JP3419189B2 - 光記録媒体及び光記録媒体用組成物 - Google Patents

光記録媒体及び光記録媒体用組成物

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JP3419189B2
JP3419189B2 JP01249096A JP1249096A JP3419189B2 JP 3419189 B2 JP3419189 B2 JP 3419189B2 JP 01249096 A JP01249096 A JP 01249096A JP 1249096 A JP1249096 A JP 1249096A JP 3419189 B2 JP3419189 B2 JP 3419189B2
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Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザー光によって
情報を書き込んだり、読みとったりすることが可能な光
記録媒体に関するものでありさらに詳しくは、追記型コ
ンパクトディスク(CD−R)の記録膜構成及び、記録
膜組成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、編集機能を有する追記型光ディス
クとして、シアニン等の有機色素記録膜の上に金の反射
膜を設け、波長780nmでCDフォーマットあるいは
CD−ROMフォーマット信号を記録し、CDまたはC
D−ROMの再生装置で情報を読み出すCD−Rが実用
化されている。しかしながら、一般的にシアニン色素は
光安定性が悪いため、CDのような単面構成で直接太陽
光にさらされるような使用条件下では記録の信頼性に問
題が生じる可能性がある。
【0003】そのため、シアニン色素に代えて、化学的
物理的に安定なフタロシアニン色素を記録膜材料に使用
する試みを検討し、フタロシアニン化合物でも特公平4
−53713、特開平4−214388、特開平5−1
272等に提案され、一部の化合物が実用化されてい
る。これらの材料を用いたCD−Rの特性はシアニン色
素を用いた場合と同等の特性を有し、オレンジブックに
準拠した媒体となっており、かつ、シアニン色素を用い
た媒体に比べ、遥かに耐光性が優れているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、CD−ROMの
急速な普及につれ、CD−R媒体にも高速記録、高速読
み出しが要求されるようになり、同じ媒体で、等速記録
から2倍、4倍速記録へも対応できることが必要となっ
てきた。上述したようなフタロシアニン色素は一般的に
シアニン色素と比べ、記録感度が劣るため、これらの要
求をすべて満たすには不十分であった。このため記録感
度の向上には、特開平7−20550に開示されている
ような熱分解性のよい置換基を導入するなどの色素構造
上の工夫や、特開昭59−92448に開示されている
ように、熱分解を促進する添加剤を併用することが必要
であり、こうしたことで高速記録に対応できる記録感度
を達成することはできたが、耐久性や耐光性、本来の良
好な記録再生特性等を犠牲にしなければならないのが通
常であった。また、特開平7−98887には、記録ピ
ット形状の制御剤として金属錯体化合物が提示されてい
る。これらの化合物の添加により、記録後の信号特性は
良好となるが、色素単独仕様の場合と比べて耐光性が劣
る(犠牲になる)ことが重要な問題であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、記録層に、フタロ
シアニン色素とo−アルキルジチオカルボナトキレート
化合物含有させることによって、倍速記録以上にも充分
対応できる記録感度を保持しつつ、記録後の信号特性を
安定化し、かつ、耐光性、耐久性等の信頼性に全く問題
のない光記録媒体を実現できることを見出し、本発明に
至った。
【0006】
【発明の実施の形態】すなわち本発明は、透明基板、記
録層、反射層、保護層の4層よりなる光記録媒体におい
て、該記録層に一般式(1)で示されるフタロシアニン
化合物とo−アルキルジチオカルボナトキレート化合物
を含有することを特徴とした光記録媒体である。また、
本発明は前述した、該記録層に使用される、一般式
(1)で示されるフタロシアニン化合物とo−アルキル
ジチオカルボナトキレート化合物よりなる光記録媒体用
光記録材料組成物をも含む。
【0007】一般式(1)
【化2】 [式中、X1 〜X4 はそれぞれ独立に、水素原子、置換
基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいア
リール基、置換基を有してもよい脂環基、置換基を有し
てもよいアラルキル基、置換基を有してもよい複素環
基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアル
キルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基を表
す。Y1 〜Y4 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
原子、ニトロ基、置換基を有してもよいフタルイミドメ
