JPH08282103A - 光記録材料およびそれを用いた光学記録媒体 - Google Patents

光記録材料およびそれを用いた光学記録媒体

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JPH08282103A
JPH08282103A JP7089122A JP8912295A JPH08282103A JP H08282103 A JPH08282103 A JP H08282103A JP 7089122 A JP7089122 A JP 7089122A JP 8912295 A JP8912295 A JP 8912295A JP H08282103 A JPH08282103 A JP H08282103A
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JP
Japan
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group
substituent
phthalocyanine compound
optical recording
atom
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JP7089122A
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English (en)
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Tetsuya Kaneko
哲也 金子
Mare Sakamoto
希 坂本
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 追記型コンパクトディスク(CD−R)ある
いは、レ−ザ−波長600〜700nmの高密度光記録
に対応した光学記録媒体の開発 【構成】置換基X1〜X4がそれぞれ独立に、置換基を有
してもよい複素環基を持つ下記フタロシアニン化合物
を、少なくとも一種以上含有する有機薄膜層を有するこ
とを特徴とする光学記録媒体。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー光線によって
情報を書込んだり、読み取ったりすることが可能な光学
記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザー光線を用いて情報を記録
する媒体には種々のものがあるが、その一つにレーザー
光線を基板上の記録層に照射することによって、照射部
分を局部的に加熱し、融解、蒸発または分解等の物理的
あるいは化学的変化を起こさせ情報を記録するものがあ
る。これまで基板上の記録層として、As、Te、S
e、Ti等の金属や合金の薄膜層が使用されてきた。こ
のような記録層を有する光学記録媒体は、一般に比較的
書込み感度が高く、また、記録再生の光学系が小型にで
きる半導体レーザーにも適用することができるが、熱伝
導率が大きい等の理由で記録時にレーザー光線のエネル
ギーを効率よく利用できない。また、これらの記録層は
化学的に不安定であり、空気中で劣化されること等が問
題であった。
【0003】近年では波長780nm〜830nmの半導体
レーザーを用いて情報の記録、再生を行なうことが主流
となってきたため、有機色素を記録層に用いても記録に
十分なエネルギーを得ることができ、半導体レーザーを
用いて融解、蒸発または分解等によって容易に小さな凹
部(ピット)を形成できる利点を持っている。有機薄膜
層を基板上に形成させ、レーザー光線を用いて情報を記
録、再生する光ディスクとして特開昭57−8209
3、特開昭58−56892、特開昭61−17728
7、特開昭61−25886の各号公報やアメリカ特許
4,492,750等がすでに公知である。しかしなが
ら、半導体レーザー光線に対して吸光係数が大きく、記
録感度の高い光学記録媒体として完全に満足できるもの
は開発されていないのが実情である。
【0004】その後、特定の光学定数を有するシアニン
色素を記録膜として、さらに記録膜上に反射膜を設ける
事により反射率を65%以上まで向上させ、CDフォー
マットあるいはCD−ROMフォーマット信号が記録で
き、しかもCDまたはCD−ROMの再生装置で再生で
きる光デイスクおよび方法が提案(特開平2−4265
2、2−147286)され、既に実用化されている。
しかしながら、一般にシアニン色素は光安定性が悪いた
め、直接太陽光に曝さらされるような使用条件では記録
の信頼性に問題が生じる可能性があり、シアニン色素を
記録膜にしたCD−Rでは、再生専用のCDあるいはC
D−ROMと同様の信頼性は実現されていない。。
【0005】そのため、化学的、物理的安定性の優れた
フタロシアニン色素が注目され、CD−Rの記録膜材料
に応用する検討が行なわれてきている。フタロシアニン
色素の光記録媒体への応用については、ファイリングシ
ステム用の追記型光ディスクの検討の頃より行なわれて
きているが、有機溶媒への溶解性付与、光学特性の制
御、記録感度の向上等が非常に困難な問題になってい
た。近年、特公平4−53713、特開平5−1272
に提案されたCD−R用の記録膜材料は、従来のシアニ
ン色素に匹敵する特性が実現され、CD−Rの規格であ
るオレンジブックに準拠するメデイアとして一部実用化
に至っているが、実用上の問題点として、最短ピットで
ある3T信号が長く、逆に最長ピットである11T信号
が短くなる傾向にあり、エラー発生の原因として課題が
残っている。また、一部の再生機に採用されている位相
差法によるトラッキング方式への適性も十分なマージン
が得られていない。
【0006】以上のように、耐久性の優れたフタロシア
ニン色素もCD−R用の記録膜材料として使用できるレ
ベルに到達してきたが、実用上の適性をすべて満足でき
ているとは言い難い。また、半導体レーザーの短波長化
の技術が進むにつれ、最近では600〜700nmの半
導体レーザーを記録再生に応用して高密度記録を実現し
ようという試みがなされている。しかしながら、これま
でに知られているCD−R用に開発されたフタロシアニ
ン色素等では、最大吸収極大が700nm近辺にあるた
め、反射率が十分にとれないことから、こうした短波長
