JP2017025400A - 積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末および導電ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】 積層セラミックコンデンサの内部電極用ニッケル粉末において、積層セラミックコンデンサ製造時の脱バインダ工程および本焼成工程時においてコンデンサの製造時の構造欠陥を抑制することができるニッケル粉末を提供する。【解決手段】 少なくとも表面に硫黄が存在する積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末であって、不活性ガス雰囲気で室温から1200℃まで加熱し発生ガス質量を測定(Mass spectrometer)したとき、質量48、質量64の含硫黄ガス成分が750℃以上の温度領域で発生し、また、質量18、質量44の含酸素ガス成分が40〜750℃の温度領域で発生し、両者の温度領域が重複しないことを特徴とする積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末などにより提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサの内部電極材料となるニッケル粉末および導電ペーストに関するものであって、詳しくは積層セラミックコンデンサ製造時の脱バインダ工程および本焼成工程時においてコンデンサの製造時の構造欠陥を抑制することができる積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末および導電ペーストに関するものである。
ニッケル粉末は、厚膜導電体を作製するための導電ペーストの材料として使用されている。厚膜導電体は、電気回路の形成や、積層セラミックコンデンサおよび多層セラミック基板等の積層セラミック部品の電極などに用いられている。
積層セラミック部品である積層セラミックコンデンサは、次のように製造されている。まず、ニッケル粉末とエチルセルロース等の樹脂とターピネオール等の有機溶剤等とを混練した導電ペーストを誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷する。印刷された導電ペーストが交互に重なるように誘電体グリーンシートを積層し圧着する。その後、積層体を所定の大きさにカットし、弱酸化雰囲気下で有機バインダとして使用したエチルセルロース等の樹脂の燃焼、除去を行う脱バインダ処理(脱バインダ工程)を行い、続いて還元雰囲気下で1300℃まで高温焼成(焼成工程)する。そして、このセラミック体に外部電極を取り付けて積層セラミックコンデンサとする。
近年、小型化、高容量化が求められている積層セラミックコンデンサは、内部電極、誘電体ともに薄層化が進められており、内部電極層と誘電体層が薄層化するに従って、内部電極層に使用されるニッケル粉末、誘電体層に使用されるチタン酸バリウム等は微粒化する傾向にある。しかし、単に微粒化されたニッケル粉末やチタン酸バリウムなどを用いて薄層化した内部電極層と誘電体層を有する小型高容量化したコンデンサを製造しようとしても、焼成中にクラックやデラミネーションなど構造欠陥を引き起こしてしまうことがある。
こうした不具合を抑制し、構造保持したまま積層体の焼成を完了させ積層セラミックコンデンサとして特性を出すことを目的として、特許文献1のように真空中500℃の加熱で発生するCO,HO,Hの発生量を特定量以下に低減させたニッケル粉末が報告されている。しかし、ニッケル粉末表面の触媒活性を十分に制御できなかった。
また、特許文献2〜4には、酸素や炭素や水分だけでなく硫黄不純物の含有量を特定したニッケル粉末が報告されている。
しかし、脱バインダ時の酸化挙動や焼成時の焼結挙動やペーストでの分散性を制御することを目的としてニッケル粉末に含まれる不純物量を規定するだけでは積層体の焼成中にニッケル粉末から不純物に由来するガス量は制御できても、薄層化された積層体が構造欠陥を引き起こすことがあった。
そのため、本出願人は、硫黄を含有するニッケル粉末を製造する方法において、ニッケル粉末を含む酸化抑制作用を有する水溶性有機溶剤のスラリーと、硫化物を溶解した水溶性有機溶剤を混合することにより、硫化物を硫酸形態にさせることなく、ニッケル粉末表面に硫化ニッケルを形成することを提案した(特許文献5参照)。
これにより脱バインダ性に優れたニッケル粉末とすることができたが、焼成中のクラックやデラミネーションなどの構造欠陥を十分に抑制できるとはいえなかった。
特開2005−251612号公報 国際公開2005/123307号 特開2007−157563号公報 特開2011−174121号公報 特開2014−146531号公報
本発明の目的は、積層セラミックコンデンサの内部電極用ニッケル粉末において、積層セラミックコンデンサ製造時の脱バインダ工程および本焼成工程時においてコンデンサの製造時の構造欠陥を抑制することができる積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末および導電ペーストを提供することにある。
本発明者は、上記の問題を解決するために、積層セラミックコンデンサ積層体を弱酸化雰囲気で脱バインダ処理し還元雰囲気で焼成した際に、構造欠陥が発生する要因について鋭意検討した結果、ニッケル粉末を不活性ガス雰囲気で室温から1200℃まで加熱した際に発生するガス質量の測定(Mass spectrometer)において、特定のガス発生挙動を示すものが前記構造欠陥の発生を抑制しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、少なくとも表面に硫黄が存在する積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末であって、不活性ガス雰囲気で室温から1200℃まで加熱し発生ガス質量を測定(Mass spectrometer)したとき、質量48、質量64の含硫黄ガス成分が750℃以上の温度領域で発生し、また、質量18、質量44の含酸素ガス成分が40〜750℃の温度領域で発生し、両者の温度領域が重複しないことを特徴とする積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末が提供される。
また、本発明の第2によれば、第1の発明において、質量48、質量64の含硫黄ガス成分の発生する温度領域が、850〜1200℃であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末が提供される。
