JP2013182230A - カラーフィルタ用顔料組成物、着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用顔料組成物、着色組成物、およびカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】色特性が高く、加熱によっても結晶析出しないカラーフィルタ用顔料組成物の提供。
【解決手段】式(1)と式(2)で表される化合物の質量比が、85:15〜97:3から成る顔料組成物。
Figure 2013182230

【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、およびカラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される顔料組成物、着色組成物、およびそれを用いて形成されるカラーフィルタに関する。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラーフィルタの製造は、顔料を分散した着色組成物と、多官能モノマー、重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂及びその他の成分を含有した光硬化性着色組成物を使用して、現像工程および230℃以上の高温処理工程を経て、着色パターンおよびブラックマトリクスを形成する方法が主流である。
近年、カラー液晶表示装置、およびカラー撮像管素子等は、省スペース性や軽量性、また省電力性などが評価され、家庭用テレビとして急速に普及している。この普及に伴い、特に輝度の高度化が年々要求されており、構成する部材であるカラーフィルタにおいては、透過性の向上が望まれている。また、カラー液晶表示装置においては、2枚の偏光板の間に液晶層およびカラーフィルタが挟まれた構造が主流であるため、カラーフィルタのコントラスト比も重要な品質項目である。
コントラスト比の低下の要因となる粒子の散乱を抑制するためには、1次粒子径を小さくすることが有効である。そこで、顔料メーカーは、より微細な、かつ粒度分布幅が狭い1次粒子を得るための製造技術の開発に注力してきた。しかしながら、高コントラスト化が達成される一方で、特に、赤色フィルタセグメントに広く用いられているジケトピロロピロール系顔料であるC.I.ピグメント レッド 254を含む着色組成物を使用する際、加熱工程における画素上の異物発生が問題となっている。この異物は該顔料の再結晶化による結晶析出である。その要因は、分子間水素結合のためにジケトピロロピロール系化合物の結晶性が高いが、1次粒子径が小さいが故に溶解性も高いためと推察されている。
特許文献1および特許文献2には、誘導体存在下で合成し微細なジケトピロロピロール顔料を得る製造方法が、特許文献3には、誘導体存在下でソルトミリングと呼ばれる手法により製造されるカラーフィルタ用ジケトピロロピロール顔料が開示されているが、いずれの特許文献においても、加熱工程における結晶析出については言及されていない。
上記課題に対して、特許文献1、特許文献2、特許文献3、または特許文献4に開示されているように色素誘導体を使用すれば改善できることもあるが、これを多く含む着色組成物を用いて形成されたカラーフィルタの透過性が低下するという問題がある。これは、色素誘導体が基本骨格である顔料とは分光スペクトル、即ち色相が異なることに起因している。この影響は、置換基数が多くなると顕著であるため、1つ置換された色素誘導体が望ましい。
色素誘導体の製造法としては、スルホン化、フタルイミドメチル化、クロルスルホン化した後にアミンを反応させるスルホンアミド化等の公知の反応が知られている。しかしながら、これらの製法は、一般的に置換基数の制御が困難である上、ジケトピロロピロール化合物のクロルスルホン化反応においては、特許文献5に開示されているようにベンゾイソインドールへの構造異性化が生じることが知られている。
また、特許文献6には、酸性基および塩基性基から選択される少なくとも1つの置換基を有するジアリールジケトピロロピロール化合物を用いることにより、加熱工程における結晶析出が抑制されたジケトピロロピロール系顔料(主にC.I.ピグメント レッド 254)の分散組成物が開示されている。特許文献3においては、米国特許4778899号に記載の方法により1つ置換された色素誘導体を合成しているが、この製法は、工程の複雑化、価格的な面で課題があり、実際のところ、年々高まる輝度やコントラストなどの色特性を満足する製品は出てきていない。
さらに、特許文献7には、ジケトピロロピロール系顔料(主にC.I.ピグメント レッド 254)と、少なくとも一つの特定構造式のジアリールジケトピロロピロール化合物と、色素誘導体とを合わせて使用することにより、高コントラストかつ加熱工程における結晶析出が抑制されたカラーフィルタ用着色組成物が開示されている。しかしながら、この方法では、コントラストとる結晶析出についてはある程度の改善がなされているが、年々高まる透過性に関しては更なる改善が望まれている。
特開2000−007677号公報 特開2010−520339号公報 特開2001−220520号公報 特許2584515号公報 特開2008−069343号公報 特開2009−149707号公報 WO2009/081930号パンフレット
本発明が解決しようとする課題は、コントラストや輝度などの色特性が高く、加熱工程においても結晶析出が起こらないカラーフィルタ用顔料組成物および着色組成物、コントラストや輝度などの色特性が高いカラーフィルタを提供することにある。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の製法により得られる特定の比率の式(1)、及び式(2)で表される化合物を含む顔料組成物と、その応用に関し、加熱工程における結晶析出が抑制され、コントラストや輝度など色特性の高いカラーフィルタ、このカラーフィルタを製造するために使用するカラーフィルタ用着色組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、コハク酸ジエステル1.2当量に対して、合計2当量の式(A−CN)で表されるベンゾニトリル0.030〜0.200当量、および式(B−CN)で表されるベンゾニトリル1.800〜1.970当量から成る混合物を反応させて得られるジケトピロロピロールアルカリ金属塩を、酸存在下で水及び/又はアルコールなどの有機溶剤中でプロトン化した後に、アルカリによってpH6〜7.2に調整して得られる式(1)及び式(2)で表される化合物から成り、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物の質量比が、85:15〜97:3であることを特徴とするカラーフィルタ用顔料組成物に関する。
Figure 2013182230
[ここで、式(A−CN)は、4―クロロベンゾニトリルまたは4−ブロモベンゾニトリルであり、式(B−CN)は、式(3)で表されるベンゾニトリルである。Xは、塩素または臭素であり、Y1およびY2は、それぞれ独立して、水素原子または−CONH(CH2nNR12であり、nは、1〜8の整数を表し、R1およびR2は、炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基を表す。ただし、Y1およびY2が同時に水素原子になることはない。]
また、本発明は、さらに、色素誘導体を含有してなる前記カラーフィルタ用顔料組成物に関する。
また、本発明は、前記顔料組成物、樹脂、有機溶剤を含有してなるカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに、光重合性化合物、重合開始剤、および、アルカリ可溶性樹脂を含有してなる前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記カラーフィルタ用着色組成物を用いてなるセグメントを有することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明によれば、コントラストや輝度などの色特性が高く、加熱工程においても結晶析出が起こらないカラーフィルタ用着色組成物、それを用いて製造すると、コントラストや輝度などの色特性が高いカラーフィルタが得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書で「C.I.」とは、カラーインデックスを意味する。
本発明は、1.2当量のコハク酸ジエステルに対して、合計2当量の式(A−CN)および式(B−CN)で表されるベンゾニトリルから成る混合物を反応させて得られるジケトピロロピロールアルカリ金属塩を、酸存在下で水及び/又はアルコールなどの有機溶剤中でプロトン化した後に、アルカリによってpH6〜7.2に調整して得られる式(1)及び式(2)で表される化合物から成り、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物の質量比が、85:15〜97:3であることを特徴とするカラーフィルタ用顔料組成物に関し、この顔料組成物を用いることにより、従来公知のものより、色特性が高く、加熱によっても顔料組成物の結晶析出が起こらないカラーフィルタ、およびこのカラーフィルタを製造するために使用する着色組成物を得ることができる。これは、以下の理由によるものと推測される。
本発明の作用は明確ではないが、式(2)で表される化合物は、特許文献1および特許文献2に記載の色素誘導体とは異なり、1つの塩基性基を有するジケトピロロピロール誘導体であることが特徴である。そのため、式(1)で表されるジケトピロロピロール顔料との色相変化が小さいだけでなく、より強い静電的相互作用により顔料1次粒子に強力に吸着し、粒子成長、結晶転移、および加熱工程における結晶析出を効果的に抑制している。本発明においては、特許文献3に記載の如く、色素誘導体を別途合成して、分散時に使用するのではなく、顔料形成時の表面活性の高い顔料表面に、より強い静電的作用によって吸着するため、特に効果的である。また、特許文献4に記載の如く、色素誘導体の他に色相に悪影響を与える顔料以外の化合物が必要でない。
また、本発明の顔料組成物においては、コハク酸ジエステルを1.2当量にし、収率を向上できるだけでなく、緩衝液として作用する酸の使用により、pHの変動が小さい範囲で顔料アルカリ金属塩をプロトン化するため、生成する顔料の粒子成長を抑制し、粒度分布幅が狭い1次粒子を得ることが可能である。さらに、pHを6〜7.2の範囲にアルカリで調整することにより、式(2)で表される塩基性顔料誘導体中の3級アミンのプロトン化を抑制し、その後の製造工程における濾過性を向上させると共に、分散時に樹脂の酸性基と、より強い静電的相互作用により、分散安定性、および、粒子成長、結晶転移、および加熱工程における結晶析出の抑制に寄与していると考えられる。
したがって、式(1)で表される顔料との色相変化が小さい式(2)で表される化合物が強い静電的作用によって顔料表面に吸着するため、コントラスト比や輝度などの色特性が高く、加熱工程によってもジケトピロロピロール系顔料組成物の結晶析出が起こらないカラーフィルタ用着色組成物、コントラスト比や輝度などの色特性が高いカラーフィルタが得られるものと考えられる。
(ジケトピロロピロール系顔料組成物)
本発明の式(1)および(2)で表される化合物から成る顔料組成物について説明する。
Figure 2013182230
式(1)および(2)中、Xは、塩素または臭素である。すなわち、式(1)は、次式(1−1)、または式(1−2)で表される。
Figure 2013182230
