JP6065699B2 - ニッケル粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケル粉末とその製造方法に関し、さらに詳しくは、積層セラミックコンデンサの内部電極として好適なニッケル粉末とその製造方法に関する。
従来から、ニッケル粉末は、厚膜導電体を作製するための導電ペーストの材料として、使用されている。前記厚膜導電体は、電気回路の形成、積層セラミックコンデンサ及び多層セラミック基板等の積層セラミック部品の電極などに用いられている。
上記積層セラミック部品である積層セラミックコンデンサは、次のように製造されている。
まず、ニッケル粉末とエチルセルロース等の樹脂とターピネオール等の有機溶剤等とを混練した導電ペーストを、誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷する。印刷された導電ペーストが交互に重なるように、誘電体グリーンシートを積層し、圧着する。
その後、積層体を所定の大きさにカットし、有機バインダとして使用したエチルセルロース等の樹脂の燃焼、除去を行う脱バインダ処理を行って、1300℃まで高温焼成する。そして、このセラミック体に外部電極を取り付けて積層セラミックコンデンサとする。
近年、小型化、大容量化が求められている積層セラミックコンデンサは、内部電極、誘電体ともに薄層化が進められている。
こうした薄層化に用いられるニッケル粉末は、粒径が均一であるとともに、酸素含有量は、極力低い必要があり、酸素含有量が低いニッケル粉末が求められている。その理由としては、酸素含有値が高いニッケル粉末を用いて1300℃まで高温焼成した際には、熱収縮量が大きくなり、その結果、セラミック体の応力が大きくなり、クラックやデラミネーションといった問題点が発現しやすいためである。
ニッケル塩溶液を還元する湿式法では、均一な粒径のニッケル粉末が得られるものの、CVD還元法などの気相法と比べると、酸素含有量が多くなる傾向にある。この酸素含有量を抑える手法としては、例えば、凝集体を含むニッケル粉を原粉として用いて解粒処理を実施する際に、該原粉を含有するスラリー中に還元剤を添加して、湿式解粒処理か、あるいは、乾式解粒処理を実施する際に、不活性ガス又は還元性ガス雰囲気中で該原粉の解粒処理を実施するニッケル粉の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、ニッケル粉が微細になると、湿式解粒処理後の乾燥において、再凝集や酸化する問題が生じる。また、不活性ガス又は還元性ガス雰囲気中で乾式解粒処理しても、酸化を十分に抑制できないという問題があった。
また、真空下で130〜300℃の温度範囲で熱乾燥するニッケル粉の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法においても、微細なニッケル粉では、乾燥凝集や酸化を十分に抑制できないという問題があった。
一方、粒子形状および粒径制御が容易なニッケル粉末の製造方法として、水熱合成法を用いた方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この提案された方法によれば、水熱反応後の結果物を、脱イオン水及びエタノールを用いて洗浄することが開示されているが、得られるニッケル粉末は、分散性に優れることが記載されているものの、酸素含有量に関しては、報告されていない。
以上のように、積層セラミックコンデンサの薄層化に対応した微細で粒径の均一性に優れ、酸素含有量が少ないニッケル粉末の製造方法は、未だ開発されてなく、求められている。
特開2001−247903号公報 特開2011−174121号公報 特開2012−126991号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、積層セラミックコンデンサの内部電極用として好適な微細で粒径の均一性に優れ、酸素含有量が少ないニッケル粉末とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、均一な粒径のニッケル粉末が得られるニッケル塩溶液を還元する湿式法におけるニッケル粉末の酸素含有量の低減について、鋭意研究した結果、水溶液中でニッケル塩を還元して得たニッケル粒子を、大気雰囲気に暴露することなく揮発性の高い溶媒で水を希釈除去して、乾燥することにより、酸素含有量が低減され、分散性にも優れたニッケル粉末が得られることを、見出し、これらの知見により、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、水溶液中のニッケル塩を還元してニッケル粒子を得る湿式還元反応によるニッケル粉末の製造方法であって、