チル基、置換基を有してもよいスルホンアミド基を表
す。M1は、Si、Ge、Sn、Al、Ga、Inを表
す。Zは -OP(=O)R1 R2を表し、ここでR1 、
R2 はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換基を有
してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリールオキシ基を表す。n1 〜n4 は置換基
X1 〜X4 の数を表し、それぞれ独立に1〜4の整数を
表す。m1 〜m4 は置換基Y1 〜Y4 の数を表し、それ
ぞれ独立に0〜4の整数を表す。kは置換基Zの数を表
し、1または2の整数を表す。]
【0008】更に本発明は、上記フタロシアニン化合物
とo−アルキルジチオカルボナトキレート化合物とから
なる光記録媒体用組成物に関する。
【0009】本発明者らは、フタロシアニン化合物が、
中心金属からフタロシアニン環平面より垂直方向に置換
基(アキシャル置換基)を持つフタロシアニン化合物で
ある場合、一般式(1)で示されるような特殊なアキシ
ャル置換基を持つ構造のフタロシアニン化合物は非常に
耐光性がよい事を見出し(特開平4−214388)
(1994年度色材研究発表会 講演要旨集 11B−
12)、高耐久性を有する光記録媒体を実現したが、倍
速記録以上の高速記録に対応するには記録感度が不十分
であった。このため、記録感度の向上を目指し、独自の
熱分解性のよい置換基を導入するなどの色素構造上の工
夫をすることで高速記録に対応できる記録感度を達成す
ることができることが判ったが、同時に、本来の高耐久
性を保持し得ない、又は、記録感度は向上するが、記録
特性に悪影響を及ぼすことが多いことが判った。
【0010】こうした問題の原因究明のため、詳細な検
討を行った結果、高耐久性を保持し得ない、記録特性に
悪影響を及ぼす等の問題の原因は、記録後、熱分解によ
って生じた分解物に起因することが大きい事が判った。
即ち、記録時に急激な加熱によって、色素に導入された
各種置換基の結合が開裂する際、電荷分離した不安定な
状態で分解物が存在すると、それらが光分解や加水分解
等の引き金となって耐光性、耐久性に悪影響を及ぼしや
すい。また、記録の際、急加熱された時に、こうした分
解物がガス状で存在し得る場合には、その体積増加のた
め、記録層の上の反射層を押し上げ、記録特性に悪影響
を与える原因となる。
【0011】従って、こうした問題の解決には、記録時
に生成した不安定な分解物と効率よく結合し、安定な状
態で保持しうる化合物、または、安定な状態に変化させ
る触媒種のような添加剤が効果があると考え、検討した
結果、上述したo−アルキルジチオカルボナトキレート
化合物が優れた効果があることを見出した。o−アルキ
ルジチオカルボナトキレート化合物は、耐光性、耐久性
に問題がなく、光記録媒体の記録層の成膜に使用する汎
用の溶媒にも溶解性が高い等の利点も有している。
【0012】特開平7−98887には、記録ピット形
状の制御剤として種々の金属錯体が紹介されているが、
ここでは記録の際の色素の熱分解促進剤として作用し、
発熱制御等の面から記録ピットの形状制御に有効に働
き、その結果、記録信号を良好なものに改善できると言
及されているが、上述したような、記録時に生成する不
安定な分解物に化学的に作用し、安定化させる、又は、
物理的な体積増加を抑制するような効果については示唆
されていない。また、ここでは本発明で提示するo−ア
ルキルジチオカルボナトキレート化合物についてはいっ
さいの例示もない。
【0013】本発明におけるo−アルキルジチオカルボ
ナトキレート化合物は、一般式(1)で示されるフタロ
シアニン化合物の合成、あるいは精製時に添加、また
は、単に粉末へのブレンド、あるいは、化学的処理によ
ってフタロシアニン化合物に結合させて使用してもよ
く、また、スピンコートによる記録膜作成の際、フタロ
シアニン化合物と一緒に塗布溶媒に溶解させて使用する
ことも可能である。これらの方法は使用するo−アルキ
ルジチオカルボナトキレート化合物、フタロシアニン化
合物の種類、組合わせによって最適な方法を選ぶことが
できるが、o−アルキルジチオカルボナトキレート化合
物は汎用の溶媒に高い溶解性を持つことから、スピンコ
ートによる記録膜作成の際、フタロシアニン化合物と一
緒に塗布溶媒に溶解させて使用することが好ましく、記
録媒体の生産性もよい。
【0014】o−アルキルジチオカルボナトキレート化
合物の添加量は、使用する一般式(1)で示されるフタ
ロシアニン化合物に対して、1〜30%重量であり、好
ましくは1〜10%重量の範囲である。
【0015】また、記録層に使用する一般式(1)で示
されるフタロシアニン化合物の中心金属が、Al、Ga
のようにアキシャル置換基が一つしか導入できない場合
には、p−トルエンスルホン酸のような有機酸安定化剤
を併用することにより耐光性、耐久性が一段と改善され
るので好ましい。
【0016】本発明の一般式(1)における構造、置換
基等について詳細に説明すると、ハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等がある。置換基を有
してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、tert- ブチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、
n-オクチル基、ステアリル基、2-エチルヘキシル基、ト
リクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリ
フルオロエチル基、2,2-ジブロモエチル基、2,2,3,3-テ
トラフルオロプロピル基、2-エトキシエチル基、2-ブト
キシエチル基、2-ニトロプロピル基等がある。置換基を
有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチ
ル基、アントラニル基、p-メチルフェニル基、p-ニトロ
フェニル基、p-メトキシフェニル基、2,4-ジクロロフェ
ニル基、ペンタフルオロフェニル基、2-アミノフェニル
基、2-メチル-4- クロロフェニル基、4-ヒドロキシ-1-
ナフチル基、6-メチル-2- ナフチル基、4,5,8-トリクロ
ロ-2- ナフチル基、アントラキノニル基、2-アミノアン
トラキノリル基等がある。置換基を有してもよい脂環基
としては、シクロペンチル基、2,5-ジメチルシクロペン
チル基、シクロヘキシル基、4-tert- ブチルシクロヘキ
シル基、アダマンチル基等がある。置換基を有してもよ
いアラルキル基としては、ベンジル基、4-メチルベンジ
ル基、4-tert- ブチルベンジル基、4-メトキシベンジル
基、4-ニトロベンジル基、2,4-ジクロロベンジル基等が
ある。置換基を有してもよい複素環基としては、ピリジ
ニル基、3-メチルピリジニル基、ピラジニル基、ピペジ
ニル基、N-メチルピペジニル基、ピラニル基、モルホニ
ル基、n-メチルピロリニル基、アクリジニル基、等があ
る。置換基を有してもよいアルコキシ基としては、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n-ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert- ブチル
オキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ
基、n-オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2-エチ
ルヘキシルオキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフル
オロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,
3,3-テトラフルオロプロピルオキシ基、2-エトキシエト
キシ基、2-ブトキシエトキシ基、2-ニトロプロポキシ基
等がある。置換基を有してもよいアリールオキシ基とし
ては、フェノキシ基、ナフトキシ基、アントラニルオキ
シ基、p-メチルフェノキシ基、p-ニトロフェノキシ基、
p-メトキシフェノキシ基、2,4-ジクロロフェノキシ基、
ペンタフルオロフェノキシ基、2-メチル-4- クロロフェ
ノキシ基等があり、置換基を有してもよいアルキルアミ
ノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメ
チルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジイソプロピル基、
シクロヘキシルアミノ基等があり、置換基を有してもよ
いアリールアミノ基としては、フェニルアミノ基、p-ニ
トロフェニルアミノ基、4-メチルフェニルアミノ基、ジ
フェニルアミノ基、ジ(4-メトキシフェニル)アミノ基
等があるが、これらに限定されるものではない。
【0017】本発明における一般式(1)で示されるフ
タロシアニン化合物の代表的な例として下記に示すフタ
ロシアニン化合物(a)〜(d)等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0018】(a)
【化3】
【0019】(b)
【化4】
【0020】(c)
【化5】
【0021】(d)
【化6】
【0022】本発明における、o−アルキルジチオカル
ボナトキレート化合物の代表的な例としては、ビス(O
−メチルジチオカルボナト)ニッケル(II)、ビス
(O−エチルジチオカルボナト)ニッケル(II)、ビ
ス(O−プロピルジチオカルボナト)ニッケル(I
I)、ビス(O−ブチルジチオカルボナト)ニッケル
(II)、ビス(O−イソプロピルジチオカルボナト)
ニッケル(II)、トリス(O−メチルジチオカルボナ
ト)コバルト(III)、トリス(O−エチルジチオカ
ルボナト)コバルト(III)、トリス(O−プロピル
ジチオカルボナト)コバルト(III)、トリス(O−
ブチルジチオカルボナト)コバルト(III)、トリス
(O−イソプロピルジチオカルボナト)コバルト(II
I)、トリス(O−メチルジチオカルボナト)クロム
(III)、トリス(O−エチルジチオカルボナト)ク
ロム(III)、トリス(O−プロピルジチオカルボナ
ト)クロム(III)、トリス(O−ブチルジチオカル
ボナト)クロム(III)、トリス(O−イソプロピル
ジチオカルボナト)クロム(III)、ビス(O−メチ
ルジチオカルボナト)亜鉛(II)、ビス(O−エチル
