JP6201150B2 - 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストおよびその製造方法、ならびに、積層セラミックコンデンサ - Google Patents
積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストおよびその製造方法、ならびに、積層セラミックコンデンサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP6201150B2 JP6201150B2 JP2014039451A JP2014039451A JP6201150B2 JP 6201150 B2 JP6201150 B2 JP 6201150B2 JP 2014039451 A JP2014039451 A JP 2014039451A JP 2014039451 A JP2014039451 A JP 2014039451A JP 6201150 B2 JP6201150 B2 JP 6201150B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- conductive paste
- conductive
- ceramic capacitor
- multilayer ceramic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Ceramic Capacitors (AREA)
Description
以下、本発明の導電性ペーストについて、その構成成分ごとに分けて説明する。
本発明の導電性ペーストを構成する導電性粉末としては、従来技術と同様に、ニッケル(Ni)粉末、パラジウム(Pd)粉末、Niを含む合金粉末およびPdを含む合金粉末から選択される少なくとも1種を用いることができる。これらの中でも、低コストのNi粉末を用いることが好ましい。
本発明の導電性ペーストを構成するビヒクルは、特に制限されることはなく、従来技術と同様に、溶剤とバインダとを均一に混合したものを使用することができる。たとえば、溶剤としては、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテートなどを使用することができる。また、バインダとしては、エチルセルロースなどのセルロース類、ポリビニルブチラールなどを使用することができる。
粘度調整剤は、セラミックグリーンシートなどの対象物に良好に印刷されるように、導電性ペーストの粘度を調整するために添加される成分である。
本発明の導電性ペーストは、上述した成分に加えて、添加剤として、少なくともチオウレア系化合物、システイン、サリチル酸アマイド化合物およびポリリン酸エステルから選択される1種以上の有機化合物(以下、「有機添加剤」という)を、導電性粉末100質量部に対して、0.1質量部〜1質量部含むことを特徴とする。
(1)導電性ペーストの製造方法
本発明の導電性ペーストは、上述した構成成分を均一に分散させることができる限り、従来技術と同様の方法により製造することができる。たとえば、上述した各構成成分を、3本ロールミルなどにより均一に混練することにより製造することができる。
上述したように本発明の導電性ペーストによれば、脱バインダ工程における導電性粉末の触媒作用が抑制されるため、このペースト中のバインダの熱分解温度が過度に低下することを防止することができる。このため、本発明の導電性ペーストを用いて、積層セラミックコンデンサの内部電極層を構成した場合に、層間剥離やクラックなどの構造欠陥が生じることを効果的に防止することができる。
導電性粉末として、平均粒径が0.2μmのNi粉末(住友金属鉱山株式会社製)を用意し、このNi粉末100質量部に対して、上述したビヒクルを60質量部(エチルセルロース:3質量部)、粘度調整剤(出光興産株式会社製、Aソルベント)を40質量部、有機添加剤として、チオウレア(和光純薬工業株式会社製)を0.1質量部、秤量した。次に、これらの構成成分を同時に混合し、3本ロールミル(株式会社井上製作所、43/4×11S型ロール機)を用いて、FOGゲージ(粒ゲージ)によって測定される粒径が10μm以下となるまで混練し、導電性ペーストを作製した。
有機添加剤の種類およびその含有量を表2に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製するとともに、その熱分解ピーク温度を測定し、これらの導電性ペーストにおけるエチルセルロースの熱分解性と、それに伴うガス発生の程度を評価した。また、実施例1と同様にして、粘度の上昇率αを測定し、粘度の安定性を評価した。これらの結果を表2に示す。
導電性粉末として、平均粒径が0.2μmのNi粉末を用意し、このNi粉末100質量部に対して、上述したビヒクルを60質量部、粘度調整剤を40質量部、チオウレアを0.1質量部、秤量した。次に、これらのうち、Ni粉末と、ビヒクルと、粘度調整剤とを混合し、3本ロールミルを用いて、FOGゲージによって測定される粒径が10μmとなるまで混練した。その後、得られた混合物を自公転ミキサ(株式会社シンキー製)に移すとともに、この混合物にチオウレアを添加し、十分に混合することで導電性ペーストを得た。
有機添加剤の種類およびその含有量を表2に示すようにしたこと以外は、実施例9と同様にして導電性ペーストを作製するとともに、その熱分解ピーク温度を測定し、これらの導電性ペーストにおけるエチルセルロースの熱分解性と、それに伴うガス発生の程度を評価した。また、実施例1と同様にして、粘度の上昇率αを測定し、粘度の安定性を評価した。これらの結果を表2に示す。
粘度調整剤として、表2に示すものを使用したこと以外は、実施例2と同様にして導電性ペーストを作製するとともに、その熱分解ピーク温度を測定し、これらの導電性ペーストにおけるエチルセルロースの熱分解性と、それに伴うガス発生の程度を評価した。また、実施例1と同様にして、粘度の上昇率αを測定し、粘度の安定性を評価した。これらの結果を表2に示す。
有機添加剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製するとともに、その熱分解ピーク温度を測定し、これらの導電性ペーストにおけるエチルセルロースの熱分解性と、それに伴うガス発生の程度を評価した。また、実施例1と同様にして、粘度の上昇率αを測定し、粘度の安定性を評価した。これらの結果を表2に示す。
