JP2013199516A - 顔料組成物とその製造方法、および着色組成物、カラーフィルタ - Google Patents

顔料組成物とその製造方法、および着色組成物、カラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】高明度かつ高コントラスト比なカラーフィルタを提供するためのカラーフィルタ用途に適した比表面積を有するC.I.ピグメントレッド177を主成分とする顔料組成物とその製造方法を提供する。
【解決手段】C. I.ピグメントレッド177と、特定のキノフタロン化合物および/または特定のチアジン化合物との混合物を、水溶性無機塩類または水溶性無機塩類および溶剤の存在下、機械的に混練し、比表面積が60〜100m2/gである顔料組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、顔料組成物とその製造方法、およびそれを用いた着色組成物、カラーフィルタに関する。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。この2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高明度化、高コントラスト化、高色再現性の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。一般的に赤、緑、および青の3色のフィルタセグメントから形成されることが多く、これら各セグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、カラーフィルタを形成する製造工程において、一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温処理が必要である。このため、現在、カラーフィルタの製造方法では、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
顔料分散法において、赤色フィルタセグメントには、着色剤としてジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料またはジスアゾ系顔料等の耐光性および耐熱性に優れる顔料を単独または組み合わせて用いることが一般的である。
これらのうち、特にジアントラキノン顔料は、塗膜にした際のコントラストが高く、耐光性や耐熱性にも優れているため、カラーフィルタ用途に多く使用されている。しかし近年、高いコントラスト比と明度の両立が求められており、従来使用されてきたジアントラキノン顔料では目的を達成するのが困難となっている。
一般に、高い着色力や鮮明な色調を有する顔料は一次粒子が微細であるものが多い。特に、カラーフィルタ用として使用される顔料は、塗膜のコントラストを向上するために、従来の顔料よりもさらなる微細化が求められている。
微細な顔料粒子を調製するための顔料化法としては、硫酸あるいは燐酸などの酸に顔料を溶解した後、硫酸溶液を水中に注入して析出させる方法や、顔料と水溶性の無機塩及び溶性の有機溶剤を含む混合物を機械的に混練する方法(以下、ソルベントソルトミリング法と記す)などが知られている。
これらの方法によるジアントラキノン顔料の微細化法としては、特許文献1〜6の方法が開示されている。
これらのうち特許文献1は、ジアントラキノン顔料などの縮合多環式赤色有機顔料の硫酸溶液を流水中に連続的に加えて縮合多環式赤色有機顔料を析出させる工程により顔料を製造する方法に関するものである。この方法は、通常の顔料を容易に微細化できる方法であるが、結晶成長防止剤や顔料分散剤などを使用していないため、近年のカラーフィルタに要求されている高コントラスト化を達成するための微細化、分散性の点で十分な品質が得られなかった。
特許文献2は、有機顔料とスルホン酸基もしくはその塩を有する有機顔料誘導体とを強酸に共溶解させ、その溶液を水に取り出すことによる処理顔料の製造方法に関するものである。この方法によれば、有機顔料と前記有機顔料誘導体の微小単位での混合物、あるいは有機顔料の表面に前記有機顔料誘導体を被覆処理した顔料を調製することができるが、十分な微細化効果を得ることができなかった。また、塩基性官能基を有する分散樹脂を使用して分散する場合には、易分散化の効果を有するものの、酸性官能基を有する樹脂を使用した分散系においては分散性が不十分であった。
特許文献3〜5は、各種顔料誘導体またはアントラキノン誘導体とC.I.ピグメントレッド177の混合物をソルベントソルトミリング法により微細化、整粒する処理顔料の製造方法に関するものである。この方法によれば、微細かつ分散性の良好な処理顔料を調製することができるが、要求される高コントラスト化を達成するためには効果が不十分であった。
特許文献6は、顔料誘導体またはアントラキノン誘導体とC.I.ピグメントレッド177の混合物を強酸に共溶解させ、その溶液を水に取り出すことによる処理顔料の製造方法である。この方法によれば、微細かつ分散性の良好な処理顔料を調製することができる。品質面では、高コントラスト化はある程度の改善がなされているが、明度に関して更なる改善が望まれていた。
特開平09−208848号公報 特開2005−29633号公報 特開平09−272812号公報 特開平10−245501号公報 特開平10−245502号公報 特許第4396778号公報
本発明が解決しようとする課題は、高明度かつ高コントラスト比なカラーフィルタを提供するための顔料組成物とその製造方法を提供することである。特に、従来の技術では困難であった、カラーフィルタ用途に適した比表面積を有するジアントラキノン顔料の一種であるC.I.ピグメントレッド177を主成分とする顔料組成物とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち、本発明の実施態様は、下記式(1)で表されるC. I.ピグメントレッド177と、下記式(2)および/または下記式(3)で表される化合物との混合物を、水溶性無機塩類または水溶性無機塩類および溶剤の存在下、機械的に混練し、比表面積が60〜100m2/gである顔料組成物の製造方法に関する。
Figure 2013199516

(式中、R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、下記式(4)または下記式(5)で表される塩基性基を表わす。ただし、R1〜R18の少なくとも一つは、式(4)もしくは下記式(5)で表される塩基性基である。)
Figure 2013199516

(式中、
Xは、直接結合、−S−、−O−、−SO2−、−CO−、−SO2NR−、−NRSO2−、−CONR−、−CH2NRCOCH2NR−、または、−(CH2)nNH−を表す。
nは、1以上10以下の整数を表す。
Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数が20以下のアルケニル基、または、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアリール基を表わす。
Yは、直接結合、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキレン基、置換基を有してもよい炭素数が20以下のアルケニレン基、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアリーレン基、置換基を有してもよい2価の複素環基、または、−Y1−Y2−Y3−を表す。
1およびY3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキレン基、置換基を有してもよい炭素数が20以下のアルケニレン基、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアリーレン基、または、置換基を有してもよい2価の複素環基を表わす。
2は、直接結合、−NR−、−O−、−SO2−、または、−CO−を表すが、Y1とY3が同じ基である場合には直接結合となることはない。
19およびR20は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数が30以下のアルキル基、または、置換基を有していてもよく炭素数30以下のアルケニル基を表し、R19及びR20は互いに連結して環を形成していてもよい。