また、式(2)中、Y1およびY2は、それぞれ独立して、水素原子、または、−CONH(CH2nNR12であるが、Y1およびY2が同時に水素原子になることはない。nは1〜8の整数を表し、1〜4の整数が好ましく、2および3の整数が特に好ましい。R1およびR2は、炭素数1〜8の直鎖のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、ブチル基が好ましい。また、R1とR2は、異なっていても、同一でも良い。
以下、表1に本発明の顔料組成物における式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は、これらに限定されるものではない(表1中、C49はブチル基を表す)。
Figure 2013182230
本発明の顔料組成物において、式(2−4)、式(2−10)、式(2−16)、式(2−22)等が色相、コントラストおよび結晶析出抑制効果の点から好ましい。
本発明の顔料組成物中の式(1)及び(2)で表される化合物の質量比は、85:15〜97:3であり、90:10〜95:5であることが好ましい。
また、本発明の顔料組成物は、副生成物として式(4)で表される化合物が含まれる場合があるが、顔料組成物中の式(4)で表される化合物の含有量は、概ね0.1質量%以下であり悪影響を及ぼすことはない。
Figure 2013182230
したがって、式(1)及び(2)で表される化合物の質量比が97:3〜85:15の範囲のジケトピロロピロール顔料組成物を使用することにより、高明度かつ高コントラストを達成し、加熱工程によってもジケトピロロピロール系顔料組成物の結晶析出を抑制することができる。
(ジケトピロロピロール系顔料組成物の製造方法)
本発明の顔料組成物は、有機溶剤中で、強塩基の存在下において、1.2当量のコハク酸ジエステルに対して、合計2当量の式(A−CN)および式(B−CN)で表されるベンゾニトリルから成る混合物を縮合環化反応させて顔料アルカリ金属塩を生成させ、引き続き該顔料アルカリ金属塩を、酸存在下で水及び/又はアルコールなどの有機溶剤中でプロトン化させ、アルカリによってpHを調整することによって製造される。この後、顔料組成物のスラリー、あるいは顔料組成物の粉体に色素誘導体を処理しても良い。
式(1)、(2)及び(4)で表される化合物の質量比を所望の範囲に収めるためには、1.2当量のコハク酸ジエステルに対して、上記ニトリル混合物中の式(A−CN)で表されるベンゾニトリルの範囲は1.800〜1.970当量であり、1.850〜1.970当量が好ましく、1.900〜1.949当量が特に好ましい。また、式(B−CN)で表されるベンゾニトリルは0.030〜0.200当量であり、0.030〜0.150当量が好ましく、0.051〜0.100当量が特に好ましい。これは、ニトリルの種類によって反応性が異なることに起因する。
前述の式(A−CN)で表されるベンゾニトリルは、4―クロロベンゾニトリル、または4−ブロモベンゾニトリルである。
式(B−CN)で表されるベンゾニトリルが次式(3)で表され、
Figure 2013182230
また、式(3)中、Y1およびY2は、それぞれ独立して、水素原子、または、−CONH(CH2nNR12であるが、Y1およびY2が同時に水素原子になることはない。nは1〜8の整数を表し、1〜4の整数が好ましく、2および3の整数が特に好ましい。R1およびR2は、炭素数1〜8の直鎖のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、ブチル基が好ましい。また、R1とR2は、異なっていても、同一であっても良い。
式(3)で表されるベンゾニトリルは、4−シアノ安息香酸を塩化チオニルで酸クロリド化した後に、ジメチルアミノプロピルアミン等のアミン成分とカルボアミド化反応などの公知の製法により合成することができるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
以下、本発明に顔料組成物を製造するために使用する式(3)で表されるベンゾニトリルの具体例を挙げるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182230
有機溶剤中のニトリルの全濃度は、0.5〜5モル/Lである。コハク酸ジエステルとアルカリのモル比は、コハク酸ジエステル1モルに対してアルカリ0.1〜10モルである。顔料アルカリ金属塩生成の反応温度は、60〜140℃、好ましくは80〜120℃である。
コハク酸ジエステルとして使用できるのは、ジアルキル−、ジアリール−又はモノアルキルモノアリールエステルが挙げられ、左右非対称のコハク酸ジアルキルエステル及びコハク酸ジアリールエステルを用いることもできるが、炭素数3〜5の分岐アルキル基を有する対称コハク酸ジアルキルエステルが好ましく使用される。好ましいアルキル基は、sec−もしくはtert−アルキル基であり、具体的には、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基が挙げられる。
コハク酸ジエステルの例としては、コハク酸ジメチルエステル、コハク酸ジエチルエステル、コハク酸ジプロピルエステル、コハク酸ジブチルエステル、コハク酸ジイソプロピルエステル、コハク酸ジ−sec−ブチルエステル、コハク酸ジ−tert−ブチルエステル、コハク酸ジ−tert−アミルエステル、コハク酸ジ[1,1−ジメチルブチル]エステル、コハク酸ジ[1,1,3,3−テトラメチルブチル]エステル、コハク酸ジ[1−メチル−1−エチルブチル]エステル、コハク酸ジ[1,1−ジエチルプロピル]エステル等が挙げられる。
コハク酸ジエステルとニトリルとの反応は有機溶剤中で行われる。
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコールなどの炭素数1〜10の第一、第二又は第三アルコール類、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリグリコール類、
メチルイソブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサンなどのエーテル類、
エチレングリコールもしくはプロピレングリコールのモノメチルエーテルもしくはモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルもしくはジエチレングリコールモノエチルエーテル、ブチルグリコールもしくはメトキシブタノールなどのグリコールエーテル類、
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチル尿素などの双極性非プロトン性溶媒、
シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アニソール、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンなどのなどの脂肪族又は芳香族炭化水素、
ピリジン、ピコリンもしくはキノリンなどの芳香族複素環化合物、
ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド又はスルホラン等が挙げられる。これら有機溶剤は、単一でも、混合しても使用できる。
顔料アルカリ金属塩の製造は、アルカリの存在下で行われる。アルカリが、とりわけナトリウムもしくはカリウムのアルコラートが好ましい。また、第二アルコール又は第三アルコールのアルコラートが好ましい。特に好ましいアルカリとして、例えば、ナトリウムもしくはカリウムのイソプロポキシド、−sec−ブトキシド、−tert−ブトキシド、及び−tert−アミラートが挙げられる。これらアルカリアルコラートは、対応するアルコールとアルカリ金属、アルカリ水素化物、又はアルカリアミドとの反応により容易に製造することができる。
顔料アルカリ金属塩のプロトン化には、プロトン化剤として、酸、水、あるいは一種の有機溶剤、または二種以上の有機溶剤の混合物を使用することができる。この際、温度、水、有機溶剤、酸の種類、比率や量により、得られる顔料組成物の1次粒子径の大きさを制御することができる。
プロトン化に用いる有機溶剤としては、アルコール類、好ましく炭素数1〜4のアルコール類が挙げられ、具体的には、メタノールやエタノール等が挙げられる。また、水とアルコールの任意の組成からなる混合溶剤を使用することもできる。プロトン化は、非プロトン性有機溶剤の存在下で行うこともできる。プロトン化は、プロトン化剤を反応懸濁物と混合することで起こり、任意の順序で混合添加が可能である。
プロトン化に使用する酸としては、酢酸、クエン酸などのカルボン酸が挙げられる。
プロトン化の温度は−30〜160℃が好ましく、−25〜100℃が特に好ましく、−10〜5℃が最も好ましい。場合によって、プロトン化は加圧下で行われ、その場合、反応懸濁液とプロトン化剤とは異なる温度で混合しても構わない。
プロトン化剤の全量は、アルカリの添加量に対して、少なくとも当量以上である。例えば、酸、水及び/又は有機溶剤を、生成される顔料組成物1重量部に対して、通常0.5〜50重量部使用する。
好ましくは、顔料アルカリ金属塩をプロトン化して得られた顔料懸濁物は、0.1〜8時間、特に0.5〜6時間の間、−10〜150℃、特に−10〜50℃の温度で、本発明の顔料組成物は、1次粒子径の大きさを制御することができる。結晶成長を抑制する界面活性剤の存在もまた有利である。
本発明にpHの調整に使用するアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの金属水酸化物、金属塩が挙げられる。ジケトピロロピロールアルカリ金属塩を、酸を用いてプロトン化した後に、アルカリによって調整する際のpHは6〜7.2であり、好ましくは6.5〜7.0である。
顔料組成物の結晶成長の抑制、色特性の向上の達成のために、本発明による長所が損なわれない限り、方法の任意の時点で色素誘導体、界面活性剤、または消泡剤を添加することができる。これら添加物質の混合物を使用することもできる。添加物質の添加は一度に、または数回に分けて行うこともできる。添加物質は、合成または様々な後処理のどの時点ででも、また後処理後でも添加することができる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明の顔料組成物において、式(1)及び(2)で表される化合物の質量比(組成比)は、得られた顔料組成物を、HPLC、TOF−MASS、FD−MASS、LC−MASSまたはNMRを用いて決定できる。あるいは、特開平08−199085号公報に開示されているように、ジケトピロロピロール系顔料組成物を、テトラヒドロフラン中で、ジ−tert−ブチルジカーボネート及び4−ジメチルアミノピリジンと室温攪拌して得られる可溶性のジケトピロロピロール化合物に変換した後に、HPLC、NMR等を用いて質量比を決定してもよい。あるいは、ピロロピロール環のNH基の水素を、ハロゲン化アルキル等を用いてアルキル基に置換し、有機溶剤に可溶なジケトピロロピロールに変換した後に、上記分析を行って質量比を決定してもよい。
(色素誘導体)
本発明のジケトピロロピロール系顔料組成物には、顔料結晶成長の抑制、ならびに顔料分散性向上を目的に色素誘導体を使用することができる。本発明に用いられる色素誘導体は、ジケトピロロピロール誘導体、ベンゾイソインドール誘導体、アントラキノン誘導体、ジアントラキノン誘導体、チアジンインジゴ誘導体、アゾ色素誘導体、キノフタロン誘導体、およびキナクリドン誘導体等が挙げられる。色素誘導体の構造として、下記式(6)で表される色素誘導体が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。

