JP3343523B2 - 自走式土質改良機械 - Google Patents

自走式土質改良機械

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JP3343523B2
JP3343523B2 JP02716199A JP2716199A JP3343523B2 JP 3343523 B2 JP3343523 B2 JP 3343523B2 JP 02716199 A JP02716199 A JP 02716199A JP 2716199 A JP2716199 A JP 2716199A JP 3343523 B2 JP3343523 B2 JP 3343523B2
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Accessories For Mixers (AREA)
  • Mixers Of The Rotary Stirring Type (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟弱な地盤を改良
して地盤強化を行うため等に用いられ、土砂の品質を所
定の目的に適うように改良する機械に関し、特に走行手
段を備え、適宜走行しながら土質改良を行う自走式土質
改良機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ガス管等の埋設、上下水道工事
やその他の道路工事、基礎工事等においは、掘削による
発生土をそのまま埋め戻すのが望ましいが、発生土が埋
め戻しに適さないこともある。この場合には、発生土を
搬出して新たに良質の土を搬入して掘削箇所を埋めるよ
うにしなければならない。発生土が埋め戻しに適さない
劣悪なものでもそのまま廃棄するのではなく再利用可能
な資源に変換することが要求される。このために、掘削
土に石灰やセメント等を主成分とする土質改良材を混合
して固化させる土質改良を行って、掘削箇所の埋め戻し
用等として好適に用いられる良質な土に変換する方式が
従来から種々提案されている。
【0003】土砂と土質改良材の混合方式の代表的なも
のとして、攪拌手段を用いたミキシング方式と、回転打
撃子を備えた解砕方式とが従来から知られている。この
うち、ミキシング方式は、タンク内に攪拌手段を設け
て、このタンク内に土砂と土質改良材とを投入して、攪
拌手段で均一に攪拌・混合するものである。攪拌手段は
タンク内を攪拌・混合する機能だけを発揮するようにし
たバッチ式処理を行うものと、スクリュー式の攪拌手段
を設けて、土砂と土質改良材とを攪拌・混合しながら所
定の方向に移送するようになし、土砂及び土質改良材を
連続的に供給して、生成された改良土を連続的に排出す
る連続式処理を行うものとがある。
【0004】ミキシング方式は、バッチ式処理を行うも
のであれ、連続処理を行うものであれ、処置装置そのも
のは定置式とした処理プラントとして構成するのが一般
的である。この処理プラントには処理装置及びコンベア
等の付属施設が据え付けられるが、さらに土質改良を必
要とする土砂を受け入れる土砂集積所と、処理装置で生
成された改良土を一時的に堆積する改良土堆積所とが設
けられる。ただし、土質改良すべき土砂は工事現場から
発生することから、処理プラントへの発生土の受け入れ
量及び改良土の供給量が著しく変動する。従って、この
変動を抑制するには、処理プラントの大規模化を図り、
かつ受け入れる土砂を広いエリアから集めるようにしな
ければならない。この結果、処理対象の土砂の搬入及び
製品としての改良土の搬出に長距離輸送を強いる結果と
なり、製品のコストアップ、ダンプトラックが頻繁に走
行することによる交通障害等という問題が発生する。
【0005】土質改良処理のもう一つの方式としての解
砕方式の土質改良機械は、例えば特開平9−19526
5号公報等に示されているが、この機械は前述した課題
を解決する一つの手法として有効である。この公知の土
質改良機械は、自走式のもので構成されている。即ち、
履帯を有する下部走行体と車台とを有し、車台には複数
の回転打撃子からなる解砕機を搭載し、また土砂を投入
するホッパ及び土質改良材を供給するホッパと、これら
両ホッパから供給される土砂と土質改良材を搬送する搬
入コンベアと、解砕機による解砕で得た改良土を排出す
る搬出コンベアとが設けられている。つまり、自走可能
な車両に、土質改良処理に必要な全ての機構を設けてお
り、道路工事や基礎工事等の作業現場にこの機械を搬入
して、下部走行体で走行させながら、掘削により発生し
た土砂を改良した上で掘削箇所に直接埋め戻すという作
業を行うことができる。従って、ダンプトラックによる
土砂の搬出及び改良土の搬入を必要としないので、処理
コストの低減が図られ、またダンプ公害を抑制できる等
といった利点がある。
【0006】ただし、解砕機では搬入コンベアから落下
する土砂を回転打撃子で打撃することにより解砕して細
かく砕くようにして土質改良材と混合させるものであ
り、必ずしも土砂と土質改良材とを均一に混合させるこ
とはできない。勿論、回転打撃子を多数設けて、打撃回
数を増やせば、土砂と土質改良材との混合度合いをある
程度は向上する。しかしながら、打撃を加えるために土
砂及び土質改良材を自重で落下させることから、打撃回
数を増やすということは、土砂及び土質改良材の落下距
離を長くすること、つまり解砕機の高さ寸法を高くしな
ければならないことになる。そして、土砂及び土質改良
材はホッパから搬入コンベアに供給することから、車両
全体としての車高は極めて高くなる。前述したように、
この解砕方式の土質改良機械は、工事現場に運び込んで
処理を行うことから、現場に搬入する際にはトレーラ等
を用いて一般道路で運搬することになり、道路通行時に
