JP5776122B2 - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents
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Description
Yl〜Y4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
Mlは、Alを表す。
Z1は、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいシリルオキシ基、または、−OP(=O)R1R2を表し、ここでR1およびR2は、それぞれ独立に、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基、または、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、R1、R2が互いに結合して環を形成しても良い。
m1、m2、m3、m4、n1、n2、n3、およびn4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、m1+n1、m2+n2、m3+n3、m4+n4は、各々、0〜4の整数で、同一でも異なっても良い。]
[式中、X5〜X8はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、または、置換基を有してもよいアリールチオ基を表す。
Y5〜Y8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
M2は、Alを表す。
Z2は、水酸基を表す。
m5、m6、m7、m8、n5、n6、n7、およびn8は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、m5+n5、m6+n6、m7+n7、m8+n8は、各々、0〜4の整数で、同一でも異なっても良い。]
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
[式中、X1〜X4はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、または、置換基を有してもよいアリールチオ基を表す。
Yl〜Y4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
Mlは、Alを表す。
Z1は、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいシリルオキシ基、または、−OP(=O)R1R2を表し、ここでR1およびR2は、それぞれ独立に、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基、または、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、R1、R2が互いに結合して環を形成しても良い。
m1、m2、m3、m4、n1、n2、n3、およびn4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、m1+n1、m2+n2、m3+n3、m4+n4は、各々、0〜4の整数で、同一でも異なっても良い。]
[式中、X5〜X8はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、または、置換基を有してもよいアリールチオ基を表す。
Y5〜Y8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
M2は、Alを表す。
Z2は、水酸基を表す。
m5、m6、m7、m8、n5、n6、n7、およびn8は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、m5+n5、m6+n6、m7+n7、m8+n8は、各々、0〜4の整数で、同一でも異なっても良い。]
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に用いられるフタロシアニン化合物としては、上記一般式(1)で表される化合物が使用出来る。
本発明の着色組成物は、さらに色度を調整するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で黄色着色剤を含有してもよい。黄色着色剤としては、特に制限はないが、一般的には、黄色染料又は黄色顔料が挙げられる。
これらの黄色着色剤は所望とする色特性に応じて単独または2種類以上を混合して使用することができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に用いられる着色剤としては、高い明度および高いコントラストを得るため、必要に応じてソルトミリング処理等により、着色剤粒子の微細化を施すことにより、カラーフィルタ用着色剤として好適に使用することができる。着色剤の一次粒子径は、着色剤担体中への分散性を高めるために、10nm以上であることが好ましい。また、コントラストが高いフィルタセグメントを得るためには、80nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、20〜60nmの範囲である。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に含まれるバインダー樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂が挙げられる。
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
樹脂型分散剤は、添加着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に用いられる有機溶剤は、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために用いられる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、少なくとも一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物、一般式(2)で表されるフタロシアニン化合物、バインダー樹脂、および有機溶剤を混合したものを、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散機を用いて分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、着色剤を別々にバインダー樹脂および有機溶剤中に分散したものを混合して製造することもできる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、遠心分離、あるいは、焼結フィルタやメンブレンフィルタ等を用いた濾過によって、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下の粒子を含まないことが好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に添加することができる光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。モノマーの配合量は、着色剤の全重量を基準(100重量%)として、5〜400重量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量%であることがより好ましい。
