JP2015086465A - ニッケルナノ粉末及びその製造方法 - Google Patents

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チュン・ジョン・ホ
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Abstract

【課題】本発明は、ニッケルナノ粉末及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明によれば、焼成時の収縮挙動を効果的に制御することにより、優れた電極連結性及び均一度を具現し且つ電極容量を向上させることができるニッケルナノ粉末及びその製造方法が提供される。
【選択図】図4

Description

本発明は、ニッケルナノ粉末及びその製造方法に関し、より詳細には、電子部品の電極材料等に適用可能なニッケルナノ粉末及びその製造方法に関する。
ニッケルは、電極材料、又は燃料電池の触媒、水素化反応における触媒、多様な化学反応における触媒として、多様な分野に応用可能である。例えば、ニッケルは、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の内部電極材料又は充填率向上のための物質として用いられている。また、ニッケルは、燃料電池及び有機合成の触媒として用いられており、最近では、白金のような貴金属物質の代替材料としてのニッケル粒子に対する研究が活発に行われている。積層セラミックコンデンサーの場合、最近の薄型化・小型化・高容量化につれ、内部に用いられるニッケル粒子のサイズも小さくなっているため、ニッケル粒子をナノサイズで製造しようとする試みがなされている。
ニッケルナノ粒子は、液相法、気相法、プラズマ法等で製造されることができる。気相法の場合、商業的な大量生産には有利であるが、広い粒子分布が生成されることから分級工程を用いてサイズを選別しなければならず、焼成温度を500℃以上にしなければ粒子間ネッキング(necking)による電極連結性を有することができない。よって、最近では、粒子分布が均一な上に比較的安価で生産可能な液相でナノ粒子を製造する方法が多く開発されている。
一方、ニッケルナノ粒子は、焼成時、体積が収縮する。このような収縮挙動を制御するために、表面に酸化層を形成する。
この際、酸化層の厚さが厚すぎると、焼成後、電極の均一度は良くなるが、電極容量は減少する。逆に、酸化層がないか又は薄すぎると、焼成時、クラックや歪み等の現象が発生する。
したがって、焼成時の収縮挙動を制御して均一な電極を形成し、優れた電極容量を具現するためには、ニッケルナノ粒子の酸化膜処理が重要である。
下記特許文献1は、ニッケル先駆物質、有機アミン及び還元剤を用いてニッケル粒子を製造する方法については開示しているが、このように合成されるニッケルナノ粒子の酸化膜の形成については具体的に開示していない。
韓国特開2010−0016821号公報
本発明の目的は、焼成時の収縮挙動を効果的に制御することにより、優れた電極連結性及び均一度を具現し且つ電極容量を向上させることができるニッケルナノ粉末及びその製造方法を提供することである。
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態によれば、ニッケルナノ粒子と、上記ニッケルナノ粒子の表面を取り囲む酸化膜と、を含み、上記酸化膜は当該酸化膜の平均厚さに対して20%以上厚い突起部及び20%以上薄い溝部を含むニッケルナノ粉末が提供される。
上記酸化膜は、ニッケルナノ粉末に対して0.5〜3重量%の酸素を含有することができる。
上記酸化膜の平均厚さは2〜7nmであれば良い。
上記酸化膜突起部の高さは3〜9nmであれば良い。
上記酸化膜溝部の高さは1〜5nmであれば良い。
上記ニッケルナノ粒子は、縦横比(aspect ratio)が1〜1.2の球形であれば良い。
上記ニッケルナノ粒子の平均粒径は50〜200nmであれば良い。
上記ニッケルナノ粉末のBET比表面積値は5〜10m/gであれば良い。
本発明の他の実施形態によれば、上記ニッケルナノ粉末を含む積層セラミック電子部品の内部電極用ペーストが提供される。
本発明のさらに他の実施形態によれば、表面に突起部が形成されたニッケルナノ粒子を製造する段階と、上記ニッケルナノ粒子を酸化性雰囲気下で熱処理して酸化膜を形成する段階と、を含むニッケルナノ粉末の製造方法が提供される。
上記熱処理して酸化膜が形成されたニッケルナノ粒子を気体によって粉砕処理し、酸化膜の平均厚さに対して20%以上厚い突起部及び20%以上薄い溝部を含む酸化膜を形成する段階をさらに含むことができる。
