JP2007041330A - カラーフィルター用緑色顔料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】カラーフィルターの緑色画素部の高コントラスト化を実現できるカラーフィルター用緑色顔料組成物、及び緑色画素部において高いコントラストを示すカラーフィルターを提供する。
【解決手段】一次粒子が0.01〜0.1μmの平均粒子径と1〜3のアスペクト比を有するハロゲン化銅フタロシアニン顔料をリン酸エステル系界面活性剤で表面処理したカラーフィルター用緑色顔料組成物で、好ましくは該ハロゲン化銅フタロシアニン顔料をリン酸エステル系界面活性剤と水を含有する水性媒体中に分散させた水性分散体を加熱乾燥させて得られるカラーフィルター用緑色顔料組成物、及び該緑色顔料組成物を緑色画素部に用いたカラーフィルター。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶カラーディスプレー、ビデオカメラ、カラーエレクトロルミネッセンスディスプレーなどの液晶表示装置に使用されるカラーフィルター用緑色顔料組成物、その顔料組成物を用いたカラーフィルター用緑色顔料ペースト、その顔料ペーストを用いたカラーフィルター用光硬化性組成物、及びその光硬化性組成物を用いたカラーフィルターに関する。
液晶表示装置に用いられるカラーフィルターは、ガラス等の透明基板上に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各着色画素部(パターンとも呼ばれる。)が形成されたものである。これら各着色画素部は、いずれも有機顔料を分散した合成樹脂の薄膜が基板上に設けられた構造であり、その有機顔料としては、赤、緑および青色の顔料が使用されている。
着色画素部を形成するためのカラーフィルター用光硬化性組成物は、有機顔料と、有機溶剤と分散剤とを必須成分として用い、これらを混合し均一となるように攪拌分散して顔料分散液(着色カラーペーストとも呼ばれる。)を調製し、次いでこれに光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えることで調製されている。
カラーフィルター用光硬化性組成物への分散剤の使用に関する提案としては、主として、組成物の分散安定性の向上を目的とするもの、組成物の低粘度化や高流動性化を目的とするもの、薄膜塗布の際の塗布むらの防止を目的とするものなどがある。例えば、特許文献1及び2では、カラーフィルター用光硬化性組成物の中に分散剤としてリン酸エステル系界面活性剤を含有させることによって、薄膜塗布の際の塗布むらの発生を防止することを提案している。特許文献3では表面が塩基性のフタロシアニン系顔料とリン酸エステル系顔料分散剤を有機溶剤に分散させることによって、顔料分散液の粘度を低下させ流動性を付与することを提案している。また、特許文献4では、カラーフィルター用光硬化性組成物の中に塩基性基含有顔料誘導体とリン酸エステル系界面活性剤を含有させることにより、該組成物の流動性を高め均一な薄膜の形成を可能とすることを提案している。これら特許文献1〜4の提案は、いずれも、光硬化性組成物自体に顔料分散剤を添加混合する点で共通している。
特開平11−52563号公報 特開平2000−98608号公報 特開平2001−164142号公報 特開平2003−294935号公報
前述のとおり、カラーフィルター用光硬化性組成物への分散剤の使用に関する従来の提案では、主として、組成物の分散安定性の向上、組成物の低粘度化や高流動性化、薄膜塗布の際の塗布むらの防止等を目的としており、カラーフィルター着色画素部の塗膜の透明性(Y値)やコントラストを高めることを目的としたものは少ない。
一方、液晶表示装置の表示画像に対する需要者の要求は益々高度化しており、そのため、カラーフィルターを作製する際に使用する有機顔料には、カラーフィルター着色画素部の塗膜の透明性(Y値)やコントラストに優れることが要求され、なかでもコントラストに対する要求が高まっている。特にカラーフィルターの緑色画素部の高コントラスト化に対する要求が高まっている。
しかし、特許文献1及び2では、リン酸エステル系界面活性剤とは異なる顔料分散剤を用いて予め分散体を作製した後、リン酸エステル系界面活性剤を添加する方法で塗布むらを抑制しているが、この方法では添加量が多くなりコントラストが低下する問題がある。特許文献3及び4では、表面が塩基性であるフタロシアニン系顔料や塩基性基含有顔料誘導体の表面処理が不均一になることにより均一な分散ができず、その結果として、カラーフィルター着色画素部のコントラストが低下する問題がある。
従って、本発明が解決すべき課題は、カラーフィルターの緑色画素部の高コントラスト化を実現できる緑色顔料組成物を提供することにある。
本発明が解決すべきもう一つの課題は、その緑色顔料組成物を用いて、コントラストに優れるカラーフィルター用緑色顔料ペーストを提供することにある。
本発明が解決すべき更にもう一つの課題は、その緑色顔料組成物を用いて、緑色画素部のコントラストに優れるカラーフィルターを提供することにある。
本発明者らは、前記実状に鑑みて鋭意検討した結果、顔料の一次粒子の平均粒子径とアスペクト比とをある特定範囲の大きさに制御したハロゲン化銅フタロシアニン顔料の水性懸濁液にリン酸エステル系界面活性剤を添加、混合した後、混合系を加熱乾燥させる方法より、リン酸エステル系界面活性剤で表面処理したハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成物を得て、その顔料組成物をカラーフィルター用途に用いれば、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、前記課題の解決手段として、リン酸エステル系界面活性剤で表面処理されたハロゲン化銅フタロシアニン顔料を含有し、前記顔料の一次粒子が0.01〜0.1μmの平均粒子径と1〜3のアスペクト比を有するカラーフィルター用緑色顔料組成物を提供する。
更に、本発明は、前記課題の解決手段として、前記カラーフィルター用緑色顔料組成物を含有するカラーフィルター用緑色顔料ペーストを提供する。
更に、本発明は、前記課題の解決手段として、前記カラーフィルター用緑色顔料組成物を含有する緑色画素部を有するカラーフィルターを提供する。
本発明のカラーフィルター用緑色顔料組成物は、分散性と分散安定性に優れ、その顔料を含むカラーフィルター用顔料分散液は、流動性と貯蔵安定性に優れる。このため、この顔料分散液は、それを用いてカラーフィルター緑色画素部を形成する際に、高い透明性と均一な膜厚を有する塗膜を形成することができ、このことにより緑色画素部の透明性とコントラストが、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料やその表面処理顔料を使用したものもよりも、高くなる。
本発明のカラーフィルター用緑色顔料組成物の最大の特徴は、リン酸エステル系界面活性剤で表面処理されたハロゲン化銅フタロシアニン顔料を含有し、該顔料の一次粒子が0.01〜0.1μmの平均粒子径と1〜3のアスペクト比を有することにある。
本明細書においては、説明の便宜のために、「顔料の一次粒子が0.01〜0.1μmの平均粒子径と1〜3のアスペクト比を有するハロゲン化銅フタロシアニン顔料」を「ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料」ということがある。
本発明で用いるハロゲン化銅フタロシアニン顔料としては、ハロゲン化の程度やハロゲンの種類に特に限定されず、いずれもが使用できるが、なかでもハロゲン原子の数が銅フタロシアニン1分子中に平均8個以上のハロゲン化銅フタロシアニングリーン粗製顔料あるいは顔料であることが好ましい。ここで、上記銅フタロシアニン顔料中のハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子であることが好ましい。
