JP5758769B2 - 泥土の連続粒状固化システム - Google Patents

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Description

この発明は、高含水の泥土を連続的に粒状固化するための泥土の連続粒状固化システムに関する。
各種の工事に伴って生じた残土、例えばシールド工事や連続地中壁の構築に際して発生した掘削残土や、基礎工事時の高含水残土、その他、ベントナイト等の廃泥水浚渫工事時の高含水残土や、場所打ち杭の構築に際してのスライム処理残土など、多量の水分を含む残土は、産業廃棄物の中間処理場に搬入され、沈殿、濃縮、固化、乾燥等の工程により処理されることがある。
具体的には、一般に泥土に凝集材などを添加して、沈殿物と上澄み水とに分離し、沈殿物を天日乾燥によって固化処理していたのであるが、天日乾燥では2日〜4日の乾燥時間が掛かる上に、広大な処理場を要する点で問題があり、更に、上澄み水(処理汚濁水)を別途、廃棄処理する必要がある点でも問題があった。
このことから、近年では、泥土の性状と含水率とに応じた量の固化材と、泥土とを、撹拌処理槽に投入して、高含水の泥土を固化処理するようにしている。
しかし、従来の処理技術では、撹拌処理槽内において泥土とセメント等とをバックホーによって撹拌混合していたため、時間当たりの処理量を多くすることができず、処理効率が低く、泥土の改良品質においても問題があった。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、泥土を高品質・高効率に粒状固化することができ、被処理物を、リサイクル品(強度の選定が可能なものや再泥化しないもの等)となるように粒状固化することも可能な泥土の連続粒状固化システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る泥土の連続粒状固化システムは、泥土を連続的に撹拌して搬送するための撹拌搬送装置と、該撹拌搬送装置に泥土を供給するための供給手段と、泥土が前記供給手段により前記撹拌搬送装置に供給される前において予め泥土粉砕し解泥するよう前記供給手段の上流側に設けられた解泥装置と、前記撹拌搬送装置に凝集剤を投入する凝集剤投入手段と、前記撹拌搬送装置に固化材を投入する固化材投入手段とを備え、
さらに、前記解泥装置には、そのホッパー内において泥土を粉砕し解泥するために、上に二つの撹拌羽根と、下に一つの中寄せスクリュとが設けられており、
また、前記供給手段として圧送ポンプを用いる一方、
前記撹拌搬送装置は、泥土の撹拌搬送路となるドラム内部に、移動翼、撹拌翼、切り羽根の組合せからなる撹拌搬送機構を備えており、
また、前記ドラムは、縦断面視が円の上部を水平に切り取った形状を呈し、前記ドラムの内部空間の天井面は平坦状に構成され、
さらに、前記撹拌搬送装置は、自走式の走行車体によって運搬可能なコンテナ内に搭載された状態で用いられるよう構成されているとともに、
前記撹拌搬送装置の上部に、前記供給手段の下流側に繋がる配管が接続される接続口を有する蓋を着脱自在に備え、前記蓋は、装着姿勢を2以上に変更可能であり且つ装着姿勢の変更に伴って前記接続口の向きまたは位置が変更されるように構成されている(請求項1)。
前記供給手段の下流側に配管を介して前記撹拌搬送装置が接続されるとともに、前記供給手段の上流側に配管を介して前記解泥装置が接続されている一方、前記コンテナには開閉可能な扉が複数設けられているのが好ましい(請求項2)。
上記泥土の連続粒状固化システムにおいて、前記蓋の下流側には、第2の蓋、第3の蓋がこの順に設けられ、前記第2の蓋には前記凝集剤投入手段の下流側に繋がる配管によって挿通される開口が、前記第3の蓋には前記固化材投入手段の下流側に繋がる配管によって挿通される開口が、それぞれ設けられているのが好ましい(請求項3)。
本願発明では、泥土を高品質・高効率に粒状固化することができ、泥土を、リサイクル品(強度の選定が可能なものや再泥化しないもの等)となるように粒状固化することも可能な泥土の連続粒状固化システムが得られる。
