JP5783086B2 - カラーフィルタ用緑色着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents
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Description
[一般式(1)中、A1〜A16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または−OR3を表し、R1とR2とが互いに結合して環を形成しても良い。
R3は、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。]
[一般式(2)中、R4〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または、−OR14を表わす。
R14は、置換基を有してもよいアルキル基、または、置換基を有してもよいアリール基を表わす。
R10〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または、−OR15を表わす。
R15は、置換基を有してもよいアルキル基、または、置換基を有してもよいアリール基である。ただし、R10〜R13のいずれか1つが−OR15である。]
なお、以下に挙げる「C.I.」とは、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明の緑色着色組成物は、着色剤として、一般式(1)で表されるフタロシアニン色素(以下、「特定フタロシアニン色素」と称すことがある)と、一般式(2)で表されるキノフタロン色素(以下、「特定キノフタロン色素」と称すことがある)とを含むことで、明度に優れ、かつ耐熱性、および耐光性に優れ、かつ電圧保持率にも優れた効果を有するものとなる。特定フタロシアニン色素は450nm〜540nmの吸収が極めて小さく、特定キノフタロン色素(黄色色素)の優れた透過率を最大限に活かすことができるため、明度に優れた緑色カラーフィルタが形成できる。
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または−OR3を表し、R1とR2とが互いに結合して環を形成しても良い。
R3は、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。]
R14は、置換基を有してもよいアルキル基、または、置換基を有してもよいアリール基を表わす。
R10〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または、−OR15を表わす。
R15は、置換基を有してもよいアルキル基、または、置換基を有してもよいアリール基である。ただし、R10〜R13の少なくとも1つは−OR15である。]
−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH(−CH3)−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−OCO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−(CH2)5−COO−(CH2)11−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH−(COO−CH2−CH3) 2、
を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
より好ましくは、R14が、エステル結合(−COO−)、およびエーテル結合(−O−)から選ばれる一種類以上の結合を少なくとも1つ含む炭素数8〜30の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の場合である。
本発明の緑色着色組成物は、色度を調製するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の緑色顔料、黄色顔料を併用してもよい。
本発明の着色組成物に使用する着色剤が顔料の場合、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜90nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、90nmよりも大きくなると十分なコントラスト比を得ることができない。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は10〜70nmの範囲である。
本発明の着色組成物に含まれるバインダー樹脂は、着色剤を分散するもの、もしくは染色、浸透させるものであって、従来公知の熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
特に側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂をアルカリ現像型着色レジスト材に用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで着色剤が固定され、耐熱性が良好になり、着色剤の熱による退色(明度低下)を抑制できる。また、現像工程においても着色剤成分の凝集・析出を抑制する効果もある。
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、またはアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類、スチレン、またはα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、またはイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、またはプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類が挙げられる。
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
これらの溶剤は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明の着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有しても良い。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、ビイミダゾール誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明の着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有しても良い。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明の着色組成物は、酸化防止剤を含有しても良い。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有しても良い。
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
