にも有効であり、プラズマ領域外で急冷凝縮されて生成した微粉化ニッケルに、還元雰囲気もしくは不活性ガスを噴射することによってリサイクルガスを供給することが好ましい。
また、プラズマ領域への再侵入を防止して、粗大粒子の発生を抑制するために、冷却に用いるガスをプラズマ領域の周りで旋回させ、旋回流を形成させて冷却するとともに、サイクロン内を経由して回収装置に搬送することが好ましい。
<(2−4)回収工程>
回収工程では、粗大粒子除去工程においてサイクロン内で冷却されて粗大粒子が除去された微粉化ニッケルを回収する。
この回収工程において用いられる回収装置は、特に限定されるものではなく、通常の微粉回収に用いられるバグフィルター等が用いられる。
<(2−5)徐酸化工程>
徐酸化工程では、回収した微粉化ニッケルを、酸素を含有する弱酸化性の不活性ガス雰囲気中で保持して微粉化ニッケル表面を徐酸化し、ニッケル微粉を得る。
ニッケル微粉等の活性な微粉は、大気中では急激な酸化による異常発熱のおそれがある。そのため、回収工程で回収された微粉化ニッケルは、酸素を含む不活性ガス雰囲気において、一定時間保持して微粉化ニッケルの表面を酸化する徐酸化処理を行う。この徐酸化処理により、ニッケル微粉の表面に最外面がニッケル硫化物及びニッケル酸化物を含む混合物で構成され、酸素(原子)を含む厚さが2〜15nmの被覆層が形成されることとなる。
なお、大気雰囲気に触れると、微粉化ニッケルは異常発熱するおそれがあるので、密閉状態で回収工程から徐酸化工程に移すことが好ましい。
酸素を含有する弱酸化性の不活性ガス雰囲気としては、1〜5容量%酸素とアルゴンを含むガスが好ましく、1〜3容量%酸素とアルゴンを含むガスがより好ましい。酸素が1容量%未満であると、表面の被覆層の形成が十分でなく、得られたニッケル微粉が大気中で急激な酸化による異常発熱を起こすおそれがある。また、酸素が5容量%を超えると、発熱あるいは酸化が内部まで進行して被覆層の厚さが15nmを超えてしまうことがある。
徐酸化処理を行う温度は、100℃以下とすることが好ましく、50℃以下とすることがより好ましい。また、徐酸化処理は、強制的に冷却した雰囲気でなくともよく、一般的な室温の範囲、例えば0〜40℃であれば十分である。100℃以下で徐酸化処理を行うことによって、上述した被覆層を有するニッケル微粉を得ることができる。一方、100℃を越える温度にして、酸素を含む不活性ガス雰囲気中で保持すると、急激に酸化が進み、その酸化が内部まで進行して被覆層の厚さが15nmを超えてしまうばかりか、最外面に存在するニッケル酸化物が大幅に増加して焼結の進行を遅らせる効果が得られない場合がある。ニッケル酸化物が増加する原因の詳細は明らかではないが、内部から表面にニッケルが拡散し酸素と結合して酸化物が形成されるか、ニッケル硫化物の酸化による発熱が大きく、高温化し生成した硫酸ニッケル分解することによるものと考えられる。
この徐酸化処理の時間は、上述した不活性ガス雰囲気及び温度で十分に被覆層が形成される時間とすればよいが、2〜24時間とすることが好ましい。2時間未満では十分に被覆層が形成されない場合がある。また、24時間を越えて処理しても、効果がなくコストが増加するのみである。
さらに、水洗し乾燥させることによって除酸化処理を行ってもよい。水洗は、不純物の混入を防止するために純水等を用いて通常の方法で行えばよく、その後、乾燥させる。なお、過度の酸化を防止するため、乾燥は真空中120℃以下で行うことが好ましい。
このようにして徐酸化処理を経て、表面に被覆層が形成されたニッケル微粉は、被覆層により表面が安定しているため発火のおそれがなく、取り扱いが極めて容易なものである。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法によれば、次世代の積層セラミックコンデンサ用内部電極材料で用いられていると予想される0.2μm以下のニッケル微粉を、簡易かつ低コストで得ることができる。
しかも、その製造されたニッケル微粉は、0.6μm以上の粗大粒子がニッケル微粉中に含まれる割合が個数基準で50ppm以下であり、好ましい態様として、比表面積径と前記個数平均粒径の差が、比表面積径に対して15%以下であり、結晶子径が前記個数平均粒径に対して66%以上である。このように、微細で、含まれる粗大粒子が極めて少なく、真球状で結晶性が高いため、積層セラミックコンデンサ用内部電極材料として用いた場合には、焼成時に均一に収縮が起こり、クラック等の発生も防止することができる。