P−Lm 式(7)

[式(7)中、
Pは、ジケトピロロピロール残基、ベンゾイソインドール残基、アントラキノン残基、ジアントラキノン残基、チアジンインジゴ残基、アゾ色素残基、キノフタロン残基、またはキナクリドン残基であり、
mは、1〜4の整数であり、
Lは、−OH;−SO3H、−COOH、およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩ないしアルキルアンモニウム塩;置換基を有しても良いフタルイミドメチル基;下記式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、または(f)で表される基のいずれかであり、Lが複数のときはそれぞれのLは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2013182230
〔式(a)〜(f)中、
Xは、−SO2−、−CO−、−CH2−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHSO2CH2−、または直接結合であり、
Yは、−NH−、−O−、−S−、または直接結合であり、
nは、1〜10の整数であり、
16、R17は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜30のアルケニル基であり、R16とR17は一体となって更なる窒素、酸素、もしくは硫黄原子を含む置換基を有しても良い複素環を形成しても良い。
18、R19、R20、R21、およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルケニル基である。
23は、式(a)、または式(b)で表される基である。
24は、塩素原子、−OH、アルコキシル基、式(a)、または式(b)で表される基である。
Zは、−CONH−、−NHCO−、−SO2NH−、または−NHSO2−である。
25は、水素原子、−NH2、−NHCOCH3、−NHR26、または式(c)で表される基であり、ここでR26は、置換基を有して良い炭素数1〜20のアルキル基、もしくは置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルケニル基である。〕
ここで、1価〜3価の金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、またはアルミニウム等が挙げられる。また、アルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、もしくはステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、または、パルミチルトリメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、もしくはジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルケニル基、または置換基を有しても良い複素環における置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基等が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
色素誘導体は、硫酸もしくは発煙硫酸中で加熱することによるスルホン化反応、硫酸中でのN−ヒドロキシメチルフタルイミドと脱水縮合させるフタルイミドメチル化反応、クロルスルホン酸と塩化チオニルを用いてクロルスルホン化した後に、ジメチルアミノプロピルアミン等のアミン成分と反応させるスルホンアミド化反応等の公知の製法により合成することができる。
上記式(a)、式(b)、および式(c)で表される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N−エチル−N−イソプロピルアミン、N−エチル−N−プロピルアミン、N−メチル−N−ブチルアミン、N−メチル−N−イソブチルアミン、N−ブチル−N−エチルアミン、N−tert−ブチル−N−エチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N−イソブチル−−N−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N−メチル−N−オクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N−エチル−−N−(1,2−ジメチル)プロピルアミン、N−メチル−N−ヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N−ジメチルアミノメチルアミン、N−(2−ジメチルアミノ)エチルアミン、N−(5−ジメチルアミノ)ペンチルアミン、N−(4−ジメチルアミノ)ブチルアミン、N−(2−ジエチルアミノ)エチルアミン、N−(3−ジエチルアミノ)プロピルアミン、N−(6−ジエチルアミノ)ヘキシルアミン、N−(4−ジエチルアミノ)ブチルアミン、N−(5−ジエチルアミノ)ペンチルアミン、N−(4−ジプロピルアミノ)ブチルアミン、N−(3−ジブチルアミノ)プロピルアミン、N−(2−ジブチルアミノ)エチルアミン、N−(4−ジブチルアミノ)ブチルアミン、N−(5−ジイソブチルアミノ)ペンチルアミン、N−メチル−N−ラウリルアミノプロピルアミン、N−エチル−N−ヘキシルアミノエチルアミン、N−ジステアリルアミノ−N−エチルアミン、N−ジオレイルアミノ−N−エチルアミン、N−ジステアリルアミノ−N−ブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニペコチン酸メチル、イソニペコチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエ チルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、アゾ色素に置換基を導入する場合は、置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入しておき、その後カップリング反応を行う業界公知の方法によってアゾ色素誘導体を製造することもできる。
色素誘導体の使用法は、ジケトピロロピロール系顔料組成物を顔料組成物担体中に分散するときに顔料組成物と混合する方法のほかに、顔料組成物製造時に水または有機溶剤中で混合処理する方法やソルトミリング処理時に添加する方法が挙げられる。色素誘導体を顔料組成物製造時に水または有機溶剤中で混合処理する方法やソルトミリング処理時に添加する方法は、ジケトピロロピロール系顔料組成物の結晶成長を抑制する効果があるが、結晶成長を抑制するためには、色素誘導体がジケトピロロピロール顔料組成物の表面に効率よく吸着し、簡単に脱着しないことが求められる。このため、色素誘導体の構造は、用いる顔料組成物と類似の部分構造を有するものが好適な場合が多い。このような理由から、ジケトピロロピロール顔料組成物を製造する場合には、一般的には、ジケトピロロピロール構造、チアジンインジゴ構造、ベンゾイソインドール構造、またはキナクリドン構造を有する色素誘導体が好適である。
また、色素誘導体を使用する場合、ジケトピロロピロール系顔料組成物の色調を極力損なわないことが必要とされる。色相の観点から、色素誘導体としては、黄色、橙色を呈するジケトピロロピロール誘導体、チアジンインジゴ誘導体、アゾ色素誘導体、またはキノフタロン誘導体を好適に使用することができる。
色素誘導体の配合量は、本発明の顔料組成物100質量%に対して0.5〜40質量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは、顔料組成物100質量%に対して3〜35質量%の範囲である。0.5質量%以下の場合は、結晶成長抑制効果が十分でなく、40質量%以上の場合は、ジケトピロロピロール顔料組成物本来の良好な色調を損なってしまう。
以下、本発明に用いられる色素誘導体の具体例を記載するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
(ジケトピロロピロール誘導体の具体例)
ジケトピロロピロール誘導体としては、具体的には、下記式(5)または式(6)で表される化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182230
Figure 2013182230
(ベンゾイソインドール誘導体の具体例)
ベンゾイソインドール誘導体としては、具体的には、下記式(7)で表される化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182230
(アントラキノン誘導体の具体例)
アントラキノン誘導体としては、具体的には、下記式(8)で表される化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182230
(ジアントラキノン誘導体の具体例)
ジアントラキノン誘導体としては、具体的には、下記式(9)で表される化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182230
(チアジンインジゴ誘導体の具体例)
チアジンインジゴ誘導体としては、具体的には、下記式(10)で表される化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182230
(アゾ色素誘導体の具体例)
アゾ色素誘導体としては、具体的には、下記式(11)、式(12)、または式(13)で表される化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182230
Figure 2013182230
Figure 2013182230
(キノフタロン誘導体の具体例)
キノフタロン誘導体としては、具体的には、下記式(14−1)〜式(14−13)で表される化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182230
Figure 2013182230
Figure 2013182230
(キナクリドン誘導体の具体例)
キナクリドン誘導体としては、具体的には、下記式(15)で表される化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182230
(ソルトミリング法)
本発明の顔料組成物を上記合成法によって製造した段階で、そのまま使用してもよいが、ソルトミリング法による顔料化することも可能である。ソルトミリング法とは、顔料組成物、水溶性無機塩、水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩によって顔料組成物が破砕され、それにより活性面が生じて、結晶成長がおこると考えられている。従って、混練時は顔料組成物の破砕と結晶成長が同時に起こり、混練条件により得られる顔料組成物の1次粒子径が異なる。
加熱により顔料組成物の結晶成長を促進するためには、加熱温度が35〜150℃であることが好ましい。また、ソルトミリングの混練時間は、ソルトミリングを行った顔料組成物の1次粒子の粒度分布とソルトミリングに要する費用のバランスの点から2〜24時間であることが好ましい。
顔料組成物をソルトミリングする際の条件を最適化することにより、1次粒子径が非常に微細であり、また分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料組成物を得ることができる。
また、ソルトミリングに用いる水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料組成物100質量部に対して、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1200質量部用いることが最も好ましい。
また水溶性有機溶剤は、顔料組成物および水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリングの際に温度が上昇し、これら溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料組成物100質量部に対して、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることがさらに好ましい。
ソルトミリングの際には、混練効率を向上させるために前記の色素誘導体を併用してもよく、顔料組成物の微細化および整粒化に非常に有効である。本発明で使用されるジケトピロロピロール顔料組成物の微細化においては、上記色素誘導体を使用することが好ましいが、これらに限定されるものではない。色素誘導体の使用量は、色調に影響を与えない量、すなわち顔料組成物100質量部に対して0.5〜40質量部の範囲であることが好ましい。
また、ソルトミリングの際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料組成物100質量部に対して5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
本発明のジケトピロロピロール顔料組成物は、バインダー樹脂および有機溶剤と共に組成物とすることにより、着色組成物として使用することができる。その際、本発明のジケトピロロピロール系顔料組成物以外の着色剤を併用しても良い。
(顔料組成物の平均1次粒子径と粒子径分布)
本発明のジケトピロロピロール顔料組成物は、その1次粒子径が非常に微細であり、また粒子径分布の幅が狭い物理的性質を有することが好ましい。本発明のジケトピロロピロール系顔料組成物の平均1次粒子径は、15〜40nmの範囲であることが好ましい。より好ましい範囲は15〜30nmである。また、粒子径分布は、標準偏差/平均粒子径で表される変動係数を用いると、その値が35%以下であることが好ましい。より好ましくは25%以下である。該粒子径および粒子径分布が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。平均1次粒子径は、TEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求める。
(その他着色剤)
本発明の着色組成物は、色度を調製するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で上記ジケトピロロピロール系顔料組成物以外のその他着色剤として、顔料あるいは染料を併用してもよい。
例えば、C.I.ピグメント レッド 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、242、246、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、または287等の赤色顔料を挙げることができる。また、その他着色剤で用いることができる赤色染料としては、キサンテン系、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系、金属錯体系など)、ジスアゾ系、アントラキノン系などが挙げられる。具体的には、C.I.アシッド レッド 52、87、92、289、338などのキサンテン系酸性染料の造塩化合物等が挙げられる。
また、C.I.ピグメント オレンジ 43、71、または73等の橙色顔料および/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を併用することができる。また、橙色染料および/または黄色染料としては、キノリン系、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系、金属錯体系など)、ジスアゾ系、メチン系などが挙げられる。
