JP2003255119A - カラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター

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JP2003255119A
JP2003255119A JP2002052946A JP2002052946A JP2003255119A JP 2003255119 A JP2003255119 A JP 2003255119A JP 2002052946 A JP2002052946 A JP 2002052946A JP 2002052946 A JP2002052946 A JP 2002052946A JP 2003255119 A JP2003255119 A JP 2003255119A
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color filter
solid solution
quinacridone
pigment
red
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Application number
JP2002052946A
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English (en)
Inventor
Kyoichi Okada
恭一 岡田
Keisuke Tanemura
圭祐 種村
Isao Oshiumi
功 鴛海
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶バックライトの透過性が高く、表示画面
が明るい液晶表示装置が得られるキナクリドン系固溶体
顔料を用いた赤色画素部を有するカラーフィルターを提
供する。 【解決手段】 透明基板上に赤色、緑色及び青色の各画
素部を有するカラーフィルターにおいて、前記赤色画素
部として、窒素吸着法によるBET比表面積が50〜1
50m/gである、無置換キナクリドンと4,11−
ジクロロキナクリドンとの固溶体顔料を用いることを特
徴とするカラーフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラーフィルターに
関する。
【0002】
【従来の技術】無置換キナクリドンと4,11−ジクロ
ロキナクリドンとの固溶体を主体とする顔料としては、
米国特許第4099980号明細書等にある様に、C.
I.Pigment Red 207が知られている。
無置換キナクリドン顔料や、ジメチルキナクリドン顔料
の様なその他の公知のキナクリドン系顔料が赤色〜赤紫
色の色相を呈するのに対して、同固溶体顔料は黄味の赤
色を呈することに特徴がある。
【0003】またC.I.Pigment Red 2
07は、塩素原子を置換基として含有するキナクリドン
を含んでおり、耐溶剤性等の化学的耐久性が高い。
【0004】この様なC.I.Pigment Red
207のカラーフィルター用途への適用については、
例えば特開2002―22922号公報が知られてい
る。同公報には、C.I.Pigment Red 2
07に、特定一般式で表されるスルホン酸基又はスルホ
ン酸金属塩を官能基として有するアントラキノン誘導体
を併用することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た様な従来のC.I.Pigment Red 207
を含む顔料組成物は、耐熱性等については優れた特性を
有し、前記アントラキノン誘導体の併用により、カラー
フィルターの製造に用いる光硬化性組成物の分散性は若
干改良されるものの、未だ透明性は不充分であり、カラ
ーフィルター用途に使用した場合には、液晶バックライ
トの透過性が未だ低く表示画面が暗くなるという課題を
有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、前
記実状に鑑みて鋭意検討したところ、カラーフィルター
用途において、無置換キナクリドンと4,11−ジクロ
ロキナクリドンとの固溶体を従来より微細とすること
で、その他のキナクリドン系顔料には無い特異な色相を
有すると共に透明性に優れることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、透明基板上に赤色、緑色及
び青色の各画素部を有するカラーフィルターにおいて、
前記赤色画素部として、窒素吸着法によるBET比表面
積が50〜150m/gである、無置換キナクリドン
と4,11−ジクロロキナクリドンとの固溶体顔料を用
いることを特徴とするカラーフィルターを提供すること
を目的とする。
【0008】
【発明の実施形態】本発明で用いられるキナクリドン系
固溶体顔料は、CuKα特性X線(波長0.1541n
m)による粉末X線回折図によるブラッグ角(2θ±