Zは、直接結合、−CH2NR'COCH2NR'−、−CH2NR'COCH2NR'−G−、−NR'−、−NR'−G−CO−、−NR'−G−CONR'−、−NR'−G−SO2−、−NR'−G−SO2NR'−、−O−G−CO−、−O−G−CONR'−、−SO2−、−O−G−SO2−、または、−O−G−SO2NR'−を表わす。
Gは、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルケニレン基、または、置換基を有していてもよい炭素数20以下のアリーレン基を表わし、R'は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルケニル基、または、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアリール基を表わす。
21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数が20以下のアルケニル基、または、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアリール基を表わす。
25は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルケニル基を表わす。)
また、本発明の実施態様は、前記式(2)、(3)で表される化合物が、それぞれ下記式(6)、(7)で表される化合物である前記製造方法に関する。
Figure 2013199516

(式中、R9、R10、R12、R16は、前記と同義である)
また、本発明の実施態様は、前記製造方法により得られてなる顔料組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、着色剤、バインダー樹脂、有機溶剤を含有する着色組成物であって、着色剤が、前記顔料組成物を含有することを特徴とする着色組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有する、前記着色組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、前記着色組成物から形成される赤色フィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関する。
本発明の製造方法により得られた顔料組成物は、常温ではもちろん、160℃まで加熱しても結晶転移、成長は認められず、カラーフィルタの色相および着色力の変化をきたさない。また、C.I.ピグメントレッド177単独、あるいは従来公知の顔料誘導体とからなる顔料組成物を使用した場合と比べて、高明度かつ高コントラスト比なカラーフィルタを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下に挙げる「C.I.」とは、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
まず、式(2)および(3)で表される化合物について説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。この内、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基などが挙げられる。この内、炭素数1〜8のアルコキシル基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシル基がより好ましい。
アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オレイル基などが挙げられる。この内、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜4のアルケニル基がより好ましい。
アリール基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基等が挙げられる。この内、炭素数6〜12のアリール基が好ましい。
アルキレン基としては、メチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基等が挙げられる。この内、炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましい。
アルケニレン基としては、エテニレン基、プロペニレン基等が挙げられる。この内、炭素数2〜8のアルケニレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルケニレン基がより好ましい。
アリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、2,6−−ナフチレン基、9,10−アンスリレン基等が挙げられる。この内、炭素数6〜12のアリーレン基が好ましい。
2価の複素環基としては、2,5−フリレン基、2,5−チエニレン基、2,5−ピローリレン基、2,6−ピリジレン基等が挙げられる。この内、炭素数6〜12の複素環基が好ましい。
式(2)および(3)で表される化合物を合成するための方法は、特に限定されないが、そのうちいくつかの方法を以下に例示する。
第一の例は、キノフタロン化合物またはチアジンインジゴ化合物をクロロスルホン化した後、1級または2級のジアミンあるいはヒドロキシルアミンを反応させる方法である。
クロロスルホン化反応は、公知の方法に従い行うことができる。例えば、キノフタロン化合物またはチアジンインジゴ化合物をクロロスルホン酸に溶解し、40〜140℃で1〜8時間加熱攪拌する。40〜50℃に冷却した後、塩化チオニルを添加してさらに1〜8時間攪拌する。反応終了後、反応混合物を大量の氷水中に注入し、濾過、氷水洗することで、キノフタロン化合物またはチアジンインジゴ化合物のクロロスルホン化物が得られる。得られたキノフタロン化合物またはチアジンインジゴ化合物のクロロスルホン化物を水中にスラリー化する。次いで、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンを添加し、5〜80℃で1〜5時間攪拌する。反応終了後、反応混合物を濾過、水洗、乾燥し目的物を得ることができる。
第二の例は、キノフタロン化合物またはチアジンインジゴ化合物に、クロロアセトアミドメチル化などの方法により連結基を導入した後、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンを作用させる方法である。
クロロアセトアミドメチル化反応は、公知の方法に従い行うことができる。例えば、キノフタロン化合物またはチアジンインジゴ化合物を硫酸中に溶解し、その後α − クロロアセトアミド及びパラホルムアルデヒドを添加する。混合物を20〜120℃で2〜10時間攪拌し、クロロアセトアミドメチル化を行う。反応終了後、反応混合物を冷却した後、大量の氷水中に注入し、濾過、氷水洗することで、キノフタロン化合物またはチアジンインジゴ化合物のクロロアセトアミドメチル化物が得られる。
得られたキノフタロン化合物またはチアジンインジゴ化合物のクロロアセトアミドメチル化物を水中にスラリー化し、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンを添加する。次いで、5〜80℃で1〜5時間攪拌する。反応終了後、反応混合物を濾過、水洗、乾燥し、目的物を得ることができる。
第三の例は、アミノキナルジンとアセトアミド基を有する各種酸クロライドを反応させた後に、アセトアミドを加水分解し、アミノ基に変換する方法である。
アミノキナルジンと各種4−アセタミンベンゼンスルホニルクロライドを各種無機塩基または三級アミンの存在下、10〜50℃で1〜5時間撹拌する。その際に使用する溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。使用する各種無機塩基または3級アミンの種類は特に限定されず、使用量も発生する発生する塩化水素を中和しうる量であれば特に限定されない。反応溶液に水を添加した後、pHが1以下になるまで塩酸を添加し、還流温度に加熱する。反応液を100℃で1〜5時間攪拌することで、アセトアミド基をアミノ基に変換する。得られた化合物と塩化シアヌルを、各種無機塩基または三級アミンの存在下、5〜15℃で1〜5時間攪拌した後、各種アミン成分または各種アルコール成分を各種溶媒中、40〜100℃の温度で1〜8時間攪拌する。
反応終了後、反応混合物を濾過、水洗、乾燥し、目的物を得ることができる。
