JPH09156220A - 光記録媒体及び光記録媒体用組成物 - Google Patents

光記録媒体及び光記録媒体用組成物

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Publication number
JPH09156220A
JPH09156220A JP7321349A JP32134995A JPH09156220A JP H09156220 A JPH09156220 A JP H09156220A JP 7321349 A JP7321349 A JP 7321349A JP 32134995 A JP32134995 A JP 32134995A JP H09156220 A JPH09156220 A JP H09156220A
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JP
Japan
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group
substituent
recording medium
optical recording
phthalocyanine compound
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Pending
Application number
JP7321349A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Kimura
秀一 木村
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
Shinichiro Mizuno
信一郎 水野
Mare Sakamoto
希 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP7321349A priority Critical patent/JPH09156220A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、記録層にフタロシアニン化合物を含
有する光記録媒体の耐光性、耐久性等の信頼性をさらに
向上させる方法を提供するものである。 【解決手段】透明基板、フタロシアニン化合物を含有す
る記録層、反射層、保護層の4層よりなる光記録媒体に
おいて、記録層に含有されるフタロシアニン化合物に、
一般式(1)で示される有機酸(安定化剤)を添加ある
いは化学的処理する。 (A)t−X [式中、Aはアルキル基、アリール基、脂環残基、アラ
ルキル基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を示す。Xは
スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基を表す。tは1
または2を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザー光によって
情報を書き込んだり、読みとったりすることが可能な光
記録媒体に関するものでありさらに詳しくは、追記型コ
ンパクトディスク(CD−R)の記録膜構成及び記録膜
材料、記録膜組成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、編集機能を有する追記型光ディス
クとして、シアニン等の有機色素記録膜の上に金の反射
膜を設け、波長780nmでCDフォーマットあるいは
CD−ROMフォーマット信号を記録し、CDまたはC
D−ROMの再生装置で情報を読み出すCD−Rが実用
化されている。しかしながら、一般的にシアニン色素は
光安定性が悪いため、CDのような単面構成で直接太陽
光にさらされるような使用条件下では記録の信頼性に問
題が生じる可能性がある。
【0003】そのため、シアニン色素に代えて、化学的
物理的に安定なフタロシアニン色素を記録膜材料に使用
する試みを検討し、フタロシアニン化合物でも特公平4
−53713、特開平4−214388、特開平5−1
272等に提案され、一部の化合物が実用化されてい
る。これらの材料を用いたCD−Rの特性はシアニン色
素を用いた場合と同等の特性を有し、オレンジブックに
準拠した媒体となっており、かつ、シアニン色素を用い
た媒体に比べ、遥かに耐光性が優れているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、CD−ROMの
急速な普及につれ、CD−R媒体にも高速記録、高速読
み出しが要求されるようになり、同じ媒体で、等速記録
から2倍、4倍速記録へも対応できることが必要となっ
てきた。上述したようなフタロシアニン色素は一般的に
シアニン色素と比べ、記録感度が劣るため、これらの要
求をすべて満たすには不十分であった。このため記録感
度の向上には、特開平7−20550に開示されている
ような熱分解性のよい置換基を導入するなどの色素構造
上の工夫や、特開昭59−92448に開示されている
ように、熱分解を促進する添加剤を併用することが必要
であり、こうしたことで高速記録に対応できる記録感度
を達成することはできたが、耐久性や耐光性を犠牲にし
なければならないのが通常であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、記録層に用いるフ
タロシアニン色素にある種の安定化剤を添加することに
