JP5521451B2 - 着色組成物、カラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents

着色組成物、カラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタ Download PDF

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Description

本発明は、着色組成物、カラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタに関する。本発明の着色組成物は、インキ及び塗料として用いることができ、グラビアインキ、自動車用、木材用、金属用等の各種一般塗料、磁気テープのバックコート塗料、ラジエーションキュアー型インキ、インクジェットプリンター用インキ、カラーフィルタ用インキ等の用途に使用できる。また、本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物は、特に、液晶表示装置用カラーフィルタのフィルタセグメント用として、また、固体撮像素子用カラーフィルタのフィルタセグメント用として使用出来る。
さらに、本発明の着色組成物およびカラーフィルタ用感光性着色組成物は、ハロゲン原子を含まないか、含んでも極微量のため、とくに上記の分野の中でも安全衛生面や環境面を要求される用途に有用である。
近年、環境への負荷が少ない環境対応製品の開発が活発に進められており、それに準じた、より厳しい基準が新たに設定され始めている。ハロゲン原子も環境対応製品として除くことが望まれている化学物質の一つである。現在使用されている印刷物、着色物等の緑色着色剤は、現行基準では問題のない、高塩素化フタロシアニングリーンに代表されるハロゲン化フタロシアニンを中心とした着色剤の混色が一般的となっている。ハロゲン化フタロシアニン顔料は顔料構造中にハロゲン原子が多量に存在し、顔料あるいは顔料組成物中にハロゲン原子を全く含有しない緑色は皆無であると言っても過言ではない。そこで、新たな基準に適合する製品の開発が望まれている。
こうした事情により、ハロゲンを含有しない銅フタロシアニンブルー顔料とハロゲンを含有しない黄色高級顔料を混合し、共分散することによって目的とする緑色色相を得て、かつ、耐光性、耐熱性を持たせようとする試みもなされているが、単なる混色による共分散だけでは色相が不鮮明であり、特にインキ、塗料にした際の試験で、「白ぼけ」が問題となっており、顔料組成比や分散条件だけでは解決することが困難となっている。
特許文献1には、ハロゲンを含有しない青色のアルミニウムフタロシアニン顔料とハロゲンを含有する緑色顔料とを使用することで、鮮明な色相、高耐光性、高耐熱性を維持した顔料組成物が開示されている。
また、カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
カラー液晶表示装置に用いられているカラーフィルタの上には、一般に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成工程を一般に200℃以上好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
近年、液晶表示装置の用途は各種モニターやTVに広がっており、色再現性に対する更なる向上が要求されるようになってきている。この要求に応えるために、色純度が高くかつ色濃度の高いカラーフィルタの提供が期待されている。
緑色のカラーフィルタセグメント用の着色組成物について特許文献2に、主顔料としてアルミニウムフタロシアニン顔料を用いると、比較的少ない含有量でも高い色度で高明度が得られ、色濃度及び色純度と透明性とを両立させた技術が開示されている。
しかしながら従来用いられてきたアルミニウムフタロシアニン顔料を含む顔料組成物は、カラーフィルタ用途として要求される、200℃以上好ましくは230℃以上での耐熱性に関し、顔料の結晶系を維持するのが困難であり、分光形状が変化してしまうという問題があった。その結果として、着色力・明度に優れたカラーフィルタを得ることは非常に困難であり、またその傾向は、塗膜としたときに、色の薄い領域になるほど顕著になるという問題があった。
特開2003−4930号公報 特開2004−333817号公報
本発明の課題は、耐熱性、耐光性に優れ、また、色濃度及び色純度と透明性を満足し、安全衛生面や環境汚染問題に対応したハロゲン原子が含まれないか、あるいは、含まれても微量である着色組成物を提供することである。
また、本発明のさらなる課題は、上記の着色組成物を用いたカラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタを提供することである。
前記課題は、少なくとも樹脂(A)と、アルミニウムフタロシアニン顔料を含む着色剤(B)と、酸性置換基および塩基性置換基の少なくともいずれか1種を有する銅フタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C)とを含有する着色組成物によって解決される。
また、本発明は、フタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C)が、下記式(1)で表される顔料誘導体を含む前記着色組成物に関する。
式(1) Pc−SO3
(式(1)中、Pcは、フタロシアニン構造残基を表し、Yは、水素、1〜3価の金属原子、有機アミン、またはアンモニアの何れかである。)
また、本発明は、さらに塩基性置換基を有するフタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C2)を含有する前記着色組成物に関する。
また、本発明は、樹脂(A)が、熱硬化性樹脂(A2)を含有する前記着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに樹脂型顔料分散剤(D)を含有する前記着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合開始剤(E)および/または光重合性組成物(F)を含有する前記着色組成物からなるカラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明は、前記カラーフィルタ用感光性着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関する。
本発明の着色組成物は、鮮明な色調、広い色表示領域、高い着色力を発揮するため、グラビアインキ、自動車用、木材用、金属用等の各種一般塗料、磁気テープのバックコート塗料、ラジエーションキュアー型インキ、インクジェットプリンター用インキ、カラーフィルタ用インキ等の用途に提供できる。
さらに、本発明の着色組成物およびカラーフィルタ用感光性着色組成物は、ハロゲン原子を含まないか、あるいは、含んでも極微量のため、とくに上記の分野の中でも安全衛生面や環境面を要求される用途に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
本発明の着色組成物は、少なくとも樹脂(A)と、アルミニウムフタロシアニン顔料を含む着色剤(B)と、酸性置換基および塩基性置換基の少なくともいずれか1種を有する銅フタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C)とを含むことを特徴とする。