また、本発明の第3によれば、第1又は2の発明において、質量18、質量44の含酸素ガス成分の発生する温度領域が、40〜700℃であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末が提供される。
また、本発明の第4によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記不活性ガス雰囲気がヘリウムガスを含むことを特徴とする積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末が提供される。
また、本発明の第5によれば、第1〜4のいずれかの発明において、発生ガス質量を測定する際の昇温速度が、10〜30℃/min.であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末が提供される。
また、本発明の第6によれば、第1〜5のいずれかの発明において、不純物として、酸素、炭素、硫黄、水を含み、その合計量が4.0質量%以下であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末が提供される。
また、本発明の第7によれば、第6の発明において、酸素が1.6質量%以下、炭素が0.6質量%以下、硫黄が0.6質量%以下、300℃でのカールフィッシャー法による水分量が0.8質量%以下であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末が提供される。
さらに、本発明の第8によれば、第1〜7のいずれかの発明において、平均粒径が0.05〜0.40μmであることを特徴とする積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末が提供される。
一方、本発明の第9によれば、第1〜4のいずれかの発明の積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末に、溶剤とバインダ樹脂とが混合されたビヒクルを含んでなる導電ペーストが提供される。
本発明によれば、積層セラミックコンデンサの内部電極用のニッケル粉末は、質量が18、44の両方または何れかであるガス成分が発生する温度が750℃以下であり、質量が64、48の両方または何れかであるガス成分が発生する温度が750℃以上1200℃以下に制御されているので、弱酸化雰囲気での脱バインダ処理や還元雰囲気での熱処理において発生するガス量と温度域を制御し、積層体の構造欠陥が発生率を低減することができる。
実施例1により得られたニッケル粉末を室温から1,200℃まで加熱したとき、(A)質量18、44のガスの発生する温度領域とガス量を示すチャート、(B)質量48、64のガスの発生する温度領域とガス量を示すチャートである。
比較例1により得られたニッケル粉末を室温から1,200℃まで加熱したとき、(A)質量18、44のガスの発生する温度領域とガス量を示すチャート、(B)質量48、64のガスの発生する温度領域とガス量を示すチャートである。
1.積層セラミックコンデンサの内部電極用のニッケル粉末
本発明の積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末は、加熱により発生するガスの温度域が特定の範囲となるように制御されていることで、積層体を調製する際の構造欠陥を抑制することができるニッケル粉末である。
すなわち、少なくとも表面に硫黄が存在する積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末であって、不活性ガス雰囲気で室温から1200℃まで加熱し発生ガス質量を測定(Mass spectrometer)したとき、質量48、質量64の含硫黄ガス成分が750℃以上の温度領域で発生し、また、質量18、質量44の含酸素ガス成分が40〜750℃の温度領域で発生し、両者の温度領域が重複しないことを特徴とする。
ニッケル粉末とエチルセルロース等の樹脂とターピネオール等の有機溶剤等とを混練した導電ペーストと、誘電体グリーンシートからなる積層体を、弱酸化雰囲気で脱バインダ処理し還元雰囲気で焼成することで積層セラミックコンデンサは製造されているが、従来汎用されているニッケル粉末を用いたのでは、クラックやデラミネーションといった構造欠陥が発生し不良品となってしまうことがある。
こうした不良品を出さないために、積層セラミックコンデンサの内部電極用のニッケル粉末には、様々な特性が求められている。
すなわち、酸素や炭素や硫黄や水分といった不純物の含有量が低いこと、粗大粒子や連結粒子が含まれない若しくは少ないこと、ニッケル粒子の充填密度を高めるために粒度分布が制御されていること、ニッケル粉末の粒子表面のNi、Ni(OH)、Ni−metalの表面組成が制御されていること、焼結挙動や触媒活性が制御できるようにニッケル粉末の表面に硫黄が存在し、この硫黄は硫酸ニッケルまたは硫化ニッケル形態に制御されていること、ニッケル粉末の表面凹凸が少なく比表面積から算出される粒径とSEM像から算出される粒径が極力近いこと、脱バインダ工程での弱酸化雰囲気下で酸化が抑制される耐酸化性を有していること、ニッケル粉末の真密度が高いこと、ニッケル粉末表面に均質な表面酸化膜が形成されていること、ペースト化した際の乾燥膜密度が高く乾燥膜の表面粗さが低いこと、結晶子径が大きい若しくは他元素で熱収縮挙動が制御されていること等が求められる。
しかし、上記の特性を付加したニッケル粉末を用いて積層体を作製しても、弱酸化雰囲気で脱バインダ処理し還元雰囲気で焼成した際に、未だに構造欠陥が発生することがある。
(加熱時の発生ガス特性)
本出願人は、構造欠陥が発生する要因について鋭意検討し、ニッケル粉末を不活性ガス雰囲気で室温から1200℃まで加熱した際に発生するガス質量の測定(Mass spectrometer)を行った結果、ガス発生の挙動が構造欠陥を引き起こす要因であることを究明した。
加熱により発生するガス成分の測定には、質量分析が可能な装置として、熱重量−質量(TG−MS、Thermogravimetry−Mass spectrometer)測定装置を使用する。加熱時の昇温速度は、10℃/min.〜30℃/min.が望ましく、より望ましくは15℃/min.〜25℃/min.である。昇温速度が10℃/min.より遅かったり、30℃/min.よりも早かったりするとガスの発生温度域が本願所定の範囲にならないことがある。