ジチオカルボナト)亜鉛(II)、ビス(O−プロピル
ジチオカルボナト)亜鉛(II)、ビス(O−ブチルジ
チオカルボナト)亜鉛(II)、ビス(O−イソプロピ
ルジチオカルボナト)亜鉛(II)、 ビス(O−メチ
ルジチオカルボナト)銅(II)、ビス(O−エチルジ
チオカルボナト)銅(II)、ビス(O−プロピルジチ
オカルボナト)銅(II)、ビス(O−ブチルジチオカ
ルボナト)銅(II)、ビス(O−イソプロピルジチオ
カルボナト)銅(II)、トリス(O−メチルジチオカ
ルボナト)鉄(III)、トリス(O−エチルジチオカ
ルボナト)鉄(III)、トリス(O−プロピルジチオ
カルボナト)鉄(III)、トリス(O−ブチルジチオ
カルボナト)鉄(III)、トリス(O−イソプロピル
ジチオカルボナト)鉄(III)、ビス(O−メチルジ
チオカルボナト)テルル(II)、ビス(O−エチルジ
チオカルボナト)テルル(II)、ビス(O−プロピル
ジチオカルボナト)テルル(II)、ビス(O−ブチル
ジチオカルボナト)テルル(II)、ビス(O−イソプ
ロピルジチオカルボナト)テルル(II)等があるが、
これらに限定されるものではない。
【0023】記録層の成膜方法としては、ドライプロセ
ス、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法によって
も可能であるが、ウエトプロセス、例えば、スピンコー
ト法、ディップ法、スプレー法、ロールコート法あるい
は、LB(ラングミュアーブロジェット)法によっても
可能である。本発明の記録膜素材は、汎用の有機溶媒、
たとえば、アルコール系、ケトン系、セロソルブ系、ハ
ロゲン系、炭化水素系、フロン系溶媒等に高い溶解性を
示すため、生産性、及び記録膜の均一性からスピンコー
ト法により成膜する方法が好ましい。このように、いわ
ゆる塗布法で成膜する場合には、必要に応じて高分子バ
インダーを加えてもよい。
【0024】高分子バインンダーとしては、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ニトロセル
ロース樹脂、フェノール樹脂等が挙げられるがこれらに
限定されるものではない。高分子バインダーの混合比と
しては特に制限はないが、色素に対して30%以下が好
ましい。本発明の記録層の最適膜厚は、記録膜材料の種
類及び組合わせによる異なるため特に制限はなく、50
0〜3000オングストロームが好ましく、更に好まし
くは、800〜1500オングストロームが最適膜厚範
囲である。
【0025】本発明の反射膜素材としては、金、銀、
銅、白金、アルミニウム、コバルト、スズ等の金属、及
び、これらを主成分とした合金、酸化物、窒化物等が挙
げられるが、絶対反射率が高く、安定性に優れている点
から金が最適である。また、場合によっては有機化合物
の高反射膜を使用することも可能である。このような反
射膜の成膜方法としては、ドライプロセス、例えば、真
空蒸着法、スパッタリング法がもっとも好ましいが、こ
れらに限定されるものではない。反射膜の最適膜厚につ
いては、特に制限はないが、400〜1600オングス
トロームの範囲が好ましい。
【0026】更に反射膜の上よりディスクを保護するた
めの保護層を設ける。保護層用の材料としては、紫外線
硬化樹脂を用いてスピンコート法によって塗布し、紫外
線照射により硬化させる方法が好ましいが、これらに限
定されるものではない。保護層の最適膜厚については、
薄い場合には保護の硬化が低下し、厚い場合には樹脂の
硬化時の収縮によりディスクのそり等の機械特性の悪化
の原因となるため、2〜20ミクロンの範囲で成膜する
ことが好ましい。
【0027】また、本発明に用いられるディスク基板と
しては、信号の書き込みや読み出しを行うための光の透
過率が好ましくは85%以上であり、かつ、光学異方性
の小さいものが好ましい。例えば、硝子、または、アク
リル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹
脂等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、アリル樹脂等の熱
硬化性樹脂からなる基板が挙げられる。これらの中で、
成型のしやすさ、ATIP用ウオブル信号、及び、案内
溝等の付与にしやすさ等から熱可塑性樹脂からなるもの
が好ましく、更に光学特性や機械特性、及び、コストか
らみてアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂からなるも
のが特に好ましい。
【0028】発明における基板の案内溝の形状について
は特に制限はなく、台形、U字型あるいはV字型であっ
てもよい。また、案内溝の寸法については、記録膜材料
の種類、及び組合わせ等により最適値はそれぞれ異なる
が、平均溝幅(溝深さの1/2の位置の幅)が0.4〜
0.6ミクロン、溝深さが1000〜2000オングス
トロームの範囲が好ましい。本発明のディスクは、記録
後、CDあるいはCD−ROMとして機能する必要があ
るため、CDあるいはCD−ROMの規格(レッドブッ
ク)及び、CD−Rの規格(オレンジブック)に準拠し
ていることが好ましい。
【0029】以下の実施例によって本発明を具体的に説
明する。