併用できるその他着色剤で好ましいものは、C.I.ピグメント レッド 177、242、C.I.ピグメント イエロー 139、150、185が挙げられる。
ジケトピロロピロール系顔料組成物以外の着色剤を併用する場合、着色剤100質量部に対して、本発明のジケトピロロピロール系顔料組成物は、好ましくは40質量部〜100質量部、より好ましくは60質量部〜100質量部の範囲である。
<着色組成物>
次に、前記本発明の顔料組成物を用いた本発明の着色組成物について説明する。本発明の着色組成物は、上記本発明の顔料組成物と有機溶剤とを、さらに適宜必要に応じて、色素誘導体、樹脂型分散剤、バインダー樹脂、界面活性剤等の分散助剤とを分散してなる着色組成物である。
分散助剤は、顔料組成物の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料組成物を顔料組成物担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
分散の方法は、例えば、顔料組成物と樹脂型分散剤などの分散助剤を予め混合してホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、0.01〜1mmの粒子径のガラス、ジルコニア製のビーズを用いたビーズ分散機、例えば、ディスパーマット、縦型もしくは横型のサンドミル、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等の各種分散手段を用いて微分散させることによって行なうことができる。ビーズ分散を行なう前に、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行なうことも可能である。
(色素誘導体)
本発明の着色組成物は、必要に応じて、前述の色素誘導体が添加される。樹脂型分散剤と親和性のある部分、あるいは極性基を導入した色素誘導体を顔料組成物表面に吸着させ、これを樹脂型分散剤の吸着点として用いることで、顔料組成物を微細な粒子として光硬化性着色組成物中に分散させ、その再凝集を防止することができ、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを構成するのに有効である。
色素誘導体の配合量は、添加顔料の分散性向上の観点から、顔料組成物100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上、最も好ましくは3質量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、顔料組成物100質量部に対して、好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは35重質量部以下である。
該含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に分散後の分散安定性を向上させることができ、透過率が高く優れた色特性が得られ、カラーフィルタを作製するときには良好な色特性を有する高コントラストに構成することができる。
(樹脂型分散剤)
樹脂型分散剤は、顔料組成物に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、分散する有機溶剤と相溶性のある部位とを有し、顔料組成物に吸着して有機溶剤への分散安定化する作用を示す。樹脂型分散剤としては、具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤は、その構造からさらに直鎖状、末端変性型、グラフト型、ブロック型に分類することができる。
樹脂型分散剤は顔料組成物の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料組成物表面へのアンカー部位を有する末端変性型、グラフト型、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合の配合量は、顔料組成物100質量部に対して、好ましくは0.1〜55質量部、さらに好ましくは0.1〜45質量部である。樹脂型分散剤の量が前記範囲内であると、十分な顔料分散効果が得られる。ただし、樹脂型分散剤の最適な添加量は、使用する顔料組成物の種類、溶剤の種類などの組み合わせ等により適宜調整される。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が、好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
特に、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光硬化性を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、樹脂中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する酸性基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)含有エチレン性不飽和モノマーを有する重合体、例えば、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用青色着色組成物として好ましい。
上記熱可塑性樹脂を構成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、またはエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、またはアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類、スチレン、またはα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、またはプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類が挙げられる。
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4'−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N'−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N'−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類が挙げられる。
一方、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性向上の観点から、エポキシ樹脂、メラミン樹脂がより好適に用いられる。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、顔料組成物を好ましく分散させるためには、5,000〜80,000の範囲が好ましく、より好ましくは7,000〜50,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は2,500〜40,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
ここで、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、東ソー株式会社製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー「HLC−8120GPC」において、分離カラムを4本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「TSK−GEL SUPER H5000」、「H4000」、「H3000」、および「H2000」を用い、移動相にテトラヒドロフランを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用着色組成物として使用する場合には、顔料吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、顔料担体および溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基および芳香族基のバランスが、顔料分散性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gのバインダー樹脂を用いることが好ましい。
バインダー樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、顔料組成物100質量部に対して、30質量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現するためには、500質量部以下の量で用いることが好ましい。
(有機溶剤)
本発明の着色組成物には、顔料組成物を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤としては、例えば、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルおよびこれらの酢酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル等の酢酸エステル類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、着色組成物中の各成分の溶解性、および着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
着色組成物における溶剤の含有量は、着色組成物の用途などに応じて適宜選択される。着色組成物が後述する光硬化性着色組成物の調製に用いられる場合には、取り扱い性の観点から、顔料組成物及び顔料分散剤を含む固形分濃度が5〜50質量%となるように含有することができる。
<光硬化性着色組成物>
本発明の着色組成物は、光硬化性着色組成物として、既述の本発明の着色組成物と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、およびアルカリ可溶性樹脂とを含んでなり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。なお、本発明の着色組成物の詳細については既述の通りである。以下、各成分を詳述する。
(アルカリ可溶性樹脂)
本発明の硬化性着色組成物を構成するアルカリ可溶性樹脂としては、前記「着色組成物を構成するアルカリ可溶性樹脂」を用いることができる。
(光重合性化合物)
本発明の光硬化性着色組成物を構成する光重合性化合物には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。特に、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、中でも4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
光重合性化合物の配合量は、光硬化性着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、5〜400重量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量%であることがより好ましい。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、または3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4'−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;
9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;
ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
本発明では、以上の光重合開始剤に限定されるものではなく、他の公知のものも使用することができる。
これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。光重合開始剤の配合量としては、硬化性着色組成物中の着色剤の全量を基準(100重量%)として、5〜200重量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜150重量%であることがより好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の光硬化性着色組成物には、必要に応じて、増感剤、酸化防止剤、レベリング剤、熱硬化剤、熱硬化促進剤、貯蔵安定剤、密着向上剤などの各種添加物を含有することができる。
(増感剤)
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4'−ジエチルイソフタロフェノン、3,3'または4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上用いても構わない。増感剤を使用する際の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100質量部に対して、3〜60質量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50質量部であることがより好ましい。
(酸化防止剤)
本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
(レベリング剤)
本発明の着色組成物には、透明基板上での着色組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物100質量部に対して、0.003〜0.5質量部用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
(熱硬化剤、熱硬化促進剤)
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂全量に対し、0.01〜15質量%が好ましい。
(貯蔵安定剤)
本発明の着色組成物には、着色組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、顔料組成物100質量部に対して、0.1〜10質量部用いることが好ましい。
(密着向上剤)
本発明の着色組成物には、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の顔料組成物100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部用いることが好ましい。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するものであり、その中の赤色フィルタセグメントが、本発明のジケトピロロピロール系顔料組成物を含有する着色組成物または感光性着色組成物から形成される。
緑色フィルタセグメントは、緑色顔料と着色剤担体を含む通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメント グリーン7、10、36、37、58等が用いられる。