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物は、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合、光重合開始剤等を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。光重合開始剤を使用する際の配合量は、着色剤の全量を基準として、2〜200重量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から5〜150重量%であることがより好ましい。
さらに、本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
また本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂全量に対し、0.01〜15重量%が好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するものが挙げられ、前記フィルタセグメントは、スピンコート方式あるいはダイコート方式によってカラーフィルタ用感光性着色組成物を塗布したのち、紫外線等の活性エネルギー線を照射してフィルタセグメントとなる部分を硬化し、ついで現像することにより、基板上に形成される。
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
(バインダー樹脂溶液の調製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート233部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)30部、メタクリル酸ベンジル19部、メタクリル酸メチル16部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間、80℃で加熱攪拌を継続し、バインダー樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、バインダー樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液を調製した。このバインダー樹脂溶液は、GPCの測定の結果、重量平均分子量(Mw)が16000であった。
(フタロシアニン中間体(A)の製造)
反応容器中でn−アミルアルコール1250部にフタロジニトリル225部と塩化アルミニウム無水物78部を添加し、攪拌した。これに、DBU(1,8−Diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)266部を加え、昇温し、136℃で5時間還流させた。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5000部、水10000部の混合溶媒中へ、攪拌下注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2000部、水4000部の混合溶媒で洗浄し、乾燥して、135部のフタロシアニン化合物を得た。反応容器中で得られたフタロシアニン化合物100部をゆっくり濃硫酸1200部に、室温にて加えた。40℃、3時間撹拌して、3℃の冷水24000部に硫酸溶液を注入した。青色の析出物をろ過、水洗、乾燥して、92部のフタロシアニン中間体(A)を得た。
反応容器中でメタノール1000部に得られたフタロシアニン中間体(A)100部およびリン酸ジフェニル49.5部を加え、40℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、114部のフタロシアニン化合物(a)を得た。
次に、フタロシアニン化合物(a)のソルトミリング処理を行った。フタロシアニン化合物(a)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。次に、この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の青色着色剤(PB−1)を得た。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は31nmであった。
上記フタロシアニン化合物(a)の合成において、リン酸ジフェニルの代わりにジフェニルホスフィン酸43.2部を使用した以外は同様にして、122部のフタロシアニン化合物(b)を得た。
次に、青色着色剤(PB−1)と同様の方法で、フタロシアニン化合物(b)のソルトミリング処理を行い、95部の青色着色剤(PB−2)を製造した。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は29nmであった。
反応容器中でn−アミルアルコール1250部にフタロジニトリル225部と塩化アルミニウム無水物78部を添加し、攪拌した。これに、DBU(1,8−Diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)266部を加え、昇温し、136℃で5時間還流させた。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5000部、水10000部の混合溶媒中へ、攪拌下注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2000部、水4000部の混合溶媒で洗浄し、乾燥して、135部のフタロシアニン化合物(c)を得た
次に、青色着色剤(PB−1)と同様の方法で、フタロシアニン化合物(c)のソルトミリング処理を行い、98部の青色着色剤(PB−3)を製造した。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は37nmであった。
上記フタロシアニン中間体(A)の合成において、フタロジニトリルの代わりに4−メチルフタロジニトリル250部を使用した以外は同様にして、188部のフタロシアニン中間体(B)を得た。
上記フタロシアニン化合物(a)の合成において、フタロシアニン中間体(A)の代わりにフタロシアニン中間体(B)102.7部を使用した以外は同様にして、120部のフタロシアニン化合物(d)を得た。
次に、青色着色剤(PB−1)と同様の方法で、フタロシアニン化合物(d)のソルトミリング処理を行い、97部の青色着色剤(PB−4)を製造した。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は34nmであった。
上記フタロシアニン化合物(A)の合成において、フタロジニトリルの代わりに4−クロロフタロジニトリル285部を使用した以外は同様にして、213部のフタロシアニン中間体(C)を得た。