有機添加剤の種類およびその含有量を表1に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製するとともに、その熱分解ピーク温度を測定し、これらの導電性ペーストにおけるエチルセルロースの熱分解性と、それに伴うガス発生の程度を評価した。また、実施例1と同様にして、粘度の上昇率αを測定し、粘度の安定性を評価した。これらの結果を表2に示す。
有機添加剤に代替して、表2に示すチオール系有機化合物の6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(三協化成株式会社製)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして、導電性ペーストを作製した。しかしながら、混練中にエチルセルロースが膨潤し、ゲル化しため、それ以上の混練を行うことができなかった。このため、比較例4では、熱分解ピーク温度および粘度の上昇率αの測定を行うことができなかった。
粘度調整剤として、表2に示すアルコール系のヘプタノール(和光純薬工業株式会社製)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして導電性ペーストを作製した。しかしながら、混練中にエチルセルロースが膨潤し、ゲル化したため、それ以上の混練を行うことができなかった。このため、比較例5では、熱分解ピーク温度および粘度の上昇率αの測定を行うことができなかった。
表1および表2より、本発明の技術的範囲に含まれる実施例1〜13の導電性ペーストは、エチルセルロースの熱分解ピーク温度が350℃〜355℃の範囲にあり、かつ、粘度の安定性の評価も良好であることが確認される。したがって、これらの導電性ペーストを用いて内部電極層を形成した積層セラミックコンデンサでは、脱バインダ工程や焼成工程における構造欠陥の発生を大幅に低減することができると考えられる。また、これらの導電性ペーストは、作製後、長期間経過後においても、支障なく内部電極層を形成することができると考えられる。なお、沸点が200℃を超える粘度調整剤を使用した実施例13では、他の実施例と比べて粘度の上昇率αが高かったが、実用上は問題のないレベルであった。
Claims (7)
- 導電性粉末と、ビヒクルと、石油系炭化水素からなる粘度調整剤と、添加剤とを含む導電性ペーストであって、
前記導電性粉末が、Ni粉末、Pd粉末、Niを含む合金粉末およびPdを含む合金粉末から選択される少なくとも1種であり、
前記添加剤として、チオウレア系化合物、システインおよびポリリン酸エステルから選択される1種以上の有機化合物を含み、かつ、該有機化合物の含有量が、前記導電性粉末100質量部に対して、0.1質量部〜1質量部である、積層セラミックコンデンサの内部電極用導電性ペースト。 - 前記有機化合物は、チオウレアである、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサの内部電極用導電性ペースト。
- 前記粘度調整剤は、沸点が150℃〜260℃である、請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサの内部電極用導電性ペースト。
- 前記導電性粉末の平均粒径が1μm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサの内部電極用導電性ペースト。
- 前記導電性粉末はNi粉末である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサの内部電極用導電性ペースト。
- 前記ビヒクルに、前記導電性粉末と、前記粘度調整剤と、前記添加剤とを添加し、これらの混合物を混練する、請求項1〜5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサの内部電極用導電性ペーストの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサの内部電極用導電性ペーストを用いて形成された内部電極層を備える、積層セラミックコンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014039451A JP6201150B2 (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストおよびその製造方法、ならびに、積層セラミックコンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014039451A JP6201150B2 (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストおよびその製造方法、ならびに、積層セラミックコンデンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015164103A JP2015164103A (ja) | 2015-09-10 |
JP6201150B2 true JP6201150B2 (ja) | 2017-09-27 |
Family
ID=54186948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014039451A Active JP6201150B2 (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストおよびその製造方法、ならびに、積層セラミックコンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6201150B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7263694B2 (ja) * | 2017-12-07 | 2023-04-25 | 住友金属鉱山株式会社 | 積層セラミックコンデンサ用ニッケルペースト |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6178869A (ja) * | 1984-09-25 | 1986-04-22 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | 銅系導電性塗料組成物 |