おける高さ制限を受ける。従って、土質改良機械全体と
しての高さを制限しなければならないから、回転打撃子
による打撃回数を多くするには限度があり、高さ方向に
はせいぜい3個程度の回転打撃子しか設けることはでき
ない。この結果、解砕による土砂と土質改良材との混合
を十分に行えないという問題点がある。
【0007】以上のことから、本出願人は、均一に攪拌
・混合した高品質の改良土を安定的に製造するために、
可搬型で自走式であり、しかも連続式のミキシング装置
を備えた土質改良機械を開発し、特願平10−2096
47号として特許出願を行った。この先願発明に係る土
質改良機械は次のような構成となっている。
【0008】クローラ式の走行手段を有する車両におけ
る本体フレームに、土砂ホッパから供給される土砂と土
質改良材ホッパから供給される土質改良材を搬送する搬
入コンベアと、処理槽内に土砂及び土質改良材を混合・
攪拌しながら概略水平方向に移送する攪拌手段を備えた
処理機構と、この処理機構で生成した改良土を所定の方
向に搬送する搬出コンベアとを備える構成としている。
そして、処理機構を構成する処理槽には、その一方側の
上部に搬入コンベアから供給される土砂及び土質改良材
が導入される導入部を設け、また他方側の下部に改良土
を搬出コンベアに排出する排出部を設けることによっ
て、機械全体をコンパクト化し、特に高さ方向の寸法を
抑制でき、可搬性に優れたものとなる。
【0009】また、搬入コンベアには土砂ホッパから供
給されて搬送される土砂の量を測定する土砂供給量測定
手段を設け、かつ土質改良材ホッパは土質改良材の供給
量を調整可能となし、土砂供給量測定手段による土砂の
搬送量に応じて土質改良材の供給量を調整することによ
って、土砂と土質改良材との混合比が一定になるように
制御している。さらに、処理槽内に設けられる攪拌手段
としては、回転軸に所定のピッチ間隔をもって螺旋状に
複数のパドルを設けたパドルミキサを複数本配置して、
各パドルミキサは相隣接するものを相互に反対方向に回
転駆動するようようになし、もって土砂と土質改良材と
を均一に混合させるようにしている。
【0010】以上のように、パドルミキサを用いること
により、土砂と土質改良材とを極めて均一に攪拌・混合
でき、しかも土砂と土質改良材との混合比を正確に制御
しているので、製品としての土質改良材は極めて高品質
のものとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、土質改良機
械を自走式となし、これをトレーラ等の運搬手段に載置
して、土質改良を行う土砂を集積させたヤードに搬入す
るには、機械全体のコンパクト化を図る必要がある。こ
こで、コンパクト化という場合、高さ方向の寸法も重要
であるが、長さ方向の寸法の短縮も、自走時における小
回りや、トレーラへの乗り降り等の観点から、極めて重
要である。処理槽は車両の走行方向に向けて長手となっ
ているので、処理槽の軸線方向の長さ寸法は機械全体の
長さ方向の寸法に極めて大きな影響を与える。また、処
理槽内に投入された土砂及び土質改良材を完全に排出す
るのは困難であることから、土質改良作業の終了後には
処理槽の内部の清掃を行わなければならないが、処理槽
の長さが必要以上の寸法となっていると清掃が面倒にな
るという不都合もある。一方、処理槽の長さ寸法は、土
砂と土質改良材との混合度合いに極めて重要な影響を与
える。処理槽の長さが十分長い場合には、土砂と土質改
良材とを均一に混合できるが、その長さ寸法を短くする
と、土質改良材を土砂に均一に分散させることができ
ず、製品としての改良土の品質の低下を招くという問題
点が生じる。
【0012】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、処理槽を、土砂と土
質改良材との混合精度を低下させず、しかもその長さ寸
法を最小限のものとすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、走行車両の本体フレームに処理槽を
設置し、この処理槽の一側には土砂及び土質改良材の
供給部を設け、側に改良土の排出部を設け、前記処
理槽内には回転軸の外周面に所定の間隔を置いて螺旋状
にパドルを取り付け、この回転軸を回転駆動することに
より、前記処理槽内の土砂及び土質改良材を攪拌・混合
しながら概略水平方向に移送するパドルミキサを複数本
装着し、このパドルミキサによる土砂及び土質改良材の
移送距離を、前記パドルの前記回転軸の軸線方向におけ
る取付ピッチ間隔の概略2.5倍〜3倍としたことを特
徴とする自走式土質改良機械にある。また、走行手段
と、この走行手段上に設けた本体フレームと、この本体
フレーム上に設けられ、処理槽及びこの処理槽内に複数
本設けられ回転軸に所定のピッチ間隔を持って複数のパ
ドルを取り付けたパドルミキサを備え、このパドルミキ
サによる土砂及び土質改良材の移送距離を前記回転軸の
軸線方向における前記パドルの取付ピッチ間隔の概略
2.5倍〜3倍とした処理機構部と、前記本体フレーム
の長手方向一方側に設けた土砂ホッパと、前記土砂ホッ
パからの土砂を前記処理機構部に移送するように、前記
土砂ホッパの下方に設けた搬入コンベアと、土質改良材
を供給するように、前記処理機構部より前記土砂ホッパ
側となるように前記本体フレームに設けた土質改良材ホ
ッパと、前記処理機構部からの改良土を排出するよう
に、前記本体フレームの長手方向他方側に設けた搬出コ
ンベアと、前記本体フレームの長手方向他方側に設けた
機械室とを備えたことを特徴とする自走式土質改良機械
にある。
【0014】ここで、パドルミキサは処理槽内に偶数本
装着するようになし、またこれらパドルミキサを回転駆
動する機構としては、各回転軸のそれぞれの一端を駆動
ユニット内に臨ませて設け、この駆動ユニットに少なく