0.2゜)=26.7゜,13.3゜及び6.4゜に主
要ピークを有する、無置換キナクリドンと4,11−ジ
クロロキナクリドンとの固溶体からなり、その比表面積
を除けば、C.I.Pigment Red 207と
して公知の有機顔料である。本発明で用いられるキナク
リドン系固溶体顔料の最大の特徴は、従来にない微細さ
にある。この微細さの程度は、例えば窒素吸着法による
BET比表面積で表すことが出来る。
【0009】このキナクリドン系固溶体顔料の比表面積
は、窒素吸着法におけるBET比表面積JIS Z 88
30−1990(気体吸着による粉体の比表面積測定方
法)に従って測定できる。本発明のキナクリドン系固溶
体顔料は、この測定方法で50〜150m/g、中で
も好ましくは90〜120m/gの比表面積を有する
ものである(以下、微細キナクリドン系固溶体顔料と称
する。)。
【0010】尚、本発明で用いる微細キナクリドン系固
溶体顔料の平均一次粒子径は、0.01〜0.15μm
及び縦横のアスペクト比は、1〜3であると、カラーフ
ィルター用途においては好ましい。これらは、微細キナ
クリドン系固溶体顔料を溶媒に超音波分散させてから、
透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡により測定する
ことが出来る。平均一次粒子径は、具体的には、電子顕
微鏡内の視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝集
体を構成する顔料一次粒子の50個につき、その長い方
の径(長径)を各々求め、それを平均した値である。微
細キナクリドン系固溶体顔料は平均一次粒子径が小さい
ほど、より透明性に富んだものとすることが出来る。ま
た縦横のアスペクト比は、短径と前記長径とから求めら
れる。短径は、具体的には、電子顕微鏡内の視野内の粒
子を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成する顔料一
次粒子の50個につき、その最短の径(短径)を各々求
め、それを平均した値である。
【0011】本発明で用いる微細キナクリドン系固溶体
顔料は、従来と同様に、2,5−ジアニリノテレフタル
酸と2,5−ジ(2−クロロアニリノ)テレフタル酸と
を環化する第一工程、第一工程で得られたキナクリドン
系固溶体を顔料化する第二工程により製造することが出
来るが、スルホン酸基又はスルホン酸金属塩を官能基と
して含む有機化合物の存在下で環化させた固溶体を顔料
化すると、従来より容易に得ることが出来る。以下で
2,5−ジアニリノテレフタル酸と、2,5−ジ(2−
クロロアニリノ)テレフタル酸とをあわせて、単に中間
体と称する場合がある。
【0012】第一工程では、2,5−ジアニリノテレフ
タル酸と2,5−ジ(2−クロロアニリノ)テレフタル
酸とを、ポリ燐酸中、スルホン酸基又はスルホン酸金属
塩を官能基として含む有機化合物の存在下で環化し加水
分解する。
【0013】本発明で用いるポリ燐酸は、公知慣用のも
のがいずれも使用できる。このポリ燐酸の使用量は、質
量換算で各中間体の合計100部当たり、300〜65
0部とするのが収率に優れる点で好ましい。
【0014】各中間体の反応容器への仕込み割合は、特
に制限されるものではないが、モル比(2,5−ジアニ
リノテレフタル酸:2,5−ジ(2−クロロアニリノ)
テレフタル酸)=30:70〜70:30の範囲から選
択することが出来る。
【0015】本発明で用いるスルホン酸基又はスルホン
酸金属塩を官能基として含む有機化合物(以下、スルホ
ン酸系化合物と称する)としては、例えばキナクリドン
スルホン酸、キナクリドンスルホン酸ナトリウム、キナ
クリドンスルホン酸アルミニウム、キナクリドンスルホ
ン酸カルシウム等のキナクリドンスルホン酸誘導体また
はキナクリドンスルホン酸誘導体の金属塩、ジアルキル
スルホコハク酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸
アルミニウム、ジアルキルスルホコハク酸カルシウム、
アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム等のスルホン酸系界面活性剤およびそ
の金属塩を挙げることが出来る。中でも、アルキル基
と、スルホン酸基又はスルホン酸金属塩とを官能基とし
て含む有機化合物を使用すると、同一の顔料化工程を経
ても最終的に得られるキナクリドン系固溶体顔料をより
微細なものと出来る点で好ましい。
【0016】尚、前記スルホン酸系化合物の使用量は、
質量換算で、2,5−ジアニリノテレフタル酸と芳香環
にハロゲン原子を有する2,5−ジアニリノテレフタル
酸の合計100部当たり、通常1〜15部、中でも2〜
8部となる様にするのが好ましい。
【0017】前記環化は、ポリ燐酸、上記各中間体及び
スルホン酸系化合物を反応容器に仕込み、110〜14
0℃で1〜5時間攪拌することで行うことが出来る。こ