レーザーに対応した記録膜材料としては不適格であっ
た。現状ではシアニン系色素を使用して応用が試みられ
ているが、耐久性の点から問題が残っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学的、物
理的に安定でレーザー光線により高感度に記録、再生で
きる安価な特定のフタロシアニン系化合物を用いた光学
記録媒体を提供するものである。また、CD−R型光記
録媒体については、オレンジブック規格に準拠し、実用
適性も満足する耐久性に優れた光ディスクを提供するも
のである。さらに、耐久性の優れた、600〜700n
mの短波長レーザーを使用した高密度記録媒体を実現す
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究を
行なった結果、基板上に一般式(1)で示される特定の
フタロシアニン化合物からなる記録層を有する光学記録
媒体が優れた種々の特性を有することを見出し、本発明
を完成するに至った。即ち本発明は、下記一般式(1)
で示されるフタロシアニン化合物からなる光記録材料に
関する。
【0009】
【0010】[式中、X1〜X4はそれぞれ独立に、置換
基を有してもよい複素環基を表す。A1〜A4はそれぞれ
独立に酸素原子、または、硫黄原子を表す。Y1〜Y4は
それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、
シアノ基、スルホン酸基、カルボン酸基、置換基を有し
てもよいフタルイミドメチル基、置換基を有してもよい
アルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、
置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよ
いアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ
基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有
してもよいアリールチオ基を表す。
【0011】MはH2または金属原子を表わす。置換基
Z1、置換基Z2は、中心金属Mに導入された置換基を表
し、それぞれ独立に水素原子、酸素原子、ハロゲン原
子、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基
を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアシ
ル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有
してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいシ
リルオキシ基、または、-OP(=O)R1R2を表す。ここでR
1、R2、は水素原子、置換基を有してもよいアルキル
基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有して
もよいアルコキシ基を表す。
【0012】k1〜k4はそれぞれ置換基−A1-X1〜−A4
-X4の数を表し、m1〜m4、および、p1、p2はそれぞれ、
Y1〜Y4、および、Z1、Z2の置換基の数を表わす。こ
こで、k1〜k4はそれぞれ独立に0〜4の整数を表わすが、
すべてが同時に0になることはない。m1〜m4はそれぞれ
独立に0〜4の整数を表わす。p1、p2はそれぞれ0〜1の整
数を表す。] 更に本発明は、基板上に上記光記録材料を記録膜として
含有すること を特徴とする光記録媒体に関する。更に
本発明は、記録膜がレーザー波長600〜700nmで
記録されるものである上記光学記録媒体に関する。
【0013】上記一般式(1)についてさらに詳しく説
明すると、X1〜X4で表される置換基を有してもよい複
素環基としては、2-ピリジニル基、3-ピリジニル基、
4-ピリジニル基、2-メチル-5-ピリジニル基、5-ニ
トロ-2-ピリジニル基、3-ピリダジニル基、4-ピリダ
ジニル基、5-メチル-3-ピリダジニル基、2-ピリミジ
ニル基、4,6-ジメチルピリミジニル基、2-ピラジニ
ル基、4-ピペリジニル基、1-メチル-4-ピペリジニル
基、1-エチル-3-ピペリジニル基、1-メチル-3-ピペ
ラジニル基、4-メチル-3-モルホリニル基、2-チエニ
ル基、2-ベンゾチエニル基、3-フリル基、3-ピラニ
ル基、1-ピロリル基、2H-3-ピロリル基、2-イミダ
ゾリル基、1-メチル-3-ピラゾリル基、3H-2-イン
ドリル基、1H-3-インダゾリル基、8-プリニル基、
4H-2-キノリジニル基、3-イソキノリル基、2-キノ
リル基、1-フタラジニル基、2-キノキサリニル基、2
-キナゾリニル基、3-シンノリニル基、2-チアゾリニ
ル基、3-イソチアゾリル基、2-オキサゾリニル基、3
-イソオキサゾリル基、3-フラジニル基、2-ピロリジ
ニル基、3-ピロリニル基、1,3-ジメチル-2-イミダ
ゾリジニル基、1-メチル-4-イミダゾリニル基、1,
3,5-トリアジニル基、1-メチル-5-テトラゾリル
基、5-メチル-2-(1,3,4)-チアジアゾリル基、
2-ベンゾチアゾリル基、2-ベンゾオキサゾリル基等が
あるが、これらに限定されるものではない。
【0014】置換基Y1〜Y4、および、置換基Z1、Z2
におけるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、
フッ素等があり、置換基を有してもよいアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、iso-プロピル基、n-ブチル
基、tert-ブチル基、2-エチルヘキシル基、ステアリル
基、トリクロロメチル基、2-メトキシエチル基、2-エト
キシエチル基、トリフルオロメチル基等があり、置換基
を有してもよいアリ−ル基としてはフェニル基、クロロ
フェニル基、p-ニトロフェニル基、トルイル基、ナフチ
ル基、アントリル基、ジメチルアミノフェニル基、ヒド
ロキシフェニル基、ジエチルアミノナフチル基、ヒドロ
キシナフチル基等があり、置換基を有してもよいシクロ
アルキル基としては、シクロヘキシル基、p-(tert-ブチ
ル)シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロブチ
ル基等があり、置換基を有してもよいアルコキシ基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、iso-プロポキシ基、n-
ブトキシ基、tert-ブトキシ基、2-エチルヘキシルオキ
シ基、オクチルオキシ基、トリクロロメトキシ基、2-メ
トキシエトキシ基、2-エトキシエトキシ基、トリフルオ
ロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,3,
3-テトラフルオロプロポキシ基、2,2-ビストリフルオロ
メチルプロポキシ基、2,4-ジメチル-3-ペンチルオキシ
基、シクロヘキシルオキシ基、p-(tert-ブチル)シクロ
ヘキシルオキシ基等があり、置換基を有してもよいアリ
−ルオキシ基としては、フェノキシ基、2-メチルフェノ
キシ基、2-クロロフェノキシ基、4-ニトロフェノキシ
基、4-ジエチルアミノフェノキシ基、4-トリフルオロメ
チルフェノキシ基、ナフチルオキシ基等があり、置換基
を有してもよいアルキルチオ基としては、メトルチオ
基、エチルチオ基、iso-プロピルチオ基、n-ブチルチオ
基、tert-ブチルチオ基、tert-アミルチオ基、iso-アミ
ルチオ基、ヘキシルチオ基、2-エチルヘキシルチオ基、
オクチルチオ基、2-ヒドロキシエチルチオ基、2-エトキ
シエチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、シクロヘ
キシルチオ基、p-(tert-ブチル)シクロヘキシルチオ
基、アダマンチルチオ基等があり、置換基を有してもよ
いアリ-ルチオ基としては、フェニルチオ基、4-クロロ
フェニルチオ基、4-ニトロフェニルチオ基、4-ジエチル
アミノフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ
基、ナフチルチオ基等があるがこれらに限定されるもの
ではない。
【0015】Mはフタロシアニンの中心金属を表すが、
無金属フタロシアニンの場合は2つの水素原子を表し、
他の金属原子としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、
Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Al、Si、M
o、Pd、Cd、In、Sn、Pb等がある。Z1、Z2
は中心金属Mが三価以上の金属のときに、中心金属から
フタロシアニン環に垂直な方向に導入され得る置換基を
表し、水素原子、酸素原子、水酸基、置換基Y1〜Y4で
例示したような置換基の他に、リン原子を含んだ置換基
の例として、ジブチルホスフィノキシ基、ジフェニルホ
スフィノキシ基、リン酸ジエチル基、リン酸ジフェニル
基等がある。
【0016】本発明の一般式(1)で示されるフタロシ
アニン化合物の特徴は、フタロシアニン環に導入された
複素環を有する置換基−A1-X1〜−A4-X4により汎用
の溶媒に対する溶解性が向上する。光学記録媒体の記録
膜用色素として一般的なアルコキシ基、アルキルチオ基
を有するフタロシアニン化合物は、特公平4−1526
4、特開平4−15266、特開昭61−15488等
に開示されているが、一般的にハロゲン系溶媒には高い
溶解性を示すが、扱い易いアルコール系、セロソルブ系
等の溶媒には難溶なものが多い。特開平5−17700
等には、特殊なかさ高いアルコキシ基置換されたフタロ
シアニン化合物の例が紹介されているが、炭化水素系溶
媒には可溶であるが、アルコール系、セロソルブ系等の
溶媒には、以前難溶であり、記録膜形成に際して問題と
なる点が多かった。本発明におけるフタロシアニン化合
物は扱い易いアルコール系、セロソルブ系溶媒に適度な
溶解性を持つため、通常のスピンコート法による記録膜
形成が容易である。
【0017】また、一般的なアルコキシ基、アルキルチ
オ基を有するフタロシアニン化合物は、通常置換基の無
い無置換のフタロシアニンに比べて、最大吸収極大が長
波長側にシフトするため、記録再生に使用する半導体レ
ーザーの波長が比較的長波長(770〜790nm)の
CD−R等の場合には、分光特性と記録再生特性のマッ
チングをとり易いが、次世代の高密度記録を狙った70
0nm以下の波長のレーザーを使用した記録には適して
いるとはいえない。しかしながら、本発明におけるフタ
ロシアニン化合物の最大吸収極大は、一般的なアルコキ
シ基、アルキルチオ基を有するフタロシアニン化合物に
比べてはるかに短波長領域にあるため、こうした短波長
レーザーの記録にも十分対処できる。また、特開平5−
86301等に示されているように、フタロシアニンに
環化した後、ハロゲン化したり、ニトロ基、フタルイミ
ドメチル基等の置換基を導入したりすることにより、最
大吸収極大を長波長側にシフトさせたり、フタロシアニ
ン環合成の際に通常のアルコキシ基、アルキルチオ基を
も導入することにより最大吸収極大を長波長シフトさせ
ることも可能であり、CD−Rで使用されている770
〜790nmのレーザーによる記録にも十分対処でき
る。
【0018】上記一般式(1)で示されるフタロシアニ
ン化合物は下記一般式(2)、(3)で表わされるフタ
ロニトリル誘導体、ジイミノイソインドレニン誘導体を
適当な溶媒中、各種金属塩、触媒とともに加熱攪拌する
ことにより得られる。また、こうして得られたフタロシ
アニン化合物に、さらに後から置換基を導入したり、置
換基Z1、Z2が、ハロゲン原子や水酸基以外の場合に
は、ハロゲン原子を水酸基に加水分解した後、適当な試
薬を用いて相当する置換基Z1、Z2に誘導して、合成す
ることができる。
【0019】
【化2】
【0020】[式中のX、Y、A、k および、m は一般
式(1)中のX1〜X4、Y1〜Y4、A1〜A4、k1〜k4お
よび、m1〜m4に対応する。] 本発明で使用される一般式(1)で示されるフタロシア
ニン化合物の代表的な例として、下記に示すフタロシア
ニン化合物(1)〜(50)等が揚げられるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】本発明において用いられる透明基板として
は、信号の書込みや読み出しを行なうために光の透過率
が好ましくは85%以上であり、かつ光学異方性の小さ
