JP3412221B2 - 光学記録媒体およびその記録膜材料 - Google Patents

光学記録媒体およびその記録膜材料

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JP3412221B2
JP3412221B2 JP33509093A JP33509093A JP3412221B2 JP 3412221 B2 JP3412221 B2 JP 3412221B2 JP 33509093 A JP33509093 A JP 33509093A JP 33509093 A JP33509093 A JP 33509093A JP 3412221 B2 JP3412221 B2 JP 3412221B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー光線によっ
て、情報を書き込んだり、読み取ったりすることが可能
な光記録媒体に関する。さらに詳しくは、追記型コンパ
クトデイスクの記録膜構成およびその記録膜材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】集光レーザー光による情報記録媒体の中
で、オーデオ等の音楽再生用としてのコンパクトデイス
ク(CD)が広く普及している。このようなCDは、通
常ポリカーボネート等の透明基板表面にCDフォーマッ
ト信号を有するピット列を射出成形時に形成し、その上
からアルミニウムまたは金等を蒸着あるいはスパッタリ
ングにより反射膜として設け、さらに保護層をコートし
て作成する。このようにして作成した光デイスクの基板
の裏面から再生レーザー光(780nm半導体レーザー
光)を照射して、ピットの凹凸による反射率の変化から
各信号を読み取り、情報を再生するものである。しか
し、このようなCDは再生専用であり記録が出来ないた
め、追記型光デイスクあるいは書き換え可能な光磁気デ
イスク等のような編集機能がないという不都合さがあっ
た。一方、編集機能を有する追記型光デイスクあるいは
光磁気デイスクとしては、Te等カルコゲナイト系化合
物、希土類金属化合物もしくはシアニン、ナフタロシア
ニン等の有機色素等を記録膜としたものが実用化されて
いる。しかしながら、これらの光デイスクは基盤面から
の反射率が低く、現状のままCDあるいはCD−ROM
の再生装置により信号の再生を行うことは出来ないとい
う問題点がある。このような問題点を解決するために、
シアニン等の記録膜の上に金等の反射膜を設けて、基板
面反射率で70%以上を確保して780nmでCDフォ
ーマットあるいはCD−ROMフォーマット信号を記録
し、CDまたはCD−ROMの再生装置で情報を読み出
す光デイスクおよび方法が提案されている。
【0003】しかしながら、一般にシアニン色素は光安
定性が悪いため、CDのような単面構成で直接太陽光に
さらされるような使用条件では、記録の信頼性に問題が
生じる可能性がある。そのため、シアニン色素に代え
て、化学的、物理的安定性の優れたフタロシアニン色素
を記録膜材料に使用する試みが検討されている。
【0004】このフタロシアニン色素の場合には、熱的
にも安定なため記録感度が低い、さらに吸収バンドが非
常にシャープであるため、CDドライブのピックアップ
に搭載される半導体レーザーの発振波長の許容範囲(7
70〜810nm程度)で安定した光学特性(反射率お
よび吸収)を得ることが困難であり、記録感度の波長依
存性が大きい等の欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学的、物
理的に安定でレーザー光線により高感度に記録、再生で
きる安価な特定のフタロシアニン化合物を用いた光学記
録媒体を提供するものであり、CD型光記録媒体につい
ては、従来の追記機能、編集機能を有するCDあるいは
CD−ROMの持つ欠点を解決し、770nm〜810
nmの波長範囲で安定した光学特性を実現し、この波長
範囲で完全に記録再生が可能なオレンジブックに準拠し
た光デイスクを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究を
行った結果、基板上に特定のフタロシアニン化合物を含
有する記録層を有する光学記録媒体が優れた種々の特性
を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、透明基板/記録膜/反射膜/保護膜の
積層体で構成され、記録膜が下記一般式[1]で示され
るフタロシアニン系化合物の有機薄膜層であることを特