よって、倍速記録以上にも充分対応できる記録感度を有
し、かつ、耐光性耐久性を大幅に改善できることを見出
し、また、本発明に至った。
【0006】
【発明の実施の形態】すなわち本発明は、透明基板、フ
タロシアニン化合物を含有する記録層、反射層、保護層
の4層よりなる光記録媒体において、記録層に含有され
るフタロシアニン化合物に一般式(1)で示される有機
酸(安定化剤)を添加、あるいは、化学的処理し、造塩
(錯体形成)することによって記録感度を損なうことな
く耐光性、耐久性等の信頼性を向上させた光記録媒体。
または、記録層に含有される金属フタロシアニン化合物
が、中心金属からフタロシアニン環平面より垂直方向に
置換基(アキシャル置換基)を持つフタロシアニン化合
物である場合に、一般式(1)で示される安定化剤を数
%添加することによって、無添加の場合より耐光性、耐
久性等の信頼性を向上させた光記録媒体である。
【0007】ここで、前述した安定化剤としては、一般
式(1)で示される有機酸及びその誘導体を含有するこ
とを特徴としている。 一般式(1) (A)t−X [式中、Aは、置換基を有してもよいアルキル基、置換
基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい脂
環残基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を
有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキ
シ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基
を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよ
いアリールアミノ基を示す。Xはスルホン酸基、カルボ
ン酸基、リン酸基を表す。tは1または2を表す。]
【0008】また、フタロシアニン化合物が、中心金属
からフタロシアニン環平面より垂直方向に置換基(アキ
シャル置換基)を持つフタロシアニン化合物である場合
であっても、上述したような安定化剤を添加することに
よって、無添加の場合より耐光性、耐久性等の特性が向
上することを本発明者らは確認した。これは、中心金属
に水酸基を持つフタロシアニン化合物にアキシャル置換
基を導入する際に、反応が完全でないため、わずかに残
った水酸基にこれら安定化剤が作用するためである。す
なわち、本発明は記録層にアキシャル置換基を持つフタ
ロシアニン化合物と、安定化剤で処理されたフタロシア
ニン化合物の両者を含有する光記録媒体も含んでいる。
【0009】さらに、フタロシアニン化合物が、中心金
属からフタロシアニン環平面より垂直方向に置換基(ア
キシャル置換基)を持つフタロシアニン化合物である場
合、一般式(2)で示されるような特定のアキシャル置
換基を持つ構造のフタロシアニン化合物であることが好
ましい。これらのアキシャル置換基を持ったフタロシア
ニン化合物は耐光性が非常によいことが確認されている
ため(特開平4−214388)(1994年度色材研
究発表会 講演要旨集 11B−12)、上述した理由
から、安定化剤との併用によりさらに耐光性、耐久性の
向上に効果がある。
【0010】一般式(2)
【化2】 [式中、X1 〜X4 はそれぞれ独立に、水素原子、置換
基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいア
リール基、置換基を有してもよい脂環残基、置換基を有
してもよいアラルキル基、置換基を有してもよい複素環
基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアル
キルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基を表
す。Y1 〜Y4 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
原子、ニトロ基、置換基を有してもよいフタルイミドメ
チル基、置換基を有してもよいスルホンアミド基を表
す。Mは、Al、Ga、In、Si、Ge、Snを表
す。Wは -OP(=O)R1 R2 を表し、ここでR1 、
R2 はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換基を有
してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリールオキシ基を表す。n1 〜n4 は置換基
X1 〜X4 の数を表し、それぞれ独立に1〜4の整数を
表す。m1 〜m4 は置換基Y1 〜Y4 の数を表し、それ
ぞれ独立に0〜4の整数を表す。kは置換基Wの数を表
し、1または2を表す。]
【0011】本発明の一般式における構造、置換基等に
ついて詳細に説明すると、ハロゲン原子としては、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等がある。置換基を有してもよ
いアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-
ブチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル
基、ステアリル基、2-エチルヘキシル基、トリクロロメ
チル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエ
チル基、2,2-ジブロモエチル基、2,2,3,3-テトラフルオ
ロプロピル基、2-エトキシエチル基、2-ブトキシエチル
基、2-ニトロプロピル基等がある。置換基を有してもよ
いアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アン
トラニル基、p-メチルフェニル基、p-ニトロフェニル
基、p-メトキシフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、
ペンタフルオロフェニル基、2-アミノフェニル基、2-メ
チル-4- クロロフェニル基、4-ヒドロキシ-1- ナフチル
基、6-メチル-2- ナフチル基、4,5,8-トリクロロ-2- ナ
フチル基、アントラキノニル基、2-アミノアントラキノ
リル基等がある。置換基を有してもよい脂環残基として
は、シクロペンチル基、2,5-ジメチルシクロペンチル
基、シクロヘキシル基、4-tert- ブチルシクロヘキシル
基、アダマンチル基等がある。置換基を有してもよいア
ラルキル基としては、ベンジル基、4-メチルベンジル
基、4-tert- ブチルベンジル基、4-メトキシベンジル
基、4-ニトロベンジル基、2,4-ジクロロベンジル基等が
ある。置換基を有してもよい複素環残基としては、ピリ
ジニル基、3-メチルピリジニル基、ピラジニル基、ピペ
ジニル基、N-メチルピペジニル基、ピラニル基、モルホ
ニル基、n-メチルピロリニル基、アクリジニル基、等が
ある。置換基を有してもよいアルコキシ基としては、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n-ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert- ブチル
オキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ
基、n-オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2-エチ
ルヘキシルオキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフル
オロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,
3,3-テトラフルオロプロピルオキシ基、2-エトキシエト
キシ基、2-ブトキシエトキシ基、2-ニトロプロポキシ基
等がある。置換基を有してもよいアリールオキシ基とし
ては、フェノキシ基、ナフトキシ基、アントラニルオキ
シ基、p-メチルフェノキシ基、p-ニトロフェノキシ基、
p-メトキシフェノキシ基、2,4-ジクロロフェノキシ基、
ペンタフルオロフェノキシ基、2-メチル-4- クロロフェ
ノキシ基等があり、置換基を有してもよいアルキルアミ
ノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメ
チルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジイソプロピル基、
シクロヘキシルアミノ基等があり、置換基を有してもよ
いアリールアミノ基としては、フェニルアミノ基、p-ニ
トロフェニルアミノ基、4-メチルフェニルアミノ基、ジ
フェニルアミノ基、ジ(4-メトキシフェニル)アミノ基
等があるが、これらに限定されるものではない。
【0012】本発明における一般式(1)で示される安
定化材の代表的な例として、メタンスルホン酸、エチル
スルホン酸、n-ブチルスルホン酸、トリクロロメタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、p-トルエンスルホン酸、p-ニトロベンゼンス
ルホン酸、p-メトキシベンゼンスルホン酸、p-ヒドロキ
シベンゼンスルホン酸、スルファニル酸、p-トリフルオ
ロメチルベンゼンスルホン酸、1-ナフタレンスルホン
酸、2-ナフタレンスルホン酸、アントラノン-1- スルホ
ン酸、アントラキノン-2- スルホン酸、3-ピリジンスル
ホン酸、4-ピリジンスルホン酸、酢酸、トリクロロ酢
酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、4-ニトロ安息香酸、
4-トリフルオロメチル安息香酸、1-ナフタレンカルボン
酸、アントラキノン-2- カルボン酸、ピリジンカルボン
酸、ピラジンカルボン酸、リン酸ジエチル、リン酸ジブ
チル、リン酸ジオクチル、リン酸ジフェニル、ジフェニ
ルホスフィン酸、ジブチルホスフィン酸等の有機酸誘導
体等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0013】本発明におけるフタロシアニン化合物が、
中心金属からフタロシアニン環平面より垂直方向に置換
基(アキシャル置換基)を持つフタロシアニン化合物の
代表的な例として下記に示すフタロシアニン化合物
(a)〜(f)等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0014】(a)
【化3】
【0015】(b)
【化4】
【0016】(c)
【化5】
【0017】(d)
【化6】
【0018】(e)
【化7】
【0019】(f)
【化8】
【0020】本発明における一般式(2)で示されるフ
タロシアニン化合物の代表的な例として以下に示すフタ