の反応の終点は、例えば反応系内の内容物を適当な時間
幅で経時サンプリングし、中間体特有の赤外線吸収スペ
クトルのピークが消失したことを確認することにより決
定できる。こうして環化混合物が得られる。
【0018】続く加水分解は、例えば前記操作で得られ
た環化混合物を、質量換算でこの環化混合物の3〜15
倍相当量の大過剰の水や無機酸の様な液媒体と混合する
ことで行うことが出来る。この無機酸としては、例えば
燐酸や硫酸を用いることが出来る。この加水分解は、1
0〜180℃で0.25〜3時間攪拌することで行うこ
とが出来る。100℃を越える環化混合物を常温以下の
大過剰の水等に加えると、高粘ちょう性の環化混合物か
ら生成物たる粒子が晶析され、沈殿する。
【0019】こうして得られた環化と脱水を経た混合物
は、未反応原料等に含まれる酸や水等の液体成分を除去
し粗製キナクリドン系固溶体としてから、前記第二工程
の顔料化を行う。この除去は、前記加水分解混合物を冷
却後濾過したり、熱時濾過することにより行うことが出
来る。
【0020】液体成分が除去された粗製キナクリドン系
固溶体の残渣は、洗浄してから第二工程に用いるのが好
ましい。この洗浄には、水、湯、塩基等を用いる。特
に、カラーフィルターにおける金属腐食を防止するため
に、酸やその他のイオン性物質をゼロに近くなるまで洗
浄を行うのが好ましい。
【0021】こうして洗浄された粗製キナクリドン系固
溶体の残渣は、ウエットケーキのまま或いは乾燥された
後に、前記第二工程により顔料化される。より凝集が少
なく比表面積が大きな固溶体顔料を得る場合には、第二
工程では、ウエットケーキを用いる様にするのが好まし
い。
【0022】この顔料化には、従来公知のソルベント法
を採用することが出来る。ソルベント法は、ソルベント
ミリング法に比べて、顔料化に要する消費エネルギーが
小さいし、アシッドペースト法で不可欠な廃酸処理も不
必要なので好ましい。
【0023】このソルベント法は、80〜150℃とし
た粗製顔料固形分の質量の3〜15倍相当量の大過剰の
有機溶剤中に粗製顔料を含めて攪拌する方法である。こ
こでの有機溶剤としては、例えばキシレン、イソブタノ
ール、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピ
ロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等が挙げら
れる。この際の攪拌時間は通常0.5〜15時間であ
る。攪拌の終点は、例えば系内の内容物を適当な時間幅
で経時サンプリングし、必要とされる結晶粒子径となっ
た点により決定できる。また結晶制御に当たり、有機溶
剤には水を併用しても良いし、塩基を併用しても良い。
【0024】こうしてソルベント法で得られた顔料化混
合物は、例えば濾過後、水または湯で洗浄し、乾燥等を
することにより、微細キナクリドン系固溶体顔料とする
ことが出来る。
【0025】本発明で用いる微細キナクリドン系固溶体
顔料は、公知の方法でのカラーフィルターの赤色画素部
の形成に用いることが出来る。本発明のカラーフィルタ
ーを製造するに当たっては、顔料分散法が好適に採用で
きる。
【0026】この方法で代表例な方法は、フォトリソグ
ラフィー法であり、これは、後述する光硬化性組成物
を、カラーフィルター用の透明基板のブラックマトリッ
クスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)し
た後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパ
ターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性
化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、
非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法
である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜
からなる画素部が透明基板上に形成される。
【0027】赤色、緑色、青色の各色ごとに、後述する
光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すこ
とにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の各画素を有
するカラーフィルターを製造することができる。本発明
で用いる微細キナクリドン系固溶体顔料からは、赤色画
素部が形成される。なお、緑色画素部および青色画素部
を形成するための光硬化性組成物を調製するには、公知
の緑色顔料と青色顔料を使用することができる。緑色画
素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.