徴とする光学記録媒体およびその記録膜材料に関する。
一般式[1]
【化3】 [式中、置換基Xは、2,2−ビス(トリフルオロメチ
ル)プロポキシ基を表す。置換基Y1〜Y4はそれぞれ独
立に、ハロゲン原子、置換基を有して良いアルル基、
置換基を有して良いアリール基、置換基を有して良いア
ルコキシル基、置換基を有して良いアリールオキシ基、
置換基を有して良いアルキルチオ基、置換基を有して良
いアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸
基、スルホン酸アミド基、スルホン酸エステル基を表
し、n1〜n4はY1〜Y4の置換基数で0〜4の整数を
表す。中心金属MはSiまたはAlを表す。置換基Zは
−OP(=O)R12を表す。ただし、R1、R2は置換
基を有して良い直鎖、分枝または環状のアルコキシル基
を表す。mは、置換基Zの個数で1または2の整数を表
す。]
【0007】一般式[I]で示されるフタロシアニン化
合物の特徴は、中心金属からフタロシアニン環の分子平
面に垂直な方向に導入された置換基(一般式[I]中の
置換基Z)の効果によって、記録膜上でフタロシアニン
分子同士の会合を抑制するため、高い分子吸光係数を示
すとともに、最大吸収極大と最大反射率を示す点が半導
体レーザーの波長域に近づくため、ディスクとしてオレ
ンジブックの規格に充分準拠する高い感度をもつととも
に、65%以上の反射率を確保することができる。ま
た、置換基Xにフッ素原子を置換した嵩高い分枝のアル
コキシル基である2、2−ビス(トリフルオロメチル)
プロポキシ基を導入することにより、フタロシアニン分
子同士の横の重なりによる会合を阻害し、高い反射率を
得ることができる。さらに、置換基に導入されたフッ素
原子の効果(基板と記録膜との界面エネルギーによるも
のと考えられる)により記録ピットの形状及び対称性が
良好になるため、記録前後でコントラストが鮮明にな
り、記録変調度の大きく、良好な記録波形が得られる。
また、松下製の位相差法によるトラッキング方式を採用
したピックアップを搭載しているプレーヤー、例えばパ
ナソニックのSL−PA10等のプレーヤーで通常のC
DあるいはCD−ROMと同様に良好な作動性を有する
等の利点がある。
【0008】本発明の一般式[I]で示されるフタロシ
アニン系色素に導入される置換基Y 1〜Y4を構成する原
子および有機置換基の代表例としては、置換基を持たな
い場合に相当する水素原子をはじめ、ハロゲン原子とし
ては塩素、臭素、ヨウ素、フ素があり、置換基を有して
良いアルキル基としては、メチル基、n−ブチル基、t
−ブチル基、ステアリル基、トリクロトメチル基、トリ
フルオロメチル基、2−メトキシエチル基、フタルイミ
ドメチル基等を、置換基を有してもよいアリール基とし
ては、フェニル基、ナフチル基、p−ニトロフェニル
基、p−t−ブチルフェニル基等があり、置換基を有し
てもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、n−ブトキシ基等があり、置換基を有しても良いア
リールオキシ基としては、フェノキシ基、ペンタフルオ
ロフェニル基等があり、置換基を有しても良いアルキル
チオ基としては、メチルチオ基、t−ブチルチオ基等が
ある、置換基を有しても良いアリールチオ基としては、
フェニルチオ基、p−ニトロフェニルチオ等がそれぞれ
挙げられるが、これらに限定させるものではない。ま
た、置換基Zを構成する−OP(=O)R12のR1
2はエトキシ基を始め、置換基を有しても良いアルコ
キシ基として、1,1,1−テトラフルオロエトキシ基
等がある。
【0009】本発明において、一般式[I]で示される
化合物は、例えば以下の方法により製造することができ
る。
【0010】すなわち、下記一般式[III]で示され
るフタロニトリル類、または、下記一般式[IV]で示
されるイソイドリン化合物、あるいは、相当するフタル
酸無水物類、フタルイミド類として一般式[I]中のM
で示される金属の各種金属塩を出発原料として常法によ
り、一般式[V]で示されるフタロシアニン系化合物を
製造できる。
【0011】一般式[III]
【化4】 [式中、X,Y,nはそれぞれ一般式[I]における
X,Y1〜Y4,n1〜n4と同じ意味を表す。]
【0012】一般式[IV]
【化5】 [式中、X,Y,nはそれぞれ一般式[I]における
X,Y1〜Y4,n1〜n4と同じ意味を表す。]
【0013】一般式[V]
【化6】 [式中、X,Y1〜Y4,n1〜n4、M,mはそれぞれ一
