JP5764805B2 - アルミニウムフタロシアニン - Google Patents

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Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるアルミニウムフタロシアニンとその製造方法、またこれを含有してなる着色組成物、並びにこれを用いて形成されるカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高明度化、高色再現性の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。一般的に赤、緑、及び青の3色フィルタセグメントで形成されることが多く、各セグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐熱性、耐光性に優れる顔料を用いる顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
緑色フィルタの製造には、着色剤として種々のフタロシアニン系化合物を使用することが一般的であり、これらを含むカラーフィルタ用組成物の提案が多くなされている。
特許文献1には、緑色色素として、少なくとも4個のハロゲン原子で置換されたハロゲン化フタロシアニン化合物を用いたカラーフィルタ用組成物が開示されている。
特許文献2には、緑色顔料として、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料及び中心金属が、Mg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ge、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1 種のハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料からなる緑色色素を含むことを特徴とするカラーフィルタ用組成物が開示されている。
これらのフタロシアニン化合物は、いずれも高い明度を与えるカラーフィルタを提供するための材料ではあったが、近年の産業界では、カラーフィルタに対する高明度化への要求は更に高くなり、これらのフタロシアニン化合物を用いた組成物では、所望とする明度が得られないという問題があげられる。
特許文献3には、ハロゲンを含有しない青色のアルミニウムフタロシアニン顔料とハロゲンを含有する緑色顔料とを使用することで、鮮明な色相、高耐光性、高耐熱性を維持した顔料組成物が開示されている。
また、緑色のカラーフィルタセグメント用の着色組成物については、特許文献4に、主顔料としてアルミニウムフタロシアニン顔料を用い、比較的少ない含有量でも高い色度で高明度が得られ、色濃度及び色純度を両立させた技術が開示されている。
また、アルミニウムフタロシアニン顔料としては、特許文献4記載の単量体アルミニウムフタロシアニン顔料の他にも、特許文献5に、アルミニウムフタロシアニン顔料をジフェニルクロロシランで二量体化したビス(フタロシアニルアルミノ)テトラフェニルジシロキサン顔料やフェニルホスホン酸を用いて二量化したビス(フタロシアニルアルミニウム)フェニルホスホネート顔料が開示されている。
しかしながら、これら特許文献3〜5に開示されているアルミニウムフタロシアニン化合物を含む顔料組成物は、カラーフィルタに要求される230℃以上での耐熱性、及び長時間の耐光性が十分でなく、加熱や長時間の露光によって分光形状が変化してしまうという問題があった。更に、着色組成物としたときに分散性に劣るため着色組成物が高粘度化してしまうことや、着色組成物を塗布した塗膜が、加熱によって塗膜中に異物(主としてフタロシアニンの結晶化による)が発生してしまうといった問題も十分には改善されていないのが現状である。
特開2002−131521号公報 特開2002−250812号公報 特開2003−4930号公報 特開2004−333817号公報 特開昭57−90058号公報
本発明の課題は、着色組成物として用いた場合に、着色組成物として用いた場合に、耐熱性、耐光性に優れ、塗膜中での異物発生が極めて少ない着色剤としてのアルミニウムフタロシアニンを提供することである。また、本発明のさらなる課題は、高い明度と広い色再現性を有するカラーフィルタを作成することができる着色組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定の化学構造とX線回折パターンを有するアルミニウムフタロシアニンが、着色組成物として用いた場合に、耐熱性、耐光性に優れ、塗膜中での異物発生が極めて少ない着色剤としての性質を有すること見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記化学式(1)で表され、かつCuKα線によるX線回折パターンが、ブラック角2θ(±0.2)=7.3°、8.6°、14.4°、16.6°、18.2°、19.4°、23.2°、24.4°、26.7°にピークを有することを特徴とするアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤に関する。
Figure 0005764805

また、本発明は、下記化学式(1)で表され、かつCuKα線によるX線回折パターンが、ブラック角2θ(±0.2)=7.7°、8.4°、9.3°、12.7°、15.0°、15.9°、16.7°、18.8°、20.1°、21.7°、23.1°、25.4°、26.5°、28.2°にピークを有することを特徴とするアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤に関する。
Figure 0005764805
また、本発明は、有機溶媒中でヒドロキシアルミニウムフタロシアニンとジフェニルホスフィン酸とを反応させ、次いで前記有機溶媒を除去することを特徴とする下記化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤の製造方法に関する。
Figure 0005764805
また、本発明は、上記製造方法によって製造されてなるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤を80℃以上の温度で加熱処理することを特徴とする下記化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤の製造方法に関する。
Figure 0005764805
また、本発明は、上記方法によって製造されてなるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤が、CuKα線によるX線回折パターンが、ブラック角2θ(±0.2)=7.7°、8.4°、9.3°、12.7°、15.0°、15.9°、16.7°、18.8°、20.1°、21.7°、23.1°、25.4°、26.5°、28.2°にピークをすることを特徴とすアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤の製造方法に関する。
また、本発明は、上記80℃以上の温度で加熱処理することによって製造されてなるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤が、ブラック角2θ(±0.2)=7.3°、8.6°、14.4°、16.6°、18.2°、19.4°、23.2°、24.4°、26.7°にピークを有することを特徴とするアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤の製造方法に関する。
また、本発明は、上記製造方法によって製造されてなる下記化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤に関する。
Figure 0005764805
また、本発明は、少なくともバインダー樹脂と上記アルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤とからなる着色組成物に関する。
また、本発明は、上記着色組成物にさらに黄色着色剤を含有することを特徴とする着色組成物に関する。
また、本発明は、上記着色組成物にさらに光重合性単量体を含有することを特徴とする着色組成物に関する。
また、本発明は、基板上に上記着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明においては、特定のX線回折パターンを示す化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤を用いることで、耐熱性、耐光性に優れ、塗膜中での異物発生も極めて少ない着色組成物を提供することができる。また、上記の着色組成物を用いて、高い明度と広い色再現性を与えるカラーフィルタを提供することができる。
図1は、実施例1で製造したアルミニウムフタロシアニン(B)(PB−1)のCuKα線によるX線回折パターンである。 図2は、実施例6で製造したアルミニウムフタロシアニン(A)(PB−6)のCuKα線によるX線回折パターンである。 図3は、製造例1で製造したヒドロキシアルミニウムフタロシアニン(PB−9)のCuKα線によるX線回折パターンである。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。また、本明細書における「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
<アルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤
まず、本発明のアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤について説明する。
本発明のアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤は、化学式(1)で表され、かつCuKα線によるX線回折パターンが、ブラック角2θ(±0.2)=7.7°、8.4°、9.3°、12.7°、15.0°、15.9°、16.7°、18.8°、20.1°、21.7°、23.1°、25.4°、26.5°、28.2°にピークを有するアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤(以下、アルミニウムフタロシアニン(A)と呼称する)と、化学式(1)で表され、かつCuKα線によるX線回折パターンが、ブラック角2θ(±0.2)=7.3°、8.6°、14.4°、16.6°、18.2°、19.4°、23.2°、24.4°、26.7°にピークを有することを特徴とするアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤(以下、アルミニウムフタロシアニン(B)と呼称する)である。これらはいずれも、顔料としての性質を有し、以下に述べる本発明の着色組成物に用いられる着色剤、特に緑色着色剤として好適に用いることができる。
アルミニウムフタロシアニン(A)は、下記化学式(2)で表されるヒドロキシアルミニウムフタロシアニン(以下、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンと呼称する)とジフェニルホスフィン酸とを有機溶媒中で反応させた後、有機溶媒を除去することで製造することができる。
Figure 0005764805


