JP2005324083A - 汚染土壌処理方法及び汚染土壌処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】アルカリ性を呈するふっ素汚染土を対象として土壌環境基準を満たす水準にまでふっ素を不溶化処理することができる汚染土壌処理方法及び汚染土壌処理システムを提供する。
【解決手段】アルカリ性を呈するふっ素汚染土を酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤と混合装置7で混合処理する工程と、上記ふっ素汚染土を塩化マグネシウムと混合装置7で混合処理する工程とを順不同又は同時に行うことにより、ふっ素を不溶化処理することを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を不溶化処理する汚染土壌処理方法及び汚染土壌処理システムに関するものである。
平成11年2月22日付けで水質汚濁に係る環境基準(昭和46年12月環境庁告示第59号)及び地下水の水質汚濁に係る環境基準(平成9年3月環境庁告示第10号)が改正され、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、ほう素とともに、人の健康保護に関する環境基準の項目にふっ素が追加された。それに伴い、平成13年3月、土壌環境基準にふっ素等が新たに追加された。
ふっ素は、自然由来、工場からの排水等によって土壌中に存在し得るが、降雨等によって土壌中のふっ素が地下水等に侵入すると飲料水に混入される恐れがある。こうした飲料水を摂取することによって過剰なふっ素が人体に取り込まれると、斑状歯や骨格ふっ素中毒症(歩行障害)、ふっ素沈着症などの原因となる恐れもあるため、ふっ素汚染土の処理技術は環境保全の面で非常に重要な技術となってきている。
そこでふっ素汚染土の処理に関し、ふっ素汚染土に鉱酸を加えてpH2〜4の酸性域に調整する第1の工程、この第1の工程で弱酸性域に調整したふっ素汚染土にアルミニウム塩又は鉄塩を添加して混合する第2の工程、その後アルカリを加えてpH3〜10の弱酸性乃至アルカリ性域に調整する第3の工程の少なくとも3つの工程を行うことで、ふっ素汚染土中のふっ素を不溶化させる技術が提唱されている(例えば特許文献1等参照)。
特開2002−326081号公報
ところで、例えば鋳造工程で鋳型や中子を造型するための耐火材料の代表例として砂が挙げられる。この鋳物砂にはこれを粘結する粘結剤や粘結剤を硬化する硬化剤等が必要に応じて混合されるが、例えば硬化剤に酸化マグネシウムが用いられるとその添加割合によっては鋳物砂がアルカリ性を呈する場合がある。
こうした鋳物砂は再び鋳物砂に供される他、一部はセメント原料や埋め戻し土としてリサイクルされる場合がある。この鋳物砂を埋め戻した土壌や、例えばカルシウムを多く含有した土壌等に代表されるアルカリ性を呈する土壌にふっ素が混入されていると、ふっ素は溶出し得る状態で土壌中に存在する他、酸化マグネシウムやカルシウム等の固体表面に吸着された状態で土壌中に存在する場合がある。
このようなふっ素汚染土を対象とした場合、上記従来技術では鉱酸を加えて酸性域にして不溶化処理を行うため、例えば酸化マグネシウムを多く含んだ土壌を例に挙げると、溶出し得る状態にあるふっ素の不溶化反応とは別に酸化マグネシウムと鉱酸との反応が進行する結果、マグネシウムが溶け出して酸化マグネシウムに吸着されていたふっ素が溶け出してしまう。
上記のように、アルカリ性を呈する土壌に従来技術を適用した場合、鉱酸を加えて酸性域で不溶化反応を進行させる際、これに並行してふっ素を吸着していた物質と鉱酸との反応が生じ元々不溶化状態にあったふっ素を一部溶出し得る状態としてしまい、全体として不溶化反応が不安定になる恐れがある。また、元々pHをアルカリ側に傾ける物質を含んだ土壌であるので不溶化処理後の処理土はアルカリ性を呈する状態に戻り、これにより酸性域で不溶化状態にあったふっ素の一部が溶出し得る状態になる恐れもある。したがって、アルカリ性を呈する土壌を対象とした場合、従来技術では土壌環境基準を満たす水準にまでふっ素を不溶化することは困難であった。
本発明は、上記の事柄に基づいてなされたものであり、その目的は、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を対象として土壌環境基準を満たす水準にまでふっ素を不溶化処理することができる汚染土壌処理方法及び汚染土壌処理システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤と混合処理する工程を行うことにより、ふっ素を不溶化処理することを特徴とする。
第2の発明は、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤と混合処理する工程と、前記ふっ素汚染土を塩化マグネシウムと混合処理する工程とを順不同又は同時に行うことにより、ふっ素を不溶化処理することを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記アルカリ性を呈するふっ素汚染土は鋳物砂であることを特徴とする。
第4の発明は、第2又は第3の発明において、前記塩化マグネシウムを溶液の状態で前記ふっ素汚染土に混合することを特徴とする。
第5の発明は、第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、前記酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤を粉末の状態で前記ふっ素汚染土に混合することを特徴とする。
第6の発明は、第1乃至第5の発明のいずれかにおいて、不溶化処理後の処理土からのふっ素の溶出量を処理現場内で測定し、測定結果を基準値と比較して再度不溶化処理を行う必要があるかどうかを判断する工程をさらに有することを特徴とする。
第7の発明は、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を受け入れて酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤と混合処理する混合手段を有することを特徴とする。
第8の発明は、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を受け入れて酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤と混合処理する混合手段と、前記ふっ素汚染土を受け入れて塩化マグネシウムと混合処理する混合手段とを有することを特徴とする。
第9の発明は、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を受け入れて、酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤、及び塩化マグネシウムと混合処理する混合手段を有することを特徴とする。
