JP2006118032A - 銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粉及び銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粉の製造方法並びに銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粉を含む導電性スラリー - Google Patents

銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粉及び銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粉の製造方法並びに銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粉を含む導電性スラリー Download PDF

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Abstract

【課題】 導電性フィラーとする導電性スラリーの粘度安定性を確保し、フレーク銅粉を構成する銅粒子同士の焼結特性を改善させ、また、導電性スラリーを塗布した基板のクラック発生を防止することができるフレーク銅粉を提供すること。
【解決手段】 銅粉全重量100%に対して、酸素が0.4wt%〜5wt%、かつ、炭素が0.15wt%未満の割合で、フレーク銅粒子を銅酸化物でコートしていることを特徴とする、銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉を、導電性フィラーとして提供する。このフレーク銅粉を含む導電性ペーストは焼成基板との密着性、及びペースト粘度の耐経時変化性(経時的安定性)に優れている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銅粒子表面に銅酸化物コート層を備えた銅粉及び当該フレーク銅粉の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化・集積化に伴い、セラミックチップコンデンサー若しくはチップインダクター等のチップ部品が普及しているが、これらのチップ部品は外部電極を備えている。そして、この外部電極の形状を保持するために使用される導電性ペーストや導電性インク等の導電性スラリーには、ある一定のアスペクト比を持つフレーク形状の銅粉(本願において、このような銅粉を「フレーク銅粉」という。)がしばしば使用されている。
ところで、当該形状保持を最適なものにするには導電性スラリーの粘度特性の調整が重要である。より具体的には、導電性スラリーの粘度測定において、粘度測定器のモータの低回転速度時に測定される粘度が適度に高いこと、及び、同モータの高回転速度時の粘度が低いことが、チップ部品の外部電極の形状保持には好適であるとされている。すなわち、このような粘度特性を示すように、フレーク銅粉を外部電極の材料である導電性スラリーに含有させる必要がある。
一般的にはメカニカルな塑性加工によるフレーク銅粉の製造法においては、粉粒同士が適度に分散するように若しくは凝集しないようにステアリン酸等の有機物の滑剤を用いながら当該塑性加工を行う。従って、(1)当該滑剤が、導電性スラリーを構成する樹脂や溶媒成分や分散剤等と反応するためにペースト粘度が安定しないという問題、(2)ペーストを塗布した基板を焼成する際、当該基板からバインダーを放出する過程で当該有機物が除去されにくい問題、さらに(3)フレーク銅粉粒同士の焼結特性も悪くなる問題が生じている。
特開2002−356702号公報 特開2003−105402号公報
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決すること、すなわち、フレーク銅粉を導電性フィラーとする導電性スラリーの粘度安定性を確保し、フレーク銅粉を構成する銅粒子同士の焼結特性を改善させ、また、導電性スラリーを塗布した基板のクラック発生を防止することができるフレーク銅粉及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、メカニカルな製造方法又はケミカルな製造方法によるフレーク銅粉の作成に関し、当該フレーク銅粉のフレーク銅粒子の表面上の炭素量を極力抑制し(実質的に炭素を含有しない場合も含む)、かつ、フレーク銅粉の銅粒子表面に一定の銅酸化物を形成する方法により上記目的を達成し得ることを知見した。
以下、本発明に係るフレーク銅粉に関して述べる。