上記フタロシアニン化合物(a)の合成において、フタロシアニン中間体(A)の代わりにフタロシアニン中間体(C)124部を使用した以外は同様にして、144部のフタロシアニン化合物(e)を得た。
次に、青色着色剤(PB−1)と同様の方法で、フタロシアニン化合物(e)のソルトミリング処理を行い、94部の青色着色剤(PB−5)を製造した。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は42nmであった。
フタロシアニン中間体(A)と同様の方法で、フタロシアニン化合物(f)を製造した。
次いで、フタロシアニン化合物(f)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。次に、この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の青色着色剤(PB−6)を得た。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は35nmであった。
黄色色素として、C.I.Pigment Yellow 150(ランクセス社「E4GN」)50部、塩化ナトリウム250部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−1)を得た。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は28nmであった。
黄色色素として、C.I.Pigment Yellow 138(BASF社「Paliotol Yellow L 0962 HD」)50部、塩化ナトリウム250部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−2)を得た。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は35nmであった。
黄色色素として、C.I.Pigment Yellow 139(BASF社「Paliotol Yellow L 2140 HD」)50部、塩化ナトリウム250部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−3)を得た。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は26nmであった。
黄色色素として、C.I.Pigment Yellow 185(BASF社「Paliotol Yellow L 1155」)50部、塩化ナトリウム250部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−4)を得た。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は33nmであった。
黄色色素として、C.I.Pigment Yellow 180(クラリアント社「NovopermP−HG」)50部、塩化ナトリウム250部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−5)を得た。得られた着色剤の体積平均一次粒子径は30nmであった。
(黄色着色組成物(DY−1)の作製)
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、メディア型湿式分散機としてアイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)を用いて4時間分散し、顔料分50%、固形分20%の黄色着色組成物(DY−1)を作製した。
黄色着色剤(PY−1) 10.0部
バインダー樹脂溶液 50.0部
PGMAC 40.0部
上記黄色着色組成物(DY−1)の作製において、黄色着色剤(PY−1)を黄色着色剤(PY−2)に変更した以外は、同様にして黄色着色組成物(DY−2)を作製した。
上記黄色着色組成物(DY−1)の作製において、黄色着色剤(PY−1)を黄色着色剤(PY−3)に変更した以外は、同様にして黄色着色組成物(DY−3)を作製した。
上記黄色着色組成物(DY−1)の作製において、黄色着色剤(PY−1)を黄色着色剤(PY−4)に変更した以外は、同様にして黄色着色組成物(DY−4)を作製した。
上記黄色着色組成物(DY−1)の作製において、黄色着色剤(PY−1)を黄色着色剤(PY−5)に変更した以外は、同様にして黄色着色組成物(DY−5)を作製した。
[実施例1](DB−1)の作製
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、メディア型湿式分散機としてアイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)を用いて4時間分散し、顔料分50%、固形分20%の青色着色組成物(DB−1)を作製した。
青色着色剤(PB−1) 9.5部
青色着色剤(PB−6) 0.5部
樹脂型分散剤(ビッグケミー社製「BYK−LPN6919」) 8.3部
バインダー樹脂溶液 25.0部
PGMAC 56.7部
組成を表1に示したように変更して、上記(DB−1)と同様に青色着色組成物を作製した。
・BYK6919 ;ビッグケミー社製「BYK−LPN6919」
・PB821 ;味の素ファインテクノ社製「PB−821」
・SP41000 ;ルーブリゾール社製「SP41000」
上記で作製した青色着色組成物(DB−1)と黄色着色組成物(DY−1)を使用し、塗布基板にした際に、C光源でx(c)=0.290、y(c)=0.600となるよう、攪拌混合することにより、緑色着色組成物(DG−1)を作製した。
表2に示した青色着色組成物と黄色着色組成物を使用し、且つ、同表に記載された色度になるように変更して、(DG−1)と同様に緑色着色組成物(DG−2〜13)を作製した。
表2に示した青色着色組成物と黄色着色組成物を使用して、C光源でx(c)=0.210、y(c)=0.710となるよう、攪拌混合することにより、緑色着色組成物(DG−14〜18)を作製した。
実施例1〜21及び比較例1〜10で得られたカラーフィルタ用着色組成物(DG−1〜18)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、表1、表2に示したC光源での色度の塗布基板を得た。次に70℃で20分乾燥し、ついで230℃で1時間加熱、放冷を行うことで塗膜基板を作製した。得られた塗膜の色度を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用い、明度Y(C)を測定した。
実施例1〜21及び比較例1〜10で得られたカラーフィルタ用着色組成物(DG−1〜18)を用いて作製した上記基板を用いて、コントラスト比を測定した。また、塗膜のコントラスト比の測定方法について説明する。