般式[I]におけるX,Y1〜Y4,n1〜n4、M,mと
同じ意味を表す。]
【0014】次に、得られた一般式[V]で示されるフ
タロシアニン化合物に、種々の置換基を有しても良い直
鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基を有する
クロロホスフィン誘導体を反応させることにより、一般
式[I]で示されるフタロシアニン化合物を製造するこ
とができる。
【0015】本発明で使用される一般式[I]で示され
るフタロシアニン化合物の代表的な例として下記に示す
フタロシアニン化合物(a)〜(d)等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0016】(a)
【化7】
【0017】(b)
【化8】
【0018】(c)
【化9】
【0019】(d)
【化10】
【0020】本発明における一般式[I]で示されるフ
タロシアニン化合物を用いた記録膜層には、記録膜の耐
光性、耐環境性等の安定性、繰り返し再生の安定性をさ
らに向上させる目的で、酸素クエンチャー、紫外線吸収
剤等の添加剤を加えても良い。
【0021】記録膜層の成膜方法としては、ドライプロ
セス、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法によって
も可能であるが、ウエットプロセス、例えば、スピンコ
ート法、デップ法、スプレー法、ロールコート法あるい
はLB(ラングミュアーブロジェット)法によっても可
能である。本発明の記録膜素材は、汎用の有機溶媒、例
えば、アルコール系、ケトン系、セロソルブ系、ハロゲ
ン系、炭化水素系、フロン系等に溶解するため、生産性
および記録膜の均一性からスピンコート法により成膜す
る方法が好ましい。
【0022】このように、いわゆる塗布法で成膜する場
合には、必要に応じて高分子バインダーを加えても良
い。高分子バインダーとしてはアクリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩
化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ニトロセルロー
ス、フェノール樹脂等が挙げられるがこれに限られるも
のではない。高分子バインダーの混合比としては特に制
限はないが、色素に対して30wt%以下が好ましい。
【0023】本発明の記録膜層の最適膜厚は、記録膜材
料の種類および組み合わせにより異なるため特に制限は
なく、500〜3000Aが好ましく、さらに1000
〜2500Aが最適膜厚範囲である。
【0024】本発明の反射膜素材としては、金、銀、
銅、白金、アルミニウム、コバルト、スズ等の金属およ
びこれらを主成分とした合金、MgO,ZnO,SnO
等の金属酸化物、SiN4、AlN、TiN等の窒化物
等が挙げられるが、絶対反射率が高く安定性に優れてい
る点から金が最適である。 また、場合によっては有機
性の高反射膜を使用することもできる。このような反射
膜の成膜方法としては、ドライプロセス例えば真空蒸着
法、スパッタリング法が最も好ましいがこれらに限られ
るものではない。本発明の反射膜の最適膜厚について
は、特に制限はないが400〜1300Aの範囲が好ま
しい。
【0025】さらに、反射膜の上より、デイスク特に記
録膜層および反射膜層の化学的劣化(例えば酸化、吸水
等)および物理的劣化(例えば傷、けずれ等)を防ぐ目
的でデイスクを保護するための保護層を設ける。保護層
用の材料としては、紫外線硬化型樹脂を用いて、スピン
コートにより塗布し、紫外線照射により硬化させる方法
が好ましいがこれに限られるものではない。保護層の最
適膜厚については、薄い場合には、保護の効果が低下
し、厚い場合には樹脂の硬化時の収縮によりデイスクの
そり等の機械特性の悪化の原因になるため、2〜20ミ
クロンの範囲で成膜することが好ましい。
【0026】また、本発明に用いられるデイスク基板と
しては信号の書き込みや読みだしを行うための光の透過
率が好ましくは85%以上であり、かつ光学異方性の小
さいものが好ましい。例えば、ガラス、またはアクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポ
リスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリ−4−
メチルペンテン等)、ポリエーテルスルホン樹脂などの
熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、アリル樹脂等の熱硬化性
樹脂からなる基板が挙げられる。 これらの中で、成形
のしやすさ、ATIP用ウオッブル信号および案内溝等
の付与のしやすさなどから熱可塑性樹脂からなるものが
好ましく、さらに光学特性や機械特性およびコストから
みてアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂からなるもの
が特に好ましい。また、ATIPウオブル信号および案
内溝などの付与は熱可塑性樹脂を成形(射出成形、圧縮
成形)する際のスタンパーなどを用いて付与する方法が
好ましいが、フォトポリマー樹脂を用いるいわゆる2P
法による方法によっても行うことが出来る。
【0027】本発明の案内溝の形状については、特に制
限はなく台形あるいはU字形であっても良い。また、案
内溝の寸法については、記録膜材料の種類および組み合
わせ等により最適値はそれぞれ異なるが、平均溝幅(溝
深さの1/2の位置の幅)が0.4〜0.6ミクロン、
また、溝深さが1000〜2000Aの範囲が好まし
い。
【0028】本発明のデイスク形態は、記録後CDある
いはCD−ROMとして機能する必要があるため、CD
あるいはCD−ROMの規格(レッドブック)およびR
−CDの規格(オレンジブック)に準拠していることが
好ましい。
【0029】
【実施例】以下の実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限られるも
のではない。はじめに、本発明で使用されるフタロシア
ニン化合物の代表例の製造法について説明する。
【0030】製造例1:フタロシアニン化合物(a)の
製造 o−ジクロロベンゼン100部、トリ−n−ブチルアミ
ン30部に4−(2、2−ビス(トリフルオロメチル)
プロピル)オキシ−1、3−ジイミノイソインドリン1
0部および四塩化珪素15部を加え、160〜170℃
で8時間加熱撹拌後、冷却し、500部のメタノールで
希釈した。 析出した沈澱を濾別、メタノール/水(4
/1)混合溶液で洗浄、乾燥して緑色の粉末10部を得
た。 この粉末を濃硫酸250部に溶解した後、氷水2
000部に注入、析出した沈澱を濾別、水洗、乾燥して
緑青色の粉末9部を得た。この粉末はFD−MS分析の
結果、一般式[V]に相当するジヒドロキシシリコンフ
タロシアニン体であることが確認された。上記で得られ
たジヒドロキシシリコンフタロシアニン体5部をジメチ
ルスルホキサイド100部、炭酸カリウム25部に撹拌
溶解した後、冷却しながらクロロリン酸ジエチル10部
を加え、100℃で2時間加熱撹拌した後、冷却し、氷
水1000部中に注入した。 析出した沈澱を濾別し、
水洗、乾燥してフタロシアニン化合物(a)を4部得
た。
【0031】製造例2:フタロシアニン化合物(b)の
製造 o−ジクロロベンゼン50部、トリ−n−ブチルアミン
25部に、4−(2、2−ビス(トリフルオロメチル)
プロピル)オキシ−7−ニトロ−1、3−ジイミノイソ
インドリン8部および三塩化アルミニウム6部を加え、
160ー170℃で7時間加熱撹拌後、冷却し、メタノ
ール1000部で希釈、析出した沈澱を濾別、メタノー
ル/水(3/1)混合溶液で洗浄、乾燥して緑色の粉末
5.5部を得た。この粉末を濃硫酸300部に溶解した
後、氷水6000部に注入、析出した沈澱を濾別、水
洗、乾燥して緑青色の粉末4.3部を得た。この粉末は
FD−MS分析の結果、一般式[V]に相当するヒドロ
キシアルミニウムフタロシアニン体であることが確認さ
れた。上記で得られたヒドロキシアルミニウムフタロシ
アニン体4部をジメチルスルホキサイド80部、炭酸カ
リウム20部に撹拌溶解した後、冷却しながらクロロリ
ン酸ジエチル5部を加え、90℃で2時間加熱撹拌した
後、冷却し、氷水1000部に注入した。 析出した沈
澱を濾別し、水洗、乾燥して緑色の粉末3.5部を得
た。 FD−MS分析の結果、この粉末はフタロシアニ
ン化合物(b)であることが確認された。
【0032】製造例3:フタロシアニン化合物(c)の
製造 製造例1と同様にしてo−ジクロロベンゼン150部、
トリ−n−ブチルアミン30部に4−(2、2−ビス
(トリフルオロメチル)プロピル)オキシ−7−ブロモ
−1、3−ジイミノイソインドリン10部および四塩化
珪素15部を加え、160〜170℃で8時間加熱撹拌
後、冷却し、2000部のメタノールで希釈した。 析
出した沈澱を濾別、メタノール/水(4/1)混合溶液
で洗浄、乾燥して緑色の粉末8部を得た。 この粉末を