とも一方の回転軸を回転駆動する駆動手段と、この駆動
手段からの回転を他の回転軸に相互に逆方向に回転させ
回転伝達手段とを設けるのが望ましく、処理槽の長さ
はさらにパドルミキサの直径の概略3倍とする構成とす
るのが処理効率等の点でより望ましい。土砂の性質はパ
ドルミキサによる攪拌効率に影響を与える。特に、土砂
の含水率があまり高いと、処理槽を前述した長さに設定
しても、均一に攪拌できない場合もある。従って、処理
槽に供給する土砂の含水率を40%以下に予め水分調整
しておくのがさらに望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。而して、図1乃至図3に自
走式土質改良機械の構成を示す。まず、図1において、
1は下部走行体であって、この下部走行体1は履帯1a
を有するクローラ式手段を備える構成としたものであ
る。図示の下部走行体1は履帯式の走行手段としている
が、これは土砂が間欠的に投入される場合等を考慮し
て、土砂投入時の衝撃荷重等により車体全体が不安定に
なるのを防止するためである。
【0016】下部走行体1には車台を構成する本体フレ
ーム2が連結して設けられており、この本体フレーム2
に各種の機構なり機器なりが設けられている。この本体
フレーム2において、図1における左側を機械の前方と
した時に、前方位置には供給部3が配置されている。ま
た、その後方には処理機構部4が装着され、さらにこの
処理機構部4より後方側に向けて排出部5が設けられて
いる。排出部5は処理機構部4の下方位置から斜め上方
に延在されており、また処理機構部4の上部位置にはエ
ンジン,油圧ポンプ,方向切換弁ユニット等の機械を内
蔵した機械室6が設けられている。
【0017】供給部3は土砂と土質改良材とを供給する
ためのものであり、搬入コンベア10を備え、この搬入
コンベア10の搬送方向において、最上流側、つまり機
械の前方側には土砂ホッパ20が、後方側には土質改良
材ホッパ30が設置される。また、搬入コンベア10に
よる土砂の搬送量を測定して、この測定量に応じて土質
改良材ホッパ30からの土質改良材の供給量が調整され
る。
【0018】搬入コンベア10は、履帯1a,1a間に
おいて、本体フレーム2より前方に向けて張り出すよう
に設けたサポート7に支持させている。ここで、サポー
ト7は基端側が最も低く、本体フレーム2への連設側に
向かうに応じて斜め上方に立ち上がるように傾斜してお
り、従って搬入コンベア10も前方側から斜め上方に向
けて延在されている。そして、搬入コンベア10の基端
部の高さ位置は、履帯1aの接地面よりは高いが、本体
フレーム2より低い位置となっている。
【0019】搬入コンベア10は、図4から明らかなよ
うに、搬送ベルト11(仮想線で示す)を有し、この搬
送ベルト11はシート状のゴム等からなり、荷重が作用
すると、その荷重に応じた量だけ撓む構成としたものが
用いられる。また、12はコンベアフレームを示し、こ
のコンベアフレーム12の両端には、それぞれ駆動ロー
ラ13,従動ローラ14に連結して設けた回転軸13
a,14aが回転自在に連結されており、搬送ベルト1
1はこれら駆動ローラ13と従動ローラ14との間に巻
回して設けられている。駆動ローラ13を設けた回転軸
13aには油圧モータ15が連結されており、この油圧
モータ15で回転軸13aを回転駆動することによっ
て、駆動ローラ13を回転駆動して搬送ベルト11を図
4の矢印方向に送るようになされている。
【0020】搬送ベルト11における搬送面の左右両側
部には、土砂が搬送中に溢出しないように保持するガイ
ド板16が設けられており、搬送ベルト11における搬
送面より所定の高さだけ上方に突出している。また、搬
送ベルト11には、その搬送方向に所定のピッチ間隔で
ガイドローラ17が設けられる。さらに、従動ローラ1
4が装着されている回転軸14aは張り調整手段18を
介して搬送ベルト11の張りが一定に保たれるように調
整される。また、この張り調整手段18には荷重センサ
等、搬送ベルト11の張り度合いを検出する手段が設け
られて、搬送ベルト11の張りを一定に保たれる。ただ
し、これらの具体的な構成については図示を省略する。
【0021】土砂ホッパ20は、図5に示したように、
上下が開口する枠状の部材からなり、その上部には簀の
子等からなる篩い分け手段21が設置され、また周胴部
がサポート8により本体フレーム2に保持されている。
この篩い分け手段21は土砂を選択的に通過させ、ある
大きさ以上の塊状固形の異物、例えば岩石やコンクリー
ト片等が土砂ホッパ20内に入らないように分離するた
めのものである。土砂ホッパ20から搬送ベルト11に
供給された土砂が搬送ベルト11に沿って搬送される
が、この土砂ホッパ20からの土砂の高さがガイド板1
6の突出高さを越えないように規制するためにゲート2
2が形成されており、搬送ベルト11を送ると、ゲート
22により設定された高さ分に相当する嵩の土砂が堆積
した状態で搬送される。また、ゲート22を通過した搬
送ベルト11上の堆積土砂を均すために、ゲート22の
出口側に均しローラ23が設けられており、この均しロ
ーラ23の外周面には爪24が突設されている。これに
よって、搬送土砂の高さはほぼ一定となるように調整さ
れる。
【0022】次に、土質改良材ホッパ30は支柱9によ
り本体フレーム2に固定的に保持されており、その構成
は図6乃至図9に示したようになっている。土質改良材
ホッパ30は貯留部31と定量供給部32とから構成さ
れ、貯留部31は下方の部位が円筒部31aとなってお
り、上部側には方形ボックス部31bが連設されてい
る。方形ボックス部31bの上端部には蓋体33が設け
られており、この蓋体33は2枚の蓋片33aで構成さ
れる。各蓋片33aは外方に開くようになっており、全
開状態では各蓋片33aは適宜の構成を有するストッパ
