JP4587059B2 - カラーフィルタ用顔料組成物、その製造方法及びカラーフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、コントラストの耐熱性に優れたカラーフィルタが得られるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物、それを含有してなる感光性組成物及びそれを緑色画素部に含有する、高温で長期間の液晶表示を行なってもコントラスト低下が少ない画像が得られるカラーフィルタに関する。
ポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントグリーン36の様なポリハロゲン化銅フタロシアニン顔料を始めとして、それ以外のポリハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料が知られている。中でも、C.I.ピグメントグリーン58の様なポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、ポリハロゲン化アルミニウムフタロシアニンダイマー顔料の様な、それ以外のポリハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料に無い特異的な性質を示す。
具体的には、このポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を液晶表示装置のカラーフィルタの緑色画素部への適用が知られている。このポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有する緑色画素部は、Tmaxが従来のポリハロゲン化銅フタロシアニン顔料を含有する緑色画素部に比べ高波長側にあるため高色純度となり、黄色顔料と混色した場合においても緑色領域の光透過量も多く、高色純度カラーフィルタに好適に使用できる(特許文献1)。
この優れたポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料にあっても、彩度が不充分で色再現域が未だ満足できないことから、従来は、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料に、ベタイン型両性界面活性剤を含有させた顔料組成物を用いることで、より優れた彩度でより広い色再現域を確保し、液晶表示装置での画像表示において、より理想的に近いRGB色再現性を達成していた(特許文献2)。
特開2003−161827公報 特開2007−284592公報
しかしながら、カラーフィルタの調製に用いるC.I.ピグメントグリーン36やC.I.ピグメントグリーン58の様なポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、従来のインキや塗料で用いるそれに比べてより微細であるため、それを用いて得たカラーフィルタは、液晶表示装置が高温での熱履歴を受けた際に画像表示のコントラストが低下するという問題は、依然として解決されていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、高温での熱履歴を受けても色相が変化しない、耐熱性に優れたカラーフィルタの緑色画素部の形成に適した、ポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料組成物を提供することにある。
また本発明が解決しようとする課題は、前記顔料組成物の好適な製造方法を提供すること、及び前記顔料組成物を緑色画素部に含有する、高温で長期間の画像表示を行なってもコントラスト低下が少ないカラーフィルタを提供することにある。
本発明者等は、各種表面処理剤をポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料に含ませた上で、熱履歴を与えたときの色相変化の評価を行なったところ、ポリウレタン樹脂を用いることで、カラーフィルタとしたときのコントラストの耐熱性に優れたポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料組成物が得られること、この様なポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料組成物を緑色画素部に含有してなるカラーフィルタは高温で長期間の画像表示を行なっても、従来に比べてコントラスト低下が少ないことを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、C.I.ピグメントグリーン58及び/又はC.I.ピグメントグリーン36(A)と、ポリウレタン樹脂(B)とを含有し、質量基準でC.I.ピグメントグリーン58及び/又はC.I.ピグメントグリーン36(A)100部当たり、ポリウレタン樹脂(B)不揮発分0.1〜10部であることを特徴とする、カラーフィルタ用顔料組成物を提供する。