JP2611347B2 (ja) * | 1987-07-24 | 1997-05-21 | 三菱化学株式会社 | 銅系導電性塗料組成物 |
JPH0645183A (ja) * | 1992-07-21 | 1994-02-18 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | パラジウムペーストおよび積層チップコンデンサの製造方法 |
JP3992360B2 (ja) * | 1998-04-24 | 2007-10-17 | 日東電工株式会社 | 導電性接着テープ |
JP5373973B2 (ja) * | 2010-08-06 | 2013-12-18 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | 異方導電性接着フィルムおよび硬化剤 |
JP5966370B2 (ja) * | 2012-01-16 | 2016-08-10 | 株式会社村田製作所 | 金属粉末、その製造方法、導電性ペースト、および電子部品 |
JP2014001297A (ja) * | 2012-06-18 | 2014-01-09 | Dic Corp | 導電性粘着テープ |
-
2014
- 2014-02-28 JP JP2014039451A patent/JP6201150B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015164103A (ja) | 2015-09-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102410080B1 (ko) | 도전성 페이스트 | |
JP5772621B2 (ja) | 内部電極用導電ペースト | |
JP7420076B2 (ja) | 導電性ペースト、電子部品、及び積層セラミックコンデンサ | |
JP2016031912A (ja) | 導電性ペーストの製造方法及びこれにより得られる導電性ペースト | |
TW202034352A (zh) | 導電性漿料、電子零件、及積層陶瓷電容器 | |
JP2024032861A (ja) | 導電性ペースト、電子部品、及び積層セラミックコンデンサ | |
JP6361356B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサ内部電極用ペースト、及び積層セラミックコンデンサ | |
JP2014154543A (ja) | 導電性ペースト組成物、これを用いた積層セラミックキャパシタ及びこれを用いた積層セラミックキャパシタの製造方法 | |
JP6201150B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストおよびその製造方法、ならびに、積層セラミックコンデンサ | |
JP6737506B2 (ja) | 導電性ペースト、チップ電子部品及びその製造方法 | |
JP7263694B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサ用ニッケルペースト | |
JP6004034B1 (ja) | 銅粉末 | |
JP6365068B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストおよびその製造方法、ならびに、積層セラミックコンデンサ | |
CN113396458A (zh) | 导电性浆料、电子部件以及叠层陶瓷电容器 | |
JP6533371B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサ内部電極用ペースト及びその製造方法、並びに積層セラミックコンデンサ内部電極用ペーストにより得られた導電膜 | |
WO2020144746A1 (ja) | 積層セラミックコンデンサ用ニッケルペースト | |
US20150116895A1 (en) | Conductive paste composition for external electrode, multilayer ceramic electronic component using the same, and manufacturing method thereof | |
JP6791194B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサ内部電極用ペースト及びその製造方法 | |
KR100972964B1 (ko) | 적층 세라믹 콘덴서용 니켈 페이스트 | |
JP7143875B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサ内部電極用ペースト及びその製造方法 | |
JP2016076627A (ja) | 積層セラミックコンデンサ用内部電極材料 | |
JP2015164104A (ja) | 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストおよび積層セラミックコンデンサ | |
JP7552231B2 (ja) | 導電性ペースト、電子部品、及び、積層セラミックコンデンサ | |
JP4653971B2 (ja) | 内部電極用ニッケル含有ペースト | |
TWI402871B (zh) | 積層陶瓷電容用鎳糊 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160524 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170228 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170228 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170418 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170718 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170731 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6201150 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |