JP4697539B2 - ニッケル粉末、導体ペーストおよびそれを用いた積層電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、特に積層コンデンサ、積層インダクタ、積層アクチュエータ等の積層セラミック電子部品の電極を形成するのに好適なニッケル粉末、このニッケル粉末を含有する導体ペースト、およびこれを用いた積層セラミック電子部品に関する。
積層セラミック電子部品(以下「積層電子部品」ということもある。)は、一般に次のようにして製造される。誘電体、磁性体、圧電体等のセラミック原料粉末を樹脂バインダ中に分散させ、シート化してなるセラミックグリーンシート(以下「セラミックシート」という。)を準備する。このセラミックシート上に、導電性粉末を主成分とし、所望によりセラミック粉末等を含む無機粉末を、樹脂バインダおよび溶剤を含むビヒクルに分散させてなる内部電極用導体ペーストを、所定のパターンで印刷し、乾燥して溶剤を除去し、内部電極乾燥膜を形成する。得られた内部電極乾燥膜を有するセラミックシートを複数枚積み重ね、圧着してセラミックシートと内部電極ペースト層とを交互に積層した未焼成の積層体を得る。この積層体を、所定の形状に切断した後、バインダを燃焼、飛散させる脱バインダ工程を経て、高温で焼成することによりセラミック層の焼結と内部電極層の形成を同時に行い、セラミック素体を得る。この後、素体の両端面に端子電極を焼き付けて、積層電子部品を得る。端子電極は、未焼成の積層体と同時に焼成される場合もある。
内部電極用導体ペーストの導電性粉末としては、最近ではパラジウム、銀等の貴金属粉末に代わって、ニッケル、銅等の卑金属粉末を用いるのが主流になっており、これに伴い、積層体の焼成も、卑金属が焼成中に酸化されないように、通常酸素分圧の極めて低い非酸化性雰囲気中で行われる。
近年、積層電子部品の小型化、高積層化の要求が強く、特に、導電性粉末としてニッケルを用いた積層セラミックコンデンサにおいては、セラミック層、内部電極層ともに薄層化が急速に進んでいる。このためより厚みの薄いセラミックシートが使用されると共に、内部電極用導体ペーストには1μm以下、さらには0.5μm以下の極めて微細なニッケル粉末が使用されるようになってきた。
しかし、このような極めて微細なニッケル粉末は焼結しやすく、コンデンサの焼成時にニッケル粒子の過焼結、粒成長によって内部電極に空隙が発生し不連続膜となって抵抗値の上昇を招いたり、断線を引き起こしたりするばかりか、電極厚みが厚くなってしまう問題があり、薄膜化には限界がある。また焼結開始温度が極めて低く、焼成中早い段階で焼結を始めること、また酸化還元反応により体積の膨張収縮を生じることにより、セラミック層との焼結収縮挙動が一致せず、これがデラミネーションやクラック等の構造欠陥を生じる原因ともなり、歩留り、信頼性が低下する。
このような問題を解決するため、例えば特許文献1には、平均粒径0.1〜0.8μmで、酸素含有量0.5〜5.0重量%の、表面が酸化されたニッケル粉末を使用することにより、焼結収縮の開始温度を高め、前記デラミネーションやクラック、また過焼結による抵抗値の上昇を防止することが開示されている。しかしながら、本発明者等の検討によれば、特許文献1のようなニッケル粉末表面に形成した酸化層は、構造欠陥や抵抗値の上昇を防止するのに有効ではあるが、効果が充分でない場合がある。特に、脱バインダ工程でのビヒクル成分の分解が不完全になることに起因すると思われる、コンデンサ特性の低下、構造欠陥の発生、信頼性の低下が問題となることがある。即ち焼成時、脱バインダ工程において、窒素雰囲気などの非酸化性雰囲気中では、もともと触媒活性の高いニッケル粉末が樹脂バインダの燃焼に対して触媒として作用し、燃焼を促進する傾向があるのであるが、ニッケル粉末の平均粒径がサブミクロンオーダー、特に0.5μm以下になってくると、ニッケル粉末自体の活性がますます高くなり、特許文献1に記載の方法で表面酸化されたニッケル粉末を用いても,樹脂の一部が、通常の樹脂の分解温度より低温で爆発的に燃焼することがある。