いものが望ましい。例えば、ガラスまたはアクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリア
ミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルエステル樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えばポリ−
4−メチルペンテン等)、ポリエーテルスルホン樹脂等
の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、アリル樹脂等の熱硬化
性樹脂を用いた基板が挙げられる。これらの中で、成型
のしやすさ、案内溝やアドレス信号等の付与のしやすさ
などから前記した熱可塑性樹脂が好ましい。
【0034】本発明においては、これらの透明基板の厚
さは特に制限がなく、板状でもフィルム状でも良い。ま
た、その形状は円形やカード状でもよく、その大きさに
は特に制限はない。つまり一般の光ディスクという円盤
状のものに限定されるものではなく、光カードやテープ
状あるいはシート状の記録媒体でもよい。また、本発明
の透明基板には、記録および読み出しの際の位置制御の
ための案内溝やアドレス信号や各種マーク等のポリフォ
ーマット用の凹凸を通常有しているが、これらの凹凸は
前記したような熱可塑性樹脂を成型(射出、圧縮等)す
る際にスタンパーなどを用いて付与するのが好ましい。
【0035】本発明の光学記録媒体において、フタロシ
アニン系化合物を含有する記録層を透明基板上に定着す
るには、ドライプロセス例えば、真空蒸着法、スパッタ
リング法によっても可能である。また、ウェットプロセ
ス例えば、スピンコート法、ディップ法、ロールコート
法あるいはLB(ラングミュア−ブロジェット)法によ
っても可能である。記録膜材料が汎用の有機溶剤例え
ば、アルコール系、ケトン系、セロソルブ系、ハロゲン
化炭化水素系、フロン系溶剤等に可溶な場合は、生産性
等からスピンコート法によって成膜する方法が望まし
い。このようにいわゆる塗布法で成膜する場合には、必
要に応じて高分子バインダーを加えてもよい。高分子バ
インダーとしては塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート
樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、ニトロセルロース、フェノール樹脂などが挙げられ
る。高分子バインダーを用いる場合、色素系に対する高
分子バインダーの比率は30重量%以下が好ましい。
【0036】本発明の記録膜層の最適膜厚は、記録膜材
料の種類および組み合わせにより異なるため特に制限は
なく、500〜3000オングストロ−ムが好ましく、
さらに700〜2500オングストロ−ムが最適膜厚範
囲である。本発明のフタロシアニン色素を用いた記録膜
層には、記録膜の耐光性、耐環境性等の安定性、繰り返
し再生の安定性をさらに向上させる目的で、酸素クエン
チャー、紫外線吸収剤等の添加剤を加えても良い。透明
基板/記録膜層/反射膜層の3層構造からなる追記型光
学記録媒体の場合には、反射膜素材としては、金、銀、
銅、白金、アルミニウム、コバルト、スズ等の金属およ
びこれらを主成分とした合金、MgO,ZnO,SnO
等の金属酸化物、SiN4、AlN、TiN等の窒化物
等が挙げられるが、絶対反射率が高く安定性に優れてい
る点から金が最適である。また、場合によっては有機性
の高反射膜を使用することもできる。このような反射膜
の成膜方法としては、ドライプロセス例えば真空蒸着
法、スパッタリング法が最も好ましいがこれらに限られ
るものではない。
【0037】本発明の反射膜の最適膜厚については、特
に制限はないが400〜1300オングストロ−ムの範
囲が好ましい。さらに、反射膜の上より、デイスク特に
記録膜層および反射膜層の化学的劣化(例えば酸化、吸
水等)および物理的劣化(例えば傷、けずれ等)を防ぐ
目的でデイスクを保護するための保護層を設ける。保護
層用の材料としては、紫外線硬化型樹脂を用いて、スピ
ンコートにより塗布し、紫外線照射により硬化させる方
法が好ましいがこれに限られるものではない。保護層の
最適膜厚については、薄い場合には、保護の効果が低下
し、厚い場合には樹脂の硬化時の収縮によりデイスクの
そり等の機械特性の悪化の原因になるため、2〜20ミ
クロンの範囲で成膜することが好ましい。
【0038】さらに、CDおよびCD−ROM対応の追
記型光ディスクの場合には、ディスク形態はCDあるい
はCD−ROMの規格(レッドブック)およびCD−R
の規格(オレンジブック)に準拠していることが好まし
い。次に、本発明を実施例により、更に具体的に説明す
るが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0039】
【実施例】
[合成例 1] フタロシアニン化合物(1)の合成 n−ペンチルアルコ−ル80.0gに3−(2−ピリジ
ノキシ)フタロニトリル6.0gと三塩化バナジウム
1.4gを添加し撹拌した。これに、1,8−ジアザビ
シクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)4.
1gを加え、昇温し136℃で4時間還流させた。撹拌
したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノ−ル2
50ml、水500mlの混合溶媒中へ撹拌下注入し、
青色のスラリ−を得た。このスラリ−をろ過し、メタノ
−ル100ml、水200mlの混合溶媒で洗浄し、乾
燥して青色の粉末を1.8g得た。収率27.9%。こ
の粉末はFD−MS測定の結果フタロシアニン化合物
(1)であることを確認した。
【0040】[合成例 2] フタロシアニン化合物
(2)の合成 n−ペンチルアルコ−ル60.0gに3−(3−ピリジ
ノキシ)フタロニトリル6.0gと塩化第一銅0.7g
を添加し撹拌した。これに、DBU4.1gを加え、昇
温し136℃で4時間還流させた。撹拌したまま30℃
まで冷却した反応溶液を、メタノ−ル400ml、水2
0mlの混合溶媒中へ撹拌下注入し、青色のスラリ−を
得た。このスラリ−をろ過し、メタノ−ル200ml、
水10mlの混合溶媒で洗浄し、乾燥して青色の粉末を
1.8g得た。収率28.0%。この粉末はFD−MS
測定の結果フタロシアニン化合物(2)であることを確