により斜め上方で拡開するようになる。土質改良材はフ
レキシブルコンテナ34から貯留部31に供給されるよ
うになっている。
【0023】貯留部31内には刃先が上方に突出したカ
ッタ35が取り付けられており、フレキシブルコンテナ
34が土質改良材ホッパ30内に載置された時に、その
自重でカッタ35でその下端部分が切り裂かれるように
なるから、フレキシブルコンテナ34内の土質改良材、
例えば石灰,セメント等が、貯留部31内、特にその円
筒部31a内に流れ込むように供給される。そして、蓋
体33を閉鎖すると、土質改良材の飛散等が防止され
る。図7から明らかなように、円筒部31aと定量供給
部32との間は連通孔36で連通しているので、土質改
良材は定量供給部32内に供給される。また、この土質
改良材の定量供給部32への供給を促進するために、円
筒部31aの底面近傍に回転ロッド37を十文字状に配
設して、この回転ロッド37を、円筒部31aの下部に
設けた油圧モータ38で回転駆動される回転軸39に連
結する構成としている。
【0024】定量供給部32は搬入コンベア10におけ
る搬送ベルト11の幅方向の寸法と同じ程度の寸法を有
するケーシング40を有し、このケーシング40の下端
部には、搬送ベルト11の全長とほぼ同じか、それより
僅かに狭い長孔からなる土質改良材供給口41が形成さ
れており、貯留部31からこの定量供給部32に送り込
まれた土質改良材はこの土質改良材供給口41から搬送
ベルト11により搬送される土砂に供給するように構成
されている。
【0025】定量供給部32は、図8及び図9に示した
ように、定量供給部32のケーシング40における土質
改良材供給口41が開口した下端近傍の壁面は相対向す
る円弧状壁面部40a,40aとなっており、この円弧
状壁面部40a,40a間の部位に定量供給フィーダ4
2が設けられている。この定量供給フィーダ42は、ケ
ーシング40の下端近傍部分を水平方向に貫通する状態
に設けた回転軸43に所定角度毎(図示のものにあって
は、90°毎)に隔壁44を形成することにより、相隣
接する隔壁間に断面がV字状となった定量供給容器部4
5を形成するように構成したものである。そして、土質
改良材供給口41の幅寸法は、相隣接する隔壁44,4
4間の間隔と等しいか、それより狭くなっており、また
円弧状壁面部40aは少なくとも90°以上の円弧とな
っている。
【0026】回転軸43を回転させた時には、4個の定
量供給容器部45を構成する各々の隔壁44の先端は円
弧状壁面部40aに摺接するようになっており、この円
弧状壁面部40aは各定量供給容器部45の擦り切り壁
として機能することになり、回転軸43が1/4回転す
る毎に、定量供給フィーダ42は図8の状態から図9の
状態に変位して、1個の定量供給容器部45の容積に相
当する量の土質改良材が搬送ベルト11上に供給される
ようになっている。従って、回転軸43の回転速度を調
整することにより定量供給部32からの土質改良材の供
給量を制御することができる。そして、定量供給フィー
ダ42の回転軸43の回転速度を微細に制御するため
に、ケーシング40の外面には電動モータ46が取り付
けられており、この電動モータ46と回転軸43との間
には伝達ベルト等からなる動力伝達手段47が介装され
ている。
【0027】土質改良材の供給量は搬送ベルト11によ
り搬送される土砂の量に応じて変化させる。搬送ベルト
11により搬送される土砂の量を正確に検出するため
に、土砂供給量測定手段50が設けられ、この土砂供給
量測定手段50は、具体的には搬送土砂の重量を検出す
るものである。このために、土砂供給量測定手段50の
具体的な一例としては、図10及び図11に示した構成
となっている。
【0028】これらの図において、51,51はコンベ
アフレーム12により固定的に支持され、搬送ベルト1
1の裏面と当接して、その送りにより転動する一対の固
定ローラであって、これら前後の固定ローラ51,51
間の部位が土砂供給量測定区間となっている。この土砂
供給量測定区間を構成する前後の固定ローラ51,51
間の概略中間位置に、搬送ベルト11の裏面に当接する
ように、重量測定ローラ52が装着されている。ここ
で、既に述べたように、搬送ベルト11は荷重により、
つまりその上に堆積された土砂の重量に応じて撓むもの
であり、重量測定ローラ52はこの搬送ベルト11の撓
み度合いを検出するためのものである。
【0029】重量測定ローラ52は、コンベアフレーム
12に設けた軸受部材53により揺動自在に支持されて
いる揺動板54に連結して設けられており、この揺動板
54の他端には、重量測定手段を構成するロードセル等
からなる荷重センサ55が連結して設けられている。従
って、搬送ベルト11上に所定量の土砂を堆積させた状
態で搬送した時において、この搬送ベルト11の土砂を
堆積させた部位が固定ローラ51,51間の土砂供給量
測定区間にまで搬送されると、搬送ベルト11が沈むよ
うに撓むことになる。この結果、重量測定ローラ52が
図11の矢印方向Dに押動されて、この重量測定ローラ
52を連結した揺動板54が同図に矢印U方向に揺動変
位しようとするから、荷重センサ55に対する荷重が増
大することになり、この検出信号に基づいて搬送ベルト
11により搬送される土砂の量を測定することができ
る。
【0030】以上のようにして搬入コンベア10を構成
する搬送ベルト11により土砂と土質改良材とからなる
処理材料が搬送されるが、この搬入コンベア10の端部
は処理機構部4を構成する処理槽60に接続されてい
る。処理槽60は槽本体60aの上面を所定の範囲にわ
たって開口させ、この開口部に蓋体60bをボルト等で
着脱可能に固定することにより構成される。槽本体60
aは本体フレーム2の上面に固定的に設置されており、