本発明は、銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉(以下、随時「銅酸化物コートフレーク銅粉」ともいうものとする。)であって、当該フレーク銅粉は、フレーク銅粉全重量100%に対して、酸素が0.4wt%〜5wt%、かつ、炭素が0.15wt%未満のフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉を提供する。
なお、本発明において、銅酸化物コートフレーク銅粉とは、基本的にフレーク銅粉粒子の表面を酸化させ亜酸化銅又は酸化銅を形成したものを示すが、フレーク銅粉粒子表面に酸化処理等により酸素が意図的に付与されているものであり、従ってフレーク銅粉粒子表面である銅の面が若干露出したものも含むものとする。
すなわち、本発明は、フレーク銅粒子の表面に適度に酸素を付与し、かつフレーク銅粒子表面の炭素量を最低限に抑制することを特徴とする。
上記フレーク銅粒子の表面に付与された酸素は、フレーク銅粉を含む導電性ペーストを塗布した基板の焼成時に、基板中のバインダーと反応し、円滑な脱バインダーに寄与し、当該酸素の存在が焼成膜のクラック発生を防ぐ一助となる。
さらに、詳細には、酸素濃度(wt%)が0.4よりも低いとフレーク銅粉のフレーク銅粒子同士の焼結性が悪くなり、一方、酸素濃度(wt%)が5よりも高いとフレーク銅粉粒子同士の焼結後の抵抗が高くなり良好な配線部を形成することができなくなる。
一方、炭素量については、炭素濃度(wt%)が0.15よりも高いと、フレーク銅粉を含んだ導電性ペーストや導電性インク等の導電性スラリーの粘度の経時的な安定性が悪くなると共に、フレーク銅粉粒子同士の焼結後の抵抗が高くなり良好な配線部を形成することができなくなる(さらに本発明では、炭素濃度(wt%)の上限を0.1とすることが望ましい。)。そこで、本発明においては、銅粒子をフレーク状銅粒子へと塑性加工する際に媒体ミル処理に滑剤を極力使用しないことに起因して、フレーク銅粉粒子表面に有機物がほとんど存在しないことを特徴とする。すなわち、本発明によれば、炭素濃度は極力少なく抑制することができる。
さらに、本発明に係る銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粉は以下の粉体特性の少なくとも一つの特性を有する。
a.D50(μm):0.05〜15
b.タップ充填密度(g/cm):1〜3
c.比表面積(m/g):0.5〜5
d アスペクト比:3〜50
上記粉体特性の範囲の理由は以下の通りである。
D50 (μm)が、0.05より小さいとペーストしづらくなり、一方、D50 (μm)が15より大きいとフレーク銅粉粒子が粗すぎてチップ部品のような微少部品のファイン化が要求される配線部に対応できないからである。
タップ充填密度(g/cm)が1よりも低いとペースト粘度が高くなりすぎ、一方、タップ充填密度(g/cm)が3より高いとフレーク銅粉の充填が高くなりすぎてバインダーがガスとして焼成基板から抜けにくくなり(脱バインダーが困難となり)、焼結不良となるからである。
比表面積(m/g)については、0.5未満であると低温で焼結せず、5.0より大であるとペースト粘度が高すぎて実用的でない。
アスペクト比については、3未満であるとフレーク銅粉の充填が高くなりすぎてバインダーがガスとして焼成基板から抜けにくくなるため焼結不良(クラック不良)となり、一方、50より大であると粉体の充填性が悪く、ペースト粘度が高すぎて実用的ではない。
さらに、本発明は、前記銅酸化物コート層はフレーク状銅粒子を非還元性雰囲気中で熱処理することにより、前記フレーク状銅粒子の表面に形成されていることを特徴とする上記銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉を提供する。
詳細は後述するが、本発明はフレーク状銅粒子表面を大気雰囲気等の非還元性雰囲気中で炉等によって熱処理することにより、フレーク状銅粒子表面に銅酸化物を被覆し、上述の酸素含有量及び炭素含有量並びに諸粉体特性を具備するものである。
なお、本発明の製造方法については発明の最良の形態の欄において詳述する。
本発明は、フレーク銅粉を含む導電性ペーストや導電性インク等の導電性スラリーの耐経時変化に優れ、この導電性スラリーを塗布した基板の焼成時のクラックを防止し、かつ、フレーク銅粉中のフレーク銅粒子同士の焼結特性に優れたフレーク銅粉を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良形態について説明するが、以下の説明では各試薬、各溶液等の数値等が示されているが、本発明を実施するのにあたり以下の数値に限定されるものではなく、例えばパイロットスケール又は量産スケールに応じて、当業者により各試薬、各溶液等の量その他の条件を適宜変更することができることは言うまでもない。
<実施形態>