第10の発明は、第7乃至第9の発明のいずれかにおいて、前記ふっ素汚染土を受け入れる受入手段と、この受入手段により受け入れたふっ素汚染土を前記混合手段に搬送する搬送手段と、酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤、若しくは塩化マグネシウムを前記ふっ素汚染土に供給する添加剤供給手段と、前記混合手段から排出された処理土を搬送し機外に排出する排出手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、混合した酸化マグネシウムの固体表面に吸着させることで汚染土中に溶出し得る状態で存在するふっ素を不溶化することができる。このとき、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を酸性化せず、酸化マグネシウムを混合することによってアルカリ域でふっ素を不溶化するので、ふっ素を吸着していた物質を変化させることがなく元々不溶化状態で汚染土中に存在していたふっ素が溶出し得る常態に変化することを防止することができる。また、アルカリ域でふっ素を不溶化するので、処理土がアルカリ域に戻る際、不溶化したふっ素が再び溶出し得る状態に戻ることもない。したがって、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を対象として土壌環境基準を満たす水準にまでふっ素を不溶化処理することができる。
また、酸化マグネシウムに加えて塩化マグネシウムを混合することにより、酸化マグネシウムと塩化マグネシウムが反応してマグネシアセメントとなる際、酸化マグネシウムの固体表面に吸着されたふっ素をセメント構造物の内部に取り込ませることができ、ふっ素の不溶化反応をより安定化することができる。
以下、本発明の汚染土壌の処理方法及び処理システムの実施形態について説明する。
ここでは、本発明の基本概念と実施例についてまず説明する。
本発明が処理対象とする汚染土は、アルカリ性を呈するふっ素汚染土、特にpH10を超えるようなふっ素汚染土である。その代表例としては、例えば硬化剤として酸化マグネシウムが添加された鋳物砂や改良材としてカルシウム分が添加された改質土等が挙げられ、こうした土にふっ素が混入してしまった場合等が処理対象となり得る。しかしこれらの場合に限られず、自然由来又は他の要因により酸化マグネシウムやカルシウム分またはその他の物質を含有することによってアルカリ性を呈するふっ素汚染土も、本発明が処理対象とするふっ素汚染土に含まれる。
本発明の汚染土壌処理方法は、上記のようなアルカリ性を呈するふっ素汚染土を酸化マグネシウム(MgO)又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤と混合処理する工程を有する。そして、土壌環境基準値(公定法により土壌から作成した検液中のふっ素溶出量が0.8mg/l以下)を満たす水準にふっ素を不溶化処理する上ではこの1工程で十分な効果を奏するものである。混合する酸化マグネシウム又はこれを主成分とする添加剤は、場合によっては溶液の状態で混合することも可能であるが、基本的には粉末の状態で混合するものとする。なお、以下の説明において、便宜上、酸化マグネシウムを主成分とする添加剤も含めて単に酸化マグネシウムと記載する。なお、添加する酸化マグネシウムは粒径1mm以下、さらには10μm以下の粉末が好ましい。また、酸化マグネシウムには低温で焼いた軽質のものと高温で焼いた重質のものがあるが、重質のものの方が軽質のものに比べて好ましい。
また、酸化マグネシウムを混合する上記工程に加え、処理対象のふっ素汚染土を塩化マグネシウム(Mg(Cl))と混合処理する工程を行うことにより、ふっ素の不溶化反応をより一層安定化させる。この工程で添加する塩化マグネシウムは、粉末の状態でも良いし溶液の状態でも良い。また、塩化マグネシウムを混合する工程は、酸化マグネシウムを混合する工程の前段で行っても後段で行っても構わず、また酸化マグネシウムの混合工程と同時に行っても良い。即ちふっ素汚染土に対し、酸化マグネシウムを混合した後に塩化マグネシウムを混合しても良いし、塩化マグネシウムを混合してから酸化マグネシウムを混合しても良いし、さらには酸化マグネシウムと塩化マグネシウムとを一緒に混合しても良い。なお、前述した通り、ふっ素を土壌環境基準値の水準に不溶化処理する上では汚染土に酸化マグネシウムを混合する工程のみで足りるので、塩化マグネシウムを混合する工程が必要ない場合もある。
また以上の工程に加え、本発明の汚染土壌処理方法において更に好ましくは、不溶化処理後の処理土からのふっ素の溶出量を処理現場内で測定し、測定結果を基準値と比較して再度不溶化処理を行う必要があるかどうかを判断する工程を行う。本発明の汚染土壌処理方法は酸化マグネシウムや塩化マグネシウムを混合するものであるため、例えばアルミニウム塩や鉄塩等を添加する従来のふっ素の不溶化技術と異なり、処理土から作成した検液を蒸留することなくふっ素イオン濃度が測定可能である。通常、検液の蒸留は不溶化処理現場では行えないため、従来は現場から検液を持ち出さなければふっ素の溶出量を測定することができなかったが、本発明では検液の蒸留が不要であるため処理土から作成した検液を対象として、例えばイオン電極を用いた測定器を用いれば容易にそのふっ素イオン濃度を測定することができる。したがって、処理土のふっ素溶出量を現場で(オンサイトで)分析することが可能であり、処理土を埋め戻し土等として再利用に供することができるのか、それとも再度不溶化処理を要するのかということを現場で迅速に判断することができるものである。
本願発明者等は、実際に現場から採取したアルカリ性を呈するふっ素汚染土を対象として本発明の汚染土壌処理方法を模擬してふっ素の不溶化実験を行った。実験条件は以下の通りである。
i)処理対象土壌
ふっ素溶出量(初期値):約2.3[mg/l]
水素イオン濃度指数:約pH10
ii)処理対象土壌に対する添加剤の添加率(重量比)
酸化マグネシウム:粉末で5[%]
塩化マグネシウム:溶液で10[%](粉末で0〜2.5[%])
iii)使用した混合機
パン型ミキサ(容量約3リットル)
iv)混合時間
20秒
v)測定方法
処理後1週間風乾した処理土につき、環境庁告示第46号「土壌の汚染に係る環境基準について」に準拠してイオン電極法(JIS K0102)により検液中のふっ素溶出量を測定。
上記条件で行った処理土からのふっ素溶出量の測定結果を図1の表にまとめた。
図1の表から分かるように、本発明の汚染土壌処理方法によりふっ素を不溶化した処理土についてふっ素溶出量の測定を行った結果、各条件において土壌環境基準値(0.8mg/l)を軒並み大きく下回る結果が得られ、十分に土壌環境基準をクリアできることが確認された。
続いて、本発明の汚染土壌の処理方法及び処理システムの一実施形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。
図2は、本発明の汚染土壌処理方法の一実施形態が行われる一連の処理工程を表すフローチャートである。
図2に示すように、本実施形態では、まず始めのステップ110の工程として処理現場内の土壌を調査しておき、処理対象となるアルカリ性のふっ素汚染土を特定する。
続くステップ120の工程では、特定した処理対象土壌についてふっ素の溶出量を測定する。この測定方法は特別に限定されるものではないが、例えば公定法に基づいて作成した検液中のふっ素の濃度を測定する。
ステップ130の工程に移り、処理対象土壌におけるふっ素の溶出量が(土壌環境基準値(=0.8mg/l)を超えているかどうかを判定する。このステップ130において、処理対象土壌のふっ素溶出量が基準値以下であって、そもそもふっ素を不溶化処理する必要がないようであれば、不溶化処理工程には移行せずに埋め戻しの工程(ステップ180)に移り、処理対象土壌を所望の箇所に埋め戻して再利用に供し図2の工程を終了する。