上記表面に突起部が形成されたニッケルナノ粒子を製造する段階は、ニッケル先駆物質と有機アミンとを混合して混合物を用意する段階と、上記混合物を1次加熱する段階と、上記混合物に還元剤を添加して2次加熱する段階と、を含むことができる。
上記ニッケル先駆物質は、塩化ニッケル(NiCl)、硫酸ニッケル(NiSO)、ニッケルアセテート(Ni(OCOCH)、ニッケルアセチルアセトネート(Ni(C)、ハロゲン化ニッケル(NiX、ここで、XはF、Br又はI)、炭酸ニッケル(NiCO)、ニッケルシクロヘキサンブチレート([C11(CHCONi)、硝酸ニッケル(Ni(NO)、ニッケルオキサレート(NiC)、ニッケルステアレート(Ni(HC(CH16CO)及びニッケルオクタノアート([CH(CHCONi)からなる群から選択されたいずれか一つ以上であれば良い。
上記有機アミンは、オレイルアミン(oleyl amine)、ドデシルアミン(dodecyl amine)、ラウリルアミン(lauryl amine)、オクチルアミン(octyl amine)、トリオクチルアミン(trioctyl amine)、ジオクチルアミン(dioctyl amine)及びヘキサデシルアミン(hexadecyl amine)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。
上記1次加熱する段階は、100〜180℃で加熱することができる。
上記還元剤は、ソジウムボロハイドライド(NaBH)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド((CHCHCHCHN(BH))、リチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH)、ソジウムハイドライド(NaH)、ボランジメチルアミン錯体((CHNH・BH)及びアルカンジオール(HO(CHOH、ここで、nは5≦n≦30)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。
上記2次加熱する段階は、200〜280℃で加熱することができる。
上記酸化性雰囲気下での熱処理温度は200〜400℃であれば良い。
上記気体による粉砕工程は、ジェットミル(jet mill)粉砕機を用いることができる。
上記気体による粉砕工程は、空気(air)又はヘリウム(He)ガスを1.0〜2.5kg/hrの速度で供給することができる。
本発明の一実施形態によるニッケルナノ粉末は、焼成時の収縮挙動が効果的に制御されるため、優れた電極連結性及び均一度を具現し且つ電極容量を向上させることができる。
本発明の一実施形態によるニッケルナノ粉末を示す図である。 本発明の一実施形態によるニッケルナノ粉末の製造方法を示す工程図である。 本発明の一実施形態によるニッケルナノ粉末を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)で観察した写真である。 図3の「A」部分を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)で拡大して観察した写真である。
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
図1は、本発明の一実施形態によるニッケルナノ粉末を示す図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるニッケルナノ粉末100は、ニッケルナノ粒子10と、上記ニッケルナノ粒子10の表面を取り囲む酸化膜20と、を含む。
この際、上記酸化膜20は、当該酸化膜の平均厚さ(図1に点線で表示)に対して20%以上厚い突起部21と、20%以上薄い溝部22と、を含むことができる。
ニッケルナノ粒子10の表面に形成される酸化膜20が均一な厚さで形成されずに上記突起部21及び溝部22を形成して不均一な厚さで被覆されるため、焼成時のニッケルナノ粒子の収縮挙動を効果的に制御することにより、電極のクラック又は歪みの発生を防止し、優れた電極連結性及び均一度を具現し、且つ電極容量の減少を最小化して高容量を具現することができる。
上記ニッケルナノ粒子10は、縦横比(aspect ratio)が1〜1.2の球形の粒子であれば良く、好ましくは1〜1.1であれば良い。ニッケルナノ粒子10の縦横比が1.2を超える場合は、数百ナノの厚さの内部電極印刷時にニッケルナノ粒子の表面突出率が高くなるため、表面粗度値が大きくなる可能性がある。