ロシアニン化合物(g)〜(j)等が挙げられるがこれ
らに限定されるものではない。
【0021】(g)
【化9】
【0022】(h)
【化10】
【0023】(i)
【化11】
【0024】(j)
【化12】
【0025】記録層の成膜方法としては、ドライプロセ
ス、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法によって
も可能であるが、ウエトプロセス、例えば、スピンコー
ト法、ディップ法、スプレー法、ロールコート法あるい
は、LB(ラングミュアーブロジェット)法によっても
可能である。本発明の記録膜素材は、汎用の有機溶媒、
たとえば、アルコール系、ケトン系、セロソルブ系、ハ
ロゲン系、炭化水素系、フロン系溶媒等に高い溶解性を
示すため、生産性、及び記録膜の均一性からスピンコー
ト法により成膜する方法が好ましい。このように、いわ
ゆる塗布法で成膜する場合には、必要に応じて高分子バ
インダーを加えてもよい。
【0026】高分子バインンダーとしては、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ニトロセル
ロース樹脂、フェノール樹脂等が挙げられるがこれらに
限定されるものではない。高分子バインダーの混合比と
しては特に制限はないが、色素に対して30%以下が好
ましい。本発明の記録層の最適膜厚は、記録膜材料の種
類及び組合わせによる異なるため特に制限はなく、50
0〜3000オングストロームが好ましく、更に好まし
くは、800〜1500オングストロームが最適膜厚範
囲である。
【0027】本発明の反射膜素材としては、金、銀、
銅、白金、アルミニウム、コバルト、スズ等の金属、及
び、これらを主成分とした合金、酸化物、窒化物等が挙
げられるが、絶対反射率が高く、安定性に優れている点
から金が最適である。また、場合によっては有機化合物
の高反射膜を使用することも可能である。このような反
射膜の成膜方法としては、ドライプロセス、例えば、真
空蒸着法、スパッタリング法がもっとも好ましいが、こ
れらに限定されるものではない。反射膜の最適膜厚につ
いては、特に制限はないが、400〜1600オングス
トロームの範囲が好ましい。
【0028】更に反射膜の上よりディスクを保護するた
めの保護層を設ける。保護層用の材料としては、紫外線
効果樹脂を用いてスピンコート法によって塗布し、紫外
線照射により硬化させる方法が好ましいが、これらに限
定されるものではない。保護層の最適膜厚については、
薄い場合には保護の硬化が低下し、厚い場合には樹脂の
硬化時の収縮によりディスクのそり等の機械特性の悪化
の原因となるため、2〜20ミクロンの範囲で成膜する
ことが好ましい。
【0029】また、本発明に用いられるディスク基板と
しては、信号の書き込みや読み出しを行うための光の透
過率が好ましくは85%以上であり、かつ、光学異方性
の小さいものが好ましい。例えば、硝子、または、アク
リル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹
脂等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、アリル樹脂等の熱
硬化性樹脂からなる基板が挙げられる。これらの中で、
成型のしやすさ、ATIP用ウオブル信号、及び、案内
溝等の付与にしやすさ等から熱可塑性樹脂からなるもの
が好ましく、更に光学特性や機械特性、及び、コストか
らみてアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂からなるも
のが特に好ましい。
【0030】発明における基板の案内溝の形状について
は特に制限はなく、台形、U字型あるいはV字型であっ
てもよい。また、案内溝の寸法については、記録膜材料
の種類、及び組合わせ等により最適値はそれぞれ異なる
が、平均溝幅(溝深さの1/2の位置の幅)が0.4〜
0.6ミクロン、溝深さが1000〜2000オングス
トロームの範囲が好ましい。本発明のディスクは、記録
後、CDあるいはCD−ROMとして機能する必要があ
るため、CDあるいはCD−ROMの規格(レッドブッ
ク)及び、CD−Rの規格(オレンジブック)に準拠し
ていることが好ましい。
【0031】本発明における安定化剤は、フタロシアニ
ン化合物の合成、あるいは精製時に添加、または、単に
粉末へのブレンド、あるいは、化学的処理によってフタ
ロシアニン化合物に結合させて使用してもよく、また、
スピンコートによる記録膜作成の際、フタロシアニン化
合物と一緒に塗布溶媒に溶解させて使用することも可能
である。これらの方法は使用する安定化剤、フタロシア
ニン化合物の種類の種類、組合わせによって最適な方法
は異なる。
【0032】以下の実施例、比較例によって本発明を具
体的に説明する。
【0033】比較例1、実施例1 フタロシアニン化合物(a)1gとp-トルエンスルホン
酸0.2gをオクタン50mlに加え、30分、60℃
で加熱攪拌した。冷却後、ロータリーエバポレーターで
溶媒を除去し、さらに減圧乾燥機50℃で乾燥し、緑色
の粉末を得た。FD−MSで分析したところ、この粉末
をフタロシアニン化合物(a’)とした。 フタロシア
ニン化合物(a)、(a’)それぞれ100mgをエチ
ルセロソルブ3mlに加え、超音波洗浄機で20分間溶
解し、0.2μのフィルターをかけた後、この溶液用い
て、減圧加熱処理したガラス基板上にスピンコーター
で、1200rpmで色素膜を形成した。得られた膜の