第四の例は、チアジンインジゴ化合物を臭素化させたのちに、各種アミノチオールを反応させる方法である。
ニトロベンゼン中で、チアジンインジゴ化合物と臭素を100℃で5時間攪拌し、過剰の臭素を回収した後、臭素化チアジンインジゴ化合物を得た。ジメチルホルムアミド中に、臭素化チアジンインジゴ化合物と各種チオールを150度で5時間加熱攪拌する。反応終了後、反応混合物を濾過、水洗、乾燥し、目的物を得ることができる。
以下に、式(2)および(3)で表わされる化合物の具体例を示すが、以下の例に限定されるものではない。これらのうち、下記式(2−1)、(3−1)で表される化合物は、C.I.ピグメントレッド177に対する微細化効果及び色相が良好のために本発明の目的に使用するためには特に好ましい。尚、Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基を表す。
Figure 2013199516
Figure 2013199516
1.C. I.ピグメントレッド177系顔料組成物
本発明において、式(2)および/または式(3)で示される化合物のC.I.ピグメントレッド177に対する配合比は、C.I.ピグメントレッド177を100重量部に対して0.3〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
(顔料組成物の製造方法)
C.I.ピグメントレッド177と式(2)および/または式(3)で示される化合物の機械的な混練には、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
機械的に混練する際に用いる水溶性無機塩類としては、食塩、塩化カリウム、ボウ硝等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。水溶性無機塩類は、C.I.ピグメントレッド177を100重量部に対して、100〜2000重量部用いるのが好ましく、300〜1000重量部用いるのがより好ましい。
機械的に混練する際の温度は、35〜150℃であることが好ましい。機械的に混練する際の時間は、一次粒子の粒度分布と混練に要する費用のバランスの点から、2〜24時間であることが好ましい。
機械的に混練する際に用いる溶剤は特に限定されないが、混練時に温度が上昇し、溶剤が蒸発しやすい状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点の溶剤が好ましい。
例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料組成物100質量部に対して、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることが最も好ましい。
本発明において、機械的に混練する際に必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料組成物100質量部に対して5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
(色素誘導体)
C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物には、顔料分散性向上を目的として色素誘導体を使用することができる。すなわち、一実施態様として、C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物は、さらに色素誘導体を含有してもよい。
用いられる色素誘導体としては、キナクリドン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、ベンゾイソインドール誘導体、アントラキノン誘導体、ジアントラキノン誘導体、およびアゾ色素誘導体等が挙げられる。複数種の色素誘導体を使用してもよい。
色素誘導体の構造は、下記式(8)で示すことができるが、色素誘導体がこれらの式で表されるものに限定されることはない。
Figure 2013199516
式(8)中、Pは、キナクリドン残基、ジケトピロロピロール残基、ベンゾイソインドール残基、アントラキノン残基、ジアントラキノン残基、またはアゾ色素残基、であり、
mは、1〜4の整数であり、
Lは、それぞれ独立して、−OH;−SO3H、−COOH、これら酸性基の1価〜3価の金属塩、アルキルアンモニウム塩;置換基を有しても良いフタルイミドメチル基;または、下記式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、および(f)のいずれかで表される基である。
Figure 2013199516
上記式(a)〜(f)において、Tは、−SO2−、−CO−、−CH2−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHSO2CH2−、または直接結合であり、
Uは、−NH−、−O−、−S−、または直接結合であり、
aは、1〜10の整数であり、
26、R27は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜30のアルケニル基、またはR26とR27とが一体となって更なる窒素、酸素、もしくは硫黄原子を含む、置換基を有しても良い複素環であり、
28、R29、R30、R31およびR32は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルケニル基であり、
33は、式(a)、または式(b)で表される置換基であり、
34は、塩素原子、−OH、アルコキシル基、式(a)、または式(b)で表される置換基であり、
Zは、−CONH−、−NHCO−、−SO2NH−、または−NHSO2−であり、
35は、水素原子、−NH2、−NHCOCH3、−NHR36、または式(c)で表される置換基であり、ここでR36は、置換基を有して良い炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルケニル基である。
上記式(8)のLにおける、1価〜3価の金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、またはアルミニウム等が挙げられる。
アルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、もしくはステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、または、パルミチルトリメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、もしくはジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルケニル基、または置換基を有しても良い複素環の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、N-置換カルバモイル基、スルファモイル基、N-置換スルファモイル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルキル基およびアルケニル基は、直鎖であってもよいし分岐鎖であってもよい。
色素誘導体は、硫酸もしくは発煙硫酸中で加熱することによるスルホン化反応、硫酸中、N−ヒドロキシメチルフタルイミドと脱水縮合させるフタルイミドメチル化反応、クロルスルホン酸と塩化チオニルを用いてクロルスルホン化した後、ジメチルアミノプロピルアミン等のアミン成分を反応させるスルホンアミド化反応等の公知の製法により合成される。
上記式(a)、式(b)、および式(c)で表される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチル−ラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチル−ヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジ ン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニペコチン酸メチル、イソニペコチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アゾ色素に置換基を導入する場合は、置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ色素誘導体を製造することもできる。