まず、第一のフレーク銅粉の製造方法を以下説明する。
本発明に係る第一のフレーク銅粉の製造方法は、工程a.銅粒子からなる銅粉を準備する工程、工程b.前記銅粒子からなる銅粉を、銅粉100重量部に対し、0(添加無しの場合を含む)〜1(より好適には0.1以下)重量部の滑剤及び有機溶剤を用い、メディア式の媒体ミルで、銅粒子をフレーク状銅粒子に塑性加工する工程、及び、工程c.前記塑性加工後の前記フレーク状銅粒子を非還元性雰囲気中で熱処理し前記フレーク状銅粒子の表面を銅酸化物で被覆する工程を備えた銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉の製造方法を提供する。
さらに、この第一のフレーク銅粉の製造方法の説明を続ける。
最初に、銅粒子からなる銅粉を準備する。当該銅粒子のD50は0.3μm〜10μmであり、さらに好適に微粉を作るには0.5μm〜6μmである。
次に、上記銅粒子を含む銅粉300gを、0.05mm〜0.5mm径のジルコニアビーズ500g〜1000gをメディアとし、ステアリン酸、オレイン酸、又はカプリン酸等の有機物を滑剤として銅粉100g当たり0g〜1.5g投入すると共に、溶媒にはメタノール、エタノール、又はプロパノール等の有機溶剤を100g〜800g用い、これらを混合しつつ、媒体ミルであるVMG―GETZMANN製のDISPERMAT D−5226に投入し、回転数2000rpmで1時間〜24時間の条件で稼働させ、元粉の銅粒子を圧縮し塑性変形させることで銅粒子をフレーク状の銅粒子へと塑性加工して、フレーク銅粉を製造する。
なお、ビーズ径が大きいものよりも小さいものの方が良好にフレーク銅粉を作成することができる。塑性加工の際、ビーズ径が大きいと球状銅粒子同士が凝集し易くなり、均一なフレーク化が困難であり、相当量の滑剤を用いないと塑性加工によるフレーク化処理ができない。一方、ビーズ径が小さいと球状銅粒子同士の凝集が抑制されほとんど滑剤を用いなくとも(若しくはまったく滑剤を用いなくとも)均一なフレーク銅粉の作成が可能となる。
ここで留意すべきことは、上述したように、第一のフレーク銅粉の製造方法においては、ステアリン酸に代表される滑剤を媒体ミル処理において使用しない点、若しくは、使用したとしても極く微量に留める点にある。これにより、本発明の銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粉の炭素量を最小限に抑制することができる。
次に、第二のフレーク銅粉の製造方法を以下説明する。
本発明に係る第二のフレーク銅粉の製造方法は、以下の工程a〜工程cを含む、銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉の製造方法であって、工程a又は工程bの工程において水溶性リン化合物を添加することを特徴とする製造方法。
工程a.銅塩と錯化剤とを含む水溶液に水酸化アルカリを添加して酸化第二銅を含むスラリーを調整する工程、工程b.該スラリーを還元しフレーク銅粉を得る工程、及び、工程c.工程bで得られたフレーク銅粉を非還元性雰囲気中で熱処理し前記フレーク銅粉の銅粒子の表面を銅酸化物でコートする工程を提供する。
上記第二のフレーク銅粉の製造方法は、上記のようにメカニカルにフレーク銅粉を作成したものではなく、化学合成によりフレーク銅粉を作成し、その後銅酸化物コートを施したものである。以下当該製造方法を説明する。(なお、以下の化学合成によりフレーク銅粉を作成する方法のさらなる詳細については本出願人の特願2004−134689号を参照されたい。)
さらに、この第二のフレーク銅粉の製造方法の説明を続ける。
まず、銅塩水溶液を銅塩及び錯化剤を配合して得る。ここでは銅塩の銅(II)イオンが錯化剤と結合してCu錯体を形成している。当該銅塩は水溶性のものであり、例えば、硫酸銅、硝酸銅等又はこれらの水和物等を用いる。このうち、硫酸銅5水和物及び硝酸銅が特に好適である。本発明で用いられる錯化剤は水溶液中における銅イオンのものである。該錯化剤としては、例えば、アミノ酸、酒石酸等である。
銅塩水溶液は、水に銅塩及び錯化剤を溶解し調製する。銅塩水溶液の調製水としては、純水等の不純物フリーの水が好ましい。また、銅塩水溶液の調製時の水温は50℃〜90℃、さらに好適には60℃〜80℃である。
銅塩水溶液は、これに含まれる銅1モルに対し錯化剤を0.005モル〜10モル、さらに好適には0.01モル〜5モル含む。さらに、銅塩水溶液は、水100重量部に対し銅塩を10重量部〜50重量部、さらに好適には20重量部〜40重量部含む。
次に、銅塩水溶液に水酸化アルカリを添加して酸化第二銅を含む第1スラリーを調製する。第1スラリーは上記銅塩水溶液に水酸化アルカリを添加して得られ、液中に酸化第二銅(CuO)の微粒が析出した状態のものである。第1スラリーの調製時の液温は50℃〜90℃、さらに好適には60℃〜80℃である。