また、本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含有しても良い。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
本発明の着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有しても良い。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
本発明の着色組成物は、着色剤を、バインダー樹脂などの着色剤担体および/または溶剤中に、好ましくは分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(顔料分散体)。このとき、特定フタロシアニン色素、特定キノフタロン色素、およびその他の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。また、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度および粘度安定性が良好になる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2004−091497号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。色素誘導体を使用する場合、明度の観点から、キノフタロン骨格、アゾ骨格を有するものが好ましい。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するものであり、該緑色フィルタセグメントが、本発明の緑色着色組成物から形成されてなるものである。また、カラーフィルタは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
(ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン1の製造)
反応容器中でn−アミルアルコール1250部に、フタロジニトリル225部、塩化アルミニウム無水物78部を添加し、攪拌した。これに、DBU(1,8−Diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)266部を加え、昇温し、136℃で5時間還流させた。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5000部、水10000部の混合溶媒中へ、攪拌下注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2000部、水4000部の混合溶媒で洗浄し、乾燥して、135部のクロロアルミニウムフタロシアニンを得た。さらに、反応容器中でクロロアルミニウムフタロシアニン100部をゆっくり濃硫酸1200部に、室温にて加えた。40℃、3時間撹拌して、3℃の冷水24000部に硫酸溶液を注入した。青色の析出物をろ過、水洗、乾燥して、下記式(3)で表されるヒドロキシアルミニウムフタロシアニン1を102部得た。
ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン1の製造において、フタロジニトリルの代わりに4−メチルフタロジニトリル250部に変更した以外は、同様の製造法で、下記式(4)で表されるヒドロキシアルミニウムフタロシアニン2を得た。
ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン1の製造において、フタロジニトリルの代わりに4−クロロフタロジニトリル285部に変更した以外は、同様の製造法で、下記式(5)で表されるヒドロキシアルミニウムフタロシアニン3を得た。
ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン1を100部と、塩化ナトリウムを1200部と、ジエチレングリコール120部とをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、青色着色剤(BC−1)を得た。平均一次粒子径は30.4nmであった。
反応容器中でメタノール1000部に、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン1を100部とリン酸ジフェニルを49.5部とを加え、40℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、式(1−1)で表される特定フタロシアニン色素114部を得た。
反応容器中でメタノール1000部に、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン1を100部と、ジフェニルホスフィン酸を43.2部とを加え、40℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、式(1−2)で表される特定フタロシアニン色素112部を得た。
得られた式(1−2)で表される特定フタロシアニン色素を、青色着色剤(B−1)と同様のソルトミリング処理法で、青色着色剤(B−2)を得た。平均一次粒子径は29.5nmであった。
反応容器中でメタノール1000部に、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン2を100部と、フェニルホスフィン酸を28.0部とを加え、40℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、式(1−2)で表される特定フタロシアニン色素102部を得た。
得られた式(1−3)で表される特定フタロシアニン色素を、青色着色剤(B−1)と同様のソルトミリング処理法で、青色着色剤(B−3)を製造した。平均一次粒子径は33.1nmであった。
反応容器中でメタノール1000部に、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン3を100部と、リン酸ジブチルを41.5部とを加え、40℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、式(1−4)で表される特定フタロシアニン色素109部を得た。
得られた式(1−4)で表される特定フタロシアニン色素を、青色着色剤(B−1)と同様のソルトミリング処理法で、青色着色剤(B−4)を製造した。平均一次粒子径は28.9nmであった。
C.I.ピグメントグリーン 58(DIC社製「FASTGEN GREEN A110」)を100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色着色剤(G−1)97部を得た。平均一次粒子径は28.2nmであった。
8−ヒドロキシキナルジン6.8部と4−エトキシ無水フタル酸9部、安息香酸30部を混合し、200℃で5時間攪拌した。放冷後、メタノールを50部加え、1時間撹拌した。そして、析出している固体を吸引ろ過で収集した。さらに固体をメタノール400部中に入れ、1時間攪拌後、吸引ろ過で固体を収集した。真空乾燥機(40℃)で一晩乾燥し、下記式(6)で表されるキノフタロン色素1を6.1部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=333.23(分子量333.10)で目的物であることを確認した。