認した。
【0041】[合成例 3] フタロシアニン化合物
(3)の合成 スルホラン100.0gに3−(3−ピリジノキシ)
1,3−ジイミノイソインドレリン10.0gとDBU
19.2gを加えた。これに、四塩化ケイ素7.2gを
滴下した。滴下終了後昇温し160℃で6時間反応させ
た。反応終了後、30℃まで冷却した反応溶液を、氷水
500g中に撹拌下注入し、青色のスラリ−を得た。こ
のスラリ−をろ過し、メタノ−ル/水=4/1の混合溶
媒で洗浄後乾燥して青色の粉末を6.4g得た。この粉
末をピリジン96gに溶解させ、ジフェニルホスフィン
クロライド23.6gを滴下した。滴下終了後、昇温し
130℃で4時間反応させた。30℃まで冷却した反応
溶液を氷水1200g中に撹拌下注入して、青色のスラ
リ−を得た。このスラリ−をろ過し、メタノ−ル400
ml、水100mlの混合溶媒で洗浄後乾燥して青色の
粉末を6.5g得た。収率46.0%。この粉末はFD
−MS測定の結果目的のフタロシアニン化合物(3)で
あることを確認した。 [合成例 4] フタロシアニン化合物(11)の合成 スルホラン95gに3−(3−ピリジノキシ)1,3−
ジイミノイソインドレリン2.5gと3−(2,4−ジ
メチル−3−ペンタノキシ)1,3−ジイミノイソイン
ドレニン5.4gを溶解させ、これに塩化第一銅0.9
gを添加した。昇温し、155℃で4時間反応させた。
30℃まで冷却した反応溶液を1000gの氷水中に撹
拌下注入し青色のスラリ−を得た。これをろ過し、水洗
した後乾燥させ青色の粉末を7.1g得た。FD−MS
測定の結果ピ−クが3本あり、フタロシアニン化合物
(11)のピ−ク強度が一番大きく、残りは3−ピリジ
ノキシが2個の化合物と3個の化合物であることを確認
した。 [合成例 5] フタロシアニン化合物(18)の合成 スルホラン100gに4−(4−ピリジノキシ)1,3
−ジイミノイソインドレニン8gを溶解させ、これに塩
化パラジウム2.0gを添加した。以下、合成例4と同
様に処理して得られたフタロシアニン化合物5.0gを
無水酢酸100mlと発煙硝酸6.8g、96%硫酸
0.1gの混合溶媒中に−15℃を保ちながら添加し、
4時間撹拌した。この反応溶液を氷水2000gに水酸
化ナトリウム50gを溶解させた溶液中に撹拌下注入し
青色のスラリ−を得た。これをろ過し水洗後、ジメチル
ホルムアミド(DMF)120gに溶解した。不溶分を
ろ別し、ろ液に水90gを撹拌しながら滴下した。ろ過
して得られた青色の析出物を、メタノ−ル50mlと水
50mlの混合溶媒で洗浄し乾燥して、青色の粉体を
2.0g得た。この青色粉体はFD−MS測定の結果ピ
−クが4本あり、ニトロ基が1個〜4個導入されたフタ
ロシアニン化合物(18)であることを確認した。 [合成例 6] フタロシアニン化合物(20)の合成 合成例4と同様に合成して得られたフタロシアニン化合
物(11)5.0gを合成例5と同様にニトロ化して青
色の粉体を2.2g得た。FD−MS測定の結果フタロ
シアニン化合物(11)にニトロ基が1〜4個導入され
たフタロシアニン化合物(20)であることを確認し
た。 [合成例 7] フタロシアニン化合物(22)の合成 n−ペンチルアルコ−ル200gに4−(2−ピリミジ
ノキシ)フタロニトリル15.0gと三塩化バナジウム
3.5g、DBU10.3gを用いて合成例1と同様に
処理して得られたフタロシアニン化合物5.0gを四塩
化炭素100mlに溶解させ、氷浴下これに臭素3.0
gと四塩化炭素30mlの混合溶液を滴下した。滴下終
了後40℃で2時間撹拌した。この反応溶液に10%亜
硫酸水素ナトリウム水溶液100gを加え洗浄した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで脱水しろ過後、溶媒の四
塩化炭素を留去した。得られた青色粉体をメタノ−ル5
00ml中に添加し青色のスラリ−とした。これをろ過
し乾燥して、青色粉体3.8gを得た。FD−MS測定
の結果臭素が1〜4個導入されたフタロシアニン化合物
(22)であることを確認した。 [合成例 8] フタロシアニン化合物(23)の合成 スルホラン100.0gと3−(3−ピリジノキシ)
1,3−ジイミノイソインドレリン10.0g、3−
(n−ブチロキシ)1,3−ジイミノイソインドレニン
9.2g、DBU12.8gそして、四塩化ケイ素1
4.3gを用いて合成例3と同様に合成し得られたフタ
ロシアニン化合物10.0gを、ピリジン100gとジ
フェニルホスフィンクロライド40gを用いて合成例3
と同様に反応させ、処理し青色粉末3.4gを得た。F
D−MS測定の結果ピ−クが3本あり、この中で一番ピ
−ク強度の大きいのがフタロシアニン化合物(15)で
あり、残りのピ−クはn−ブチル基が1個のものと3個
のものであることを確認した。このフタロシアニン化合
物(15)3.4gと四塩化炭素68ml、臭素2.0
gを合成例7と同様に処理した結果、青色粉末2.8g
を得た。FD−MS測定の結果、臭素が1〜4個のフタ
ロシアニン化合物(23)であることを確認した。 [合成例 9] フタロシアニン化合物(27)の合成 スルホラン100gに3−(2−ピリミジンメルカプト
キシ)1,3−ジイミノイソインドレニン10.0gを
溶解させ、これに塩化パラジウム2.2gを添加した。
以下、合成例4と同様に処理して青色粉体6.5gを得
た。収率62.7%。FD−MS測定の結果フタロシア
ニン化合物(27)であることを確認した。 [合成例 10] フタロシアニン化合物(28)の合
成 n−ペンチルアルコ−ル100.0gに3−(4,6−
ジメチル−2−ピリミジンメルカプトキシ)フタロニト
リル10.0gと三塩化バナジウム2.0g、DBU
5.7gを添加した。以下合成例1と同様に処理し、青
色粉体5.8gを得た。収率54.6%。FD−MS測
定の結果フタロシアニン化合物(28)であることを確
認した。 [合成例 11] フタロシアニン化合物(33)の合
成 n−ペンチルアルコ−ル100.0gに4−(2−ピリ
ミジンメルカプトキシ)フタロニトリル5.0gと3−
(2,2−ヘキサフルオロプロポキシ)フタロニトリル
6.8g、三塩化バナジウム2.2g、DBU6.4g
を添加した。以下合成例1と同様に処理し、青色の粉体
7.2gを得た。FD−MS測定の結果フタロシアニン