Figure 0005764805

ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンは、化学式(3)で表されるクロロアルミニウムフタロシアニンを加水分解して製造したものを用いても良いし、市販品として入手したものを用いても良い。
また、ジフェニルホスフィン酸は、クロロジフェニルホスフィンを希硝酸中で加水分解して得たジフェニルホスフィン酸を用いても良いし、市販品を用いても良い。
また、アルミニウムフタロシアニン(A)の製造の際に用いられる有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノールに代表される一価のアルコール系溶媒、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、もしくはトリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール系溶媒、1−メチル−2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、尿素、もしくはテトラメチル尿素等のようなアミド系溶媒、その他、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、もしくはトリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級モノアルキルエーテル系溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル(モノグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、もしくはトリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)等のポリエーテル系溶媒、スルホラン、ジメチルスルホキシド、もしくは3−スルホレン等の含イオウ系溶媒、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能系溶媒、酢酸、マレイン酸、ドコサヘキサエン酸、トリクロロ酢酸、もしくはトリフルオロ酢酸等のカルボン酸系溶媒、メタンスルホン酸、もしくはトリフルオロスルホン酸等のスルホン酸系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられるが、ジフェニルホスフィン酸の溶解が良好であることから、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価のアルコール系溶媒や、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒を用いることが好ましい。これらの有機溶媒は、単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。
反応終了後に有機溶媒を除去する方法としては、業界公知の方法を用いることができるが、吸引濾過または加圧濾過を行った後、使用した有機溶媒と相溶性があり、かつ低沸点の有機溶媒で洗浄した後、乾燥除去するのが望ましい。
また、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンは、顔料としての性質を有すため、ジフェニルホスフィン酸との反応効率を向上させるために、反応に先だって予め微細化したものを使用することが望ましい。ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンを予め微細化することにより、それから製造されるアルミニウムフタロシアニン(A)やアルミニウムフタロシアニン(B)も微細なものを得られ易くなるため、これらを着色組成物として用いた場合、高い明度および高いコントラストを得られ易くなることにつながるという効果がある。
微細化の方法としては、アシッドペースティング法、ソルベントソルトミリング法等といった一般的な着色剤や顔料の微細化に用いられる業界公知の方法が挙げられる。
アシッドペースティング法とは、硫酸中に着色剤を加えて溶解した後、大量の水に硫酸溶液を滴下し、析出させることで微細な着色剤を得る方法である。析出させる際に使用する水の量、および温度等を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ着色剤粒子を得ることができる。
ソルベントソルトミリング法とは、着色剤と水溶性無機塩と水溶性有機溶媒との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶媒を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して着色剤粒子が破砕される。着色剤をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ着色剤を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、着色剤の全重量を基準(100重量%)として、50〜2000重量%用いることが好ましく、300〜1000重量%用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶媒は、着色剤及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶媒が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点のものが好ましい。そのようなものとしては、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。これら水溶性有機溶媒は、着色剤の全重量を基準(100重量%)として、5〜1000重量%用いることが好ましく、50〜500重量%用いることが最も好ましい。
着色剤をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。ここで、用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記水溶性有機溶媒に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、着色剤の全重量を基準(100重量%)として、2〜200重量%の範囲であることが好ましい。
さらに、上記製造方法で得られたアルミニウムフタロシアニン(A)を80℃以上で加熱処理することにより、アルミニウムフタロシアニン(B)を製造することができる。
80℃以上の温度で加熱処理する方法としては、例えば、アルミニウムフタロシアニン(A)のウェットケーキ(ペースト)を80℃以上の恒温室内で静置する、もしくは乾燥したアルミニウムフタロシアニン(A)を、80℃以上の恒温室内で静置する、あるいは80℃以上の有機溶媒中で攪拌加熱するといった方法を挙げることができる。
<着色組成物>
本発明の着色組成物は、着色剤として、アルミニウムフタロシアニン(A)および/またはアルミニウムフタロシアニン(B)と、バインダー樹脂、有機溶媒を含有するものである。
(着色組成物の製造方法)
着色組成物の製造方法としては、着色剤、バインダー樹脂、および有機溶媒を混合したものを、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散機を用いて分散して製造することでできる。また、本発明の着色組成物は、着色剤を別々にバインダー樹脂および有機溶媒中に分散したものを混合して製造することもできる。
このように、分散機を用いて着色剤をバインダー樹脂に分散すると、分散が進むにつれ分散粒径は小さくなり、透明性が増し、コントラスト比は上昇するため、分散粒径は小さくなるほど良く、一般的に、300nmくらいから良好なコントラスト比が得られるようになる。一方、分散が進行し、分散粒径が小さくなると分散体の粘度が上昇し、かつチキソトロピック性が大きくなる傾向がみられる。着色組成物として用いる場合には、薄膜塗布されかつ塗膜表面が平滑であることが要求されるため、低粘度でかつニュートニアンフローであることが要求される。このため、通常の使用に好ましい粘度やチキソトロピック性を考慮すると、分散粒径を100nm程度に抑えることが好ましい。このように、平均一次粒子径が100nm以下の着色剤を用い、分散粒子の平均粒径を50nmから150nmの範囲内となるように分散度を制御することにより、粘度上昇およびチキソトロピック性が最小限に抑えられ、コントラスト比が非常に高い着色組成物を得ることができる。
(粗大粒子の除去)
本発明の着色組成物は、遠心分離、あるいは、焼結フィルタやメンブレンフィルタ等を用いた濾過によって、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下の粒子を含まないことが好ましい。
(バインダー樹脂)
本発明の着色組成物に含まれるバインダー樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
着色組成物として用いる場合には、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジストの形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、及びスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。又、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用感光性着色組成物として好ましい。
上記熱可塑性樹脂を構成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類、スチレン、又はα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類が挙げられる。
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類が挙げられる。
特に、N-置換マレイミド由来の構成単位を有することが好ましく、なかでも耐熱性の点からシクロヘキシルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタンが好ましく、特にシクロヘキシルマレイミドが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びフェノール樹脂等が挙げられる。
本発明の着色組成物は、熱硬化性樹脂を含むとさらに耐熱性の面で好ましく、例えば、なかでも、エポキシ樹脂、メラミン樹脂がより好適に使用出来、特にメラミン樹脂がより好ましく、なかでも、メチロールイミノ基を有するメラミン化合物またはその縮合物がさらに好ましい。
