JP2002254096A - 泥土固化処理装置 - Google Patents

泥土固化処理装置

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JP2002254096A
JP2002254096A JP2001054894A JP2001054894A JP2002254096A JP 2002254096 A JP2002254096 A JP 2002254096A JP 2001054894 A JP2001054894 A JP 2001054894A JP 2001054894 A JP2001054894 A JP 2001054894A JP 2002254096 A JP2002254096 A JP 2002254096A
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coagulant
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solidified
muddy
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JP2001054894A
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Yasuo Mori
泰雄 森
Hidetsugu Yamazaki
英嗣 山崎
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含水比の高い泥土を大量に固化処理すること
ができる泥土固化処理装置を提供する。 【解決手段】 泥土と固化材とを掻き上げ翼7a,7b
で上昇、落下させ内部で混合、固化して固化泥土を生成
する回転ドラム10を備えた泥土固化処理装置におい
て、前方へ下方に傾斜した多数の撹拌羽根30cを回転
軸30bに固着した撹拌機30を、泥土と固化材を撹拌
羽根30cで巻き込んで剪断破砕しながら撹拌混合し得
るように複数個並列させて多軸撹拌機31を構成し、こ
の多軸撹拌機31の後端側に泥土投入ホッパ2aを設け
その前方に凝集材投入ホッパ2cを設けるとともに多軸
撹拌機31の前端側を回転ドラム10の後端側に接続し
て、泥土投入ホッパ2aからの泥土を多軸撹拌機31に
より粘り気のない状態で回転ドラム10の後端側から搬
入できるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砂利、砕石等の製
造現場や推進工事、シールド工事、基礎工事、浚渫工事
等の建設工事で発生する泥土を固化材と混合して固化す
る泥土固化処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】砂利、砕石等の製造現場や縦穴掘削機等
による基礎工事、管推進機による推進工事、シールド工
事、浚渫工事等の建設工事で発生する泥土すなわち高含
水比の軟弱な土砂は、産業廃棄物として脱水処理した
後、最終処分場に埋立てて廃棄処理されている。
【0003】この点について、砂利や砕石の製造現場で
発生する泥土を例にして述べると、砂利や砕石を製造す
るには、山から切り出した岩石の破砕片や土砂を振動ス
クリーン等の分級機により分級して土砂粒径を所定の大
きさに揃えた後に水で洗浄するが、このときに多量の泥
水が発生する。この泥水は、洗浄汚泥と称し、そのまま
の状態で廃棄することはできない。そのため、洗浄汚泥
は、通常、シックナー(濃縮槽)に集め、凝集材を混合
して沈殿させる。この濃度の高められた沈殿汚泥は、フ
ィルタープレスに送られ、加圧して脱水される。この脱
水された沈殿汚泥は、脱水ケーキと称し、含水比が約3
0〜35%の微細な土粒子からなる土塊である。脱水ケ
ーキは、再使用して水が加わると、元の性状の汚泥に戻
ってしまうため、産業廃棄物として最終処分場に廃棄処
理されている。
【0004】こうした洗浄汚泥の処理は、フィルタープ
レスの設置のための設備費が高価であるばかりか、フィ
ルター部品の摩耗が速く保守管理費用も高いとともに、
脱水ケーキも、産業廃棄物として再利用することなく廃
棄しなければならないため、著しく非経済的である。以
上、砂利や砕石の製造現場で発生する泥土の処理につい
て述べたが、建設工事で発生する泥土についても、同様
に、脱水処理した後、再利用することなく最終処分場に
廃棄されていて経済的ではない。また、このように泥土
を脱水処理して廃棄するにしても、最近は、産業廃棄物
の最終処分地の立地難がとみに深刻化している。
【0005】こうしたことを背景にして砂利や砕石の製
造現場や建設工事で発生する泥土のリサイクルの必要性
が高まっている。こうした要請から、これまで利用価値
のなかった泥土について、施工業者自らが泥土の発生現
場やその近辺で固化材を混合して改質処理を施すことに
より、これを強度の高い一般建設残土と同等の土砂に改
質して利用価値を創出し、改質処理現場から再利用先へ
と直接搬送して、路盤材、埋め戻し土、宅地造成土、土
手の盛土等の種々の用途に再利用する技術の開発が進め
られている。
【0006】こうした泥土の改質処理に使用可能な装置
として、例えば特開昭64ー43399号公報に記載の
装置を挙げることができる。この装置は、含水比の低い
泥土だけでなく含水比がきわめて高い泥水状の泥土でも
固化処理できる点に優れた特徴がある。この出願の発明
は、この種の従来の装置を改良しようとするものであ
る。そこで、この種の従来の装置を従来の技術にして、
その技術内容を図5及び図6に基づいて説明する。図5
は、従来の技術に係る泥土固化処理装置の縦断面図、図
6は、図5の泥土固化処理装置の V−V 線断面図であ
る。
【0007】これらの図において、1’は泥土をセメン
ト系や石灰系の固化材と混合して固化する泥土固化処理
装置、1aは回転ドラム10の後端側の開口を遮蔽する
ための後部固定板、1bは回転ドラム10の前端側の開