水酸化アルカリは上記銅塩水溶液中のCu錯体を酸化第二銅(CuO)にする作用を持つ。該水酸化アルカリは、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等である。
第1スラリーは、前記銅塩1当量に対し、前記水酸化アルカリを1.05当量〜1.50当量、好適には1.10当量〜1.30当量を含む。ここで、銅塩及び水酸化アルカリの当量はそれぞれ酸としての当量及び塩基としての当量である。
次に、銅塩水溶液に水酸化アルカリを添加して第1スラリーを調製した後、さらに10分〜60分、さらに好適には20分〜40分攪拌する。
次に、上記第1スラリーに、酸化第二銅を酸化第一銅に還元し得る第1還元剤を添加して酸化第一銅を含む第2スラリーを調製する。第2スラリーは上記第1スラリーに第1還元剤を添加して得られる液中に酸化第一銅(CuO)が析出したものである。第2スラリーの調製時の液温は50℃〜90℃、さらに好適には60℃〜80℃である。
還元方法については種々選び得るが、ここでは、二段還元の例を以下に示す。
例えば、第1還元剤として、本発明において第1スラリー中の酸化第二銅(CuO)を酸化第一銅(CuO)に還元する作用を有するものを使用する。該第1還元剤としては、例えば、還元糖やヒドラジンを用いることができる。また、還元糖としては、例えば、グルコース、やラクトース等を用いることができる。
第2スラリーは、第1スラリーに含まれる銅塩1モルに対し、第1還元剤を0.1モル〜3.0モル、好適には0.3モル〜1.5モル含む。
さらに、第1スラリーに第1還元剤を添加して第1スラリーを調製した後10分〜60分、さらに好適には20分〜40分攪拌することが望ましい。
さらにまた、上記第1スラリーに、酸化第一銅を銅に還元し得る第2還元剤を添加してフレーク銅粉を得る。
また、本発明の工程a又は工程bの工程において添加する水溶性リン化合物はP換算量で、前記銅塩水溶液、第1スラリー又は第2スラリー中に含まれる銅1モルに対し0.001モル〜3モル、さらに好適には0.01モル〜1モルである。
第2スラリーに第2還元剤を添加する際の液温は50℃〜90℃、さらに好適には60℃〜80℃である。該添加に要する時間は1分〜60分、好適には3分〜40分である。
次に、本発明で用いられる第2還元剤として、本発明において第2スラリー中の酸化第一銅をCuに還元する作用を有するものを使用する。第2還元剤としては、例えば、ヒドラジンや水和ヒドラジン(N・HO)等を用いることができる。
次に、第2スラリーに含まれる銅塩1モルに対し第2還元剤を0.5モル〜6.0モル、さらに好適には0.8モル〜3.0モル含むものを、第2スラリーに添加した後、20分〜2時間、さらに好適には40分〜1.5時間攪拌する。
こうして、スラリー中にフレーク銅粉が生成する。該フレーク銅粉は、スラリーを、ヌッチェ等を用いて濾過した後、濾滓を純水で洗浄し、さらにメタノール溶液等で洗浄し、乾燥する方法により得られる。
次に、上記塑性変形されたフレーク状銅粒子を、ロータリーキルン等の回転式炉若しくはバッチ炉等の炉を用いて、大気中で100℃〜300℃、10分〜2時間の条件下で熱処理し、大気中の酸素とフレーク状銅粒子とを反応させることにより当該フレーク状銅粒子の表面に酸化銅又は亜酸化銅等の銅酸化物がコートされるように酸化処理を行う。
このようにして、第二のフレーク銅粉の製造方法は、塑性加工を伴わないことにより、本発明に係るフレーク銅粉粒子表面上の炭素量が極力低く、かつ、フレーク銅粉の銅粒子表面に所定量の酸素が付与された銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粉を製造することができる。
さらに、本発明に係る実施例及び比較例を説明する。なお以下の説明では元粉のD50が3μm程度の場合が、実施例1、実施例2及び実施例3、並びに比較例1、比較例2及び比較例3である。一方、元粉のD50が1μm程度の場合が、実施例4、実施例5及び実施例6、並びに比較例4である(表1参照)。
元粉のD50が3μmの球状銅粒子を含む銅粉300gを準備した。
この元粉を、媒体ミルとしてVMG−GETZMANN社製のDISPERMAT D―5226を用い、メディアビーズとして0.3mm径のジルコニアビーズ800gを用い、溶媒として120gのメタノールを混合して、回転数2000rpmで10時間の条件の下、球状銅粒子をフレーク状銅粒子へと塑性加工処理を行った。
次に、フレーク化した銅粉スラリーについてヌッチェを用いて固液分離を行った。
次に、固体として分離されたフレーク銅粉について真空乾燥機を用いて乾燥させた。