また、本発明で用いるハロゲン化銅フタロシアニン顔料としては、そのC.I.Pigment No.が、C.I.Pigment Green 7(塩素化銅フタロシアニン顔料)、同36(塩素化臭素化銅フタロシアニン顔料)であることが好ましく、なかでもC.I.Pigment Green 36であることがより好ましい。
このハロゲン化銅フタロシアニン顔料は、公知慣用の製造方法、例えば、塩化アルミニウム法、クロルスルホン酸法、ハロゲン化フタロニトリル法等によって製造することができる。いずれの製造方法においても、反応終了後、得られた反応混合物を水、あるいは塩酸等の酸性水溶液中に投入すると、ハロゲン化銅フタロシアニンの粗製顔料が沈殿する。この粗製顔料を濾過後、水、あるいは硫酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、もしくは水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液で洗浄し、必要に応じて、アセトン、トルエン、メチルアルコール、エチルアルコール、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤洗浄後、乾燥して使用するのが好ましい。
また、ハロゲン化銅フタロシアニンの粗製顔料を、必要に応じて、アトライター、ボールミル、振動ミル、振動ボールミル等の粉砕機で乾式粉砕し、次いで、ソルベント法やソルベントソルトミリング法等で顔料化処理することによって、顔料が微分散されてより一層分散性や着色力に優れ、且つ黄味を帯びた透明性の高い緑色を発する顔料とすることができる。
本発明においては、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料として、前記ハロゲン化銅フタロシアニン顔料を公知慣用の微細化処理、好ましくはソルベントソルトミリング処理を行った微細化顔料であることが好ましい。このソルベントソルトミリング処理は、結晶成長を容易に抑制でき、一次粒子の平均粒子径とアスペクト比が本発明で規定する特定範囲にあるハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料が簡便に得られる。
このように一次粒子の平均粒子径とアスペクト比が本発明で規定する特定範囲にあるハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料は、顔料の分散性と分散安定性に優れ、その結果、その顔料を含むカラーフィルター用顔料分散液は、分散液中で顔料が微分散され、作製直後の粘度はもとより、経時後の粘度も低いことから流動性に優れる。更に、この顔料分散液は、その粘度変化も小さいことから貯蔵安定性にも優れる。更に、この顔料分散液は、それを用いてカラーフィルター緑色画素部を形成する際に、高い透明性と均一な膜厚を有する塗膜を形成できることから、その画素部のコントラストも高くなる。以上のことから、ソルベントソルトミリング処理を採用することが好ましい。
ソルベントソルトミリング処理されたハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料は、微細化処理を行う前よりは顔料が微分散され、顔料の分散性と分散安定性が向上する。更に、この微化顔料に公知慣用の表面処理剤を使用して処理を行えば、顔料の分散性と分散安定性が更に向上する。
本発明の顔料組成物において、前記ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料と共に、低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を併用すると、顔料の分散性や分散安定性のみならず、カラーフィルター緑色画素部の透明性とコントラストを向上させるのに効果がある。この目的に使用する低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体は、特に限定さるものではなく、分子中にハロゲン原子として塩素原子又は臭素原子を含むが、なかでも塩素原子が好ましい。また、ハロゲン原子の個数としては、1分子中に平均3〜6個が好ましく、なかでも1分子中に平均4個がより好ましい。
更に、低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体としては、スルホン酸基又はその塩を有する誘導体が好ましい。好ましくは、スルホン酸基のモノ置換体が主であり、それ以外にジ置換体が少量含まれる。また、スルホン酸の塩を形成する金属原子としては、例えば、カリウム原子、ナトリウム原子、リチウム原子、カルシウム原子、マグネシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、アルミニウム原子等が挙げられる。
低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体の1分子中に平均4個の塩素原子を導入することにより、塩素原子の電子吸引効果でスルホン酸の顔料表面における被覆効果がより高められ、その結果、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料の樹脂に対する分散性はもとより、分散安定性も高まり、顔料分散液の流動性と貯蔵安定性が向上し、更にはカラーフィルターの透明性とコントラストが向上する。
本発明で併用してもよい低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体は、例えば、以下のような従来公知の方法により得ることができる。即ち、低ハロゲン化銅フタロシアニンを硫酸に溶解し、100℃以上に加熱するか、あるいは発煙硫酸に溶解して低温度で処理することにより得ることができる。
本発明で使用するハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料は、前記したとおり、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料をソルベントソルトミリング処理して微細化し、必要に応じて、更に、この微細化顔料を1分子中に平均4個の塩素原子を有する低塩素化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体で表面処理することにより得られる。
ここで、ソルベントソルトミリング処理とは、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料と、無機塩と、有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。具体的には、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。混練手段としては、例えば、ニーダーやミックスマーラー等の混練機が使用できる。
無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を使用することが好ましい。また、平均粒子径が0.3〜50μmの無機塩を使用することがより好ましい。このような無機塩としては、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得ることができる。
本発明で用いるハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料を得るに当たっては、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料に対する無機塩の使用量を、従来よりも多くすることが好ましい。即ち、無機塩の使用量は、質量換算で、顔料1部当たり5〜20部が好ましく、なかでも7〜15部がより好ましい。
