JP5067312B2 - ニッケル粉末とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケル粉末とその製造方法に関し、さらに詳しくは、粉末の焼結での収縮開始温度を高温化することにより焼結性を改善するとともに、触媒活性が抑制され脱バインダ性に優れた、積層セラミックコンデンサの内部電極用に好適なニッケル粉末とその効率的な製造方法に関する。
従来から、ニッケル粉末は、厚膜導電体を作製するための導電ペーストの材料として使用されている。前記厚膜導電体は、電気回路の形成、積層セラミックコンデンサ及び多層セラミック基板等の積層セラミック部品の電極等に用いられている。特に、積層セラミックコンデンサでは、小型・高容量化の要求から高積層化が進み、そのために用いる導電ペーストの使用量も大幅に増加している。このため、導電ペーストに使用する金属粉末としては、高価な貴金属の使用を避け、安価なニッケルなどの卑金属が主流となっている。
ところで、積層セラミックコンデンサは、例えば、次のような方法で製造される。
まず、ニッケル粉末と、エチルセルローズ等の樹脂と、ターピネオール等の有機溶剤等とを混練して得られた導電ペーストを、誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷して内部電極を作製する。次に、印刷された内部電極が交互に重なるように誘電体グリーンシートを積層し、圧着する。その後、積層体を所定の大きさにカットし、有機バインダとして使用したエチルセルローズ等の樹脂の燃焼除去を行うための脱バインダ処理を行った後、1300℃まで高温焼成してセラミック体を得る。そして、このセラミック体に外部電極を取り付け、積層セラミックコンデンサとする。
ここで、内部電極となる導電ペースト中の金属粉末は、上記のように、貴金属よりもニッケルなどの卑金属が主流となっていることから、積層体の脱バインダ処理では、ニッケル粉末などが酸化しないように、極めて微量の酸素を含んだ雰囲気下にて行われる。
近年、小型化及び大容量化が求められている積層セラミックコンデンサでは、それを構成する内部電極及び誘電体ともに、薄層化が進められている。特に、内部電極に使用されるニッケル粉末の粒径としては、0.5μm以下が主流となっている。
しかしながら、微細なニッケル粉末を用いた内部電極では、積層体の高温焼成時に、誘電体よりも低温で焼結を開始してしまうため、内部電極の不連続性を引き起こしたり、又は誘電体よりも熱収縮が大きいため、誘電体層と内部電極層の剥離を引き起こしたりするという問題点があった。
この問題点の解決策として、イオウをニッケル粉末の表面部分に含有させることにより焼結性を改善させる提案がなされている。例えば、イオウを含有する雰囲気下に、塩化ニッケルの蒸気を気相還元反応に付し、粒径が0.1〜1.0μmで、イオウを500〜2000ppm含有し、該イオウが表面部分に存在する、球状の導電ペースト用ニッケル粉が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この提案によれば、塩化ニッケルの気相反応による還元時に、イオウを表面部分に存在させることで、ニッケル粉の球状化を促進させることができる。この球状化により、焼結性に影響するペースト分散性、及び結晶性が良好なニッケル粉が得られ、これにより、断線の無い内部電極を歩留良く製造できるとしている。
また、別の方法として、ニッケル粉末を、ニッケル粉末に対し0.02〜0.30重量%の水素化物及び/又は酸化物の形態であるイオウを含むガスと接触処理することで得られる、表面をイオウ換算で0.02〜0.20重量%のイオウ又は硫酸基で被覆してなるニッケル粉末が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この提案によれば、ニッケル粉末の表面に、硫化ニッケル又は硫酸ニッケルを濃集した被覆膜が形成され、ニッケル粉末の高温での焼結の進行を抑制して焼結性を改善することができるとしている。
また、別の方法として、ニッケル微粒子をイオウ化合物の溶液で湿式処理し、ニッケル微粒子に対し0.05〜1.0重量%の範囲のイオウ分を含有させたニッケル微粒子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この提案によれば、ニッケル微粒子に均一にイオウを含有させることができるので、高温焼成に際して、収縮開始温度が高く、内部電極として好適なニッケル微粒子を容易に得ることができるとされている。しかしながら、イオウ化合物として硫酸塩又は硫化物が開示され、またニッケル微粒子には硫酸基としてイオウが含有されることが記載され、さらに、用いた硫黄化合物は、どのような化合物としてニッケル微粒子に含有されていてもよいとされている。