また本発明は、C.I.ピグメントグリーン58及び/又はC.I.ピグメントグリーン36(A)と、ポリウレタン樹脂水性分散体とを不揮発分の質量基準でC.I.ピグメントグリーン58及び/又はC.I.ピグメントグリーン36(A)100部当たり、ポリウレタン樹脂(B)0.1〜10部となる様に混合した後、液媒体を除去することを特徴するカラーフィルタ用顔料組成物の製造方法を提供する。
さらに本発明は、上記のカラーフィルタ用顔料組成物または上記製造方法で得られたカラーフィルタ用顔料組成物を緑色画素部に含有してなるカラーフィルタを提供する。
本発明のポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料組成物は、ポリウレタン樹脂を含有しているので高温での熱履歴を受けても色相が変化しない、耐熱性に優れるという格別顕著な効果を奏する。
本発明のポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料組成物を含有するカラーフィルタは、従来のポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料組成物を含有するカラーフィルタに比べて、高温で長期間の画像表示を行なっても、従来に比べてコントラスト低下が少ないという格別顕著な効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。以下、C.I.ピグメントグリーン58及び/又はC.I.ピグメントグリーン36(A)は、顔料(A)または前者顔料(A)と略記することがある。同様に、ポリウレタン樹脂(B)は、樹脂(B)または後者樹脂(B)と略記することがある。
本発明におけるカラーフィルタ用顔料組成物は、C.I.ピグメントグリーン58及び/又はC.I.ピグメントグリーン36(A)と、ポリウレタン樹脂(B)とを含有し、質量基準で前者顔料(A)100部当たり、後者樹脂(B)0.1〜10部であることを特徴とする。
本発明者等は、試行錯誤により、種種の界面活性剤やポリマーを顔料(A)に含有させて、カラーフィルタ用感光性組成物の耐熱性を比較対比したところ、ポリウレタン樹脂(B)を少量含ませて得た顔料組成物だけが、カラーフィルタとした際に、特異的に高温で長期間の使用においても色相変化が小さく、しかもコントラスト低下が小さく、耐熱性に優れることを見い出した。
本発明における顔料(A)は、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料であるC.I.ピグメントグリーン58、ポリハロゲン化銅フタロシアニン顔料であるC.I.ピグメントグリーン36及びこれらの混合物である。以下、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料とポリハロゲン化銅フタロシアニン顔料とを合わせて、ポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料という。
本発明において顔料(A)は、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.30μmのポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料であることが好ましい。
なお、本発明における一次粒子の平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成する顔料(A)または本発明の顔料組成物の一次粒子の50個につき、その長い方の径(長径)を各々求め、それを平均した値である。この際、試料である顔料(A)または本発明の顔料組成物は、これを溶媒に超音波分散させてから顕微鏡で撮影する。また、透過型電子顕微鏡の代わりに走査型電子顕微鏡を使用してもよい。
ポリ臭素化亜鉛フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントグリーン58が挙げられ、例えば、DIC(株)製FASTOGEN(登録商標)GREEN KTY−CF、同FASTOGEN(登録商標)GREEN A−110などが挙げられる。ポリ臭素化銅フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントグリーン36が挙げられ、例えば、DIC(株)製FASTOGEN(登録商標)GREEN 2YK−50、同FASTOGEN(登録商標)GREEN 2YK−53、同FASTOGEN(登録商標)GREEN 2YK−CFなどが挙げられる。
なかでも、C.I.ピグメントグリーン58は、C.I.ピグメントグリーン36に比べて、カラーフィルタとした場合、高色純度となり、より高水準の輝度とより理想的なRGB色再現性を達成できる点で、より好ましい。
本発明では、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.10μmのポリ臭素化亜鉛フタロシアニン顔料をカラーフィルタ用途に用いるのが好ましい。
本発明におけるポリウレタン樹脂(B)は、一分子中にウレタン結合2以上を必須として含んだものである。このポリウレタン樹脂(B)には、ウレタン結合だけでなく更に尿素結合を含んだポリウレタンポリ尿素樹脂等もふくまれる。