有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得る水溶性有機溶剤が好適に使用でき、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を使用することができる。
水溶性有機溶剤の使用量は、質量換算で、顔料1部当たり0.01〜5部が好ましい。
ソルベントソルトミリング処理の条件は、特に限定されるものではないが、微細化の対象物を加熱した状態で行うことが好ましい。ソルベントソルトミリング処理の温度は、30〜150℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。ソルベントソルトミリング処理の時間は、3〜20時間が好ましく、5〜15時間がより好ましい。
このソルベントソルトミリング処理により、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料、無機塩及び有機溶剤を主成分として含む混合物が得られるが、この混合物から有機溶剤と無機塩を除去し、必要に応じてハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料を主体とする固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等を行うことにより、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料の粉体を得ることができる。本発明においては、顔料の表面処理を行う際に、乾燥した顔料を使用してもよいし、洗浄後のウェットケーキの顔料を使用してもよい。
洗浄は、水洗、湯洗のいずれの方法でもよい。その際、比電導度は、水又は湯との差において、50μS/cm2以下、好ましくは20μS/cm2以下となるまで洗浄を行うのが好ましい。これは、本発明の緑色顔料組成物がイオン成分を極力含有しないことに起因するものである。水溶性無機塩および水溶性有機溶剤を用いた前記混合物の場合においては、水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去することができる。
濾別、洗浄後の乾燥は、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱により顔料の脱水および/または脱溶剤をする回分式あるいは連続式の乾燥が好ましい。また、乾燥機としては、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機、又はスプレードライアー等を使用できる。
乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり、一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、具体的には、箱型乾燥機やバンド乾燥機を使用した乾燥の場合のように、顔料がランプ形状等のものとなった際に顔料を解して粉末化するために行うものであり、粉砕機としては、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等を使用できる。
こうして得られたハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料を、更に低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体で処理する場合には、例えば、以下のような処理方法を採ることができる。
(1)ソルベントソルトミリング処理後のハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料の水性スラリー中に低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体の水可溶性塩とした水溶液を添加して攪拌混合した後、酸、金属イオンもしくはアンモニウム塩のいずれかもしくはこれらの混合物を含む水溶液を添加することにより、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料の表面に低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を被覆させる(顔料スラリー染め付け処理)方法。
(2)ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料と、低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を粉体同士で混合(粉体混合)する方法。
(3)ソルベントソルトミリング処理時にハロゲン化銅フタロシアニン顔料と、低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を添加(共磨砕)する方法。
上記(1)の方法は、(2)と(3)の方法に比べて、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料の粒子表面近傍に低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を十分に吸着させることにより、前記誘導体の添加量が少量でも緑色顔料組成物の分散性、分散安定性が向上する。この顔料組成物を使用した顔料分散液は、分散液中で顔料が微分散され、作製直後の粘度が低く、経時後の粘度も低いことから流動性に優れる。更に、この顔料分散液は、作製直後と経時後の粘度変化が小さいことから貯蔵安定性にも優れる。
以上のことから、この顔料分散液を使用したカラーフィルター緑色画素部は、塗膜性状に優れ、塗膜の透明性が高くなると共に、均一な膜厚の塗膜を形成することからコントラストも高くなる。尚、(1)〜(3)の表面処理効果の優劣は、(1)>(3)>(2)の順番であり、右側にいくほどその効果は小さくなる。
また、上記(1)の方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料の水性スラリー中に、低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体の水可溶性塩と、前記酸、金属イオンもしくはアンモニウム塩のいずれかもしくはこれらの混合物を含む水溶液とを順次添加してもよいし、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料の水性スラリー中に予め低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体の水可溶性塩とした水溶液液を添加しておき、次いで前記酸、金属イオンあるいはアンモニウム塩のいずれかもしくはこれらの混合物を含む水溶液を添加してもよい。尚、前記微細化処理後の水性スラリーは、一旦濾過、洗浄し、ミキサー、高速分散攪拌機、アジター等を使用して再度水に解膠したものを使用してもよい。また、微細化顔料の乾燥粉末を、分散攪拌機、サンドミル、ボールミル、アトライター、ペイントコンディショナー、ハイスピードミキサー等を使用して、水に分散した顔料水性スラリーも使用してもよい。この際、アルコール等を添加して、微細化顔料の乾燥粉末を水に濡れやすくして行うことも可能である。
本発明において、低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を使用する場合、その含有量は、特に制限されるものではないが、質量換算で、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料100部に対して1〜3部であることが好ましい。その含有量が3部を超えると、カラーフィルター緑色画素部において、(1)色度が青味化する、(2)塗膜の透明性、コントラスト及び耐熱性がそれぞれ低下するので好ましくない。また、本発明においては、前記した低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体の含有量が従来比で約1/10と削減可能であるにもかかわらず、その塗膜性状は同等以上のものが得られるので好ましい。