化合物(33)であることを確認した。 [合成例 12] フタロシアニン化合物(39)の合
成 n−ペンチルアルコ−ル100.0gに4−(4,6−
ジメチル−2−ピリミジンメルカプトキシ)フタロニト
リル5.0gと3−(2,2−ジメチルプロポキシ)フ
タロニトリル4.0gと塩化ニッケル1.2g、DBU
5.7gを添加した。以下合成例1と同様に処理し、青
色粉体6.2gを得た。FD−MS測定の結果フタロシ
アニン化合物(39)であることを確認した。 [合成例 13] フタロシアニン化合物(40)の合
成 n−ペンチルアルコ−ル100.0gに3−(4−ピリ
ジンメルカプトキシ)フタロニトリル10.0gと塩化
第一銅1.5g、DBU6.4gを添加して、合成例1
と同様に処理してフタロシアニン化合物(25)9.5
gを得た。収率89.1%。フタロシアニン化合物(2
5)8.0gと無水酢酸150ml、発煙硝酸10.9
g、96%硫酸0.1gを用いて合成例5と同様に処理
して青色粉末7.3gを得た。FD−MS測定の結果4
本のピ−クがあり、ニトロ基が1〜4個導入されたフタ
ロシアニン化合物(40)であることを確認した。 [合成例 14] フタロシアニン化合物(43)の合
成 スルホラン120gに3−(2−ピリミジンメルカプト
キシ)1,3−ジイミノイソインドレニン5.0gと3
−(1−エチル−1−ヘキサノキシ)1,3−ジイミノ
イソインドレニン5.7g、塩化コバルト1.4gを添
加し以下、合成例4と同様に処理し青色粉末8.8gを
得た。FD−MS測定の結果メインピ−クはフタロシア
ニン化合物(37)であることを確認した。
【0042】フタロシアニン化合物(37)5.0gと
無水酢酸100ml、発煙硝酸6.8g、96%硫酸
0.1gを用い以下、合成例5と同様に処理し青色粉末
4.3gを得た。FD−MS測定の結果、フタロシアニ
ン化合物(37)にニトロ基が1〜4個導入されたフタ
ロシアニン化合物(43)のピ−クを確認した。 [合成例 15] フタロシアニン化合物(45)の合
成 合成例9で得られたフタロシアニン化合物(27)5.
0gと四塩化炭素100ml、四塩化炭素30mlに溶
かした臭素3.0gを用いて以下、合成例7と同様に処
理して、青色粉末4.0gを得た。FD−MS測定の結
果臭素が1〜4個導入されたフタロシアニン化合物(4
5)であることを確認した。 [合成例 16] フタロシアニン化合物(47)の合
成 スルホラン150.0gに4−(2−ピリミジンメルカ
プトキシ)1.3−ジイミノイソインドレニン3.0g
と3−(2,4−ジメチル−3−ペンタノキシ)1,3
−ジイミノイソインドレニン9.8g、塩化パラジウム
2.9gを添加し以下、合成例4と同様に処理し、青色
粉末10.0gを得た。FD−MS測定の結果メインピ
−クはフタロシアニン化合物(35)であることを確認
した。
【0043】フタロシアニン化合物(35)5.0gと
四塩化炭素100ml、四塩化炭素30mlに臭素3.
0gを溶かした溶液を以下合成例7と同様に処理して青
色粉末4.0gを得た。FD−MS測定の結果臭素が1
〜4個導入されたフタロシアニン化合物(47)である
ことを確認した。 [合成例 17] フタロシアニン化合物(49)の合
成 n−ペンチルアルコ−ル100.0gに4,5−ジ(3
−ピリジノキシ)フタロニトリル10.0gと塩化第一
銅0.88gを添加し撹拌した。これに、DBU5.1
gを加え、昇温し136℃で4時間還流させた。撹拌し
たまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノ−ル50
0ml、水25mlの混合溶媒中へ撹拌下注入し、青色
のスラリ−を得た。このスラリ−をろ過し、メタノ−ル
400ml、水20mlの混合溶媒で洗浄し、乾燥して
青色の粉末を4.5g得た。収率46.2%。この粉末
はFD−MS測定の結果フタロシアニン化合物(49)
であることを確認した。 [実施例 1]深さ900オングストローム、幅0.4
ミクロン、ピッチ1.1ミクロンの案内溝を有する厚さ
1.20mm、外径200mm、内径30mmのポリカ
ーボネート基板上に、フタロシアニン化合物(1)の2
%wtエチルセロソルブ溶液を作成し、スピンコーター
を用いて、膜厚800オングストロームに成膜した。記
録膜の最大吸収波長は690nmであり、680nmで
の反射率は22%であった。
【0044】このようにして作成した光ディスクを用
い、波長685nm、N.A.=0.55の半導体レー
ザーを使用して8.0mW、線速度13m/secで、
周波数40MHzの信号を記録したところ、C/N比が
48dBとなり、再生可能な信号品質の記録ができた。 [実施例 2]深さ700オングストローム、幅0.4
ミクロン、ピッチ1.1ミクロンの案内溝を有する厚さ
1.20mm、外径200mm、内径30mmのポリカ
ーボネート基板上に、フタロシアニン化合物(2)の2
%wtエトキシエタノール溶液を作成し、スピンコータ
ーを用いて、膜厚800オングストロームに成膜した。
【0045】記録膜の最大吸収波長は670nmであ
り、680nmでの反射率は32%であった。このよう
にして作成した光ディスクを用い、波長685nm、
N.A.=0.55の半導体レーザーを使用して8.0
mW、線速度13m/secで、周波数40MHzの信
号を記録したところ、C/N比が50dBとなり、再生
可能な信号品質の記録ができた。 [実施例 3]フタロシアニン化合物(3)の3%wt
エチルセロソルブ溶液を作成し、スピンコーターを用い
て、深さ600オングストローム、幅1.2ミクロン、
ピッチ1.6ミクロンの案内溝を有する、外径120m
m、内径20mm、ポリカーボネート基板上に膜厚75
0オングストロームに成膜した。記録膜の最大吸収波長
は730nm、および780nmでの反射率は42%で
あった。
【0046】このようにして作成した光ディスクをター
ンテーブルに取り付け1800rpmで回転させながら
1.0ミクロンに収束した780nmのレーザー光を
8.0mW、8MHzで照射して記録を行なった。記録
を行なった記録媒体表面を走査型電子顕微鏡で観察した
ところ、鮮明なピットの形成が認められた。また、この
記録媒体に780nm、0.4mWのレーザー光を照射
し、反射光の検出を行なったところ、C/N比が52d
Bであった。 [実施例 4]深さ1200オングストローム、ピッチ