最後に、実施形態1と同様に、上記乾燥フレーク銅粉を回転式バッチ炉に投入し、大気雰囲気中200°Cで10分間の処理を行い、実施例1に係る銅酸化物コートフレーク銅粉を作成した。
実施例2に係る銅酸化物コートフレーク銅粉の工程は、実施例1の工程5以外はすべて同一であるため、工程1〜工程4についての記載はここでは省略し、工程5についてのみ言及する。
最後に、上記工程4で得られた乾燥フレーク銅粉を回転式バッチ炉に投入し、大気雰囲気中200°Cで30分間の処理を行い、実施例2に係る銅酸化物コートフレーク銅粉を作成した。
実施例3に係る銅酸化物コートフレーク銅粉の工程は、実施例1の工程5以外はすべて同一であるため、工程1〜工程4についての記載はここでは省略し、工程5についてのみ言及する。
最後に、上記工程4で得られた乾燥フレーク銅粉を回転式バッチ炉に投入し、大気雰囲気中200°Cで60分間の処理を行い、実施例3に係る銅酸化物コートフレーク銅粉を作成した。
元粉のD50が1μmの球状銅粒子を含む銅粉300gを準備した。
この元粉を、媒体ミルとしてVMG−GETZMANN社製のDISPERMAT D―5226を用い、メディアビーズとして0.3mm径のジルコニアビーズ800gを用い、溶媒として140gのメタノールを混合して、回転数2000rpmで10時間の条件の下、球状銅粒子をフレーク状銅粒子へと塑性加工処理を行った。
次に、フレーク化した銅粉スラリーについてヌッチェを用いて固液分離を行った。
さらに、固体として分離されたフレーク銅粉について真空乾燥機を用いて乾燥させた。
最後に、上記乾燥フレーク銅粉を回転式バッチ炉に投入し、大気雰囲気中200°Cで15分間の処理を行い、実施例4に係る銅酸化物コートフレーク銅粉を作成した。
元粉のD50が1μmの球状銅粒子を含む銅粉300gを準備した。
この元粉を、媒体ミルとしてVMG−GETZMANN社製のDISPERMAT D―5226を用い、メディアビーズとして0.3mm径のジルコニアビーズ800gを用い、溶媒として140gのメタノール及びステアリン酸(滑剤)0.5gを混合して用いて、回転数2000rpmで8時間の条件の下、球状銅粒子をフレーク状銅粒子へと塑性加工処理を行った。
次に、フレーク化した銅粉スラリーについてヌッチェを用いて固液分離を行った。
さらに、固体として分離されたフレーク銅粉について真空乾燥機を用いて乾燥させた。
最後に、上記乾燥フレーク銅粉を回転式バッチ炉に投入し、大気雰囲気中200°Cで40分間の処理を行い、実施例5に係る銅酸化物コートフレーク銅粉を作成した。
実施例6は、実施例1〜実施例5のようにメカニカルな手段を用いてフレーク銅粉を作成し、その後銅酸化物を当該フレーク銅粉にコートしたものではなく、化学合成によりフレーク銅粉を作成し、その後銅酸化物を当該フレーク銅粉にコートしたものである。以下その製法を示す。
70℃の純水6Lに、硫酸銅5水和物4kg、アミノ酸酢120g、リン酸ナトリウム75gを添加し撹拌し、さらに純水をそこに注いで水溶液の液量を8Lに調整し、このまま30分間撹拌を続けた。
次に、水溶液を攪拌した状態で、当該水溶液に25重量%の水酸化ナトリウム水溶液5.8kgを添加した後、30分間攪拌を続け、さらにグルコース1.5kgを添加した後、30分間攪拌を続けた。
次に、上記水溶液を撹拌した状態において、100重量%ヒドラジン(N・HO)1kgを30分間かけて徐々に添加した後、さらに1時間撹拌を続けて反応を終了させた。
次に、フレーク化した銅粉スラリーについてヌッチェを用いて固液分離を行い、濾滓を純水で洗浄し、さらにメタノールで洗浄した。
さらに、固体として分離されたフレーク銅粉について真空乾燥機を用いて乾燥させた。
最後に、上記乾燥フレーク銅粉を回転式バッチ炉に投入し、大気雰囲気中200°Cで15分間の処理を行い、実施例6に係る銅酸化物コートフレーク銅粉を作成した。
比較例
<比較例1>
元粉としてD50が3μmの球状銅粒子を含む銅粉300gを準備した。
この元粉を、媒体ミルとしてVMG−GETZMANN社製のDISPERMAT D―5226を用い、メディアビーズとして0.6mm径のジルコニアビーズ800gを用い、溶媒として120gのメタノール及びステアリン酸(滑剤)10gを混合し、回転数2000rpmで8時間の条件の下、球状銅粒子をフレーク状銅粒子へと塑性加工処理を行った。
さらに、フレーク化した銅粉スラリーについてヌッチェを用いて固液分離を行った。
最後に、固体として分離されたフレーク銅粉について真空乾燥機を用いて乾燥させ、比較例1に係るフレーク銅粉を作成した。
<比較例2>
比較例2は、比較例1の工程2でステアリン酸(滑剤)を入れずに塑性加工処理を行ってフレーク銅粉を作成した。他の工程の内容はすべて同一であるのでここではその説明を省略する。