本発明で使用するハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料を低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体で表面処理する場合は、質量換算で、ハロゲン化銅フタロシアニン1部当たり、5〜20部の無機塩を用いてソルベントソルトミリング処理した後、有機溶剤と無機塩を除去し、次いで前記ミリング処理後の微細化顔料1部当たり、質量基準で、0.01〜0.03部の低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を使用して表面処理を行うことができる。表面処理後の操作は、前記した微細化顔料の製造方法と同様に洗浄、濾過、乾燥、粉砕等の操作を行うものである。
本発明のカラーフィルター用緑色顔料組成物は、こうして得られたハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料、又は、必要に応じて、低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体で表面処理されたハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料を、リン酸エステル系界面活性剤で表面処理することにより得られる。
ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料(以下、説明の便宜のために、低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体で表面処理されたハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料も含めて、単に、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料という)の表面処理の最も好ましい表面処理方法としては、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料を、リン酸エステル系界面活性剤と水を含有する水性媒体中に分散させ、その水性分散体から分散媒体の水を蒸発させて除去し、顔料を乾燥させてハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料の表面処理を行う方法である。この表面処理方法において水を有機溶剤に代えて行う方法も採用可能であるが、分散媒体として水を使用する方法で表面処理されたハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料は、分散媒体として有機溶剤を使用する方法で表面処理されたものよりも、カラーフィルターの着色画素部のコントラストにおいて遥かに優れた効果を奏する。
表面処理に使用するリン酸エステル系界面活性剤としては、例えば、下記一般式(1)で表される構造を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルアリ−ルエーテルのリン酸エステルを使用することができる。
Figure 2007041330
(式中、Rは炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数7〜25のアルキルアリール基、Rは水素原子又は−(CHCHO)nR、Rは炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数7〜25のアルキルアリール基を表し、nはエチレンオキサイドの付加モル数を表す0〜20の整数である。)
一般式(1)で表されるリン酸エステル系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(n=2、4)ラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(n=2、3、4、6、8、9)ノニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(n=3、6、9)アルキル(C12〜C15)エーテルリン酸、ポリオキシエチレン(n=2、3)ステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(n=4)オレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(n=4、6)アルキル(C1〜C8)フェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(n=8,11,15)ジアルキル(C1〜C8)フェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(n=6)フェニルエーテルリン酸等を使用できる。中でも、20〜200の酸価と5〜20のH.L.Bを有するものが好適である。
一般式(1)で表されるリン酸エステルの有機塩基中和物も、表面処理のためのリン酸エステル系界面活性剤として使用することができる。その有機塩基としては、例えば、ものエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;モルホリン、アンモニア等が使用可能であるがこれらに限らない。
これらのリン酸エステル系界面活性剤は市場から入手可能であり、その市販製品として、例えば、第一工業製薬(株)の製品である、「プライサーフA211E」、「プライサーフA217E」、「プライサーフA210G」、「プライサーフA207H」、「プライサーフAL」、「プライサーフA212C」、「プライサーフA215C」、「プライサーフA208B」、「プライサーフA219B」、「プライサーフA208S」、「プライサーフA208F」等の酸型リン酸エステル系界面活性剤;「プライサーフM208B」、「プライサーフM208F」、「プライサーフDB−01」等の中和型リン酸エステル系界面活性剤がある。これらの製品はいずれも本発明に好適に使用することができる。これらのリン酸エステル系界面活性剤は、酸型及び中和型とも5〜17のH.L.Bを有し、酸型は40〜200の酸価を有する。
リン酸エステル系界面活性剤の添加量は、質量基準で、顔料組成物の全量に対して、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜7%、最も好ましくは1〜5%である。
ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料のリン酸エステル系界面活性剤による表面処理は、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料とリン酸エステル系界面活性剤と水の混合物をペイントコンディショナー等の分散機を使用して分散させ、次いで、得られる顔料分散液を加熱し、顔料分散液から分散媒体の水を蒸発させて、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料を乾燥させることにより行うことができる。分散処理を行うにあたり、分散媒質と分散媒体との割合は、特に制限はないが、例えば、質量基準で、ハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料とリン酸エステル系界面活性剤の合計100部に対して、水500〜600部となる割合にすればよい。この表面処理により、リン酸エステル系界面活性剤がハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料の表面に均一に吸着する。この表面処理により、本発明のカラーフィルター用緑色顔料組成物が得られる。低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体で表面処理されたハロゲン化銅フタロシアニン微細化顔料を用いる場合でも、上記と同様な表面処理を行う。