また蓋体60bの上部に位置する機械室6はこの蓋体6
0bとは非接触状態になっており、これにより処理槽6
0を本体フレーム2に設置したままで、蓋体60bを槽
本体60aから分離できるようになっている。処理槽6
0には、搬入コンベア10から処理材料が上方から供給
されるが、搬入コンベア10を斜め上方に向くように延
在させることにより、搬入コンベア10の最上流側に位
置する土砂ホッパ20を低い位置に配置することがで
き、もって土砂の投入を容易にしている。
【0031】図12乃至図15に処理機構部4を構成す
る処理槽60の内部構成を示す。処理槽60は、図12
から明らかなように、本体フレーム2の長手方向、つま
り概略水平方向に配置した方形の容器からなり、その側
部は開閉扉61により開閉可能となっている。また、処
理槽60の前方側の上部には土砂と土質改良材とからな
る処理材料の導入部を構成する導入口62が、また後方
側の下部には排出部を構成する排出口63が連結して設
けられている。図13乃至図15に示したように、処理
槽60内には2本のパドルミキサ64が平行に設けられ
ている。なお、パドルミキサの数はこれに限定されない
が、均一な攪拌を行うために偶数本とする。パドルミキ
サ64は回転軸65を有し、この回転軸65には、処理
材料を攪拌しながら移送するために、間欠羽根からなる
パドル66が植設されている。パドル66は回転軸65
の外周面において、ほぼ螺旋状となる配列され、それぞ
れ回転軸65の軸線に対して所定角度傾斜した状態にな
っている。そして、パドル66は回転軸65に固着して
設けた支持杆66aにパドル本体66bがボルト66c
で固定するように構成して、パドル本体66bが摩耗し
た時にその交換を行えるようにしている。
【0032】各パドルミキサ64の回転軸65の両端は
軸受67,67により回転自在に支持されており、また
回転軸65の先端部は、図13に示したように、処理槽
60の前端部に設けた駆動ユニット68のハウジング内
に延在されている。各回転軸65の先端には伝達ギア6
9が連結されており、両伝達ギア69,69は相互に噛
合している。そして、一方の伝達ギアには油圧モータ7
0の出力軸に連結した駆動ギア71が噛合しており、こ
の油圧モータ70を回転駆動することによって、それぞ
れパドル66を設けた両回転軸65,65を同時に、相
互に反対方向に回転駆動される。
【0033】2本設けたパドルミキサ64のそれぞれに
設けたパドル66は、回転方向においては90°毎に取
り付けられており、従って4本のパドル66により螺旋
の1ピッチ間隔が形成されることになり、これがパドル
66の回転軸65の軸線方向における取付ピッチ間隔で
ある。また、それぞれのパドル66の回転軸65の軸線
に対する角度は概略45°となっている。そして、2本
のパドルミキサ64は相互に反対方向に回転するもので
あるから、それらの回転軸65に植設したパドル66は
相互に反対方向に傾けられている。さらに、回転軸6
5,65間の間隔は、パドル66の突出長さより僅かに
広い間隔に設定している。そして、パドルミキサ64の
回転時に相互のパドル66が干渉しないようにするため
に、両パドルミキサ64におけるパドル66の取付ピッ
チ間隔を1/4ピッチずらせるようにして装着されてい
る。さらに、パドル66の回転軌跡における直径は、パ
ドル66の取付ピッチ間隔とほぼ一致させている。
【0034】パドルミキサ64を以上のように構成する
ことによって、処理槽60内の処理材料を効率的かつ均
一に攪拌できるようになる。ここで、処理槽60内で処
理材料を均一に攪拌・混合するために、この処理槽60
においては、パドル66の回転軌跡における概略80%
に相当する高さレベルとなるように処理材料の供給量を
調整するようにしている。また、処理槽60にはパドル
66による攪拌が及ばない部位もある。このために、処
理槽60内の底部から両側部にかけてガイド板72が取
り付けられており、このガイド板72によって、処理材
料が処理槽60の下端部側の角隅部等に滞留するのを防
止している。ただし、ガイド板72は排出口63に対応
する部位は開口している。
【0035】以上のようにして処理槽60内で土砂と土
質改良材とからなる処理材料が均一に混合した改良土が
製造されるが、この改良土は排出口63から自重の作用
で排出部5に排出される。排出部5は搬出コンベア73
から構成される。排出口63は処理槽60より下方に位
置していることから、搬出コンベア73はこの排出口6
3より下方に配置する。しかしながら、搬出コンベア7
3をそのまま真直ぐ延在させると、改良土を高く堆積で
きないので、搬出コンベア73を斜め上方に延在させる
ことによって、所定の高さ位置から改良土を落下させる
ようにする。また、搬出コンベア73の先端を図1に仮
想線で示したように折り曲げ可能な構成とすることによ
って、全体をコンパクト化できるようになっている。
【0036】以上のように構成することによって、図1
6に示したようにして土質改良処理を行うことができ
る。同図に示したのは小規模なヤードであり、このヤー
ドには予め土質改良を行うべき土砂が集積されている。
この土質改良機械では、土砂ホッパ20が設けられてお
り、この土砂ホッパ20に土砂が投入されて、その土質
改良が行われる。このためには、土砂の投入手段を必要
とするが、この土砂の投入手段は、土質改良機械にバケ
ットを備えたフロント作業機構を設けるようにすれば、
それ自体で土砂を投入することができるが、このような
機構を備えていない場合には、油圧ショベルPSを用い
て土砂の投入を行うようにする。従って、土質改良機械
と油圧ショベルPSとをヤードに搬入して、集積した土
砂の土質改良を行う。また、堆積部から土砂が土質改良
機械に取り込まれることにより生じたスペースには順次
製造した改良土を堆積させる。これにより、ヤードにお