(A)水溶液系中のニッケル塩から還元剤を用いた湿式還元反応により、ニッケル粒子を生成させ、ニッケル粒子と反応後液との混合物を得る第1工程、
(B)得られた混合物に水を添加して、静置沈降させ、上澄み液となっている反応後液を除去することを繰り返すことにより、液体成分によってニッケル粒子が外気雰囲気中の酸素と遮断されている状態を維持して反応後液を希釈除去して水と置換する第2工程、
(C)反応後液を希釈除去した混合物に、沸点が120℃以下の水溶性有機溶媒を添加して、混合物に含まれる液体成分中の水を希釈除去して水溶性有機溶媒と置換する第3工程、
(D)水溶性有機溶媒と置換した混合物から、ニッケル粒子を固液分離する第4工程、及び、
(E)固液分離後のニッケル粒子に残留している水溶性有機溶媒を気化除去する第5工程、
を含むことを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記第1工程(A)では、貴金属のコロイド粒子と還元剤を含むアルカリ性コロイド溶液にニッケル塩水溶液を添加して、ニッケル粒子を生成させ、混合物を得ることを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記第2工程(B)における水として、溶存酸素を除去した純水を用いることを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記第3工程(C)では、ニッケル粒子に対する水の残留分の比率が1質量%以下になるまで希釈除去することを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記第3工程(C)における水溶性有機溶媒として、アルコールを用いることを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、前記第4工程(D)では、ニッケル粒子の固液分離は、不活性ガス雰囲気中で行うことを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、前記第5工程(E)では、ニッケル粒子に残留している液体成分を、真空雰囲気中または不活性ガス雰囲気中で、加熱することにより除去することを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明に係るニッケル粉末の製造方法であって、該ニッケル粉末の酸素含有量が0.8〜1.5%であり、ニッケル粒子の表面部分に存在するニッケルの35原子%以上が金属状態であるニッケル粉末を得ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のニッケル粉末の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第8の発明において、前記ニッケル粉末の粒子平均径が0.05〜0.3μmの範囲にあることを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
本発明のニッケル粉末の製造方法は、湿式法であるため、操作が容易で生産性が良好であり、工業的規模の生産に好適である。そして、ニッケル粒子の凝集を防止して、ニッケル粒子の分散性に優れ、また、微細で粒径の均一性に優れ、酸素含有量が少ないニッケル粉末を得ることができその工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明のニッケル粉末とその製造方法を詳細に説明する。
1.ニッケル粉末の製造方法
本発明のニッケル粉末の製造方法は、水溶液中のニッケル塩を還元してニッケル粒子を得る湿式還元反応によるニッケル粉末の製造方法であって、
(A)水溶液系中のニッケル塩から還元剤を用いた湿式還元反応により、ニッケル粒子を生成させ、ニッケル粒子と反応後液との混合物を得る第1工程、
(B)得られた混合物に水を添加して、反応後液を希釈除去して水と置換する第2工程、
(C)反応後液を希釈除去した混合物に、沸点が120℃以下の水溶性有機溶媒を添加して、混合物に含まれる液体成分中の水を希釈除去して水溶性有機溶媒と置換する第3工程、
(D)水溶性有機溶媒と置換した混合物から、ニッケル粒子を固液分離する第4工程、及び、
(E)固液分離後のニッケル粒子に残留している水溶性有機溶媒を気化除去する第5工程、
を含むことを特徴とする。
本発明のニッケル粉末の製造方法においては、湿式還元反応により生成させたニッケル粒子の表面に残存している水を、沸点が120℃以下の水溶性有機溶媒で希釈除去した後、残留している該水溶性有機溶媒を気化除去することが重要である。