一方、ステップ130において処理対象土壌のふっ素溶出量が基準値を超えており、ふっ素を不溶化処理する必要があるようであれば不溶化処理工程(ステップ140)に工程を移し処理対象土壌を不溶化処理する。この不溶化処理については、前述したように、少なくとも酸化マグネシウムを処理対象土壌に添加、混合する工程を行う。また、酸化マグネシウムを混合する工程に加え、必要に応じて塩化マグネシウムを処理対象土壌に添加、混合する工程を行っても良い。前にも述べたように、これら酸化マグネシウムを混合する工程と塩化マグネシウムを混合する工程の順序は特には問わず、同時に行っても構わない。但し、酸化マグネシウムと塩化マグネシウムとを混合する場合、それらの汚染土に対する混合性を考慮すれば、図3のフローチャートにステップ140の詳細を示したように、まずステップ141として酸化マグネシウムを粉末の状態で汚染土に混合した後、さらにステップ142として塩化マグネシウムを溶液の状態で汚染土に混合すると効果的である。ステップ140で用いる汚染土壌処理システムについては、その一例を後に幾つか説明する。
ステップ140の工程を終えたら、ステップ150に工程を移し、不溶化処理した処理対象土壌、すなわち処理土を不溶化処理現場内の所定の場所で養生する。養生の方法は特に問わず、例えば自然乾燥によるもので足りる。処理土を所定期間(例えば1日程度)養生したら、ステップ160に工程を移し、処理土におけるふっ素の溶出量を測定する。この測定方法も特に限定されるものではないが、前述したステップ120の工程と同様、例えば公定法に基づいて作成した検液中のふっ素の含有量(濃度)を測定する。なお、この際に用いる測定装置については、その一例を後で説明する。
次にステップ170の工程に移り、処理土からのふっ素の溶出量が土壌環境基準値を超えているかどうかを判定する。このステップ170において、処理土のふっ素溶出量が基準値を超えており、処理土をさらに不溶化処理する必要があるようであればステップ140に工程を戻して再び不溶化処理を行う。一方、処理土のふっ素溶出量が基準値以下であって、ふっ素が十分に不溶化されているようであれば、ステップ180に工程を移して所定の埋め戻し場所に処理土を埋め戻し、処理土を再利用して図2に示した一連の工程を終了する。
図4は、先に触れたステップ160で用いるふっ素溶出量の測定装置の一例を示す概略図である。
図4において、300はふっ素の溶出量を測定する測定装置で、この測定装置300は、例えば電位差計又はイオン濃度計であり、容器301内の公定法に基づいて作成された所定容積の検液302に浸漬されたイオン電極303及び比較電極304に接続されている。イオン電極303には測定対象となるふっ素イオン(F)に応答する感応膜(図示せず)があり、この感応膜部が検液302中のふっ素イオンと接すると、そのイオン活量に応じた膜電位が生じる。このイオン電極303と比較電極304との間の電位差を測定装置300で測定することによって、検液302中のふっ素イオン濃度が測定され、検液302中に溶出している単位体積当たりのふっ素の量(ふっ素イオン濃度)を知ることができる。305は検液302の水温を測定する温度計、306は検液302を攪拌する攪拌器である。
なお、一例として図4にイオン電極法による測定装置を示したが、例えば吸光光度法による測定方法も適用可能である。また、これら測定方法は、ステップ160に限らず、勿論、ステップ120の工程にも適用可能である。また、現場(オンサイト)分析の結果は公定法の結果と比較することにより定期的にチェックを行い信頼性を確保する。
図5は本発明の汚染土壌処理方法におけるステップ140の不溶化処理工程に用いる汚染土壌処理システムの一実施形態の要部を抽出して表したブロック図、図6はその全体構造を表す側面図である。
図5及び図6に示すように、本システムは、例えば油圧ショベルにより掘削されたふっ素汚染土に酸化マグネシウムを添加して混合し汚染土中のふっ素を不溶化処理する一次不溶化処理装置1Aと、この一次不溶化処理装置1Aで不溶化処理された処理土に塩化マグネシウムを添加して混合し処理土中のふっ素の不溶化状態をさらに安定化させる二次不溶化処理装置1Bとを備えている。これら一次不溶化処理装置1A及び二次不溶化処理装置1Bは、ベースフレーム2A,2Bにより支持されている。
なお、二次不溶化処理装置1Bにおいて篩装置3(後述)が省略されている点を除き、一次不溶化処理装置1Aと二次不溶化処理装置1Bの構成はほぼ同様であり、互いに同様の部分には同符号を付してある。また、図6では二次不溶化処理装置1Bに粉末状の添加剤を供給する添加剤供給装置39(後述)を備えた構成を図示したが、二次不溶化処理装置1Bにおいて、塩化マグネシウムを溶液の状態で添加混合する場合は添加剤供給装置39は不要である。
以下に、一次不溶化処理装置1A及び二次不溶化処理装置1Bの構成について説明する。
一次不溶化処理装置1Aは、図6に示すように篩装置3、ホッパ4、搬送コンベア5、添加剤供給装置6(後述の図8参照)、混合装置7、添加剤供給装置39、排出コンベア8、動力装置9、及び各機器を支持する本体フレーム10で概略構成されている(各機器の詳細は順次後述する)。それに対し、二次不溶化処理装置1Bは篩装置3が省略されているが、篩装置3を設ける構成としても構わない。一次不溶化処理装置1A及び二次不溶化処理装置1Bの各本体フレーム10は、それぞれベースフレーム2A,2B上に、例えばボルト等により締結(溶接でも構わない)されている。
図7は、上記篩装置3及びホッパ4近傍の詳細構造を表す側面図である。
篩装置3は、例えば油圧ショベル等により掘削された処理対象土壌(アルカリ性のふっ素汚染土)を受け入れ、解砕しつつその粒度に応じて分級(選別)する解砕分級手段の役割を果たすものである。11はこの篩装置3の本体を構成する枠体で、この枠体11は、上記本体フレーム10上に支持ポスト12を介して設けられた支持部材13にばね14を介して弾性的に支持されている。15はこの枠体11内に装着された格子部材、16はこの格子部材15の振動軸(図示せず)を内部に挿通した回転ドラムで、この回転ドラム16は、図示しない駆動装置により回転駆動する。この構成により、先の図示しない振動軸が回転し篩装置3が加振され、投入されたふっ素汚染土に含まれる大塊等は、格子部材15のエッジ効果により解砕されるようになっている。このとき、枠体11は前方側(図7中左側)が後方側(図7中右側)よりも低くなるように配設されているため、投入土に含まれる格子部材15の目より大きな石等の異物が格子部材15上を前方側へと移動し機外(この場合図7中左側)に排出されるとともに、格子部材15の目より小さな成分が選別されて下方のホッパ4へと導入されるようになっている。17は篩装置3上部に設けたいわゆるあおりである。
ホッパ4は、ふっ素汚染土を受け入れる受入手段として設けた枠状の部材で、その下端部が搬送コンベア5の傾斜角に応じて傾斜するように、上端部が支持部材13に固定されている。また、このホッパ4は、一次不溶化処理装置1Aにおいては篩装置3を通過したふっ素汚染土、二次不溶化処理装置1Bにおいては一次不溶化処理装置1Aからの処理土をそれぞれ確実に受け入れるため、上方拡開形状となっている。ホッパ4の上部開口部の寸法は、その長手方向、幅方向ともに篩装置3の枠体11よりも大きく、また、下端の幅は、搬送コンベア5の搬送ベルト24(後述の図8参照)の幅よりも小さくなっている。これにより、ふっ素汚染土や処理土は、ホッパ4から漏洩することなく搬送コンベア5上に導かれる。なおこの図7には図示されていないが、一次不溶化処理装置1Aおいては、ふっ素汚染土と酸化マグネシウムとの馴染みを良くし後の処理を行い易くするためにホッパ4内のふっ素汚染土に加水する加水管路32aa(図5参照)が設けてある。