本発明のニッケル粉末は、後述するように、不活性ガス雰囲気で室温から1200℃まで加熱したガス質量の測定にて、質量が18、44の両方もしくは何れかであるガス成分が発生する温度が750℃以下、質量が64、48の両方もしくは何れかのガス成分が発生する温度が750℃以上に制御されている。このようなニッケル粉末を用いて製造された積層体は、脱バインダ工程と本焼成を行っても構造欠陥を引き起こしにくくなる。
ニッケル粉末から加熱時に発生するガス種としては、ニッケル粉末に含まれる主な不純物が酸素、炭素、硫黄、水分であることから、水、二酸化炭素、硫黄化合物、複数の炭素原子を含む有機化合物であると推定される。不活性ガスであるヘリウムガス雰囲気においてニッケル粉末を加熱した際に発生するガス質量を分析すると、様々な質量のガスが多数検出されるが、質量が18、44、48、64の検出量が多いことから、発生する主なガス種は水、二酸化炭素、硫黄酸化物であると推定される。
ガス質量の測定を不活性ガス雰囲気で行う理由は、弱酸化雰囲気での脱バインダ工程および還元雰囲気での焼成工程で発生するガス種を特定するためには、各々の雰囲気で調査することが望ましいものの、発生するガス種と雰囲気ガスが同じである場合、区別することができないことや、用いた弱酸化雰囲気ガスもしくは還元雰囲気ガスによっては、実際の脱バインダ工程や焼成工程中で発生するガスとは異なるガスが反応生成されることもあるためである。不活性ガスとしては、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス等の希ガスが望ましく、特にヘリウムガスが望ましい。
加熱で水、二酸化炭素、有機化合物といった熱分解ガスが発生するが、弱酸化雰囲気での脱バインダ処理時と還元雰囲気での焼成時のうち低い温度域で、熱分解ガスをゆっくりと発生させる場合は積層体に負荷がかからないため構造欠陥を発生させにくい。
(粉末表面の硫黄)
弱酸化雰囲気での脱バインダ処理時と還元雰囲気での焼成時のうち低い温度域で、積層体の構造を保持しながら、水や二酸化炭素、有機化合物をガスとして徐々に発生させ除去させるために、導電ペーストに含まれる樹脂が急激に熱分解されないようにする。この目的で、内部電極用のニッケル粉末には、樹脂の分解を促進する触媒活性を抑制するために、少なくともその表面には硫黄を存在させ、好ましくは硫化ニッケルもしくは硫酸ニッケル形態に制御する。
バルクの硫酸ニッケルや硫化ニッケルの融点が各々840℃、976℃であることから、バルクにおいては硫黄を含むガスが発生する温度は、840℃以上となる。平均粒径が0.40μm以下であり、表面が硫化ニッケルもしくは硫酸ニッケルで覆われている超微粉のニッケル粉末は、バルクのニッケル化合物よりも低融点化するため、750℃以上で硫黄を含むガスが発生する。
以上より、750℃以上の高温域において、硫黄を含むガスが発生するニッケル粉末は、水や二酸化炭素、有機化合物といった熱分解ガスを低い温度域でゆっくりと発生させることができるので、構造欠陥の発生が低減される。
さらに構造欠陥の発生を抑制しようとすれば、上記説明した硫黄を含むガスが発生する750℃以上の温度域で、発生するガス量を増大させないこと、すなわち硫黄を含むガス以外のガス成分の発生を防止することが有効である。これまで説明したように、ニッケル粉末から発生するガスは、硫黄を含むガス以外に水や二酸化炭素が主となるため、750℃以上の温度域で水や二酸化炭素が発生する場合には、硫黄を含むガスに加えて更にガスが発生する状況になるために構造欠陥を引き起こしやすくなる。
すなわち、水や二酸化炭素のガス発生は低温域で終了し、少なくとも750℃以上の高温域においては、硫黄を含むガスのみを発生させるように制御しておくことが構造体に負荷がかからず構造欠陥の発生抑制に効果的であり、硫黄を含むガスが発生する温度域と水や二酸化炭素が発生する温度域が重ならないように制御することが重要である。
また、ニッケル粉末を合成した後に、ニッケル粉末が触媒活性を有している場合は硫黄化合物を用いて表面処理を施し触媒活性を抑制すれば良いが、硫酸ニッケルや硫化ニッケル形態に寄与しなかった未反応の硫黄化合物は残留させないことが好ましい。仮に残留していた際には、硫黄化合物の種類によるが、水や二酸化炭素が発生する750℃以下の温度域で硫黄化合物が分解ガス化してガス発生量が増大し、積層体に負荷がかかり構造欠陥を引き起こす原因になり得るからである。
硫黄を含むガスの代表例は、質量48や64の硫黄酸化物であり、硫黄を含まない水や二酸化炭素は質量が18、44であるため、上記した通り、不活性ガス雰囲気での室温から1200℃までにニッケル粉末から発生するガス質量の測定において、質量が64、48の両方もしくは何れかであるガス成分の発生する温度は、750℃以上であり、より望ましくは800℃以上、さらに望ましくは850℃以上である。一方、質量が18、44であるガス成分の発生する温度は40〜750℃、より望ましくは700℃以下である。また質量が64、48の両方もしくは何れかであるガス成分は、750℃以下の温度では発生しない、すなわち両者の温度領域が重複しないようにする。
(ニッケル粉末中の不純物)
積層セラミックコンデンサの内部電極層では初期の充填量が多い方が好ましいため、本発明ではニッケル粉末のニッケル純分が高いこと、特に96質量%以上であることが望ましい。また、熱重量(TG、Thermogravimetry)測定装置を用いて不活性ガス雰囲気において室温から1200℃まで加熱した際に、ニッケル粉末から発生するガスにより重量減少する比率を不純物量と定義した時、この不純物量は、4.0質量%以下であること、さらには2.0質量%以下であること、特に1.0質量%以下であることが好ましい。
その理由は、ニッケル粉末に含まれる不純物が多く、ニッケル粉末のニッケル純分が低いと、構造欠陥は抑制できても内部電極の面積が小さくなり、積層セラミックコンデンサの電気容量が低くなってしまう場合があるためである。
本発明のニッケル粉末に含まれる主な不純物成分は酸素、炭素、硫黄、水分であり、上記不純物量にするためにはこれらを制御すればよく、それぞれ単独では、酸素は3.0質量%以下、炭素は1.0質量%以下、硫黄は1.0質量%以下、水分は300℃でのカールフィッシャー法による水分量で規定して1.5質量%以下であることが好ましい。ただし、硫黄は0.1質量%より含有量が少なくなると、ニッケル粉末表面の反応性を抑制しにくくなり、積層セラミックコンデンサの製造時に脱バインダ工程にてクラックが発生しやすくなるので好ましくない。