熱硬化性樹脂は、着色剤100重量部に対し、5〜60重量部の範囲で添加することが好ましい。10重量部未満であると耐熱性・耐光性向上への効果が小さくなり、60重量部を超えるとアルカリ現像の際の現像性悪化のため好ましくない。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、5,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは8,000〜50,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は2,500〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、本明細書では、東ソー株式会社製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー「HLC−8120GPC」において、分離カラムを4本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「TSK−GEL SUPER H5000」、「H4000」、「H3000」、及び「H2000」を用い、移動相にテトラヒドロフランを用いて測定したポリスチレン換算値を意味する。
バインダー樹脂を着色組成物に使用する場合には、分散性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤への吸着基及び現像時のアルカリ可溶性基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び有機溶媒に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、分散性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mg(KOH/g)の樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mg(KOH/g)未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターンを形成するのが困難となる。300mg(KOH/g)を越えると、現像液に対する溶解性が良過ぎて、やはり微細パターンを形成するのが困難となる。
バインダー樹脂は、着色剤の全重量を基準として、20〜500重量%の量で用いることができる。30重量%未満では、成膜性及び諸耐性が不十分となり、500重量%より多いと着色剤濃度が低く、色特性を発現できない。
(有機溶媒)
本発明の着色組成物に用いられる有機溶媒は、着色剤を充分に着色組成物担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために用いられる。
有機溶媒としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、本発明のアルミニウムフタロシアニンの分散性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
これら有機溶媒は、単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。また有機溶媒は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤の全重量を基準(100重量%)として、500〜4000重量%の量で用いることが好ましい。
(黄色着色剤)
本発明の着色組成物は、さらに色度を調整するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で黄色着色剤を含有してもよい。黄色着色剤としては、特に制限はないが、一般的には、黄色染料又は黄色顔料が挙げられる。
黄色染料としては、アゾ染料、アゾ金属錯塩染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、チオインジゴ染料、フタロシアニン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、チアジン染料、カチオン染料、シアニン染料、ニトロ染料、キノリン染料、ナフトキノン染料、オキサジン染料が挙げられる。
したがって、黄色染料の具体例としては、C.I.アシッド イエロー 2,3、4、5、6、7、8、9、9:1、10、11、11:1、12、13、14、15、16、17、17:1、18、20、21、22、23、25、26、27、29、30、31、33、34、36、38、39、40、40:1、41、42、42:1、43、44、46、48、51、53、55、56、60、63、65、66、67、68、69、72、76、82、83、84、86、87、90、94、105、115、117、122、127、131、132、136、141、142、143、144、145、146、149、153、159、166、168、169,172、174、175、178、180、183、187、188、189、190、191、192、199等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト イエロー 1、2、4、5、12、13、15、20、24、25、26、32、33、34、35、41、42、44、44:1、45、46、48、49、50、51、61、66、67、69、70、71、72、73、74、81、84、86、90、91、92、95、107、110、117、118、119、120、121、126、127、129、132、133、134等も挙げられる。
また、C.I.ベーシック イエロー 1、2、5、11、13、14、15、19、21、24、25、28、29、37、40、45、49、51、57、79、87、90、96、103、105、106等が挙げられる。
また、C.I.ソルベント イエロー 2、3、4、7、8、10、11、12、13、14、15、16、18、19、21、22、25、27、28、29、30、32、33、34、40、42、43、44、45、47、48、56、62、64、68、69、71、72、73、77、79、81、82、83、85、88、89、90、93、94、98、104、107、114、116、117、124、130、131、133、135、138、141、143、145、146、147、157、160、162、163、167、172、174、175、176、177、179、181、182、183、184、185、186、187、188、190、191、192、194、195等も挙げられる。
また、C.I.ディスパーズ イエロー 1、2、3、5、7、8、10、11、13、13、23、27、33、34、42、45、48、51、54、56、59、60、63、64、67、70、77、79、82、85、88、93、99、114、118、119、122、123、124、126、163、184、184:1、202、211、229、231、232、233、241、245、246、247、248、249、250、251等が挙げられる。
黄色着色剤としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができ、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。有機顔料としては、一般に市販されているものを用いることができ、所望とするフィルタセグメントの色相に応じて、天然色素、無機顔料を併用することができる。
以下に、上記着色組成物に使用可能な黄色有機顔料の具体例を示す。黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、192、193、194、196、198、199、213、214等の黄色顔料を用いることができる。特にフィルタセグメントの耐熱性、耐光性、および明度の観点からC.I.ピグメントイエロー138、139、150、185が好ましい。
これらの黄色着色剤は所望とする色特性に応じて単独または2種類以上を混合して使用することができる。
また、色相の調整の目的で、緑色着色剤を添加することもできる。緑色着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7、10、36、37、及び58等の緑色顔料が挙げられる。
本発明のアルミニウムフタロシアニンに黄色着色剤を併用する場合には、黄色着色剤/アルミニウムフタロシアニンの重量比が40/60〜90/10の範囲が好ましい。アルミニウムフタロシアニンの重量比が60以上となると緑色カラーフィルタの明度が低くなり、10以下となると所望とする色相が得られにくいため好ましくない。
(黄色着色剤の微細化)
本発明の着色組成物に用いられる黄色着色剤としては、高い明度および高いコントラストを得るため、必要に応じてソルベントソルトミリング処理等により、着色剤粒子の微細化を施すことにより、カラーフィルタ用着色剤として好適に使用することができる。着色剤の一次粒子径は、着色剤担体中への分散性を高めるために、10nm以上であることが好ましい。また、コントラストが高いフィルタセグメントを得るためには、80nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、20〜60nmの範囲である。
(分散助剤)
着色剤を着色組成物担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
(色素誘導体)
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドン、またはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、添加色素の分散性向上の観点から、着色剤の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上、最も好ましくは3重量%以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、着色剤の全量を基準(100重量%)として、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下である。
(樹脂型分散剤)
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上記分散剤のうち少量の添加量で着色組成物の粘度が低くなり、高いコントラストが得られやすい理由から、塩基性官能基を有する高分子分散剤が好ましく、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体およびウレタン系高分子分散剤などが好ましい。