口を遮蔽するための前部固定板、2aは泥土を投入する
ための泥土投入ホッパ、2bは固化材を投入するための
固化材投入ホッパ、3aは泥土投入ホッパ2aに投入さ
れた泥土を回転ドラム10内にその後端側から搬入する
ための泥土搬入用スクリュコンベア、3bは固化材投入
ホッパ2bに投入された固化材を回転ドラム10内にそ
の後端側から搬入するための固化材搬入用スクリュコン
ベア、4は回転ドラム10を回転自在に支持するための
ローラ、5はこのローラ4を軸着して基台6に回転自在
に取付けるためのブラケット、6は泥土固化処理装置
1’を設置するための基台である。なお、本明細書で
は、泥土を投入する側を「後方」とし、固化処理した泥
土を排出する側を「前方」として技術内容を記載する。
【0008】後部固定板1a及び前部固定板1bは、固
定的に設置された円盤状の板体で、回転ドラム10の後
側壁及び前側壁に設けた円孔にその回転を妨げないよう
に嵌入されおり、この円孔の内周面と固定板1a、1b
の外周面との間は、相対回転が行えるようにシールされ
ている。泥土搬入用スクリュコンベア3a及び固化材搬
入用スクリュコンベア3bは、それぞれ泥土投入ホッパ
2a及び固化材投入ホッパ2bと共に基台6で支持され
るようにして回転ドラム10の後端側に設置されてい
る。泥土搬入用スクリュコンベア3aは、前端部を回転
ドラム10後端部の固定板1aを貫通されて回転ドラム
10内に開口させている。固化材搬入用スクリュコンベ
ア3bも、同様、前端部を回転ドラム10後端部の固定
板1aを貫通させて回転ドラム10内に開口させてい
る。
【0009】7aは長尺の矩形板状をなし回転ドラム1
0の内周面後部から前方に長手方向に向けて取付けられ
た後方の掻き上げ翼、7bはその前方に取付けられ後方
の掻き上げ翼7aよりも短い同様の前方の掻き上げ翼、
8は回転ドラム10の内周面の後方の掻き上げ翼7a寄
りに取付けられ前方に向かって下方に傾斜した矩形板状
の搬送翼、9は泥土を固化材で固化して生成された固化
泥土を回転ドラム10の前端側から外部に搬出するため
の、土砂排出口9cを有する固化泥土搬出用スクリュコ
ンベア、9bはこのスクリュコンベア9を回転駆動する
ための回転駆動装置、10は回転駆動することにより泥
土を固化材と混合して固化する回転ドラムであり、回転
ドラム10に設けたギアと原動機と原動機の回転をギア
に伝達するピニオンとからなる図示していない回転駆動
装置により回転駆動されるようになっている。なお、図
5及び図6には、泥土を符号MD、固化材を符号SDで
示している。
【0010】後方の掻き上げ翼7a及び前方の掻き上げ
翼7bは、回転ドラム10の周方向に等間隔で放射状に
多数取付けられている。後方の掻き上げ翼7aは、泥土
搬入用スクリュコンベア3aや固化材搬入用スクリュコ
ンベア3bで回転ドラム10内に搬入された泥土や固化
材を、回転ドラム10の回転に伴って掻き上げるがごと
く上昇させ、回転ドラム10の上半部に上昇させたとき
に自重により落下させる作用をする。回転ドラム10を
回転駆動して泥土や固化材をこの後方の掻き上げ翼7a
で上昇、落下させる動作を繰り返すことにより、泥土を
固化材と混合して固化させることができる。前方の掻き
上げ翼7bは、こうして生成された固化泥土を、後方の
掻き上げ翼7aと同様、掻き上げるがごとく上昇させ、
回転ドラム10の上半部に上昇させたときに自重により
落下させて固化泥土搬出用スクリュコンベア9の土砂取
り込み口9aに送り込む作用をする。搬送翼8は、回転
ドラム10の内周面に前方に向かって下方に傾斜するよ
うにその周方向に等間隔で取付けられているため、後方
の掻き上げ翼7aから落下する泥土や固化材をとらえて
漸次前方に移動させることができる。
【0011】従来の泥土固化処理装置1’は、こうした
構造を備えているので、泥土及び固化材をそれぞれ泥土
投入ホッパ2a及び固化材投入ホッパ2bに投入して、
図示しない回転駆動装置により回転ドラム10を回転駆
動すると、泥土及び固化材がそれぞれ泥土搬入用スクリ
ュコンベア3a及び固化材搬入用スクリュコンベア3b
で回転ドラム10内の後部に搬入される。次いで、こう
して回転ドラム10内に搬入された泥土や固化材は、回
転ドラム10の回転に伴って後方の掻き上げ翼7aの働
きにより上昇、落下し、落下時に回転ドラム10の底面
部や他の泥土の塊と衝突して破砕されるとともに回転ド
ラム10の底面部に飛散する。また、泥土や固化材は、
落下する過程において、前方に下方傾斜した搬送翼8で
とらえられ漸次前方に移動する。
【0012】こうして回転ドラム10内で前方に移動し
ながら飛散した泥土と固化材は、後方の掻き上げ翼7a
でかき集められて合体し、その過程で混合される。泥土
と固化材が以上のような上昇−落下−破砕−飛散−合体
の動作を反復して、細分化されながら離合集散を繰り返
すことにより、泥土は、固化材と漸次混合して固化す
る。こうして生成された固化泥土は、今度は、前方の掻
き上げ翼7bの働きより上昇、落下の動作を繰り返し、
落下時に固化泥土搬出用スクリュコンベア9の土砂取り
込み口9aに逐次取り込まれて行き、固化泥土搬出用ス
クリュコンベア9で搬出されて土砂排出口9cから排出
される。
【0013】この泥土固化処理装置1’は、セメント系
や石灰系の固化材を泥土に混合して泥土の強度を高める
ように改質処理を施すものである。この改質処理は、生
石灰を泥土に添加して混合することにより、生石灰の発
揮する消化吸収反応(水和反応)と発熱反応を利用し
て、泥土中の水分を生石灰中に吸収し熱で蒸発させて泥
土の含水比を低下させる方法である。こうして含水比を
低下させた土砂は、単に脱水処理されるだけではなく、
生石灰中のカルシウムイオンによる土砂の凝集化作用や
ポゾラン反応と、この反応に関与しなかった残余の生石
灰による炭酸化反応とにより、強度が上昇して固化する
とともに、水の浸入するころで再利用しても、再汚泥化
することがないように改質される。以上述べた従来の泥