色素誘導体の使用法は、C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物を顔料担体中に分散するときに顔料組成物と混合する方法のほかに、顔料製造時に水中で混合処理する方法が挙げられる。
色素誘導体の配合量は、分散能力を十分に発揮させるために、顔料組成物100質量部に対し色素誘導体を0.5質量部以上使用することが好ましく、3質量部以上使用することがより好ましい。一方、C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物の良好な色調を維持するために、顔料組成物100質量部に対し色素誘導体の量は10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。すなわち、色素誘導体の配合量は、顔料組成物100質量%に対して0.5〜10質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、顔料100質量%に対して3〜5質量%の範囲である
2.着色組成物(感光性着色組成物を含む)
本発明に係るC.I.ピグメントレッド177系顔料組成物は、バインダー樹脂および有機溶剤と併用することにより、着色組成物として使用することができる。この着色組成物は、カラーフィルタ用として用いられることが特に好ましい。
すなわち、この着色組成物は、着色剤、バインダー樹脂、および有機溶剤を含有し、この着色剤が本発明に係るC.I.ピグメントレッド177系顔料組成物を含有するものである。着色剤として、上記C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物以外の着色剤(その他の着色剤)を併用しても良い。
(その他着色剤)
その他の着色剤とは、上記C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物以外の顔料あるいは染料であり、色度を調整する等の目的のために、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて併用してもよい成分である。複数種のその他の着色剤を使用してもよい。
例えばC.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、169、176、178、179、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、または287等の赤色顔料を挙げることができる。赤色染料としては、キサンテン系、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系、金属錯体系など)、ジスアゾ系、アントラキノン系などが挙げられる。具体的には、C.I.アシッドレッド52、87、92、289、338などのキサンテン系酸性染料の造塩化合物等が挙げられる。
また、C.I.ピグメントオレンジ43、71、若しくは73等の橙色顔料および/またはC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、若しくは221等の黄色顔料を併用することができる。橙色染料および/または黄色染料としては、キノリン系、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系、金属錯体系など)、ジスアゾ系、メチン系などが挙げられる。
併用する着色剤で好ましいものとしては、C.I.ピグメントレッド254、242、C.I.ピグメントイエロー139、150、185が挙げられる。
着色組成物において、C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物以外の着色剤を併用する場合、着色剤全量(C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物とその他の着色剤の合計量)中(100質量%)、明度とコントラスト比の優れた効果を十分に発揮させる観点から、C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物は30質量%〜70質量%の範囲であることが好ましいく、より好ましくは、40質量%〜60質量%の範囲である。
(バインダー樹脂)
着色組成物に含まれるバインダー樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂が挙げられる。複数種のバインダー樹脂を使用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
カラーフィルタ用着色組成物として用いる場合には、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。アルカリ現像型着色レジストの形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
ここで、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸とメタクリル酸の双方を示し、その誘導体においても同様の意味で用いられる。
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。又、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子を、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用着色組成物として好ましい。
上記熱可塑性樹脂を構成するモノマーとして、以下のものが挙げられる。これらのうち、複数種のモノマーを使用してもよい。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、またはエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、またはアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;
スチレン、またはα−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;または、酢酸ビニル、またはプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;が挙げられる。
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性向上の観点から、エポキシ樹脂、メラミン樹脂がより好適に用いられる。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、5,000〜80,000の範囲が好ましく、より好ましくは7,000〜50,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は2,500〜40,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、東ソー株式会社製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー「HLC−8120GPC」において、分離カラムを4本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「TSK−GEL SUPER H5000」、「H4000」、「H3000」、および「H2000」を用い、移動相にテトラヒドロフランを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
着色組成物をカラーフィルタ用着色組成物として使用する場合には、バインダー樹脂において、顔料吸着基および現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、顔料担体および溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基および芳香族基のバランスが、顔料分散性、現像性、さらには耐久性にとって重要である。微細パターンの形成のために適切な現像性を得るために、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成が困難となる恐れがあり、300mgKOH/gを超えると、現像で微細パターンが残らなくなる恐れがある。