樹脂型分散剤は、着色剤全量に対して5〜200重量%程度使用することが好ましく、成膜性の観点から10〜100重量%程度使用することがより好ましい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDsperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合の配合量は、着色剤の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.1〜55重量%、さらに好ましくは0.1〜45重量%である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量%未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量%より多いと、過剰な分散剤により分散に悪影響を及ぼすことがある。
(光重合性単量体)
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体を添加して使用することができる。本発明の着色組成物に添加することができる光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。モノマーの配合量は、着色剤の全重量を基準(100重量%)として、5〜400重量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量%であることがより好ましい。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
(光重合開始剤)
本発明の着色組成物は、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合、光重合開始剤等を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。光重合開始剤を使用する際の配合量は、着色剤の全量を基準として、2〜200重量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から5〜150重量%であることがより好ましい。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。これらの光重合開始剤は、着色組成物中の着色剤の全量を基準(100重量%)として、2〜200重量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から5〜150重量%であることがより好ましい。
(増感剤)
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’または4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上用いても構わない。増感剤を使用する際の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤の全重量を基準(100重量%)として、3〜60重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量%であることがより好ましい。
(アミン系化合物)
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
(レベリング剤)
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
(硬化剤、硬化促進剤)
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂全量に対し、0.01〜15重量%が好ましい。
(その他の添加剤成分)
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の全量を基準(100重量%)として、0.1〜10重量%の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤の全量を基準(100重量%)として、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%の量で用いることができる。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するものが挙げられ、前記フィルタセグメントは、スピンコート方式あるいはダイコート方式によって着色組成物を塗布したのち、紫外線等の活性エネルギー線を照射してフィルタセグメントとなる部分を硬化し、ついで現像することにより、基板上に形成される。
本発明により製造されるカラーフィルタ用着色組成物は、緑色のフィルタセグメントの形成に用いられ、それ以外の各色のフィルタセグメントは、従来用いられる赤色感光性着色組成物、青色感光性着色組成物を用いて形成することができる。
本発明におけるカラーフィルタ用感光性着色組成物以外の各色感光性着色組成物としては、各色着色剤、前記樹脂、前記光重合性組成物等を含有する通常の各感光性着色組成物を用いて形成することができる。
赤色フィルタセグメントは、赤色顔料と顔料担体を含む通常の赤色着色組成物を用いて形成することができる。赤色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント レッド 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、169、177、178、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、又は287等の赤色顔料が用いられる。また赤色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。
また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 43、71、又は73等の橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、又は214等の黄色顔料を併用することができる。
青色着色組成物には、例えば、C.I.ピグメント ブルー 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料が用いられ、また、C.I.ピグメント バイオレット 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。また青色や紫色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造方法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶媒またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、特に断りの無い限り「部」とは「重量部」を意味する。また、「PGMAC」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表わす。
数平均分子量、重量平均分子量は、東ソー社製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)「HLC−8120GPC」において、分離カラムを4本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「TSK−GEL SUPER H5000」、「H4000」、「H3000」、及び「H2000」を用い、移動相にテトラヒドロフランを用いて測定したポリスチレン換算値である。
本発明のアルミニウムフタロシアニンの同定は、パーキンエルマー社製Elemental Analysis 2400を用い、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)元素の同時定量分析により決定した。
本発明のアルミニウムフタロシアニンおよび黄色着色剤の体積平均一次粒子径(MV)は、日立ハイテクノロジーズ社製透過型電子顕微鏡(TEM)「H−7650」と下記計算式によって求めた。まず、TEMによって着色剤粒子を撮影した。得られた画像にて、着色剤粒子の任意の100個を選び、その一次粒子の短軸径と長軸径の平均値を着色剤粒子の粒径(d)とし、次いで個々の着色剤を求めた粒径(d)を有する球とみなして、それぞれ粒子の体積(V)を求め、この作業を100個の着色剤粒子について行い、そこから下記式(5)を用いて算出した。
式(5)
MV=Σ(V・d)/Σ(V)
また、CuKα線によるX線回折パターンは、リガク社製卓上型X線回折装置を用いて、ブラック角2θ=3°〜35°の範囲を、X線サンプリング間隔0.02°で測定を行った。
<アルミニウムフタロシアニンの製造方法>
[製造例1]
ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンの製造方法
まず、本発明のアルミニウムフタロシアニンの製造に使用したヒドロシキアルミニウムフタロシアニンの製造方法を示す。
反応容器中で、n−アミルアルコール1250部にフタロジニトリル225部と塩化アルミニウム無水物78部を混合攪拌した。これに、DBU(1,8−Diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)266部を加え、昇温し、136℃で5時間還流した。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5000部、水10000部からなる混合溶媒中へ攪拌しながら注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2000部、水4000部からなる混合溶媒で洗浄し、乾燥して、135部の化学式(3)で示されるクロロアルミニウムフタロシアニンを得た。得られたクロロアルミニウムフタロシアニンについて元素分析を行ったところ、計算値(C)66.85%、(H)2.80%、(N)19.49%に対して、実測値(C)66.7%、(H)3.0%、(N)19.2%であり、目的の化合物であることを同定した。
次いで、反応容器中で、濃硫酸1200部にクロロアルミニウムフタロシアニン100部を室温にて加えた。40℃、3時間撹拌した後、3℃の冷水24000部にこの硫酸溶液を注入した。生成した青色の析出物をろ過、水洗、乾燥して、92部のヒドロキシアルミニウムフタロシアニンを得た。得られたヒドロキシアルミニウムフタロシアニンについて元素分析を行ったところ、計算値(C)69.06%、(H)3.08%、(N)20.14%に対して、実測値(C)69.1%、(H)3.2%、(N)20.1%であり、目的の化合物であることを同定した。
Figure 0005764805