濃硫酸400部に溶解した後、氷水2000部に注入、
析出した沈澱を濾別、水洗、乾燥して緑青色の粉末6部
を得た。この粉末はFD−MS分析の結果、一般式
[V]に相当するジヒドロキシシリコンフタロシアニン
体であることが確認された。上記で得られたジヒドロキ
シシリコンフタロシアニン体5部をジメチルスルホオキ
サイド100部、炭酸カリウム25部に撹拌溶解した
後、冷却しながらクロロリン酸ジエチル10部を加え、
110℃で2時間加熱撹拌した後、冷却し、氷水100
0部中に注入した。 析出した沈澱を濾別し、水洗、乾
燥してフタロシアニン化合物(c)を7部得た。
【0033】製造例4:フタロシアニン化合物(d)の
製造 製造例1と同様にしてo−ジクロロベンゼン200部、
トリ−n−ブチルアミン50部に4−(2、2−ビス
(トリフルオロメチル)プロピル)オキシ−1、3−ジ
イミノイソインドリン10部および四塩化珪素15部を
加え、160〜170℃で8時間加熱撹拌後、冷却し、
1500部のメタノールで希釈した。 析出した沈澱を
濾別、メタノール/水(4/1)混合溶液で洗浄、乾燥
して緑色の粉末8部を得た。 この粉末を濃硫酸300
部に溶解した後、氷水2000部に注入、析出した沈澱
を濾別、水洗、乾燥して緑青色の粉末6部を得た。この
粉末はFD−MS分析の結果、一般式[V]に相当する
ジヒドロキシシリコンフタロシアニン体であることが確
認された。上記で得られたジヒドロキシシリコンフタロ
シアニン体5部をジメチルスルホキサイド70部、炭酸
カリウム20部に撹拌溶解した後、冷却しながらクロロ
リン酸ジ(1,1,1−トリフルオロエチル)10部を
加え、110℃で2時間加熱撹拌した後、冷却し、氷水
1000部中に注入した。 析出した沈澱を濾別し、水
洗、乾燥してフタロシアニン化合物(d)を4部得た。
【0034】実施例1 深さ1200オングストローム、幅0.50ミクロン、
ピッチ1.6ミクロンの案内溝を有する厚さ1.20m
m、外径120mm、内径15mmのポリカーボネート
基板上に、フタロシアニン化合物[a]を2、2、3、
3−テトラフルオロプロパノールに50mg/mlの濃
度で溶解し、0.2ミクロンのフイルタリングを行い塗
液を調整し、この塗液を用いて、スピンコーターにより
記録膜厚1300オングストロームに成膜した。次に、
このようにして得た記録膜の上にスパッタリングにより
金を膜厚800オングストロームに成膜した。さらに、
この上に紫外線硬化型樹脂により保護膜層を5ミクロン
の膜厚で設けて光デッスクを作成した。このようにして
作成した光デイスクの反射率は72%であったこのよう
にして作成した光デイスクを用い、波長785nmの半
導体レーザーを使用して線速度1.4m/secでEF
M−CDフォーマット信号を記録したところ、最適記録
レーザーパワーが6.2mWで記録が可能であった。次
に、この信号をCDプレーヤーによりレーザーパワー
0.5mWで再生を行ったところ、得られた信号は良好
であり、市販のCDプレーヤーおよび位相差法によるト
ラッキング方式のピックアップを搭載しているパナソニ
ックSL−PA10で全く支障なく再生する事が出来
た。
【0035】実施例2 深さ1200オングストローム、幅0.50ミクロン、
ピッチ1.6ミクロンの案内溝を有する厚さ1.20m
m、外径120mm、内径15mmのポリカーボネート
基板上に、フタロシアニン化合物[b]をジアセトンア
ルコールに60mg/mlの濃度で溶解し、0.2ミク
ロンのフイルタリングを行い塗液を調整し、この塗液を
用いて、スピンコーターにより記録膜厚1200オング
ストロームに成膜した。次に、このようにして得た記録
膜の上にスパッタリングにより金を膜厚800オングス
トロームに成膜した。さらに、この上に紫外線硬化型樹
脂により保護膜層を5ミクロンの膜厚で設けて光デッス
クを作成した。このようにして作成した光デイスクの反
射率は76%であったこのようにして作成した光デイス
クを用い、波長785nmの半導体レーザーを使用して
線速度1.4m/secでEFM−CDフォーマット信
号を記録したところ、最適記録レーザーパワーが6.4
mWで記録が可能であった。次に、この信号をCDプレ
ーヤーによりレーザーパワー0.5mWで再生を行った
ところ、得られた信号は良好であり、市販のCDプレー
ヤーおよび位相差法によるトラッキング方式のピックア
ップを搭載しているパナソニックSL−PA10でまっ
たく支障なく再生する事ができた。
【0036】実施例3〜4 深さ1250オングストローム、幅0.48ミクロン、