<樹脂(A)>
本発明の着色組成物に含まれる樹脂(A)としては、従来公知の熱可塑性樹脂(A1)、および熱硬化性樹脂(A2)が挙げられる。
熱可塑性樹脂(A1)としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
カラーフィルタ用感光性着色組成物として用いる場合には、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジストの形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、及びスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。又、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
熱可塑性樹脂(A1)として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用感光性着色組成物として好ましい。
上記熱可塑性樹脂(A1)を構成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類、スチレン、又はα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類が挙げられる。
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類が挙げられる。
特に、N-置換マレイミド由来の構成単位を有することが好ましく、なかでも耐熱性の点からシクロヘキシルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタンが好ましく、特にシクロヘキシルマレイミドが好ましい。
熱硬化性樹脂(A2)としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びフェノール樹脂等が挙げられる。
本発明の着色組成物は、熱硬化性樹脂(A2)を含むとさらに耐熱性の面で好ましく、例えば、なかでも、エポキシ樹脂、メラミン樹脂がより好適に使用出来、特にメラミン樹脂がより好ましく、なかでも、下記式(2)で表されるメチロールイミノ基を有するメラミン化合物またはその縮合物がさらに好ましい。
式(2)
Figure 0005521451
(式(2)中、R21〜R24はそれぞれ独立に、CH2OCH3、CH2OC49、HまたはCH2OHである。)
熱硬化性樹脂(A2)は、着色剤(B)100重量部に対し、10〜60重量部の範囲で添加することが好ましい。10重量部未満であると耐熱性・耐光性向上への効果が小さくなり、60重量部を超えるとアルカリ現像の際の現像性悪化のため好ましくない。
樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、着色剤(B)を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは30,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、東ソー株式会社製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー「HLC−8120GPC」において、分離カラムを4本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「TSK−GEL SUPER H5000」、「H4000」、「H3000」、及び「H2000」を用い、移動相にテトラヒドロフランを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
樹脂(A)をカラーフィルタ用感光性着色組成物として使用する場合には、顔料分散性、現像性、及び耐熱性の観点から、顔料吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、顔料担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料分散性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
樹脂(A)は、着色剤(B)の全重量を基準として、30〜500重量%の量で用いることができる。30重量%未満では、成膜性及び諸耐性が不十分となり、500重量%より多いと顔料濃度が低く、色特性を発現できない。
<アルミニウムフタロシアニン顔料を含む着色剤(B)>
本発明の着色組成物は、アルミニウムフタロシアニン顔料を含む着色剤(B)を含む。アルミニウムフタロシアニン顔料としては、下記式(3)の構造を有するものが、使用出来る。
式(3)
Figure 0005521451
(式(3)中、Xは、ヒドロキシル基、水素原子、塩素原子、臭素原子のいずれかを表す。また、R11〜R14はそれぞれ独立に、ハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。n11〜n14はそれぞれ独立に0〜4の整数である。)
なかでも、下記式(4)の構造を有するものが、有機溶剤中への分散が容易となるため好ましい。
また、さらにハロゲン原子を無くす意味でも好ましい。
式(4)
Figure 0005521451
アルミニウムフタロシアニン顔料は、着色組成物の全量を基準として、5〜20重量%が好ましい。
本発明の着色組成物は、さらに色度を調製するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で顔料を含有してもよい。
以下使用することのできる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。以下に挙げる「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
本発明の着色組成物を青色着色組成物として用いる場合には、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を併用することができる。さらに、青色着色組成物には紫色顔料を併用することができる。
青色着色組成物に添加する紫色顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等を用いることができる。なかでも、C.I.Pigment Violet23が好ましい。
青色顔料を併用する場合は、青色顔料/アルミニウムフタロシアニン顔料の重量比が90/10〜10/90が好ましい。
アルミフタロシアニン顔料の重量比が90重量%以上となると青色としての色相出ず、10重量%以下となると目的の色度を出そうとすると厚膜化してしまうため好ましくない。
紫色顔料を併用する場合は、紫色顔料/アルミニウムフタロシアニン顔料の重量比が95/5〜10/90が好ましい。アルミフタロシアニン顔料の重量比が90重量%以上となると青色としては明度が低くなり、5重量%以下となると青色としての色相が出ないため不適切である。
本発明の着色組成物を緑色着色組成物として用いる場合には、C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58等の緑色顔料を併用することができる。さらに、緑色着色組成物には黄色顔料を併用することができる。