球形のニッケルナノ粒子10は、平均粒径が50〜200nmであれば良い。平均粒径が50nm未満の場合は、粒子の表面積が増加するにつれ、表面安定化物質の含量も増加し、これが炭素含量分析時に高含量の残炭として検出され、電極及びチップを形成してから焼成するときに電極連結性が悪化し電極容量が減少する可能性があり、200nmを超える場合は、電極を形成してから緻密にパッキング(packing)するのが困難となり、表面粗度の増加及び空隙(void)の発生により電極連結性が減少する可能性がある。
上記ニッケルナノ粒子10は、表面から突出した突起部を含むことができる。
上記突起部は、ニッケルナノ粒子10との連続体として形成され、ニッケルナノ粒子10と同様にニッケルからなる。連続体とは、ニッケルナノ粒子の本体と突起部がすべて同じ材料からなり、突起部が単一の工程により形成され、ニッケルナノ粒子10と突起部の間に継ぎ目等の一体感を損なう部位が存在しないものを意味する。
ニッケルナノ粒子10の表面に突出した突起部の高さは10〜80nmであれば良く、好ましくは45〜55nmであれば良い。
上記ニッケルナノ粒子10の表面を取り囲む酸化膜20は、ニッケルナノ粒子10を酸化性雰囲気下で熱処理して形成されることができる。
酸化膜20は、酸化ニッケル(NiO)を含み、ニッケルナノ粉末100全体に対して0.5〜3重量%の酸素を含有し、好ましくは0.5〜1.0重量%の酸素を含有することができる。
上記酸化膜20の平均厚さは2〜7nmであれば良い。
面心立方構造(fcc;face centered cubic)を有するニッケルは、酸化すると非晶質構造に変わり、非晶質構造に変わった部分は、走査電子顕微鏡(SEM)で観察した写真中に明るい部分として表われる。したがって、走査電子顕微鏡(SEM)で観察した写真中に明るい部分として表われる酸化膜の厚さを測定して平均値を計算し、酸化膜20の平均厚さを求める。
酸化膜20の平均厚さが2nm未満の場合は、焼成時のニッケルナノ粒子の収縮挙動を制御するのが困難となるため、電極のクラック又は歪みが発生する可能性があり、7nmを超える場合は、焼成後に電極容量が顕著に減少し、粒子間の界面でメルティング(melting)がうまく行われないため、耐久性及び電気的特性が低下する可能性がある。
本発明の一実施形態による酸化膜20は、酸化膜突起部21及び酸化膜溝部22を含んで形成される。酸化膜突起部21とは、酸化膜20の平均厚さに対して20%以上厚い部分のことであり、酸化膜溝部22とは、酸化膜20の平均厚さに対して20%以上薄い部分のことである。
上記酸化膜突起部21及び酸化膜溝部22は、表面に突起部が形成されたニッケルナノ粒子10を製造した後にこれを酸化性雰囲気下で熱処理することにより形成されることができる。より効果的な酸化膜突起部21及び酸化膜溝部22を形成するためには、酸化膜を形成した後、気体による粉砕処理を行えば良い。
上記酸化膜突起部21の高さは3〜9nmであれば良く、上記酸化膜溝部22の高さは1〜5nmであれば良い。
酸化膜突起部21及び酸化膜溝部22が形成されるニッケルナノ粉末100は、酸化膜20が不均一な厚さを有するため、比表面積が増加することができる。ニッケルナノ粉末100のBET比表面積値は5〜10m/gであれば良い。
このように本発明の一実施形態による突起部21及び溝部22が形成された酸化膜20を含むニッケルナノ粉末100は、電極の連結性及び均一度が向上し且つ優れた電極容量を具現することができるため、積層セラミック電子部品の内部電極用ペーストの製造に用いられることができる。
図2は、本発明の一実施形態によるニッケルナノ粉末の製造方法を示す工程図である。
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるニッケルナノ粉末の製造方法は、下記の通りである。まず、ニッケル先駆物質と有機アミンとを混合して混合物を用意する。
ニッケル先駆物質としては、ニッケルの物質源(source)として使用可能な化合物であれば特に制限されないが、塩化ニッケル(NiCl)、硫酸ニッケル(NiSO)、ニッケルアセテート(Ni(OCOCH)、ニッケルアセチルアセトネート(Ni(C)、ハロゲン化ニッケル(NiX、ここで、XはF、Br又はI)、炭酸ニッケル(NiCO)、ニッケルシクロヘキサンブチレート([C11(CHCONi)、硝酸ニッケル(Ni(NO)、ニッケルオキサレート(NiC)、ニッケルステアレート(Ni(HC(CH16CO)又はニッケルオクタノアート([CH(CHCONi)等を単独で又は混合して用いることが好ましい。なお、ニッケル塩が水和されている場合は、ニッケル塩の溶解が容易ではなく、未反応物が生成されて収得率が低下し、未反応物が残存して粗大粉として作用する可能性があるため、上記ニッケル先駆物質として上記で列挙したニッケル塩の無水物を用いることが好ましい。