すなわち、本願の各請求項に係る発明では、泥土を解泥装置から撹拌搬送装置へと送る供給手段として圧送ポンプを用いるので、ベルトコンベアを用いる場合に比べ、処理効率を大幅に上昇させることができる。例えば、ベルトコンベアを用いる場合には処理能力が25〜40m3 /h程度の限られたものとなるが、本願発明では、65〜150m3 /h程度の処理能力を得ることができる。また、従来では、泥土ホッパーに泥土を投入する際に、泥土が泥土ホッパーから溢れないようにする調整も必要であったが、本願発明では、処理効率の上昇に伴い、そのような調整も不要とすることができる。さらに、圧送ポンプにより送られる間の泥土にも解泥作用が加わり、また、圧送される泥土の流量を流量計によって計測し、圧送量の管理等を厳密に行えば、より良質な粒状固化も期待できる。
また、前記ドラムは、縦断面視が円の上部を水平に切り取った形状を呈し、前記ドラムの内部空間の天井面は平坦状に構成されているので、撹拌搬送路の天井面をアーチ状にしてある場合より、撹拌搬送路内を搬送される泥土が跳ね上げられたときに天井面に早くあたることになり、それだけ搬送方向への移動スピードが上がり、処理効率の向上が図られると同時に、粒状固化物の粒径がより小さく揃うように処理することも可能となる。
前記撹拌搬送装置の上部に、前記供給手段の下流側に繋がる配管が接続される接続口を有する蓋を着脱自在に備え、前記蓋は、装着姿勢を2以上に変更可能であり且つ装着姿勢の変更に伴って前記接続口の向きまたは位置が変更されるように構成されているので、撹拌搬送装置と供給手段あるいは解泥装置との配置関係に応じて接続口の向きまたは位置を変更することにより、接続口に対する配管の接続作業を行い易くすることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る泥土の連続粒状固化システムの構成を概略的に示す説明図である。 前記連続粒状固化システムの解泥装置の構成を概略的に示す説明図である。 前記連続粒状固化システムの撹拌搬送装置を搭載するコンテナの構成を概略的に示す正面図である。 前記撹拌搬送装置の構成を概略的に示す正面図である。 前記撹拌搬送装置の構成を概略的に示す部分斜視図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
本実施の形態に係る泥土の連続粒状固化システム(以下、「本システム」と略称する)は、図1に示すように、泥土を連続的に撹拌して搬送するための撹拌搬送装置1と、撹拌搬送装置1に泥土を供給するための供給手段2と、供給手段2の上流側に設けられ、泥土を解泥する解泥装置3と、撹拌搬送装置1に凝集剤を投入する凝集剤投入手段4と、撹拌搬送装置1に固化材を投入する固化材投入手段5と、排出コンベア6とを備えている。
斯かる本システムでは、泥土はまず、バックホーにより解泥装置3のホッパー7に供給される(図2参照)。そして、ホッパー7内において泥土を粉砕し解泥するために、図2に示すように、二つの撹拌羽根8,9と、中寄せスクリュ10とが設けられる。
上記のように解泥装置3により解泥された泥土は、供給手段2により、撹拌搬送装置1に送られる(図1参照)。すなわち、供給手段2は、発電機(150KVA)2aによって駆動する圧送ポンプ2bを備え、この圧送ポンプ2bに、配管2c、2d(何れかに流量計を設置)を介して解泥装置3と撹拌搬送装置1とが接続される。
撹拌搬送装置1は、図4に示す油圧連続ミキサにより構成され、ドラム11内部に、移動翼、撹拌翼、切り羽根の組合せからなる撹拌搬送機構(図示していない)を備え、供給手段2の下流側に繋がる配管2d(図1参照)が接続口12(図4、図5参照)に接続される。そして、接続口12から導入された泥土は、撹拌搬送装置1内を図4の左手側から右手側に移動し、排出口13から導出される。この排出口13の下方には排出コンベア6(図1参照)が配置されるので、泥土を排出口13から連続的に導出することができる。