緑色着色組成物に添加する黄色顔料としては、例えばC.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199等を用いることができる。なかでも、C.I.Pigment Yellow138、139、150、185が好ましい。
顔料組成物を緑色用として用い、緑色顔料を併用する場合には、緑色顔料/アルミニウムフタロシアニン顔料の重量比が70/30〜95/5が好ましい。アルミフタロシアニン顔料の重量比が30重量%以上となると緑色としては明度が低くなり、5重量%以下となると着色力の良いアルミフタロシアニン顔料が少なくなり、目的の色度を出そうとすると厚膜化してしまうため好ましくない。
黄色顔料を併用する場合には、黄色顔料/アルミニウムフタロシアニン顔料の重量比が60/40〜80/20が好ましい。アルミフタロシアニン顔料の重量比が40重量%以上となると緑色としては明度が低くなり、20重量%以下となると緑色としての色相が出ないため不適切である。
<顔料の微細化>
本発明の着色組成物に使用する顔料はソルトミリング処理を行い、微細化した物を使用することが好ましい。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕され、それにより活性面が生じて、結晶成長がおこると考えられている。従って、混練時は顔料の破砕と結晶成長が同時に起こり、混練条件により得られる顔料の一次粒子径が異なる。
加熱により結晶成長を促進するには、加熱温度が40〜150℃であることが好ましい。加熱温度が40℃未満の場合は、結晶成長が十分に起こらず、顔料粒子の形状が無定形に近くなるため好ましくない。一方、加熱温度が150℃を越える場合は、結晶成長が進みすぎ、顔料の一次粒子径が大きくなるため、カラーフィルタ用着色組成物の着色料としては好ましくない。また、ソルトミリング処理の混練時間は、ソルトミリング処理顔料の一次粒子の粒度分布とソルトミリング処理に要する費用のバランスの点から2〜24時間であることが好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、1次粒子径が非常に微細であり、また分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ、顔料を得ることができる。本発明の着色組成物に使用する顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる一次粒子径は20〜100nmの範囲であることが好ましい。20nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になってしまう。また100nmよりも大きくなってしまうと、十分なコントラスト比を得ることができなくなってしまう。特に好ましい範囲は25〜85nmの範囲である。
またソルトミリング処理に用いる水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全量を基準として、50〜2000重量%用いることが好ましく、300〜1000重量%用いることが最も好ましい。
また水溶性有機溶剤は、顔料および水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。
例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対して、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
ソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対して5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
また、顔料の体積平均一次粒子径(MV)は、透過型電子顕微鏡(TEM)写真を用いて、100個の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、短軸径と長軸径の平均をその顔料粒子の粒径(d)とし、次いで個々の顔料が、求めた粒径有する球と仮定してそれぞれ粒子の体積(V)を求め、この作業を100個の顔料粒子について行い、そこから下記式(5)を用いて算出した。
式(5) MV=Σ(V・d)/Σ(V)
<フタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C)>
本発明の着色組成物は、フタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C)を含む。
フタロシアニン構造は、中心金属を有する金属フタロシアニンまたはメタルフリーのフタロシアニンであり、公知の方法で製造することができる。銅、亜鉛、ニッケル、アルミニウムまたはコバルトを中心金属とするフタロシアニン、もしくはメタルフリーのフタロシアニンを用いると、とくに高鮮明で、色材としての利用価値の高い誘導体となるが、耐熱性、耐光性の効果から、銅フタロシアニン構造を母体骨格とすることが好ましい。
フタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C)としては、このようなフタロシアニン構造を母体骨格とし、酸性置換基(C1)、塩基性置換基(C2)、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられる。
また、その中でも酸性置換基を有する誘導体(C1)はより耐熱性および耐光性の観点から優れる。また、これらは単独で、または2種以上を併用することもできる。
<酸性置換基を有するフタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C1)>
酸性官能基を有するフタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C1)は、下記式(6)、下記式(7)、及び下記式(8)で表される誘導体を使用することができる。酸性官能基を有する誘導体としては、下記式(6)で表されるカウンターイオンを有さない誘導体、並びに下記式(7)及び(8)で表されるカウンターイオンを有する誘導体のいずれも用いることができる。
式(6):Pc−Z1
(式(6)中、Pcは、フタロシアニン構造残基を表し、Z1は、スルホン酸基又はカルボキシル基である。)
式(7):(Pc−Z2)[N+(R5、R6、R7、R8)]
(式(7)中、Pcは、フタロシアニン顔料骨格を表し、R5は、炭素数5〜20のアルキル基であり、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、Z2は、SO3 -又はCOO-である。)
式(8):(Pc−Z2)xMy+
(式(8)中、Pcは、フタロシアニン顔料骨格を表し、My+は、金属イオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、又はアルミニウムのイオンであり、yはイオンの価数であり、xはx=y÷(Z2の個数)の式で求められる値であり、Z2は、SO3 -又はCOO-である。)
式(6)のZ1は、式(6)のPcに対して、0.5〜8.0個の範囲で存在して良く、好ましくは0.7〜3.0個である。