すなわち、本発明は、湿式還元反応により生成させたニッケル粒子を乾燥する際に、ニッケル粒子表面が水で覆われた状態であると、乾燥中に、塩基成分や炭酸根が濃縮された水とニッケルが反応して、酸化ニッケルや水酸化ニッケルが生成するため、ニッケル粉末の酸素含有量が増加すること、また、生成された酸化ニッケルや水酸化ニッケルにより、ニッケル粒子が凝集して、粒子の分散性が低下するとの知見により、完成されたものである。
したがって、ニッケル粒子を乾燥する際に、ニッケル粒子表面を沸点が120℃以下の水溶性有機溶媒で被覆することにより、上記酸化ニッケルや水酸化ニッケルの生成反応を抑制して、ニッケル粉末の酸素含有量を低減するとともに、ニッケル粒子の凝集を抑制することができる。
以下、本発明の製造方法について、工程ごとに説明する。
(1)第1工程(A)
第1工程(A)は、水溶液系中のニッケル塩から還元剤を用いた湿式還元反応により、ニッケル粒子を生成させ、ニッケル粒子と反応後液の混合物を得る工程である。
湿式還元反応により、ニッケル粒子を生成させることが可能な方法であれば、特に制限なく採用することができるが、微細で均一な粒径のニッケル粒子を得るためには、貴金属のコロイド粒子と還元剤を含むアルカリ性コロイド溶液に、ニッケル塩水溶液を添加して、ニッケル粒子を生成させ、反応後液を得る方法を用いることが好ましい。
上記ニッケル粒子は、平均粒径が0.05〜0.3μmであることが好ましく、貴金属コロイド粒子を利用することにより、このようなニッケル粒子を容易に得ることができる。
貴金属コロイド粒子を利用したニッケル粉末の製造方法としては、公知の製造方法を利用することができ、例えば、特開2007−138291号公報に記載された方法を利用することができる。
具体的には、以下に記載の(i)〜(iii)のいずれかの方法によって、アルカリ性コロイド溶液を作製し、該アルカリ性コロイド溶液に、ニッケル塩水溶液を添加することで、平均粒径が小さく、均一な粒度分布を有するとともに、良好な分散性を有し、粗大粒子や連結粒子が少ない球状ニッケル粉末が得られる。
(i)パラジウムと銀とからなる複合コロイド粒子が分散したコロイド溶液と、還元剤と、アルカリ性物質とを混合して、アルカリ性コロイド溶液を作製する。
(ii)パラジウムと銀とからなる複合コロイド粒子が分散したコロイド溶液を作製し、該コロイド溶液に還元剤とアルカリ性物質を添加して、アルカリ性コロイド溶液を作製する。
(iii)パラジウムと銀とからなる複合コロイド粒子が分散したコロイド溶液と、還元剤を含有するアルカリ性溶液とをそれぞれ作製し、前記コロイド溶液と前記アルカリ性溶液を混合して、アルカリ性コロイド溶液を作製する。
上記アルカリ性コロイド溶液は、パラジウム塩水溶液と銀塩水溶液を所定量混合して、作製した混合溶液を、保護コロイド剤の入った水溶性ヒドラジン化合物を用いて作製したヒドラジン水溶液等の還元剤溶液中に、滴下することにより作製できる。
前記アルカリ性コロイド溶液中のパラジウムの量は、後にニッケル塩水溶液として添加されるニッケルの量に対して、10〜500質量ppmとすること好ましく、銀の量は、後にニッケル塩水溶液として添加されるニッケルの量に対して0.1〜5質量ppmとすることが好ましい。
アルカリ性コロイド溶液作製に用いる前記還元剤は、特に限定されるものではないが、例えば、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、水素化ホウ素ナトリウム等から選ばれる少なくとも1種類を含む水溶性ヒドラジン化合物を用いて作製したヒドラジン水溶液等を用いることが好ましい。
また、前記保護コロイド剤の添加量は、後にニッケル塩水溶液として添加されるニッケルの量に対して、0.02〜1質量%とすることが好ましく、保護コロイド剤としては、特にゼラチンが好ましいが、その他、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコールを用いることもできる。
さらに、前記アルカリ性物質は、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の水溶性のアルカリ性物質であればよく、アルカリ性コロイド溶液としては、特にpHが10以上に調整された水酸化ナトリウムとヒドラジン水和物を含む混合水溶液であることが好ましい。
(2)第2工程(B)
第2工程(B)は、第1工程(A)で得られた混合物に、水を添加して、反応後液を希釈除去して水と置換する工程である。反応後液中には、ニッケル粉末に有害な塩基やアルカリなどが多量に含まれるため、これらの有害成分を除去する必要がある。通常は、固液分離と洗浄を繰り返して除去するが、第2工程(B)においては、ニッケル粒子を液体成分が被覆した状態、すなわち、液体成分によってニッケル粒子が外気雰囲気中の酸素と遮断されている状態を維持して、混合物に水を加えて希釈し、希釈された反応後液を除去する希釈除去を繰り返すことにより、上記有害成分を除去する。