ここで、泥土は撹拌搬送装置1内を搬送される間に、凝集剤投入手段4及び固化材投入手段5から撹拌搬送装置1内に投入される凝集剤及び固化材と混合される。凝集剤投入手段4は、図1に示すように、凝集剤用貯留部としてのサイロ(30t)4aと、例えばスクリューフィーダー等の供給機4bとを備える。同様に、固化材投入手段5は、固化材用貯留部としてのサイロ(30t)5aと、例えばスクリューフィーダー等の供給機5bとを備える。供給機4b、5bによる撹拌搬送装置1への凝集剤、固化材の供給量はインバーター制御により配管2c、2dの何れかに設置される流量計による計測結果(泥土の圧送量)を反映させた調整が可能であり、その投入量はキャリブレーションによって確認されるようになっている。
泥土が性状的に酸性を示すものの場合は、凝集剤及び固化材としてセメント系や石灰系のものを用いて、中性化を図るのであるが、泥土が中性域の性状を示すものや、ベントナイトやセメント等の混入泥土などのように高アルカリの性状を示すものの場合は、これの中性化を図って、固化処理土(処理物)の例えば埋め戻しに際して、公害問題を惹起しないように、アルカリ残土を仮置きし、1〜4週間の曝気養生をしてpH値の低減を図ってから中和剤(例えば特許第3789745号公報に記載の中和剤)を用いて中和するか、あるいは、曝気養生をせずに凝集剤としての高分子系中性固化材と上記中和剤とを用いて中和することが考えられる。
ところで、凝集剤、固化材の投入に伴って泥土の硬化が始まり、かつ、泥土が短時間で粒状固化されて、その搬送抵抗が大きくなることから、本実施形態では、撹拌搬送装置1に内蔵の撹拌搬送機構を、トルクの大きな油圧の駆動手段14によって駆動させるようにして、泥土の搬送量を調整可能な状態で、この泥土を定量かつ連続的に撹拌搬送できるようにしている。
また、撹拌搬送装置1は、自走式の走行車体によって運搬可能な図3に示すコンテナ16内に搭載された状態で用いられる。そのため、コンテナ16には開閉可能な扉16aが複数設けられ、コンテナ16の外部から内部に配管2dや各投入手段4,5を延ばして接続等することができるように構成されている。
さらに、撹拌搬送装置1のドラム11は、図5に示すように、縦断面視が円の上部を水平に切り取った形状を呈し、上部には着脱自在な平面視略矩形の蓋17を泥土の搬送方向に複数有する(図4参照)。従って、泥土の撹拌搬送路となるドラム11の内部空間の天井面は平坦状となり、ドラム11の縦断面視を真円状にしてある場合より、ドラム11内を搬送される泥土が跳ね上げられたときに天井面に早くあたることになり、それだけ搬送方向への移動スピードが上がり、処理効率の向上が図られると同時に、粒状固化後の泥土の粒径を小さくしつつ、粒径のばらつきも小さくなるように高品質に処理可能となる。
また、図5に示すように、各蓋17には、ドラム11の上部に突出する略Λ状の被係止部18によって挿通される挿通孔19が設けられ、挿通孔19を挿通した状態の各被係止部18に係止片20を差し込むことにより、蓋17が閉じた状態でロックされることになる。尚、図5において、21は鎖、22は把手であり、係止片20は鎖21によってドラム11に接続されている。
そして、最も上流側にある第1の蓋17aには、図5に示すように、接続口12を形成する接続筒23が連設され、接続口12は接続筒23を介してドラム11の内部に連通する。また、図4に示すように、第1の蓋17aの下流側には、第2の蓋17b、第3の蓋17cがこの順に設けられ、第2の蓋17bには凝集剤投入手段4の下流側に繋がる配管4cによって挿通される接続口としての開口が、第3の蓋17cには固化材投入手段5の下流側に繋がる配管5cによって挿通される接続口としての開口が、それぞれ設けられる。