式(7)のZ2は、式(7)のPcに対して、0.5〜8.0個の範囲で存在して良く、好ましくは0.7〜3.0個である。同時にZ2の個数に応じて[N+((R5、R6、R7、R8)]も同数存在してよい。
式(8)のZ2は、式(8)のPcに対して、0.5〜8.0個の範囲で存在して良く、好ましくは0.7〜3.0個である。同時にZ2の個数とMのイオン価数yにあわせてxの数は適宜変わってよい。
また、酸性置換基を有する誘導体の中でも下記式(1)で表される酸性置換基を有する誘導体は特に耐熱性および耐光性の観点から優れる。
式(1) Pc−SO3
(式(1)中、Pcは、フタロシアニン構造残基を表し、Yは、水素、1〜3価の金属原子、有機アミン、またはアンモニアの何れかである。)
1〜3価の金属原子としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウム等が、
有機アミンとしては、エチルアミン、ブチルアミン等のモノアルキルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン等のジアルキルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のトリアルキルアミンモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
<塩基性置換基を有するフタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C2)>
塩基性置換基を有するフタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C2)は、下記式で表されるものである。
式(9):Pc−Lm
(式(9)中、Pcは、フタロシアニン構造残基であり、
mは、1〜4の整数であり、
Lは、式(10)、(11)、及び(12)で示される群から選ばれる置換基である。)
式(10)
Figure 0005521451
式(11):
Figure 0005521451
式(12):
Figure 0005521451
(式(10)〜(12)中、
Xは、−SO2−、−CO−、−CH2−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHSO2CH2−、又は直接結合であり、
Yは、−NH−、−O−、又は直接結合であり、
nは、1〜10の整数であり、
1は、−NH−、−NR58−Z−NR59−、又は直接結合であり、
58、及びR59は、それぞれ独立に、水素結合、置換基を有しても良い炭素数1〜36のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜36のアルケニル基、又は置換基を有しても良いフェニル基であり、
Zは、置換基を有しても良いアルキレン基、又は置換基を有しても良いアリーレン基であり、
50、R51は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜30のアルケニル基、又はR50とR51とが一体となって更なる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む、置換基を有しても良い複素環であり、
52、R53、R54、及びR55は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有しても良い炭素数6〜20のアリーレン基であり、
56は、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルケニル基であり、
57は、上記式(10)で示される置換基、又は上記式(11)で示される置換基であり、
Qは、水酸基、アルコキシル基、上記式(10)で示される置換基、又は上記式(11)で示される置換基である。)
式(10)〜(12)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジ ン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニペコチン酸メチル、イソニペコチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエ チルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
本発明の塩基性置換基を有するフタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C2)の具体例を、化合物番号を付して以下に示すが、これらに限定されるわけではない。
・化合物1
式(13):
Figure 0005521451
〔式(13)中、CuPcは、銅フタロシアニン構造残基である。〕
・化合物2
式(14):
Figure 0005521451
〔式(14)中、CuPcは、銅フタロシアニン構造残基である。〕
本発明の顔料組成物において、フタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C)の配合量は、顔料の重量を基準にして、好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは3〜30重%部、最も好ましくは5〜25重量%である。顔料誘導体が1重量%未満であると添加した効果が得られ難く、50重量%を超えると耐熱性、及び耐光性が悪くなる場合がある。
本発明の着色組成物は、式(1)で表される酸性置換基を有する誘導体と、塩基性置換基を有するフタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C2)を併用して用いることで、特に耐熱性、耐光性に優れたアルミニウムフタロシアニン顔料を含む着色組成物を得ることができる。
<顔料分散剤>
また、本発明の着色組成物において顔料誘導体と併用することができる顔料分散剤としては、樹脂型顔料分散剤(D)、界面活性剤等が挙げられる。
顔料分散剤として使用する樹脂型顔料分散剤(D)は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
樹脂型分散剤としては、耐熱性の観点からポリアクリレートが好ましく、特にポリカルボン酸エステルまたは不飽和ポリアミド好ましい。
顔料分散剤として使用する界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸モノエタノールアミン、ドデシル硫酸トリエタノールアミン、ドデシル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
<有機溶剤>
さらに、本発明の着色組成物には、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物>
本発明の着色組成物は、さらに光重合開始剤(E)および/または光重合性組成物(F)を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することが出来る。
<光重合開始剤(E)>