樹脂が非酸化性雰囲気において上記のように比較的低温で燃焼を開始した場合、完全燃焼せず、燃え残りの炭素質残渣が絡み合って、例えばグラファイト様の三次元構造をとり、飛散しにくくなる。このため、脱バインダ後の内部電極層にカーボンが残留し、この残留カーボンが引き続く高温でのセラミックの焼結工程において酸化、ガス化して飛散する際、セラミック層から酸素を引き抜いてセラミック素体の強度を低下させたり、静電容量、絶縁抵抗等の電気特性を悪化させたりする。また、前記残留カーボンによりニッケル粉末が低融化して過焼結を起こし、電極の連続性が損なわれる。さらに前記樹脂の爆発的な燃焼により、素体にクラック等の構造欠陥を生ずることもあり、電子部品の特性、信頼性が低下する。従って、特許文献1のように、ニッケル粉末表面に酸化層が存在する場合、ニッケル粉末の触媒活性はある程度は低下するものの、前述のような樹脂の低温での燃焼に起因する残留カーボンの増加、構造欠陥の発生を完全に抑制することができなかった。
特開平10−106351号公報
本発明は、前述のような問題を解決し、極めて微細であっても活性が低く、これを用いて内部電極を形成した場合に、脱バインダ工程後の残留カーボン量を低減でき、これにより電子部品の強度や電気特性の低下、構造欠陥の発生等がなく、電極の薄層化が可能なニッケル粉末および内部電極用導体ペーストを提供すること、さらにこのペーストを用いて、電気的特性が優れ、信頼性の高い積層セラミック電子部品を得ることを目的とする。
本発明者等が鋭意検討を行ったところ、上記表面酸化層を有するニッケル粉末の内部または表面には、通常、ニッケル原料や製造工程から混入する不可避不純物として炭素が存在し、また表面処理によって炭素が含有される場合もあり、この炭素がニッケル粉末表面の酸化層に大きく影響することを突き止め、かかる知見に基づき本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は以下の構成よりなるものである。
(1) 表面に薄いニッケルの酸化層を有し、酸素含有量が0.3〜3.0重量%であり、かつ炭素含有量が、単位重量のニッケル粉末に対する炭素成分の重量比率で、粉末の比表面積1m/gあたり100ppm以下、イオウ含有量が、単位重量のニッケル粉末に対する重量比率で、粉末の比表面積1m /gあたり30〜500ppmであることを特徴とする、平均粒径0.05〜1.0μmのニッケル粉末。
(2)X線光電子分光法(XPS)によるニッケル粉末表面層のニッケルの化学結合状態の解析において、ニッケルと水酸基の結合状態に帰属されるピークのNi2pスペクトルピーク全体に対する面積比が60%以下であることを特徴とする、上記(1)に記載のニッケル粉末。
(3) 表面に薄いニッケルの酸化層を有し、酸素含有量が0.5〜3.0重量%であり、かつ炭素含有量が、単位重量のニッケル粉末に対する炭素成分の重量比率で、粉末の比表面積1m /gあたり100ppm以下、X線光電子分光法(XPS)によるニッケル粉末表面層のニッケルの化学結合状態の解析において、ニッケルと水酸基の結合状態に帰属されるピークのNi2pスペクトルピーク全体に対する面積比が60%以下であることを特徴とする、平均粒径0.05〜1.0μmのニッケル粉末。
(4) 炭素含有量が、単位重量のニッケル粉末に対する重量比率で、粉末の比表面積1m /gあたり80ppm以下であることを特徴とする、上記(1)ないし(3)に記載のニッケル粉末。
(5) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のニッケル粉末と、樹脂バインダおよび溶剤を含む導体ペースト。