これらの提案は、上記積層セラミックコンデンサの製造方法において、いずれもが焼結性を改善して、内部電極の不連続性あるいは内部電極層の剥離を防止することを目的としたものであり、上記の脱バインダ性については検討されていない。しかしながら、実際的には、ニッケル粉末は触媒活性を有しているため、上記脱バインダ工程において、バインダ分解を行う通常の温度よりも低温度でバインダが分解し、ガス化し、これにより内部電極の不連続性あるいは剥離が発生するという問題がある。すなわち、上記の提案では、焼結性の改善は検討されているものの、この低温度でのバインダの分解及びガス化、すなわち脱バインダ性については検討されていない。したがって、上記脱バインダ性に関わる問題点を解決したニッケル粉末が求められている。
特開平11−80816号公報(第1頁、第2頁) 特開2004−244654号公報(第1頁、第2頁) 特開2007−191771号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、粉末の焼結での収縮開始温度を高温化することにより焼結性を改善するとともに、触媒活性が抑制され脱バインダ性に優れた、積層セラミックコンデンサの内部電極用に好適なニッケル粉末とその効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、原料ニッケル粉末をイオウ化合物で湿式処理した後、乾燥して、イオウを含有するニッケル粉末を製造する方法において、ニッケル粉末の焼結性、及び特に脱バインダ性の改善について、鋭意研究を重ねた結果、原料ニッケル粉末のスラリーを形成する工程、得られたスラリー中に特定のイオウ化合物を添加する工程、及び、得られたスラリーからニッケル粉末を固液分離し、特定の雰囲気下に乾燥する工程を順次行なったところ、イオウがその表面に含有され、かつイオウの大部分が硫化物の形態で含有されるように制御されたニッケル粉末が得られ、該ニッケル粉末は、焼結での収縮開始温度を高温化することにより焼結性を改善するとともに、脱バインダ性に優れ、積層セラミックコンデンサの内部電極用に好適なニッケル粉末であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、原料ニッケル粉末をイオウ化合物で湿式処理した後、乾燥して、イオウの大部分が硫化物の形態で含有されるニッケル粉末を製造する方法であって、
原料ニッケル粉末を水と混合してスラリーを形成するスラリー化工程、得られたスラリー中に、水溶性の硫化物を添加する硫化物添加工程、及び、得られたスラリーからニッケル粉末を固液分離し、真空下又は不活性ガス雰囲気下に乾燥する乾燥工程、を含むことを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記硫化物添加工程において、前記スラリー化工程で得られたスラリーを撹拌し、撹拌下にあるスラリー中で均一な濃度になるように、水溶性の硫化物を添加することを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記硫化物添加工程において、スラリー中への空気の巻き込みを防止することを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、前記水溶性の硫化物を添加する際、水溶性の硫化物を水に溶解した水溶液を用いることを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4いずれかの発明において、前記硫化物添加工程において、水溶性の硫化物の添加割合は、前記スラリー中のニッケル粉末に対しイオウ換算で0.05〜0.3質量%であることを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5いずれかの発明において、前記水溶性の硫化物は、硫化水素ナトリウム、硫化水素アンモニウム、硫化ナトリウム、又は硫化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6いずれかの発明において、前記原料ニッケル粉末の形状は、球状であり、かつその平均粒径は、0.05〜1μmであることを特徴とするニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7いずれかの発明の製造方法によって得られたニッケル粉末であって、