ポリウレタン樹脂(B)としては、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂等が挙げられるが、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が、後記するカラーフィルタとした際の耐熱性に優れる点で好ましい。
ポリウレタン樹脂(B)としては、有機ジイソシアネートとジオールと必要に応じて二官能鎖伸長剤のみを反応させた線状の熱可塑性ポリウレタン樹脂であることが、その皮膜特性に優れ取扱いが容易な点でも好ましい。
ポリウレタン樹脂(B)としては、後記する感光性組成物の調製の際に用いられるバインダー樹脂や単量体が(メタ)アクリル酸エステル樹脂や(メタ)アクリル酸エステルである場合に、優れた分散安定性を発揮できる点で、主鎖に芳香環を含む直鎖芳香族単位とアニオン性基とを含むポリウレタン樹脂であることが密着性・耐久性の様な皮膜特性に優れる点で好ましく、なかでも、主鎖に芳香環を含む直鎖芳香族単位とアニオン性基とを含む、脂肪族または脂環式ジイソシアネートを用いて得たポリエステル系ポリウレタン樹脂であることが更に耐熱性に優れ、長期間液晶表示をさせた際の画像のコントラストの低下が少ない点で特に好ましい。尚、ここでアニオン性基とは、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸基又はこれらの酸基を塩基にて中和した塩をいう。この優れた耐熱性は、後に詳記する耐熱性試験を行なうことで初めて知見されるものであり、耐熱性試験を行なわない常態での観察からは到底知得できないものである。
この特に好ましいポリウレタン樹脂としては、前記した直鎖芳香族ポリエステル単位を含有する、主鎖に芳香環を含む直鎖芳香族単位と、アニオン性基とを含み、有機ジイソシアネートとしては脂肪族ジイソシアネートまたは脂環式ジイソシアネートを用いて得たポリウレタン樹脂が挙げられる。後記する様に、カラーフィルタの画素部を形成する際に用いる顔料は、それだけを用いた(無処理の)場合の輝度に比べて、何らかの表面処理をした場合のそれは、小さくなるのが一般的であるが、C.I.ピグメントグリーン58を上記特に好ましいポリウレタン樹脂で処理した場合は、逆に無処理の場合に比べて輝度が高くなるという特異性がある。
ポリウレタン樹脂(B)は、その不揮発分をそのまま前記顔料(A)と混合することにより、本発明の顔料組成物としても良いが、顔料(A)と、樹脂(B)を液媒体に溶解または分散させた溶液や分散液とを混合した後、液媒体を除去することで、顔料(A)とより均一に樹脂(B)と混合した顔料組成物を調製することができる。この混合は、攪拌下に行なうことが好ましい。中でも、顔料(A)と、樹脂(B)を液媒体に溶解または分散させた溶液や分散液とを混合攪拌して、加熱を行なうことで、加熱を行なわない場合に比べて樹脂(B)を更に均一かつ確実に顔料(A)の表面を被覆することができる。また、加圧加熱を行なうことで、単なる加熱の場合の顔料(A)粒子の表面への樹脂(B)の被覆のみならず、顔料(A)粒子の細孔の様な空隙部分への樹脂(B)の浸透を促進することができ、より被覆の効果が高まる。
このとき、液媒体として、水のみまたは水を主体として水溶性有機溶媒を含む液媒体(水性媒体という)を用いる様にすると、液媒体として、有機溶媒のみを用いて前記混合加熱を行う場合に比べて、顔料(A)自体の結晶形状等の変化が少なく、色相変化が小さくなるので好ましい。
ポリウレタン樹脂(B)を水性媒体中に分散させた分散体は、ポリウレタン樹脂水性分散体と呼ばれる。
本発明に用いられる、ポリウレタン樹脂としては、例えば、ハイドラン(登録商標)AP−40F、同AP−30F、同AP−20(以上、DIC(株)製)、スーパーフレックス460、同460S、同126(以上、第一工業製薬(株)製)等のポリウレタン樹脂水性分散体が挙げられる。
本発明では、顔料(A)と、樹脂(B)水性分散体とを不揮発分の質量基準で前者顔料(A)100部当たり、後者樹脂(B)0.1〜10部となる様に、中でも、0.5〜5部、特に1〜3部となる様に混合した後、液媒体を除去して、顔料組成物の製造することが好ましい。この様にして仕込んだ後者樹脂(B)は、後記する処理を行なっても、流出することなく、質量基準でその不揮発分の少なくとも70%が、顔料(A)にとどまる。
顔料(A)と樹脂(B)との加熱は、両者を混合した後、密閉系にて、温度100〜150℃での攪拌下、30分〜5時間の範囲にて行なうことができる。こうして密閉系で加熱を行なうことで、加圧状態が形成され、前記した様に、顔料粒子の空隙にまで、ポリウレタン樹脂(B)が浸透することになり、単に粒子表面だけを被覆するのに比べて、より優れた効果が発現される。
こうして加熱を行なった混合物は、例えば冷却し、そこから液媒体を除去し、必要に応じて、固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等をすることにより、顔料(A)とポリウレタン樹脂(B)とを含有する本発明の顔料組成物の粉体を得ることが出来る。