8−ヒドロキシキナルジン9.7部と4−ヒドロキシ無水フタル酸10部、安息香酸30部、安息香酸メチル40部を混合し、200℃で5時間攪拌した。放冷後、メタノールを50部加え、1時間撹拌した。そして、析出している固体を吸引ろ過で収集した。さらに固体をメタノール400部中に入れ、1時間攪拌後、吸引ろ過で固体を収集した。真空乾燥機(40℃)で一晩乾燥し、下記式(7)で表されるキノフタロン色素2を3.4部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=305.15(分子量305.07)で目的物であることを確認した。
キノフタロン色素1 3.0部をN,N−ジメチルアセトアミド30部に混合し、水酸化ナトリウム0.4部、1−ブロモ−2−エチルヘキサン 2.1部をさらに混合し、105 ℃で1時間攪拌した。放冷後、クロロホルムを20部、水100部を加え、有機層を抽出した。有機層を硫酸マグネシウム5部加えた後、乾燥させ、ろ別し、減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=5/1(容積比))で精製して、式(2−1)で表される特定キノフタロン色素(黄色着色剤(Y−1))を3.2部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=445.33(分子量445.23)で目的物であることを確認した。
8−(2−エチルヘキシルオキシ)−5−フェニル−2−メチルキノリン3.0部と4−エトキシ無水フタル酸1.7部、安息香酸30部を混合し、200℃で5時間攪拌した。放冷後、メタノールを100部加え、1時間撹拌した。そして、析出している固体を吸引ろ過で収集した。さらに固体をメタノール200部中に入れ、1時間攪拌後、吸引ろ過で固体を収集した。真空乾燥機(40℃)で一晩乾燥し、式(2−2)で表される特定キノフタロン色素(黄色着色剤(Y−2))を3.4部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=521.35(分子量521.26)で目的物であることを確認した。
8−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−メチルキノリン3.0部と4−フェノキシ無水フタル酸2.7部、安息香酸30部を混合し、200℃で5時間攪拌した。放冷後、メタノールを100部加え、1時間撹拌した。そして、析出している固体を吸引ろ過で収集した。さらに固体をメタノール200部中に入れ、1時間攪拌後、吸引ろ過で固体を収集した。真空乾燥機(40℃)で一晩乾燥し、式(2−3)で表される特定キノフタロン色素(黄色着色剤(Y−3))を4.4部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=493.41(分子量493.23)で目的物であることを確認した。
8−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−メチルキノリン3.0部と4−(2−エトキシエトキシ)無水フタル酸2.6部、安息香酸30部を混合し、200℃で5時間攪拌した。放冷後、メタノールを100部加え、1時間撹拌した。そして、析出している固体を吸引ろ過で収集した。さらに固体をメタノール200部中に入れ、1時間攪拌後、吸引ろ過で固体を収集した。真空乾燥機(40℃)で一晩乾燥し、式(2−4)で表される特定キノフタロン色素(黄色着色剤(Y−4))を4.3部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=489.46(分子量489.25)で目的物であることを確認した。
キノフタロン色素2 3.0部をN,N−ジメチルアセトアミド30部に混合し、水酸化ナトリウム0.9部、2-エチルヘキシル 5-ブロモ吉草酸6.9部をさらに混合し、105 ℃で1時間攪拌した。放冷後、クロロホルムを20部、水100部を加え、有機層を抽出した。有機層を硫酸マグネシウム5部加えた後、乾燥させ、ろ別し、減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=10/1(容積比))で精製して、式(2−5)で表される特定キノフタロン色素(黄色着色剤(Y−5))を5.0部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=729.83(分子量729.42)で目的物であることを確認した。
キノフタロン色素2 3.0部をN,N−ジメチルアセトアミド30部に混合し、水酸化ナトリウム0.9部、2−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル5-ブロモ吉草酸8.0部をさらに混合し、105 ℃で1時間攪拌した。放冷後、クロロホルムを20部、水100部を加え、有機層を抽出した。有機層を硫酸マグネシウム5部加えた後、乾燥させ、ろ別し、減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=10/1(容積比))で精製して、式(2−6)で表される特定キノフタロン色素(黄色着色剤(Y−6))を5.9部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=817.88(分子量817.48)で目的物であることを確認した。
キノフタロン色素2 3.0部をN,N−ジメチルアセトアミド30部に混合し、水酸化ナトリウム0.9部、2−(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)エチル 5−ブロモ吉草酸9.3部をさらに混合し、105 ℃で1時間攪拌した。放冷後、クロロホルムを20部、水100部を加え、有機層を抽出した。有機層を硫酸マグネシウム5部加えた後、乾燥させ、ろ別し、減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=10/1(容積比))で精製して、式(2−7)で表される特定キノフタロン色素(黄色着色剤(Y−7))を6.4部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=919.91(分子量919.54)で目的物であることを確認した。
キノフタロン色素1 3.0部をN,N−ジメチルアセトアミド30部に混合し、水酸化ナトリウム0.5部、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸2−エチルヘキシル4.5部をさらに混合し、105 ℃で1時間攪拌した。放冷後、クロロホルムを20部、水100部を加え、有機層を抽出した。有機層を硫酸マグネシウム5部加えた後、乾燥させ、ろ別し、減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=10/1(容積比))で精製して、式(2−8)で表される特定キノフタロン色素(黄色着色剤(Y−8))を3.9部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=587.51(分子量587・29)で目的物であることを確認した。