Figure 0005764805

(アルミニウムフタロシアニンの製造)
ついで、本発明のアルミニウムフタロシアニンの製造方法について示す。
[実施例1]
アルミニウムフタロシアニン(B)(PB−1)の製造
反応容器に、メタノール1000部、製造例1で得られたヒドロキシアルミニウムフタロシアニン100部、ジフェニルホスフィン酸43.1部を加え、5℃まで冷却し、6時間反応させた。反応生成物をろ過し、メタノール1800部、ついで水1800部で洗浄後、減圧下25℃にて一昼夜乾燥させて、116部の青色生成物(アルミニウムフタロシアニン(A))を得た。PGMAC1160部に得られた青色生成物116部を加え、140℃で4時間加熱した。生成物をろ過し、シクロヘキサン1160部で洗浄後、減圧下にて25℃で一昼夜乾燥させて、111部のアルミニウムフタロシアニン(B)(PB−1)を得た。得られたアルミニウムフタロシアニン(B)について元素分析を行ったところ、計算値(C)69.84%、(H)3.46%、(N)14.81%に対して、実測値(C)69.8%、(H)3.5%、(N)14.8%であり、化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであることを同定した。また、体積平均一次粒子径は31nmであった。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図1に示すようにブラック角2θ=7.1°、8.6°、14.4°、16.8°、18.3°、19.5°、23.3°、24.4°および26.8°にピークを有していた。
[実施例2]
アルミニウムフタロシアニン(PB−2)の製造
反応容器に、メタノール1000部、製造例1で得られたヒドロキシアルミニウムフタロシアニン100部、ジフェニルホスフィン酸43.1部を加え、5℃まで冷却し、6時間反応させた。生成物をろ過し、メタノール1800部、ついで水1800部で洗浄後、減圧下にて25℃で一昼夜乾燥させて、116部の青色生成物(アルミニウムフタロシアニン(A))を得た。得られた青色生成物116部を粉砕後、その粉末を耐熱容器に入れ、恒温室内で230℃、1時間加熱し、114部のアルミニウムフタロシアニン(B)(PB−2)を得た。得られたアルミニウムフタロシアニン(B)について元素分析を行ったところ、計算値(C)69.84%、(H)3.46%、(N)14.81%に対して、実測値(C)69.7%、(H)3.5%、(N)14.9%であり、化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであることを確認した。また、体積平均一次粒子径は33nmであった。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図1に示すようにブラック角2θ=7.1°、8.7°、14.5°、16.7°、18.4°、19.5°、23.3°、24.6°および26.8°にピークを有していた。
[実施例3]
アルミニウムフタロシアニン(PB−3)の製造
反応容器に、イソプロピルアルコール1000部、製造例1で得られたヒドロキシアルミニウムフタロシアニン100部、ジフェニルホスフィン酸43.1部を加え、60℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、イソプロピルアルコール1800部、ついで水1800部で洗浄後、減圧下にて25℃で一昼夜乾燥させて、112部の青色生成物(アルミニウムフタロシアニン(A))を得た。ジエチレングリコール1120部に得られた青色生成物112部を加え、230℃で2時間加熱した。生成物をろ過し、水で洗浄後、減圧下にて25℃で一昼夜乾燥させて、95.2部のアルミニウムフタロシアニン(B)(PG−3)を得た。得られたアルミニウムフタロシアニン(B)について元素分析を行ったところ、計算値(C)69.84%、(H)3.46%、(N)14.81%に対して、実測値(C)69.6%、(H)3.4%、(N)14.8%であり、化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであることを確認した。また、体積平均一次粒子径は41nmであった。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図1に示すようにブラック角2θ=7.2°、8.5°、14.4°、16.7°、18.1°、19.3°、23.2°、24.5°および26.8°にピークを有していた。
[実施例4]
アルミニウムフタロシアニン(PB−4)の製造
反応容器に、イソプロピルアルコール1000部、製造例1で得られたヒドロキシアルミニウムフタロシアニン100部、ジフェニルホスフィン酸43.1部を加え、60℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、イソプロピルアルコール1800部、ついで水1800部で洗浄後、減圧下にて25℃で一昼夜乾燥させて、112部の青色生成物(アルミニウムフタロシアニン(A))を得た。得られた青色生成物112部を粉砕後、その粉末を耐熱容器に入れ、恒温乾燥機内で120℃、4時間加熱し、110部のアルミニウムフタロシアニン(B)(PB−4)を得た。得られたアルミニウムフタロシアニンについて元素分析を行ったところ、計算値(C)69.84%、(H)3.46%、(N)14.81%に対して、実測値(C)69.8%、(H)3.6%、(N)14.8%であり、化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであることを確認した。また、体積平均一次粒子径は35nmであった。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図1に示すようにブラック角2θ=7.3°、8.6°、14.5°、16.4°、18.0°、19.3°、23.3°、24.3°および26.5°にピークを有していた。
[実施例5]
アルミニウムフタロシアニン(PB−5)の製造
反応容器に、ジメチルホルムアミド1000部、製造例1で得られたヒドロキシアルミニウムフタロシアニン100部、ジフェニルホスフィン酸43.1部を加え、70℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、ジメチルホルムアミド1800部、ついで水1800部で洗浄、ろ過後、得られたウェットケーキを80℃で一昼夜乾燥させて、108部のアルミニウムフタロシアニン(B)(PG−5)を得た。得られたアルミニウムフタロシアニンについて元素分析を行ったところ、計算値(C)69.84%、(H)3.46%、(N)14.81%に対して、実測値(C)70.0%、(H)3.4%、(N)14.8%であり、化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであることを確認した。また、体積平均一次粒子径は39nmであった。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図1に示すようにブラック角2θ=7.1°、8.5°、14.2°、16.4°、18.1°、19.3°、23.1°、24.2°および26.6°にピークを有していた。