イオウは、ニッケル粉末の表面部分に含有され、かつ50%以上が硫化物の形態であることを特徴とするニッケル粉末が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第8の発明において、前記イオウの含有割合は、ニッケル粉末の全量に対し0.02〜0.2質量%であることを特徴とするニッケル粉末が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第8又は9の発明において、その形状は、球状であり、かつその平均粒径は、0.05〜1μmであることを特徴とするニッケル粉末が提供される。
本発明のニッケル粉末の製造方法は、湿式法であるため操作が容易で、生産性が良好であり、また、得られるニッケル粉末は、焼結での収縮開始温度を高温化することにより焼結性に優れるとともに、触媒活性が抑制され脱バインダ性に優れた、積層セラミックコンデンサの内部電極用に好適なニッケル粉末であるので、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明のニッケル粉末とその製造方法を詳細に説明する。
本発明のニッケル粉末とその製造方法は、原料ニッケル粉末をイオウ化合物で湿式処理した後、乾燥して、イオウの大部分が硫化物の形態で含有されるニッケル粉末を製造する方法であって、原料ニッケル粉末を水と混合してスラリーを形成するスラリー化工程、得られたスラリー中に、水溶性の硫化物を添加する硫化物添加工程、及び、得られたスラリーからニッケル粉末を固液分離し、真空下又は不活性ガス雰囲気下に乾燥する乾燥工程、を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法において、原料ニッケル粉末をイオウ化合物で湿式処理した後、乾燥して、イオウの大部分が硫化物の形態で含有されるニッケル粉末を製造する方法において、該原料ニッケル粉末のスラリーに、イオウ化合物として、水溶性の硫化物を添加して処理し、ニッケル粉末の表面にイオウを含有させ、かつイオウの大部分が硫化物の形態で含有されるように制御することが重要である。これにより、スラリー中で、溶解された水溶性の硫化物とニッケル粉末を接触させることにより、ニッケル粉末の表面にイオウを含有させ、かつそのイオウの形態を、大部分が硫化物の形態であるように制御することができるので、焼結性とともに脱バインダ性にも優れたニッケル粉末を得ることができる。
1.製造方法
(1)スラリー化工程
上記スラリー化工程は、原料ニッケル粉末を水と混合してスラリーを形成する工程である。
上記工程において、原料ニッケル粉末と水の混合方法としては、特に限定されるものではないが、水を撹拌しながら、所定量のニッケル粉末を加えていくことが好ましい。ここで、用いる装置としては、特に限定されるものではなく、ニッケル粉末のスラリーの製造に通常用いられる装置、すなわち撹拌装置が設置された反応槽が用いられ、特に、続く工程での前記水溶性の硫化物の添加を考慮すると、耐薬品性のある材質からなる反応槽であることが好ましい。
上記工程で用いる原料ニッケル粉末としては、特に限定されるものではなく、例えば、固体のニッケル塩を還元剤で還元する固相還元法、ニッケル溶液をミストにして熱分解する噴霧熱分解法、ニッケル塩蒸気を水素ガスで還元する化学気相反応法等の乾式法、或いはニッケル塩等を含有する溶液から還元析出によってニッケル粉末を得る湿式法のいずれの方法で得られたニッケル粉末が用いられる。ただし、原料ニッケル粉末中にイオウが不純物として含まれる場合、本発明の製造方法で得られるニッケル粉末のイオウの大部分が硫化物の形態でその表面に含有され、かつイオウの全含有割合が0.2質量%を超えないようになるように、原料ニッケル粉末の選定が必要である。