ここで、各蓋17は、矩形状をしており、ドラム11への装着姿勢を2通りに変更可能である。そして、第1の蓋17aの接続筒23は真上を向いておらず、横方に曲がっているので、蓋17aの装着姿勢の変更に伴って接続口12の向きまたは位置を変更することができる。そのため、撹拌搬送装置1と供給手段2あるいは解泥装置3との配置関係に応じて接続口12の向きまたは位置を変更することにより、接続口12に対する配管2dの接続作業を行い易くすることが可能となる。同様の効果を奏功することを狙って、第2の蓋17bに設ける開口、第3の蓋17cに設ける開口を、それぞれ蓋17b、17cの平面視中央から外した位置に設けるようにしてもよい。
尚、図1において、24は本システム全体の制御を司る集中制御盤、25はその発電機(220KVA)である。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
解泥装置3が、解泥を行いながら水を供給して泥土のかたさを調整するように構成されていてもよい。また、撹拌羽根8,9及び中寄せスクリュ10の回転をインバーター制御により変更可能としてあってもよい。
蓋17を平面視正方形状とし、ドラム11への蓋17の装着姿勢を4通りに変更可能としてもよい。
撹拌搬送装置1のみならず、例えば解泥装置をもコンテナ16内に搭載可能としてもよい。
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1 撹拌搬送装置
2 供給手段
2a 発電機
2b 圧送ポンプ
2c 配管
2d 配管
3 解泥装置
4 凝集剤投入手段
4a サイロ
4b 供給機
5 固化材投入手段
5a サイロ
5b 供給機
6 排出コンベア
7 ホッパー
8 撹拌羽根
9 撹拌羽根
10 中寄せスクリュ
11 ドラム
12 接続口
13 排出口
14 駆動手段
16 コンテナ
16a 扉
17 蓋
17a 第1の蓋
17b 第2の蓋
17c 第3の蓋
18 被係止部
19 挿通孔
20 係止片
21 鎖
22 把手
23 接続筒
24 集中制御盤
25 発電機

Claims (3)

  1. 泥土を連続的に撹拌して搬送するための撹拌搬送装置と、該撹拌搬送装置に泥土を供給するための供給手段と、泥土が前記供給手段により前記撹拌搬送装置に供給される前において予め泥土粉砕し解泥するよう前記供給手段の上流側に設けられた解泥装置と、前記撹拌搬送装置に凝集剤を投入する凝集剤投入手段と、前記撹拌搬送装置に固化材を投入する固化材投入手段とを備え、
    さらに、前記解泥装置には、そのホッパー内において泥土を粉砕し解泥するために、上に二つの撹拌羽根と、下に一つの中寄せスクリュとが設けられており、
    また、前記供給手段として圧送ポンプを用いる一方、
    前記撹拌搬送装置は、泥土の撹拌搬送路となるドラム内部に、移動翼、撹拌翼、切り羽根の組合せからなる撹拌搬送機構を備えており、
    また、前記ドラムは、縦断面視が円の上部を水平に切り取った形状を呈し、前記ドラムの内部空間の天井面は平坦状に構成され、
    さらに、前記撹拌搬送装置は、自走式の走行車体によって運搬可能なコンテナ内に搭載された状態で用いられるよう構成されているとともに、
    前記撹拌搬送装置の上部に、前記供給手段の下流側に繋がる配管が接続される接続口を有する蓋を着脱自在に備え、前記蓋は、装着姿勢を2以上に変更可能であり且つ装着姿勢の変更に伴って前記接続口の向きまたは位置が変更されるように構成されている泥土の連続粒状固化システム。
  2. 前記供給手段の下流側に配管を介して前記撹拌搬送装置が接続されるとともに、前記供給手段の上流側に配管を介して前記解泥装置が接続されている一方、前記コンテナには開閉可能な扉が複数設けられている請求項1に記載の泥土の連続粒状固化システム。
  3. 前記蓋の下流側には、第2の蓋、第3の蓋がこの順に設けられ、前記第2の蓋には前記凝集剤投入手段の下流側に繋がる配管によって挿通される開口が、前記第3の蓋には前記固化材投入手段の下流側に繋がる配管によって挿通される開口が、それぞれ設けられている請求項1または2に記載の泥土の連続粒状固化システム。
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