ピッチ1.6ミクロンの案内溝を有する厚さ1.20m
m、外径120mm、内径15mmのポリカーボネート
基板上に、表1に示すフタロシアニン化合物をジアセト
ンアルコールに60mg/mlの濃度で溶解し、0.2
ミクロンのフイルタリングを行い塗液を調整し、この塗
液を用いて、スピンコーターにより記録膜厚1200オ
ングストロームに成膜した。次に、このようにして得た
記録膜の上にスパッタリングにより金を膜厚800オン
グストロームに成膜した。さらに、この上に紫外線硬化
型樹脂により保護膜層を5ミクロンの膜厚で設けて光デ
イスクを作成した。このようにして作成した光デイスク
の反射率および実施例1と同様の方法で記録、再生を行
なった場合の最適レーザーパワーを表1に示す。この場
合も市販のCDプレーヤーおよびパナソニックSL−P
A10でまったく支障なく再生する事ができた。 表1 ────────────────────────────────── 実施例 フタロシアニン 反射率 最適記録 化合物 % レーザーパワー(mW) ────────────────────────────────── 3 (c) 71 6.4 4 (d) 72 6.8 ──────────────────────────────────
【0037】比較例1 化学式[VI]で示されるフタロシアニン化合物をもち
いて実施例1と同様にして、光デイスクを作成した。化
学式[VI]
【化11】 このようにして作成した光デイスクの反射率は61%で
あった このようにして作成した光デイスクを用い、波長785
nmの半導体レーザーを使用して線速度1.4m/se
cでEFM−CDフォーマット信号を記録したところ、
最適記録レーザーパワーは7.5mWであった。しか
し、市販のCDプレーヤーでは問題なく再生できたが、
パナソニックSL−PA10ではトラックのシークがで
きない場合があった。
【0038】
【発明の効果】一般式[I]における置換基X1〜X4
分枝のアルコキシル基である2、2−ビス(トリフルオ
ロメチル)プロポキシ基を、軸方向置換基Zにジアルキ
ルリン酸エステル基を導入することにより、これまでの
直鎖タイプの置換基を有するフタロシアニン化合物より
も、780nmから810nmの半導体レーザーに対し
て、より高感度でかつ高反射率な安定した記録再生特性
を示す光記録媒体を提供することができる。また、位相
差法によるトラッキング方式を採用しているピックアッ
プを搭載したプレーヤーでも正常に作動することが可能
となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26 G11B 7/24 516 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) MARPAT(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板/記録膜/反射膜/保護膜の積
    層体で構成され、記録膜が下記一般式[1]で示される
    フタロシアニン系化合物の有機薄膜層であることを特徴
    とする光学記録媒体。一般式[1] 【化1】 [式中、置換基Xは、2,2−ビス(トリフルオロメチ
    ル)プロポキシ基を表す。置換基Y1〜Y4はそれぞれ独
    立に、ハロゲン原子、置換基を有して良いアルル基、
    置換基を有して良いアリール基、置換基を有して良いア
    ルコキシル基、置換基を有して良いアリールオキシ基、
    置換基を有して良いアルキルチオ基、置換基を有して良
    いアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸
    基、スルホン酸アミド基、スルホン酸エステル基を表
    し、n1〜n4はY1〜Y4の置換基数で0〜4の整数を
    表す。中心金属MはSiまたはAlを表す。置換基Zは
    −OP(=O)R12を表す。ただし、R1、R2は置換
    基を有して良い直鎖、分枝または環状のアルコキシル基
    を表す。mは、置換基Zの個数で1または2の整数を表
    す。]
  2. 【請求項2】 一般式[I]で示されるフタロシアニン
    化合物からなる請求項1記載の光学記録媒体の記録膜材
    料。
  3. 【請求項3】 フタロシアニン化合物が下記式[II]
    で示される請求項2記載の記録膜材料。 式[II] 【化2】
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