18はホッパ4内に設けたアーチブレーカで、このアーチブレーカ18は、ホッパ4の長手方向(図7中左右方向)に貫通しており、ホッパ4に対し両端が軸受(図示せず)を介して回転自在に支持された回転軸19と、この回転軸19に対し軸線方向と直交する方向に所定角度傾斜した状態で所定のピッチで設けられた複数の攪拌棒20とで構成されている。21はアーチブレーカ18の駆動装置で、この駆動装置21は、回転軸19の端部(図7中右端)に直結している。この構成により、アーチブレーカ18は、この駆動装置21により回転駆動され、ホッパ4に導入されたふっ素汚染土を攪拌棒20によって攪拌し、ホッパ4内の下部における架橋発生を防止するとともに土塊の解砕を促進するようになっている。
図5及び図6に戻り、上記の搬送コンベア5は、ホッパ4により受け入れたふっ素汚染土や処理土を混合装置7に搬送する搬送手段の役割を果たすものであり、本体フレーム10の前方側(図6中左側)端部に搭載されている。また、この搬送コンベア5は、ホッパ4の下方から下流側(図6中右側)に向かって僅かに上り傾斜(好ましくはほぼ水平)に延在している。
図8は、この搬送コンベア5の下流側近傍の詳細構造を表す図である。この図8において、22はこの搬送コンベア5のコンベアフレーム、23はこのコンベアフレーム22の下流側(図8中右側)端部に支持された駆動輪で、この駆動輪23と、コンベアフレーム22の上流側(図8中左端)端部に支持された従動輪(図示せず)との間に搬送ベルト24が巻回されている。この構成により、搬送コンベア5は駆動輪23を図示しない駆動装置で回転駆動させ搬送ベルト24を循環駆動させる。このとき、図8に示すように、ホッパ4の下流側壁面には、所定開口面積の開口4aが設けられており、搬送コンベア5により搬送されるふっ素汚染土又は処理土は、この開口4aを介してホッパ4外へ一定量ずつ切り出され、混合装置7へと導かれるようになっている。また、特に図示していないが、ふっ素汚染土又は処理土のスリップ防止のためには、搬送ベルト24の搬送面にいわゆるラグを突設することが好ましい。25はホッパ4外に切り出されたふっ素汚染土又は処理土が搬送コンベア5からこぼれ落ちないようにする規制板である。
前述した添加剤供給装置6は液体の状態の添加剤を供給するものであり、供給管27(詳細は後述)を備えている。この供給管27は搬送コンベア5の規制板25及び混合装置7の入口35に掛け渡したフレーム26に支持されている。
ここで、先の図6において、28は供給管27に液体の添加剤を供給するポンプユニットであり、このポンプユニット28は、貯留タンク29a,29bと、これら貯留タンク29a,29b内に貯留した添加剤をそれぞれ吐出するポンプ30a,30b(図5参照)と、制御盤(図示せず)と、これらを搭載したベースフレーム31とで構成されている。貯留タンク29a,29bには、それぞれ水、添加剤(塩化マグネシウムの溶液)が貯留されている。図5に示したように、貯留タンク29a内の水は一次不溶化処理装置1Aに、貯留タンク29b内の塩化マグネシウム溶液は二次不溶化処理装置1Bにそれぞれ上記供給管27を介して供給される。一次不溶化処理装置1A、二次不溶化処理装置1Bに備えられた各供給管27は、それぞれ貯留タンク29a,29bに接続しており、その接続管路32a,32b(図5参照)には、それぞれ開閉弁33a,33b(図5参照)が設けられている。
なお、上記ポンプユニット28は、便宜上、図6においては一次不溶化処理装置1Aの前方側(図6中左側)に図示したが、実際には、この位置には油圧ショベル等のふっ素汚染土の投入手段が配置される場合があるので、本システムの側方(例えば図6中の紙面直交方向奥側又は手前側等)に配置すると良い。また、本実施形態において、このポンプユニット28を別途設置する構成としたが、ポンプユニット28が小型のもので足りる場合、一次不溶化処理装置1Aや二次不溶化処理装置1Bに適宜組み付ける構成としても良い。
図9(a)及び図9(b)は、供給管27の構造を表す図である。まず、図9(a)に示すように、供給管27は、両端が閉止したパイプを「コ」の字状にしたもので、上記接続管32cが接続する中央部27aと、この中央部27aの両側を曲成して形成した端部27bとを有しており、中央部27a及び端部27bの内側にはそれぞれ多数の孔34が設けられている。端部27b,27bの間隔(つまり中央部27aの長さ)は、混合装置7の入口35(図8参照)の幅寸法にほぼ等しく、中央部27aの孔34が搬送コンベア5に対向し、かつ入口35の略直上に位置するように、上記フレーム26(図8参照)に例えば溶接等により取付けられている。
これにより、添加剤供給装置6は、ポンプユニット28から圧送される水、塩化マグネシウム溶液をそれぞれ一次不溶化処理装置1A及び二次不溶化処理装置1Bに設けた供給管27の孔34を介して流出し、搬送コンベア5の下流側端部から放出されたふっ素汚染土又は処理土に対し3方向から供給するようになっている。
なお、供給管27は、図9(b)に示すように直線状のものとしても構わず、この場合、その孔34が搬送コンベア5に対向するように(つまり搬送コンベア5から放出されるふっ素汚染土又は処理土に対向するように)フレーム26に取付ければ良い。
図5、図6、図8等に図示してあるように、添加剤供給装置39は、添加剤(酸化マグネシウム、場合によっては塩化マグネシウム)を粉末の状態でふっ素汚染土又は処理土に添加供給するものである。なお、二次不溶化処理装置1Bにおいて、添加剤供給装置39は、塩化マグネシウムを溶液の状態でのみ供給する場合には使用せず、あくまで粉末の状態で添加する場合に用いる。逆に、塩化マグネシウムを粉末の状態でのみ供給するときには、貯留タンク29b内に塩化マグネシウム溶液を貯留しない、若しくは二次不溶化処理装置1Bに対しポンプユニット28からの塩化マグネシウム溶液を供給しないようにする。
添加剤供給装置39の構成を説明すると、この添加剤供給装置39は、添加剤を貯留する貯留タンク40と、この貯留タンク40内の添加剤を下方に導出するフィーダ41とで構成されている。
貯留タンク40は、有底筒形の下部タンク部42と、その上部に連接した蛇腹状の上部タンク部43と、この上部タンク部43の上部カバー44とで構成されている。このように上部タンク部43を蛇腹状に構成することにより、貯留タンク40を縮められるようになっており、例えば輸送時等に、全高が輸送制限をクリアする高さまで低くなるよう配慮されている。
上記フィーダ41は、いわゆるロータリフィーダで、繁雑防止のため特に図示しないが、回転軸に複数の隔壁を放射状に突設したロータを内蔵しており、貯留タンク40から各隔壁間の空間に導入された固化材を、搬送コンベア5上のふっ素汚染土に順次添加するようになっている。但し、本実施形態においては、このフィーダ41をロータリフィーダとしたが、これに限らずスクリューフィーダとしても良い。
図5及び図6において、混合装置7は、上記本体フレーム10の長手方向(図6中左右方向)ほぼ中央上に取付けられ、その一方側(図6中左側)上部にふっ素汚染土(又は処理土)及び添加剤の入口35(図8参照)を、他方側(図6中右側)下部に処理土の出口(図示せず)を備えている。繁雑防止のため特に図示しないが、この混合装置7は、攪拌手段として内部に略平行に設けた複数のパドルミキサ(図示せず、単数でも可)を備えており、このパドルミキサにより、入口35を介して導入されたふっ素汚染土(又は処理土)及び添加剤を均一に攪拌し混合処理しつつ出口側に移送し、混合処理後の処理土を出口から導出する。36はパドルミキサを駆動する駆動装置である。
排出コンベア8は、混合装置7から排出された処理土を搬送し機外に排出する排出手段であり、混合装置7の図示しない出口の下方から他方側(図6中右側)に向かって所定距離略水平に延在した後、混合装置7の駆動装置36下方辺りから上り傾斜に延在している。37は排出コンベア8のフレームで、このコンベアフレーム37は、図示しない支持部材により動力装置9や本体フレーム10等から支持されている。