この中で、導電ペーストに用いるのに適した形状及び平均粒径を有する原料ニッケル粉末を用いることが好ましい。その形状としては、略球状、特に球状のものが好ましく、また、その平均粒径としては、0.05〜1μmであるニッケル粉末を用いることが好ましい。すなわち、原料ニッケルの平均粒径が0.05μm未満では、原料ニッケル粉末を湿式処理したときに凝集が激しく、その後に解砕を行なっても分散性が悪く、導電ペーストの材料として好ましくない場合がある。一方、原料ニッケルの平均粒径が1μmを超えると、MLCC用の内部電極材料として用いられたとき、内部電極の薄層化に対応できない場合がある。なお、本発明の製造方法によって得られるニッケル粉末は、厚膜導電体用、特に、積層セラミックコンデンサ(以下、MLCCと呼称する場合がある。)用の導電ペーストの材料として用いられるため、該導電ペースト用として好適な0.05〜1μmの平均粒径であるものが好ましい。
上記工程で用いるスラリー濃度としては、特に限定されるものではないが、10〜50g/Lとすることが好ましい。すなわち、スラリー濃度が10g/L未満であると、生産性が悪く、一方、スラリー濃度が50g/Lを超えると、均一に混合できない場合がある。
上記工程で用いる水としては、不純物の混入を防止するため、純水を用いることが好ましい。
(2)硫化物添加工程
上記硫化物添加工程は、上記スラリー化工程で得られたスラリー中に、水溶性の硫化物を添加する工程である。
上記工程において、添加された水溶性の硫化物は、ニッケル粉末の表面のニッケルと反応して硫化ニッケルを形成して硫化物の形態で存在する。したがって、イオウ化合物として、水溶性の硫化物を用いる場合には、特別に硫化物を酸化する操作が加えられない限りにおいて、ニッケル粉末の表面に存在するイオウの形態を、全体として、イオウの大部分すなわち50%以上が硫化物の形態であるように制御することができる。しかしながら、例えば、液中に溶存酸素が多量に存在する場合には、一部の硫化ニッケルは、酸化されて硫酸ニッケルとなる。このため、撹拌によるスラリー中への空気の巻き込みを防止することが望ましい。さらに、厳密にイオウを硫化物形態に制御するためには、例えば、反応槽内部を不活性ガス雰囲気下におくことが有効である。ちなみに、イオウ化合物として、硫酸塩を用いると、ニッケル粉末の表面に存在するイオウは、硫酸ニッケルの形態となる。
上記工程において、スラリー化工程で得られたスラリーを撹拌し、撹拌下にあるスラリー中で均一な濃度になるように、水溶性の硫化物を添加することが好ましい。ここで、水溶性の硫化物を添加する際、水溶性の硫化物を水に溶解した水溶液(以下、硫化物水溶液と呼称する場合がある。)を用いることが、イオウの均一性を上げるためさらに好ましい。これにより、スラリー中で均一に分散されたニッケル粉末の表面のニッケルと水溶性の硫化物を反応させ、イオウを均一に含有させることができる。なお、スラリー化工程でニッケル粉末と混合する水に予め添加することもできるが、水溶性の硫化物を予め水に添加した後、これにニッケル粉末を添加してスラリーとすると、ニッケル粉末中の粒子によって含有されるイオウ量が均一でない場合がある。
上記工程で用いる水としては、不純物の混入を防止するため、純水を用いることが好ましい。
上記硫化物水溶液を用いる場合、水溶液中の硫化物濃度としては、特に限定されるものではないが、イオウ換算で6〜600g/Lとすることが好ましい。すなわち、硫化物濃度がイオウ換算で6g/L未満では、スラリー中の水分量が増え生産性が低下する。一方、硫化物濃度がイオウ換算で600g/Lを超えると、得られるニッケル粉末中の粒子によって含有されるイオウ量が均一でない場合がある。
上記工程で用いる水溶性の硫化物の添加割合としては、特に限定されるものではないが、スラリー中のニッケル粉末に対しイオウ換算で0.05〜0.3質量%であることが好ましい。すなわち、水溶性の硫化物の添加割合がイオウ換算で0.05質量%未満では、得られるニッケル粉末の表面に含有されるイオウ量が少なく、触媒活性を抑制する効果が十分でない場合がある。一方、水溶性の硫化物の添加割合がイオウ換算で0.3質量%を超えると、得られるニッケル粉末に含有されるイオウ量が多くなりすぎ、MLCCなどの電子機器用材料として用いられたときに、電子機器に腐食などの問題が生じる場合がある。
上記工程で用いる水溶性の硫化物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ニッケルと反応しやすく、かつ安価で入手しやすいため工業的に用いることが容易である硫化水素ナトリウム、硫化水素アンモニウム、硫化ナトリウム又は硫化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、スラリー中の還元性が保持されやすい硫化水素ナトリウム又は硫化水素アンモニウムがより好ましい。なお、硫化水素ガスを用いることも可能であるが、毒性が強く取扱いが容易でないという問題がある。