1.6ミクロンの案内溝を有する厚さ1.2mm、外径
120mm、内径15mmのポリカーボネート基板上
に、フタロシアニン化合物(8)のエチルセロソルブ
3.0%wt溶液を作成し、スピンコーターを用いて膜
厚1100オングストロームに成膜した。記録膜の最大
吸収波長は700nm、および780nmでの反射率は
50%であった。
【0047】また、この光ディスクをタ−ンテ−ブルに
取り付け1800rpmで回転させながら1.0ミクロ
ンに収束した、780nmのレ−ザ−光を7.5mw、
8MHzで照射して記録を行った。記録を行なった記録
媒体表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、鮮明な
ピットの形成が認められた。また、この記録媒体に78
0nm、0.4mWのレーザー光を照射し、反射光の検
出を行なったところ、C/N比が45dBであった。 [実施例 5]深さ1200オングストローム、ピッチ
1.6ミクロンの案内溝を有する厚さ1.2mm、外径
120mm、内径15mmのポリカーボネート基板上
に、フタロシアニン化合物(10)のエチルセロソルブ
3.0%wt溶液を作成し、スピンコーターを用いて膜
厚1000オングストロームに成膜した。記録膜の最大
吸収波長は705nm、および780nmでの反射率は
47%であった。
【0048】また、この光ディスクをタ−ンテ−ブルに
取り付け1800rpmで回転させながら1.0ミクロ
ンに収束した、780nmのレ−ザ−光を7.7mw、
8MHzで照射して記録を行った。記録を行なった記録
媒体表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、鮮明な
ピットの形成が認められた。また、この記録媒体に78
0nm、0.4mWのレーザー光を照射し、反射光の検
出を行なったところ、C/N比が50dBであった。 [実施例 6]深さ800オングストローム、ピッチ
1.6ミクロンの案内溝を有する厚さ1.2mm、外径
120mm、内径15mmのポリカーボネート基板上
に、フタロシアニン化合物(11)のエチルセロソルブ
5.0%wt溶液を作成し、スピンコーターを用いて膜
厚1200オングストロームに成膜した。次に、このよ
うにして得た塗布膜の上に金を膜厚800オングストロ
ームで真空蒸着により成膜した。さらに、この上にUV
硬化型樹脂により保護層を設けて光ディスクを作成し
た。
【0049】このようにして作成した光ディスクの反射
スペクトルは770〜810nmの波長範囲での反射率で
65%以上ありCDの規格を十分満足していた。また、
この光ディスクを用い、波長780nmの半導体レーザ
ーを使用して、線速1.2m/secで6mWの記録パ
ワーでEMF−CDフォーマット信号を記録したところ
記録が可能であった。次に、この信号をCDプレーヤー
により、線速1.2m/sec、再生出力0.5mWで
再生を行ったところ得られた信号は良好であり、市販の
CDプレーヤーに十分かかるレベルであった。 [実施例 7]深さ1200オングストローム、ピッチ
1.6ミクロンの案内溝を有する厚さ1.2mm、外径
120mm、内径15mmのポリカーボネート基板上
に、フタロシアニン化合物(17)のエチルセロソルブ
5.0%wt溶液を作成し、スピンコーターを用いて膜
厚900オングストロームに成膜した。記録膜の最大吸
収波長は695nm、および780nmでの反射率は5
0%であった。
【0050】また、この光ディスクをタ−ンテ−ブルに
取り付け1800rpmで回転させながら1.0ミクロ
ンに収束した、780nmのレ−ザ−光を7.5mw、
8MHzで照射して記録を行った。記録を行なった記録
媒体表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、鮮明な
ピットの形成が認められた。また、この記録媒体に78
0nm、0.4mWのレーザー光を照射し、反射光の検
出を行なったところ、C/N比が45dBであった。 [実施例 8]深さ800オングストローム、幅0.4
ミクロン、ピッチ1.1ミクロンの案内溝を有する厚さ
1.20mm、外径200mm、内径30mmのポリカ
ーボネート基板上に、フタロシアニン化合物(25)の
3%wtエチルセロソルブ溶液を作成し、スピンコータ
ーを用いて、膜厚700オングストロームに成膜した。
【0051】記録膜の最大吸収波長は685nmであ
り、680nmでの反射率は26%であった。このよう
にして作成した光ディスクを用い、波長685nm、
N.A.=0.55の半導体レーザーを使用して8.0
mW、線速度13m/secで、周波数40MHzの信
号を記録したところ、C/N比が42dBとなり、再生
可能な信号品質の記録ができた。 [実施例 9]深さ800オングストローム、幅0.4
ミクロン、ピッチ1.1ミクロンの案内溝を有する厚さ
1.20mm、外径200mm、内径30mmのポリカ
ーボネート基板上に、フタロシアニン化合物(28)の
3%wtジアセトンアルコール溶液を作成し、スピンコ
ーターを用いて、膜厚700オングストロームに成膜し
た。 記録膜の最大吸収波長は680nmであり、68
0nmでの反射率は31%であった。
【0052】このようにして作成した光ディスクを用
い、波長685nm、N.A.=0.55の半導体レー
ザーを使用して8.0mW、線速度13m/secで、
周波数40MHzの信号を記録したところ、C/N比が
43dBとなり、再生可能な信号品質の記録ができた。 [実施例 10]フタロシアニン化合物(39)の3%
wtエチルセロソルブ溶液を作成し、スピンコーターを
用いて、深さ800オングストローム、幅1.2ミクロ
ン、ピッチ1.6ミクロンの案内溝を有する、外径12
0mm、内径20mm、ポリカーボネート基板上に膜厚
750オングストロームに成膜した。記録膜の最大吸収
波長は710nm、および780nmでの反射率は32
%であった。
【0053】このようにして作成した光ディスクをター
ンテーブルに取り付け1800rpmで回転させながら
1.0ミクロンに収束した780nmのレーザー光を
7.5mW、8MHzで照射して記録を行なった。記録
を行なった記録媒体表面を走査型電子顕微鏡で観察した
ところ、鮮明なピットの形成が認められた。また、この
記録媒体に780nm、0.4mWのレーザー光を照射