土固化処理装置1’では、回転ドラム10内の閉じられ
た空間内で泥土と固化材を混合して消化吸収反応を進行
させるようにしていて、消化吸収反応に関与する周辺空
間の温度を高くすることができるため、固化材の消化吸
収反応を促進させることができ、含水比の低い泥土は勿
論のこと、含水比の高い泥土でも、再利用可能に固化処
理することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この従来の泥土固化処
理装置1’は、こうした利点を有する反面、特に含水比
の高い泥土を固化処理する場合に、固化処理することは
できても多大の時間を要するため、含水比の高い泥土を
大量に固化処理するには不向きである。
【0015】この点について言及すると、固化処理する
泥土が含水比の高い場合、回転ドラム10内に搬入され
る泥土は、当初は粘体であって、後方の掻き上げ翼7a
で上昇、落下させても、細かく破砕して分散させること
が困難であるため、泥土への固化材の混合を効率的かつ
均一に行うことはできない。また、固化材の消化吸収反
応に必要な泥土中の水分が固化材に均一に吸収されにく
いため、固化材の消化吸収反応を効果的に進行させるこ
とができない。さらに、回転ドラム10内に搬入される
泥土は、含水比が高く粘り気があり、搬送翼8に対して
付着しようとする力をもたらすため、泥土を搬送翼8の
傾斜により前方へ移動させる作用を円滑に発揮させるこ
とができない。そのため、泥土の搬送効率が良好でな
く、固化泥土を取り出すまでに必要以上の時間を要す
る。
【0016】こうしたことから、従来の泥土固化処理装
置1’では、含水比の高い泥土を固化処理するには多大
の時間を要して泥土を大量処理することができない。特
に、砂利、砕石等の製造現場や建設工事で発生する泥土
は、膨大な量に及ぶため、迅速に大量処理することが必
要であるが、従来の泥土固化処理装置1’では、含水比
の高い泥土を大量処理するという要求に応えることがで
きない。
【0017】本発明は、こうした従来の技術の問題点を
解消してようとするものであって、その技術課題は、含
水比の高い泥土を大量に固化処理することができる泥土
固化処理装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、こうした技術
課題を達成するため、泥土とこの泥土を固化する固化材
を後端側から搬入するとともに固化材により固化した固
化泥土を前端側から搬出し、回転駆動することにより泥
土と固化材とを掻き上げ翼で上昇、落下させて破砕、混
合しながら搬送翼で前端側へ移動して泥土を固化すると
ともに落下させた固化泥土を取り込んで搬出する回転ド
ラムを備えた泥土固化処理装置において、多数の独立し
た撹拌羽根を回転軸に対して傾斜させて固着した撹拌機
を、泥土と凝集材を撹拌羽根で巻き込んで剪断破砕しな
がら撹拌混合し得るように複数個並列させて多軸撹拌機
を構成し、この多軸撹拌機の後端側に泥土投入手段を設
けその前方に凝集材供給手段を設けるとともに多軸撹拌
機の前端側を回転ドラムの後端側に接続して、泥土投入
手段からの泥土を多軸撹拌機により粘り気のない状態で
回転ドラムの後端側から搬入できるように構成した。
【0019】本発明は、このように構成したので、多軸
撹拌機及び回転ドラムを回転駆動して、含水比の高い泥
土及び凝集材をそれぞれ泥土投入手段及び凝集材供給手
段により多軸撹拌機に供給すると、多軸撹拌機は、泥土
を凝集材と共に撹拌羽根に巻き込んで、剪断破砕して細
分化しながら回転ドラムの後端側へ搬送する。このと
き、泥土を剪断破砕により細分化することに加えて、撹
拌羽根による泥土の剪断破砕及び搬送の双方の動作に伴
って泥土を積極的に撹拌するため、凝集材に対する泥土
の触れ合い回数を飛躍的に高めることができて、凝集材
を泥土に均一に混合させることができる。そのため、固
化処理する泥土が含水比の高い場合でも、泥土は、回転
ドラム内に搬入されるときには確実に凝集され、凝集さ
れた無数の土粒子間に自由水を満遍なく抱合して、粘り
気のない状態で回転ドラムに搬入される。
【0020】こうして泥土を回転ドラム内に搬入したと
き、固化材を回転ドラムの後端側から搬入すると、泥土
は、固化材と共に回転ドラムの回転に伴って掻き上げ翼
により上昇、落下し、落下時に回転ドラムの底面部等に
衝突して破砕されるとともに回転ドラムの底面部に飛散
する。その場合、泥土は、確実に凝集されて粘り気のな
い状態にあるため、細かく破砕して分散させることがで
き、泥土への固化材の混合効率を従来より高めることが
できる。また、泥土や固化材は、落下する過程におい
て、前方に下方傾斜した搬送翼でとらえられ前方に移動
する。その場合、泥土は、粘り気のない状態にあって搬
送翼に対して付着しようとする力をもたらさないため、
泥土を搬送翼の傾斜により前方へ円滑に搬送することが
できて泥土の搬送効率を向上させることもできる。
【0021】こうして回転ドラム内で前方に移動しなが
ら飛散した泥土と固化材は、掻き上げ翼でかき集められ
て合体し、その過程で混合される。泥土と固化材が以上
のような上昇−落下−破砕−飛散−合体の動作を反復し
て、細分化されながら離合集散を繰り返すことにより、
固化材は、回転ドラム内の閉じられた保温空間内で泥土
と混合することにより消化吸収反応を進行して泥土を固
化する。その場合、この消化吸収反応に必要な水分は、
凝集された無数の土粒子間に満遍なく均等に抱合されて
いて固化材に均一に吸収させることができるため、固化
材の消化吸収反応を効果的に進行させることができる。
以上の結果、含水比の高い泥土の固化処理時間を従来よ
りも短縮することができて、その分、処理量を増加させ
ることができるため、含水比の高い泥土でも大量に固化
処理することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図4に基づ
いて説明することにより、本発明の実施の形態を明らか