また緑色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料としては、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を挙げることができる。また黄色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を併用することもできる。
青色フィルタセグメントは、青色顔料と着色剤担体を含む通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメント ブルー 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等が用いられる。また青色着色組成物には、紫色顔料を併用することができる。併用可能な紫色顔料としては、C.I.ピグメント バイオレット 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を挙げることができる。また、青色や紫色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。染料を使用する場合、キサンテン系染料が耐熱性と明度の点で好ましい。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
(カラーフィルタの製造方法)
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記アルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、実施例および比較例中、「部」および「%」とは、「重量部」および「重量%」を意味する。
(顔料組成物の平均1次粒子径)
次のような方法により、製造した顔料組成物の平均1次粒子径を測定(算出)した。
顔料組成物の粉末にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、樹脂型分散剤としてDisperbyk−161を少量添加し、超音波洗浄機で1分間分散し、測定用試料を調製した。この試料を透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM-1200EX」)により、100個以上の顔料組成物の1次粒子が確認出来る写真を3枚(3視野分)撮影し、それぞれ左上から順番に100個の1次粒子の大きさを測定した。具体的には、個々の顔料組成物の1次粒子の短軸径と長軸径をnm単位で計測し、その平均をその顔料組成物の1次粒子径とし、合計300個の分布を5nm刻みで作成し、5nm刻みの中央値(例えば6nm以上10nm以下の場合は8nm)をそれらの粒子の粒子径として近似し、それぞれの粒子径とその数を基に計算することで個数平均粒子径を算出した。
なお、顔料組成物、着色組成物の製造時に、色素誘導体として式(6−5)のジケトピロロピロール誘導体、式(7−1)のベンゾイソインドール誘導体、式(8−5)のアントラキノン誘導体、および式(14−1)のキノフタロン誘導体を使用した。
まず、実施例および比較例に用いたジケトピロロピロール顔料組成物から説明する。
<ジケトピロロピロール顔料組成物の製造>
(実施例1;顔料組成物1(R−1)の製造)
還流管を備えたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール400部、およびナトリウム−tert−アミルアルコキシド280部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。別途、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル176部、4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これら混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくりと滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、および酢酸175部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、および水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液の添加する速度を調整しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩溶液を添加終了後、赤色の結晶が析出し、得られた赤色の懸濁液に25%水酸化ナトリウム溶液58部を添加した。この際のpHは6.9であった。続いて、得られた赤色の懸濁液を5℃にて限外濾過装置で洗浄後、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌後、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することによりジケトピロロピロール顔料組成物195.8部を得た。
続いて、得られた顔料組成物100.0部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール120部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に添加し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより顔料組成物1(R−1)96.5部を得た。平均1次粒子径は30.4nmであった。
(実施例2;顔料組成物2(R−2)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−クロロベンゾニトリル194.0部および式(3−2b)のベンゾニトリル化合物10.7部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系顔料組成物である顔料組成物2(R−2)95.1部を得た。平均1次粒子径は29.7nmであった。
(実施例3;顔料組成物3(R−3)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−クロロベンゾニトリル194.4部および式(3−2c)のベンゾニトリル化合物12.3部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系顔料組成物である顔料組成物3(R−3)94.7部を得た。平均1次粒子径は29.8nmであった。
(実施例4;顔料組成物4(R−4)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−クロロベンゾニトリル196.2部および式(3−1a)のベンゾニトリル化合物6.4部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系顔料組成物である顔料組成物4(R−4)96.7部を得た。平均1次粒子径は32.6nmであった。
(実施例5;顔料組成物5(R−5)の製造)
還流管を備えたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール400部、およびナトリウム−tert−アミルアルコキシド280部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。別途、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル176部、4−クロロベンゾニトリル193.8部および式(3−1a)のベンゾニトリル化合物10.4部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、および酢酸175部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、および水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液の添加する速度を調整しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩溶液を添加後、赤色の結晶が析出し、得られた赤色の懸濁液に25%水酸化ナトリウム溶液58部を添加した。この際のpHは7.0であった。続いて、得られた赤色の懸濁液を5℃にて限外濾過装置で洗浄後、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌後、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することにより顔料組成物5(R−5)196.3部を得た。平均1次粒子径は31.6nmであった。
(実施例6;顔料組成物6(R−6)の製造)
顔料組成物5(R−5)100.0部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール120部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に添加し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより顔料組成物6(R−6)96.1部を得た。平均1次粒子径は28.9nmであった。
(実施例7;顔料組成物7(R−7)の製造)
顔料組成物5(R−5)95.0部、式(6−5)の色素誘導体5.0部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール120部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に添加し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより顔料組成物7(R−7)95.3部を得た。平均1次粒子径は27.2nmであった。
(実施例8;顔料組成物8(R−8)の製造)
還流管を備えたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール400部、およびナトリウム−tert−アミルアルコキシド280部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。別途、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル176部、4−クロロベンゾニトリル193.8部および式(3−1a)のベンゾニトリル化合物10.4部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、および酢酸175部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、および水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液の添加する速度を調整しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩溶液を添加後、赤色の結晶が析出し、得られた赤色の懸濁液に25%水酸化ナトリウム溶液58部を添加した。この際のpHは7.0であった。続いて、限外濾過機で濾別し、固形分21.3%のジケトピロロピロール化合物の赤色ペーストを963.0部得た。更に得られた赤色ペーストを水3000mlに再分散した後、攪拌下に式(6−5)で表される色素誘導体10.8部を水100部に添加した色素誘導体スラリーを添加し、10℃以下で1時間攪拌した後、濾別洗浄し、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌後、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することにより顔料組成物8(R−8)207.3部を得た。平均1次粒子径は30.7nmであった。
(実施例9;顔料組成物9(R−9)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−クロロベンゾニトリル187.0部および式(3−1a)のベンゾニトリル化合物21.9部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系顔料組成物である顔料組成物9(R−9)95.7部を得た。平均1次粒子径は26.8nmであった。
(実施例10;顔料組成物10(R−10)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.8部および式(3−1a)のベンゾニトリル化合物10.4部を、それぞれ、4−クロロベンゾニトリル181.0部および式(3−1a)のベンゾニトリル化合物31.9部に変更した以外は、顔料組成物5(R−5)の製造と同様に行い、顔料組成物10(R−10)205.0部を得た。平均1次粒子径は26.1nmであった。
(実施例11;顔料組成物11(R−11)の製造)
顔料組成物5(R−5)100.0部を、顔料組成物10(R−10)100.0部に変更した以外は、顔料組成物6(R−6)の製造と同様に行い、顔料組成物11(R−11)96.3部を得た。平均1次粒子径は24.3nmであった。
(実施例12;顔料組成物12(R−12)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−クロロベンゾニトリル194.0部および式(3−1b)のベンゾニトリル化合物11.3部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、顔料組成物12(R−12)94.9部を得た。平均1次粒子径は26.1nmであった。
(実施例13;顔料組成物13(R−13)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−クロロベンゾニトリル194.5部および式(3−1c)のベンゾニトリル化合物12.6部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、顔料組成物13(R−13)96.5部を得た。平均1次粒子径は28.4nmmであった。
(実施例14;顔料組成物14(R−14)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−クロロベンゾニトリル193.9部および式(3−3a)のベンゾニトリル化合物10.3部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、顔料組成物14(R−14)95.5部を得た。平均1次粒子径は29.1nmであった。
(実施例15;顔料組成物15(R−15)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−クロロベンゾニトリル181.2部および式(3−3a)のベンゾニトリル化合物31.6部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、顔料組成物15(R−15)95.6部を得た。平均1次粒子径は24.5nmであった。
(実施例16;顔料組成物16(R−16)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.8部および式(3−1a)のベンゾニトリル化合物10.4部を、それぞれ、4−ブロモベンゾニトリル255.4部および式(3−1a)のベンゾニトリル化合物11.8部に変更した以外は、顔料組成物5(R−5)の製造と同様に行い、顔料組成物16(R−16)259.2部を得た。平均1次粒子径は30.6nmであった。
(実施例17;顔料組成物17(R−17)の製造)