【0030】実施例1 深さ1600オングストローム、幅0.4ミクロン、ピ
ッチ1.6ミクロンの案内溝を有する厚さ1.2mm、
外径120mm、内径30mmのポリカーボネート基板
上に、フタロシアニン化合物(a)〜(d)のそれぞれ
5%wtエチルセロソルブ溶液を作成し、スピンコータ
ーを用いて膜厚500オングストロームに成膜した。次
に反射膜として、この色素膜の上に金を800オングス
トロームでスパッタリングにより成膜した。さらに、こ
の上にUV硬化樹脂により保護層を設けて、CD−Rデ
ィスクを作成した。この媒体を780nmの半導体レー
ザーを用いて、線速1.2m/secと4.8m/se
cでEFM信号を記録した。記録信号特性をオレンジブ
ックに従って評価した。次に、フタロシアニン化合物
(a)〜(d)の5%wtエチルセロソルブ溶液の代わ
りに、フタロシアニン化合物(a)〜(d)0.45g
それぞれにビス(O−エチルジチオカルボナト)ニッ
ケル(II)0.05gをエチルセロソルブ10mlに
溶解した溶液を用いて上記同様にディスクを作成した。
この媒体を780nmの半導体レーザーを用いて、線速
1.2m/secと4.8m/secでEFM信号を記
録した。記録信号特性をオレンジブックに従って評価し
た。結果を表1に示した。
【0031】実施例2 実施例1において、ビス(O−エチルジチオカルボナ
ト)ニッケル(II)の代わりにトリス(O−ブチルジ
チオカルボナト)鉄(III)として実施例1と同様に
媒体作成、評価した。結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例3 次に、フタロシアニン化合物(c)について、実施例1
で作成した光ディスクを、耐光性試験機にかけ、5万ル
クス、100時間後取り出し、線速1.2m/secに
ついて記録特性を、試験前後で比較した。結果を表2に
示した。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】記録層にフタロシアニン色素と本発明に
よる金属錯体化合物を含有させることにより、高記録感
度を保持しつつ、記録後の信号特性が安定した高信頼性
を有する光記録媒体の提供が可能となった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−318930(JP,A) 特開 平6−92032(JP,A) 特開 平6−15962(JP,A) 特開 平5−238150(JP,A) 特開 平6−143821(JP,A) 特開 昭58−222451(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26 G11B 7/24 516

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板、記録層、反射層、保護層の4層
    よりなる光記録媒体において、該記録層に一般式(1)
    で示されるフタロシアニン化合物とo−アルキルジチオ
    カルボナトキレート化合物を含有することを特徴とする
    光記録媒体。一般式(1) 【化1】 [式中、X1 〜X4 はそれぞれ独立に、水素原子、置換
    基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいア
    リール基、置換基を有してもよい脂環基、置換基を有し
    てもよいアラルキル基、置換基を有してもよい複素環
    基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
    てもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアル
    キルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基を表
    す。Y1 〜Y4 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
    原子、ニトロ基、置換基を有してもよいフタルイミドメ
    チル基、置換基を有してもよいスルホンアミド基を表
    す。M1は、Si、Ge、Sn、Al、Ga、Inを表
    す。Zは -OP(=O)R1 R2を表し、ここでR1 、
    R2 はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換基を有
    してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
    てもよいアリールオキシ基を表す。n1 〜n4 は置換基
    X1 〜X4 の数を表し、それぞれ独立に1〜4の整数を
    表す。m1 〜m4 は置換基Y1 〜Y4 の数を表し、それ
    ぞれ独立に0〜4の整数を表す。kは置換基Zの数を表
    し、1または2の整数を表す。]
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフタロシアニン化合物と
    o−アルキルジチオカルボナトキレート化合物とからな
    る光記録媒体用組成物。
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