<比較例3>
元粉のD50が3μmの球状銅粒子を含む銅粉300gを準備した。
この元粉を、媒体ミルとしてVMG−GETZMANN社製のDISPERMAT D―5226を用い、メディアビーズとして0.6mm径のジルコニアビーズ800gを用い、溶媒として120gのメタノール及びステアリン酸(滑剤)5gを混合して用いて、回転数2000rpmで10時間の条件の下、球状銅粒子をフレーク状銅粒子へと塑性加工処理を行った。
次に、フレーク化した銅粉スラリーについてヌッチェを用いて固液分離を行った。
さらに、分離されたフレーク銅粉について真空乾燥機を用いて乾燥させた。
最後に、上記乾燥フレーク銅粉を回転式バッチ炉に投入し、大気雰囲気中200°Cで40分間の処理を行い、比較例3に係る銅酸化物コートフレーク銅粉を作成した。
<比較例4>
元粉のD50が1μmの球状銅粒子を含む銅粉300gを準備した。
この元粉を、媒体ミルとしてVMG−GETZMANN社製のDISPERMAT D―5226を用い、メディアビーズとして0.6mm径のジルコニアビーズ800gを用い、溶媒として120gのメタノール及びステアリン酸(滑剤)5gを混合して用いて、回転数2000rpmで10時間の条件の下、球状銅粒子をフレーク状銅粒子へと塑性加工処理を行った。
次に、フレーク化した銅粉スラリーについてヌッチェを用いて固液分離を行った。
さらに、分離されたフレーク銅粉について真空乾燥機を用いて乾燥させた。
最後に、上記乾燥フレーク銅粉を回転式バッチ炉に投入し、大気雰囲気中200°Cで5分間の処理を行い、比較例4に係る銅酸化物コートフレーク銅粉を作成した。
ここで、上述した実施例1〜実施例6並びに比較例1〜比較例4で得られた各フレーク銅粉の特性値を下記の表1にまとめたが、特性値の諸項目について、表1の上欄の左からその測定方法について説明する。
<各種測定値の測定方法の説明>
(D50の測定方法)
各フレーク銅粉0.2gを、SNディスパーサント5468の0.1重量%水溶液(サンノプコ(株)製)及び和光純薬工業(株)製の非イオン性界面活性剤トリトンX―100(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所(株)製のUS―300T)で5分間分散させた。次に、日機装(株)製マイクロトラックHRA9320−X100型(Leeds+Northrup(株)製)を用いて、レーザー回折散乱法で求められる累積体積が50%の時点における粒径(μm)をD50とした。
(アスペクト比の測定方法)
アスペクト比は、走査型電子顕微鏡で直接観察して得られるSEM観察像を画像解析して算出した平均粒径(μm)を当該フレーク銅粉粒子の厚さt(μm)で除して求めた。なお、SEM観察像の倍率は、D50が6μm〜8μm程度のフレーク銅粉粒子については、
2000倍、2μm〜4μm程度のフレーク銅粉粒子については、5000倍と設定した。また測定個数はn=50としその平均値を上記平均粒径(μm)および厚さt(μm)とした。
(タップ充填密度の測定方法)
タップ充填密度(T.D.)は、各フレーク銅粉120gを150mLのメスシリンダーに入れ、ストローク40mmで1000回の落下を繰り返しタッピングした後、その充填されたフレーク銅粉の容積から測定した。
(比表面積の測定方法)
ユアサアイオニクス株式会社製モノソーブを用いBET1点法により、フレーク銅粉の比表面積を測定した。
(酸素量の測定方法)
酸素量(O量)は、(株)堀場製作所製の酸素分析装置EMGA―650FAを用い、各フレーク銅粉0.5gを加熱して燃焼させ、赤外吸収法により測定した。
(炭素量の測定方法)
炭素量(C量)は、(株)堀場製作所製の炭素・硫黄同時分析装置EMIA―320Vを用い、各フレーク銅粉0.5gを加熱して燃焼させ、赤外吸収法により測定した。
(焼成膜の抵抗値の測定方法)
アルミナ基板に上記ペーストを印刷し、乾燥後、窒素雰囲気中で300℃×1時間の条件で保持した後、1%H−N雰囲気中で700℃×2時間焼成した。室温に戻した後、2探針法により、比抵抗値(Ω・cm)を測定した。
(密着性の測定方法)
上記焼成膜に関して、1cm幅のセロハンテープを張りつけそれを焼成膜が形成された基板平面に対し45°の角度で簡易的なピーリング試験を行うことで密着性を測定した。そして、焼成膜がセロハンテープに貼り付き基板から剥離した場合の評価を「○」とし、一方、焼成膜がセロハンテープに貼り付き基板から剥離した場合の評価を「×」とした。また、一部の焼成膜がセロハンテープに貼り付き基板から剥離したが一部の焼成膜は基板に残留した場合の評価を「△」とした。以上の結果を表1に示した。
(ペースト粘度の測定方法)