また不純物を少なくすることにより、ニッケル粉末から発生するガス量も少なくなる。更に発生するガス量を少なくするために、酸素は1.6質量%以下、炭素は0.6質量%以下、硫黄は0.6質量%以下、水分は300℃でのカールフィッシャー法による水分量で規定して0.8質量%以下であることが好ましい。なお300℃でのカールフィッシャー法による水分量は、気化したガスからカールフィッシャー滴定により分析したものである。また300℃でのカールフィッシャー法による水分量は、ニッケル粉末の吸着水と水酸化ニッケルに由来する水分値とを合わせた水分量であると推定する。
(ニッケル粉末の平均粒径)
本発明のニッケル粉末の平均粒径は0.05〜0.40μmであることが好ましい。平均粒径がこの範囲にあれば、積層セラミックコンデンサの薄層化に対応することが可能である。平均粒径が0.40μmを超えると、ハイエンドの積層セラミックコンデンサは薄層化されているため、適用が困難である。一方、平均粒径が0.05μm未満になると粉体の取り扱いが困難になる。平均粒径は走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察された全様が確認できる粉末の面積から求めることができる。より好ましい平均粒径は0.10〜0.30μmである。
2.積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末の製造方法
(1)ニッケル粉末の合成
本発明で用いられるニッケル粉末の合成方法は、特に限定されず、公知の方法で製造することができる。原材料を気化させた後にニッケル粉末を合成するCVD法、噴霧熱分解法、PVD法といった気相法、液体の原材料を用いてニッケル粉末を得る湿式法、固相のニッケル化合物を還元雰囲気下で加熱,還元させる固相法のいずれでも良い。
CVD法とは、ニッケル塩もしくは硫黄を含むニッケル塩の結晶を乾燥させ結晶水を除去したニッケル塩を得た後に、CVD粉末製造装置の蒸発部にニッケル塩をセット、昇温し、ニッケル塩を気化させキャリアーガスである窒素ガスと混合し、反応部に移送し、1000〜1200℃に制御された反応部で、還元ガスである水素とニッケル塩蒸気を混合し還元し、ニッケル粉末を得る方法である。
また、噴霧熱分解法とは、熱分解性のニッケル化合物の溶液を噴霧して熱分解する方法である。熱分解性のニッケル化合物を原料とするが、具体的には、ニッケルの硝酸塩、硫酸塩、オキシ硝酸塩、オキシ硫酸塩、塩化物、アンモニウム錯体、リン酸塩、カルボン酸塩、アルコキシ化合物などの1種又は2種以上を使用できる。このニッケル化合物を含む溶液を噴霧して、微細な液滴を作るが、このときの溶媒としては、水、アルコール、アセトン、エーテル等が用いられる。また、噴霧の方法は、超音波又は二重ジェットノズル等の噴霧方法により行う。このようにして微細な液滴とし、高温で加熱しニッケル化合物を熱分解して、金属ニッケル粉末を生成する。このときの加熱温度は、使用される特定のニッケル化合物が熱分解する温度以上であり、好ましくはニッケルの融点付近である。
PVD法とは、高周波プラズマを点火して水素や希ガスを最適化して安定したプラズマ炎を得て、そのプラズマ炎の中にニッケル原料を投入し、ニッケル粉末を得る方法である。プラズマ炎は10,000℃以上となるが、ニッケル原料中の硫黄は硫化物として残留する。
湿式法には、(A)ニッケル塩の水溶液とヒドラジン等の還元剤の水溶液とを混合しニッケル粒子に還元しニッケル粉末を得る方法、(B)アルカリ性溶液とニッケル塩とを混合しニッケルの水酸化物を合成した後にガスを用いて焙焼還元しニッケル粉末を得る方法、(C)酸化ニッケルやニッケルの水酸化物と多価アルコールを混合しニッケル粉末を得る方法などがある。
(A)ニッケル塩の水溶液とヒドラジン等の還元剤の水溶液とを混合しニッケル粒子に還元しニッケル粉末を得る方法において、還元剤は、特に限定されるものではないが、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、水素化ホウ素ナトリウムから選ばれる少なくとも1種類を用いることが好ましい。これらの還元剤の中では、特に不純物が少ないという点で、ヒドラジンが最も好ましい。
また、ヒドラジン等を用いる場合は、pHが10以上になると、還元反応速度が速くなるため、アルカリ性物質も添加するのが好ましい。さらに、球状で単分散のニッケル粉末を得るために、ニッケルよりも貴な金属塩、錯化剤、コロイド剤等を添加することが好ましい。ニッケルよりも貴な金属塩の一例として、水溶性の金塩、銀塩、プラチナ塩、パラジウム塩、ロジウム塩、イリジウム塩、銅塩が挙げられる。錯化剤の一例としては、アンモニウム、若しくはカルボキシル基を有する蟻酸、酢酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸が挙げられる。コロイド剤の一例としては、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコールが挙げられる。
この製法(A)では、例えば70〜80℃に昇温した純水にゼラチンを溶解し、その後パラジウムと銀の混合水溶液を添加し、パラジウムと銀を還元するために必要なヒドラジンを添加し、パラジウムと銀からなる複合コロイド水溶液を作製するのが好ましく、そのコロイド水溶液に、酒石酸、水酸化ナトリウム、水加ヒドラジンを添加した後に、塩化ニッケル水溶液を添加する方法が好ましい。
(B)アルカリ性溶液とニッケル塩とを混合しニッケル水酸化物を合成した後にガスを用いて焙焼還元しニッケル粉末を得る方法においては、ニッケル塩は、特に限定されないが硫酸ニッケル、塩化ニッケルが好ましい。アルカリ性水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。特にニッケル塩にアルカリ土類金属であるマグネシウムが混合されているのが好ましく、塩化マグネシウムと塩化ニッケルを混合した水溶液と水酸化ナトリウムを混合し、マグネシウムを含む水酸化ニッケルを生成させることが好ましい。マグネシウムを混合する理由としては焙焼還元時に焼結を抑制するためである。
この製法(B)では、塩化マグネシウムを溶解した塩化ニッケル水溶液と水酸化ナトリウムとを混合しマグネシウムを含む水酸化ニッケルスラリーを得る。この水酸化ニッケルスラリーを固液分離した後に、掛け水洗浄し、ナトリウムと塩素を除去し、水酸化ニッケルのケーキを得る。