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化したり、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合は、光重合開始剤(E)等が添加される。光重合開始剤(E)を使用する際の配合量は、顔料の全量を基準として、5〜200重量%であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150重量%であることがより好ましい。
光重合開始剤(E)としては、
4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、及びベンジルジメチルケタール等のベンゾイン光重合開始剤;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤;
チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、及び2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤;
2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、及び2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤;
ボレート系光重合開始剤; カルバゾール系光重合開始剤; イミダゾール系光重合開始剤;並びに、オキシムエステル系光重合開始剤等が用いられる。
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、
α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、及び4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
増感剤を使用する際の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤(E)を基準として、3〜60重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量%であることがより好ましい。
<光重合性組成物(F)>
光重合性組成物(F)として使用される単量体、及びオリゴマーとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカニル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能(メタ)アクリレート;
1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、及びフェノールノボラック樹脂等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート;
ポリエステル、ポリウレタン、イソシアヌレート、メチロール化メラミン等を変性した各種(メタ)アクリル酸エステル類;並びに
(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等の(メタ)アクリレート以外の単量体が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されない。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)に対して0.003〜0.5重量%である。
<その他の成分>
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の着色剤(B)100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、着色組成物中の着色剤(B)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、樹脂(A)と、アルミニウムフタロシアニン顔料を含む着色剤(B)と、フタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C)と、必要に応じて、その他の顔料分散剤、溶剤を混合したものを、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて顔料を微細に樹脂溶剤液中に分散し、製造することができる(顔料分散体)。カラーフィルタ用感光性着色組成物として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型カラーフィルタ用感光性着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型カラーフィルタ用着色組成物は、前記顔料分散体に、光重合性組成物(F)、光重合開始剤(E)、必要に応じてその他の樹脂、溶剤、顔料分散剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。
また、2種以上の顔料を含む着色組成物は、各顔料を別々に、樹脂および溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
このようにして平均一次粒子径が100nm以下に微細化された顔料をサンドミル等の分散機を用いて樹脂に分散すると、一次粒子が複数個集まった二次粒子からなる分散粒子の状態で分散され、分散状態の進行によりこの分散粒子は徐々に小さくなり、最終的には一次粒子の状態で分散されているようになるものであるが、分散状態を分散粒子の大きさで制御し、分散粒子の平均径が50nmから150nmの範囲内となるように分散させたものである。
分散が進むにつれ分散粒径は小さくなり、透明性が増し、コントラスト比は上昇するため、分散粒径は小さくなるほどよく、300nmくらいから良好なコントラスト比が得られるようになる。一方、分散が進行し、分散粒径が小さくなると分散体の粘度が上昇し、かつチキソトロピック性が大きくなる傾向がみられる。カラーフィルタ用感光性着色組成物として用いる場合には、薄膜塗布されかつ塗膜表面が平滑であることが要求されるため、低粘度でかつニュートニアンフローであることが要求される。このため、通常の使用に好ましい粘度やチキソトロピック性を考慮すると、分散粒径を100nm程度に抑えることが好ましい。このように、平均一次粒子径が100nm以下の顔料を用い、分散粒子の平均粒径を50nmから150nmの範囲内となるように分散度合いを制御することにより、粘度上昇およびチキソトロピック性が最小限に抑えられ、コントラスト比が非常に高い顔料分散体を得ることができる。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
<カラーフィルタ>
つぎに、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基板上にフィルタセグメントを具備するものであり、例えば、ブラックマトリックスと、赤色、緑色、青色のフィルタセグメントとを備えることができる。前記フィルタセグメントは、スピンコート方式あるいはダイコート方式によってカラーフィルタ用感光性着色組成物を塗布したのち、紫外線等の活性エネルギー線を照射してフィルタセグメントとなる部分を硬化し、ついで現像することにより、基板上に形成される。
本発明により製造されるカラーフィルタ用着色組成物は、青色または、緑色のフィルタセグメントの形成に用いられ、それ以外の各色のフィルタセグメントは、従来用いられる赤色感光性着色組成物、緑色感光性着色組成物、青色感光性着色組成物を用いて形成することができる。