本発明の緑色顔料組成物は、顔料組成物の一次粒子の平均粒子径とアスペクト比が特定範囲内に制御されていることにより、分散液媒体中で顔料が微分散され、顔料の分散性と分散安定性が向上する。この顔料組成物を使用した顔料分散液は、作製直後ならびに経時後の粘度が低いことから流動性に優れる。また、この顔料分散液は、作製直後と経時後の粘度変化が小さいことから貯蔵安定性にも優れる。
この顔料組成物を含有するカラーフィルター用光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成すると、その緑色画素部に、優れた塗膜性状と高い透明性と均一な膜厚を有する塗膜が形成され、これにより高いコントラストを有するカラーフィルターを得ることができる。ここでコントラストとは、偏光方向を平行にした2枚の偏光板の間に被測定物を挟み込んだ時の透過光強度を、偏光方向を垂直にした2枚の偏光板の間に被測定物を挟み込んだ時の透過光強度で除した値であり、消偏性とも呼ばれるものである。
更に、本発明の緑色顔料組成物は、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料、該顔料の銅フタロシアニンスルホン酸処理顔料、あるいは該顔料の酢酸エステル系化合物処理顔料と比べて、分光透過スペクトルの半値幅が狭く、且つその最大透過率の数値も大きい。このことは、本発明における緑色顔料組成物が、従来の前記した顔料よりも色純度と着色力が高く且つ透明性に優れた緑色を呈することを示している。即ち、近年要求されている塗膜の透明性が高いカラーフィルター緑色画素部をより簡便に得ることができる。
本発明の緑色顔料組成物を使用することにより、前記した従来公知のハロゲン化銅フタロシアニン顔料をはじめ、その表面処理顔料では達成できなかった、380〜780nmにおける分光透過スペクトルの透過率が最大となる波長(Tmax)が520〜590nmであり、Tmaxにおける透過率が80%以上、且つ波長650〜700nmにおける分光透過スペクトルの透過率が20%以下であるカラーフィルター緑色画素部をより簡便に得ることができる。
一次粒子の平均粒子径が0.01μm未満では、顔料の凝集性が高まり分散させ難く、顔料分散液の粘度が経時的に上昇したり、チキソトロピーが強く現れたりするほか、顔料が凝集し易くなるため、分散状態において、かえって粒子径の大きい二次粒子を形成することがあり、カラーフィルターの塗膜の透明性とコントラストが低下する原因となる。また、0.1μmを超えても上記記載と同様である。更に、アスペクト比が3より大きくなる場合でも、上記記載と同様である。
即ち、一次粒子の平均粒子径とアスペクト比が本発明で規定する特定範囲を逸脱すると、調製された顔料分散液の流動性、貯蔵安定性が低下する原因となる。これに起因して、このような顔料分散液を用いたカラーフィルター緑色画素部は塗膜の透明性とコントラストのいずれもが低下する。
本発明における一次粒子の平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する顔料一次粒子の50個につき、その長い方の径(長径)を各々求め、それらの値を平均した値である。その際、試料である本発明の緑色顔料組成物は、これを溶媒に超音波分散させてから前記顕微鏡で粒子を撮影する。また、透過型電子顕微鏡の代わりに走査型電子顕微鏡を使用してもよい。
本発明の緑色顔料組成物においては、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料あるいはその表面処理顔料に比べて、一次粒子の凝集力が弱く、より解れやすい性質を有する。電子顕微鏡写真により、前記した従来の顔料あるいは表面処理顔料では観察できない、顔料一次粒子を観察することができる。
また本発明の緑色顔料組成物の一次粒子は、1〜3のアスペクト比を有することから、後記する光硬化性組成物中における流動特性が向上し、光硬化性組成物の粘度が低下する。その結果、カラーフィルターの透明基板への塗布性も向上する。
アスペクト比を求めるには、まず、一次粒子の平均粒子径を求める場合と同ように、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子の50個の各々につき、長い方の径(長径)と、短い方の径(短径)の値を求め、それらの各平均値を使用してアスペクト比を算出する。アスペクト比は1以上の数値を示すが、アスペクト比が小さい(1に近づく)ほど、二次元形状としては正方形に、三次元形状としては立方体に近づくことを意味する。
本発明の緑色顔料組成物は、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料あるいはその処理顔料に比べて、一次粒子の平均粒子径が前記した範囲にあり、しかも顔料の粒度分布がより狭くシャープ(粗大粒子による光の散乱が少ない)であり、顔料表面の微少凹凸が少なくて平滑性にも富むため、顔料の分散性と分散安定性が向上し、カラーフィルター緑色画素部の製造時における耐熱性の向上はもとより、透明性とコントラストのいずれもが高いカラーフィルター緑色画素部を得ることができる。
本発明の緑色顔料組成物を使用して得られるカラーフィルター緑色画素部は、目視評価の結果から、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料あるいはその処理顔料から得られた緑色画素部よりも更に色相が黄味となり、透明性に優れた緑色を呈す。
本発明の緑色顔料組成物は、カラーフィルター緑色画素部の形成用として、所望の色度に調色(黄味付け)するため、必要に応じて、黄色顔料を併用することができる。これらの黄色顔料は、色特性を損なわない範囲で添加することが好ましい。尚、これらの黄色顔料は、必要に応じて、公知慣用の顔料誘導体、分散剤、界面活性剤および樹脂等の表面処理剤によって顔料粒子の表面が被覆された表面処理顔料を使用してもよい。更に、本発明の緑色顔料組成物と同一粒子径に調整した前記黄色顔料あるいはその処理黄色顔料が好ましい。
本発明で併用できる黄色顔料は、カラーフィルター緑色画素部として、分光透過スペクトルの透過率が最大となる波長(Tmax)がバックライト光源の望ましい輝線を拾うために使用することができる。
本発明で併用できる調色用黄色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 83、同128、同138、同139、同150、同154、同180、同185等の黄色顔料が挙げられる。
これらの黄色顔料は、1種単独で用いることもでき、2種以上を併用することもできる。上記黄色顔料のなかでも、C.I.Pigment Yellow 138、同139、同150が色純度と透明性に優れる点で好ましい。
黄色顔料の混合比率は、用途に応じて適宜選択することができるが、一般にカラーフィターに使用する場合は、質量基準で、本発明の緑色顔料組成物と黄色顔料の合計量に対して、10〜60%の範囲とするのが好ましく、なかでも、30〜50%の範囲とするのがより好ましい。
本発明の緑色顔料組成物によれば、それに前記黄色顔料を併用する場合でもその使用量は少量で済むので、調色のために2種以上の異なる色の顔料を混合する従来の場合に比べて、顔料の再凝集が起こり難く、濁りが少なく、色純度に優れ、且つ透明性に優れるカラーフィルター緑色画素部を得ることができる。更に、本発明の緑色顔料組成物と前記黄色顔料を併用する場合、カラーフィルター緑色画素部内で意図した色度や色相となる部位と、そうならない部位が形成されてしまうという欠点も極めて起こり難くなるので好ましい。