最大吸収極大(λmax )における吸光度を分光光度計で
測定し、その値を100とした。次に、成膜したガラス
基板を耐光性試験機にかけ、5万ルクス、150時間照
射後のλmax における吸光度を同様に測定し、初期値1
00に対する割合で評価した。結果をの表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】比較例2、実施例2 フタロシアニン化合物(b)1gとトリフルオロ酢酸
0.3gをジメチルアセトアミド50mlに加え、30
分80℃で加熱攪拌した。冷却後、反応液を水500m
lに注入し、析出した沈殿をろ取、メタノール/水
(4:1)混合液で洗浄した後、減圧乾燥機50℃で乾
燥して緑色の粉末を得た。この粉末をフタロシアニン化
合物(b’)とした。フタロシアニン化合物(b)、
(b’)それぞれ100mgをエチルセロソルブ3ml
に加え、超音波洗浄機で20分間溶解し、0.2μのフ
ィルターをかけた後、この溶液用いて、減圧加熱処理し
たガラス基板上にスピンコーターで、1200rpmで
色素膜を形成した。得られた膜の最大吸収極大(λmax
)における吸光度を分光光度計で測定し、その値を1
00とした。次に、成膜したガラス基板を耐光性試験機
にかけ、5万ルクス、150時間照射後のλmax におけ
る吸光度を同様に測定し、初期値100に対する割合で
評価した。結果を表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】比較例3 フタロシアニン化合物(c)〜(f)それぞれ100m
gをエチルセロソルブ3mlに加え、超音波洗浄機で2
0分間溶解し、0.2μのフィルターをかけた後、この
溶液用いて、減圧加熱処理したガラス基板上にスピンコ
ーターで、1200rpmで色素膜を形成した。得られ
た膜の最大吸収極大(λmax )における吸光度を分光光
度計で測定し、その値を100とした。次に、成膜した
ガラス基板を耐光性試験機にかけ、5万ルクス、150
時間照射後のλmax における吸光度を同様に測定し、初
期値100に対する割合で評価した。結果を表1に示し
た。
【0038】実施例3 フタロシアニン化合物(c)〜(f)それぞれ100m
gと安定化剤としてp-トルエンスルホン酸20mgをエ
チルセロソルブ3mlに加え、超音波洗浄機で20分間
溶解し、0.2μのフィルターをかけた後、上記と同様
に色素膜を形成した。得られた膜の最大吸収極大(λma
x )における吸光度を分光光度計で測定し、その値を1
00とした。次に、成膜したガラス基板を耐光性試験機
にかけ、5万ルクス、150時間照射後のλmax におけ
る吸光度を同様に測定し、初期値100に対する割合で
評価した。 結果を表3に示した。
【0039】
【表3】
【0040】比較例4 フタロシアニン化合物(g)〜(j)それぞれ100m
gをエチルセロソルブ3mlに加え、超音波洗浄機で2
0分間溶解し、0.2μのフィルターをかけた後、この
溶液用いて、減圧加熱処理したガラス基板上にスピンコ
ーターで、1200rpmで色素膜を形成した。得られ
た膜の最大吸収極大(λmax )における吸光度を分光光
度計で測定し、その値を100とした。次に、成膜した
ガラス基板を耐光性試験機にかけ、5万ルクス、150
時間照射後のλmax における吸光度を同様に測定し、初
期値100に対する割合で評価した。結果を表4に示し
た。
【0041】実施例4 フタロシアニン化合物(g)〜(j)それぞれ100m
gと安定化剤としてp-トルエンスルホン酸20mgをエ
チルセロソルブ3mlに加え、超音波洗浄機で20分間
溶解し、0.2μのフィルターをかけた後、上記と同様
に色素膜を形成した。得られた膜の最大吸収極大(λma
x )における吸光度を分光光度計で測定し、その値を1
00とした。次に、成膜したガラス基板を耐光性試験機
にかけ、5万ルクス、150時間照射後のλmax におけ
る吸光度を同様に測定し、初期値100に対する割合で
評価した。結果を表4に示した。
【0042】
【表4】
【0043】比較例5、実施例5 実施例4における、安定化剤をp-トルエンスルホン酸か
ら、リン酸ジブトキシに代えて、同様に実験を行った。
結果を表5に示した。
【0044】
【表5】
【0045】比較例6 深さ160オングストローム、幅0.4ミクロン、ピッ
チ1.6ミクロンの案内溝を有する暑さ1.2mm、外
径200mm、内径30mmのポリカーボネート基板上
に、フタロシアニン化合物(h)の5%wtエチルセロ
ソルブ溶液を作成し、スピンコーターを用いて膜厚80
0オングストロームに成膜した。次に反射膜として、こ
の色素膜の上に金を800オングストロームでスパッタ
リングにより成膜した。さらに、この上にUV硬化樹脂
により保護層を設けて、CD−Rディスクを作成した。
この媒体を780nmの半導体レーザーを用いて、線速
1.2m/secでEFM信号を記録した。記録信号特
性をオレンジブックに従って評価した。次に、この光デ
ィスクを、耐光性試験機にかけ、5万ルクス、100時
間後取り出し、上記と同様に記録して、記録信号特性を
評価した。結果を表6に示した。
【0046】実施例6 比較例6において、フタロシアニン化合物(h)の5%
wtエチルセロソルブ溶液の代わりに、フタロシアニン
化合物(h)0.45g、安定化剤としてp-トルエンス
ルホン酸0.05gをエチルセロソルブ10mlに溶解
した溶液を用いて比較例6と同様にディスクを作成し