本発明におけるカラーフィルタ用感光性着色組成物以外の各色感光性着色組成物としては、各色顔料、前記樹脂、前記光重合性組成物(F)等を含有する通常の各感光性着色組成物を用いて形成することができる。
赤色フィルタセグメントは、赤色顔料と顔料担体を含む通常の赤色着色組成物を用いて形成することができる。赤色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント レッド 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、169、177、178、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、又は287等の赤色顔料が用いられる。また赤色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。
また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 43、71、又は73等の橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、又は214等の黄色顔料を併用することができる。
本発明以外の緑色フィルタセグメントを用いる場合には、緑色顔料と顔料担体を含む通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメント グリーン2、7、10、36、37、58等が用いられる。
また緑色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料としては、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、221等を挙げることができる。
本発明以外の青色フィルタセグメントを用いる場合には、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料が用いられる。青色感光性着色組成物には、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
マゼンタ色フィルタセグメントは、マゼンタ色顔料と顔料担体を含む通常のマゼンタ色着色組成物を用いて形成することができる。マゼンタ色着色組成物は、例えばC.I.ピグメント レッド 81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、192、202、207、209、C.I.ピグメント バイオレット 19等の顔料が用いられる。
イエロー色フィルタセグメントは、黄色顔料と顔料担体を含む通常の黄色着色組成物を用いて形成することができる。黄色顔料としては、赤色顔料や緑色顔料と併用可能な黄色顔料として例示した顔料を用いることができる。
カラーフィルタの基板としては、可視光に対して透過率の高いソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色組成物材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
透明基板または反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、液晶表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板または反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、液晶表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
カラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
また、以下の実施例において、数平均分子量、重量平均分子量は東ソー株式会社製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー「HLC−8120GPC」において、分離カラムを4本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「TSK−GEL SUPER H5000」、「H4000」、「H3000」、及び「H2000」を用い、移動相にテトラヒドロフランを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
また、顔料の体積平均一次粒子径(MV)は、透過型電子顕微鏡(TEM)写真を用いて、100個の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、短軸径と長軸径の平均をその顔料粒子の粒径(d)とし、次いで個々の顔料が、求めた粒径有する球と仮定してそれぞれ粒子の体積(V)を求め、この作業を100個の顔料粒子について行い、そこから下式式(5)を用いて算出した。
式(5) MV=Σ(V・d)/Σ(V)
まず、実施例及び比較例に使用した微細化処理顔料の製造方法、樹脂(A)溶液の製造方法、および黄色顔料分散体の製造方法を示す。
<微細化処理顔料の製造方法>
(微細化処理顔料(PB−1)の製造;クロロアルミニウムフタロシアニン)
式(3)でXが塩素原子、n11〜n14が各々0の構造を持つアルミフタロシアニン顔料(クロロアルミニウムフタロシアニン)の製造を以下の手順で行った。ガラス製4口フラスコにフタロニトリル60.0部と1−クロルナフタレン300部及び塩化アルミニウム15.6部を仕込み、6時間還流下攪拌した。その後、加熱を停止し、200℃程度まで放冷後熱時濾過して、熱トルエン600部、アセトン300部を用いて振りかけ洗浄した。得られたウエットケーキをトルエン250部に分散させ、3時間攪拌還流した。再度、熱時濾過をして、熱トルエン600部、アセトン300部を用いてふりかけ洗浄した後、1500部のイオン交換水へ分散し、60〜70℃で60分間加熱攪拌を加えた。濾過、水洗後50℃で真空乾燥し、目的の構造を持つ青色固体のアルミフタロシアニン顔料(AlPc−Cl)を得た。
この(AlPc−Cl顔料50部、塩化ナトリウム150部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化処理顔料(PB−1)を得た。得られた顔料の体積平均一次粒子径は26nmであった。
(微細化処理顔料(PB−2)の製造;ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン)
式(4)で示される構造を持つアルミフタロシアニン顔料(ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン)の製造を以下の手順で行った。微細化処理顔料(PB−1)の製造で合成したニーダー処理前の(AlPc−Cl)顔料30部を濃硫酸1200部に温度を5℃程度に保ちながら徐々に溶解させ、この温度で1時間攪拌した。これを氷水6000部へ温度が5℃を超えないように攪拌しながら注加し、注加終了後さらに1時間攪拌した。濾過、水洗後、6500部のイオン交換水へ再分散し、再度濾過した。水洗後ウエットケーキを4%アンモニア水2500部に再分散して6時間還流下攪拌した。濾過後、ケーキをイオン交換水で洗浄した後、50℃で真空乾燥し、目的の構造を持つ青色固体のアルミフタロシアニン顔料(AlPc−OH)を得た。