洗浄としては、水洗、湯洗のいずれも採用できる。洗浄回数は、1〜5回の範囲で繰り返すことも出来る。洗浄することで、顔料(A)に吸着していない樹脂(B)を容易に除去することが出来る。必要であれば、結晶状態を変化させない様に、酸洗浄、アルカリ洗浄、溶剤洗浄を行ってもよい。カラーフィルタ用顔料組成物に含有された、有効成分である、樹脂(B)不揮発分の量(いわゆる歩留まり)は、例えば顔料組成物の溶媒抽出による樹脂抽出量から、或いは、仕込樹脂(B)に対する濾液中の流出量から求めることが出来る。
上記した濾別、洗浄後の乾燥としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、顔料の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては一般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライアー等がある。特にスプレードライ乾燥はペースト作成時に易分散であるため好ましい。また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、例えば箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合のように顔料がランプ状等のとなった際に顔料を解して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。こうして、顔料(A)と樹脂(B)とを含有するカラーフィルタ用顔料組成物を主成分として含む乾燥粉末が得られる。
本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、公知慣用の用途にいずれも使用できるが、特に一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.10μmであると、顔料凝集も比較的弱く、着色すべき合成樹脂等への分散性がより良好となる。
本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、カラーフィルタ緑色画素部に使用する場合においては、カラーフィルタ用感光性組成物への顔料分散が容易であり、カラーフィルタ用感光性組成物を硬化する際に多用される365nmにおける遮光性は低下し、レジストの光硬化感度の低下がなく、現像時の膜へりやパターン流れも起こり難くなるので好ましい。近年要求されている鮮明度と明度とのいずれもが高いカラーフィルタ緑色画素部がより簡便に得られる。
本発明のカラーフィルタ用顔料組成物の一次粒子は、更に縦横のアスペクト比が1〜3であると、各用途分野において粘度特性が向上し、流動性がより高くなる。アスペクト比を求めるには、まず、一次粒子の平均粒子径を求める場合と同様に、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の、凝集体を構成する一次粒子の50個につき長い方の径(長径)と、短い方の径(短径)の平均値を求め、これらの値を用いて算出する。
本発明のカラーフィルタ用顔料組成物を、少なくともカラーフィルタの緑色画素部に含有させることで、本発明のカラーフィルタを得ることが出来る。カラーフィルタ分野においては、従来の印刷インキや塗料の様な汎用用途とは異なり、彩度値の取扱いが大変厳密であり、極僅か彩度値の向上させるのにも困難を伴うが、本発明の顔料組成物をカラーフィルタの調製に用いることにより、色純度が向上しより広いRGB色再現域の液晶表示装置が得られる。
C.I.ピグメントグリーン58を含有する本発明の好適なカラーフィルタ用顔料組成物は、カラーフィルタの緑色画素部を得る場合に、特段に黄色顔料を調色のために併用することなく、或いは併用するにしてもより少量で済むため、380〜780nmの全域における光透過率の低下も最小限に防止できる。特に、より黄味かつより高着色力を有するため、同等の色濃度であれば、黄色顔料はより少ない併用量で良いため、さらに透過率を上げることも出来、有利である。
また、C.I.ピグメントグリーン58を含有する本発明の好適なカラーフィルタ用顔料組成物は、前記した様に、380〜780nmにおける分光透過スペクトルの透過率が最大となる波長(Tmax)は、510〜520nmであり、その透過曲線の半値幅が110nm以下と非常にシャープである。(この波長は、後記する様な感光性樹脂による影響を受けない。)。
本発明における分光透過スペクトルとは、日本工業規格JIS Z 8722(色の測定方法−反射及び透過物体色)の第一種分光測光器に準じて求められるもので、ガラス基板等の上に前記所定乾燥膜厚に製膜した顔料組成物を含む樹脂被膜について所定波長領域の光を走査照射して、各波長における各透過率値をプロットしたものである。カラーフィルタとしての透過率は、例えば樹脂のみで同一乾燥膜厚となした被膜について同様に求めた分光透過スペクトルで補正すること(ベースライン補正等)によって、より精度良く求めることが出来る。
本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、それだけをそのままカラーフィルタの緑色画素部の製造に用いることが出来るが、必要ならば、経済性を考慮して、公知慣用の緑色や黄色の、顔料や顔料誘導体を併用しても良い。