上記工程で用いるスラリー温度としては、特に限定されるものではなく、室温程度で十分であるが、低温で反応が進み難い場合には加温してもよい。一方、温度が高くなりすぎると、反応が急激に起こりイオウ量の均一性が損なわれる可能性があること、及び形成された硫化ニッケルの酸化が進行して硫酸ニッケルの割合が増えるおそれがあるので、40℃以下とすることが好ましい。
上記工程で用いる反応の保持時間としては、特に限定されるものではなく、硫化物とニッケル粉末が十分に反応する時間とすればよく、ニッケル粉末の表面に含有されたイオウ量を測定するとともに、原料として用いたニッケル粉末の表面性状及び反応時のスラリー温度等を勘案して決めればよい。
(3)乾燥工程
上記乾燥工程は、上記硫化物添加工程で得られたスラリーからニッケル粉末を固液分離し、真空下又は不活性ガス雰囲気下に乾燥する工程である。
ここで、真空下又は不活性ガス雰囲気下で加熱することにより、ニッケル粉末の表面に形成された硫化物形態のイオウの酸化を防止することができ、さらにニッケル粉末自体の酸化を防止することができる。なお、不活性ガスとしては、窒素ガス、又は希ガスが用いられる。ここで、乾燥温度としては、150℃以下とすることが好ましい。
上記工程で用いる固液分離方法としては、特に限定されるものではなく、通常微粉末の固液分離に用いられる方法でよく、例えば、吸引ろ過、遠心分離機等による固液分離方法を用いことができる。また、スラリー中のニッケル粉末を沈降させて、上澄み液を除去する程度の固液分離でもよい。一方、固液分離を行なわず、スラリーをそのまま乾燥する方法では、乾燥時間が長く生産性が低下するため好ましくない。
2.ニッケル粉末
上記製造方法によって、イオウが、ニッケル粉末の表面部分に含有され、かつ大部分が硫化物の形態である、本発明のニッケル粉末が得られる。
ここで、イオウの大部分、即ち50%以上が硫化物の形態であり、硫酸塩の形態が少ないことが重要である。詳細は不明であるが、ニッケル粉末の表面に形成されるニッケルとイオウの化合物中の硫化ニッケルの割合が硫酸ニッケルの割合よりも多いとき、バインダに対するニッケルの触媒活性を抑制することができる。すなわち、これは、イオウが硫化ニッケルとして硫化物であるとき、ニッケルの触媒活性を抑制する効果が発現されるのに対し、一方、イオウが酸素と結合した硫酸根である硫酸ニッケルであるとき、ニッケルの触媒活性を抑制する効果が発現されないためと推測される。なお、ニッケル粉末表面のイオウの存在形態は、X線光電子分光(X−ray photoelectron spectroscopy、以下、XPSと呼称する。)により容易に測定することができる。なお、XPS測定によるニッケルの化学結合状態の解析においては、ニッケルと硫黄の結合状態を示すS2pスペクトルで、硫酸ニッケルと硫化ニッケルに帰属されるピーク面積の総和を100として、硫酸ニッケルと硫化ニッケルの割合を求めた。
上記ニッケル粉末のイオウの含有割合としては、特に限定されるものではないが、ニッケル粉末の全量に対し0.02〜0.2質量%であることが好ましい。すなわち、イオウの含有割合が0.02質量%未満では、触媒活性の抑制効果が十分でない場合がある。一方イオウの含有割合が、0.2質量%を超えると、MLCCなどの電子機器用材料として用いられたときに、電子機器に腐食などの問題が生じる場合がある。
上記ニッケル粉末のイオウの含有割合は、上記製造方法で用いる原料ニッケル粉末のイオウの含有形態及び含有量と水溶性の硫化物の添加割合により調整される。
上記ニッケル粉末の形状としては、球状であり、かつその平均粒径としては、0.05〜1μmであることが好ましい。これによって、電気回路の形成や積層セラミック部品の導電ペースト材料として好適に用いられる。すなわち、ニッケル粉末を球状とすることで、導電ペーストを用いて厚膜導電体を得たとき、厚膜導電体中のニッケル粒子を均一に分散させることができるとともにニッケル粒子の密度を向上させることができる。また、平均粒径が0.05μm未満では、凝集が激しく、導電ペースト中でニッケル粒子を十分に分散させることができない場合があり、かつニッケル粉末の取扱いも容易でなくなるため好ましくない。一方、平均粒径が1μmを超えると、導電ペーストを用いて得た厚膜導電体の表面の凹凸が大きなリ、MLCCなどに用いて内部電極として積層したときに電極間が短絡するおそれがある。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いたニッケル粉末の平均粒径、イオウ量、イオウの存在形態、収縮挙動、及び触媒活性の評価方法は、以下の通りである。