[実施例6]
アルミニウムフタロシアニン(PB−6)の製造
反応容器に、メタノール1000部、製造例1で得られたヒドロキシアルミニウムフタロシアニン100部、ジフェニルホスフィン酸43.1部を加え、5℃まで冷却し、6時間反応させた。生成物をろ過し、メタノール1800部、ついで水1800部で洗浄後、減圧下にて25℃で一昼夜乾燥させて、116部のアルミニウムフタロシアニン(A)(PB−6)を得た。得られたアルミニウムフタロシアニンについて元素分析を行ったところ、計算値(C)69.84%、(H)3.46%、(N)14.81%に対して、実測値(C)69.8%、(H)3.5%、(N)14.6%であり、化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであることを確認した。また、体積平均一次粒子径は29nmであった。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図2に示すようにブラック角2θ=7.7°、8.4°、9.3°、12.8°、15.1°、16.0°、16.8°、18.8°、20.0°、21.6°、23.1°、25.5°、26.5°、および28.3°にピークを有していた。
[実施例7]
アルミニウムフタロシアニン(PB−7)の製造
反応容器に、イソプロピルアルコール1000部、製造例1で得られたヒドロキシアルミニウムフタロシアニン100部、ジフェニルホスフィン酸43.1部を加え、60℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、イソプロピルアルコール1800部、ついで水1800部で洗浄後、減圧下にて25℃で一昼夜乾燥させて、112部のアルミニウムフタロシアニン(A)(PB−7)を得た。得られたアルミニウムフタロシアニンについて元素分析を行ったところ、計算値(C)69.84%、(H)3.46%、(N)14.81%に対して、実測値(C)69.8%、(H)3.6%、(N)14.9%であり、化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであることを確認した。また、体積平均一次粒子径は33nmであった。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図2に示すようにブラック角2θ=7.8°、8.6°、9.4°、12.8°、15.1°、15.9°、16.8°、18.9°、20.2°、21.6°、23.0°、25.5°、26.5°、および28.1°にピークを有していた。
[実施例8]
アルミニウムフタロシアニン(PB−8)の製造
反応容器に、ジメチルホルムアミド1000部、製造例1で得られたヒドロキシアルミニウムフタロシアニン100部、ジフェニルホスフィン酸43.1部を加え、70℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、ジメチルホルムアミド1800部、ついで水1800部で洗浄後、減圧下にて25℃で一昼夜乾燥させて、108部のアルミニウムフタロシアニン(A)(PB−8)を得た。得られたアルミニウムフタロシアニンについて元素分析を行ったところ、計算値(C)69.84%、(H)3.46%、(N)14.81%に対して、実測値(C)70.0%、(H)3.6%、(N)14.9%であり、化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであることを確認した。また、体積平均一次粒子径は38nmであった。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図2に示すようにブラック角2θ=7.7°、8.4°、9.3°、12.6°、15.0°、15.8°、16.7°、18.6°、20.1°、21.8°、23.2°、25.4°、26.5°、および28.2°にピークを有していた。
[比較例1]
アルミニウムフタロシアニン(PB−9)の製造
製造例1と同様の方法で製造したヒドロキシアルミニウムフタロシアニンをアルミニウムフタロシアニン(PB−9)とした。得られたアルミニウムフタロシアニンについて元素分析を行ったところ、計算値(C)69.06%、(H)3.08%、(N)20.14%に対して、実測値(C)69.2%、(H)3.2%、(N)20.3%であり、化学式(2)で表されるヒドロキシアルミニウムフタロシアニンであることを確認した。また、体積平均一次粒子径は29nmであった。得られたアルミニウムフタロシアニン(PB−9)のCuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図3に示すようにブラック角2θ=7.0°、14.1°、16.4°、20.8°、および25.6°にピークを有していた。
<着色組成物の作製>
まず、本発明の着色組成物に使用したバインダー樹脂の製造方法を示す。
(バインダー樹脂溶液の調製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコに、PGMAC233部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)30部、メタクリル酸ベンジル19部、メタクリル酸メチル16部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間、80℃で加熱攪拌を継続し、バインダー樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、バインダー樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が20重量%になるようにPGMACを添加してサンプル溶液を調製した。GPCの測定の結果、重量平均分子量(Mw)は16000であった。
次いで、本発明の着色組成物(青色着色組成物)の製造方法を示す。
(青色着色組成物の製造)
[実施例9]
青色着色組成物(DB−1)の製造
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、メディア型湿式分散機としてアイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)を用いて4時間分散して、顔料分50%、固形分20%の青色着色組成物(DB−1)を製造した。

アルミニウムフタロシアニン(PB−1) 10.0部
樹脂型分散剤(ビッグケミー社製「BYK−LPN6919」) 8.3部
バインダー樹脂溶液 25.0部
PGMAC 56.7部
次いで、得られた青色着色組成物(DB−1)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、C光源でy(c)=0.294となるような膜厚に塗布し、表1に示した色度を与える塗布基板を得た。
[実施例10〜22、比較例2]
青色着色組成物(DB−2〜DB−15)の製造
表1に示したように組成を変更した以外は、実施例9と同様に青色着色組成物(DB−2〜DB−15)を製造した。
Figure 0005764805