また、緑色顔料の他に、特性を出現させるため調色用に黄色顔料を使用することがある。ここで併用できる黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメント イエロー 83、同110、同138、同139、同150、同180、同185等の黄色有機顔料が挙げられる。
本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、公知の方法でカラーフィルタの緑色画素部のパターンの形成に用いることが出来る。典型的には、本発明のカラーフィルタ用顔料組成物と、感光性樹脂とを必須成分して含むカラーフィルタ緑色画素部用感光性組成物を得ることが出来る。
カラーフィルタの製造方法としては、例えば、このカラーフィルタ用顔料組成物を感光性樹脂からなる分散媒に分散させた後、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等でガラス等の透明基板上に塗布し、ついでこの塗布膜に対して、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を溶剤等で洗浄して緑色パターンを得る、フォトリソグラフィーと呼ばれる方法が挙げられる。
その他、電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法の方法で緑色画素部のパターンを形成して、カラーフィルタを製造してもよい。なお、赤色画素部のパターンおよび青色画素部のパターンも公知の顔料を使用して、同様の方法で形成できる。本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、熱履歴を受けても色相変化が小さいため、例えば、ベーキングを工程に含む様なカラーフィルタの製造方法においては、極めて有用である。
カラーフィルタ緑色画素部用感光性組成物を調製するには、例えば、本発明のカラーフィルタ用顔料組成物と、感光性樹脂と、光重合開始剤と、前記樹脂を溶解する有機溶剤とを必須成分として混合する。その製造方法としては、本発明のカラーフィルタ用顔料組成物と有機溶剤と必要に応じて分散剤を用いて分散液を調製してから、そこに感光性樹脂等を加えて調製する方法が一般的である。
必要に応じて用いる分散剤としては、例えばビックケミー社のディスパービック(DisperbyK登録商標)130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、エフカ社のエフカ46、エフカ47等が挙げられる。また、レベンリグ剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤なども併せて使用可能である。
有機溶剤としては、例えばトルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル、水等がある。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系、水等の極性溶媒で水可溶のものが適している。
本発明のカラーフィルタ用顔料組成物100質量部当たり、300〜1000質量部の有機溶剤と、必要に応じて0〜100質量部の分散剤及び/又は0〜20質量部のフタロシアニン誘導体とを、均一となる様に攪拌分散して分散液を得ることができる。次いでこの分散液に、本発明のカラーフィルタ用顔料組成物1質量部当たり、3〜20質量部の感光性樹脂、感光性樹脂1質量部当たり0.05〜3質量部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルタ緑色画素部用感光性組成物を得ることができる。
この際に使用可能な感光性樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等の熱可塑性樹脂や、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のような多官能モノマー等の光重合性モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プロパン−2'−スルホン酸、4,4'−ジアジドスチルベン−2,2'−ジスルホン酸等がある。
こうして調製されたカラーフィルタ緑色画素部用感光性組成物は、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤やアルカリ水等で洗浄することによりカラーフィルタとなすことができる。
本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、より黄味の緑色で着色力が高く、高色純度でコントラストの高い明るい緑色を発色する。従って、詳記したカラーフィルタ用以外にも、塗料、プラスチック、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、電子トナー、ジェットインキ、熱転写インキなどの着色に適する。
次に本発明の実施例を示して具体的に説明する。以下、断りのない限り、%は質量%、部は質量部を意味する。