このケーキを大気乾燥機で乾燥し水酸化ニッケル粉末を得る。この粉末を酸化雰囲気で加熱し酸化ニッケルを得た後に、還元雰囲気で還元しニッケル粉末を得る方法が好ましい。乾燥させたニッケル水酸化物は、300〜700℃で焙焼し酸化ニッケルとした後に、200〜700℃で還元雰囲気にて還元してニッケル粉末とするのがより好ましい。
(C)酸化ニッケルやニッケルの水酸化物と多価アルコールを混合しニッケル粉末を得る方法においては、多価アルコールとしてトリエチレングリコール、エチレングリコールの使用が好ましい。多価アルコールと酸化ニッケルや水酸化ニッケルの粉末を加熱しながら混合撹拌し、核剤として貴金属である金塩、銀塩、プラチナ塩、パラジウム塩、ロジウム塩、イリジウム塩、銅塩を添加する方法が好ましい。
この製法(C)では、例えば室温で酸化ニッケルとエチレングリコールを混合し、混合撹拌を続けた状態で、150〜180℃まで加熱しパラジウム塩水溶液を添加した後に、更に190℃まで昇温しニッケル粉末を得る方法が好ましい。
固相法とは、酸化ニッケルなどのニッケル化合物粉末を、水素−窒素雰囲気など還元雰囲気下で加熱しニッケル化合物粉末を還元することで、ニッケル粉末を得る方法である。
上記の各種合成方法のうち、本発明では湿式法、PVD法、CVD法が好ましく、粒度分布がシャープで、かつ不純物含有が少ないニッケル粉末を得やすいという観点から、特に湿式法(A)(B)が好ましい。
得られたニッケル粉末が前記硫黄による表面被覆特性を充足していればよいが、上記PVD法などの気相法、あるいは固相法で得られたニッケル粉末においては、原料あるいは中間体が高温に加熱されて、粉末の表面の硫黄が大幅に低減してしまうことがある。硫黄による表面被覆特性が充足できていない場合は、ニッケル粉末の合成方法を見直して特性を充足させるようにする。
(2)ニッケル粉末の後処理
それでもニッケル粉末が前記した触媒活性を有している場合は、硫黄化合物を用いて後処理を行う。ニッケル粉末合成後に硫黄化合物の水溶液とニッケル粉末を混合し、硫酸ニッケルや硫化ニッケル形態でニッケル粉末表面に存在させれば良い。
本発明のニッケル粉末の後処理に用いられる硫黄化合物としては、硫酸物系もしくは硫化物系の無機化合物、チオール基やスルホン基を有する有機硫黄化合物が好ましく、特に好ましくは、硫化水素ナトリウム、硫化水素アンモニウム、硫化ナトリウム、硫化アンモニウム、硫化水素などの硫化物系の無機硫化物、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、トリアジンチオール類、チオ尿素などのチオール基を有する有機硫黄化合物が挙げられる。これらの硫黄化合物は、1種でも複数組み合わせた2種以上でもかまわない。
また、これらの硫黄化合物をニッケル粉末表面に付着させる方法も特に限定されないが、硫黄化合物を溶解させた溶液で表面被覆処理したり、硫黄化合物を含む蒸気、ガスで表面被覆処理したりすることができる。
この後処理では、特に硫酸系よりも硫化物系が好ましく、更には硫化水素ナトリウム、硫化水素アンモニウム、硫化ナトリウムといった無機硫黄化合物系よりも、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、トリアジンチオールといった有機硫黄化合物系が好ましい。理由としては、無機硫黄化合物では硫黄元素と硫黄元素が結合しやすく所望とする触媒活性を有する部分と硫黄が結合しにくく大量に硫黄を含ませる必要が発生しやすい一方で、有機硫黄化合物では、触媒活性を有する部分に選択的に結合し硫黄元素と硫黄元素が結合するといった現象が起きないためである。なお有機硫黄化合物を使用した際には、硫黄元素と炭素元素の結合が切れ炭素元素を含む部分は液中に分配されニッケル粉末には残留しにくい。
また反対に、湿式法で得られるニッケル粉末中には、水や硫黄化合物などの不純物が多量に含まれることがある。特に処理に用いた硫黄化合物の未反応物が残留している場合には、750℃以下の温度域で分解ガス化してガス発生しやすくなる。これを防止するために、水洗による除去、残留している不純物の特性に合わせて酸性およびアルカリ性でpH制御による分解除去、酸化雰囲気、不活性ガス雰囲気、還元雰囲気での熱処理による分解ガス化除去を必要に応じて選択すれば良い。またこれらを複数組み合わせても良い。
3.導電ペースト
本発明のニッケル粉末は、積層セラミックコンデンサの製造に用いられるためにペースト化される。ペーストの構成成分としては、ニッケル粉末の他に、溶剤とバインダ樹脂とが混合されたビヒクルや、必要に応じて、共材、添加剤等を含有する。
ビヒクルは、溶剤とバインダ樹脂とを均一に混合したものであり、例えば溶剤としては、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテートなどを使用することができ、また、バインダ樹脂としては、エチルセルロースなどのセルロース類、ポリビニルブチラールなどを使用することができる。
共材は、積層セラミックコンデンサ製造時にペーストを印刷して形成される電極層と誘電体グリーンシートとの層間剥離を防止するために、ペーストの熱収縮挙動を誘電体グリーンシートの熱収縮挙動に近づける目的でペーストに添加することができる。共材は、誘電体グリーンシートの構成材料と同一であることが好ましく、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムなどを使用することができる。
添加剤は、用途に応じて、粘度調整剤、分散剤、難燃剤、沈降防止剤などを使用することができる。
ペーストを製造するには、上述した構成成分を均一に分散させることができる限り、公知の方法を採用できる。たとえば、上述した各構成成分を、3本ロールミルなどにより均一に混練することができる。なお、各構成成分を添加するタイミングは特に制限されることはなく、ビヒクルを混練後にニッケル粉末等の他の構成成分を添加して混練するか、ビヒクル混練時に他の構成成分を同時に添加して混練してもよい。さらに添加剤は、ビヒクルやニッケル粉末などを混練した後、自公転ミキサなどを用いて添加してもよい。
以下、実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例でそれぞれ得られたニッケル粉末の平均粒径、酸素、炭素、硫黄の含有量、水分量、発生ガスの質量および温度域の測定・評価方法は、以下に示す通りである。
(1)ニッケル粉末の平均粒径
ニッケル粉末の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope、日本電子社製、JSM−5510)を用いて、倍率20,000倍の写真(縦19.2μm×横25.6μm)を撮影し、写真中の粒子形状の全様が見える粒子の面積を測定し、面積から各粒子の半径を求め、その平均値により定めた。