) 上記(5)に記載の導体ペーストを用いて内部電極を形成したことを特徴とする積層セラミック電子部品。
本発明によれば、特定量の表面酸化層を有するニッケル粉末において、炭素含有量を特定量以下に制御することにより、平均粒径が0.05〜1.0μmの微細な粉末、特に平均粒径が0.5μm以下の極めて微細な粉末であっても、脱バインダ工程後の残留カーボン量を著しく減少させることができ、特性の劣化やクラック発生が防止される。これは、ニッケル粉末の表面酸化膜の連続性や安定性が向上するため、ニッケルの触媒活性が低下し、低温での樹脂の燃焼が抑制された結果、残留カーボン量が減少するものと推測される。これによって、電極膜の連続性が優れ、構造欠陥のない、優れた電気特性と強度を有する積層セラミック電子部品を得ることができる。また、セラミック層、内部電極層の厚さが薄い高積層品においても、信頼性の高い積層セラミック電子部品を得ることができる。
特に、本発明のニッケル粉末においては、更に特定量のイオウを含有するとき、さらにニッケルの活性を低下させることができ、かつ焼成後のイオウ成分の残留も殆どないことから、極めて優れた特性向上効果を奏する。
また、ニッケル粉末表面に結合した水酸基の量を制御することにより、望ましくない低温での樹脂の燃焼がより起こりにくくなり、特性の劣化やクラック発生を防止することができる。
さらに、これらの導体ペーストを用いて内部電極を形成した積層セラミック電子部品は、構造欠陥がなく、電気的特性が優れ、信頼性が高いものである。
本発明のニッケル粉末は、表面に薄いニッケルの酸化層が形成されており、粉末に含まれる全酸素量が、ニッケル粉末に対する割合で0.3〜3.0重量%であることが必要である。酸素量が0.3重量%より少ないと酸化層の厚みが薄くなり、表面を均質に覆うことが出来なくなるため、ニッケルの活性を低下させる効果が小さくなる。また3.0重量%を超えると、還元雰囲気で焼成する際ニッケル酸化物の還元によるガス発生と体積変化が大きくなるため、緻密な電極膜が得られなくなるとともに、積層電子部品のクラックやデラミネーションを引き起こす。特に、0.5〜2.0重量%の範囲が好ましい。なお、本発明においてニッケル粉末の酸素量は、Hを4%含有するN雰囲気からなる還元性雰囲気中で、粉末を常温から900℃まで加熱したときの重量変化率として測定される加熱還元減量(以下単に「還元減量」という。)で表される。この方法で測定される還元減量は、本来はニッケル粉末中の加熱によって揮発する成分すべてを含むが、本発明のニッケル粉末においては、酸素量に比べて炭素、イオウなどの酸素以外の揮発性元素の含有量は極めて低いため、還元減量によってニッケル粉末中の酸素量を近似的に表すことができる。
ニッケル粉末の平均粒径は、0.05μmより小さいと、活性が高すぎて低温での樹脂の燃焼や低温での焼結を抑制することができない。また、導体ペーストを製造する際に、ニッケル粉末をペースト中に分散させ、かつ適切な粘度特性を得るのに、多量の溶剤や分散剤等の有機成分を必要とするため、緻密な電極乾燥膜を得ることが困難となる。また積層電子部品の小型化、高積層化の要求に対応するために内部電極層を薄層化するには、ニッケル粉末の平均粒径は1.0μm以下であることが必要である。特に緻密で平滑性が高く、薄い内部電極層を形成するためには、平均粒径が0.1〜0.5μm、比表面積にして1.5〜6.0m/gの、極めて微細で分散性が良好な粉末を用いることが望ましい。本発明は、特に活性が非常に高い平均粒径が0.3μm以下の粉末の場合、顕著な効果を奏する。なお本発明において、粉末の平均粒径は、特に断らない限りBET法で測定された比表面積から換算した比表面積径を表す。
(炭素含有量)
本発明は、このような表面酸化層を有するニッケル粉末において、炭素含有量が極めて低く制御されていることが特徴である。