FASTOGEN(登録商標)GREEN A−110(DIC株式会社製ポリ臭素化亜鉛フタロシアニン顔料)20gと、ハイドラン AP−30F(DIC株式会社製ポリウレタン樹脂水性分散体。不揮発分(質量換算)50%。主鎖にアルキレンオキシドの繰り返しからなるポリエーテル単位とカルボキシル基とを含む、脂肪族または脂環式ジイソシアネートを用いて得たポリエーテル系のポリウレタン樹脂を含有する。)0.4gと、イオン交換水600gとを、1リットル容量のオートクレーブに仕込み、攪拌しながら2時間で130℃まで昇温し、そのままの温度にて5時間で加熱攪拌を行なった。
その後室温となるまで放冷し、吸引濾過し固形分を得て、濾紙上の固形物をイオン交換水5lにて洗浄した。こうして得られた顔料組成物のウエットケーキを乾燥機中90℃で12時間乾燥させ、ラボミルにて粉砕を行なった。
こうして得られた乾燥した顔料組成物の溶媒抽出による樹脂抽出量から、仕込んだハイドラン AP−30Fの不揮発分の少なくとも80%(質量換算)が、FASTOGEN(登録商標)GREEN A−110に付着していることが確認できた。このカラーフィルタ用顔料組成物の一次粒子の平均粒子径は0.01〜0.10μm、アスペクト比は1〜3の範囲にあった。
<カラーフィルタ緑色画素部用組成物の調製>
上記実施例1で得られた乾燥したカラーフィルタ用顔料組成物2.48質量部、味の素ファインテクノ(株)製カチオン性ポリマー アジスパーPB−814(固形分40%)の1.86質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.16質量部、の混合物に0.3〜0.4mmφジルコンビーズを加え、東洋精機(株)製ペイントコンディショナーで80分分散して着色組成物(I)を得た。得られた着色組成物(I)4.0質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.63質量部、DIC(株)製アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295の2.55質量部を分散攪拌機(倉敷紡績(株)製 MAZERUSTAR)で攪拌し、カラーフィルタ緑色画素部を形成するための組成物を得た。
<CF試験用ガラス基板作製>
続いて上記の組成物をスピンコーターによりガラス基板上に塗布した。スピンコーターの回転数は600、800、1000、1200rpmとし、組成物の塗布膜厚の異なる4種のガラス板を作成した。こうして得られた、組成物が塗布された各ガラス板を90℃で3分間加熱し、カラーフィルタ緑色画素部を得た。
<カラーフィルタ緑色画素部の評価>
得られたガラス基板を用いて各種カラーフィルタ特性を評価した。
色相(x、y)および輝度(Y値)は大塚電子(株)製の顕微分光光度計MCPD−3000を使用して求めた。まず膜厚の異なる4種のガラス板それぞれについてC光源測色における色度座標x値とy値およびCIE発色系色度におけるY値を測定した。それをもとに4点からなるx-Yグラフを作成し、その近似直線上のy=0.42におけるY値を輝度とした。輝度が大きいほど視覚明度が高いことを意味する。
また、初期コントラストは当該カラーフィルタ緑色画素部を2枚の偏光板の間に設置し、偏光板の外側の一方には光源を、更に反対側にはトプコンテクノハウス製色彩輝度計BM−5Aを設置して、2枚の偏光板の偏光軸が平行のときと垂直のときの輝度を測定した。平行時と垂直時の輝度の比を各ガラス板のコントラストとし、4枚のガラス板について測定することで色度座標yとコントラストとのグラフを作成し、その近似直線上のy=0.48における値を当該緑色画素部のコントラストとした。
耐熱性は、上記の初期コントラストを測定したカラーフィルタ緑色画素部を設けたガラス基板を250℃の乾燥機に1時間入れ、取り出して放冷した後に、同様にコントラストを測定し、初期コントラストに対する熱履歴を受けた後のコントラストの変化を求め、その減衰率を%にて表すようにした。
ハイドラン AP−30Fに代えて、ハイドラン AP−40F(DIC株式会社製ポリウレタン樹脂水性分散体。不揮発分(質量換算)50%。主鎖に芳香環を含む直鎖芳香族単位とアニオン性基とを含む、脂肪族または脂環式ジイソシアネートを用いて得たポリエステル系のポリウレタン樹脂)の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様の操作を行ない、乾燥してカラーフィルタ用顔料組成物を得た。
こうして得られた乾燥した顔料組成物の溶媒抽出による樹脂抽出量から、仕込んだハイドラン AP−40Fの不揮発分の少なくとも80%(質量換算)が、FASTOGEN(登録商標)GREEN A−110に付着していることが確認できた。このカラーフィルタ用顔料組成物の一次粒子の平均粒子径は0.01〜0.10μm、アスペクト比は1〜3の範囲にあった。
こうして得られた乾燥したカラーフィルタ用顔料組成物を用いて、実施例1と同様に順に、<カラーフィルタ緑色画素部用組成物の調製>、<CF試験用ガラス基板作製>及び<カラーフィルタ緑色画素部の評価>を行なった。
〔比較例1〕