けるスペースのうちの大半が実質的に土砂の堆積場所と
改良土の堆積場所とを兼ねることになり、ヤードのスペ
ースを有効に活用できる。土質改良機械が下部走行体1
で自走させる構成としたのはこのためであり、作業が進
み、土砂の堆積場所が後退するのに応じて下部走行体1
を作動させて、土質改良機械を移動させるようにする。
【0037】製造した改良土を排出コンベア71で所定
の位置に堆積するに当って、改良土の粒径に応じて分類
分けする場合には、選別装置75を設ける。この選別装
置75は可搬式のものとして構成し、篩い76と移送コ
ンベア77とを備えるようにする。篩い76は、例えば
13mm以下,20mm以下,25mm以下というよう
に、所定の粒径以下のものを通過させるメッシュサイズ
のものであり、かつ振動篩いで構成するのが望ましい。
そして、篩い76を通過し、粒径の揃った改良土を移送
コンベア77で所定の堆積箇所に堆積する。
【0038】以上のようにして製造される改良土の品質
を向上させるには、固化度合いが所定の範囲となるよう
にする。このためには、土砂と土質改良材との混合比を
正確に調整すると共に、土砂と土質改良材とを十分に攪
拌・混合する。
【0039】まず、土砂と土質改良材との混合比につい
ては、土砂の性質等により土質改良材の添加による固化
度合いが異なってくることがある。従って、予め実験等
により望ましい混合比を決定しておく。土砂と土質改良
材との混合比としては、容積比で設定しても良く、また
重量比として設定することができる。土砂の密度や粘度
等との関係を考慮すると、混合比は重量比として設定す
るのが望ましい。
【0040】土砂ホッパ20から送り出された土砂の重
量が土砂供給量測定手段50により計測され、搬入コン
ベア10における土砂供給量測定手段50より下流側の
位置で土質改良材ホッパ30の定量供給フィーダ42の
回転速度を荷重センサ55からの信号に基づいて調整し
て、土質改良材の供給量を変化させることにより土砂と
土質改良材との混合比を一定化することができる。
【0041】また、パドルミキサ64を内蔵した処理槽
60を用いるのは、土砂と土質改良材とをできるだけ均
一に攪拌・混合するためである。パドルミキサ64は処
理槽60内に2本設けられており、図15に矢印で示し
たように、相互に反対方向に回転する。従って、処理槽
60の内部では、パドルミキサ64の回転軸65に取り
付けたパドル66の剪断及び攪拌作用によって、そのほ
ぼ全域に及ぶ旋回流が形成されて、槽内全体が隈なく攪
拌される結果、土砂と土質改良材とが均一に混ざる。
【0042】ところで、処理槽60内で土砂と土質改良
材とからなる処理材料を混合させると共に、導入口62
から排出口63に移送するものであり、かつ処理槽60
の長さ寸法は有限のものであるから、その移送間に処理
材料が均一に混合しなければならない。しかも、小規模
ヤードで自走しながら土質改良を行うことから、できる
だけ小回りできるようにする必要があり、また複数のヤ
ード間で使い回しをするためには、トレーラ等の輸送手
段で輸送する関係から、機械全体をできるだけ小型化、
コンパクト化しなければならない。土質改良機械の全体
に占める処理槽の寸法は大きいものであり、特に長さ方
向の寸法は機械全体の寸法に極めて大きな影響を及ぼ
す。さらに、小型でコンパクトな構成であっても、土質
改良処理能力なり処理効率なりをできるだけ高くするこ
とが必要である。
【0043】以上の点から、まず高品質の改良土を得る
ために、土砂と土質改良材との混合度合いを最良なもの
とすることを最優先とし、そしてその範囲内で土質機械
の長さ方向の寸法をできるだけ短縮し、しかも土質改良
処理効率を向上させる。
【0044】土砂と土質改良材との混合はパドルミキサ
64により行われるものであるから、このパドルミキサ
64の構成と混合効率との関係について研究を行った。
パドルミキサ64は、回転軸65の外周面に複数のパド
ル66が取り付けられているが、処理槽60内の処理材
料を混合させながら移送させるために、パドル66は回
転軸65の回りに螺旋状となるように装着される。
【0045】今、図17に示したように、パドルミキサ
PMの回転軸RSには90°毎にパドルPDが取り付け
られていることから、4つ目毎のパドル間の間隔が取付
ピッチ間隔Pとなり、相隣接する2本の回転軸RSのパ
ドルPDの取付ピッチ間隔を、概略取付ピッチ間隔Pの
1/4ピッチ分の距離だけずらせるように配置してい
る。従って、相隣接する位置に配置されたパドルミキサ
PMの軸線方向において、取付ピッチ間隔P毎に相互の
パドルPDが僅かな隙間をもって相対向する位置とな
る。この結果、回転軸RSの軸線方向、つまりパドルミ
キサPMによる移送方向から見た時に、取付ピッチ間隔
P毎に相隣接するパドルPDが重なり合い、その中間の
位置では離間した状態となっている。
【0046】そこで、パドルミキサPMを作動させた時
には、パドルPDが離間している部位では、それぞれの
回転軸RSの外側に位置する処理材料が上向きに移動す
るようにしてすくい上げられ、パドルPDが相互に近づ
くに応じて上向きに移動した処理材料を2つの回転軸R
Sの間に向けて相互に合流する方向に移動した上で、下
向きの動きとなる。この処理材料の下向きの動作時にパ
ドルPDが重なり合う部位で左右から処理材料が混じり
合わされる。つまり、攪拌効率の点で見れば、パドルP
Dが重なり合う部位が最も効率的に攪拌混合されること
になる。
【0047】そこで、図17において、処理材料を槽内
に投入して、パドルミキサPMを作動させて、投入位置
STから攪拌混合しながら同図に矢印で示した方向に移
送させて、処理材料が所定の位置まで移送させた状態で
パドルミキサPMの作動を停止して、それぞれの位置で
の処理材料の混合度合いを測定した。測定は、移送方向