特開2001−284161号公報には、平均粒径1.0μm以下の微細なニッケル粉末に炭素を0.02−15重量%含有させることにより、電極の不連続化や厚膜化が防止され、また焼結を遅らせるのにも効果があることが開示されているが、従来、このように微細なニッケル粉末を使用する場合、ニッケル粉末に炭素を含有させることにより電極の不連続化や厚膜化の抑制に効果があると考えられてきた。しかし、本発明者等の研究によれば、ニッケル粒子表面に触媒活性低下と焼結開始温度を上昇させる目的で一定量の酸化層を形成する場合、ニッケル粒子の内部や表面に炭素が存在すると、緻密で連続な酸化層ができにくくなるほか、焼成中比較的低温で炭素がニッケルの表面酸化層を還元し、ニッケル金属の活性な表面を一部露出させると考えられ、このため樹脂の低温での燃焼防止、および焼結抑制という本来の作用効果が充分得られなくなると推定された。
そこで、炭素含有量を極めて低い値に制御することを検討した結果、前記特定粒径で、特定量の表面酸化層を有するニッケル粉末において、炭素の含有量を、単位重量のニッケル粉末に対する炭素成分の重量比率(炭素原子換算)で、粉末の比表面積1m/gあたり100ppm以下に制御することにより、低温での樹脂の燃焼とそれに伴う残留カーボンの増加に起因するコンデンサ特性の低下や、構造欠陥の発生を抑制し得たものである。これは、少なくとも焼成工程の低温段階において樹脂が分解する温度まで、ニッケル粒子表面に連続で緊密な酸化層が安定に維持される結果と考えられる。特に、比表面積1m/gあたり80ppm以下とすることにより、極めて優れた効果を得ることができるので好ましい。炭素量の下限に限定はなく、少ないほど良いが、もともと炭素は不可避不純物として含まれているため、完全に除去するのは技術的に困難であり、コストもかかる。また、効果の点からも、炭素量をある程度まで低減化するとその効果はほぼ同じになり、更なる実質的な効果は得られないので、上記のコストの点をも考慮し、炭素量を比表面積1m/gあたり30ppmから80ppm程度とすることが実用上望ましい。
本発明で言う炭素量は、ニッケル粉末の内部及び表面に存在するもの全ての合計であり、市販の炭素硫黄分析装置などにより測定される。ニッケル粉末に含まれる炭素としては、ニッケル原料および製造工程から不可避不純物として混入するもの以外に、ニッケル粉末に有機系の表面処理を施すことによって含有されるものもある。この表面処理は、主にニッケル粉末を導体ペーストに使用する場合に有機ビヒクルへのニッケル粉末の分散性を向上させるために行われる。そして、分散性向上に効果的な有機系表面処理剤による処理方法のほとんどにおいて、処理剤がニッケル粉末表面に強固に結合するため、不純物としてニッケル粉末に含まれる炭素と同様に、表面酸化層に対して悪影響を及ぼす。
なお、本発明において、比表面積はBET法で測定された比表面積である。また「粉末の比表面積1m/gあたり100ppm以下」とは、ニッケル粉末の比表面積をam/gとすると、ニッケル粉末の重量に対して炭素成分は(a×100)ppm以下、即ち導電性粉末の表面積1mに対して100×10−6g以下ということである。
(イオウ含有量)
本発明においては、前記ニッケル粉末に制御された量のイオウ成分が含有されることにより、さらに優れた効果を得る。イオウはニッケル粉末の触媒活性を低下させる作用を有すると考えられる。その最適な含有量は導電性粉末の表面積によって決まり、単位重量のニッケル粉末に対する重量比率(イオウ原子換算)で、粉末の比表面積1m/gあたり30〜500ppm以下である。30ppmより少ないと添加効果が現れない。また500ppmより多くなると、焼成後に積層部品中に残留して特性を低下させる傾向があり、さらに、積層部品の焼成中に多量のイオウ成分が揮発すると、焼成炉を汚染するといった問題も生じる。特に、80〜400ppmの範囲が好ましい。イオウの量は、炭素と同様、市販の炭素硫黄分析装置などにより測定される。
(水酸基)