本発明の一実施形態によるニッケルナノ粉末の製造方法では、有機アミンを添加する。有機アミンは、有機溶媒として作用するか又は還元剤として作用することができる。有機アミンが添加されて上記混合物に別途の溶媒がさらに用いられる場合は、水溶性溶媒ではなく有機溶媒を用いれば良い。
本発明に使用可能な有機アミンとしては、例えば、オレイルアミン(oleyl amine)、ドデシルアミン(dodecyl amine)、ラウリルアミン(lauryl amine)、オクチルアミン(octyl amine)、トリオクチルアミン(trioctyl amine)、ジオクチルアミン(dioctyl amine)又はヘキサデシルアミン(hexadecyl amine)があるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
上記ニッケル先駆物質混合物において、有機アミン以外の溶媒をさらに用いる場合は、有機溶媒を用いれば良い。
有機溶媒としては、エーテル系有機溶媒、飽和炭化水素系有機溶媒(C2n+2、ここで、nは7≦n≦30)、不飽和炭化水素系有機溶媒(C2n、ここで、nは7≦n≦30)又は有機酸系有機溶媒を単独で又は混合して用いることができる。
本発明に使用可能なエーテル系有機溶媒は、例えば、トリオクチルホスフィンオキシド(Trioctylphosphine oxide、TOPO)、アルキルホスフィン(alkylphosphine)、オクチルエーテル(octyl ether)、ベンジルエーテル(benzyl ether)、及びフェニルエーテル(phenyl ether)のいずれか一つであれば良いが、必ずしもこれに限定されるものではない。
本発明に使用可能な飽和炭化水素系有機溶媒は、ヘキサデカン、ヘプタデカン及びオクタデカンのいずれか一つであれば良いが、必ずしもこれに限定されるものではない。また、不飽和炭化水素系有機溶媒は、オクタン、ヘプタデセン及びオクタデセンのいずれか一つであれば良いが、必ずしもこれに限定されるものではない。
本発明に使用可能な有機酸系有機溶媒は、オレイン酸(oleic acid)、ラウリン酸(lauric acid)、ステアリン酸(stearic acid)、ミスチリン酸(mysteric acid)及びヘキサデカン酸(hexadecanoic acid)のいずれか一つであれば良いが、必ずしもこれに限定されるものではない。
その後、上記混合物を1次加熱する。
上記混合物を1次加熱する段階は、100〜180℃、好ましくは130〜150℃で加熱することができる。1次加熱時間は、1時間〜5時間であれば良い。
次に、1次加熱された上記混合物に還元剤を添加して2次加熱する。
還元剤の役割ができる一部の有機アミンを混合して1次加熱した後、時間間隔をおいて還元剤を添加して2次加熱することにより、表面に突起部が形成されたニッケルナノ粒子を製造することができる。
上記還元剤としては、ソジウムボロハイドライド(NaBH)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド((CHCHCHCHN(BH))、リチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH)、ソジウムハイドライド(NaH)、ボランジメチルアミン錯体((CHNH・BH)又はアルカンジオール(HO(CHOH、ここで、nは5≦n≦30)を単独で又は混合して用いることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
上記混合物を2次加熱する段階は、200〜280℃、好ましくは230〜250℃で加熱することができる。2次加熱時間は、40〜90分間であれば良い。
次に、表面に突起部が形成されたニッケルナノ粒子を酸化性雰囲気下で熱処理して酸化膜を形成する。
酸化性雰囲気は、酸素濃度が好ましくは30〜100%であれば良く、熱処理時の温度が200〜400℃、好ましくは200〜250℃であれば良い。
熱処理温度が200℃未満の場合は、ニッケルナノ粒子の表面に十分な厚さの酸化膜が形成されることができず、400℃を超える場合は、ニッケルナノ粒子の内部まで酸化処理されて焼結性が低下し、熱処理中にニッケルナノ粒子が凝集してしまい、内部電極の構造欠陥を発生させる可能性がある。
熱処理時間は、30分〜10時間であれば良く、酸化膜の酸素含量がニッケルナノ粉末全体に対して0.5〜3重量%となるように調節することが好ましい。
次に、上記熱処理して酸化膜が形成されたニッケルナノ粒子を気体によって粉砕処理する。
表面に突起部が形成されたニッケルナノ粒子を酸化性雰囲気下で熱処理して酸化膜を形成すると、厚さに偏差のある不均一な厚さの酸化膜が形成される。したがって、より効果的に酸化膜突起部及び酸化膜溝部を形成するためには、酸化膜が形成されたニッケルナノ粒子を気体によって粉砕処理すれば良い。