にする。図1は、本発明の具体化例の固化処理装置の全
容を示す縦断面図、図2は、図1の泥土固化処理装置の
I−I 線断面図、図3は、図1の泥土固化処理装置のII
−II線断面図、図4は、図1の泥土固化処理装置の III
−III 断面図である。これらの各図において図5及び図
6と同一符号を付けた部分は、これらの図と同等の部分
を表すので、詳述しない。
【0023】本発明の具体化例の泥土固化処理装置1
は、従来の泥土固化処理装置1’と同様、泥土とこの泥
土を固化する固化材を後端側から搬入するとともに固化
材により固化した固化泥土を前端側から搬出し、回転駆
動することにより泥土と固化材とを後方の掻き上げ翼7
aで上昇、落下させて内部で破砕、混合しながら搬送翼
8で前端側へ移動して泥土を固化するとともに、前方の
掻き上げ翼7bで上昇、落下させた固化泥土を固化材搬
入用スクリュコンベア3bで取り込んで搬出する回転ド
ラム10を備えたものである。この回転ドラム10に
は、後方の掻き上げ翼7aと前方の掻き上げ翼7bが従
来の泥土固化処理装置1’と同様の態様で多数取付けら
れていることに加え、搬送翼8が従来の泥土固化処理装
置1’と同様の態様で多数取付けられているが、その取
付数は従来の技術よりも少ない。
【0024】また、回転ドラム10は、基台6にブラケ
ット5を介して回転自在に取付けられたローラ4により
回転自在に支持されていて、図示していない回転駆動装
置により回転駆動されるようになっており、この点で
も、従来の技術と変わらない。本泥土固化処理装置1が
従来の泥土固化処理装置1’に対し構造上異なる点は、
泥土を回転ドラム10に搬入するための手段として、従
来のように泥土搬入用スクリュコンベア3aを用いる代
わりに、後端側に泥土投入手段2aを設けその前方に凝
集材投入ホッパ2cを設けた多軸撹拌機31を用いた点
にある。
【0025】図1乃至図4に示す泥土固化処理装置1
は、本発明を、砂利や砕石の製造現場で発生する含水比
のきわめて高い泥水状の泥土の処理に適用して具体化し
た例である。これらの図において、2cは後に詳述する
多軸撹拌機31内の泥土と混合する凝集材を投入するた
めの凝集材供給手段としての凝集材投入ホッパ、20は
凝集材投入ホッパ2c内の凝集材を多軸撹拌機31へ導
入するための凝集材導入口、21は凝集材投入ホッパ2
cと凝集材導入口20との間の排出路に設けられた、凝
集材投入ホッパ2c内の凝集材を多軸撹拌機31へ定量
供給するための凝集材切り出し装置である。なお、図1
には、凝集材を符号HDで示している。
【0026】ここに示す例では、凝集材投入ホッパ2c
に固体状の凝集材を投入し、凝集材切り出し装置21を
通じて多軸撹拌機31内に凝集材を供給するようにして
いるが、溶液状の凝集材を多軸撹拌機31内に定量供給
するようにしてもよく、多軸撹拌機31へ凝集材を供給
するための手段は適宜選択することができる。
【0027】凝集材投入ホッパ2cに投入される凝集材
や後述する凝集材投入タンク104aに投入される凝集
材は、泥土中の土粒子を集合させることを容易に行える
ようにするのに役立つ薬剤である。この凝集材は、無機
系凝集材と有機高分子凝集材とに大別することができ
る。このうち無機系凝集材の代表的なものとしては、硫
酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム(硫酸バン
ド)、ポリ塩化第二鉄(PFC)、ポリ塩化アルミニウ
ム(PAC)等の鉄又はアルミニウム化合物を挙げるこ
とができる。この無機系凝集材は、主として、凝集助剤
や凝結助剤として有機高分子凝集材と併用する。
【0028】有機高分子凝集材としては、主として合成
高分子凝集材を使用し、この合成高分子凝集材は、ノニ
オン性、アニオン性、カチオン性のものに分けることが
できる。このうちノニオン性のものは、分子内に解離基
をほとんどもたない水溶性の高分子であり、アミド基、
水酸基、エーテル基等を親水基としてもつ。アニオン性
のものは、水中で負の電荷をもつ水溶性の高分子であ
り、解離基としてカルボキシル基やスルホン基等をも
つ。カチオン性のものは、分子内にアミノ基をもち、そ
のアミノ基の解離によって水中で正の電荷を高分子に与
える。ノニオン性及びアニオン性の合成高分子凝集材
は、通常、高分子量のものほど凝集力が大きい。ノニオ
ン性及びアニオン性の合成高分子凝集材の代表的なもの
としては、ポリアクリルアミド及びその加水分解物を挙
げることができる。カチオン性の合成高分子凝集材の代
表的なものとしては、ポリアミノアルキル(メタ)アク
リレートを挙げることができる。
【0029】凝集材は、含水比の高い泥土に混合する
と、泥土中の土粒子を集合させて、土粒子間の自由水を
集合した土粒子間に包み込むように抱合する。その結
果、土粒子の表面側が湿り気の少ない見掛け上乾燥した
状態になるため、泥土は、粘り気のない状態になる。ま
た、含水比の著しく高い泥水状の泥土に混合すると、泥
水中の泥土中の土粒子が集合し、更には成長して粗大粒
子となるため、その土粒子が沈殿して泥土分と水とに分
離することができる。
【0030】一般に、土粒子は、その外側を包囲する固
定層と、更に外側を包囲して水素イオン濃度の高い拡散
層(対イオン部)とからなる電気二重層をもつ。こうし
た電気二重層をもつた二つの土粒子が接近して双方の拡
散層同士が重なると、重なり合った拡散層のイオン濃度
が上昇し、これを起因として、土粒子が互いに反発し合
って土粒子の集合を阻害する。そのため、多数の各土粒
子は、分散して泥土状をなす。端的にいえば、泥土は、
多数の微細土粒子と土粒子間の自由水からなるが、一般
に土粒子の表面は、マイナス帯電しているため、各土粒
子は、互いに反発し合って安定した分散状態を保ち、そ
の結果、固まらずにドロドロした泥土の状態を保ってい
る。したがって、泥土中の土粒子の集合を容易に行える
ようにてするには、その集合の阻害要因となっている電