ここで、第1工程(A)で得られた混合物は、スラリー状態であるため、そのままの状態で水を添加すると、反応後液が多いため、希釈除去に用いる水が大量に必要となる。したがって、希釈除去する前に、ニッケル粒子が外気雰囲気と接触しない程度まで、反応後液を減じておくことが好ましい。具体的には、前記混合物を静置沈降させ、上澄み液となっている反応後液を除去する、すなわち、ニッケル粒子が反応後液に浸って外気雰囲気中の酸素と遮断されている状態を保持できる程度まで、反応後液を除去することが好ましい。
さらに、反応後液を減じるためには、ニッケル粒子と反応後液の合計に対して、反応後液が60質量%以上となるように、固液分離してもよい。反応後液が60質量%以上残存する状態であれば、ニッケル粒子は、反応後液に覆われて、酸素との接触を抑制することができる。
その後、外気雰囲気中の酸素を巻き込まないように、ゆっくりと水を添加して、反応後液を希釈した後に、再度、静置沈降させ、上澄み液となっている希釈された反応後液を除去して、ニッケル粒子と反応後液が水で希釈された液体成分との混合物を得る。また、ニッケル粒子に掛け水をして、反応後液を希釈しながら除去してもよい。
反応後液の残留分は、乾燥後に上述のようにニッケル粉末に対して不純物となるので、反応後液の残留分を極力除去することが好ましい。このため、上記希釈と除去を繰り返して行うことが好ましく、ニッケル粒子に対する反応後液の残留分の比率が1質量%以下になるまで、希釈と除去を繰り返して、水と置換することが好ましい。ここで、反応後液の残留分の比率は、例えば、使用した原料から得られるニッケル粒子と反応後液の質量を算出し、除去した反応後液量を除去前の反応後液量から差し引いて残留分を算出し、その残留分をニッケル粒子量で除することで求めることができる。
反応後液の残留分の比率が1質量%を超えると、最終的に得られるニッケル粉末の不純物が多くなり、このニッケル粉末を用いて得られる積層セラミックコンデンサなどの電子機器の特性が低下することがある。
上記水を添加する際に酸素を巻き込むと、ニッケル粒子表面が酸化され、その結果、得られるニッケル粉末の酸素量が高くなることがある。このため、酸素を巻き込まないように、水を添加することが好ましく、酸素との接触をさらに避けるためには、添加する水から溶存酸素を除去することが、より好ましい。また、不純物をさらに低減するためには、純水などの不純物が除去された水を用いることが好ましい。
ニッケル粒子の酸化を抑制するためには、不活性ガス雰囲気などの酸素を含まない雰囲気中で上記希釈除去を行うことが好ましいが、酸素とニッケル粒子の接触の低減に配慮して上記操作を行うことにより、得られるニッケル粉末の酸素含有量を低減することが可能である。
(3)第3工程(C)
第3工程(C)は、ニッケル粒子と反応後液が希釈除去されて置換された水とからなる混合物に、沸点が120℃以下の水溶性有機溶媒を添加して、混合物に含まれる液体成分中の水を希釈除去して、水溶性有機溶媒と置換する工程である。これにより、乾燥、すなわち、水溶性有機溶媒を気化除去時に残留する水の量を大幅に減らし、酸化ニッケルや水酸化ニッケルの生成を抑制して、ニッケル粉末の酸素含有量や粒子の凝集を大幅に抑制することができる。
第2工程(B)終了後の混合物に、前記水溶性有機溶媒を添加してもよいが、混合物に含まれる水が多くスラリー状態となっている場合は、第2工程(B)と同様に、ニッケル粒子を静置沈降させ、上澄み液となっている水を除去する。その後、第2工程における水を前記水溶性有機溶媒に変更して、第2工程(B)と同様の操作を行い、水を希釈除去して、水溶性有機溶媒と置換する。第3工程(C)においても、ニッケル粒子と酸素の接触を抑制するため、酸素を巻き込まないように水溶性有機溶媒を添加することが好ましい。また、不活性ガス雰囲気中で上記希釈除去を行うことが好ましい。
さらに、水を減じるため、第2工程(B)と同様に、ニッケル粒子と水の合計に対して水が60質量%以上となるように、固液分離した後、希釈除去を行ってもよい。
前記水溶性有機溶媒の沸点が120℃を超えると、気化除去されにくくなり、気化除去する際の雰囲気温度を高くし、時間も長くする必要がある。そのため、酸素を除去した雰囲気中で気化除去しても、凝集する粒子が増加して、分散性が低下する。沸点が120℃以下の水溶性有機溶媒は、気化除去が容易であり、ニッケル粉末の酸素含有量や粒子の凝集を抑制することが可能である。また、水を希釈除去するため、水溶性であることが必要である。水溶性有機溶媒を用いることで、水を容易に、かつ均一に希釈することが可能であり、水が局部的に残留することを抑制して、効率的に除去することができる。