さらに、このニッケル微粉は、有機物、分散剤等により表面が被覆されていないため、ペースト等の作製が容易であり、積層セラミックコンデンサ用内部電極材料として好適である。
<3.実施例>
以下、本発明の一実施の形態におけるニッケル微粉及びその製造方法について、実施例を用いてさらに詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
本実施例においては、最高入力200kWの高周波プラズマ微粉製造装置(高周波プラズマ発振機:日本電子(株)社製、TP―12020)を用いた。また、本実施例および比較例における各種測定は、以下の方法にて行った。
(1)走査型電子顕微鏡観察:走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ社製、S−4700(以下、「FE−SEM」と記載する。)、日本電子(株)社製、JSM−6360LA(以下、「SEM」と記載する。))を用いて観察した。
(2)比表面積径:多検体BET比表面積測定装置(ユアサアイオニクス(株)社製、Multisorb―16)を用いて比表面積を測定し、比表面積径(以下、「BET径」と記載する。)に換算した。
(3)結晶子サイズ:X線回折装置(PANalytical社製、X‘PertPRO(以下、「XRD」と記載する。)を用いて測定した。
(4)硫黄測定:(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社、ICP発光分光分析装置、SPS3000)を用いて測定した。
(5)酸素測定:(LECO社製、酸素・窒素・アルゴン分析装置、TC−336)を用いて測定した。
[実施例1]
プラズマ入力約105kWで高周波プラズマを点火し、アルゴンの総量185L/分、水素18L/分、雰囲気圧力50kPaに調整して、安定したプラズマ炎を得た。搬送ガス(アルゴン24L/分)により、プラズマ炎の内部にニッケル原料を2.3kg/hrで供給して微粉化ニッケルを得た。
ニッケル粉末(Inco Special Products and Inco Limited製、ニッケル、Type255、平均粒径2.2〜2.8μm)4kgを純水16Lに投入し、一硫化水素ナトリウムn水和物を60g添加して30分間攪拌した。その後に1回レパルプし、ろ過・真空乾燥(36時間)を行い、解砕してニッケル原料とした。ニッケル原料中の硫黄含有量は約0.2質量%であり、酸素含有量は約0.4質量%であった。
このプラズマ炎の温度は、10,000℃以上であるため、ニッケル原料粉末は瞬時に蒸発気化し、温度が低くなるプラズマ尾炎部で凝縮し、微粉化され、微粉化ニッケルが得られた。得られた微粉化ニッケルを、連続的にサイクロン内に導入し、サイクロン内に流されたリサイクルガス(以下、「旋回ガス」と記載する。)によって旋回させることによって分級した。このとき、旋回ガスを2600NL/分で流し、サイクロン入口速度を36m/sec.とした。また、水冷ジャケット式サイクロン内は、5〜35℃の範囲に冷却した。
得られた微粉化ニッケルを、大気雰囲気に暴露することなく回収装置に搬送し、回収装置内において、アルゴン−10容量%空気(約2容量%酸素)雰囲気中で約10時間保持する徐酸化処理を行った後、装置から回収した。
得られたニッケル微粉を、FE−SEMの3万倍の視野から500個を無作為に粒計測して個数平均径を求めた結果、62nmであった。また、BET径は64nmであり、それらの差は3%で非常に真球性が高いものであった。さらに、このニッケル微粉をXRDにより解析し、Scherrer法によって結晶子径を算出した結果は483オングストロームであり、個数平均径に対する結晶子サイズは78%となり、単結晶に近い結晶性のものができたことがわかる。
粗大粒子混入量の評価は、ニッケル微粉を約0.1g採取し、分散媒としてイソプロピルアルコール(IPA)を約40ml添加した後、超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所社製、US−300T)により、300μAの出力で2分間分散させてサンプル液を調製した。そのサンプル液を約10分間静置した後、上澄みの約35ml取り除き、沈降した微粉スラリーをSEMサンプル台に塗布・乾燥させ、SEM観察を行った。
1万倍の80視野(約108万個)で、0.6μm以上の粗大粒子が7個であったことから、その混入量は6ppmであった。