動力装置9は、特に図示しないが、以上説明してきた各機器の駆動装置の動力源としてのエンジン、このエンジンにより駆動する油圧ポンプ、この油圧ポンプから各機器の駆動装置に供給される圧油を制御する複数のコントロールバルブ等を内蔵したもので、本体フレーム10の長手方向他方側(図6中右側)端部に支持部材38を介して支持されている。
次に、以上の構成の汚染土壌処理システムを用いた不溶化処理工程について説明する。
まず、本実施形態の汚染土壌処理機械において、例えば油圧ショベル等で掘削したふっ素汚染土を、一次不溶化処理装置1Aの篩装置3(図7参照)に投入すると、大きな石やレキ等が格子部材15(図7参照)で除去され、格子部材15を通過したふっ素汚染土成分がホッパ4へと導入される。この分級により、ふっ素汚染土の粒度分布の均一化が図られ添加剤と混合し易い大きさとされる。また格子部材15が振動することにより、格子部材15の目より大きな土塊は跳ね上げられ、格子部材15上に再び落下する。こうした動作を繰り返すことにより、その際の衝撃や格子部材15の網(またはブレードでも良い)のエッジ効果により土塊が解砕され、格子15の目よりも小さくなったものがホッパ4へ導入される。こうしてホッパ4に受け入れられたふっ素汚染土には、ふっ素汚染土と後の酸化マグネシウムとの馴染みが良くなるよう、加水管路32aaにより貯留タンク29a中の水が散水され、アーチブレーカ18により均一に攪拌されて比較的大きな土塊が解砕される。
搬送コンベア5上に載置されたホッパ4内のふっ素汚染土は、開口4a(図8参照)を介してホッパ4外に一定量ずつ切り出される。ふっ素汚染土は、ホッパ4外に切り出される際にもアーチブレーカ18により攪拌され、比較的大きな土塊が残っていたとしても、その土塊がここで解砕される。搬送コンベア5により搬送され混合装置7に導入されるふっ素汚染土には、添加剤供給装置6、39によってそれぞれ水、粉末状の酸化マグネシウムが供給される。混合装置7へ導入されたふっ素汚染土は、ともに導入された水、酸化マグネシウムとともに混合装置7内で均一に攪拌混合される。この混合装置7によって混合処理された処理土は、排出コンベア8上に導出され、二次不溶化処理装置1Bに向かって搬送される。
一次不溶化処理装置1Aから供給された処理土は、二次不溶化処理装置1Bのホッパ4に受け入れられ、アーチブレーカ18によって攪拌されて更に酸化マグネシウムと馴染んだ状態となり、搬送コンベア5上に載置される。二次不溶化処理装置1Bにおいて、搬送コンベア5上に載置された処理土は、後方側へと搬送されホッパ4外に切り出される。そして、搬送コンベア5の搬送方向下流側端部近傍にて添加剤供給装置6によって供給された貯留タンク29b内の塩化マグネシウム溶液とともに、搬送コンベア5上の処理土が混合装置7に導入される。混合装置7に導入された処理土は、塩化マグネシウム溶液とともに均一に攪拌混合され、最終的に排出コンベア8によって機外に排出される。処理土は、その後図2のステップ150の工程に供される。
ここで、酸化マグネシウム(MgO)をふっ素汚染土に混合する工程では、
MgO(固体)+F→MgO・・・F
と模式的に表されるように、ふっ素汚染土中に不溶化し得る状態で存在していたふっ素イオンが添加した酸化マグネシウムの固体表面に吸着され、不溶化状態となる。なお、上式中の記号「・・・」は吸着された状態を模式的に表したものである。
また、塩化マグネシウム(MgCl)を混合する工程では、
3MgO(固体)+MgCl+nHO→3MgO・MgCl・nH
で表されるように、酸化マグネシウムが塩化マグネシウムと反応してマグネシアセメントが生成される。この際、酸化マグネシウムの固体表面に吸着されたふっ素がマグネシアセメントのセメント構造物内に取り込まれるため、ふっ素がより安定的に不溶化状態となる。また、マグネシアセメントの生成に伴い、処理土がある程度固化され、所定の養生期間が経過すれば、そのあと特に強度改良を施さなくても、そのまま埋め戻し土として供することができる状態となる(埋め戻し土としてのハンドリング性を確保することができる)。
続いて、以上の本実施形態により得られる作用効果を説明する。
例えば、酸化マグネシウムやカルシウム分等を多く含んでアルカリ性を呈するふっ素汚染土を対象とした場合、従来のように硫酸(HSO)や塩酸(HCl)等の鉱酸を加えて酸性域にして不溶化処理を行うと次のような現象が生じる。
例えば酸化マグネシウムを多く含んだ土壌を例に挙げると、溶出し得る状態にあるふっ素の不溶化反応とは別に、元々一部のふっ素をその固体表面に吸着していた酸化マグネシウムと鉱酸との反応が下式のように進行し、マグネシウムイオン(Mg2+)が溶け出す。
MgO(固体)+HSO→Mg2++SO 2−+H
MgO(固体)+2HCl→Mg2++2Cl+H
このようにマグネシウムが溶け出す結果、酸化マグネシウムの固体表面に吸着されていたふっ素が一部放出され溶け出してしまう(溶出し得る様態となってしまう)。
このように、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を従来の方法で不溶化処理する場合、鉱酸を加えて酸性域で不溶化反応を進行させる際、これに並行してふっ素を吸着していた物質と鉱酸との反応が生じ元々不溶化状態にあったふっ素を一部溶出し得る状態としてしまい、全体として不溶化反応が不安定になる恐れがある。また、元々pHをアルカリ側に傾ける物質を含んだ土壌であるので、不溶化処理後の処理土はアルカリ性に戻り、これにより不溶化状態にあったふっ素の一部が溶出し得る状態になる恐れもある。したがって、アルカリ性のふっ素汚染土を対象とした場合、従来技術では土壌環境基準を満たす水準にまでふっ素を不溶化することは困難であった。
それに対し、本実施形態によれば、前述したように混合した酸化マグネシウムの固体表面に吸着させることで汚染土中に溶出し得る状態で存在するふっ素を不溶化することができる。このとき、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を酸性化せず、酸化マグネシウムを混合することによってアルカリ域でふっ素を不溶化するので、ふっ素を吸着していた物質を変化させることがなく、元々不溶化の状態で汚染土中に存在していたふっ素が溶出し得る常態に変化することを防止することができる。また、アルカリ域でふっ素を不溶化するので、処理土がアルカリ域に戻る過程で、不溶化したふっ素が再び溶出し得る状態に戻ることもない。したがって、アルカリ性を呈するふっ素汚染土を対象として土壌環境基準を満たす水準にまでふっ素を不溶化処理することができる。
また、汚染土のpHをアルカリ性に維持したままで不溶化処理を行うので、土壌中に存在する鉱物類を溶解させないこともふっ素の確実な不溶化に貢献する。すなわち、土壌中の鉱物類には例えば炭酸マグネシウム(MgCO)等が存在し得るが、これは酸化マグネシウムと炭酸ガス(CO)との反応、若しくは水酸化マグネシウム(Mg(OH))と炭酸ガスとの反応により生成される。この炭酸マグネシウムに鉱酸が加わると、容易に脱炭酸ガスの反応が生じ溶解してしまう。これにより酸化マグネシウムの固体表面に吸着されていたふっ素が放出される可能性もあるが、本実施形態においてはこのようなことも生じない。
また、酸化マグネシウムに加えて塩化マグネシウムを混合することにより、酸化マグネシウムと塩化マグネシウムが反応してマグネシアセメントとなる際、酸化マグネシウムの固体表面に吸着されたふっ素をセメント構造物の内部に取り込ませることができ、ふっ素の不溶化反応をより安定化することができる。
さらに、本実施形態によれば、以上の基本的な作用効果の他にも以下の各作用効果が得られる。
(1)処理の迅速化