(1)ニッケル粉末の平均粒径:走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−5510)を用いて、倍率20000倍の写真(縦19.2μm×横25.6μmの範囲に相当)を撮影し、写真中の粒子形状の全様が見える粒子の面積を測定し、面積から各粒子の半径を求め、その平均値により定めた。
(2)ニッケル粉末が含有するイオウ量:炭素、イオウ同時分析装置(LECO社製、GS−600)にて、測定した。
(3)ニッケル粉末のイオウの存在形態:XPS(VG・Scientific社製、ESCA、LAB220i−XL)を用いて、ニッケル粉末表面のS2pスペクトルを測定し、そのスペクトルから、存在形態を特定した。また、その存在形態別のニッケルの割合は、ピーク面積から求めた。ここで、XPS測定によるニッケルの化学結合状態の解析において、ニッケルと硫黄の結合状態を示すS2pスペクトルで、硫酸ニッケルと硫化ニッケルに帰属されるピーク面積の総和を100として、硫酸ニッケルと硫化ニッケルの割合を求めた。
(4)ニッケル粉末の収縮開始温度:ニッケル粉末を直径5mmの円柱ペレットに成形した後、熱機械的分析装置(マックサイエンス社製、TMA4000S、以下、TMAと呼称する。)を用いて、2体積%水素−窒素ガス中、5℃/分の昇温速度で、前記ペレットの収縮曲線を測定し、この曲線より収縮挙動を評価した。なお、収縮開始温度は、収縮率が5%に達した温度を収縮開始温度とした。
(5)ニッケル粉末の触媒活性:ニッケル粉末に対して5質量%の有機バインダであるエチルセルローズを物理混合したニッケル粉末と、ニッケル粉末のみを、それぞれ、TG測定装置(マックサイエンス社製、2000SA)を用いて、窒素ガス中、5℃/minの昇温速度で重量変化を測定した。その後、エチルセルローズを混合したニッケル粉末の重量変化からニッケル粉末のみの重量変化を引き去り、ニッケル粉中のエチルセルローズの重量変化を求めた。さらに、ニッケル粉の触媒活性の評価として、エチルセルローズの重量変化を一次微分して、エチルセルローズの分解速度を求め、分解速度のピークをエチルセルローズの分解温度とした。
(実施例1)
原料ニッケル粉末として、塩化ニッケルをヒドラジンで還元する湿式法で製造したイオウを含有しない平均粒径0.18μmの球状ニッケル粉末を使用し、以下の工程でニッケル粉末を得た。
(1)スラリー化工程
まず、純水3Lを攪拌しながら、この中に前記原料ニッケル粉末を添加し、ニッケル粉末含有量が25g/Lのニッケル粉末スラリーを作製した。
(2)硫化物添加工程
次に、前記ニッケル粉末スラリー中のニッケル粉末に対しイオウ換算で0.075質量になるように秤量した硫化水素ナトリウムを純水5mLに溶解して、硫化水素ナトリウム水溶液を作製した。続いて、前記ニッケル粉末スラリー中に、前記硫化水素ナトリウム水溶液を添加し、室温(26℃)で30分間攪拌した。
硫化物添加工程
(3)乾燥工程
次いで、前記スラリーを固液分離して得られた粉末を、真空乾燥機にて100℃で乾燥し、表面部分にイオウを含有したニッケル粉末を得た。
その後、得られたニッケル粉末のイオウ含有量、イオウの存在形態とその割合、及びエチルセルローズ(以下、ECと略称する場合がある。)の分解温度を求めた。結果を表1に示す。また、図1にニッケル粉末の収縮挙動を示す。図2に、前記分解温度を求めるために用いた、ニッケル粉末中のECの分解速度曲線を示す。
(比較例1)
)硫化物添加工程を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様に操作してニッケル粉末を得た。その後、得られたニッケル粉末のイオウ含有量、イオウの存在形態とその割合、及びニッケル粉中のECの分解温度を求めた。結果を表1に示す。また、図1にニッケル粉末の収縮挙動を示す。図2に、前記分解温度を求めるために用いた、ニッケル粉末中のECの分解速度曲線を示す。
(比較例2)