1)導電性ペーストの製法:ペースト粘度測定に先立ち、導電性ペーストを以下のように作成した。銅粉を75wt%、バインダーを25wt%の組成として、これらを混練して導電性ペーストを得た。このときのバインダーは、ブチルカルビノール93wt%、エチルセルロース7wt%の組成を持つ物を使用した。
2)ペースト粘度の測定方法:以上のようにして得られたブチルカルビノール系導電性ペーストの作成直後(表1では「初期」の欄に示した。)の粘度及びその後一週間経過した後(表1では「1週間後」の欄に示した。)の粘度を求めた。なお、用いた粘度測定計は東機産業社製RE−105である。この粘度測定計を回転数0.5rpmに設定し、各銅フレーク粉を含む導電性ペーストについて各粘度を求めた。
Figure 2006118032
<総合評価>
表1を基に総合評価を以下示す。
実施例1〜実施例3では後処理の条件を、大気中200℃を一定とし、酸化処理時間を振った。酸化処理時間が増すほど、フレーク銅粒子表面に被覆された酸素量が増えている。炭素量は媒体ミル処理で滑剤を使用していないため、0.05wt%〜0.06wt%に押さえ込まれている。焼成膜の比抵抗値(Ω・cm)は、表1に示したような酸素量においては大きく変化せず低い値であった。密着性は実施例1〜実施例3のいずれも良好であった。粘度(Pa・s)は、実施例1〜実施例3とも初期測定から1週間経過してもほとんど経時変化が見られず耐経時変化に優れていた。これらの結果から、密着性についても耐経時変化性についても優れた導電性ペーストが作成されたことが分かった。
実施例4では、媒体ミル処理で滑剤を使用せず、後処理の条件を大気中200℃一定とし、処理時間を30分とした。酸素量は実施例2レベルであり、炭素量も媒体ミル処理で滑剤を使用していないため、実施例1〜実施例3の場合と同様に0.06wt%レベルに抑制されている。比抵抗値(Ω・cm)もまた、実施例1〜実施例3の場合と同様のレベルである。密着性もまた実施例1〜実施例3と同様に良好であった。粘度(Pa・s)は、初期測定から1週間経過してもほとんど経時変化が見られず耐経時変化に優れていた。以上より、密着性についても耐経時変化性についても優れた導電性ペーストが作成されたことが分かった。
実施例5では、滑剤を0.5gと僅かな量を添加して媒体ミル処理を行った。この滑剤の量であれば炭素量の増加も見られず実施例1〜実施例3レベルに抑え込まれていることが読み取れる。後処理では酸素量もまた実施例1〜実施例3レベルに押さえ込まれている。粘度(Pa・s)は、実施例4と同様に、初期測定から1週間経過してもほとんど経時変化が見られず耐経時変化に優れていた。比抵抗値、密着性、及び粘度も良好な結果が得られた。
実施例4に比して実施例5では、滑剤としてステアリン酸を添加し塑性加工処理を行ったが、その量は極く微量である。その結果、実施例5では、滑剤を付加したとしても酸化物コートフレーク銅粉の銅粒子表面の炭素量は本発明で規定される範囲内に収まり、かつ、良好にフレーク銅粉を作成することができた。
実施例6では、上述したような化学的な合成方法により銅酸化物コートフレーク銅粉を得た。この合成方法では表面付近に有機物はほとんど無く、合成中に粒子内部に取り込まれていると考えられる。後処理による酸素量は実施例1〜実施例3レベルである。粘度(Pa・s)は、実施例4と同様に、初期測定から1週間経過してもほとんど経時変化が見られず耐経時変化に優れていた。比抵抗値、密着性、及び粘度も良好な結果が得られた。
以上より、フレーク銅粒子表面に対して、炭素量を最小限に抑えつつ、酸素を適度に被覆することにより比抵抗値、密着性、及び粘度について実用上優れた評価を得ることができた。
以上の実施例1〜実施例6に対し、比較例1〜比較例4について言及する。
比較例1では、媒体ミル処理において滑剤を多く添加し、かつ、酸化処理を行わなかったため、炭素量が増加し、好適な本発明の範囲である、フレーク銅粉全重量100%に対して、酸素が0.4wt%〜5wt%、かつ、炭素が0.15wt%未満とする条件を満たさなかった。そのため、特に密着性および粘度において、優れた評価が得られなかったと考えられる。
比較例2では、媒体ミル処理において滑剤は使用しなかったが、フレーク銅粒子表面に対して酸化処理を行わなかった(真空乾燥のみ)。これによってフレーク銅粒子表面の酸素量は減少し、好適な本発明の範囲である、フレーク銅粉全重量100%に対して、酸素が0.4wt%〜5wt%、かつ、炭素が0.15wt%未満とする条件を満たさなかった。そのため、比抵抗値は下がったものの密着性において優れた評価が得られなかったと考えられる。
比較例3では、媒体ミル処理において滑剤を多く使用し、フレーク銅粒子表面に対して酸化処理を行なった。これによりフレーク銅粒子表面の酸素量は増加したが、炭素量も多く、好適な本発明の範囲である、フレーク銅粉全重量100%に対して、酸素が0.4wt%〜5wt%、かつ、炭素が0.15wt%未満とする条件を満たさなかった。そのため、比抵抗値は下がったものの密着性が劣り、かつ、粘度も初期測定から1週間経過すると経時変化が起こり粘度特性に不安定となったと考えられる。