顔料組成物5(R−5)100.0部を、顔料組成物16(R−16)100.0部に変更した以外は、顔料組成物6(R−6)の製造と同様に行い、顔料組成物17(R−17)95.8部を得た。平均1次粒子径は28.7nmであった。
(実施例18;顔料組成物18(R−18)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−ブロモベンゾニトリル236.8部および式(3−1a)のベンゾニトリル化合物35.3部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、顔料組成物18(R−18)96.2部を得た。平均1次粒子径は24.1nmであった。
(実施例19;顔料組成物19(R−19)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−ブロモベンゾニトリル255.6部および式(3−3a)のベンゾニトリル化合物11.4部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、顔料組成物19(R−19)95.0部を得た。平均1次粒子径は29.0nmであった。
(比較例1;顔料組成物20(R−20)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−クロロベンゾニトリル200.0部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、顔料組成物20(R−20)96.9部を得た。平均1次粒子径は36.6nmであった。
(比較例2;顔料組成物21(R−21)の製造)
4−クロロベンゾニトリル193.5部および式(3−2a)のベンゾニトリル化合物10.3部を、それぞれ、4−クロロベンゾニトリル173.8部および式(3−1a)のベンゾニトリル化合物44.0部に変更した以外は、顔料組成物1(R−1)の製造と同様に行い、顔料組成物21(R−21)94.3部を得た。平均1次粒子径は23.1nmであった。
(比較例3;顔料組成物22(R−22)の製造)
還流管を備えたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール400部、およびナトリウム−tert−アミルアルコキシド280部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。別途、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル176部、4−クロロベンゾニトリル190.0部および4-シアノビフェニル13.0部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、および酢酸175部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、および水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液の添加する速度を調整しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩溶液を添加後、赤色の結晶が析出し、得られた赤色の懸濁液に25%水酸化ナトリウム溶液58部を添加した。この際のpHは6.9であった。続いて、得られた赤色の懸濁液を5℃にて限外濾過装置で洗浄後、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌後、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、式(1−1)および式(16)で表される化合物を含む顔料組成物196.3部を得た。
続いて、得られた顔料組成物100.0部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール120部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に添加し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより顔料組成物22(R−22)95.4部を得た。平均1次粒子径は25.8nmであった。
Figure 2013182230
(比較例4;顔料組成物23(R−23)の製造)
反応容器1にtert−アミルアルコール220部を入れて水浴冷却させながら、60%NaH32部を加えて、90℃にて加熱攪拌させた。次いで、反応容器2にtert−アミルアルコール100部、Tetrahedron, 58(2002)5547−5565の方法により合成した下記式(16)の化合物99.2部、および式(3−1a)のベンゾニトリル化合物82.6部を加熱溶解させ、これを反応容器1に2時間かけて滴下した。120℃で10時間反応させた後、60℃まで冷却させ、メタノール400部、および酢酸50部を加えてから、濾別およびメタノール洗浄を行い、式(2−4)で表される化合物83.4部を得た。
Figure 2013182230
続いて、還流管を付けたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール400部、およびナトリウム−tert−アミルアルコキシド280部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。 一方で、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル176部、4−クロロベンゾニトリル200.0部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、得られた式(2−4)で表される色素誘導体10.8部、メタノール600部、水600部、および酢酸304部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、および水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液の添加する速度を調整しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩溶液を添加後、赤色の結晶が析出し、赤色の懸濁液が得られた。この際のpHは5.6であった。続いて、限外濾過機で濾別し、ジケトピロロピロール化合物の赤色ペーストを得た。更に得られた赤色ペーストを水3000mlに再分散した後、攪拌下に水100部に添加した色素誘導体スラリーを添加し、10℃以下で1時間攪拌した後、濾別洗浄し、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌後、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することにより顔料組成物205.1部を得た。
さらに、得られた顔料組成物100.0部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール120部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に添加し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより顔料組成物23(R−23)95.8部を得た。平均1次粒子径は29.1nmであった。
(比較例5;顔料組成物24(R−24)の製造)
還流管を付けたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール400部、およびナトリウム−tert−アミルアルコキシド280部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。別途、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル176部、4−クロロベンゾニトリル200.0部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、および酢酸304部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、および水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液の添加する速度を調整しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩溶液を添加後、赤色の結晶が析出し、赤色の懸濁液が得られた。続いて、限外濾過機で濾別し、固形分21.3%のジケトピロロピロール化合物の赤色ペーストを963.0部得た。更に得られた赤色ペーストを水3000mlに再分散した後、攪拌下に式(2−4)で表される色素誘導体10.8部を水100部に添加した色素誘導体スラリーを添加し、10℃以下で1時間攪拌した後、濾別洗浄し、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌後、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することにより顔料組成物208.4部を得た。
さらに、得られた顔料組成物100.0部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール120部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に添加し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより顔料組成物24(R−24)94.5部を得た。平均1次粒子径は32.4nmであった。
(比較例6;顔料組成物25(R−25)の製造)
式(2−4)で表される色素誘導体10.8部を、式(7−1)で表される色素誘導体10.7部に変更した以外は、顔料組成物24(R−24)の製造と同様に行い、顔料組成物25(R−25)94.8部を得た。平均1次粒子径は32.1nmであった。
(比較例7;顔料組成物26(R−26)の製造)
還流管を備えたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール400部、およびナトリウム−tert−アミルアルコキシド280部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。別途、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル176部、4−クロロベンゾニトリル200.0部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、および酢酸304部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、および水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩溶液の添加する速度を調整しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩溶液を添加後、赤色の結晶が析出し、赤色の懸濁液を得た。続いて、得られた赤色の懸濁液を5℃にて限外濾過装置で洗浄後、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌後、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することによりジケトピロロピロール顔料組成物192.8部を得た。
続いて、得られた顔料組成物95.0部、式(2−4)で表される色素誘導体5.0部を塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール120部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に添加し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより顔料組成物26(R−26)95.3部を得た。平均1次粒子径は34.4nmであった。
(比較例8;顔料組成物27(R−27)の製造)
顔料組成物6(R−6)100.0部を、市販のC.I.ピグメント レッド 254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)100.0部に変更した以外は、顔料組成物6(R−6)の製造と同様に行い、顔料組成物27(R−27)94.8部を得た。平均1次粒子径は36.3nmであった。
(顔料組成物の組成の算出法)
顔料組成物中の式(1)および式(2)で表される化合物の含有量(質量比)は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて定量分析した。また、定量のために必要な検量線は、顔料組成物20(R−20)の製造と同様に該当するベンゾニトリルを用いて合成した式(1)で表される化合物、および顔料組成物23(R−23)の製造と同様に該当するベンゾニトリルを用いて合成した式(2)で表される化合物より作成した。
HPLCの測定条件は下記の通りである。
装置 ;日本分光社製Gulliverシリーズ
検出器 ;日本分光社製UV−970検出器
カラム ;Waters社製Symmetry C18
(5μm、2.1mmφ×150mm)
移動相A液 ;ジメチルホルムアミド/水(1:1)
B液 ;ジメチルホルムアミド/水(97.5:2.5)
グラジエンド(B液) ;47%→(15min)→47%→(5min)→
100%→(25min)→100%
波長 ;510nm
カラム温度 ;35℃
流量 ;0.3mL/min
試料注入量 ;5μL(N-メチルピロリドン/28%CH3ONaメタノー
ル溶液に溶解)
上記式(1−1)保持時間 ;9.3〜11.3
上記式(2−1)保持時間 ;21.6〜23.6
表2に、製造した顔料組成物1〜27(R−1〜27)について、顔料組成物中の式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物の質量比、平均1次粒子径等を示す。
Figure 2013182230
<その他の顔料の製造方法>
(ジアントラキノン系顔料1(PR177−1)の製造)
ジアントラキノン系顔料(C.I.Pigment Red 177)90部、塩化ナトリウム900部、およびジエチレングリコール110部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に添加し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することによりアントラキノン系顔料1(PR177−1)85.0部を得た。平均1次粒子径は38.2nmであった。
<バインダー樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(アクリル樹脂溶液2の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
(バインダー樹脂の重量平均分子量)
アクリル樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<ジケトピロロピロール系顔料組成物を使用した着色組成物の作製方法>
(実施例20;着色組成物1(RP−1)の作製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、ピコミル(浅田鉄工社製)で8時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、着色組成物1(RP−1)を作製した。