ハイドラン AP−30Fもハイドラン AP−40Fもいずれも用いずに、Fastogen(登録商標)Green A−110だけを2.48質量部を用いる以外は実施例1と同様に順に、<カラーフィルタ緑色画素部用組成物の調製>、<CF試験用ガラス基板作製>及び<カラーフィルタ緑色画素部の評価>を行なった。この顔料組成物の一次粒子の平均粒子径は0.01〜0.10μmの範囲にあった。
〔比較例2〕
ハイドラン AP−30Fに代えて、アンヒトール(AMPHITOL登録商標)24B(カルボキシベタイン系界面活性剤:花王(株)製)の不揮発分換算の同量を用いる以外は、上記実施例1と同様の操作を行ない、乾燥してカラーフィルタ用顔料組成物を得た。
こうして得られた乾燥した顔料組成物の溶媒抽出による樹脂抽出量から、仕込んだアンヒトール24Bの不揮発分の少なくとも80%(質量換算)が、FASTOGEN(登録商標)GREEN A−110に付着していることが確認できた。このカラーフィルタ用顔料組成物の一次粒子の平均粒子径は0.01〜0.10μmの範囲にあった。
こうして得られた乾燥したカラーフィルタ用顔料組成物を用いて、実施例1と同様に順に、<カラーフィルタ緑色画素部用組成物の調製>、<CF試験用ガラス基板作製>及び<カラーフィルタ緑色画素部の評価>を行なった。
これら実施例1〜2及び比較例1〜2の評価結果を表1にまとめて示した。
表1
Figure 0004587059
表1から明らかなように、実施例と比較例との対比から、本発明のカラーフィルタ用顔料組成物から作られた緑色画素部を有する実施例のカラーフィルタは、比較例のそれに対し耐熱性が著しく優れていることがわかる。
尚、実施例1と比較例2との対比から、ポリウレタン樹脂を含む本発明のカラーフィルタ用顔料組成物を用いた緑色画素部を有する実施例1のカラーフィルタは、従来のベタイン型両性界面活性剤を含む顔料組成物を用いて同様に得た比較例2のカラーフィルタに比べて、初期コントラストは同等であるが、耐熱性が良好である。
実施例1と実施例2との対比から、ポリエステル系ポリウレタン樹脂を含む本発明のカラーフィルタ用顔料組成物を用いた緑色画素部を有する実施例2のカラーフィルタは、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を含む本発明のカラーフィルタ用顔料組成物を用いて同様に得た実施例1のカラーフィルタに比べて、更に耐熱性が良好である。また、この実施例2のカラーフィルタは、ポリウレタン樹脂を含まない顔料単体から同様に得られた比較例1のカラーフィルタに比べて、輝度(Y)が高い値を示しており、顔料に表面処理等を行なった際には処理前より輝度は低下するという従来の当業者の常識を覆す極めて特異な効果も有している。
しかも、ポリ臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を含む本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、ポリ臭素化銅フタロシアニン顔料を含む本発明のカラーフィルタ用顔料組成物より、更に高彩度であり、より色純度の高い色度を有し、さらに非常に高い着色力を示す。したがって、ポリ臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を含む本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、より理想的なRGB色再現域のディスプレー等の大画面用カラーフィルタの緑色画素部のパターン形成に最適である。
本発明は、コントラストの耐熱性に優れたカラーフィルタが得られるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物、それを含有してなる感光性組成物及びそれを緑色画素部に含有する、高温で長期間の液晶表示を行なってもコントラスト低下が少ない画像が得られるカラーフィルタを提供できる。

Claims (5)

  1. C.I.ピグメントグリーン58(A)と、ポリウレタン樹脂(B)とを含有し、質量基準でC.I.ピグメントグリーン58(A)100部当たり、ポリウレタン樹脂(B)不揮発分0.1〜10部であることを特徴とする、カラーフィルタ用顔料組成物。
  2. ポリウレタン樹脂(B)が、ポリエステル系ポリウレタン樹脂である請求項1記載のカラーフィルタ用顔料組成物。
  3. C.I.ピグメントグリーン58(A)と、ポリウレタン樹脂水性分散体とを不揮発分の質量基準でC.I.ピグメントグリーン58(A)100部当たり、ポリウレタン樹脂(B)0.1〜10部となる様に混合した後、液媒体を除去しすることを特徴とするカラーフィルタ用顔料組成物の製造方法。
  4. ポリウレタン樹脂(B)が、ポリエステル系ポリウレタン樹脂である請求項3記載のカラーフィルタ用顔料組成物の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載のカラーフィルタ用顔料組成物を緑色画素部に含有してなるカラーフィルタ。
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