し、反射光の検出を行なったところ、C/N比が42d
Bであった。 [実施例 11]フタロシアニン化合物(44)の3%
wtエチルセロソルブ溶液を作成し、スピンコーターを
用いて、深さ800オングストローム、幅1.2ミクロ
ン、ピッチ1.6ミクロンの案内溝を有する、外径12
0mm、内径20mm、ポリカーボネート基板上に膜厚
9000オングストロームに成膜した。記録膜の最大吸
収波長は715nm、および780nmでの反射率は4
8%であった。
【0054】このようにして作成した光ディスクをター
ンテーブルに取り付け1800rpmで回転させながら
1.0ミクロンに収束した780nmのレーザー光を
7.0mW、8MHzで照射して記録を行なった。記録
を行なった記録媒体表面を走査型電子顕微鏡で観察した
ところ、鮮明なピットの形成が認められた。また、この
記録媒体に780nm、0.4mWのレーザー光を照射
し、反射光の検出を行なったところ、C/N比が49d
Bであった。 [実施例 12]深さ1200オングストローム、ピッ
チ1.6ミクロンの案内溝を有する厚さ1.2mm、外
径120mm、内径15mmのポリカーボネート基板上
に、フタロシアニン化合物(47)のエチルセロソルブ
5.0%wt溶液を作成し、スピンコーターを用いて膜
厚800オングストロームに成膜した。次に、このよう
にして得た塗布膜の上に金を膜厚800オングストロー
ムで真空蒸着により成膜した。さらに、この上にUV硬
化型樹脂により保護層を設けて光ディスクを作成した。
【0055】このようにして作成した光ディスクの反射
スペクトルは770〜810nmの波長範囲での反射率
で65%以上ありCDの規格を十分満足していた。ま
た、この光ディスクを用い、波長780nmの半導体レ
ーザーを使用して、線速1.4m/secで7mWの記
録パワーでEMF−CDフォーマット信号を記録したと
ころ記録が可能であった。次に、この信号をCDプレー
ヤーにより、線速1.4m/sec、再生出力0.5m
Wで再生を行ったところ得られた信号は良好であり、市
販のCDプレーヤーに十分かかるレベルであった。
【0056】
【発明の効果】本発明の光学記録媒体は、以上のような
構成よりなり、化学的、物理的に安定で、レーザー光線
で高感度で記録再生できる特徴を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるフタロシア
    ニン化合物からなる光記録材料。 【化1】 [式中、X1〜X4はそれぞれ独立に、置換基を有しても
    よい複素環基を表す。A1〜A4はそれぞれ独立に酸素原
    子、または、硫黄原子を表す。Y1〜Y4はそれぞれ独立
    に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ス
    ルホン酸基、カルボン酸基、置換基を有してもよいフタ
    ルイミドメチル基、置換基を有してもよいアルキル基、
    置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有し
    てもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ
    基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を
    有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいア
    リールチオ基を表す。MはH2または金属原子を表わ
    す。置換基Z1、置換基Z2は、中心金属Mに導入された
    置換基を表し、それぞれ独立に水素原子、酸素原子、ハ
    ロゲン原子、水酸基、置換基を有してもよいアルキル
    基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有して
    もよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、
    置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有し
    てもよいシリルオキシ基、または、-OP(=O)R1R2を表
    す。ここでR1、R2、は水素原子、置換基を有してもよい
    アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基
    を有してもよいアルコキシ基を表す。k1〜k4はそれぞれ
    置換基−A1-X1〜−A4-X4の数を表し、m1〜m4、およ
    び、p1、p2はそれぞれ、Y1〜Y4、および、Z1、Z2の
    置換基の数を表わす。ここで、k1〜k4はそれぞれ独立に
    0〜4の整数を表わすが、すべてが同時に0になることは
    ない。m1〜m4はそれぞれ独立に0〜4の整数を表わす。p
    1、p2はそれぞれ0〜1の整数を表す。]
  2. 【請求項2】 基板上に請求項1記載の光記録材料を記
    録膜として含有することを特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】 記録膜がレーザー波長600〜700n
    mで記録されるものである請求項2記載の光学記録媒
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP4893859B1 (ja) * 2011-01-28 2012-03-07 東洋インキScホールディングス株式会社 カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ
JP2013079301A (ja) * 2011-10-03 2013-05-02 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd アルミニウムフタロシアニン
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CN103601728A (zh) * 2013-11-25 2014-02-26 吉林大学 在水或水/醇中可溶的酞菁衍生物及用于制备有机和聚合物太阳能光伏器件

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