ビス(2−エチルヘキシル)4−ヒドロキシ−5−(2−メチルキノリン−8−イルオキシ)シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸3.0部と5−(2−フェノキシエトキシ)無水フタル酸1.5部、安息香酸30部を混合し、200℃で5時間攪拌した。放冷後、メタノールを100部加え、1時間撹拌した。そして、析出している固体を吸引ろ過で収集した。さらに固体をメタノール200部中に入れ、1時間攪拌後、吸引ろ過で固体を収集した。真空乾燥機(40℃)で一晩乾燥し、式(2−9)で表される特定キノフタロン色素(黄色着色剤(Y−9))を3.4部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=835.88(分子量834.43)で目的物であることを確認した。
ビス(2−エチルヘキシル)4−ヒドロキシ−5−(2−メチルキノリン−8−イルオキシ)シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸3.0部と5−フェノエトキシ無水フタル酸1.4部、安息香酸30部を混合し、200℃で5時間攪拌した。放冷後、メタノールを100部加え、1時間撹拌した。そして、析出している固体を吸引ろ過で収集した。さらに固体をメタノール200部中に入れ、1時間攪拌後、吸引ろ過で固体を収集した。真空乾燥機(40℃)で一晩乾燥し、式(2−10)で表される特定キノフタロン色素(黄色着色剤(Y−10))を3.2部得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=819.72(分子量819.43)で目的物であることを確認した。
C.I.ピグメントイエロー138(BASF社製商品名パリオトールイエローK0961HD)を100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(YC−3)98部を得た。平均一次粒子径は35.5nmであった。
(緑色着色組成物(DG−1))
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、緑色着色組成物(GP−1)を作製した。このとき、塗布基板を作製した際に、C光源でx=0.270、y=0.600の色度に合うように、青色着色剤(B−1)と黄色着色剤(Y−1)の比率を選定した。
青色着色剤(B−1) 3.1部
黄色着色剤(Y−1) 7.9部
樹脂型分散剤(ビッグケミー社製「BYK−LPN21715」) 5.5部
アクリル樹脂溶液1 28.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 47.0部
シクロヘキサノン 8.0部
(緑色着色組成物(DG−2〜36))
青色着色剤(B−1)と黄色着色剤(Y−1)を表1に示す着色剤の組み合わせに変更し、さらに着色剤の配合比率を変更した以外は、実施例1の緑色着色組成物(DG−1)と同様にして緑色着色組成物(DG−2〜36)を得た。なお、青色着色剤と黄色着色剤の配合比率は、いずれも塗布基板を作製した際に、C光源でx=0.270、y=0.600の色度に合うように、比率を選定した。また、着色剤の合計含有量はすべて11.0部である。
得られた緑色着色組成物(DG−1〜36)を用いて作製した緑色塗膜の明度(色特性)、耐熱性、および耐光性の評価を下記方法で行った。表1に評価結果を示す。
緑色着色組成物(DG−1〜36)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で30分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗膜の明度Y(C)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用い、測定した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、C光源でx=0.270、y=0.600の色度に合うようにした。明度Y(C)差に関しては、0.2ポイント以上であれば、明らかに差があるといえる。
緑色着色組成物(DG−1〜36)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で30分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、C光源でx=0.270、y=0.600の色度に合うようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の3段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
○:ΔEab*が5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
耐熱性評価のときと同様の方法で塗膜基板を作製し、C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。続いて、その基板上に紫外線カットフィルター(ホヤ社製「COLORED OPTICAL GLASS L38」)を貼り、470W/m2のキセノンランプを用いて紫外線を100時間照射した後、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、上記計算式により、色差ΔEab*を求め、耐熱性のときと同様の基準で評価した。
黄色着色剤(YC−2);市販品のC.I.ディスパーズイエロー64
(緑色感光性着色組成物(RG−1))
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物(RG−1)を得た。
緑色着色組成物(DG−1) 55.0部
アクリル樹脂溶液2 9.8部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM402」 4.6部
光重合開始剤 0.8部
(チバ・ジャパン社製「イルガキュアーOXE02」)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 29.8部
(緑色感光性着色組成物(RG−2〜36))
緑色着色組成物(DG−1)を表2に示す緑色着色組成物に変更した以外は、実施例29と同様にして緑色感光性着色組成物(RG−2〜36)を得た。
得られた緑色感光性着色組成物(RG−1〜36)を用いて作製した緑色塗膜の明度(色特性)、耐熱性、耐光性、および電圧保持率の評価を下記方法で行った。表2に評価結果を示す。
緑色感光性着色組成物(RG−1〜36)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行い、塗膜基板を得た。ついで220℃で30分間加熱、放冷後、得られた塗膜基板の明度Y(C)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用い、測定した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、C光源でx=0.270、y=0.600の色度に合うようにした。アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム1.5質量%炭酸水素ナトリウム0.5質量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)8.0質量%および水90質量%からなるものを用いた。明度Y(C)差に関しては、0.2ポイント以上であれば、明らかに差があるといえる。