本実施形態は、ふっ素汚染土に酸化マグネシウムや塩化マグネシウムを混合するものであるため、例えばアルミニウム塩や鉄塩等を添加する従来のふっ素の不溶化技術と異なり、処理土から抽出した検液を蒸留することなくふっ素イオン濃度が測定可能である。従来方法においては、処理土中にふっ素イオン濃度を測定する妨害イオンが含まれてしまうために検液を蒸留しなければならなかった。通常、検液の蒸留は不溶化処理現場では行えず、したがって、従来は現場から検液を持ち出さなければふっ素の溶出量を測定することができなかった。
それに対し、本実施形態では検液の蒸留が不要であるため処理土から作成した検液を対象として、例えばイオン電極を用いた測定器を用いれば容易にそのふっ素イオン濃度を測定することができる。したがって、処理土のふっ素溶出量をオンサイト分析することが可能となり、処理土を埋め戻し土等として再利用に供することができるのか、それとも再度不溶化処理を要するのかということを現場で容易に判断できるので、逸早く埋め戻し工程に移行することができ、処理を迅速化することができる。
また、酸化マグネシウムを混合する工程と塩化マグネシウムを混合する工程の2工程のみで(場合によっては酸化マグネシウムを混合する工程のみで)ふっ素を確実に不溶化することができるので、その場で高速かつ大量に処理することができる。
さらに、塩化マグネシウムを混合する場合、酸化マグネシウムと塩化マグネシウムが反応してマグネシアセメントが生成されるが、このマグネシアセメントの硬化反応は、一般的な酸化カルシウム系のセメント(例えば、ポルトラントセメント、高炉セメントB種等)の硬化反応に比べて進行速度が速い。これにより、一般的な酸化カルシウム系のセメントを使用して処理土を固化する場合の1/5〜1/2程度に養生期間を短縮することができる。よって、養生後の処理土は即時的に埋め戻しに供することができ、処理迅速化に貢献する。
(2)安全性の向上
従来のふっ素の不溶化技術においては、pH調整してふっ素の不溶化反応を促進するために鉱酸及びアルカリを加えている。本実施形態においては、このようなpH調整のために環境に対して危険性が高い鉱酸やアルカリを添加する必要がない。また、酸化マグネシウムは食品添加物や肥料等として、塩化マグネシウムは食品添加物や凍結防止剤等としてそれぞれ一般に使用される安全性の高いものである。よって、安全にふっ素汚染土を不溶化処理することができ、環境に対する負荷を軽減することができる。
(3)混合性の確保
新たに土壌環境基準に項目追加されたふっ素の不溶化状態を評価するための検液は、公定法によれば、対象土壌を風乾し、造粒して粒度選別したものの中から採取された50gの試料を、溶媒とともに所定の方法によって混合して得た試料液から作成することとされている。実際の作業現場では、tonオーダーの処理対象土壌(ふっ素汚染土)を処理するものであるにも関わらず、このように検液作成に供される試料は、そのうちの僅か50gである。したがって、処理土全体としては十分に土壌環境基準がクリアされているはずであっても、添加剤や固化材のふっ素汚染土に対する混合状態が不均一である場合、試料に供された50gの処理土に限って土壌環境基準が満たされないというケースも起こり得る。したがって、ふっ素汚染土と添加剤等との混合状態は出来得る限り均一であることが望ましい。
それに対し、本実施形態においては、内部に攪拌手段としてパドルミキサを備えた混合装置7を用いている。このいわゆるミキシング方式の混合装置は、本体内に回転軸周りに攪拌翼(パドル)を多数植設したパドルミキサを有しており、このパドルミキサを回転させることにより、本体内に取り込んだ混合処理対象物を、攪拌し土塊を解砕しつつ十分に混練するよう動作する。またパドルミキサには土砂移送機能があるため、処理土の出口を開口したまま運転すれば、受け入れた土を混合処理しつつ排出する連続処理も可能であるが、出口を閉じてバッチ処理を行えば、更に十分かつ確実に対象物を均一に攪拌混合することもできる。したがって、本実施形態によれば、混合装置7を用いることにより、ふっ素汚染土を、添加剤や固化材とともに十分なレベルに均一かつ木目細かく攪拌混合することができる。したがって、所要量の添加剤及び固化材をふっ素汚染土に供給しさえすれば、確実に土壌環境基準値をクリアすることができる。
(4)システムのコンパクト化
本実施形態においては、少なくとも酸化マグネシウムを混合する工程のみを行えばふっ素を十分に不溶化することができるので、少なくとも一次不溶化処理装置1A(又は二次不溶化処理装置1B)があれば、さらに言うと1台の混合装置7さえあれば汚染土壌処理システムとして成立する。塩化マグネシウムを合わせて混合するにしても、酸化マグネシウムと一緒に混合すれば1台の混合装置7があれば足りるし、2工程に分けても混合装置7を2台用意すればシステムとして最低限の用をなす。よって、ふっ素汚染土の処理システムを極めてコンパクトに構成することができる。
(5)システム運搬性の向上
またシステムがコンパクトに構成できるので、システムの搬入・搬出が容易となり、また組立・分解等といった作業も大きく軽減されるため、過密な施工スケジュールであっても稼動時間を極力長く確保することができる。また、現場自体が比較的狭く建設作業と並行して埋め戻し作業を行わざるを得ない場合でも、不溶化処理装置1A,1Bは、例えばクレーンやトレーラ等により容易に搬送することができ、適宜設置位置を変更することができる。勿論、混合装置7単体であればなおのことである。本実施形態においては、このようにシステムをコンパクトに構成することができるので、ふっ素汚染土を作業現場内で迅速に処理することができる。
(6)その他
不溶化処理工程においては、ふっ素汚染土のこぼれや飛散を防止しなければならない。仮に、例えば混合装置やこれに対し汚染土や処理土を供給したり排出したりするコンベア等、単に必要な装置を適宜配置してシステムを構築しただけでは、例えば、ふっ素汚染土を混合装置に搬送するとき等に、ふっ素汚染土のこぼれが生じ得る箇所が多く存在する。それに対し、図6に示したシステムにおいては、一連の装置がユニット化されているため、稼動中、各装置間でふっ素汚染土がこぼれる確率が低く、また、コンパクトであるため、ふっ素汚染土の搬送径路をカバーすることも容易であり、処理中のふっ素汚染土の飛散防止策を講じやすい。
更に、システムを搬入・搬出する場合等、単に必要な装置を適宜配置するシステムでは、各装置をそれぞれ別々にトレーラ等に対して積み降ろさなければならない。そのため、現場間輸送の際、輸送中の各装置にふっ素汚染土が残存していると、各装置の積み下ろしの際、次の現場にふっ素汚染土が飛散する可能性が高くなる。それに対し、本実施形態においては、一次不溶化処理装置1A、二次不溶化処理装置1B等といった各ユニット単位でトレーラに対して積み降ろすことができるので、ふっ素汚染土が別の現場に飛散する可能性を低くすることができる。同一作業現場内でシステムの設置位置を移動させる場合も同様である。
また、本実施形態の汚染土壌処理システムは、コンパクトで作業現場内での移動も容易なため、ふっ素汚染土の掘削箇所の移動が移動すればそれに応じて設置位置を容易に移動させられる。ふっ素汚染土の掘削箇所にシステムを移動させれば、掘削箇所から処理システムまでふっ素汚染土を運搬する手間が省け、作業効率が向上するとともに汚染土を処理システムに運搬する際のふっ素汚染土の飛散を防止することもできる。
更に、システムがコンパクトなため広い設置スペースを要せず、比較的狭い作業現場でも作業スペースを有効に利用することができるので、例えば稼働中の工場内の土壌のふっ素濃度が基準値を超えていることが判明し、工場を稼動停止させずにふっ素汚染土を不溶化処理するような場合でも、最小限のスペースを有効に活用して工場の生産活動を極力妨げずに処理することができる。