本発明の緑色顔料組成物を黄色顔料と併用して調製されたカラーフィルター緑色画素部は、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料、同微細化顔料、あるいはその処理顔料をそれぞれ黄色顔料と併用して調製されたそれよりも、液晶ディスプレーとした時の明るさの低下が小さく、しかも緑色領域での光透過量も大きくなる点で好ましい。
本発明の緑色顔料組成物を使用してカラーフィルター緑色画素部を製造するに当たっては、顔料分散法を好適に採用することができる。この方法の代表的なものは、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルター用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行い、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
赤色、緑色、青色の各色ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルターを製造することができる。赤色画素部および青色画素部を形成する光硬化性組成物を調製するには、公知慣用の赤色顔料と青色顔料をそれぞれ使用することができる。
赤色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red122、同123、同149、同177、同179、同209、同254等が、青色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 15:1、同15:2、同15:6等が挙げられる。赤色画素部の形成には前記した緑色画素部と同ように黄色顔料を、青色画素部の形成には紫色顔料あるいは色相がより赤味を呈する青色顔料をそれぞれ併用することもできる。その後、必要に応じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、カラーフィルター全体を加熱処理(ポストベーク)することもできる。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用できる。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルターは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルターが完成する。
カラーフィルター緑色画素部を形成するための前記した光硬化性組成物(顔料分散フォトレジストとも呼ばれる。)は、本発明の緑色顔料組成物と、分散剤と、光硬化性化合物と、有機溶剤とを必須成分として用い、必要に応じて更に熱可塑性樹脂を用いて、これらを混合することで調製できる。緑色画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルターの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用することが好ましい。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明の緑色顔料組成物と、有機溶剤と、分散剤とを必須成分として用い、これらを混合し均一となるように攪拌分散させて、まずカラーフィルターの緑色画素部を形成するための顔料分散液(着色ペーストとも呼ばれる。)を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて更に熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物を調整する方法が一般的である。
分散剤としては、例えば、ビックケミー社製の「ディスパービック130」、「ディスパービック161」、「ディスパービック162」、「ディスパービック163」、「ディスパービック170」、「エフカ社製のエフカ46」、「エフカ47」等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤等も併せて使用可能である。
有機溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤;酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤;エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤;メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤;ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤;カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物の様なカルバミン酸エステル等が挙げられる。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系等の極性溶媒で水可溶のものが好ましい。水可溶の有機溶剤を使用する場合には、それに水を併用することもできる。
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。
本発明の緑色顔料組成物を用いた顔料分散液は、前記各材料を使用して、質量基準で、該顔料組成物100部当たり、300〜1000部の有機溶剤と、0〜100部の分散剤とを、均一となるように攪拌分散して調整することができる。次いで、この顔料分散液に、本発明の緑色顔料組成物の1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が3〜20部、光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となるように攪拌分散してカラーフィルター緑色画素部を形成するための光硬化性組成物を調整することができる。
本発明の緑色顔料組成物は、カラーフィルター緑色画素部を形成するための顔料分散液、光硬化性組成物を調製するうえで、分散の際に使用可能な樹脂の選択性が広く、なかでもアクリル系モノマーやアクリル系樹脂を用いた分散系においては、塗膜のコントラストを更に向上させる上で顕著な効果を奏する。
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することができる。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルター緑色画素部の形成に効果的である。
本発明の緑色顔料組成物を使用してカラーフィルター緑色画素部を形成する方法については、顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法を用いた製造方法について詳記したが、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法等の製造方法で緑色画素部を形成して、カラーフィルターを製造してもよい。
カラーフィルターを作製するには、赤色顔料、青色顔料、及び本発明の緑色顔料組成物を使用して調整された各色の光硬化性組成物を使用して、基板上に赤(R)、緑(G)及び青(B)の各色の着色画素部を形成する。カラーフィルターは、通常、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤(R)、緑(G)および青(B)の各色のカラーフィルター着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルター着色画素部を形成した後に透明電極を設ける方法、のいずれかの方法により作製されている。
以上、詳述したとおり、本発明のカラーフィルター用緑色顔料組成物及びそれを用いて作製されたカラーフィルターは、緑色画素部において高い透明性と高いコントラストを有する。