バインダー樹脂の量は、着色剤100質量部に対し、成膜性および諸耐性を得るために20質量部以上であることが好ましく、顔料組成物の濃度と色特性を確保するために500質量部以下であることが好ましい。
(有機溶剤)
着色組成物には、顔料組成物を充分に顔料組成物担体中に分散させ、ガラス基板等の基板上に、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために、有機溶剤を含有させる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、着色組成物各成分の溶解性、および着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル等の脂肪族ヒドロキシ酸エステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等の脂環式ケトン類を用いることが好ましい。
これらの有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。有機溶剤の配合量は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成する観点から、着色剤の全質量を基準(100質量部)にして、500〜4000質量部の量で用いることが好ましい。
(顔料分散)
着色組成物は、C.I.ピグメントレッド177と一般式(2)および/または下記一般式(3)とを特定の比率で含有するC.I.ピグメントレッド177系顔料組成物を、上記バインダー樹脂と有機溶剤とからなる着色剤担体中に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。ここで、C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物とその他の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、コントラストおよび粘度安定性が良好になる。
(樹脂型分散剤および界面活性剤)
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、
ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等;
日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等;
チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等;
味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、
ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;
アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられる。
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤および/または界面活性剤を添加する場合には、着色剤の全量を基準(100質量部)とし、その配合効果を得るために0.1質量部以上の量で配合することが好ましく、適切な分散性を得るために55質量部以下の量で使用することが好ましい。すなわち、好ましくは0.1〜55質量部、さらに好ましくは0.1〜45質量部である。
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含み、感光性着色組成物として使用することができる。好ましい一実施形態において、この感光性着色組成物は、カラーフィルタ用着色組成物である。
(光重合性単量体)
使用される光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。モノマーの配合量は、着色剤の全重量を基準(100重量%)として(すなわち、着色剤の全重量100質量部に対し)、5〜400重量%(質量部)であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量%(質量部)であることがより好ましい。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
(光重合開始剤)
感光性着色組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合は、光重合開始剤を加えて、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調整することができる。
光重合開始剤としては、
4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;
9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;
ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。これらの光重合開始剤は、感光性着色組成物中の着色剤の全量を基準(100質量%)として(すなわち着色剤の全量100質量部に対し)、2〜200質量%(質量部)であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150質量%(質量部)であることがより好ましい。
(増感剤)
感光性着色組成物にはさらに、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。増感剤を使用する際の配合量は、感光性着色組成物中に含まれる光重合開始剤の全重量を基準(100質量%)として(すなわち光重合開始剤100質量部に対し)、3〜60質量%(質量部)であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50質量%(質量部)であることがより好ましい。
(アミン系化合物)
着色組成物または感光性着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。複数種のアミン化合物を併用してもよい。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
(レベリング剤)
着色組成物または感光性着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとを併用することもできる。
レベリング剤の含有量は通常、着色組成物または感光性着色組成物の全重量(100質量%)中に、0.003〜0.5質量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが挙げられ、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのエーテル型またはエステル型界面活性剤が挙げられる。
さらに、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤を用いてもよいし、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤を用いてもよい。
(硬化剤、硬化促進剤)
着色組成物または感光性着色組成物は、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤および/または硬化促進剤などを含んでいてもよい。
硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤は、熱硬化性樹脂全量(100質量部)に対し、1〜100質量部の量で含まれることが好ましい。
上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂全量(100質量部)に対し、0.01〜15質量部が好ましい。
(その他の添加剤成分)
着色組成物または感光性着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド;乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル;t−ブチルピロカテコール;テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン;亜リン酸塩等が挙げられる。