Pigment Green 7、同36等が、青色画
素部を形成するための顔料としては、例えばC.I.P
igment Blue 15、同60等が挙げられ
る。これら緑色画素部と青色画素部の形成には、黄色顔
料や紫色顔料を併用することも出来る。その後必要に応
じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、
カラーフィルター全体を加熱処理(ポストベーク)する
こともできる。
【0028】後述する光硬化性組成物をガラス等の透明
基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート
法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられ
る。
【0029】透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜
の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異
なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度で
ある。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。ま
た、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、20
0〜500nmの波長範囲の紫外線あるいは可視光を使
用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光
源が使用できる。
【0030】現像方法としては、例えば、液盛り法、デ
ィッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組
成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成され
た透明基板は水洗し乾燥させる。こうして得られたカラ
ーフィルターは、ホットプレート、オーブン等の加熱装
置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポ
ストベーク)することによって、塗膜中の揮発性成分を
除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に
残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフ
ィルターが完成する。
【0031】カラーフィルターの画素部を形成するため
の前記した光硬化性組成物(顔料分散フォトレジストと
も呼ばれる)は、本発明で用いる微細キナクリドン系固
溶体顔料と、分散剤と、光硬化性化合物と、有機溶剤と
を必須成分とし、必要に応じて熱可塑性樹脂を用いて、
これらを混合することで調製できる。画素部を形成する
着色樹脂皮膜に、カラーフィルターの実生産で行われる
ベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合に
は、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化
性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用すること
が不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有
機溶剤としては、それを溶解するものを用いるのが好ま
しい。
【0032】前記光硬化性組成物の製造方法としては、
本発明で用いる微細キナクリドン系固溶体顔料と、有機
溶剤と分散剤とを必須成分として用いこれらを混合し均
一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルター
の画素部を形成するための顔料分散液(着色ペーストと
呼ばれることがある)を調製してから、そこに、光硬化
性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤
等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的であ
る。
【0033】ここで分散剤としては、例えば、ビックケ
ミー社のディスパービック130、ディスパービック1
61、ディスパービック162、ディスパービック16
3、ディスパービック170、エフカ社のエフカ46、
エフカ47等が挙げられる。また、レベリング剤、カッ
プリング剤、カチオン系の界面活性剤なども併せて使用
可能である。
【0034】有機溶剤としては、例えばトルエンやキシ
レン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル
や酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチル
プロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノー
ル、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソル
ブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、
N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、
N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の
窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系
溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの4
8:52の混合物のようなカルバミン酸エステル等が挙
げられる。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、
アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、
ラクトン系等の極性溶媒で水可溶のものが適している。
水可溶の有機溶剤を用いる場合には、それに水を併用す
ることも出来る。
【0035】光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性
樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレン
マレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が
挙げられる。光硬化性化合物としては、例えば、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス
(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチ
ルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モ
ノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官
能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタン
アクリレート、ポリエーテルアクリレート等のような比
較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
【0036】光重合開始剤としては、例えば、アセトフ
ェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノー
ル、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサン
トン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プ
ロパン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−
プロパン−2'−スルホン酸、4,4'−ジアジドスチル
ベン−2,2'−ジスルホン酸等が挙げられる。
【0037】前記した様な各材料を用いて、本発明で用
いる微細キナクリドン系固溶体顔料100質量部当た
り、300〜1000質量部の有機溶剤と、0〜100
質量部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記
顔料分散液を得ることができる。次いでこの顔料分散液
に、本発明で用いる微細キナクリドン系固溶体顔料の1
質量部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が
3〜20質量部、光硬化性化合物1質量部当たり0.0
5〜3質量部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有
機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフ
ィルターの赤色画素部を形成するための光硬化性組成物
を得ることができる。
【0038】現像液としては、公知慣用の有機溶剤やア
ルカリ水溶液を用いることができる。特に前記光硬化性
組成物に、熱可塑性樹脂又は光硬化性化合物が含まれて
おり、これらの少なくとも一方が酸価を有しアルカリ可
溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄が画素
部の形成に効果的である。
【0039】顔料分散法のうちフォトリソグラフィー法
によるカラーフィルターの製造方法について、詳述した
が、本発明のカラーフィルターは、その他の、電着法、
転写法、ミセル電解法、PVED(Photovolt
aic Electrodeposition)法等の
方法で画素部を形成して、カラーフィルターを製造して
もよい。
【0040】本発明の赤色画素部を有するカラーフィル
ターは、カラー液晶ディスプレイ、ビデオカメラ、カラ
ーエレクトロルミネッセントディスプレー、カラースキ
ャナ、固体撮像素子などに好適に用いることができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例により詳細に
説明する。以下、%及び部は特に断りのない限り、質量
基準である。
【0042】[製造例1]攪拌装置付の反応容器に85
%燐酸80部を仕込み、攪拌下に無水燐酸140部を加
えて20分間強攪拌し、ポリ燐酸を得、ここにネオペレ
ックスNo.25〔花王株式会社製アニオン界面活性
剤。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム〕11部を
加えた。次いで2,5−ジ(2−クロロアニリノ)テレ
フタル酸22部、2,5−ジアニリノテレフタル酸33
部を反応容器に加え、125℃で3時間反応を行って反
応混合物を得た。別の攪拌装置付の容器に15℃の水1
650部を張り、それの強攪拌下に、前記反応混合物を
投入し、30分間そのまま攪拌を行い、吸引濾過を行
い、粗製キナクリドン系固溶体顔料のウエットケーキ2
30部を得た。
【0043】このウエットケーキ230部と水880部
とを、別の攪拌装置付容器に仕込み、そこに48%水酸
化ナトリウム水溶液25部を加えてpH13前後とし、
80℃で1.5時間攪拌した後、吸引濾過した。さらに
吸引濾過での濾液が中性となるまで、湯を加えて洗浄を
繰り返した。
【0044】攪拌装置付の加圧可能な反応容器に、この
洗浄された粗製キナクリドン系固溶体顔料のウエットケ
ーキ160部(固形分換算30g、水分は除く)、水1
60部(ウエットケーキ中の水分を含む)及びDMF4
20部を仕込み、更に、そこに48%水酸化ナトリウム
水溶液を加えてpH10前後としてから、内容物を内容
積1Lのオートクレーブ容器に仕込み、127℃、圧力
0.15MPaで8時間攪拌した。その後、常圧に戻し
て室温となるまで放冷し、吸引濾過した。さらに吸引濾
過での濾液が中性となるまで、湯を加えて洗浄を繰り返
し、得られたキナクリドン系固溶体顔料のウエットケ
ーキを98℃に設定された熱風乾燥機で乾燥し、塊を手
で解した。収率は96%であった。
【0045】CuKα特性X線による粉末X線回折図に
よる結晶パターンの解析から、得られたのは、無置換キ
ナクリドンと4,11−ジクロロキナクリドンとの結晶
混合物ではなく、無置換キナクリドンと4,11−ジク
ロロキナクリドンとの固溶体を主体とする、C.I.P
igment Red 207であった。得られた微細
キナクリドン系固溶体顔料の窒素吸着法によるBET比
表面積を、マイクロソープ4232II〔マイクロデー
タ株式会社製〕で測定したところ比表面積は113m
/g であった。平均一次粒子径は、0.01〜0.1
μmであった。縦横のアスペクト比は1〜2であった。
【0046】[製造例2]ネオペレックスNo.25を
用いない以外は、実施例1と全く同様の操作を行いキナ
クリドン系固溶体顔料を得た。収率は95%、比表面
積は42m/gであった。平均一次粒子径は、0.1
〜0.3μmであった。縦横のアスペクト比は1〜5で
あった。
【0047】[製造例3]ネオペレックスNo.25の
同量の添加時期を、ソルベント法による顔料化の段階と
した以外は実施例1と全く同様の操作を行いキナクリド
ン系固溶体顔料を得た。収率は95%、比表面積は4
4m/g であった。平均一次粒子径は、0.01〜
0.1μmであった。縦横のアスペクト比は1〜2であ
った。
【0048】前記製造例各1〜3で得られたキナクリド
ン系固溶体顔料各〜は、いずれも、X線回折装置L
INT1100〔株式会社リガク製〕でのCuKα特性
X線(波長0.1541nm)による粉末X線回折図に
よるブラッグ角(2θ±0.2゜)=26.7゜,1
3.3゜及び6.4゜に主要ピークを有する固溶体であ
った。
【0049】[実施例1]前記の製造例1で得られたキ
ナクリドン系固溶体顔料を赤色顔料として用い、フォ
トリソグラフィーによりカラーフィルターの赤色画素部
を製造した。
【0050】[比較例1、2]前記の製造例各2、3で
得られたキナクリドン系固溶体顔料各、を赤色顔料
として用い、フォトリソグラフィーによりカラーフィル
ターの赤色画素部各、を製造した。
【0051】カラーフィルター赤色画素部の製造方法と
しては、各キナクリドン系固溶体顔料9.5部、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート49部、
アジスパーPB−814〔味の素株式会社製〕7.5
部、を0.5mmφセプルビーズを加え、ペイントコン
ディショナー〔東洋精機株式会社製〕で2時間分散し、
顔料分散液(着色ペースト)を得た。この顔料分散液7
5.00部とアロニックスM7100〔東亜合成化学工
業株式会社製ポリエステルアクリレート。光硬化性化合
物に相当する。〕5.50部、KAYARAD DPH
A〔日本化薬株式会社製ジぺンタエリスレートヘキサア
クリレート。光硬化性化合物に相当する。〕5.00
部、KAYACURE BP−100〔日本化薬株式会
社製ベンゾフェノン。光重合開始剤に相当する。〕1.