以下、製造例、実施例、及び比較例により本発明を詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」はいずれも質量基準である。
<実施例>
各例における顔料の一次粒子の平均粒子径、アスペクト比、及びカラーフィルターのコントラストの測定は下記の方法に従って行った。
(顔料の一次粒子の平均粒子径の測定)
顔料の一次粒子の平均粒子径を測定するには、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の凝集体を構成する顔料の一次粒子50個につき、その長い方の径(長径)を各々求め、それらを平均した値を算出し、その値を平均粒子径とする。平均粒子径の測定に際し、試料である本発明の緑色顔料組成物は、これを溶媒に超音波分散させてから、前記顕微鏡で粒子を撮影する。また、透過型電子顕微鏡の代わりに走査型電子顕微鏡を使用してもよい。
(顔料の一次粒子のアスペクト比の測定)
アスペクト比を求めるには、まず、一次粒子の平均粒子径を求める場合と同様に、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子の50個の各々につき、長い方の径(長径)と、短い方の径(短径)の値を求め、それらの各平均値を使用してアスペクト比を算出する。
(コントラストの測定)
色度測定には、オリンパス社製顕微分光測光装置「OSP−SP−200」を使用した。塗膜のコントラストの測定には、作製したガラス塗板を2枚の偏光板の間に設置し、一方には光源を、更にその反対側には色彩輝度計BM−5A(トプコン社製)を設置して輝度の測定を行った。偏光方向を平行にした2枚の偏光板の間に被測定物を挟み込んだ時の透過光強度を、偏光方向を垂直にした2枚の偏光板の間に被測定物を挟み込んだ時の透過光強度で除した値をコントラストとした。
(製造例1)
C.I.Pigment Green 36(塩素化臭素化銅フタロシアニン顔料、平均置換基数(個)が塩素:臭素=3:13)350部、粉砕した塩化ナトリウム2450部、ジエチレングリコール550部を容量が8Lの双腕型ニーダーに仕込み、90℃で6時間混練磨砕を行った。混練磨砕終了後、60Lの温水にニーダーケーキを解膠し、1時間攪拌保持した後、濾過、温水洗浄を行った。ここで得られた顔料ウェットケーキを温水に再解膠し、顔料濃度が5%となるように顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーを70℃で攪拌保持した後、別途作製した1分子中に平均4個の塩素原子を有する低塩素化銅フタロシアニンスルホン酸7部の水酸化ナトリウム水溶液(pHを9〜10に調整)を前記顔料スラリー中に添加し、1時間攪拌保持した後、塩酸を加えてpHを5〜6に調整し、顔料粒子の表面に前記低塩素化銅フタロシアニンスルホン酸を析出させた。そのまま1時間攪拌保持した後、濾過、温水洗浄、乾燥、粉砕し、緑色顔料組成物(a)を得た。透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)で測定した結果、この緑色顔料組成物(a)の一次粒子の平均粒子径は0.04μm、アスペクト比は2であった。
緑色顔料組成物(a)15部、「プライサーフA215C」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、酸価80〜95、H.L.B.11.5)0.75部、及び純水84.62部を0.5mmφジルコンビーズ200部と共にペイントコンディショナーで2時間分散させた。得られた表面処理分散液を加熱乾燥してリン酸エステル系界面活性剤で表面処理された緑色顔料組成物を得た。
次いで、この表面処理された緑色顔料組成物15部、顔料分散剤4.5部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)80.5部を、0.5mmφジルコンビーズ200部と共にペイントコンディショナーで4時間分散させて顔料分散液を得た。この顔料分散液75.0部、「アロニックスM7100」(東亜合成化学工業(株)製、ポリエステルアクリレート樹脂、光硬化性化合物)5.5部、「KAYARAD DPHA」(日本化薬(株)製、ジぺンタエリスレートヘキサアクリレート、光硬化性化合物)5.0部、「KAYACURE BP−100」(、日本化薬(株)製、ベンゾフェノン、光重合開始剤)1.0部、ユーカーエステルEFP13.5部を分散攪拌機で攪拌し、カラーフィルター緑色画素部を形成するための光硬化性組成物を得た。この光硬化性組成物をガラス板上にスピンコートして塗膜を形成した。次いで、この塗膜に、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤で洗浄することによりカラーフィルター緑色画素部を製造した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5700(y=0.42)であった。
「プライサーフA215C」0.75部に代えて0.38部添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5500(y=0.42)。
「プライサーフA215C」を0.75部に代えて1.05部添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用着色組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5000(y=0.42)であった。
「プライサーフA207H」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、酸価71〜85、H.L.B.7.1)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5700(y=0.42)であった。
「プライサーフA208B」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、酸価160〜185、H.L.B.6.6)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5500(y=0.42)であった。
「プライサーフA208F」第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、酸価165〜195、H.L.B.8.7)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5700(y=0.42)であった。
「プライサーフA208N」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5600(y=0.42)
であった。
「プライサーフA210G」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、酸価95〜110、H.L.B.9.6)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5500(y=0.42)
であった。
「プライサーフA212C」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、酸価100〜120、H.L.B.9.4)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5700(y=0.42)であった。
「プライサーフA212E」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、酸価80〜95、H.L.B.10.3)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5600(y=0.42)であった。