図10は、本発明の汚染土壌処理方法に用いる汚染土壌処理システムの他の例の全体構造を表す側面図である。なお、繁雑防止のため、この図10において、上記ポンプユニット28は図示省略している。
図10において、100は掘削したふっ素汚染土を投入するふっ素汚染土供給手段としての油圧ショベル、200は受け入れたふっ素汚染土に酸化マグネシウムを混合処理する一次不溶化処理機械、300は塩化マグネシウムを混合処理する二次不溶化処理機械で、これら油圧ショベル100、一次不溶化処理機械200、二次不溶化処理機械300はいずれも自走機能を有している。
油圧ショベル100は、無限軌道履帯101を備えた走行装置102と、この走行装置102の上部に旋回可能に設けた旋回体103と、この旋回体103に回動自在に接続された多関節型のフロント装置(=旋回体103に基端部が枢支されたブーム104、このブーム104に回動自在に接続されたアーム105、及びこのアーム105に回動自在に接続されたバケット106により構成されている)とを備えている。このような構成により、油圧ショベル100は、汚染されたふっ素汚染土をバケット106内にすくい込み、一次不溶化処理機械200に供給するようになっている。
一次不溶化処理機械200及び二次不溶化処理機械300は、主要な構成はそれぞれ前述の一次不溶化処理装置1A及び二次不溶化処理装置1B(ともに図6参照)と同様であり、図10において、それぞれ先の一次不溶化処理装置1A、二次不溶化処理装置1Bと同様の部分には同符号を付し説明を省略する。一次不溶化処理機械200及び二次不溶化処理機械300は、概略するとそれぞれ上記一次不溶化処理装置1A及び二次不溶化処理装置1Bの本体フレーム10下部に、走行装置45を備えたものである。
走行装置45は、本体フレーム10の下部に連設したトラックフレーム46と、このトラックフレーム46の両端に設けた従動輪(アイドラ)47及び駆動輪48と、これら従動輪47及び駆動輪48に掛け回した無限軌道履帯49と、駆動輪48に直結した駆動装置50とで構成されている。これにより、一次不溶化処理機械200及び不溶化処理機械300は、それぞれ上記一次不溶化処理装置1A及び二次不溶化処理装置1Bと同様の機能を有すると共に、自力走行を可能としている。
上記構成の本システムにおいては、まず油圧ショベル100により汚染されたふっ素汚染土を掘削し、一次不溶化処理機械200の篩装置3に投入する。篩装置3に投入されたふっ素汚染土は、ホッパ4に導かれ、上記加水管路32aa(図5参照)により加水されつつアーチブレーカ18(図7参照)により攪拌され、搬送コンベア5を介し添加剤供給装置39からの酸化マグネシウムとともに混合装置7に導入される。そして、ふっ素汚染土及び酸化マグネシウムは混合装置7内で均一に混合され、排出コンベア8を介して二次不溶化処理機械300に供給される。
二次不溶化処理機械300に工程が移ると、ホッパ4に受け入れられた処理土は、搬送コンベア5により搬送され、添加剤供給装置6からの塩化マグネシウム溶液とともに混合装置7に導入される。混合装置7内に導入された処理土はパドルミキサによって塩化マグネシウム溶液とともに均一に攪拌混合され、排出コンベア8上に排出される。そして、排出コンベア8上の処理土は、最終的に機外に排出され、例えば所定の集積位置に集積され、所定期間養生される。
本実施形態においても、先に図6に示したシステムと同様の効果を得る。また、特に本実施形態においては、油圧ショベル100、一次不溶化処理機械200、二次不溶化処理機械300がそれぞれ走行可能であるため、それぞれトレーラ等の輸送手段への積み下ろしや現場内での移動が自力で行え、作業現場への搬入・搬出や現場内での移動をより容易かつ迅速に行うことができる。したがって、ふっ素汚染土を作業現場内でより迅速に処理することができるとともに、スペースを有効活用でき、システムのレイアウトの自由度も向上させられる。
なお、本実施形態において、一次不溶化処理機械200にふっ素汚染土を供給する手段として、油圧ショベル100を用いたが、例えばベルトコンベアやスクリューコンベア等としても構わない。この場合、ホッパ等の貯留手段を備え、所定量のふっ素汚染土を貯留し、このふっ素汚染土を連続的に搬送することができる構成とするとより好ましい。
図11は、本発明の汚染土壌処理方法に用いる汚染土壌処理システムの更に他の例の全体構造を表す側面図である。この図11において、繁雑防止のため上記ポンプユニット28は図示省略すると共に、先の図10と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図11において、250は処理土供給装置で、この処理土供給装置250は、一次不溶化処理機械200から処理土を受け入れ一時貯留する貯留容器としてのホッパ251と、このホッパ251内の処理土を二次不溶化処理機械300に供給する供給手段としてのコンベア252とを有している。上記ホッパ251は、上記ホッパ4とほぼ同様の構成で、アーチブレーカ253を備えている。254はコンベア252を支持する支持部材で、本実施形態においては、この処理土供給装置250は定置式の設備であるが、この支持部材254に代えてコンベア252の下部を車体(走行装置)で支持した公知の自走式コンベアにアーチブレーカ253付きのホッパ251を備えたものとしても良い。本実施形態は、この処理土供給装置250を一次不溶化処理機械200及び二次不溶化処理機械300の間に新たに配置した点以外は、図10に示した汚染土壌処理システムと同様である。
本実施形態においても、図6や図10に示したシステムと同様の効果を得ると共に、処理土供給装置250の追加により、一次不溶化処理機械200からの処理土を更に攪拌し、ふっ素汚染土と添加剤とを更に均一に攪拌混合することができるので、不溶化反応を更に促すことができる。また、これに加えて、第1の工程でふっ素を不溶化処理された処理土を、一旦ホッパ251に貯留することにより滞留時間を確保することで、反応を促進又は確保してから二次不溶化処理機械300に供給することができるので、処理を更に確実に行うことができる。
なお、本実施形態において、上記コンベア252はベルトコンベアとしたが、スクリューコンベア等で構成しても構わない。また、処理土供給装置251をホッパ251付きのコンベア装置としなくても、単なる貯留容器(例えばホッパ251を単独で設置しても良い)を一次不溶化処理機械200及び二次不溶化処理機械300の間に設け、二次不溶化処理機械300への処理土の供給手段として、油圧ショベル100(同一のものでも別途用意したものでも構わない)を配置しても良い。
また、本実施形態において、処理土供給装置250は、ホッパ251にアーチブレーカ253を備えるものとしたが、滞留時間を確保する限りにおいては、ホッパ251には必ずしもアーチブレーカ253は必要ない。また、このように滞留時間を確保する場合、以上の各実施形態において、混合装置7の作動状態を調整することにより、滞留時間を確保することも考えられる。例えば、単に混合装置7のパドルミキサの駆動速度を適度に下げることも考えられるし、パドルミキサを適宜正転・逆転させ、適宜処理土を逆送りすることにより、混合装置7内で滞留時間を確保することもできる。更に、パドルミキサに多数設けられたパドルのうち、適当数のものを、処理土が逆送りされるよう傾斜させて取付けたり、混合装置7の出口付近に堰を設けたり、或いは出口開口面積を小さくしたりする等、混合装置7の構成を適宜変更しても良い。また、処理量が比較的少ない現場にあっては、前述したように、連続処理を行わずバッチ式で処理しても良い。これらの場合も同様の効果を得る。