表1中の略号は以下の通りである。
BYK6919 ;ビッグケミー社製「BYK−LPN6919」
PB821 ;味の素ファインテクノ社製「PB−821」
SP41000 ;ルーブリゾール社製「SP41000」
次に、黄色着色剤を含有する着色組成物(緑色着色組成物)の製造方法を示す。
まず、緑色着色組成物の製造で用いた黄色着色剤の製造方法、および黄色着色剤からなる着色組成物(黄色着色組成物)の製造方法を示す。
(黄色着色剤の製造)
[製造例2]
黄色着色剤(PY−1)の製造
黄色着色剤として、C.I.Pigment Yellow 150(ランクセス社「E4GN」)50部、塩化ナトリウム250部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−1)を得た。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は28nmであった。
[製造例3]
黄色着色剤(PY−2)の製造
黄色着色剤として、C.I.Pigment Yellow 138(BASF社「Paliotol Yellow L 0962 HD」)50部、塩化ナトリウム250部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−2)を得た。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は35nmであった。
[製造例4]
黄色着色剤(PY−3)の製造
黄色着色剤として、C.I.Pigment Yellow 139(BASF社「Paliotol Yellow L 2140 HD」)50部、塩化ナトリウム250部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−3)を得た。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は26nmであった。
[製造例5]
黄色着色剤(PY−4)の製造
黄色着色剤として、C.I.Pigment Yellow 185(BASF社「Paliotol Yellow L 1155」)50部、塩化ナトリウム250部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−4)を得た。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は33nmであった。
(黄色着色組成物の製造)
[製造例6]
黄色着色組成物(DY−1)の製造
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、メディア型湿式分散機としてアイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)を用いて4時間分散した後、顔料分50%、固形分20%の黄色着色組成物(DY−1)を製造した。

黄色着色剤(PY−1) 10.0部
バインダー樹脂溶液 50.0部
PGMAC 40.0部
[製造例7]
黄色着色組成物(DY−2)の製造
上記着色組成物(DY−1)の作製において、黄色着色剤(PY−1)を黄色着色剤(PY−2)に変更した以外は、製造例6と同様にして黄色着色組成物(DY−2)を製造した。
[製造例8]
黄色着色組成物(DY−3)の製造
上記着色組成物(DY−1)の作製において、黄色着色剤(PY−1)を黄色着色剤(PY−3)に変更した以外は、製造例6と同様にして黄色着色組成物(DY−3)を製造した。
[製造例9]
黄色着色組成物(DY−4)の製造
上記着色組成物(DY−1)の作製において、黄色着色剤(PY−1)を黄色着色剤(PY−4)に変更した以外は、製造例6と同様にして黄色着色組成物(DY−4)を製造した。
次いで、さらに黄色着色剤を含有する本発明の着色組成物(緑色着色組成物)の製造方法を示す。
(緑色着色組成物の製造)
[実施例23]
緑色着色組成物(DG−1)の製造
上記で製造した青色着色組成物(DB−1)と黄色着色組成物(DY−1)を使用し、塗布基板の色度がC光源でx(c)=0.290、y(c)=0.600となるよう、DB−1とDY−1の比率を調整して攪拌混合することにより、緑色顔料組成物(DG−1)を製造した。
[実施例24〜29、比較例3]
緑色着色組成物(DG−2〜8)の製造
表2に示した青色着色組成物と黄色着色組成物を使用し、且つ、塗布基板の色度が同表に記載された色度になるように変更して、実施例23と同様に緑色着色組成物(DG−2〜8)を製造した。
[実施例30〜36、比較例4]
緑色着色組成物(DG−9〜16)の製造
表2に示した青色着色組成物と黄色着色組成物を使用して、塗布基板の色度がC光源でx(c)=0.210、y(c)=0.710となるよう、攪拌混合することにより、緑色着色組成物(DG−9〜16)を製造した。
Figure 0005764805

<耐熱・耐光性評価>
上記実施例および比較例で得られた着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、表1、表2に示したC光源での色度を与える塗布基板を作成した。次に、この塗布基板を70℃で20分乾燥し、ついで230℃で1時間加熱、放冷を行うことで塗膜基板を作製した。得られた塗膜の色度を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用い、[L*(1)、a*(1)、b*(1)]を測定した。
(耐熱性評価)
塗膜基板を、さらに230℃で1時間熱処理を行った後の色度[L*(2)、a*(2)、b*(2)]を測定し、下記式(1)により、色差ΔE*abを求めた。
式(1)
ΔE*ab=[[L*(2)−L*(1)]2+[a*(2)−a*(1)]2+[b*(2)−b*(1)]2]1/2
(耐光性評価)
塗膜基板上に紫外線カットフィルター(ホヤ社製「COLORED OPTICAL GLASS L38」)を密着させ、470W/m2のキセノンランプを用いて紫外線を100時間照射した後の色度[L*(2)、a*(2)、b*(2)]を測定し、上記式(1)により、色差ΔE*abを求めた。
<異物評価>
異物発生の評価は、透明基板上に乾燥塗膜が約2.0μmとなるように着色組成物を塗布し、オーブンで230℃1時間の熱処理を行って得た塗膜基板の塗膜中の異物の数を計測した。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な異物の数を計測した。下記の評価結果において、◎と○は異物数が少なく良好であり、△は異物数が多いものの使用上問題ないレベル、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生するため、実用上使用できない状態に相当する。
◎:異物の数が5個未満
○:異物の数が5個以上、20個未満
△:異物の数が21個以上、100個未満
×:異物の数が100個以上
実施例および比較例で作成した青色および緑色着色組成物について、結果を表3、表4に示す。


Figure 0005764805

実施例9〜22のように、本発明のアルミニウムフタロシアニンを使用した青色着色組成物は、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンを用いた青色着色組成物(比較例2)に比べ、耐熱性、耐光性評価の色差が小さく、良好な結果となった。
さらに、本発明のアルミニウムフタロシアニン(B)を使用した青色着色組成物(実施例9〜16)は、本発明のアルミニウムフタロシアニン(A)を使用した青色着色組成物(実施例17〜22)に比べ、耐熱性、耐光性の色差がさらに小さく、良好である結果となった。
また、実施例9〜11、17〜19のように、樹脂型分散剤を添加することにより、樹脂型分散剤を添加していない実施例12、および実施例20の青色着色組成物と比較して、異物評価で良好な結果となった。
Figure 0005764805