気二重層の総電荷の抑制や電気二重層の圧縮(電気二重
層を薄くすること)を行えばよく、こうした電気二重層
の総電荷の抑制や圧縮によって泥土を凝集させることが
できる。
【0031】このうち電気二重層の総電荷の抑制を行う
には、電荷を中和するのが有効であるが、こうした働き
をする凝集材は、アニオン性、カチオン性の合成高分子
凝集材や無機系凝集材の中から選択することができる。
また、電気二重層の圧縮に役立つ凝集材は、無機系凝集
材の中から選択することができる。さらに、凝集機構に
は、以上の凝集機構とは原理の異なる架橋凝縮がある。
この架橋凝縮は、高分子の官能基による土粒子への吸着
架橋(イオン結合、水素結合)により土粒子を集合させ
るものであり、電気二重層の総電荷の抑制や圧縮による
凝集を遥かに凌ぐ凝集力を発揮する。この架橋凝縮を行
わせるための凝集材は、ノニオン性、アニオン性、カチ
オン性の凝集材の中から選択する。以上述べた凝集材
は、泥土固化処理現場の状況や使用目的等に応じて適宜
選択する。
【0032】凝集材切り出し装置21は、凝集材を凝集
材投入ホッパ2cから取り込み凝集材導入口20へ排出
するための出入り口が上下に設けられ円弧状の内周面を
有するケーシング21bと、図示しない駆動装置で回転
駆動されるロータ21cと、このロータ21cに、ケー
シング21bの内周面に密接するように放射状に設けら
れ、ケーシング21bと協働して等容積の多数の空間を
区画し得る多数の切り出し羽根21aとで構成されてい
る。ロータ21cは、その回転数を駆動装置により可変
制御できるように構成されている。
【0033】凝集材切り出し装置21は、こうした構造
を備えているので、ロータ21cを図1の矢印Sの方向
に回転駆動すると、凝集材投入ホッパ2cからケーシン
グ21bの入口に取り込まれた凝集材は、切り出し羽根
21aにより一定量切り出されて、この切り出し羽根2
1aとケーシング21bとで区画された多数の空間に逐
次充填される。次いで、この凝集材は、切り出し羽根2
1aが回転することによりケーシング21bの出口から
排出され、凝集材導入口20を通じて多軸撹拌機31へ
定量供給される。
【0034】この凝集材切り出し装置21は、泥土に対
する凝集材の混合比率を一定に保って、多軸撹拌機31
により適切な性状の泥土を回転ドラム10内に供給でき
るようにするために設けたものである。ロータ21cの
回転数は、可変制御できるため、泥土の性状が変化した
ときでも、その変化に応じてロータ21cの回転数を制
御して凝集材の供給量を調節することにより、泥土への
凝集材の混合比率を適切な値にするように対応すること
もできる。この凝集材の泥土への添加量は、凝集材の種
類や泥土の性状によって若干の差はあるが、通常、泥土
の容積に対して0.1〜0.2%前後とごく微量で足り
る。
【0035】30は前方に向かって下方に傾斜した多数
の独立した撹拌羽根30cを回転軸30bに固着して構
成され複数個併設される撹拌機、30aは撹拌機30の
ケーシング30f内の前端部に設置され各撹拌機30を
駆動する回転駆動装置、30bはこの回転駆動装置30
aにより回転駆動される撹拌機30の回転軸、30cは
この回転軸30bに所定間隔で多数設けられる撹拌羽
根、30dは回転軸30bの前端部側の軸受、30eは
多軸撹拌機31により凝集材を混合させた泥土を排出す
る泥土排出口、30fは基台6及び回転ドラム10の後
部固定板1aに固定され撹拌機30を収容するケーシン
グ、31は撹拌機30を、泥土と凝集材を撹拌羽根30
cで巻き込んで剪断破砕しながら撹拌混合し得るように
ケーシング30f内に複数個並列させて構成した多軸撹
拌機であり、パドルミキサの一種である。
【0036】各撹拌機30の回転軸30bは、回転駆動
装置30aと軸受30dとで支持され、回転駆動装置3
0aにより回転駆動される。この回転駆動装置30a
は、回転数を可変制御できるように構成していて、各撹
拌機30の回転軸30bの回転数を適宜調節できるよう
にしている。軸受30dは、図2に示すようにケーシン
グ30fの前端部の側壁に固定している。多軸撹拌機3
1には、図1に示すように、後端部に泥土投入手段とし
ての泥土投入ホッパ2aを、また、その前方の位置であ
る泥土排出口30eから距離Lを隔てた位置に凝集材投
入ホッパ2cを、それぞれケーシング30fの内部と連
通させるように設けている。
【0037】各撹拌機30の撹拌羽根30cは、つる巻
き状に連続して形成されたスクリュ羽根とは異なりそれ
ぞれが独立して形成されている。撹拌機30は、このよ
うな独立した撹拌羽根30cを回転軸30bに多数固着
して構成される。各撹拌羽根30cは、ここに示す例で
は、図4に示すように二つの扇形体を外周方向に向けて
末広がり状をなすように背中合せに合体させたような形
状を有している。多数の撹拌羽根30cは、図1に示す
ように、何れも前方に向かって下方に傾斜するように設
けられ、互いに平行になるように配列されている。多数
の撹拌羽根30cは、このように前方に向かって下方に
傾斜しているため、ケーシング30f内に取り込まれた
泥土が各撹拌羽根30cを通過する都度、その泥土を漸
次前方に移動させることができる。
【0038】したがって、多軸撹拌機31は、ケーシン
グ30f内の泥土を回転駆動装置30aの回転数に応じ
て定量供給することができ、さらには、建設現場での泥
土の発生量に応じて回転駆動装置30aの回転数を制御
することにより、泥土搬入用スクリュコンベア3aと同
様、回転ドラム10内への泥土の供給量も適宜調節する
ことができる。この泥土固化処理装置1では、このよう
に回転駆動装置30aの回転数を可変制御して泥土の供
給量を調節できるようにしたことと関連して、凝集材を
定量供給するための前述の凝集材切り出し装置21を設
けているため、回転駆動装置30aの回転数に応じて凝
集材切り出し装置21のロータ21bの回転数を制御す
ることにより、泥土の供給量に見合った凝集材を定量供