貯蔵安定剤は、着色剤の全量を基準として(着色剤100質量部に対し)、0.1〜10質量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類;
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類;
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類;等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物または感光性着色組成物中の着色剤の全量を基準として(着色剤100質量部に対し)、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の量で用いることができる。
(粗大粒子の除去)
着色組成物および感光性着色組成物において、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、一次粒子径が5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μmより大きな粒子を含まない(0.3μm以下である)ことがより好ましい。
3.カラーフィルタ
本発明に係るカラーフィルタは、本発明に係るDPP系顔料組成物を含有する着色組成物または感光性着色組成物から形成される赤色フィルタセグメントを有するものである。すなわち、本発明に係るカラーフィルタは、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを備え、該赤色フィルタセグメントが、本発明に係るDPP系顔料組成物を含有する着色組成物または感光性着色組成物から形成されるものである。
緑色フィルタセグメントは、任意の緑色顔料と任意の着色剤担体(バインダー樹脂と有機溶剤、以下同じ)を含む通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58等が用いられる。
緑色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を挙げることができる。黄色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を併用することもできる。
青色フィルタセグメントは、任意の青色顔料と任意の着色剤担体を含む通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等が用いられる。青色着色組成物には、紫色顔料を併用することができる。併用可能な紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を挙げることができる。青色や紫色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。染料を使用する場合、キサンテン系染料が耐熱性と明度の点で好ましい。
(カラーフィルタの製造方法)
カラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上において、あるいはブランケット上においてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して、所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥して酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができ、本発明に係る着色組成物または感光性着色組成物は、いずれの方法にも用いることができる。電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また、カラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。実施例および比較例中、「部」とは「質量部」を意味する。また、PR177とは、C.I.ピグメントレッド177を意味する。また、比表面積は、Mountech社製MacsorbHMmodel− 1208を用い、窒素吸着法により求めた。
C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物の製造
<実施例1>
(顔料組成物1(R−1)の製造)
CINIC社製Cinilex Red SR4C(C.I.ピグメントレッド177)と、式(2−1)のキノフタロン化合物との95:5(質量比)からなる混合物150部、塩化ナトリウム1500部およびジエチレングリコール170部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で12時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより、顔料組成物1(R−1)125部を得た。得られた顔料組成物について、窒素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って比表面積を測定した結果、82m2/gであった。
<実施例2>
(顔料組成物2(R−2)の製造)
C.I.ピグメントレッド177と式(2−1)のキノフタロン化合物との混合比率を90:10(質量比)に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、顔料組成物2(R−2)125部を得た。比表面積は、86m2/gであった。
<実施例3>
(顔料組成物3(R−3)の製造)
式(2−1)のキノフタロン化合物を、式(3−1)のチアジンインジゴ化合物に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、顔料組成物3(R−3)125部を得た。比表面積は、74m2/gであった。
<実施例4>
(顔料組成物4(R−4)の製造)
C.I.ピグメントレッド177と式(3−2)のチアジンインジゴ化合物との混合比率を90/10(質量比)に変更した以外は、顔料組成物3(R−3)の製造と同様に行い、顔料組成物4(R−4)125部を得た。比表面積は、78m2/gであった。
<比較例1>
(顔料組成物5(R−5)の製造)
CINIC社製Cinilex Red SR4CのC.I.ピグメントレッド177を150部、塩化ナトリウム1500部およびジエチレングリコール170部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で12時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより、顔料組成物5(R−5)125部を得た。得られた顔料組成物について、窒素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って比表面積を測定した結果、37m2/gであった。
<比較例2>
(顔料組成物6(R−6)の製造)
CINIC社製Cinilex Red SR4C(C.I.ピグメントレッド177)と、式(9)のジアントラキノン誘導体との90:10(質量比)からなる混合物150部、塩化ナトリウム1500部およびジエチレングリコール170部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で12時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより、顔料組成物6(R−6)125部を得た。得られた顔料組成物について、窒素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って比表面積を測定した結果、21m2/gであった。
Figure 2013199516
<比較例3>
(顔料組成物7(R−7)の製造)
式(9)のジアントラキノン誘導体を、式(10)のアントラキノン誘導体に変更した以外は、顔料組成物6(R−6)の製造と同様に行い、顔料組成物7(R−7)125部を得た。比表面積は、40m2/gであった。
Figure 2013199516
<比較例4>
(顔料組成物8(R−8)の製造)
式(9)のジアントラキノン誘導体を、式(11)のキナクリドン誘導体に変更した以外は、顔料組成物6(R−6)の製造と同様に行い、顔料組成物8(R−8)125部を得た。比表面積は、38m2/gであった。