比較例4では、微粒銅粉を用い、媒体ミル処理において滑剤を多く使用し、フレーク銅粒子表面に対して若干の酸化処理を行った。これにより実施例3と同様にフレーク銅粒子表面の酸素量は増加したが、炭素量も多く、好適な本発明の範囲である、フレーク銅粉全重量100%に対して、酸素が0.4wt%〜5wt%、かつ、炭素が0.15wt%未満とする条件を満たさなかった。また、密着性が劣り、かつ、粘度も初期測定から1週間経過すると経時変化が起こり粘度特性に不安定となったと考えられる。
以上、表1の分析結果から、実施例1〜実施例6(特に実施例2)について良好な結果が得られた。しかし比較例1〜比較例4については満足な結果は得られなかった。
本発明に係る導電性ペースト若しくは導電性インクの導電性スラリーに混入するのに最適な銅酸化物コートフレーク銅粉(特にD50が0.05μm〜15μm位のフレーク状微粉の銅粉)として利用することができる。

Claims (9)

  1. 銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉であって、当該フレーク銅粉は、フレーク銅粉全重量100%に対して、酸素が0.4wt%〜5wt%、かつ、炭素が0.15wt%未満のフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉。
  2. D50(μm)が0.05〜15であることを特徴とする請求項1に記載の銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉(D50はレーザー回折散乱式粒度分布測定方法による50%の体積累積粒径をいう。)。
  3. タップ充填密度(g/cm)が1〜3であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉(タップ充填密度(g/cm)は、各フレーク銅粉を一定容積のメスシリンダーに入れ、所定回数タッピングした後、その充填されたフレーク銅粉の容積から換算した密度をいう。以下同様に表記する。)。
  4. 比表面積(m/g)が0.5〜5であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉(ここで、比表面積は、BET法による比表面積(単位重量当たりの面積)、以下同様に表記する。)。
  5. アスペクト比が3〜50であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉(ここで、アスペクト比は、フレーク銅粒子の厚さと直径の比である。以下同様に表記する。)。
  6. 前記銅酸化物コート層が、フレーク状銅粒子を非還元性雰囲気中で熱処理することにより、前記フレーク状銅粒子表面に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉。
  7. 以下の工程a〜工程cを含む、銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉の製造方法。
    工程a.銅粒子からなる銅粉を準備する工程、
    工程b.前記銅粒子からなる銅粉を、銅粉100重量部に対し、0(添加無しの場合を含む)〜1重量部の滑剤及び有機溶剤を用い、メディア式の媒体ミルで、銅粒子をフレーク状銅粒子に塑性加工する工程、及び、
    工程c.前記塑性加工後の前記フレーク状銅粒子を非還元性雰囲気中で熱処理し前記フレーク状銅粒子の表面を銅酸化物で被覆する工程。
  8. 以下の工程a〜工程cを含む、銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粒子を含むフレーク銅粉の製造方法であって、工程a又は工程bの工程において水溶性リン化合物を添加することを特徴とする製造方法。
    工程a.銅塩と錯化剤とを含む水溶液に水酸化アルカリを添加して酸化第二銅を含むスラリーを調整する工程、
    工程b.該スラリーを還元しフレーク銅粉を得る工程、及び、
    工程c.工程bで得られたフレーク銅粉を非還元性雰囲気中で熱処理し前記フレーク銅粉の銅粒子の表面を銅酸化物でコートする工程。
  9. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の銅酸化物コート層を備えたフレーク銅粉を含む導電性スラリー。
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