緑色感光性着色組成物(RG−1〜36)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行った。ついで220℃で30分間加熱、放冷後し、塗膜基板を得た。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、C光源でx=0.270、y=0.600の色度に合うようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の3段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
○:ΔEab*が5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
耐熱性評価のときと同様の方法で塗膜基板を作製し、C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。続いて、その基板上に紫外線カットフィルター(ホヤ社製「COLORED OPTICAL GLASS L38」)を貼り、470W/m2のキセノンランプを用いて紫外線を100時間照射した後、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、上記計算式により、色差ΔEab*を求め、耐熱性のときと同様の基準で評価した。
緑色感光性着色組成物(RG−1〜36)を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、乾燥皮膜の膜厚が2.0μmになるように塗布し、積算光量50mJ/cm2で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行い、塗膜基板を得た。ついで220℃で30分間加熱、放冷後、得られた塗布基板から塗膜を0.05部削り取った後、液晶1.5部( メルク(株)製、MLC −2041)に浸漬して、120℃にて1時間エージングし、4000rpmにて15分間遠心分離後、上澄み液を採取することにより、塗膜抽出液晶サンプル液を作製した。
電圧保持率(%)=([V1]/5)×100
○:95%以上
△:90%以上95%未満
×:90%未満
まず、カラーフィルタの作製に使用する赤色感光性着色組成物と青色感光性着色組成物の作製を行った。
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、赤色着色組成物(DR−1)を作製した。
赤色顔料(C.I.ピグメントレッド254) 9.6部
赤色顔料(C.I.ピグメントレッド177) 2.4部
樹脂型分散剤(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
赤色着色組成物(DR−1) 42.0部
アクリル樹脂溶液2 13.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 2.8部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 39.6部
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、青色着色組成物(DB−1)を作製した。
青色顔料(C.I.ピグメントブルー15:6) 7.2部
紫色顔料(C.I.ピグメントバイオレット23) 4.8部
樹脂型分散剤(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
青色着色組成物(DB−1) 34.0部
アクリル樹脂溶液2 15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 3.3部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45.1部
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色感光性着色組成物(RR−1)を塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて150mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を220℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。ここで、赤色フィルタセグメントは、220℃での熱処理後で、C光源において(以下、緑色、青色にも用いる)x=0.640、y=0.330の色度に合うようにした。また、同様の方法により、緑色フィルタセグメントは、本発明の緑色感光性着色組成物(RG−6)を用いてx=0.270、y=0.600の色度に合うようにし、青色フィルタセグメントは、青色感光性着色組成物(RB―1)を用いてx=0.150、y=0.060の色度に合うようにし、各フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
Claims (5)
- 着色剤、バインダー樹脂、および有機溶剤を含有するカラーフィルタ用緑色着色組成物であって、着色剤が、下記一般式(1)で表されるフタロシアニン色素と、下記一般式(2)で表されるキノフタロン色素とを含有することを特徴とするカラーフィルタ用緑色着色組成物。
[一般式(1)中、A1〜A16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または−OR3を表し、R1とR2とが互いに結合して環を形成しても良い。
R3は、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。]
[一般式(2)中、R4〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または、−OR14を表わす。
R14は、置換基を有してもよいアルキル基、または、置換基を有してもよいアリール基を表わす。
R10〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または、−OR15を表わす。
R15は、置換基を有してもよいアルキル基、または、置換基を有してもよいアリール基である。ただし、R10〜R13のいずれか1つが−OR15である。] - 一般式(1)におけるR1およびR2のうちの少なくとも1つが、置換基を有してもよいアリール基、または−OR3であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用緑色着色組成物。
- 一般式(2)におけるR4が−OR14であり、R5〜R9が水素原子であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用緑色着色組成物。
- さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用緑色着色組成物。
- 基材上に、請求項1ないし4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用緑色着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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