前記水溶性有機溶媒は、沸点が120℃以下であればよいが、水との相溶性に優れたアルコールが好ましく、特に、容易に気化して残渣がないメタノール、エタノール、1−プロパノール、又は2−プロパノールから選択される1種類以上のアルコール溶液が好ましい。
上記水溶性有機溶媒による希釈除去は、ニッケル粒子に対する水の残留分の比率が1質量%以下になるまで、行うことが好ましい。水の残留分の比率が1質量%を超えると、後工程で前記水溶性有機溶媒を気化除去する際に、ニッケル粒子表面に残留する水が増加するため、酸化ニッケルや水酸化ニッケルの形成が増加し、得られるニッケル粉末の酸素含有量や粒子の凝集が多くなることがある。
(4)第4工程(D)
第4工程(D)は、水溶性有機溶媒と置換した混合物から、ニッケル粒子を固液分離する工程である。第4工程(D)においても、ニッケル粒子が酸素と接触することを抑制するため、ニッケル粒子と水溶性有機溶媒の合計に対して、水溶性有機溶媒が60質量%以上となるように、固液分離することが好ましい。
固液分離の方法は、ニッケル粒子が水溶性有機溶媒で覆われた状態を維持できれば、粉末の製造において通常に行われる方法でよく、例えば、吸引ろ過、遠心分離機等による固液分離方法を用いことができる。固液分離する際にも、残留する水が多い場合には、ニッケル粒子の酸化が進行することがあるため、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。これにより酸素による酸化をさらに抑制することができる。
(5)第5工程(E)
第5工程(E)は、固液分離後のニッケル粒子に残留している前記水溶性有機溶媒を気化除去する工程である。
本発明で用いる前記水溶性有機溶媒は、沸点が120℃以下であり、容易に気化するため、室温程度でも短時間で気化させることが可能であるが、微量に残留している水分を蒸発させるためには、加温された雰囲気とすることが好ましい。具体的には、50℃以下の範囲で加温することで、短時間で水溶性有機溶媒とともに残留している微量の水分を気化させることができ、ニッケル粉末の酸素含有量や粒子の凝集をさらに抑制することができる。50℃を超える温度まで加熱すると、水溶性有機溶媒の気化に対する効果が向上しないばかりか、過度に加熱すると、熱による粒子の凝集が進行することがある。
上記の製造方法により、平均粒径が0.05〜0.3μmであり、平均粒径(D)に対する粒径の標準偏差(σ)の比率(σ/D)が25%以下である微細で均一な粒径を有するニッケル粒子が得られる。ニッケル粒子の粒径は、走査型電子顕微鏡観察により測定することができる。
2.ニッケル粉末
上記ニッケル粉末の製造方法によって、ニッケル粒子の凝集を防止して、ニッケル粒子の分散性に優れ、また、微細で粒径の均一性に優れ、酸素含有量が少ない本発明のニッケル粉末を得ることができる。
本発明のニッケル粉末は、酸素含有量が0.8〜1.5質量%であり、ニッケル粒子の表面部分に存在するニッケルの35原子%以上が金属状態であることを特徴とするものである。
また、上記ニッケル粉末の平均粒径は、0.05〜0.3μmであることが好ましい。
本発明のニッケル粉末は、ニッケル粒子の表面部分に存在するニッケルの35原子%以上が金属状態であり、粒子表面に存在する酸化ニッケルや水酸化ニッケルが少ない状態となっている。
すなわち、ニッケル粉全体に酸素が分布しているために、焼成時の収縮挙動に大きく影響する粒子表面の酸化膜層が薄くなっていると、考えられる。このため、焼成時の収縮が均一であり、クラックやデラミネーションの発生を抑制することができる。
また、平均粒径が0.05〜0.3μmであることにより、積層セラミックコンデンサの薄層化に対応することが可能である。平均粒径が0.3μmを超えると、積層セラミックコンデンサにおける電極間の短絡や電極のクラックといった問題点が発生することがある。一方、平均粒径が0.05μm未満になると、乾燥状態での粉体の取り扱いが困難になる。
さらに、本発明のニッケル粉末は、湿式還元反応により得られたニッケル粉末の粉体特性を継承しているため、コロイド粒子による湿式還元反応を用いてニッケル粉末を得た場合には、平均粒径(D)に対する粒径の標準偏差(σ)の比率(σ/D)が25%以下の均一な粒径を有する。これにより、焼成時の収縮の不均一性から生じるクラックやデラミネーションの発生をさらに抑制することができる。