実施例23〜36のように、本発明のアルミニウムフタロシアニンと黄色着色剤を使用した緑色着色組成物は、耐熱性、耐光性評価の色差が小さく、異物評価でも良好な結果となった。
一方、比較例3〜4のように、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンと黄色着色剤を用いた緑色着色組成物では耐熱性、耐光性が悪く、また、黄色着色剤として、C.I.ピグメントイエロー139用いた緑色着色組成物(比較例4)では異物が発生する結果となった。
次いで、さらに光重合単量体を含有することを特徴とする着色組成物(感光性着色組成物)の製造方法を示す。
(感光性着色組成物の製造)
[実施例37]
感光性着色組成物(RB−1)の作製
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物(RB−1)を製造した。

青色着色組成物(DB−1) 60.0部
バインダー樹脂溶液 15.0部
光重合性単量体
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」) 3.0部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 1.2部
増感剤(保土谷化学社製「EAB−F」) 0.4部
シクロヘキサノン 20.4部
[実施例38、比較例5]
感光性着色組成物(RB−2、3)の作製
表5に示した組成に変更した以外は、実施例37と同様に感光性着色組成物(RB−2、3)を作製した。
[実施例39〜44、比較例6、7]
感光性着色組成物(RG−1〜RG−8)の作製
表5に示した組成に変更した以外は、実施例37と同様に感光性着色組成物(RG−1〜RG−8)を作製した。
Figure 0005764805

<明度評価>
実施例37〜44、および比較例5〜7で得られた感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJで紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行い、塗膜基板を得た。ついで230℃で1時間加熱、放冷後、得られた塗膜の色度を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用い、明度Y(C)を測定した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、表5に示したC光源での色度となるようにした。なお、アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム1.5重量%炭酸水素ナトリウム0.5重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)8.0重量%および水90重量%からなる混合溶液を用いた。
<耐熱・耐光性評価>
実施例37〜44、および比較例5〜7で得られた感光性着色組成物を用いて製造した上記の基板を使用して、実施例9〜27、比較例1〜3と同様の評価を行った。
<異物発生評価>
実施例37〜44、および比較例5〜7で得られた感光性着色組成物を用いて製造した上記の基板を使用して、実施例9〜27、比較例2〜4と同様の評価を行った。
実施例および比較例で製造した感光性着色組成物について、結果を表6に示す。
Figure 0005764805

実施例37〜44のように、本発明のアルミニウムフタロシアニンを使用した感光性着色組成物は、実施例9〜36で示した着色組成物と同様に、異物の発生もなく、良好な耐熱性、耐光性を示す結果となった。一方、比較例5〜7のように、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンを含有する感光性着色組成物では、総じて、耐熱性、耐光性が悪い結果となった。
また、同じ色相、および同じ黄色着色剤の組み合わせで比較した場合、実施例37、38と比較例5、実施例39、41と比較例6、実施例42、44と比較例7に示したように、本発明のアルミニウムフタロシアニンを含有する着色組成物が、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニンを含有する着色組成物に比べ、高い明度を示す結果となった。
<カラーフィルタの製造>
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで、感光性着色組成物(RB−1)で使用しているアルミニウムフタロシアニンを、C.I.Pigment Red 254/C.I.Pigment Red 177=5.1部/0.9部に置き換えた以外は実施例37と同様にして製造した赤色着色組成物をC光源において(以下、緑色、青色にも用いる)x=0.670、y=0.330になるような膜厚に塗布し着色被膜を形成した。次に、該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。
上記と同様にして、感光性着色組成物(RG−1)をx=0.298、y=0.600となるように塗布し、緑色フィルタセグメントを得た。また、感光性着色組成物(RB−1)で使用しているアルミニウムフタロシアニンを、C.I.Pigment Blue 15:6/C.I.Pigment Violet 23=3.6部/2.4部に置き換えた以外は実施例37と同様にして製造した感光性着色組成物を用いてx=0.149、y=0.048になるような膜厚に塗布し、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
本発明における着色組成物を用いると、広い色度範囲において明度に優れ、耐熱性、耐光性も良好な緑色フィルタセグメントを有するカラーフィルタを製造することが可能であった。

Claims (11)

  1. 下記化学式(1)で表され、かつCuKα線によるX線回折パターンが、ブラック角2θ(±0.2)=7.3°、8.6°、14.4°、16.6°、18.2°、19.4°、23.2°、24.4°、26.7°にピークを有することを特徴とするアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤
    Figure 0005764805
  2. 下記化学式(1)で表され、かつCuKα線によるX線回折パターンが、ブラック角2θ(±0.2)=7.7°、8.4°、9.3°、12.7°、15.0°、15.9°、16.7°、18.8°、20.1°、21.7°、23.1°、25.4°、26.5°、28.2°にピークを有することを特徴とするアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤
    Figure 0005764805
  3. 有機溶媒中でヒドロキシアルミニウムフタロシアニンとジフェニルホスフィン酸とを反応させ、次いで前記有機溶媒を除去することを特徴とする下記化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤の製造方法。
    Figure 0005764805
  4. さらに請求項3記載の製造方法によって製造されてなるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤を80℃以上の温度で加熱処理することを特徴とする下記化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤の製造方法。
    Figure 0005764805
  5. 請求項3記載の方法によって製造されてなるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤が、CuKα線によるX線回折パターンが、ブラック角2θ(±0.2)=7.7°、8.4°、9.3°、12.7°、15.0°、15.9°、16.7°、18.8°、20.1°、21.7°、23.1°、25.4°、26.5°、28.2°にピークをすることを特徴とすアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤の製造方法。
  6. 求項4記載の方法によって製造されてなるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤が、ブラック角2θ(±0.2)=7.3°、8.6°、14.4°、16.6°、18.2°、19.4°、23.2°、24.4°、26.7°にピークを有することを特徴とすアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤の製造方法。
  7. 請求項3または4記載の製造方法によって製造されてなる下記化学式(1)で表されるアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤
    Figure 0005764805
  8. 少なくともバインダー樹脂と請求項1、2、いずれか記載のアルミニウムフタロシアニンであるカラーフィルタ用着色剤とからなる着色組成物。
  9. さらに黄色着色剤を含有することを特徴とする請求項記載の着色組成物。
  10. さらに光重合性単量体を含有することを特徴とする請求項または記載の着色組成物。
  11. 基板上に、請求項10いずれか記載の着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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