00部、およびユーカーエステルEFP 13.5部を
分散攪拌機で攪拌し、カラーフィルター赤色画素部を形
成するための光硬化性組成物を得た。この組成物は1m
m厚ガラスに乾燥膜厚1μmとなるように塗布した。
【0052】次いで、フォトマスクを介して紫外線によ
るパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤で洗
浄することによりカラーフィルター用赤色画素部とし
た。
【0053】[試験例]<性能試験及び評価基準> 透明性:前記の方法で塗布し硬化させたガラス板を用い
て、顕微鏡MX−50〔オリンパス株式会社製〕と分光
光度計MCPD−3000顕微分光測光装置〔大塚電子
株式会社製〕CIE発色系色度におけるxおよびy値
が、x=0.48、y=0.29となるY値を測定し
た。Y値が大きいほど、透明性が高いと評価した。 色相:前記の方法で塗布し硬化させたガラス板を観察
し、色相を目視評価した。
【0054】実施例1および比較例各1、2から製造し
たカラーフィルター用赤色画素部各〜の透明性、色
相に関する評価結果を表1に示す。
【0055】
【表1】表1
【0056】表1の評価結果から明らかなように、本発
明の赤色画素部を有するカラーフィルターは、微細キナ
クリドン系固溶体顔料を用いているので、従来の製造方
法に従って製造されたキナクリドン系固溶体顔料を用い
た赤色画素部を有するカラーフィルターに比べて、透明
性に優れている結果、液晶バックライトの透過性が高く
表示画面が明るくなることが判った。
【0057】
【発明の効果】本発明の微細キナクリドン系固溶体顔料
を用いた赤色画素部を有するカラーフィルターは、従来
よりもかなり微細でかなり大きな比表面積の無置換キナ
クリドンと4,11−ジクロロキナクリドンとのキナク
リドン系固溶体顔料(C.I.Pigment Red
207)を用いているので、透明性に優れている結
果、液晶バックライトの透過性が高く表示画面が明るい
液晶表示装置が得られるという格別顕著な効果を奏す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AB13 AC01 AD01 BC13 BC42 CA00 CC12 FA17 2H048 BA02 BA47 BA48 BB02 2H091 FA02Y FB04 FB11 FC10 LA17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に赤色、緑色及び青色の各画
    素部を有するカラーフィルターにおいて、前記赤色画素
    部として、窒素吸着法によるBET比表面積が50〜1
    50m/gである、無置換キナクリドンと4,11−
    ジクロロキナクリドンとの固溶体顔料を用いることを特
    徴とするカラーフィルター。
  2. 【請求項2】 前記固溶体が、CuKα特性X線(波長
    0.1541nm)による粉末X線回折図によるブラッ
    グ角(2θ±0.2゜)=26.7゜,13.3゜及び
    6.4゜に主要ピークを有する固溶体である請求項1記
    載のカラーフィルター。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007522756A (ja) * 2004-02-17 2007-08-09 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 電気音響トランスジューサ用の膜体の特性を変更する方法及び装置
JP2011022187A (ja) * 2009-07-13 2011-02-03 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電荷像現像用トナー、フルカラートナーキット、画像形成方法
WO2017038339A1 (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 富士フイルム株式会社 着色層の製造方法、カラーフィルタ、遮光膜、固体撮像素子および画像表示装置

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