Figure 2013199516
<比較例5>
(顔料組成物9(R−9)の製造)
攪拌容器中に秤量した98%−硫酸1000部を室温で攪拌しながら、CINIC社製Cinilex Red SR3C(C.I.ピグメントレッド177)90部及び式(2−1)のキノフタロン化合物10部を徐々に添加し、そのまま室温で1時間攪拌して完全に溶解させ、硫酸溶液を得た。別の攪拌容器中で水2500部と氷2500部を混合し、それを攪拌しながら上記の硫酸溶液を徐々に注入し、スラリーを得た。注入後のスラリーの液温は8℃であった。得られたスラリーを濾過し、濾液のpHが7以上になるまで水洗した。これを乾燥、粉砕して顔料組成物9(R−9)90部を得た。比表面積は、5.3m2/gであった。
<比較例6>
(顔料組成物10(R−10)の製造)
式(2−1)のキノフタロン化合物を、式(10)のアントラキノン誘導体に変更した以外は、顔料組成物9(R−9)の製造と同様に行い、顔料組成物10(R−10)90部を得た。比表面積は、3.3m2/gであった。
Figure 2013199516
その他の顔料の製造
(ジケトピロロピロール系顔料1(PR254−1)の製造)
CINIC社製Cinilex DPP Red ST(C.I.ピグメントレッド254)と、式(11−5)のジケトピロロピロール誘導体との95:5(質量比)からなる混合物150部、塩化ナトリウム1500部およびジエチレングリコール240部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で12時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより、ジケトピロロピロール系顔料1(PR254−1)125部を得た。
(アゾ系顔料1(PY150−1)の製造)
アゾ系顔料(C.I. Pigment Yellow 150)90部、塩化ナトリウム900部、およびジエチレングリコール110部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することによりアゾ系顔料1(PY150−1)85.0部を得た。
バインダー樹脂溶液の製造
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(アクリル樹脂溶液2の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
(バインダー樹脂の重量平均分子量)
上記アクリル樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物を使用した着色組成物の作製
<実施例5>
(着色組成物1(RP−1)の作製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、ピコミル(浅田鉄工社製)で8時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、着色組成物1(RP−1)を作製した。
C.I.ピグメントレッド177系顔料組成物1(R−1) 11.0部
色素誘導体(9) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 48.0部
<実施例6〜8>
(着色組成物2〜4(RP−2〜4)の作製)
顔料組成物1(R−1)を表2に記載の顔料組成物に変更した以外は着色組成物1(RP−1)と同様にして、着色組成物2〜4(RP−2〜4)を作製した。
<比較例6〜11>
(着色組成物5〜10(RP−5〜10)の作製)
顔料組成物1(R−1)を、表2に記載の顔料組成物に変更した以外は、着色組成物1(RP−1)と同様にして着色組成物5〜10(RP−5〜10)を作製した。
Figure 2013199516
その他の着色組成物の作製
(着色組成物11(RP−11)の作製)
下記に示す配合組成の混合物を用いる以外は着色組成物1(RP−1)と同様にして、調色用の着色組成物11(RP−11)を作製した。

ジケトピロロピロール系顔料(PR254−1) 10.8部
式(11−5)のジケトピロロピロール系色素誘導体 1.2部
アクリル樹脂溶液1 40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 48.0部
感光性着色組成物の作製
<実施例9>
(感光性着色組成物1(RR−1)の作製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、感光性着色組成物1(RR−1)を作製した。

着色組成物1(RP−1) 25.2部
着色組成物11(RP−11) 16.8部
アクリル樹脂溶液2 13.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 2.8部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 39.6部
<実施例10〜12>
(感光性着色組成物2〜4(RR−2〜4)の作製)
着色組成物1(RP−1)を着色組成物2〜4(RP−2〜4)に変更し、さらに着色組成物2〜4(RP−2〜4)と着色組成物11(RP−11)の比率を変更(着色組成物の全量42部内で比率変更)する以外は、実施例9と同様にして感光性着色組成物2〜4(RP−2〜4)を作製した。尚、比率変更については、塗膜評価の際にC光源でx=0.640、y=0.336の色度に合うように、着色組成物2〜4(RP−2〜4)と着色組成物11(RP−11)の比率を変更した。
<比較例11〜16>
(感光性着色組成物5〜10(RR−5〜10)の作製)
着色組成物1(RP−1)を着色組成物5〜10(RP−5〜10)に変更し、さらに着色組成物5〜10(RP−5〜10)と着色組成物11(RP−11)の比率を変更(着色組成物の全量42部内で比率変更)する以外は、実施例9と同様にして感光性着色組成物5〜10(RR−5〜10)を作製した。尚、比率変更については、塗膜評価の際にC光源でx=0.640、y=0.336の色度に合うように、着色組成物5〜10(RP−5〜10)と着色組成物11(RP−11)の比率を変更した。
9.感光性着色組成物を用いた塗膜作製と評価
得られた感光性着色組成物(RR−1〜10)を用いて作製した赤色塗膜の色特性、コントラスト比、熱による結晶析出の評価を下記方法で行った。表3に感光性着色組成物中の着色組成物の種類および評価結果を示す。
(塗膜の色特性評価)
100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、C光源においてx=0.640、y=0.336になるような膜厚に感光性着色組成物を塗布し、乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。さらに、230℃で60分加熱することで赤色塗膜を得た。その後、得られた塗膜の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
(塗膜のコントラスト比評価)
塗膜のコントラスト比の測定法について説明する。液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜を通過し、偏光板に到達する。偏光板と偏光板の偏光面が平行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板を透過する光量が減り、偏光板が直行のときは偏光板を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。

(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)

従って、塗膜中の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てた。コントラスト比測定には、色特性評価時と同様の方法で得られた赤色塗膜を使用した。
Figure 2013199516
表3の結果より、カラーフィルタ形成において、C.I.ピグメントレッド177と式(2)または式(3)で構成される顔料組成物を使用した実施例は、特に明度にすぐれており、さらにはコントラスト比を維持できることがわかった。
カラーフィルタの作製
カラーフィルタの作製に使用する緑色感光性着色組成物と青色感光性着色組成物の作製を行った。赤色については、上記感光性着色組成物4(RR−2)を使用した。