硫化物添加工程で、前記ニッケル粉末スラリー中のニッケル粉末に対しイオウ換算で2.4質量になるように硫酸を添加したこと以外は、実施例1と同様に操作してニッケル粉末を得た。その後、得られたニッケル粉末のイオウ含有量、イオウの存在形態とその割合、及びニッケル粉中のECの分解温度を求めた。結果を表1に示す。また、図1にニッケル粉末の収縮挙動を示す。図2に、前記分解温度を求めるために用いた、ニッケル粉末中のECの分解速度曲線を示す。
Figure 0005067312
表1より、実施例1では、スラリー化工程、硫化物添加工程及び乾燥工程において、本発明の方法に従って行なわれたので、ニッケル粉末の表面部分に存在するイオウの形態は、硫化ニッケルのほうが硫酸ニッケルより多く存在しており、かつ、ECの分解温度が高くなっていることが分かる。これに対して、比較例1、2では、硫化物添加工程が不十分であったので、表面に存在するイオウの含有割合、又はイオウの形態のいずれかで本発明の条件から外れ、かつECの分解温度が低いことが分かる。
また、図1より、実施例1のニッケル粉末の収縮開始温度は、比較例1より高温化され、比較例2と同程度であることが分かる。
以上より、本発明により得られるニッケル粉末は、収縮開始温度が高温化され、焼結性に優れるとともに、ニッケル粉末の触媒活性が抑制され、脱バインダ性に優れていることが分かる。
以上より明らかなように、本発明の製造方法により、焼結の収縮開始温度が高温化され焼結性が優れるとともに、触媒活性が抑制され脱バインダ性にも優れたニッケル粉末が得られる。得られるニッケル粉末は、電気回路の形成や、積層セラミックコンデンサおよび多層セラミック基板等の積層セラミック部品の電極などに用いられる厚膜導電体を作製するための導電ペーストの材料として好適である。
ニッケル粉末の加熱に伴う収縮挙動を示す図である。 ニッケル粉末中のエチルセルローズの分解速度曲線を表す図である。

Claims (10)

  1. 原料ニッケル粉末をイオウ化合物で湿式処理した後、乾燥して、イオウの大部分が硫化物の形態で含有されるニッケル粉末を製造する方法であって、
    原料ニッケル粉末を水と混合してスラリーを形成するスラリー化工程、得られたスラリー中に、水溶性の硫化物を添加する硫化物添加工程、及び、得られたスラリーからニッケル粉末を固液分離し、真空下又は不活性ガス雰囲気下に乾燥する乾燥工程、を含むことを特徴とするニッケル粉末の製造方法。
  2. 前記硫化物添加工程において、前記スラリー化工程で得られたスラリーを撹拌し、撹拌下にあるスラリー中で均一な濃度になるように、水溶性の硫化物を添加することを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉末の製造方法。
  3. 前記硫化物添加工程において、スラリー中への空気の巻き込みを防止することを特徴とする請求項1又は2に記載のニッケル粉末の製造方法。
  4. 前記水溶性の硫化物を添加する際、水溶性の硫化物を水に溶解した水溶液を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニッケル粉末の製造方法。
  5. 前記硫化物添加工程において、水溶性の硫化物の添加割合は、前記スラリー中のニッケル粉末に対しイオウ換算で0.05〜0.3質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル粉末の製造方法。
  6. 前記水溶性の硫化物は、硫化水素ナトリウム、硫化水素アンモニウム、硫化ナトリウム、又は硫化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のニッケル粉末の製造方法。
  7. 前記原料ニッケル粉末の形状は、球状であり、かつその平均粒径は、0.05〜1μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のニッケル粉末の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法によって得られたニッケル粉末であって、
    イオウは、ニッケル粉末の表面部分に含有され、かつ50%以上が硫化物の形態であることを特徴とするニッケル粉末。
  9. 前記イオウの含有割合は、ニッケル粉末の全量に対し0.02〜0.2質量%であることを特徴とする請求項8に記載のニッケル粉末。
  10. その形状は、球状であり、かつその平均粒径は、0.05〜1μmであることを特徴とする請求項8又は9に記載のニッケル粉末。
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