ジケトピロロピロール系顔料組成物1(R−1) 11.0部
色素誘導体(14−1) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 48.0部
(実施例21〜38;着色組成物2〜19(RP−2〜19)の作製)
顔料組成物1(R−1)を表2に記載の顔料組成物に変更した以外は、着色組成物1(RP−1)と同様にして着色組成物2〜19(RP−2〜19)を作製した。
(実施例39;着色組成物20(RP−20)の作製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、ピコミルで8時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、着色組成物20(RP−20)を作製した。

ジケトピロロピロール系顔料組成物6(R−6) 11.0部
アクリル樹脂溶液1 40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 48.0部
(比較例9〜16;着色組成物21〜28(RP−21〜28)の作製)
顔料組成物1(R−1)を表2に記載の顔料組成物に変更した以外は着色組成物1(RP−1)と同様にして着色組成物21〜28(RP−21〜28)を作製した。
Figure 2013182230
<その他着色組成物の作製方法>
(着色組成物29(RP−29)の作製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、ピコミルで8時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、着色組成物29(RP−29)を作製した。

ジアントラキノン系顔料(PR177−1) 10.8部
色素誘導体(8−5) 1.2部
アクリル樹脂溶液1 40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 48.0部
<感光性着色組成物の作製方法>
(実施例40;感光性着色組成物1(RR−1)の作製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、感光性着色組成物1(RR−1)を作製した。