この(AlPc−OH)顔料50部、塩化ナトリウム150部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化処理顔料(PB−2)を得た。得られた顔料の体積平均一次粒子径は28nmであった。
(微細化処理黄色顔料(PY−1)の製造)
金属錯体系黄色顔料C.I.Pigment Yellow 150(ランクセス社「E4GN」)50部、塩化ナトリウム250部、及びジエチレングリコール25部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化処理黄色顔料(PY−1)を得た。得られた顔料の体積平均一次粒子径は28nmであった。
<樹脂(A)溶液の製造方法>
(樹脂溶液(A)の作製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート233部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)30部、メタクリル酸ベンジル19部、メタクリル酸メチル16部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)が16000の樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(A)を調製した。
<黄色顔料分散体の作製方法>
(黄色顔料分散体(DY−1)の作製)
下記の組成の混合物をディスパーで攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、メディア型湿式分散機としてアイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)を用いて4時間分散した後、顔料分50%、固形分20%となるように作製した。
微細化処理黄色顔料(PY−1) 10.0部
樹脂溶液(A−1) 50.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 40.0部
[実施例1]
下記の組成の混合物をディスパーで攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、メディア型湿式分散機としてアイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)を用いて4時間分散した後、顔料分50%、固形分20%となるように調製し、青色顔料分散体(DB−1)を得た。

アルミフタロシアニン顔料(PB−1) 8.5部
樹脂(A)溶液 50.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 40.0部
顔料誘導体(C−1):日本ルーブリゾール株式会社製の銅フタロシアニンスルホン酸誘導体「ソルスパーズ12000」 1.5部
[実施例2〜8および比較例1〜2]
表1に示すような組成、配合量(重量部)に変更した以外は、実施例1と同様にして青色顔料分散体(DB−2〜10)を作製した。
Figure 0005521451
表1中の略語について以下に示す。
顔料誘導体(C−1):日本ルーブリゾール株式会社製の銅フタロシアニンスルホン酸誘導体「ソルスパーズ12000」
顔料誘導体(C−2):日本ルーブリゾール株式会社製の銅フタロシアニンスルホン酸誘導体「ソルスパーズ5000」
顔料誘導体(C−3):下記式(15)で表される顔料誘導体
式(15):
Figure 0005521451
〔式(15)中、CuPcは、銅フタロシアニン構造残基である。〕
顔料誘導体(C-4):下記式(16)で表される顔料誘導体
式(16):
Figure 0005521451
〔式(16)中、CuPcは、銅フタロシアニン構造残基である。〕
顔料誘導体1:下記式(17)で表される顔料誘導体
式(17)
Figure 0005521451
樹脂型顔料分散剤1:ビックケミー社製:リン酸基含有顔料分散剤「BYK111」
樹脂型顔料分散剤2:味の素ファインテクノ社製:塩基性基を有する樹脂型分散剤「PB−821」
実施例および比較例で作成した顔料分散体について、下記評価方法にて評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005521451
実施例のように、フタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体を使用すると分光形状の変化が抑制され、結晶系を維持しており、その結果、耐熱性・耐光性も非常に良好な結果となった。比較例のように顔料誘導体を使用しない、またはフタロシアニン構造を母体骨格としない顔料誘導体のみを使用すると、分光は大きく変化し結晶系も著しく失われ、耐熱性・耐光性は非常に悪い結果となった。
また、顔料誘導体として酸性誘導体を使用した場合には、特に耐熱性、耐光性の観点で優れた結果なった。さらに、酸性誘導体と塩基性誘導体を併用することで、非常に耐熱性、耐光性に良好な結果となった。
さらに、樹脂型分散剤を使用することで、耐熱性が良好な結果となった。
<耐熱・耐光性評価>
[分光形状評価]
実施例1〜8及び比較例1、2で得られた着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いてC光源でy(C)=0.29となる膜厚で塗布し、次に70℃で20分乾燥し、塗膜基板を得た。
得られた塗膜基板と、230℃1時間の熱処理後の透過スペクトルを顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。得られた透過スペクトル(T)より、吸収スペクトル(Abs)を下記式(18)より算出した。

式(18) Abs=−log(T)

230℃熱処理前後のアルミニウムフタロシアニン顔料起因の630nm付近のピーク値(A630;熱処理前、A’630;熱処理後)と、670nm付近のピーク値(A670;熱処理前、A’670;熱処理後)を使用し、下記式(19)、式(20)より分光形状変化の度合いを表すパラメータを算出した。
式(19) R630=A’630/A630
式(20) R670=A’670/A670
ここで算出したR630の値が1に近いほど、より急峻なスペクトル形状を保持していることを表し明度の点で有利となる。またR670の値が小さいほど結晶系を維持していることを表す指標となる。それぞれについて、下記の基準で3段階評価した。
(明度評価;R630
○ : 85%以上
△ : 75%以上85%未満
× : 75%未満
(耐熱性評価;R670
○ : 100%以上150%未満
△ : 150%以上200%未満
× : 200%以上
[色差評価]
実施例1〜8及び比較例1、2で得られた着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いてC光源でy(C)=0.29の塗布基板を得た。次に70℃で20分乾燥し、ついで230℃で1時間加熱、放冷後、得られた塗膜の色度を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用い、[L*(1)、a*(1)、b*(1)]を測定した。