また、酸素含有量が0.8〜1.5質量%であり、大気雰囲気中でも、取り扱いが容易であるとともに、焼成時の収縮量も抑制されている。酸素含有量が0.8質量%未満では、大気雰囲気と接触した際に、急激に酸化して発熱したり、酸素含有量が逆に増加する問題が発生する。一方、酸素含有量が1.5質量%を超えると、焼成時の収縮量が大きくなり、その結果、セラミック体の応力が大きくなり、クラックやデラミネーションといった問題点が発生する。
以上のように、本発明のニッケル粉末は、電子部品の電極用、特に積層セラミックコンデンサの内部電極用として好適である。
以下、本発明の実施例及び比較例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で用いたニッケル粉末の粒径、酸素含有量、含水量、ニッケルの存在形態の測定方法または評価方法は、以下の通りである。
(1)ニッケル粉末の粒径:
平均粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−5510)を用いて、倍率20,000倍の写真(縦19.2μm×横25.6μm)を撮影し、写真中の粒子形状の全様が見える100個以上粒子の面積を測定し、面積から各粒子の粒径を求め、個数平均値により求めた。また、粒径の標準偏差は、粒径測定の結果に基づいて求め、平均粒径(D)に対する粒径の標準偏差(σ)の比率(σ/D)を算出した。
(2)ニッケル粉末の酸素含有量:
酸素、炭素同時分析装置(LECO社製、型番GS−600)にて測定した。
(3)ニッケル粉末の含水量:
105℃に設定された窒素ガス雰囲気の乾燥機内に、対象物を24h静置乾燥し、乾燥前の重量と乾燥後の重量の差分を求めた。その差分が乾燥前の対象物の含水量に相当し、それを乾燥前の重量で割ることにより含水率とした。
(4)ニッケルの存在形態:
XPS(VG・Scientific社製、ESCA、LAB220i−XL)を用いて、ニッケル粒子表面のS2pスペクトルを測定し、そのスペクトルから、ニッケルの存在形態を特定し、存在形態に帰属される各ピーク面積の総和を100として算出して存在割合を原子%として求めた。
[実施例1]
1.第1工程:
10Lビーカーに純水6.5Lを入れ、撹拌しながら75℃まで昇温し保持した。その後、ゼラチン0.10gを溶解してゼラチン溶液を作製し、パラジウム0.010gと銀0.00010gを含む溶液を滴下した後に、60質量%ヒドラジン水溶液0.1gを混合して、複合コロイド溶液を得た。
この複合コロイド溶液に水酸化ナトリウム顆粒50gを添加した後、60質量%ヒドラジン水溶液を185ml加え、ニッケルを還元するためのアルカリ性コロイド溶液とした。
次に、上記アルカリ性コロイド溶液に、100g/L塩化ニッケル水溶液500mlを滴下して、ニッケル粒子を還元析出させ、平均粒径が0.07μmのニッケル粉末を含む混合物を得た。
2.第2工程:
還元反応が終了した後、攪拌を停止し、静置沈降し反応後液を除去した。除去後の混合物(反応後液量とニッケル粉末)の総量は350gであった。この時点でニッケル粉末量は50g、反応後液量は300gであった。
次に、10Lビーカー内を窒素ガスで置換し酸素を除去した後に、窒素バブリングした純水5.7Lをゆっくりと添加して撹拌し、反応後液を希釈した。
その後、静置沈降して、純水と反応後液の混合溶液を5.7kg除去した。更に窒素バブリングした純水5.7Lをゆっくりと添加した後、撹拌して希釈した。
その後、静置沈降させ、純水と反応後液の混合溶液を5.7kg除去することを繰り返し、ニッケル量に対して反応後液の残留分重量が理論値で1質量%以下になるまで純水で置換した。この時点で混合物(純水量とニッケル粉末)の総量は350gであり、ニッケル粉末量は50g、純水量は300gとなる。
3.第3工程:
10Lビーカー内を窒素ガスで置換し酸素を除去した状態を保持したまま、エタノール5.7kgをゆっくりと添加して撹拌し、純水を希釈した。
その後、静置沈降して、純水とエタノールの混合溶液を5.7kg除去した。更にエタノール5.7kgをゆっくりと添加して撹拌し、純水を希釈した。
その後、静置沈降させ、純水とエタノールの混合溶液を5.7kg除去することを繰り返し、ニッケル量に対して純水の残留分量が1質量%以下になるまでエタノールで置換した。
4.第4工程:
不活性ガス雰囲気中で、減圧濾過を行い、エタノールを除去した。
5.第5工程
真空雰囲気中で40℃に加温し、ニッケル粉末ケーキに残っているエタノールを、気化除去した。
その後、徐酸化を行わず、空気を導入し、大気圧まで戻し大気暴露させ、ニッケル粉末を得た。