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜を通過し、偏光板に到達する。偏光板と偏光板の偏光面が平行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板を透過する光量が減り、偏光板が直行のときは偏光板を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てた。
実施例1〜21及び比較例1〜10で得られたカラーフィルタ用着色組成物(DG1〜18)について、保存安定性に関する試験を下記の方法で行った。
得られた着色組成物の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製TUE−20L型)を用い回転数20rpmで測定した。着色組成物の作製当日の初期粘度と、40℃の恒温室にて7日間保存後の促進経時粘度から、粘度変化率を算出し、保存安定性を下記の基準にて評価した。
◎:1割未満
○:1割以上、2割未満
△:2割以上、5割未満
×:5割以上
[実施例22](RB−1)の作製
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して感光性青色着色組成物(RB−1)を作製した。
青色着色組成物(DB−1) 60.0部
バインダー樹脂溶液 15.0部
光重合性化合物(新中村化学社製「NKエステルATMPT」) 3.0部
光開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 1.2部
増感剤(保土谷化学社製「EAB−F」) 0.4部
シクロヘキサノン 20.4部
表5に示した組成で、(RB−1)と同様に感光性青色着色組成物(RB−2、3)を作製した。
表5に示した組成で、(RB−1)と同様に感光性緑色着色組成物(RG−1〜RG−15)を作製した。
実施例22〜32及び比較例11〜17で得られた感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJで紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行い、塗膜基板を得た。ついで230℃で1時間加熱、放冷後、得られた塗膜の色度を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用い、明度Y(C)を測定した。作製した基板は、230℃での熱処理後で、表5に示したC光源での色度となるようにした。なお、アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム1.5重量%炭酸水素ナトリウム0.5重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)8.0重量%および水90重量%からなるものを用いた。
実施例22〜32及び比較例11〜17で得られた感光性着色組成物を用いて作製した上記の基板を使用して、実施例1〜21及び比較例1〜10と同様の評価を行った。
実施例22〜32及び比較例11〜17で得られた感光性着色組成物を使用して、実施例1〜21及び比較例1〜10と同様の評価を行った。
次に、ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで、感光性青色着色組成物(RB−1)で使用している着色剤を、C.I.Pigment Red 254/C.I.Pigment Red 177=5.1部/0.9部に置き換えた以外は実施例22と同様にして作製した感光性赤色着色組成物をC光源において(以下、緑色、青色にも用いる)x=0.670、y=0.330になるような膜厚に塗布し着色被膜を形成した。次に、該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。
Claims (6)
- 少なくとも着色剤、バインダー樹脂、および有機溶剤からなるカラーフィルタ用着色組成物であって、該着色剤が、下記一般式(1)および下記一般式(2)で表されるフタロシアニン化合物を含有し、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物と一般式(2)で表されるフタロシアニン化合物の重量比が90.0:10.0〜99.5:0.5であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
[式中、X1〜X4はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、または、置換基を有してもよいアリールチオ基を表す。
Yl〜Y4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
M1は、Alを表す。
Z1は、−OP(=O)R1R2を表し、ここでR1およびR2は、それぞれ独立に、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基、または、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、R1、R2が互いに結合して環を形成しても良い。
m1、m2、m3、m4、n1、n2、n3、およびn4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、m1+n1、m2+n2、m3+n3、m4+n4は、各々、0〜4の整数で、同一でも異なっても良い。]
[式中、X5〜X8はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、または、置換基を有してもよいアリールチオ基を表す。
Y5〜Y8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
M2は、Alを表す。
Z2は、水酸基を表す。
m5、m6、m7、m8、n5、n6、n7、およびn8は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、m5+n5、m6+n6、m7+n7、m8+n8は、各々、0〜4の整数で、同一でも異なっても良い。] - さらに樹脂型分散剤を含有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- さらに黄色着色剤を含有することを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 黄色着色剤が、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、及び、C.I.ピグメントイエロー185から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントおよび少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタにおいて、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントが、請求項1〜5いずれかに記載のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタ。
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