(2)ニッケル粉末の酸素、炭素、硫黄の含有量
ニッケル粉の硫黄と炭素の含有量は、分析装置(LECO社製、CS−600)にて測定した。ニッケル粉末の酸素の含有量は、分析装置(LECO社製、TC−436AR)にて測定した。
(3)ニッケル粉末の水分の含有量
ニッケル粉末の含水量は、300℃でのカールフィッシャー法による水分量を測定した。
(4)ニッケル粉末の発生ガス質量と温度域
発生ガス質量と温度域は、熱重量−質量測定(Thermogravimetry−Mass spectrometer、Thermogravimetry:Bruker−AXS社製 2020SA、Mass spectrometer:Bruker−AXS社製 MS9600)装置を用い測定した。
測定時の雰囲気はヘリウムガス、ニッケル粉末重量は70mg、ガス流量はメイン側150cc/min、サブ側50cc/min、昇温速度は20℃/minとした。測定温度域は室温から1300℃まで、検出質量の範囲は、1以上100以下とした。
室温から1300℃までの測定において、検出強度が最も低い部分をベースラインとして、ベースラインよりも高い強度を有している部分はガスが発生している温度域と規定した。
なお、加熱によってニッケルよりガス化除去される不純物含有量は、熱重量測定(Thermogravimetry)により、測定した。
(5)積層体の構造欠陥評価
積層体は、各実施例、比較例にて得られたニッケル粉末をエチルセルロース樹脂及び溶剤としてターピネオールと混練してペースト化後、BaTiOを主成分とする誘電体シート上に塗布し、ペーストが塗布された誘電体シートを100層積層し製造した。
その後、積層体を弱酸化雰囲気で脱バインダ処理、還元雰囲気で焼成を行い、焼結体を得た。得られた焼結体の断面100ヶ所を顕微鏡にて観察することで、クラック、デラミネーションなど構造欠陥の有無を観察した。
(実施例1)
500gの塩化ニッケル6水和物と塩化マグネシウム6水和物1gを純水1.3Lに溶解して塩化ニッケル水溶液を調製した。水酸化ナトリウム178gを純水1.3Lに溶解した溶液を準備し、前記塩化ニッケル水溶液に添加し、生成した水酸化物をろ過した。更に、これを5Lの純水で水洗し再びろ過した。同様のろ過を4回繰り返した後に、150℃で48時間大気乾燥を行い、マグネシウムを0.06質量%含む水酸化ニッケル粉末を得た。
得られた水酸化ニッケル粉末の解砕と篩を行った後に、環状炉に水酸化ニッケルを静置し、水酸化ニッケル1gに対して0.3ml/minになるように空気を流しながら700℃で1時間焼成した後に室温まで冷却した。その後、炉内の酸化ニッケルはそのままにして、窒素ガスでガス置換を行った後に、80容積%の水素を含む水素窒素混合ガスを酸化ニッケル粉末1gに対して0.1ml/minになるよう流し、450℃で1時間焼成し、室温になるまでガス雰囲気と量は保持した。その後、窒素で炉内を置換した後に取り出しニッケル粉末を得た。
硫酸と純水を混合して0.01質量%の硫酸液を準備し、ニッケル粉末と硫酸液とをニッケル濃度が250g/Lになるように混合した後に、30min撹拌して洗浄し、ろ過による固液分離を行った。その後、更に5Lの純水にて、掛け水洗浄を行い150℃で48時間大気乾燥を行い、ニッケル粉末を得た。
得られたニッケル粉末は、乾式の旋回流式ジェットミル(株式会社パウレック製)を用いて、ガス媒体を空気として粉砕圧を0.50MPa、供給圧を0.55MPa、給粉量を50g/minとし分散処理した。
得られたニッケル粉末は、粒子径、酸素、炭素、硫黄、水分量を測定し、結果を表1に示す。ヘリウムガス雰囲気での熱重量−質量測定(Thermogravimetry−Mass spectrometer)によって得られた質量18、44、48、64の発生ガス温度域を図1、表2に示す。図1より、質量18及び44のガスは700℃以下でしか検出されておらず、質量48及び64のガスは850℃以上1200℃以下で検出されていることが分かる。
また、得られたニッケル粉末をペースト化後、誘電体シート上に塗布して積層体を作製し、脱バインダ処理、焼成を行い、構造欠陥の有無を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
不純物としてSOを1000質量ppm含有した塩化ニッケル結晶を150℃で乾燥させ結晶水を除去した塩化ニッケル塩を得た。
その後、CVD粉末製造装置を用いて蒸発部の設定温度を950℃に制御してキャリアーガスとして純窒素ガスを反応部に移送し、反応部での塩化ニッケル濃度が0.1g/Lとなるように制御した。反応温度を1100℃に制御し、還元ガスの純水素ガスを石英製のノズルから8L/minの流量で流し、塩化ニッケル蒸気を還元した。生成した金属ニッケル粉末は回収した後に、ニッケル粉末1000gに純水5Lを添加した後に、湿式ジェットミル(連続式微粒化装置アルティマイザーシステムHJP−25005株式会社スギノマシン)を用いて分散させ、ニッケル粉末表面の不純物を除去した後に静置沈降させた。その後、上澄み液3Lを除去し、0.1質量%のヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液9Lを加え湿式ジェットミルで分散処理した後に、2液分離型の液体サイクロン装置(ハイドロサイクロンNHC−1)に0.9MPaで供給し湿式分級した後に、固液分離して棚式の真空乾燥機150℃で乾燥した。
その後、乾式の旋回流式ジェットミル(株式会社パウレック製)を用いて、粉砕圧を0.50MPa、供給圧を0.55MPa、給粉量を50g/min、ガス媒体を窒素ガスとして処理した。
得られたニッケル粉末の粒子径、酸素、炭素、硫黄、水分量、ニッケル純分は表1に示す。ヘリウムガス雰囲気での熱重量−質量測定(Thermogravimetry−Mass spectrometer)によって得られた質量18、44、48、64の発生ガス温度域は表2に示す。
また、得られたニッケル粉末をペースト化後、誘電体シート上に塗布して積層体を作製し、脱バインダ処理、焼成を行い、構造欠陥の有無を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
パラジウムと微量の銀からなる複合コロイド溶液に、アルカリ性のヒドラジン溶液を混合し、ニッケルを還元するためのアルカリ性コロイド溶液を作製した。このアルカリ性コロイド溶液のパラジウム、銀、およびゼラチンの含有量は、後に添加するニッケル塩水溶液中のニッケルの全質量に対して、パラジウム:10質量ppm、銀:0.1質量ppm、ゼラチン:100質量ppmとした。