得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差の比率(σ/D)、酸素含有量、含水量、ニッケルの金属状態での存在量を表1に示す。得られたニッケル粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)観察では、ニッケル粒子が凝集した粗大粒子は、観察されなかった。
[実施例2]
実施例1において、第1工程で添加するゼラチン0.02g、パラジウム0.002g、銀0.00002gとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ニッケル粉末を得るとともに評価した。得られたニッケル粉末の粒径は0.30μmであった。
得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差の比率(σ/D)、酸素含有量、含水量、ニッケルの金属状態での存在量を表1に示す。得られたニッケル粉末のSEM観察では、ニッケル粒子が凝集した粗大粒子は、観察されなかった。
[比較例1]
実施例1において、第3工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ニッケル粉末を得るとともに評価した。
得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差の比率(σ/D)、酸素含有量、含水量、ニッケルの金属状態での存在量を表1に示す。得られたニッケル粉末のSEM観察では、乾燥時の凝集によるものと考えられる粗大粒子が観察された。
[比較例2]
実施例2において、第3工程を実施しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、ニッケル粉末を得るとともに評価した。
得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差の比率(σ/D)、酸素含有量、含水量、ニッケルの金属状態での存在量を表1に示す。得られたニッケル粉末のSEM観察では、乾燥時の凝集によるものと考えられる粗大粒子が観察された。
[比較例3]
実施例1において、第1工程を実施した後に、さらに第2工程、第4工程を実施した。その後、真空雰囲気で40℃に加温し、ニッケル粉末ケーキに残っている残留水分を気化除去して、窒素ガスを導入し、大気圧まで戻し、窒素と酸素の体積混合比が19対1となる窒素と酸素の混合ガスを16.7ml/(min・g−Ni)で80分間、ニッケル粉末に接触させる徐酸化を行った後に、大気暴露してニッケル粉末を得た。得られたニッケル粉末を実施例1と同様に評価した。
得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差の比率(σ/D)、酸素含有量、含水量、ニッケルの金属状態での存在量を表1に示す。得られたニッケル粉末のSEM観察では、比較例1と同様に粗大粒子が観察された。
[比較例4]
実施例2において、第1工程を実施した後に、さらに第2工程、第4工程を実施した。その後、真空雰囲気で40℃に加温し、ニッケル粉末ケーキに残っている残留水分を気化除去して、窒素ガスを導入し大気圧まで戻し、窒素と酸素の体積混合比が19対1となる窒素酸素の混合ガスを16.7ml/(min・g−Ni)で80分間、ニッケル粉末に接触させる徐酸化を行った後に、大気暴露してニッケル粉末を得た。得られたニッケル粉末を実施例1と同様に評価した。
得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差の比率(σ/D)、酸素含有量、含水量、ニッケルの金属状態での存在量を表1に示す。得られたニッケル粉末のSEM観察では、比較例2と同様に粗大粒子が観察された。
[比較例5]
比較例3で得たニッケル粉末を、還元性雰囲気中にて300℃で加熱処理を実施して、ニッケル粉末を得た。得られたニッケル粉末を実施例1と同様に評価した。なお、これ以上の高温で熱処理を行うとニッケル粉末がネッキングしてしまい、積層セラミックコンデンサ用のニッケル粉末として、不適になってしまう。
得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差の比率(σ/D)、酸素含有量、含水量、ニッケルの金属状態での存在量を表1に示す。得られたニッケル粉末のSEM観察では、比較例1より、さらに凝集が進んだ粗大粒子が観察された。
[比較例6]
比較例4で得たニッケル粉末を、還元性雰囲気にて350℃で加熱処理を実施してニッケル粉末を得た。得られたニッケル粉末を実施例1と同様に評価した。なお、これ以上の高温で熱処理を行うとニッケル粉末がネッキングしてしまい、積層セラミックコンデンサ用のニッケル粉末として、不適になってしまう。