給して泥土と凝集材の混合比率を適切な値になるように
することができる。
【0039】多軸撹拌機31は、図3及び図4に示すよ
うに、回転軸30bが互いに平行になるように撹拌機3
0を3台ほど並べて構成している。その場合、各撹拌機
30の多数の撹拌羽根30cが隣接する撹拌機30の撹
拌羽根30cの間に入り込むように配置している。すな
わち、各撹拌機30の撹拌羽根30cが隣接するもの同
士で半径方向においてラップするようにするとともに、
各撹拌機30の撹拌羽根30cを隣接する撹拌機30の
撹拌羽根30cと回転軸方向に位相をずらして両者が干
渉しないように配列している。図には、撹拌機30を3
台並べて多軸撹拌機31を構成した例を示しているが、
2台以上所望の台数平行に並べて構成することができ、
その台数は、回転ドラム10の内径や撹拌羽根30cの
大きさ等を考慮しながら設計上適宜選択することができ
る。
【0040】各撹拌機30の回転方向について述べる
と、図4において、例えば隣接する左方の一対の撹拌機
30の撹拌羽根30cは、落下した泥土を挾み込み得る
ように互いに反対方向に同一の回転数で回転させ、その
場合、隣接する右方の一対の撹拌機30の撹拌羽根30
cは、互いに同じ方向に同一の回転数で回転させるよう
にする。これら各一対の撹拌機30は、各撹拌羽根30
cが傾斜するように設けられていて、その回転に伴っ
て、隣接する左右の撹拌羽根30c間の間隔を変化させ
るので、同一方向及び反対方向の何れの方向に回転させ
るときでも、隣接する一対の撹拌羽根30cにより泥土
を巻き込んで剪断破砕することができる。
【0041】各撹拌羽根30cは、こうして泥土を剪断
破砕するときに泥土を撹拌する。また、各撹拌羽根30
cは、前述したように泥土を前方に移動させるが、この
ときにも泥土を撹拌する。すなわち、泥土は、撹拌羽根
30cにより前方に移動させられるときに変形を伴って
移動し、泥土が変形すると、泥土中の土粒子間に相対移
動が生じる。そのため、泥土は、多軸撹拌機31による
搬送時にも、土粒子が絶えず撹拌されることになり、ひ
いては、凝集材と撹拌混合されることとなる。
【0042】このように多軸撹拌機31が積極的な撹拌
機能をもつのに対し、泥土搬入用スクリュコンベア3a
のようなスクリュコンベアは、専ら搬送を目的にしてお
り、泥土を剪断破砕する機能をもたないのは勿論のこ
と、積極的な撹拌機能を備えていない。すなわち、スク
リュコンベアは、泥土を搬送するとき、泥土をスクリュ
羽根やケーシングと接触させながら変形させることなく
前方に平行移動させるため、スクリュ羽根やケーシング
と接触する泥土の部分の土粒子を多少は撹拌するもの
の、積極的な撹拌機能は備えていない。
【0043】本発明に係る泥土固化処理装置1では、泥
土を、このようなスクリュコンベアによることなく、特
に多軸撹拌機31により搬送しながら凝集材を多軸撹拌
機31内に供給するようにしているので、泥土を剪断破
砕して細分化しながら撹拌羽根30cによる泥土の剪断
破砕及び搬送の双方の動作に伴って積極的に撹拌するこ
とができ、これにより、凝集材に対する泥土の触れ合い
回数を飛躍的に高めることができて、凝集材を泥土に均
一に混合させることができる。そのため、固化処理する
泥土が含水比の高い場合でも、泥土は、回転ドラム10
内に搬入されるときには確実に凝集されて、粘り気のな
い状態で回転ドラム10に搬入される。この凝集され泥
土は、凝集により集合した土粒子間に自由水を抱合して
はいるものの、表面は、湿り気のほとんどない見掛け上
乾燥した状態を呈している。
【0044】多軸撹拌機31は、前端部が回転ドラム1
0内に突出するように設置され、その突出個所におい
て、ケーシング30fの上部及び下部を若干の側壁を残
すように切り欠いて、固化材搬入用スクリュコンベア3
bからの固化材を下方に通過させるための開口を設ける
とともに、下部の開口を泥土排出口30eにしている。
こうした固化材を下方に通過させるための開口を設ける
ことにより、回転ドラム10内に搬入された泥土と固化
材を回転ドラム10の回転により後方の掻き上げ翼7a
で上昇、落下させて破砕混合することができるだけでな
く、多軸撹拌機31で捕捉することができる。その結
果、泥土は、各撹拌機30の撹拌羽根30cの間に固化
材と共に巻き込まれて、各撹拌羽根30cの回転により
剪断破砕されて細かく砕かれながら固化材と一層均一に
混ぜ合わされ、多軸撹拌機31によっても破砕混合する
ことができる。
【0045】ここに示す泥土固化処理装置1は、砂利や
砕石の製造現場で発生する含水比の著しく高い泥水状の
泥土を固化処理する装置であるため、以上例示したよう
な基本的な装置に汚泥沈殿槽100を付設している。そ
こで、この汚泥沈殿槽100の技術内容を図1により説
明する。
【0046】図1において、101は砕石製造プラント
106から配管105を通じて送られる沈殿汚泥GDす
なわち泥水状の泥土を溜めるための泥土貯溜装置として
の汚泥投入ホッパ、102はこの汚泥投入ホッパ101
内に沈殿した泥土MDを泥土投入ホッパ2aへ定量供給
するための泥土定量供給機、103は汚泥投入ホッパ1
01内の下半部に設置され汚泥投入ホッパ101内に送
られた沈殿汚泥GDと固液分離用の凝集材とを撹拌混合
する汚泥処理用の撹拌機、104は固液分離用の凝集材
を汚泥投入ホッパ101へ供給するための凝集材供給集
手段、104aは固液分離用の凝集材を投入するための
凝集材投入タンク、104bは凝集材投入タンク104
a内の固液分離用の凝集材を汚泥投入ホッパ101へ供
給するための凝集材供給ポンプである。なお、106
は、岩石の破砕片や土砂を分級し、水で洗浄して砂利や
砕石を製造するための砕石製造プラントである。
【0047】汚泥沈殿槽100は、汚泥投入ホッパ10
1と泥土定量供給機102と汚泥処理用の撹拌機103
と凝集材供給集手段104とこれらを支持するための架
台101bとで構成される。また、凝集材供給集手段1