また、得られたニッケル微粉の硫黄含有量は0.30質量%であり、酸素含有量は1.9質量%であった。
[実施例2]
旋回ガスを2000NL/分で流し、サイクロン入口速度を28m/secとした以外は実施例1と同様してニッケル微粉を得るとともに評価した。
得られたニッケル微粉を、FE−SEMの3万倍の視野から500個を無作為に粒径計測して個数平均径を求めた結果、72nmであった。BET径は78nmであり、それらの差は8%で非常に真球性が高いものであった。また、このニッケル微粉をXRDにより解析し、Scherrer法によって結晶子径を算出し結果は568オングストロームであり、個数平均径に対する結晶子サイズは79%であり、単結晶に近い結晶性のものができたことがわかる。
SEM観察における1万倍の80視野(約86万個)で、0.6μm以上の粗大粒子が10個であったことから、その混入量は12ppmであった。
また、得られたニッケル微粉の硫黄含有量は0.28質量%であり、酸素含有量は1.6質量%であった。
[実施例3]
旋回ガスを1000NL/分で流し、サイクロン入口速度を14m/secとした以外は実施例1と同様してニッケル微粉を得るとともに評価した。
得られたニッケル微粉を、FE−SEMの3万倍の視野から500個を無作為に粒径計測して個数平均径を求めた結果、98nmであった。BET径は115nmであり、それらの差は15%で非常に真球性が高いものであった。また、このニッケル微粉をXRDにより解析し、Scherrer法によって結晶子径を算出した結果は787オングストロームであり、個数平均径に対する結晶子サイズは80%であり、単結晶に近い結晶性のものができたことがわかる。なお、図に、この実施例3で得られたニッケル微粉の3万倍におけるFE−SEM像を示す。
SEM観察における1万倍の80視野(約72万個)で、0.6μm以上の粗大粒子が10個であったことから、その混入量は35ppmであった。なお、図に、この実施例3で得られたニッケル微粉の1万倍におけるSEM像を示す。
また、得られたニッケル微粉の硫黄含有量は0.23質量%であり、酸素含有量は1.0質量%であった。
[実施例4]
プラズマ入力約60kWで高周波プラズマを点火して、アルゴンの総量160L/分、水素6.4L/分、雰囲気圧力60kPaに調整し、安定したプラズマ炎を得た。搬送ガス(アルゴン15L/分)により、プラズマ炎の内部にニッケル原料を1.6kg/hrで供給して微粉を作製した。
旋回ガスを1300NL/分で流し、サイクロン入口速度を15m/secとした。ニッケル微粉の評価は同様にして行った。
得られたニッケル微粉を、FE−SEMの3万倍の視野から500個を無作為に粒径計測して個数平均径を求めた結果、79nmであった。BET径は86nmであり、それらの差は8%で非常に真球性が高いものであった。また、このニッケル微粉をXRDにより解析し、Scherrer法によって結晶子径を算出した結果は649オングストロームであり、個数平均径に対する結晶子サイズは82%であり、単結晶に近い結晶性のものができたことがわかる。
SEM観察における1万倍の80視野(約72万個)で、0.6μm以上の粗大粒子が10個であることから、その混入量は28ppmであった。
また、得られたニッケル微粉の硫黄含有量は0.27質量%であり、酸素含有量は1.3質量%であった。
[比較例1]
冷却用の旋回ガスを1800NL/分で流し、サイクロンを取り外して回収装置に直接搬送した以外は実施例1と同様してニッケル微粉を得るとともに評価した。
得られたニッケル微粉を、FE−SEMの3万倍の視野から500個を無作為に粒径計測して個数平均径を求めた結果、93nmであった。BET径は112nmであり、それらの差は17%で実施例と比べて真球性が低いものであった。また、このニッケル微粉をXRDにより解析し、Scherrer法によって結晶子径を算出した結果は756オングストロームであり、個数平均径に対する結晶子サイズは81%であり、単結晶に近い結晶性のものであった。なお、図に、この比較例1で得られたニッケル微粉の3万倍におけるFE−SEM像を示す。
SEM観察における1万倍の80視野(約50万個)で、0.6μm以上の粗大粒子が275個であることから、その混入量は546ppmであり、粗大粒子の混入が非常に多いものであった。なお、図に、この比較例1で得られたニッケル微粉の1万倍におけるSEM像を示す。
[比較例2]