気体による粉砕処理を行うことにより、酸化膜の平均厚さに対して20%以上厚い突起部及び20%以上薄い溝部を含む酸化膜を形成することができる。
上記気体による粉砕工程は、特に制限されず、例えば、ジェットミル(jet mill)粉砕機を用いることができる。
粉砕に用いられる上記気体は、ニッケル粒子と化学的反応を起こさないものであれば特に制限されず、例えば、空気(air)又はヘリウム(He)ガスであれば良い。
上記気体は、1.0〜2.5kg/hrの速度で供給されれば良い。
気体を1.0kg/hr未満の速度で供給する場合は、粒子間の衝突回数及び衝突力の増加によって酸化膜の過粉砕及び微粒子の凝集が発生する可能性があり、2.5kg/hrを超える速度で供給する場合は、ニッケルナノ粒子自体が粉砕され、酸化膜突起部及び酸化膜溝部が形成されない可能性がある。
不均一な厚さの酸化膜が形成されたニッケルナノ粉末は、例えば、加熱された混合物にエタノール、アセトン又はトルエン等を添加してニッケルナノ粉末を沈殿させた後、遠心分離機又は磁石を用いて分離されることができる。
以下では、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。しかしながら、下記実施例は、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の理解のためのものである。
<実施例1>
500mlの反応機で有機アミンとしてオレイルアミンと塩化ニッケルとを0.7Mの濃度で混合した後、170℃で120分間加熱した。次に、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド(TBAB)0.3mmolを投入し、230℃に上げた後、1時間維持した。
上記で製造された平均30nmの突起を有する平均粒径153nmのニッケルナノ粒子を酸素濃度5%の雰囲気のオーブンで210℃で12時間熱処理した。次に、常温に冷やした後、酸素含量を測定した。その結果、ニッケルナノ粒子に2.7重量%の酸素が含有された酸化膜が形成された。
上記酸化膜が形成されたニッケルナノ粒子をヘリウム(He)ジェットミル(jet mill)を用いて供給速度(feeding rate)1.0kg/hrで粉砕する粉砕工程を行った。
図3は上記で製造されたニッケルナノ粉末を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)で観察した写真であり、図4は図3の「A」部分を拡大して観察した写真である。
上記で製造されたニッケルナノ粉末には平均厚さ5.2nmの酸化膜と2〜4nmの酸化膜溝部及び6〜7nmの酸化膜突起部が形成されたことが確認できた。また、ジェットミル(jet mill)処理前後のBET比表面積を測定した結果、5.5m/gから7m/gに増加したことが確認できた。
下記表1は、実施例1により製造されたニッケルナノ粉末を含んで内部電極を形成するとき及び均一な厚さの酸化膜が形成されたニッケルナノ粉末を含んで内部電極を形成するときの電極連結性、BDV(breakdown voltage:絶縁物に電圧を加えて次第に上昇させて絶縁物が絶縁性を失ったときの電圧)及び電極容量の結果を示すものである。
Figure 2015086465
上記表1を参照すると、本発明の実施例によるニッケルナノ粉末を含んで内部電極を形成するとき、電極連結性が向上し且つBDV及び電極容量が向上することが確認できる。

Claims (20)

  1. ニッケルナノ粒子と、
    前記ニッケルナノ粒子の表面を取り囲む酸化膜と、
    を含み、
    前記酸化膜は当該酸化膜の平均厚さに対して20%以上厚い突起部及び20%以上薄い溝部を含む、ニッケルナノ粉末。
  2. 前記酸化膜は、ニッケルナノ粉末に対して0.5〜3重量%の酸素を含有する、請求項1に記載のニッケルナノ粉末。
  3. 前記酸化膜の平均厚さは2〜7nmである、請求項1に記載のニッケルナノ粉末。
  4. 前記酸化膜突起部の高さは3〜9nmである、請求項1に記載のニッケルナノ粉末。
  5. 前記酸化膜溝部の高さは1〜5nmである、請求項1に記載のニッケルナノ粉末。
  6. 前記ニッケルナノ粒子は、縦横比(aspect ratio)が1〜1.2の球形である、請求項1に記載のニッケルナノ粉末。
  7. 前記ニッケルナノ粒子の平均粒径は50〜200nmである、請求項1に記載のニッケルナノ粉末。
  8. 前記ニッケルナノ粉末のBET比表面積値は5〜10m/gである、請求項1に記載のニッケルナノ粉末。