04は、凝集材投入タンク104aと凝集材供給ポンプ
104bとで構成される。凝集材投入タンク104aに
は、頂部に図示しない凝集材投入口が設けられ、この凝
集材投入口から沈殿汚泥GDの固液を分離するための固
液分離用の凝集材を補給できるようになっている。凝集
材供給ポンプ104bは、この凝集材投入タンク104
a内の液状の凝集材を汚泥投入ホッパ101に所望の量
だけ供給する働きをする。
【0048】泥土定量供給機102は、ここでは従来周
知のチューブポンプ(スクイーズポンプ)を使用してお
り、回転ロータの回転数を変えることにより泥土MDの
吐出量を適宜調節することができる。この泥土定量供給
機102は、吸入側が汚泥投入ホッパ101の底部10
1aに設けた吸い込み口102aに接続され、吐出側が
泥土投入ホッパ2a上に開口する吐出管102bに接続
されている。汚泥処理用の撹拌機103は、汚泥投入ホ
ッパ101に固定された駆動装置103aと軸受103
bとで支持され駆動装置103aにより撹拌羽根103
cが回転駆動される。泥土定量供給機102には、回転
数が調節可能なスクリュコンベアを用いてもよく、要
は、吐出量を調節して泥土MDを供給することができる
装置であればよい。
【0049】砕石製造プラント106には、岩石の破砕
片や土砂の洗浄により発生した洗浄汚泥を沈殿させて濃
縮するための図示しない濃縮槽(シックナー)を設けて
いるが、汚泥投入ホッパ101には、この濃縮槽からの
沈殿汚泥GDが配管105を通じて送り込まれるととも
に、固液分離用の凝集材が凝集材供給ポンプ104bに
より供給される。この凝集材は、例えば、砕石製造プラ
ント106の濃縮槽でプラスイオン系の凝集材が添加さ
れていれば、マイナスイオン系のものを選ぶというよう
に泥土固化処理現場の状況に応じて適宜選択する。
【0050】汚泥投入ホッパ101では、これらの沈殿
汚泥GDと凝集材とを汚泥処理用の撹拌機103で撹拌
混合して沈殿汚泥GDを泥土MDと分離水WDとに固液
分離する。これらの分離物のうちの泥土MDは、汚泥投
入ホッパ101の底部の吸い込み口102aを通じて泥
土定量供給機102に送られ、次いで、吐出管102b
を通じて設定した量だけ泥土定量供給機102により泥
土投入ホッパ2aに投入される。また、分離水WDは、
泥土投入ホッパ2aの上半部に接続した配管107から
砕石製造プラント106に戻されて再使用される。
【0051】この泥土固化処理装置1により砕石製造プ
ラント106の沈殿汚泥GDを固化処理するときには、
沈殿汚泥GDが、水の中に土粒子が懸濁した状態にある
含水比の著しく高い泥水状の泥土であるため、沈殿汚泥
GDの懸濁液から泥土MDを分離するように汚泥沈殿槽
100で前処理する。そのため、砕石製造プラントから
汚泥投入ホッパ101内に沈殿汚泥GDを送るととも
に、凝集材投入タンク104a内の固液分離用の凝集材
を凝集材供給ポンプ104bで汚泥投入ホッパ101内
に所定量供給して、この凝集材と沈殿汚泥GDとを汚泥
処理用の撹拌機103で撹拌混合して沈殿汚泥GD中の
泥土を凝集させる。その結果、沈殿汚泥GDは、泥土M
Dと分離水WDとに固液分離するので、分離水WDを砕
石製造プラント106に戻すとともに、泥土MDを吸い
込み口102aを通じて泥土定量供給機102に送る。
そうすると、泥土定量供給機102は、吐出管102b
を通じて泥土MDを、設定した所定量だけ泥土投入ホッ
パ2aに投入する。
【0052】この泥土MDは、沈殿汚泥GDの懸濁液中
から、分離しやすい分離水WDを除去して生成しただけ
のものであって、依然として含水比の高い泥土である。
凝集材切り出し装置21と多軸撹拌機31と回転ドラム
10を回転駆動して、この泥土投入ホッパ2aに投入さ
れた含水比の高い泥土MDを多軸撹拌機31に供給する
とともに、凝集材投入ホッパ2c内に投入された凝集材
HDを、泥土と凝集材の混合比率を適切な値になるよう
に凝集材を凝集材切り出し装置21により多軸撹拌機3
1に定量供給すると、多軸撹拌機31は、泥土を凝集材
と共に撹拌羽根30cにより巻き込んで、剪断破砕して
細分化しながら回転ドラム10の後端側へ搬送する。こ
のとき、泥土を剪断破砕により細分化することに加え
て、撹拌羽根30cによる泥土の剪断破砕及び搬送の双
方の動作に伴って泥土を積極的に撹拌するため、凝集材
に対する泥土の触れ合い回数を飛躍的に高めることがで
きて凝集材を泥土に均一に混合させることができる。そ
のため、固化処理する泥土が含水比の高い場合でも、泥
土は、回転ドラム10内に搬入されるときには確実に凝
集され、凝集された無数の土粒子間に自由水を満遍なく
抱合して粘り気のない状態で回転ドラム10に搬入され
る。
【0053】こうして泥土を回転ドラム10内に搬入し
たとき、固化材搬入用スクリュコンベア3bを回転駆動
して固化材を回転ドラムの後端側から搬入すると、泥土
は、固化材と共に回転ドラム10の回転に伴って後方の
掻き上げ翼7aにより上昇、落下し、落下時に回転ドラ
ム10の底面部等に衝突して破砕されるとともに回転ド
ラム10の底面部に飛散する。その場合、泥土は、確実
に凝集されて粘り気のない状態にあるため、細かく破砕
して分散させることができ、泥土への固化材の混合効率
を従来より高めることができる。また、泥土や固化材
は、落下する過程において、前方に下方傾斜した搬送翼
8でとらえられ前方に移動する。その場合に、泥土は、
粘り気のない状態にあって搬送翼8に対して付着しよう
とする力をもたらさないため、泥土を搬送翼8の傾斜に
より前方へ円滑に搬送することができて泥土の搬送効率
を向上させることもできる。
【0054】こうして回転ドラム10内で前方に移動し
ながら飛散した泥土と固化材は、後方の掻き上げ翼7a
でかき集められて合体し、その過程で混合される。泥土
と固化材が以上のような上昇−落下−破砕−飛散−合体
の動作を反復して、細分化されながら離合集散を繰り返
すことにより、固化材は、回転ドラム10内の閉じられ