「プライサーフA217E」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、酸価45〜58、H.L.B.14.9)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5500(y=0.42)であった。
「プライサーフA219B」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、酸価44〜58、H.L.B.16.2)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5600(y=0.42)であった。
「プライサーフAL」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、酸価70〜95、H.L.B.5.6)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5800(y=0.42)であった。
「プライサーフM208B」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、中和型)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5500(y=0.42)であった。
「プライサーフM208F」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、中和型)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、6000(y=0.42)であった。
「プライサーフDB−01」(第一工業製薬(株)製、リン酸エステル系界面活性剤、中和型)を「プライサーフA215C」の代わりに添加したこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、5300(y=0.42)であった。
顔料組成物(a)15部、「プライサーフA215C」0.75部、純水84.62部を、0.5mmφジルコンビーズ200部と共にペイントコンディショナーで2時間分散させて顔料分散液を得た。得られた表面処理分散液を加熱乾燥してリン酸エステル系界面活性剤で表面処理された緑色顔料組成物を得た。次いで、この表面処理された緑色顔料組成物10.5部、C.I.Pigment Yellow 150 4.5部、顔料分散剤4.5部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)80.5部を、0.5mmφジルコンビーズ200部と共にペイントコンディショナーで4時間分散させて顔料分散液を得た。この顔料分散液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、7000(y=0.60)であった。
(比較例1)
「プライサーフA215C」を使用しない以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、4000(y=0.42)であった。
(比較例2)
顔料組成物(a)15部、「プライサーフA215C」0.4部、顔料分散剤4.5部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)80.1部を、0.5mmφジルコンビーズ200部と共にペイントコンディショナーで4時間分散させて顔料分散液を得た。この顔料分散液を、実施例1の顔料分散液の変わりに用いる以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、4000(y=0.42)であった。
(比較例3)
顔料組成物(a)10.5部、 C.I.Pigment Yellow 150 4.5部、顔料分散剤4.5部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)80.5部を、0.5mmφジルコンビーズジルコンビーズ200部と共にペイントコンディショナーで4時間分散させて顔料分散液を得た。この顔料分散液を、実施例1の顔料分散液の変わりに用いる以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用光硬化性組成物を調整し、この光硬化性組成物を用いてカラーフィルター緑色画素部を形成した。得られたカラーフィルター緑色画素部のコントラストは、4000(y=0.60)であった。

Claims (13)

  1. リン酸エステル系界面活性剤で表面処理されたハロゲン化銅フタロシアニン顔料を含有し、該顔料の一次粒子が0.01〜0.1μmの平均粒子径と1〜3のアスペクト比を有することを特徴とするカラーフィルター用緑色顔料組成物。
  2. 前記リン酸エステル系界面活性剤で表面処理されたハロゲン化銅フタロシアニン顔料が、前記ハロゲン化銅フタロシアニン顔料を前記リン酸エステル系界面活性剤と水を含有する水性媒体中に分散させた水性分散体を乾燥させて得られるものである、請求項1に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物。
  3. 前記リン酸エステル系界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル系界面活性剤である、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物。
  4. 前記リン酸エステル系界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル系界面活性剤である、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物。
  5. 前記リン酸エステル系界面活性剤の含有量が、質量基準で、前記顔料組成物の全量の0.1〜10%である、請求項1又は2項に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物。
  6. 前記ハロゲン化銅フタロシアニン顔料がC.I.Pigment Green 36である請求項1又2に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物。
  7. 前記ハロゲン化銅フタロシアニン顔料が、ソルベントソルトミリング法により得られる微細化顔料である、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物。
  8. 更に、低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物。
  9. 前記低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体が、1分子中に平均4個の塩素原子を有する低塩素化銅フタロシアニンスルホン酸又はその塩である請求項8に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物。
  10. 前記低ハロゲン化銅フタロシアニンスルホン酸誘導体の含有量が、質量基準で、前記ハロゲン化銅フタロシアニン顔料の全量の1〜3%である、請求項8又は9に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物。
  11. 更に、黄色顔料を含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルター用緑色顔料ペースト。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のカラーフィルター用緑色顔料組成物を含有する緑色画素部を有することを特徴とするカラーフィルター。
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