得られたニッケル粉末の平均粒径、粒径の標準偏差の比率(σ/D)、酸素含有量、含水量、ニッケルの金属状態での存在量を表1に示す。得られたニッケル粉末のSEM観察では、比較例2より、さらに凝集が進んだ粗大粒子が観察された。
Figure 0006065699
表1から、本発明の製造方法から得られた実施例1、2のニッケル粉末は、比較例1,2に示す水溶性有機溶媒との置換を行わなかったニッケル粉末、比較例3、4に示す水溶性有機溶媒との置換を行わず、徐酸化処理したニッケル粉末よりも、低い酸素含有値となっている。また、比較例5、6に示す還元雰囲気で熱処理したニッケル粉末と同等レベルの酸素含有値となっている。また一方、実施例1、2は、比較例1〜6より、粒子の凝集が少なく、分散性にも優れていることがSEM観察により確認された。
さらに、実施例1および2は、ニッケル粒子の表面部分に存在するニッケルの35原子%以上が金属状態であり、粒子表面の酸化膜層が薄くなっているため、焼成時の収縮が均一となって、クラックやデラミネーションの発生を抑制することができると考えられる。
なお、含水率が実施例1,2、比較例1〜6の全てにおいて、同等レベルとなっているので、いずれも十分に乾燥できているレベルである。
以上より、本発明のニッケル粉末の製造方法により、微細で粒径の均一性に優れ、酸素含有量が少ないニッケル粉末を得ることができる。得られたニッケル粉末は、電気回路の形成や、積層セラミックコンデンサおよび多層セラミック基板等の積層セラミック部品の電極などに用いられる厚膜導電体を作製するための導電ペーストの材料として、好適である。

Claims (9)

  1. 水溶液中のニッケル塩を還元してニッケル粒子を得る湿式還元反応によるニッケル粉末の製造方法であって、
    (A)水溶液系中のニッケル塩から還元剤を用いた湿式還元反応により、ニッケル粒子を生成させ、ニッケル粒子と反応後液との混合物を得る第1工程、
    (B)得られた混合物に水を添加して、静置沈降させ、上澄み液となっている反応後液を除去することを繰り返すことにより、液体成分によってニッケル粒子が外気雰囲気中の酸素と遮断されている状態を維持して反応後液を希釈除去して水と置換する第2工程、
    (C)反応後液を希釈除去した混合物に、沸点が120℃以下の水溶性有機溶媒を添加して、混合物に含まれる液体成分中の水を希釈除去して水溶性有機溶媒と置換する第3工程、
    (D)水溶性有機溶媒と置換した混合物から、ニッケル粒子を固液分離する第4工程、及び、
    (E)固液分離後のニッケル粒子に残留している水溶性有機溶媒を気化除去する第5工程、
    を含むことを特徴とするニッケル粉末の製造方法。
  2. 前記第1工程(A)において、貴金属のコロイド粒子と還元剤を含むアルカリ性コロイド溶液にニッケル塩水溶液を添加して、ニッケル粒子を生成させ、混合物を得ることを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉末の製造方法。
  3. 前記第2工程(B)における水として、溶存酸素を除去した純水を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のニッケル粉末の製造方法。
  4. 前記第3工程(C)において、ニッケル粒子に対する水の残留分の比率が1質量%以下になるまで希釈除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
  5. 前記第3工程(C)における水溶性有機溶媒として、アルコールを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
  6. 前記第4工程(D)において、ニッケル粒子の固液分離は、不活性ガス雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
  7. 前記第5工程(E)において、ニッケル粒子に残留している水溶性有機溶媒を、真空雰囲気中または不活性ガス雰囲気中で、加熱することにより除去することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
  8. 該ニッケル粉末の酸素含有量が0.8〜1.5%であり、ニッケル粒子の表面部分に存在するニッケルの35原子%以上が金属状態であるニッケル粉末を得ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
  9. 前記ニッケル粉末の粒子平均径が0.05〜0.3μmの範囲にあることを特徴とする請求項8に記載のニッケル粉末の製造方法。
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