(耐熱性評価)
さらに250℃で1時間熱処理を行った後の色度[L*(2)、a*(2)、b*(2)]を測定し、下記式(21)により、色差ΔE*abを求めた。
式(21)
ΔE*ab=[[L*(2)−L*(1)]2+[a*(2)−a*(1)]2+[b*(2)−b*(1)]2]1/2
(耐光性評価)
同じく塗膜基板を作成し、さらに470W/m2のキセノンランプを用いて紫外線を照射した後の色度[L*(2)、a*(2)、b*(2)]を測定し、上記式(12)により、色差ΔE*abを求めた。
<感光性着色組成物の作製>
[実施例9〜18および比較例3〜5]
表3に示す組成、配合量(重量部)で各材料を混合・攪拌し、1μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物(RB―1〜11)、(RG−1、2)をそれぞれ作製した。
Figure 0005521451
表3中の略語について以下に示す。
青色顔料分散体:先に作製した青色顔料分散体(DB−1〜10)
黄色顔料分散体:先に作製した黄色顔料分散体(DY−1)
光重合性化合物:トリメチロールプロパントリアクリレート
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤:チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」
増感剤:保土谷化学社製「EAB−F」
溶剤:シクロヘキサノン
熱硬化性樹脂:熱硬化性メラミン化合物(三和ケミカル社製「MW−30」)
実施例および比較例で作成した各感光性着色組成物について、下記評価方法にて評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005521451
<ハロゲン量測定>
実施例および比較例にて作製したアルカリ現像型感光性着色組成物中のハロゲン原子含有量をICP発光分光分析法(誘導結合プラズマ発光分析装置 エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「SPS4000」にて測定した。
<耐熱・耐光性評価>
[分光形状評価]
実施例9〜18及び比較例3〜5で得られたアルカリ現像型感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、青色感光性着色組成物はC光源でy(c)=0.29、緑色感光性着色組成物はy(c)=0.69の塗布基板を得た。次に70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJで紫外線露光を行い、アルカリ現像液で現像を行い、塗膜基板を得た。
得られた塗膜基板と、230℃1時間の熱処理後の透過スペクトルを顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定し、実施例1〜8、比較例1、2と同様の評価を行った。
[色差評価]
実施例9〜18及び比較例3〜5で得られたアルカリ現像型感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、青色感光性着色組成物はC光源でy(c)=0.29、緑色感光性着色組成物はy(c)=0.69の塗布基板を得た。次に70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJで紫外線露光を行い、アルカリ現像液で現像を行い、ついで230℃で1時間加熱、放冷後、得られた塗膜の色度を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用い、[L*(1)、a*(1)、b*(1)]を測定した。
(耐熱性評価、耐光性評価)
実施例1〜8、比較例1、2と同様の評価を行った。
アルカリ現像型感光性着色組成物を用いても顔料分散体と同様の結果であり、耐熱性、耐光性に優れた特性を示した。さらに、熱硬化性樹脂であるメラミン化合物を添加した場合には、熱により膜硬化が起こることで、耐熱・耐光性が非常に良好な結果になった。
また、本発明の感光性着色組成物のハロゲン原子量の測定結果は、臭素原子については全ての感光性着色組成物で500ppm以下となった。また、塩素原子については、感光性着色組成物(RB−2)で5000ppm以下となった以外は、全て500ppm以下となった。
<カラーフィルタの作製>
次に、ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで、感光性青色着色組成物(RB−1)中の着色組成物で使用している顔料を、C.I.Pigment Red 254/C.I.Pigment Red 177=5.1部/0.9部に置き換えた以外は実施例9と同様にして作製した感光性赤色着色組成物をC光源において(以下、緑色、青色にも用いる)x=0.670、y=0.330になるような膜厚に塗布し着色被膜を形成した。次に、該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。
同様にして、実施例18で得られた感光性緑色着色組成物(RG−1)をx=0.205、y=0.640となるように、感光性青色着色組成物中(RB−1)の着色組成物で使用している顔料を、C.I.Pigment Blue 15:6/C.I.Pigment Violet 23=3.6部/2.4部に置き換えた以外は実施例9と同様にして作製した青色感光性着色組成物を用いてx=0.149、y=0.048になるような膜厚にそれぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
また、上記と同じ感光性着色組成物を用いて、C光源においてx=0.640、y=0.330の赤色フィルタセグメント、x=0.214、y=0.600の緑色フィルタセグメント、x=0.150、y=0.06の青色フィルタセグメントになるような膜厚にそれぞれ塗布し、カラーフィルタを得た。
本発明におけるカラーフィルタ用感光性着色組成物を用いると、広い色度範囲において色濃度、および色純度、透明性に優れ、耐熱性、耐光性も良好な緑色フィルタセグメントを有するカラーフィルタを作製することが可能であった。

Claims (4)

  1. 少なくとも樹脂(A)と、アルミニウムフタロシアニン顔料を含む着色剤(B)と、酸性置換基および塩基性置換基の少なくともいずれか1種を有する銅フタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体(C)とを含有し、顔料誘導体(C)が、銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を含むことを特徴とする着色組成物。
  2. 顔料誘導体(C)が、塩基性置換基を有する銅フタロシアニン構造を母体骨格とする顔料誘導体を含有することを特徴とする請求項1記載の着色組成物。
  3. 樹脂(A)が、熱硬化性樹脂(A2)を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の着色組成物。
  4. 請求項1〜いずれか1項に記載の着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。

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