には所定幅MB毎に、また移送方向と直交する方向では
所定間隔ML毎に碁盤目状の小区画部ARを形成した。
そして、各々の幅MB毎に移送方向と直交する方向に並
ぶ各小区画部AR内における土質改良材の含有量を検出
して、各小区画部ARにおけるばらつきの度合いを測定
した。この測定結果を図18に示す。この図18におい
て、縦軸は混合度、横軸は処理槽の長さであり、P
,P ,・・・はパドルの取付ピッチ間隔である。
【0048】この図18から明らかなように、パドルミ
キサPMにおけるパドルPDの取付ピッチ間隔が2.5
近傍の位置でほぼ混合度合いが0.8〜1となり、つま
り移送方向と直交する方向に並ぶ各小区画部ARにおけ
る土質改良材の含有量がほぼ一定になることが判る。ま
た、この取付ピッチ間隔がそれ以上となっても、混合度
合いは実質的に改善されない。
【0049】この実験結果から、パドルミキサによる処
理材料の移送距離を、それに取り付けたパドルの取付ピ
ッチ間隔の2.5倍以上、土砂の状態等による誤差を見
込んで、取付ピッチ間隔の概略3倍の長さに設定すれ
ば、土砂と土質改良材とを実用上必要な程度にまで均一
に混合させることができ、しかもこのパドルミキサの長
さ寸法が最小限になる。従って、図13に示したよう
に、処理槽60に設けた2本の回転軸65に取付ピッチ
間隔の3ピッチ分のパドル66を設けるようにする。つ
まり、処理槽60における導入口62から排出口63ま
での距離を、このパドル66の取付ピッチ間隔Pの概略
3倍の長さとする。これによって、処理槽60の長さ方
向の寸法を最小限に抑制して、均一に土砂と土質改良材
とを均一に混合させることができる。
【0050】これによって、処理槽60の長さ方向の寸
法を最小のものとした上で、この処理槽60により品質
の高い改良土を効率的に製造できることになる。このよ
うに、処理槽60の小型化、コンパクト化が図られる
と、土質改良機械全体の長さ寸法が短縮され、走行時に
おける小回りが利き、また輸送時にも至便である。
【0051】ところで、処理槽60の寸法と、処理材料
の攪拌効率及び処理槽60内での移行速度は、回転軸6
5に装着されるパドル66の数と、その角度及び回転半
径によって大きく左右される。1ピッチ分におけるパド
ル66の数は、少な過ぎると、回転軸65の1回転当り
の攪拌効率が低下することになり、また多過ぎるとパド
ル相互間の干渉が生じる可能性がある。従って、1ピッ
チ当りのパドル66の数は4個(つまり90°間隔)ま
たは3個(つまり120°間隔)とするのが望ましい。
一方、パドル66の回転軸65への取付角度について
は、回転軸65の軸線に対する傾き角を大きくすればす
るほど、つまり回転軸65の軸線に対して直角に近い
程、処理材料の移送速度が遅くなる。一方、傾き角を小
さくすればするほど、つまり回転軸65の軸線に平行な
方向に近づくと、それだけ処理材料の移送速度も速くな
る。ただし、ある角度以下にすると、処理材料の移送残
しが生じることになる。従って、パドル66の角度は4
5°前後とするのが望ましい。そして、この角度にパド
ル66を取り付けた回転軸65を高速で回転させると、
処理材料の跳ね上げにより攪拌効率がより向上し、しか
も移送速度も望ましいものとなる。さらに、パドル66
の回転半径、つまりパドル66の回転軸65からの突出
長さは、長ければ長いほど攪拌効率が向上する。ただ
し、あまり大型のパドルを用いると、回転軸65に対す
る負荷が増大することになる。従って、回転軸65の曲
げ強度と、パドル66による攪拌効率とを考慮すれば、
パドル66の先端の回転軌跡の直径は、パドル66の取
付ピッチ間隔Pとほぼ同じ程度にするのが望ましい。
【0052】以上のように、処理材料の攪拌・混合効率
と、その移送効率とから、回転軸65に装着されるパド
ル66の数と、その角度及び回転半径については、ある
程度望ましい範囲があり、この範囲内で、前述したよう
に、処理槽60における導入口62から排出口63まで
の距離をパドル66の取付ピッチ間隔Pの概略3倍の長
さに設定することによって、処理槽60を最小の長さ方
向の寸法で極めて高品質の改良土を効率的に製造でき
る。
【0053】ところで、処理槽60内での攪拌効率は投
入される土砂の性質により変化し、前述したように、処
理槽60の長さ寸法を短縮した時に、処理材料が均一に
混ざらない場合も生じる。特に、土砂における水分含有
量が多いと、それだけ粘性が高くなるために、土質改良
材を均一に混じらせるのは困難になり、また水分含有量
が極端に少ないと、攪拌による混合状態が安定せず、ま
た土質改良材として石灰を用いる場合に、土砂との反応
が損なわれて団粒構造とはならない。従って、処理槽6
0での土質改良処理の精度を安定させるには、投入され
る土砂の水分含有率をある程度調整しなければならな
い。ここで、土砂の含水率は、40%を越えないのが望
ましく、また含水率が30%を下回らない方がより望ま
しい。そこで、処理槽60内に投入するに先立って、土
砂の水分調整を行う。即ち、水分が40%より多い場合
には、乾燥した土砂または石灰等を混合させることによ
り、水分含有率を40%以下にまで低下させる。一方、
水分含有率が30%より低い場合には、水を散布する等
によって、水分含有量を増加させる。
【0054】なお、前述した実施の形態においては、土
砂と土質改良材とを搬入コンベア上に供給して、この搬
入コンベアから土砂と土質改良材とを同時に処理槽内に
供給するように構成したが、土砂と土質改良材とをそれ
ぞれホッパから直接処理槽内に投入する構成としても良
い。この場合には、ホッパのうち、処理槽の下流側に位
置するホッパ(通常は土質改良材ホッパ)の位置から排
出口までの長さをパドルの取付ピッチ間隔の3倍に設定
する。
【0055】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、処