ニッケルを還元するためのアルカリ性コロイド溶液の作製は、次のように行った。
まず、6Lの純水にゼラチンを溶解させた後、ヒドラジンの濃度が0.02g/Lとなるようにヒドラジンを混合して、ゼラチン−ヒドラジン溶液を作製した。次に、パラジウムと微量の銀の混合溶液を作製し、その混合溶液をゼラチン−ヒドラジン溶液に滴下して、コロイド溶液とした。
このコロイド溶液に水酸化ナトリウムを加え、pHを13とした後、さらにヒドラジンの濃度が26g/Lとなるまでヒドラジンを加え、パラジウムと微量の銀からなるコロイドが混合されたアルカリ性のヒドラジン溶液を作製して、ニッケルを還元するためのアルカリ性コロイド溶液とした。更に錯化剤として酒石酸を1.3g/Lになるまで添加した。
そして、このアルカリ性コロイド溶液に、ニッケル濃度が100g/Lの塩化ニッケル水溶液を0.5リットル滴下してニッケルの還元を行い、原料ニッケル粉末を得た。
次に、得られた原料ニッケル粉末を25g/Lになるように純水に添加し、スラリーを作製した。その後、原料ニッケル粉末に対して硫黄が0.5質量%になるように秤量した2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンモノナトリウム塩を純水にて溶解した溶液を、そのスラリーに添加、30分間攪拌した後に固液分離した。固液分離後、未反応の2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンモノナトリウム塩が検出されない状況になるまで洗浄を行った後に、真空乾燥機にて150℃で真空乾燥し、硫黄を含有したニッケル粉末を得た。
その後、水素窒素雰囲気で熱処理を180℃で行った後に、乾式の旋回流式ジェットミルにてガス媒体をヘリウムとして分散処理し、ニッケル粉末を得た。
得られたニッケル粉末の粒子径、酸素、炭素、硫黄、水分量、ニッケル純分を表1に示す。ヘリウムガス雰囲気での熱重量−質量測定(Thermogravimetry−Mass spectrometer)によって得られた質量18、44、48、64の発生ガス温度域は表2に示す。
また、得られたニッケル粉末をペースト化後、誘電体シート上に塗布して積層体を作製し、脱バインダ処理、焼成を行い、構造欠陥の有無を評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
平均粒径2.2μmのニッケル粉末原料4kgを純水16Lに投入し、一硫化水素ナトリウムの水和物を60g添加して30min撹拌し静置沈降を行い、上澄み液12Lを除去し、純水12Lを添加し30min撹拌し静置沈降を行い、上澄み液を可能な限り除去した。その後、固液分離して棚式の真空乾燥機150℃で乾燥した。乾燥後のニッケル粉末原料の硫黄含有量は0.2質量%、酸素含有量は0.4質量%であった。
最高入力200kWの高周波プラズマ微粉製造装置(高周波プラズマ発振機:日本電子株式会社製、TP−12020)にニッケル粉末原料を仕込み、10,000℃以上のプラズマ炎でニッケル粉末原料を瞬時に蒸発気化させ、プラズマ尾炎部で凝集、微粉化しニッケル粉末を得た後に、冷却、徐酸化して取り出した。
その後、ニッケル粉末1000gに純水5Lを添加してスラリーとした後に、湿式ジェットミル(連続式微粒化装置アルティマイザーシステムHJP−25005株式会社スギノマシン)を用いて分散させ、ニッケル粉末表面の不純物を除去した後に静置沈降させた。その後、上澄み液3Lを除去し、0.1質量%のヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液9Lを加え湿式ジェットミルで分散処理した後に、2液分離型の液体サイクロン装置(ハイドロサイクロンNHC−1)に0.9MPaで供給し湿式分級した後に、固液分離して棚式の真空乾燥機150℃で乾燥した。
その後、乾式の旋回流式ジェットミル(株式会社パウレック)を用いて、粉砕圧を0.50MPa、供給圧を0.55MPa、給粉量を50g/min、ガス媒体を空気として処理し、ニッケル粉末を得た。
得られたニッケル粉末の粒子径、酸素、炭素、硫黄、水分量、ニッケル純分を表1に示す。ヘリウムガス雰囲気での熱重量−質量測定(Thermogravimetry−Mass spectrometer)によって得られた質量18、44、48、64の発生ガス温度域は表2に示す。
また、得られたニッケル粉末をペースト化後、誘電体シート上に塗布して積層体を作製し、脱バインダ処理、焼成を行い、構造欠陥の有無を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例3と同様の操作を行い、原料ニッケル粉末を得た。次に、得られた原料ニッケル粉末を25g/Lになるように純水に添加し、スラリーを作製した。その後、原料ニッケル粉末に対して硫黄が0.15質量%になるように秤量した硫化水素ナトリウムを、純水0.1リットルに溶解した溶液を、そのスラリーに添加、30分間攪拌した後に固液分離した。固液分離後、真空乾燥機にて150℃で真空乾燥し、硫黄を含有した原料ニッケル粉末を得た。その後、水素窒素雰囲気で熱処理を180℃で行い、乾式の旋回流式ジェットミルにてガス媒体をヘリウムとして分散処理し、ニッケル粉末を得た。
得られたニッケル粉末の粒子径、酸素、炭素、硫黄、水分量、ニッケル純分を表1に示す。ヘリウムガス雰囲気での熱重量−質量測定(Thermogravimetry−Mass spectrometer)によって得られた質量18、44、48、64の発生ガス温度域を図2、表2に示す。図2より、質量48及び64のガスは850℃以上1150℃以下で検出されているのに対し、質量18及び44のガスは700℃以下だけでなく、質量18及び僅かではあるが質量44のガスが900℃以上でも検出されていることが分かる。
また、得られたニッケル粉末をペースト化後、誘電体シート上に塗布して積層体を作製し、脱バインダ処理、焼成を行い、構造欠陥の有無を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1と同様の操作により、硫黄を含有した原料ニッケル粉末を得た。 その後、乾式の旋回流式ジェットミル(株式会社パウレック)を用いて、ガス媒体を空気として分散処理を行い、更に、ジエチレングリコールモノメチルエーテルをニッケル粉に対して5質量%混合した後に、加熱した分級装置にて分級処理を施し、ニッケル粉末を得た。