着色組成物1(RP−1) 38.2部
着色組成物29(RP−29) 3.8部
アクリル樹脂溶液2 13.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 2.8部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 39.6部
(実施例41〜59;感光性着色組成物2〜20(RR−2〜20)の作製)
着色組成物1(RP−1)を着色組成物2〜20(RP−2〜20)に変更し、さらに着色組成物2〜20(RP−2〜20)と着色組成物29(RP−29)の比率を変更(着色組成物の全量42部内で比率変更)する以外は、実施例40と同様にして感光性着色組成物2〜20(RR−2〜20)を作製した。尚、比率変更については、塗膜評価の際にC光源でx=0.640、y=0.328の色度に合うように、着色組成物2〜20(RP−2〜20)と着色組成物29(RP−29)の比率を変更した。
(比較例17〜24;感光性着色組成物21〜28(RR−21〜28)の作製)
着色組成物1(RP−1)を着色組成物21〜28(RR−21〜28)に変更し、さらに着色組成物21〜28(RR−21〜28)と着色組成物29(RP−29)の比率を変更(着色組成物の全量42部内で比率変更)する以外は、実施例40と同様にして感光性着色組成物21〜28(RP−21〜28)を作製した。尚、比率変更については、塗膜評価の際にC光源でx=0.640、y=0.328の色度に合うように、着色組成物21〜28(RP−21〜28)と着色組成物29(RP−29)の比率を変更した。
<感光性着色組成物を用いた塗膜作製と評価>
得られた感光性着色組成物(RR−1〜28)を用いて作製した赤色塗膜の色特性、コントラスト比、熱による結晶析出の評価を下記方法で行った。表3に感光性着色組成物中の着色組成物の種類および評価結果を示す。
(塗膜の色特性評価)
100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、C光源においてx=0.640、y=0.328になるような膜厚に感光性着色組成物を塗布し、乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。さらに、230℃で60分加熱することで赤色塗膜を得た。その後、得られた塗膜の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
(塗膜のコントラスト比評価)
塗膜のコントラスト比の測定法について説明する。液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜を通過し、偏光板に到達する。偏光板と偏光板の偏光面が平行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板を透過する光量が減り、偏光板が直行のときは偏光板を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。

(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
従って、塗膜中の顔料組成物により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てた。また、コントラスト比測定には色特性評価時と同様の方法で得られた赤色塗膜を使用した。
(保存安定性試験方法)
作製した顔料分散体の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製TUE−20L型)を用い回転数20rpmで測定した。顔料分散体の作製当日の初期粘度と、40℃の恒温室にて7日間保存後の促進経時粘度から、粘度変化率を算出し、保存安定性を下記の基準にて評価した。

◎:1割未満。
○:1割以上、2割未満。
△:2割以上、5割未満。
×:5割以上。
(塗膜表面の結晶析出評価)
100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、C光源においてx=0.640になるような膜厚に感光性着色組成物を塗布し、乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。続けて230℃で60分間の加熱処理行った後、さらに240℃で60分間の加熱処理を2回繰り返した。加熱処理後の基板の塗膜表面を光学顕微鏡にて観察し、結晶析出有無を下記基準に従って判定した。

◎ ・・・ 230℃で60分間加熱処理後、さらに240℃で60分間加熱処理後、
およびさらに240℃で60分間加熱処理でも結晶析出なし。
○ ・・・ 230℃で60分間加熱処理後、およびさらに240℃で60分間加熱処理で
も結晶析出なし(2回目の240℃で60分間加熱処理後に結晶析出あり)。
△ ・・・ 230℃で60分間加熱処理後では結晶析出ないが、さらなる240℃で60
分間加熱処理後に結晶析出あり。
× ・・・ 230℃で60分間加熱処理後で結晶析出あり。
Figure 2013182230
表4の結果より、本発明の実施例40〜59の光硬化性着色組成物(RR−1〜20)は保存安定性が良好で、結晶析出に関してもカラーフィルタとして使用可能な範囲にあった。一方、比較例17〜24の光硬化性着色組成物(RR−21〜28)は、コントラスト比、輝度、保存安定性、結晶析出のいずれかの点では許容範囲に入るものも見られるが、総じて本発明の光硬化性着色組成物に劣る。これにより、本発明の特定の製法により得られる特定の比率の式(1)、及び式(2)で表される化合物を含む顔料組成物を用いることにより、加熱工程における結晶析出が抑制され、コントラストや輝度など色特性が優れたカラーフィルタを提供できることは明らかである。
<カラーフィルタの作製>
カラーフィルタの作製に使用する緑色感光性着色組成物と青色感光性着色組成物の作製を行った。尚、赤色については本発明の感光性着色組成物6(RR−6)を使用した。
(緑色着色組成物1(GP−1)の作製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、ピコミルで8時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、緑色着色組成物1(GP−1)を作製した。

緑色顔料(C.I.ピグメント グリーン 36) 6.8部
黄色顔料(C.I.ピグメント イエロー 150) 5.2部
樹脂型分散剤(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
(緑色感光性着色組成物1(GR−1)の調製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、緑色感光性着色組成物1(GR−1)を作製した。

緑色着色組成物1(GP−1) 42.0部
アクリル樹脂溶液2 13.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 2.8部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 39.6部
(青色着色組成物1(BP−1)の調製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて、ピコミルで8時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、青色着色組成物1(BP−1)を作製した。

青色顔料(C.I.ピグメント ブルー 15:6) 7.2部
紫色顔料(C.I.ピグメント バイオレット 23) 4.8部
樹脂型分散剤(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
(青色感光性着色組成物1(BR−1)の調製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、青色感光性着色組成物1(BR−1)を作製した。

青色着色組成物1(BP−1) 34.0部
アクリル樹脂溶液2 15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 3.3部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45.1部
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで本発明の感光性着色組成物6(RR−6)をx=0.640、y=0.328になるような膜厚に塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、緑色感光性着色組成物1(GR−1)をx=0.300、y=0.600になるような膜厚に、青色感光性着色組成物1(BR―1)を用いてx=0.150、y=0.060になるような膜厚にそれぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
本発明の感光性着色組成物を用いることにより、高明度かつ高コントラストであり、加熱工程で結晶析出がないカラーフィルタを作製することが可能であった。

Claims (5)

  1. コハク酸ジエステル1.2当量に対して、合計2当量の式(A−CN)で表されるベンゾニトリル0.030〜0.200当量、および式(B−CN)で表されるベンゾニトリル1.800〜1.970当量から成る混合物を反応させて得られるジケトピロロピロールアルカリ金属塩を、酸存在下で水及び/又はアルコールなどの有機溶剤中でプロトン化した後に、アルカリによってpH6〜7.2に調整して得られる式(1)及び式(2)で表される化合物から成り、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物の質量比が、85:15〜97:3であることを特徴とするカラーフィルタ用顔料組成物。
    Figure 2013182230
    [ここで、式(A−CN)は、4―クロロベンゾニトリルまたは4−ブロモベンゾニトリルであり、式(B−CN)は、式(3)で表されるベンゾニトリルである。Xは、塩素または臭素であり、Y1およびY2は、それぞれ独立して、水素原子または−CONH(CH2nNR12であり、nは、1〜8の整数を表し、R1およびR2は、炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基を表す。ただし、Y1およびY2が同時に水素原子になることはない。]
  2. さらに、色素誘導体を含有してなる請求項1に記載のカラーフィルタ用顔料組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の顔料組成物、樹脂、有機溶剤を含有してなるカラーフィルタ用着色組成物。
  4. さらに、光重合性化合物、重合開始剤、および、アルカリ可溶性樹脂を含有してなる請求項3に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 請求項4に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いてなるセグメントを有することを特徴とするカラーフィルタ。
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