本発明においては、ニッケル粉末表面に結合した水酸基の量ができるだけ少ないことが好ましい。ニッケル粉末の表面に水酸基が多く結合している場合、焼成初期の比較的低温の段階で分解することによって極めて活性の高い微細な酸化ニッケルが生成し、その触媒作用により樹脂は一層激しく燃焼すると推定される。また、表面に水酸化物が多いと、有機系のビヒクルへの分散性が低下する傾向がある。従って、表面の水酸基の量を、X線光電子分光法(XPS)によるニッケル粉末表面層のニッケルの化学結合状態の解析において、ニッケルと水酸基の結合状態に帰属されるピークのNi2pスペクトルピーク全体に対する面積比が60%以下となるように制御することにより、低温での樹脂の燃焼が抑制され、特性の劣化やクラック発生を確実に防止することができる。
(製法)
本発明のニッケル粉末を製造する方法としては、湿式還元法、ニッケル化合物を熱分解する方法、ニッケル化合物の気相還元による化学気相析出法(CVD)、ニッケル蒸気を冷却することによる物理気相析出法(PVD)など、いずれでも良い。特に、特公昭63−31522号公報等に記載された噴霧熱分解法や、特開2002−20809号公報および特開2004−99992号公報に記載の熱分解性の金属化合物粉末をキャリアガスと共に反応容器中に供給し、気相中に分散させた状態で熱分解する方法、また金属の加熱により金属蒸気を発生させ、その蒸気を冷却・凝縮することにより金属粉末を生成させるPVD法などは、分散性の極めて優れた高結晶性のニッケル微粉末が得られるので好ましい。
これらの方法において、表面酸化層を形成するには、例えば、生成したニッケル粉末を酸化性雰囲気中で、凝集を防止しつつ加熱処理することで表面を一定量酸化させる。具体的には、ニッケル粉末を空気中200℃以下の温度で1〜10時間程度加熱することで、強固な凝集を起こすことなく適当量酸化させることが可能である。また、前記のCVD法やPVD法、噴霧熱分解法あるいは金属化合物粉末を気相中で熱分解する方法においては、反応器中で生成したニッケル粉末が気相中に高度に分散している状態で、空気などの酸化性ガスを混合することで、粉末の凝集を起こさずに均質に酸化層を形成することが出来るので望ましい。この場合、例えば生成粒子が酸化性ガスと接触する温度により、生成粉末の表面酸化量を調整することができる。
表面酸化処理は、後述する炭素含有量を低減させるための処理やイオウの添加処理と別途に行っても、また同時に行っても良い。ただし炭素低減処理に先立って酸化処理を行うと、炭素を除去する際にニッケル粉末表面の酸化層が還元され、凝集を引き起こすことがあるので、炭素除去後または同時に行うのが好ましい。
前述の方法で得られるニッケル粉末のうち、例えば湿式還元法やカルボニルニッケルの気相中還元などで得られるニッケル粉末は、不純物として炭素を比較的多量に含有しているのが普通である。CVD法やPVD法、噴霧熱分解法あるいは金属化合物粉末を気相中で熱分解する方法では、炭素残留量は比較的少ないものの、通常は不純物として本発明で規定する範囲より多く含まれ、また原料や装置等によりばらつきがある。
ニッケル粉末の炭素含有量を本発明の範囲に低減する方法としては、特に制限はないが、例えばニッケル粉末を空気中、100〜200℃の温度で熱処理することにより炭素分を燃焼除去したり、水蒸気によって分解除去する方法などが採用される。例えば特開2002−20809号公報記載の金属化合物粉末を気相中で熱分解する方法で、原料として炭素を含むカルボン酸ニッケル塩粉末を用いる場合は、反応容器の加熱ゾーンや冷却ゾーンに水蒸気や酸素を導入することにより残留炭素分を燃焼除去することができる。適切な量の水蒸気は、反応系内の炭素成分と反応して生成粉末中に残留する炭素を低減する効果があり、水蒸気の供給量によって粉末に含有される炭素量を制御できるが、過剰に供給すると生成粉末表面の水酸基が増加する傾向がある。