なお、図6、図10、図11に示した各システムにおいて、一次不溶化処理装置1A(又は一次不溶化処理機械200)で酸化マグネシウムを、二次不溶化処理装置1B(又は二次不溶化処理機械300)で塩化マグネシウムをふっ素汚染土に混合したが、前述したように本発明では酸化マグネシウムの混合工程と塩化マグネシウムの混合工程を順不同で行うことができるので、工程の順番を逆にしても良い。つまり、一次不溶化処理装置1A(又は一次不溶化処理機械200)で塩化マグネシウムを、二次不溶化処理装置1B(又は二次不溶化処理機械300)で酸化マグネシウムをふっ素汚染土に混合しても良いし、一次不溶化処理装置1A(又は一次不溶化処理機械200)と二次不溶化処理装置1B(又は二次不溶化処理機械300)との配置を逆にしても良い。
また、酸化マグネシウムの混合工程と塩化マグネシウムの混合工程は同時に行っても良いので、一次不溶化処理装置1A(又は一次不溶化処理機械200)と二次不溶化処理装置1B(又は二次不溶化処理機械300)のうちのいずれかを省略しても良い。この場合には、塩化マグネシウムの混合工程を省略しても良いし、塩化マグネシウムを酸化マグネシウムと一緒に混合しても良い。例えば、塩化マグネシウムを溶液の状態で混合する場合には、一次不溶化処理装置1A(又は一次不溶化処理機械200)若しくは二次不溶化処理装置1B(又は二次不溶化処理機械300)のいずれかにおいて、酸化マグネシウムを添加剤供給装置39により、塩化マグネシウム溶液を添加剤供給装置6により、それぞれ供給すれば足りる。また、塩化マグネシウムを粉末の状態で供給する場合でも、例えば添加剤供給装置39を増設し、増設した添加剤供給装置39により塩化マグネシウムを供給することが考えられるし、貯留タンク40に酸化マグネシウムと塩化マグネシウムを所定割合で混合したものを貯留しておいて同一の添加剤供給装置39で酸化マグネシウムとともに塩化マグネシウムを供給することも考えられる。
また、以上において、酸化マグネシウム及び塩化マグネシウムの混合処理をいずれもパドルミキサを有する混合装置7を用いて行ったが、混合装置の構成や種類には特に限定はなく、必ずしも混合装置7を用いずとも例えばスクリュミキサ等といった他のタイプの混合装置を用いても良いし、スタビライザ等の混合手段も適用可能である。さらには、混合方式も機械による混合に限らず、攪拌混合の均一性さえ確保できれば人手による混合処理でも構わない。
更に、以上において、前述の走行装置45,102は、無限軌道履帯49,101を備えたいわゆるクローラ式のものとしたが、これに限られる必要はなく、いわゆるホイール式の走行装置としても良い。また、一次不溶化処理機械200、二次不溶化処理機械300の走行装置45は省略しても良い。また、一次不溶化処理装置1A、一次不溶化処理機械200等は、篩装置3やあおり17を備えるものとしたが必ずしも必要なく、逆に二次不溶化処理装置1B、二次不溶化処理機械300等に篩装置3やあおり17を設けても良い。これらの場合も同様の効果を得る。
本発明の汚染土壌処理方法によるふっ素不溶化の効果を確認した実施例の測定結果をまとめた表である。 本発明の汚染土壌処理方法の一実施形態が行われる一連の処理工程を表すフローチャートである。 本発明の汚染土壌処理方法の一実施形態の処理工程を表すフローチャートである。 本発明の汚染土壌処理方法に用いるふっ素の溶出量の測定装置の一例を示す概略図である。 本発明の汚染土壌処理方法の一実施形態に用いる汚染土壌処理システムの一連の処理工程を表すブロック図である。 本発明の汚染土壌処理方法に用いる汚染土壌処理システムの一例の全体構造を表す側面図である。 本発明の汚染土壌処理方法に用いる汚染土壌処理システムの一例に備えられた篩装置及びホッパ近傍の詳細構造を表す側面図である。 本発明の汚染土壌処理方法に用いる汚染土壌処理システムの一例に備えられた搬送コンベアの下流側近傍の詳細構造を表す図である。 本発明の汚染土壌処理方法に用いる汚染土壌処理システムの一例に備えられた供給管の構造を表す図である。 本発明の汚染土壌処理方法に用いる汚染土壌処理システムの他の例の全体構造を表す側面図である。 本発明の汚染土壌処理方法に用いる汚染土壌処理システムの更に他の例の全体構造を表す側面図である。
符号の説明
4 ホッパ
5 搬送コンベア
6 添加剤供給装置
7 混合装置
8 排出コンベア
39 添加剤供給装置
300 測定装置

Claims (10)

  1. アルカリ性を呈するふっ素汚染土を酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤と混合処理する工程を行うことにより、ふっ素を不溶化処理することを特徴とする汚染土壌処理方法。
  2. アルカリ性を呈するふっ素汚染土を酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤と混合処理する工程と、
    前記ふっ素汚染土を塩化マグネシウムと混合処理する工程と
    を順不同又は同時に行うことにより、ふっ素を不溶化処理することを特徴とする汚染土壌処理方法。
  3. 前記アルカリ性を呈するふっ素汚染土は鋳物砂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染土壌処理方法。
  4. 前記塩化マグネシウムを溶液の状態で前記ふっ素汚染土に混合することを特徴とする請求項2又は3に記載の汚染土壌処理方法。
  5. 前記酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤を粉末の状態で前記ふっ素汚染土に混合することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の汚染土壌処理方法。
  6. 不溶化処理後の処理土からのふっ素の溶出量を処理現場内で測定し、測定結果を基準値と比較して再度不溶化処理を行う必要があるかどうかを判断する工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の汚染土壌処理方法。
  7. アルカリ性を呈するふっ素汚染土を受け入れて酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤と混合処理する混合手段を有することを特徴とする汚染土壌処理システム。
  8. アルカリ性を呈するふっ素汚染土を受け入れて酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤と混合処理する混合手段と、
    前記ふっ素汚染土を受け入れて塩化マグネシウムと混合処理する混合手段と
    を有することを特徴とする汚染土壌処理システム。
  9. アルカリ性を呈するふっ素汚染土を受け入れて、酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤、及び塩化マグネシウムと混合処理する混合手段を有することを特徴とする汚染土壌処理システム。
  10. 前記ふっ素汚染土を受け入れる受入手段と、
    この受入手段により受け入れたふっ素汚染土を前記混合手段に搬送する搬送手段と、
    酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする添加剤、若しくは塩化マグネシウムを前記ふっ素汚染土に供給する添加剤供給手段と、
    前記混合手段から排出された処理土を搬送し機外に排出する排出手段と
    を備えたことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の汚染土壌処理システム。
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