理槽を、内部で土砂と土質改良材とを均一に混合させる
ために必要な最小の長さ寸法とすることができ、機械全
体の小型化、コンパクト化が図られる等の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す自走式土質改良機
械の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の左側面図である。
【図4】本発明の実施の形態における搬入コンベアの構
成説明図である。
【図5】本発明の実施の形態における土砂ホッパの断面
図である。
【図6】本発明の実施の形態による土質改良材ホッパの
断面図である。
【図7】図6のX−X断面図である。
【図8】図7の土質改良材ホッパにおける定量供給機構
の作動説明図である。
【図9】図8とは異なる作動状態を示す定量供給機構の
作動説明図である。
【図10】本発明の実施の形態における土砂供給量測定
手段の構成説明図である。
【図11】図10の土砂供給量測定手段による土砂の供
給量の測定についての原理説明図である。
【図12】パドルミキサを省略して示す本発明の実施の
形態における処理機構を構成する処理槽の外観図であ
る。
【図13】図12の処理槽の横断面図である。
【図14】図13のY−Y断面図である。
【図15】図13のZ−Z断面図である。
【図16】ヤードにおいて、本発明の実施の形態に係る
土質改良機械により土質改良を行っている状態を示す作
動説明図である。
【図17】処理槽内において、パドルミキサのパドルの
取付ピッチ間隔と、土砂と土質改良材との混合度との関
係を示す説明図である。
【図18】図17における処理槽の長さ方向での土砂と
土質改良材との混合度との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 2 本体フレ
ーム 3 供給部 4 処理機構
部 5 排出部 10 搬入コ
ンベア 20 土砂ホッパ 30 土質改
良材ホッパ 60 処理槽 64 パドル
ミキサ 65 回転軸 66 パドル 68 駆動ユニット 69 伝達ギ
ア 70 油圧モータ 71 駆動ギ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E02D 3/12 103 E02D 3/12 103 (72)発明者 草木 貴巳 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (72)発明者 関野 聡 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (56)参考文献 特公 昭63−27492(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 7/00 B01F 3/18 B01F 7/04 B01F 15/00 E02D 3/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行車両の本体フレームに処理槽を設置
    し、この処理槽の一側には土砂及び土質改良材の供給
    部を設け、側に改良土の排出部を設け、前記処理槽
    内には回転軸の外周面に所定の間隔を置いて螺旋状にパ
    ドルを取り付け、この回転軸を回転駆動することによ
    り、前記処理槽内の土砂及び土質改良材を攪拌・混合
    ながら概略水平方向に移送するパドルミキサを複数本装
    着し、このパドルミキサによる土砂及び土質改良材の移
    送距離を、前記パドルの前記回転軸の軸線方向における
    取付ピッチ間隔の概略2.5倍〜3倍としたことを特徴
    とする自走式土質改良機械。
  2. 【請求項2】走行手段と、 この走行手段上に設けた本体フレームと、 この本体フレーム上に設けられ、処理槽及びこの処理槽
    内に複数本設けられ回転軸に所定のピッチ間隔を持って
    複数のパドルを取り付けたパドルミキサを備え、このパ
    ドルミキサによる土砂及び土質改良材の移送距離を前記
    回転軸の軸線方向における前記パドルの取付ピッチ間隔
    の概略2.5倍〜3倍とした処理機構部と、 前記本体フレームの長手方向一方側に設けた土砂ホッパ
    と、 前記土砂ホッパからの土砂を前記処理機構部に移送する
    ように、前記土砂ホッパの下方に設けた搬入コンベア
    と、 土質改良材を供給するように、前記処理機構部より前記
    土砂ホッパ側となるように前記本体フレームに設けた土
    質改良材ホッパと、 前記処理機構部からの改良土を排出するように、前記本
    体フレームの長手方向他方側に設けた搬出コンベアと、 前記本体フレームの長手方向他方側に設けた機械室とを
    備えたことを特徴とする自走式土質改良機械。
  3. 【請求項3】前記パドルミキサは前記処理槽内に偶数本
    装着して、それらの回転軸のそれぞれの一端を駆動ユニ
    ット内に臨ませて設け、この駆動ユニットには、これら
    回転軸のうちの少なくとも一方の回転軸を回転駆動する
    駆動手段と、この駆動手段からの回転を他の回転軸に
    互に逆方向に回転させる回転伝達手段とを設けたことを
    特徴とする請求項1記載の自走式土質改良機械。
  4. 【請求項4】前記処理槽の長さは、さらに前記パドルミ
    キサの直径の概略3倍とする構成としたことを特徴とす
    る請求項記載の自走式土質改良機械。
  5. 【請求項5】前記処理槽に投入される土砂は、その含水
    率が40%以下となるように調整されたものであること
    を特徴とする請求項1記載の自走式土質改良機械。
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