前記制御された量のイオウ成分を含有させる方法にも特に制限はない。例えば、生成した粉末をイオウ粉末と混合して密閉された容器内で加熱する方法や生成した粉末に硫化水素ガスや亜硫酸ガスなどのイオウを含有するガスを流通させて反応させる方法などがある。さらに、CVD法やPVD法、噴霧熱分解法あるいは金属化合物粉末を気相中で熱分解する方法では、硫化水素ガスや亜硫酸ガス、メルカプタン系の有機イオウ化合物のガスなどを反応系に添加することで、イオウを含有するニッケル粉末が得られる。これらのガスは反応系内で分解し、生成したイオウ成分はほぼ定量的にニッケル粉末に含有されるため、供給量によって粉末のイオウ量を制御できる。また、噴霧熱分解法では硫酸、チオ硫酸等の分解性のイオウ化合物を原料溶液中に溶解しておくことにより、ニッケル粉末生成と同時に所定量のイオウを含有させることが可能である。
(導体ペースト)
本発明の導体ペーストは、前記ニッケル粉末を導電性粉末として含有し、これを樹脂バインダ、溶剤からなるビヒクルに分散させたものである。
樹脂バインダとしては特に制限はなく、導体ペーストに通常使用されているもの、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ロジンなどが使用される。樹脂バインダの配合量は、特に限定されないが、通常導電性粉末100重量部に対して1〜15重量部程度である。
溶剤としては、前記バインダ樹脂を溶解するものであれば特に限定はなく、通常内部電極用ペーストに使用されているものを適宜選択して配合する。例えばアルコール系、エーテル系、エステル系、炭化水素系等の有機溶剤や水、またはこれらの混合溶剤が挙げられる。溶剤の量は、通常使用される量であれば制限はなく、導電性粉末の性状や樹脂の種類、塗布法等に応じて適宜配合される。通常は導電性粉末100重量部に対して40〜150重量部程度である。
本発明の導体ペーストには、前記成分の他に、通常配合されることのある成分、即ち、セラミックシートに含有されるセラミックと同一または組成が近似した成分を含むセラミックや、ガラス、アルミナ、シリカ、酸化銅、酸化マンガン、酸化チタン等の金属酸化物、モンモリロナイトなどの無機粉末や、金属有機化合物、可塑剤、分散剤、界面活性剤等を、目的に応じて適宜配合することができる。
本発明の導体ペーストは、常法に従って、ニッケル粉末を他の添加成分と共にバインダ樹脂および溶剤と共に混練し、均一に分散させることによって製造されるが、ペースト状に限ることなく、塗料状またはインク状でも良い。得られる導体ペーストは、特に、積層コンデンサ、積層インダクタ、積層アクチュエータ等の積層セラミック電子部品の内部電極を形成するのに適しているが、その他にセラミック電子部品の端子電極や厚膜導体回路の形成に使用することもできる。
(積層セラミック電子部品)
積層セラミック電子部品は、内部電極の形成に本発明の導体ペーストを用いて公知の方法で製造される。一例として積層セラミックコンデンサの製造方法を述べる。
まず、誘電体セラミック原料粉末を樹脂バインダ中に分散させ、ドクターブレード法等でシート成形し、セラミックシートを作製する。誘電体層を形成するための誘電体セラミック原料粉末としては、通常チタン酸バリウム系、ジルコン酸ストロンチウム系、ジルコン酸カルシウムストロンチウム系などのペロブスカイト型酸化物、または、これらを構成する金属元素の一部を他の金属元素で置換したものを主成分とする粉末が使用される。必要に応じて、これらの原料粉末に、コンデンサ特性を調整するための各種添加剤が配合される。得られたセラミックシート上に、本発明の導体ペーストを、スクリーン印刷等の通常の方法で塗布し、乾燥して溶剤を除去し、所定のパターンの内部電極ペースト乾燥膜を形成する。内部電極ペースト乾燥膜が形成されたセラミックシートを所定の枚数だけ積み重ね、加圧積層して、未焼成の積層体を作製する。この積層体を所定の形状に切断した後、不活性ガス雰囲気中または若干の酸素を含む不活性ガス雰囲気中で250〜350℃程度の温度で脱バインダを行ってビヒクル成分を分解、飛散させた後、非酸化性雰囲気中1100〜1350℃程度の高温で焼成し、誘電体層と電極層を同時に焼結し、必要によりさらに再酸化処理を行って、積層セラミックコンデンサ素体を得る。この後、素体の両端面に端子電極が焼付け形成される。なお、端子電極は、前記未焼成の積層体を切断したチップの両端面に端子電極用導体ペーストを塗布し、その後、積層体と同時に焼成することによって形成してもよい。