(緑色着色組成物1(GP−1)の作製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、ピコミルで8時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、緑色着色組成物1(GP−1)を作製した。

緑色顔料(C.I.ピグメントグリーン36) 6.8部
黄色顔料(C.I.ピグメントイエロー150) 5.2部
樹脂型分散剤(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
(緑色感光性着色組成物1(GR−1)の調製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、緑色感光性着色組成物1(GR−1)を作製した。

緑色着色組成物1(GP−1) 42.0部
アクリル樹脂溶液2 13.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 2.8部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 39.6部
(青色着色組成物1(BP−1)の調製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、ピコミルで8時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、青色着色組成物1(BP−1)を作製した。

青色顔料(C.I.ピグメントブルー15:6) 7.2部
紫色顔料(C.I.ピグメントバイオレット23) 4.8部
樹脂型分散剤(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
(青色感光性着色組成物1(BR−1)の調製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、青色感光性着色組成物1(BR−1)を作製した。

青色着色組成物1(BP−1) 34.0部
アクリル樹脂溶液2 15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 3.3部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45.1部
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで感光性着色組成物4(RR−4)を、x=0.640、y=0.336になるような膜厚に塗布し、着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。
同様の方法により、緑色感光性着色組成物1(GR−1)をx=0.300、y=0.600になるような膜厚に、青色感光性着色組成物1(BR―1)をx=0.150、y=0.060になるような膜厚に、それぞれ塗布し、緑色フィルタセグメントおよび青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
感光性着色組成物4(RR−4)を用いることにより、高明度かつ高コントラスト比のカラーフィルタを作製することが可能であった。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表されるC. I.ピグメントレッド177と、下記式(2)および/または下記式(3)で表される化合物との混合物を、水溶性無機塩類または水溶性無機塩類および溶剤の存在下、機械的に混練し、比表面積が60〜100m2/gである顔料組成物の製造方法。
    Figure 2013199516
    (式中、R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、下記式(4)または下記式(5)で表される塩基性基を表わす。ただし、R1〜R18の少なくとも一つは、式(4)もしくは下記式(5)で表される塩基性基である。)
    Figure 2013199516
    (式中、
    Xは、直接結合、−S−、−O−、−SO2−、−CO−、−SO2NR−、−NRSO2−、−CONR−、−CH2NRCOCH2NR−、または、−(CH2)nNH−を表す。
    nは、1以上10以下の整数を表す。
    Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数が20以下のアルケニル基、または、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアリール基を表わす。
    Yは、直接結合、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキレン基、置換基を有してもよい炭素数が20以下のアルケニレン基、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアリーレン基、置換基を有してもよい2価の複素環基、または、−Y1−Y2−Y3−を表す。
    1およびY3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキレン基、置換基を有してもよい炭素数が20以下のアルケニレン基、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアリーレン基、または、置換基を有してもよい2価の複素環基を表わす。
    2は、直接結合、−NR−、−O−、−SO2−、または、−CO−を表すが、Y1とY3が同じ基である場合には直接結合となることはない。
    19およびR20は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数が30以下のアルキル基、または、置換基を有していてもよく炭素数30以下のアルケニル基を表し、R19及びR20は互いに連結して環を形成していてもよい。
    Zは、直接結合、−CH2NR'COCH2NR'−、−CH2NR'COCH2NR'−G−、−NR'−、−NR'−G−CO−、−NR'−G−CONR'−、−NR'−G−SO2−、−NR'−G−SO2NR'−、−O−G−CO−、−O−G−CONR'−、−SO2−、−O−G−SO2−、または、−O−G−SO2NR'−を表わす。
    Gは、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルケニレン基、または、置換基を有していてもよい炭素数20以下のアリーレン基を表わし、R'は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルケニル基、または、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアリール基を表わす。
    21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数が20以下のアルケニル基、または、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアリール基を表わす。
    25は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数が20以下のアルケニル基を表わす。)
  2. 前記式(2)、(3)で表される化合物が、それぞれ下記式(6)、(7)で表される化合物である請求項1記載の製造方法。
    Figure 2013199516
    (式中、R9、R10、R12、R16は、前記と同義である)
  3. 請求項1および請求項2記載の製造方法により得られてなる顔料組成物。
  4. 着色剤、バインダー樹脂、有機溶剤を含有する着色組成物であって、着色剤が、請求項3記載の顔料組成物を含有することを特徴とする着色組成物。
  5. さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有する、請求項4記載の着色組成物。
  6. 請求項4または5記載の着色組成物から形成される赤色フィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
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