旋回ガスを700NL/分で流し、サイクロン入口速度を10m/secとした以外は実施例1と同様してニッケル微粉を得るとともに評価した。
得られたニッケル微粉を、FE−SEMの3万倍の視野から500個を無作為に粒径計測して個数平均径を求めた結果、113nmであった。BET径は136nmであり、それらの差は17%で実施例と比べて真球性が低いものであった。また、このニッケル微粉をXRDにより解析し、Scherrer法によって結晶子径を算出した結果は941オングストロームであり、個数平均径に対する結晶子サイズは83%であり、単結晶に近い結晶性のものであった。
SEM観察における1万倍の80視野(約72万個)で、0.6μm以上の粗大粒子が140個であることから、その混入量は197ppmであり、粗大粒子の混入が非常に多いものであった。
下記の表1に、上記実施例1乃至4、比較例1及び2のそれぞれの評価結果を示す。
Figure 0005768322
本発明によって得られた実施例1〜4は、比表面積径と個数平均粒径の差が15%以下と低い真球性の良いもので、結晶子サイズが個数平均粒子径に対して66%以上と結晶性が非常によく、かつ、0.6μm以上の粗粒が全粒子個数の50ppm以下であることから、次世代MLCCの電極材料用ニッケル微粉として高いポテンシャルがあることがわかる。
一方、比較例1、2では、0.6μm以上の粗粒が全粒子個数の50ppm以上であることから、現状で使用されているニッケル粉と同等程度であった。
本発明のニッケル微粉は、微細で結晶性に優れ、粗大粒子混入量が従来品より激減しているため、次世代MLCCの内部電極形成用のニッケル微粉として好適である。また、高純度であることから、電子機器・部品の配線形成用材料としても好適に用いられる。
1 ニッケル微粉製造装置、10 プラズマ装置、11 水冷ジャケット式サイクロン、12 回収装置、13 プラズマトーチ部、14 微粒子発生部、15 ガス供給口、16 サージタンク、17 循環用ポンプ、18 配管、19 圧力調整バルブ、20 ガスヘッダー、21 熱交換器

Claims (5)

  1. 熱プラズマによってニッケルを蒸発させ、凝縮させて微粉化することによって得られたニッケル微粉であって、
    走査電子顕微鏡観察から求めた個数平均粒径が0.05〜0.2μmであり、硫黄含有量が0.1〜0.5質量%であり、かつ、0.6μm以上の粗大粒子のニッケル微粉中に含まれる割合が個数基準で50ppm以下であり、比表面積径と上記個数平均粒径との差が、比表面積径に対して15%以下であり、X線回折分析によって求められる結晶子径が個数平均粒径に対して66%以上であることを特徴とするニッケル微粉。
  2. ニッケル原料中のニッケルと硫黄の合計に対して硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるようにニッケル原料を調製する原料調製工程と、
    不活性ガスと水素ガスを含む還元雰囲気中において、上記原料調製工程にて調製されたニッケル原料を熱プラズマにより気化させ、発生した硫黄及び酸素を含むニッケル蒸気を凝縮させて微粉化させる微粉化工程と、
    上記微粉化工程にて得られた微粉化ニッケルを、連続的に5〜50に冷却された水冷ジャケット式サイクロン内に導入して粗大粒子と、超微細粒子が凝集した凝集二次粒子と、を除去するとともに、上記微粉化ニッケルを冷却する粗大粒子除去工程と、
    冷却された上記微粉化ニッケルを回収する回収工程と、
    回収した上記微粉化ニッケルを、酸素を含有する弱酸化性の不活性ガス雰囲気中で保持して微粉化ニッケル表面を徐酸化し、ニッケル微粉を得る徐酸化工程とを有し、
    上記水冷ジャケット式サイクロンにおける旋回ガスの入口速度が、10m/sec.より大きく、50m/sec.以下であることを特徴とするニッケル微粉の製造方法。
  3. 上記水冷ジャケット式サイクロンにおける旋回ガスの入口速度が、14m/sec.以上、50m/sec.以下であることを特徴とする請求項記載のニッケル微粉の製造方法。
  4. 上記原料調製工程において、ニッケル、酸化ニッケル、硫黄化合物から少なくともニッケルを選択して配合することを特徴する請求項又は記載のニッケル微粉の製造方法。
  5. 上記熱プラズマとして高周波誘導プラズマを用いることを特徴とする請求項乃至の何れか1項記載のニッケル微粉の製造方法。
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