次に、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例
平均粒径がおよそ100μmの酢酸ニッケル四水和物の粉末を500g/hrの供給速度で気流式粉砕機に供給し、200L/minの流速の窒素ガスで粉砕、分散させた。この分散気流をそのまま1550℃に加熱した電気炉内の反応管に導入し、酢酸ニッケル四水和物を加熱、分解してニッケル粉末を生成させた。このとき、分散気流の反応管への導入口の近傍から水蒸気を供給することにより、粉末に含有される炭素量を低下させた。粉末に含有される炭素量は水蒸気の供給量によって制御した。また、反応管の出口側に反応管と同径の冷却管を接続し、冷却管には空気を導入するための導入管を気流の流れ方向に複数個設け、空気を導入する位置により生成粒子が空気と接触する温度を変化させることで、生成粉末の表面酸化量を制御した。イオウを含有させる場合(試料番号11〜14)は、硫化水素ガスを、水蒸気と同様に分散気流の反応管への導入口の近傍から別個に供給した。粉末に含有する硫黄量は、硫化水素ガスの供給量によって制御した。生成した粉末はバグフィルターで回収した。
得られた試料番号1〜15(試料番号3、4、8、10は本発明外のものである。)のニッケル粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、すべての条件において球形の粒子が生成していることを確認した。また、走査透過型電子顕微鏡(STEM)での観察により、粒子表面に酸化層が形成されていることを確認した。
また、ニッケル粉末それぞれの比表面積、平均粒径、酸素含有量(還元減量)、炭素含有量、イオウ含有量、表面水酸基の割合を調べ、表1に示した。比表面積はBET法により測定したものであり、平均粒径は比表面積からの換算粒径である。還元減量は、約2gの粉末をアルミナボートに秤量し、Hを4%含有するN雰囲気中で、常温から900℃まで加熱した後に室温まで冷却したときの重量変化を測定し、重量変化率(%)で表した。炭素含有量とイオウ含有量は、炭素・イオウ分析装置(堀場製作所製 EMIA−320V)で測定した。表面水酸基の割合は、XPS(KRATOS ANALYTICAL社製 ESCA−3400)で粉末表面のNi2pスペクトルを測定し、そのスペクトルをピーク分離して、ニッケルと水酸基の結合に帰属されるピーク面積の割合を求めたものである。
試料番号1〜15のニッケル粉末100重量部、樹脂バインダとしてエチルセルロース5重量部、溶剤としてジヒドロターピネオール95重量部を配合し、3本ロールミルを使って混練して導体ペーストを作製した。得られた導体ペーストの脱バインダ特性の評価を以下のようにして行なった。導体ペーストを、PETフィルム上に膜厚が250μmとなるように塗布し、150℃で乾燥して溶剤成分を除去した。この乾燥体を窒素ガス雰囲気中で毎分20℃の昇温速度で500℃まで昇温し、熱重量測定を行って樹脂の分解開始温度を調べた。また、前記乾燥体を窒素ガス雰囲気中において300℃で3時間熱処理したサンプルについて、残留炭素量を測定した。結果をそれぞれ表1に示した。
Figure 0004697539