た。この媒体を780nmの半導体レーザーを用いて、
線速1.2m/secでEFM信号を記録した。記録信
号特性をオレンジブックに従って評価した。次に、この
光ディスクを、耐光性試験機にかけ、5万ルクス、10
0時間後取り出し、上記と同様に記録して、記録信号特
性を評価した。結果を表6に示した。
【0047】
【表6】
【0048】
【発明の効果】記録層に用いるフタロシアニン色素を、
本発明による有機酸誘導体などの安定化剤との化学的処
理、または少量添加により、特に耐光性向上に著しく効
果があることが確認され、高信頼性を有する光記録媒体
の提供が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 希 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板、フタロシアニン化合物を含有す
    る記録層、反射層、保護層の4層よりなる光記録媒体に
    おいて、該記録層に一般式(1)で示される安定化剤を
    含有することを特徴とする光記録媒体。 一般式(1) (A)t−X [式中、Aは、置換基を有してもよいアルキル基、置換
    基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい脂
    環残基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を
    有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキ
    シ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基
    を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよ
    いアリールアミノ基を示す。Xはスルホン酸基、カルボ
    ン酸基、リン酸基を表す。tは1または2を表す。]
  2. 【請求項2】記録層に含有される金属フタロシアニン化
    合物が、中心金属からフタロシアニン環平面より垂直方
    向に置換基を持つフタロシアニン化合物である請求項1
    の光記録媒体。
  3. 【請求項3】フタロシアニン化合物が一般式(2)で示
    されるフタロシアニン化合物である請求項2の光記録媒
    体。 一般式(2) 【化1】 [式中、X1 〜X4 はそれぞれ独立に、水素原子、置換
    基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいア
    リール基、置換基を有してもよい脂環残基、置換基を有
    してもよいアラルキル基、置換基を有してもよい複素環
    基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
    てもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアル
    キルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基を表
    す。Y1 〜Y4 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
    原子、ニトロ基、置換基を有してもよいフタルイミドメ
    チル基、置換基を有してもよいスルホンアミド基を表
    す。Mは、Al、Ga、In、Si、Ge、Snを表
    す。Wは -OP(=O)R1 R2 を表し、ここでR1 、
    R2 はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換基を有
    してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
    てもよいアリールオキシ基を表す。n1 〜n4 は置換基
    X1 〜X4 の数を表し、それぞれ独立に1〜4の整数を
    表す。m1 〜m4 は置換基Y1 〜Y4 の数を表し、それ
    ぞれ独立に0〜4の整数を表す。kは置換基Wの数を表
    し、1または2を表す。]
  4. 【請求項4】請求項1〜3の光記録媒体の記録層に使用
    する光記録媒体用組成物。
JP7321349A 1995-12-11 1995-12-11 光記録媒体及び光記録媒体用組成物 Pending JPH09156220A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013079301A (ja) * 2011-10-03 2013-05-02 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd アルミニウムフタロシアニン
JP2013087251A (ja) * 2011-10-21 2013-05-13 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd アルミニウムフタロシアニン
JP2017066099A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 株式会社日本触媒 フタロシアニン化合物および該フタロシアニン化合物を含む組成物

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