  9. 請求項1に記載のニッケルナノ粉末を含む、積層セラミック電子部品の内部電極用ペースト。
  10. 表面に突起部が形成されたニッケルナノ粒子を製造する段階と、
    前記ニッケルナノ粒子を酸化性雰囲気下で熱処理して酸化膜を形成する段階と、
    を含む、ニッケルナノ粉末の製造方法。
  11. 前記熱処理して酸化膜が形成されたニッケルナノ粒子を気体によって粉砕処理し、酸化膜の平均厚さに対して20%以上厚い突起部及び20%以上薄い溝部を含む酸化膜を形成する段階をさらに含む、請求項10に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
  12. 前記表面に突起部が形成されたニッケルナノ粒子を製造する段階は、
    ニッケル先駆物質と有機アミンとを混合して混合物を用意する段階と、
    前記混合物を1次加熱する段階と、
    前記混合物に還元剤を添加して2次加熱する段階と、
    を含む、請求項10に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
  13. 前記ニッケル先駆物質は、塩化ニッケル(NiCl)、硫酸ニッケル(NiSO)、ニッケルアセテート(Ni(OCOCH)、ニッケルアセチルアセトネート(Ni(C)、ハロゲン化ニッケル(NiX、ここで、XはF、Br又はI)、炭酸ニッケル(NiCO)、ニッケルシクロヘキサンブチレート([C11(CHCONi)、硝酸ニッケル(Ni(NO)、ニッケルオキサレート(NiC)、ニッケルステアレート(Ni(HC(CH16CO)及びニッケルオクタノアート([CH(CHCONi)からなる群から選択されたいずれか一つ以上である、請求項12に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
  14. 前記有機アミンは、オレイルアミン(oleyl amine)、ドデシルアミン(dodecyl amine)、ラウリルアミン(lauryl amine)、オクチルアミン(octyl amine)、トリオクチルアミン(trioctyl amine)、ジオクチルアミン(dioctyl amine)及びヘキサデシルアミン(hexadecyl amine)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含む、請求項12に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
  15. 前記1次加熱する段階は、100〜180℃で加熱する、請求項12に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
  16. 前記還元剤は、ソジウムボロハイドライド(NaBH)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド((CHCHCHCHN(BH))、リチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH)、ソジウムハイドライド(NaH)、ボランジメチルアミン錯体((CHNH・BH)及びアルカンジオール(HO(CHOH、ここで、nは5≦n≦30)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含む、請求項12に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
  17. 前記2次加熱する段階は、200〜280℃で加熱する、請求項12に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
  18. 前記酸化性雰囲気下での熱処理温度は200〜400℃である、請求項10に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
  19. 前記気体による粉砕工程は、ジェットミル(jet mill)粉砕機を用いる、請求項11に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
  20. 前記気体による粉砕工程は、空気(air)又はヘリウム(He)ガスを1.0〜2.5kg/hrの速度で供給する、請求項11に記載のニッケルナノ粉末の製造方法。
JP2014001492A 2013-10-30 2014-01-08 ニッケルナノ粉末及びその製造方法 Pending JP2015086465A (ja)

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