表1の試料番号1〜4の比較から、比表面積、酸素含有量が同程度の場合、炭素含有量が多いほど導体ペーストの樹脂の分解開始温度が低く、また熱処理後の残留炭素量が多いことが分かる。また、試料番号1および試料番号5〜10の比較からは、酸素含有量が低いと、分解開始温度が低下して残留炭素量が多くなり、逆にある程度以上の酸素含有量ではほとんど変化がないことが分かる。 試料番号11〜14の比較からは、イオウを含有させると分解開始温度は高く残留炭素量は少なくなることが分かる。試料番号15の結果からは、表面水酸基が多いと分解開始温度が低下し残留炭素量が増加する傾向があることが分かる。
次に、上記導体ペーストをそれぞれチタン酸バリウム系セラミックグリーンシート上に所定の形状に印刷し、乾燥して内部電極となる導体ペースト乾燥膜を形成し、この導体ペースト乾燥膜を有するグリーンシートを、誘電体有効層が30層になるように積み重ね、圧着、成形した後、所定の形状に切断し、未焼成の積層コンデンサチップを得た。この未焼成のチップを、窒素ガス雰囲気中温度300℃、12時間の条件で脱バインダを行った後、引き続き水素を含む窒素ガスからなる弱還元性雰囲気中、ピーク温度1250℃で2時間本焼成を行い、次いで弱酸化性雰囲気中1000℃で1時間再酸化処理を行い、積層セラミックコンデンサ素体を作製した。
得られた積層セラミックコンデンサ素体各5個について、内部電極に直交する面で切断し、断面を観察して電極の連続性を調べ、表1に併せて示した。ここで電極の連続性は、コンデンサの断面写真を基に、それぞれから選んだ10層の電極に中心線を引いて、その全長に対し途切れた部分を差し引いた長さの割合を百分率で算出したものであり、数字が大きいほど連続性が良好であることを表す。
電極の連続性の評価結果から、残留炭素量が少ないほど連続性が高くなる傾向があることが分かる。また、残留炭素量が少なくても、酸素含有量が高すぎる場合(試料番号10)には、電極の連続性が低下する。また、表面水酸基の割合が高い場合(試料番号15)も、やや電極の連続性が低下する傾向がある。

Claims (6)

  1. 表面に薄いニッケルの酸化層を有し、酸素含有量が0.3〜3.0重量%であり、かつ炭素含有量が、単位重量のニッケル粉末に対する炭素成分の重量比率で、粉末の比表面積1m/gあたり100ppm以下、イオウ含有量が、単位重量のニッケル粉末に対する重量比率で、粉末の比表面積1m /gあたり30〜500ppmであることを特徴とする、平均粒径0.05〜1.0μmのニッケル粉末。
  2. X線光電子分光法(XPS)によるニッケル粉末表面層のニッケルの化学結合状態の解析において、ニッケルと水酸基の結合状態に帰属されるピークのNi2pスペクトルピーク全体に対する面積比が60%以下であることを特徴とする、請求項に記載のニッケル粉末。
  3. 表面に薄いニッケルの酸化層を有し、酸素含有量が0.5〜3.0重量%であり、かつ炭素含有量が、単位重量のニッケル粉末に対する炭素成分の重量比率で、粉末の比表面積1m /gあたり100ppm以下、X線光電子分光法(XPS)によるニッケル粉末表面層のニッケルの化学結合状態の解析において、ニッケルと水酸基の結合状態に帰属されるピークのNi2pスペクトルピーク全体に対する面積比が60%以下であることを特徴とする、平均粒径0.05〜1.0μmのニッケル粉末。
  4. 炭素含有量が、単位重量のニッケル粉末に対する重量比率で、粉末の比表面積1m /gあたり80ppm以下であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のニッケル粉末。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のニッケル粉末と、樹脂バインダおよび溶剤を含む導体ペースト。
  6. 請求項5に記載の導体ペーストを用いて内部電極を形成したことを特徴とする積層セラミック電子部品。
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