た保温空間内で泥土と混合することにより消化吸収反応
を進行して泥土を固化する。その場合、この消化吸収反
応に必要な水分は、凝集された無数の土粒子間に満遍な
く均等に抱合されていて固化材に均一に吸収させること
ができるため、固化材の消化吸収反応を効果的に進行さ
せることができる。以上の結果、この泥土固化処理装置
1によれば、含水比の高い泥土の固化処理時間を従来よ
りも短縮することができて、その分、処理量を増加させ
ることができるため、含水比の高い泥土でも大量に固化
処理することが可能となる。
【0055】こうして生成された固化泥土は、今度は、
前方の掻き上げ翼7bの働きより上昇、落下の動作を繰
り返し、落下時に固化泥土搬出用スクリュコンベア9の
土砂取り込み口9aに逐次取り込まれて行き、固化泥土
搬出用スクリュコンベア9で搬出されて土砂排出口9c
から排出される。この泥土固化処理装置1では、泥土を
回転ドラム10内に搬入する前の段階で多軸撹拌機31
により予め剪断破砕するようにしているので含水比の高
い泥土に限らず、従来の技術では固化処理できなかった
大塊の土砂も固化材と十分に混合することができて、処
理可能な泥土の性状の範囲を拡大することができる。そ
の場合、当然のことながら、多軸撹拌機31には、凝集
材投入ホッパ2c内の凝集材を供給しない。
【0056】ここでは、泥土固化処理装置1に汚泥沈殿
槽100を付設した例を示したが、汚泥沈殿槽100
は、砂利や砕石の製造現場や泥水式シールド工事等で発
生する含水比の著しく高い泥水状の泥土を固化処理する
ときにだけ付設すればよく、例えば土圧式シールド工事
等で発生する含水比の高い泥土を固化処理するときには
付設する必要がないため、泥土固化処理装置1に汚泥沈
殿槽100を付設することは、設計上の選択事項であ
り、本発明にとって不可欠の要件ではない。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、「課題を解決する手段」の項に示した手段を採用し
ているので、本発明によれば、含水比の高い泥土を大量
に固化処理することができる泥土固化処理装置が得られ
る。また、含水比の高い泥土に限らず、従来の技術では
固化処理できなかった大塊の土砂も固化材と十分に混合
することができて、処理可能な泥土の性状の範囲を拡大
することができる。本発明を具体化する場合に、特に、
特許請求の範囲の請求項2に記載のように具体化すれ
ば、砂利や砕石の製造現場や泥水式シールド工事等で発
生する含水比の著しく高い泥水状の泥土であっても、大
量に固化処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体化例の固化処理装置の全容を示す
縦断面図である。
【図2】図1の泥土固化処理装置の I−I 線断面図であ
る。
【図3】図1の泥土固化処理装置のII−II線断面図であ
る。
【図4】図1の泥土固化処理装置の III−III 断面図で
ある。
【図5】従来の技術に係る泥土固化処理装置の縦断面図
である。
【図6】図5の泥土固化処理装置の V−V 線断面図であ
る。
【符号の説明】
1,1’ 泥土固化処理装置 1a,1b 固定板 2a 泥土投入ホッパ 2b 固化材投入ホッパ 2c 凝集材投入ホッパ 7a,7b 掻き上げ翼 8 搬送翼 9 固化泥土搬出用スクリュコンベア 10 回転ドラム 21 凝集材の切り出し装置 30 撹拌機 30a 回転駆動装置 30b 回転軸 30c 撹拌羽根 30d 軸受 30e 泥土排出口 30f ケーシング 31 多軸撹拌機 100 汚泥沈殿槽 101 汚泥投入ホッパ 102 泥土定量供給機 103 汚泥処理用の撹拌機 104 凝集材供給手段 104a 凝集材投入タンク 104b 凝集材供給ポンプ 106 砕石製造プラント GD 沈殿汚泥 HD 凝集材 MD 泥土 SD 固化材 WD 分離水
フロントページの続き Fターム(参考) 4D059 AA09 BE31 BE55 BE57 BE58 BE59 BE60 BG00 BJ02 BJ07 CB06 CB07 CB09 DA16 DA17 DA23 DA24 DB24 DB25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 泥土とこの泥土を固化する固化材を後端
    側から搬入するとともに固化材により固化した固化泥土
    を前端側から搬出し、回転駆動することにより泥土と固
    化材とを掻き上げ翼で上昇、落下させて破砕、混合しな
    がら搬送翼で前端側へ移動して泥土を固化するとともに
    落下させた固化泥土を取り込んで搬出する回転ドラムを
    備えた泥土固化処理装置において、多数の独立した撹拌
    羽根を回転軸に対して傾斜させて固着した撹拌機を、泥
    土と凝集材を撹拌羽根で巻き込んで剪断破砕しながら撹
    拌混合し得るように複数個並列させて多軸撹拌機を構成
    し、この多軸撹拌機の後端側に泥土投入手段を設けその
    前方に凝集材供給手段を設けるとともに多軸撹拌機の前
    端側を回転ドラムの後端側に接続して、泥土投入手段か
    らの泥土を多軸撹拌機により粘り気のない状態で回転ド
    ラムの後端側から搬入できるように構成したことを特徴
    とする泥土固化処理装置。
  2. 【請求項2】 泥水状の泥土を溜めるための泥土貯溜装
    置と、その泥水状の泥土の固液を分離する固液分離用の
    凝集材を泥土貯溜装置へ供給するための凝集材供給手段
    と、泥土貯溜装置内の泥水状の泥土と固液分離用の凝集
    材とを撹拌するための撹拌機と、撹拌機での撹拌により
    泥土貯溜装置内に沈殿した泥土を泥土投入手段へ定量供
    給するための定量供給機とを付設したことを特徴とする
    請求項1に記載の泥土固化処理装置。
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