得られたニッケル粉末の粒子径、酸素、炭素、硫黄、水分量、ニッケル純分を表1に示す。ヘリウムガス雰囲気での熱重量−質量測定(Thermogravimetry−Mass spectrometer)によって得られた質量18、44、48、64の発生ガス温度域は表2に示す。
また、得られたニッケル粉末をペースト化後、誘電体シート上に塗布して積層体を作製し、脱バインダ処理、焼成を行い、構造欠陥の有無を評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例3と同様にニッケル粉末を合成し、硫黄が0.5質量%になるように秤量した2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンモノナトリウム塩を純水にて溶解した溶液を、そのスラリーに添加、30分間攪拌した後に固液分離を行った。その後、実施例3で行ったような洗浄を行わずに、そのまま真空乾燥機にて150℃で真空乾燥し、硫黄を含有したニッケル粉末を得た。
その後、水素窒素雰囲気で熱処理を180℃で行った後に、乾式の旋回流式ジェットミルにてガス媒体をヘリウムとして分散処理し、ニッケル粉末を得た。
得られたニッケル粉末の粒子径、酸素、炭素、硫黄、水分量、ニッケル純分を表1に示す。ヘリウムガス雰囲気での熱重量−質量測定(Thermogravimetry−Mass spectrometer)によって得られた質量18、44、48、64の発生ガス温度域は表2に示す。
また、得られたニッケル粉末をペースト化後、誘電体シート上に塗布して積層体を作製し、脱バインダ処理、焼成を行い、構造欠陥の有無を評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1と同様の操作を行い酸化ニッケル粉末からニッケル粉末を作製後、0.01質量%の硫酸液の代わりに純水をニッケル濃度が250g/Lとなるようにニッケル粉末と混合し、30min撹拌して洗浄し、ろ過による固液分離を行った。その後は実施例1と同様の操作を行い、ニッケル粉末を得た。
得られたニッケル粉末の粒子径、酸素、炭素、硫黄、水分量、ニッケル純分を表1に示す。ヘリウムガス雰囲気での熱重量−質量測定(Thermogravimetry−Mass spectrometer)によって得られた質量18、44、48、64の発生ガス温度域は表2に示す。
また、得られたニッケル粉末をペースト化後、誘電体シート上に塗布して積層体を作製し、脱バインダ処理、焼成を行い、構造欠陥の有無を評価した。結果を表1に示す。
「評価」
以上の結果を示す表1,2から次のことが分かる。 実施例1〜4では、750℃以上の温度域で質量48及び64のガスの発生は認められるが、質量18及び44のガスの発生は認められず、構造欠陥の発生はなく良好であった。一方、比較例1〜3は、硫黄を含有していない比較例4よりは構造欠陥の発生数が低減されているが、750℃以上の温度域で、質量48及び64のガスだけでなく、少なくとも質量18、44のいずれかのガスの発生が認められ、構造欠陥の発生数も実施例1〜4に劣っていた。また比較例3では、質量48及び64のガスが500℃以下でも発生しており、構造欠陥の発生数も比較的多いことが分かった。
実施例1〜4及び比較例1〜3の酸素、炭素、硫黄、及び水分の含有量からは明確な差異は認められず、これらの結果から、構造欠陥の発生を一段と抑制するためには、酸素、炭素、硫黄、及び水分の含有量だけでなく、加熱時にニッケル粉末から発生するガスの制御も重要であることが分かる。
比較例4において構造欠陥の発生が多かった理由としては、バインダである樹脂がニッケル粉末の触媒活性によって急激に分解ガス化し、積層体に負荷がかかり構造欠陥を起こしたためであると考えられる。
本発明のニッケル粉末は、厚膜導電体を作製するための導電ペーストの材料として使用でき、特に、積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック部品の電極などに用いることができる。

Claims (9)

  1. 少なくとも表面に硫黄が存在する積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末であって、
    不活性ガス雰囲気で室温から1200℃まで加熱し発生ガス質量を測定(Mass spectrometer)したとき、
    質量48、質量64の含硫黄ガス成分が750℃以上の温度領域で発生し、また、質量18、質量44の含酸素ガス成分が40〜750℃の温度領域で発生し、両者の温度領域が重複しないことを特徴とする積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末。
  2. 質量48、質量64の含硫黄ガス成分の発生する温度領域が、850〜1200℃であることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末。
  3. 質量18、質量44の含酸素ガス成分の発生する温度領域が、40〜700℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末。
  4. 前記不活性ガス雰囲気がヘリウムガスを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末。
  5. 発生ガス質量を測定する際の昇温速度が、10〜30℃/min.であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末。
  6. 不純物として、酸素、炭素、硫黄、水を含み、その合計量が4.0質量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末。
  7. 酸素が1.6質量%以下、炭素が0.6質量%以下、硫黄が0.6質量%以下、300℃でのカールフィッシャー法による水分量が0.8質量%以下であることを特徴とする請求項6に記載の積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末。
  8. 平均粒径が0.05〜0.40μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ用ニッケル粉末に、溶剤とバインダ樹脂とが混合されたビヒクルを含んでなる導電ペースト。



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